この発明を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における自走式掃除機の斜視図である。図2はこの発明の実施の形態1における自走式掃除機を下方から見た平面図である。図3はこの発明の実施の形態1における自走式掃除機を上方から見た平面図である。図4はこの発明の実施の形態1における自走式掃除機の左側面図である。図5はこの発明の実施の形態1における自走式掃除機の集塵部カバー等を取り外した状態の平面図である。図6はこの発明の実施の形態1における自走式掃除機の集塵部等を取り外した状態の平面図である。図7は図2のBa−Bb線における断面図である。図8は図7の要部である。
図1に示すように、自走式掃除機は、本体1を有する。本体1の外形は、鉛直投影面上において円弧Rと2本の接線Sとに囲まれる。2本の接線Sは、円弧Rの両端から延長される。
図2に示すように、円弧Rの中心角度Aは、270度である。本体1は、中央部2と外殻部3とを有する。中央部2と外殻部3とは、円弧Rと同心の円によって分割される。外殻部3は、中央部2の周りを回転し得るように設けられる。具体的には、外殻部3は、図1に示す状態から時計回りに45°まで回転し得るように設けられる。外殻部3は、反時計回りに45°まで回転し得るように設けられる。外殻部3は、直角部4と円弧部5とを有する。直角部4は、中央部2の前部を囲む。円弧部5は、中央部2の後部を囲む。
中央部2の底面には、駆動輪開口部7a、7bが設けられる。駆動輪開口部7a、7bは、中心線Ba−Bbを挟んで対称に設けられる。中央部2の内部には、駆動輪6a、6bが設けられる。駆動輪6a、6bは、本体1後方のヒンジ部(図示せず)を支点に移動自在に支持される。駆動輪6a、6bの下面は、駆動輪開口部7a、7bから突き出す。駆動輪6a、6bは、中心線Ba−Bbと平行となる方向に回転自在に設けられる。駆動輪6a、6bの中間後方には、従動輪10が設けられる。従動輪10は、方向転換自在に中央部2に支持される。
直角部4には、平面状の右側面24aと平面状の左側面24bが設けられる。右側面24aは、本体1の第1の側面となる。左側面24bは、本体1の第2の側面となる。右側面24aと左側面24bとが交差する頂角の角度は約90°である。
直角部4の底面前方には、右吸込口11aと左吸込口11bとが設けられる。右吸込口11aは、第1の塵埃吸込口となる。左吸込口11bは、第2の塵埃吸込口となる。具体的には、右吸込口11aと左吸込口11bとは、長方形状を成す。右吸込口11aの開口の長手方向は、右側面24aと平行となる。左吸込口11bの開口の長手方向は、左側面24bと平行となる。すなわち、右吸込口11aの長手方向と左吸込口11bの長手方向との角度は約90°である。
右吸込口11aと左吸込口11bとの前方側には、軸受け固定部材104が設けられる。右吸込口11aの後端側には、軸受け14aが設けられる。軸受け固定部材104の右吸込口11a側には、軸受け14bが設けられる。左吸込口11bの後端側には、軸受け14dが設けられる。軸受け固定部材104の左吸込口11b側には、軸受け14cが設けられる。
右吸込口11aには、第1の回転ブラシ12aが設けられる。第1の回転ブラシ12aは、回転ブラシ軸13aと毛ブラシ15からなる。回転ブラシ軸13aは、円筒状に形成される。回転ブラシ軸13aは、右吸込口11aの長手方向と平行となる。回転ブラシ軸13aの後端部は、軸受け14aに回転自在に支持される。回転ブラシ軸13aの前端部は、軸受け14bに回転自在に支持される。毛ブラシ15は、回転ブラシ軸13aの外周面に複数の列をなすように螺旋状に植毛される。毛ブラシ15の先端は、右側面24aから突き出すように設定される。
左吸込口11bには、第2の回転ブラシ12bが設けられる。第2の回転ブラシ12bは、回転ブラシ軸13bと毛ブラシ15からなる。回転ブラシ軸13bは、円筒状に形成される。回転ブラシ軸13bは、左吸込口11bの長手方向と平行となる。回転ブラシ軸13bの後端部は、軸受け14dに回転自在に支持される。回転ブラシ軸13bの中間部は、軸受け14cに回転自在に支持される。毛ブラシ15は、回転ブラシ軸13bの外周面に複数の列をなすように螺旋状に植毛される。毛ブラシ15先端は、左側面24bから突き出すように設定される。
第2の回転ブラシ12bは、第1の回転ブラシ12aよりも長い。すなわち、第2の回転ブラシ12bの前端部の外周面は、第1の回転ブラシ12aの軸方向の延長線上に重なる。
右吸込口11aの本体1中心側には、塵埃受け16aが設けられる。塵埃受け16aは、シート状の弾性部材、毛ブラシ列、布等からなる。塵埃受け16aの上下方向の先端は、床面に接触するように設定される。左吸込口11bの本体1中心側には、塵埃受け16bが設けられる。塵埃受け16bは、シート状の弾性部材、毛ブラシ列、布等からなる。塵埃受け16bの上下方向の先端は、床面に接触するように設定される。
直角部4の底面の中央部には、直角部段差検知センサー22cが設けられる。円弧部5の底面外周の前方には、一対の前方段差検知センサー22a、22bが設けられる。円弧部5の底面外周の後方には、一対の後方段差検知センサー23a、23bが設けられる。
例えば、直角部段差検知センサー22c、前方段差検知センサー22a、22b、後方段差検知センサー23a、23bは、発光部と受光部とを備える。直角部段差検知センサー22c、前方段差検知センサー22a、22b、後方段差検知センサー23a、23bは、接触式スイッチ、超音波送受信器等、他のセンサーでもよい。
図3に示すように、本体1の上面には、集塵部カバー33が設けられる。集塵部カバー33は、直角部4と円弧部5に亘る。集塵部カバー33は、後方を支点に開閉するように設けられる。円弧部5の上面後方には、操作表示部30が設けられる。操作表示部30には、複数の操作ボタン31と表示部32とが設けられる。
図3と図4とに示すように、右側面24aには、右側面反射型近接センサー202aが設けられる。右側面反射型近接センサー202aは、外殻部3の円弧Rの中心から右側面24aに向けて引いた垂線上に設けられる。左側面24bには、左側面反射型近接センサー202bが設けられる。左側面反射型近接センサー202bは、外殻部3の円弧Rの中心から左側面24bに向けて引いた垂線上に設けられる。右側面反射型近接センサー202a、左側面反射型近接センサー202bは、発光部(図示せず)と受光部(図示せず)とを備える。
円弧部5の側面の右側には、右方近接センサー27aが設けられる。円弧部5の側面の右側後方には、右後方近接センサー28aが設けられる。円弧部5の側面の左側には、左方近接センサー27bが設けられる。円弧部5の側面の左側後方には、左後方近接センサー28bが設けられる。円弧部5の側面後方には、後方近接センサー29が設けられる。右方近接センサー27a、右後方近接センサー28a、左方近接センサー27b、左後方近接センサー28b、後方近接センサー29は、発光部(図示せず)と受光部(図示せず)とを備える。
右側面24aには、凹部200a、201aが設けられる。凹部200a、201aは、予め設定された距離だけ離れて配置される。左側面24bには、凹部200b、201bが設けられる。凹部200b、201bは、予め設定された距離だけ離れて配置される。
凹部200aには、右側面距離計測センサー25aが設けられる。凹部201aには、右側面距離計測センサー26aが設けられる。右側面距離計測センサー25aと右側面距離計測センサー26aとは、予め設定された距離だけ離れて配置される。凹部200bには、左側面距離計測センサー25bが設けられる。凹部201bには、左側面距離計測センサー26bが設けられる。左側面距離計測センサー25bと左側面距離計測センサー26bは、予め設定された距離だけ離れて配置される。
右側面距離計測センサー25a、26a、左側面距離計測センサー25b、26bは、三角測量原理を適用した光学式の距離計測センサーである。具体的には、右側面距離計測センサー25a、26a、左側面距離計測センサー25b、26bは、発光部(図示せず)と受光部(図示せず)とを備える。例えば、受光部は、ポジションセンシングデバイス(位置検知素子)又はCMOSイメージセンサからなる。
図4に示すように、凹部200a、200bは、直角部4の頂角側に向けて下に傾斜する。その結果、右側面距離計測センサー25aの向きと左側面距離計測センサー25bの向きも、直角部4の頂角側に向けて下に傾斜する。
図5に示すように、駆動輪6aの内側には、ギヤ部9aが連結される。ギヤ部9aにおいては、複数のギヤ(図示せず)が連結される。ギヤ部9aの内側には、駆動輪モーター8aが連結される。駆動輪6a、ギヤ部9a、駆動輪モーター8aは、一体化された駆動部ユニットからなる。駆動輪ユニットには、駆動輪接地センサー(図示せず)が設けられる。駆動部ユニットには、バネ(図示せず)が設けられる。バネは、駆動輪6aが駆動輪開口部7aから突き出す方向の力を駆動輪ユニットにかける。
駆動輪6bの内側には、ギヤ部9bが連結される。ギヤ部9bにおいては、複数のギヤが連結される。ギヤ部9bの内側には、駆動輪モーター8bが連結される。駆動輪6b、ギヤ部9b、駆動輪モーター8bは、一体化された駆動部ユニットからなる。駆動輪ユニットには、駆動輪接地センサー(図示せず)が設けられる。駆動部ユニットには、バネ(図示せず)が設けられる。バネは、駆動輪6aが駆動輪開口部7aから突き出す方向の力を駆動輪ユニットにかける。
右吸込口11aと左吸込口11bには、吸込風路43が接続される。吸込風路43には、自在連結部44が接続される。自在連結部44は、ゴム、エラストマー樹脂等の弾性部材で蛇腹状に形成される。自在連結部44には、集塵部37につながる。集塵部37は、円筒状に形成される。集塵部37は、吸込風路43に近づいたり離れたりしても自在連結部44により気密を確保するように設けられる。
中央部2には、ラックギヤ59が設けられる。円弧部5の後方には、角度調節モーター57が設けられる。角度調節モーター57の軸には、ピニオンギヤ58が設けられる。ピニオンギヤ58は、ラックギヤ59に噛み合わされる。円弧部5には、角度検知センサー(図示せず)が設けられる。
図6に示すように、集塵部37は、本体1から取り外し得るように設けられる。
図7に示すように、外殻部3には、複数のガイド60が設けられる。複数のガイド60は、直角部4を上下方向に案内するように設けられる。直角部4の後方には、変位量検知センサー61が設けられる。変位量検知センサー61は、赤外線の発光部(図示せず)と受光部(図示せず)とを備える。
円弧部5内の中心には、送風機34が設けられる。送風機34は、集塵部37の下方に設けられる。送風機34は、ファン35を有する。ファン35は、複数の回転翼からなる。複数の回転翼は、水平回転するように設けられる。送風機34の上部には、開口部が形成される。当該開口部には、格子41が設けられる。ファン35の半径方向には、排気ダクト36が設けられる。排気ダクト36の後方において、円弧部5の側面後方には、排気口48が設けられる。
集塵部37には、集塵部蓋38が設けられる。集塵部蓋38の下部には、開口部が形成される。当該開口部には、フィルター40が設けられる。フィルター40は、集塵部蓋38から取り外され得るように設けられる。
集塵部蓋38の開口部には、輪状のシール部材42が設けられる。シール部材42は、ゴム、エラストマー樹脂等の弾性部材に潤滑性を有するフッ素樹脂を配合した素材で形成される。シール部材42の断面はV字状である。シール部材42のV字状の一面には、集塵部蓋38の開口部が接する。シール部材42のV字状の他面には、送風機34の開口部が接する。その結果、送風機34と集塵部37とは、気密を確保した状態で水平方向に摺動し得るように設けられる。
中央部2には、電気回路基板47が設けられる。電気回路基板47には、制御部(図示せず)、センサー(図示せず)等の電気部品が搭載される。円弧部5の後方には、組電池50が設けられる。組電池50は、複数の蓄電池49を備える。複数の蓄電池49は、円筒形に形成される。複数の蓄電池49は、円弧部5の外形に沿って円弧状に配列される。複数の蓄電池49は、樹脂ケース(図示せず)に一体化される。その結果、本体1が小型化される。
図8に示すように、集塵部蓋38は、ヒンジ部39を支点に開閉するように設けられる。集塵部蓋38と集塵部37の接触面には、輪状のシール部材(図示せず)が設けられる。シール部材は、集塵部蓋38と集塵部37との気密を確保するように設けられる。集塵部蓋38には、係止爪(図示せず)が設けられる。集塵部蓋38は、係止爪が集塵部37に噛み合った場合に閉じた状態に維持される。
自走式掃除機においては、駆動輪6a、6bと従動輪10とが本体1を支持する。この際、駆動輪開口部7aにおいて、駆動輪6aの突き出し量が減少する。駆動輪開口部7bにおいて、駆動輪6bの突き出し量が減少する。
操作ボタン31により電源が入れられると、駆動輪接地センサーは、駆動輪6a、6bの変位を検知する。制御部は、駆動輪接地センサーの検知結果を監視する。制御部は、当該監視結果に基づいて駆動輪6a、6bと床面Fとの接触状態を認識する。
操作ボタン31により動作モードが設定されると、制御部は、予め設定されたアルゴリズムに基づいて駆動輪モーター8a、8bを回転させる。当該回転は、ギヤ部9a、9bを介して駆動輪6a、6bに伝達される。その結果、自走式掃除機が走行を開始する。
この際、送風機34は、ファン35を回転させる。当該回転により、負圧が発生する。当該負圧により、含塵空気が右吸込口11aと左吸込口11bから吸引される。この際、制御部は、回転ブラシ12a、12bを回転させる。当該回転により、毛ブラシ15は、本体1の外側から中心側に向かって床面Fに接触する。当該接触により、床面Fの塵埃が掻き込まれる。
この際、直角部4の先端側の塵埃は、回転ブラシ12bの毛ブラシ15に掻き込まれる。当該塵埃は、回転ブラシ12a側に送り出される。当該塵埃は、第1の回転ブラシ12aの毛ブラシ15により右吸込口11aに掻き込まれる。
塵埃の一部は、毛ブラシ15の後方に通り抜ける。当該塵埃は、塵埃受け16a、16bに接触する。すなわち、塵埃受け16a、16bは、当該塵埃が右吸込口11aと左吸込口11bの後方に通り抜けることを防止する。その結果、当該塵埃は、右吸込口11aと左吸込口11bに吸引される。
含塵空気は、吸込風路43で合流する。当該含塵空気は、自在連結部44を介して集塵部37に吸引される。当該含塵空気中の塵埃は、フィルター40によって集塵部37内に捕集される。すなわち、当該含塵空気は、フィルター40でろ過される。このため、当該含塵空気中の空気のみがファン35の軸方向の上側から流入する。当該空気は、排気ダクト36を通過する。当該空気は、中央部2と円弧部5の内部を通過する。この際、当該空気は、電気回路基板47の電気部品、蓄電池49等の発熱体を冷却する。その後、当該空気は、排気口48から排出される。
本体1が前進する際、回転ブラシ12a、12bは、駆動輪6aと駆動輪6bとの間隔よりも広い間隔で床面Fを掃除する。このため、駆動輪6a、6bには、床面Fの塵埃が付着しない。
本体1が凸状段差にさしかかった際、回転ブラシ12a、12bは、凸状段差から力を受ける。当該力により、直角部4が上方に移動する。この際、変位量検知センサー61は、発光部から出射されて凸状段差の境界部で反射した赤外線を受光部で検知する。制御部は、変位量検知センサー61の検知結果に基づいて直角部4の変位を検出する。制御部は、当該検出結果に基づいて、直角部4が凸状段差を乗り越えるように駆動輪6a、6bを制御する。
本体1が凹状段差にさしかかった際、前方段差検知センサー22a、22b、後方段差検知センサー23a、23b、直角部段差検知センサー22cは、凹状段差の境界部で反射した赤外線を受光部で検知する。前方段差検知センサー22a、22b、後方段差検知センサー23a、23b、直角部段差検知センサー22cは、当該検知結果に基づいて凹状段差の深さを検出する。予め設定された深さ以上の凹状段差が検出された場合、制御部は、本体1の移動方向を転換する。
本体1が凹状段差に落ちた際、制御部は、駆動輪6a、6bを停止させる。その後、制御部は、凹状段差からの脱出動作を行う。すなわち、制御部は、駆動輪6a、6bを反対方向に回転させる。
集塵部37内の塵埃を捨てる際は、集塵部カバー33が開かれる。その後、集塵部37が本体1から取り外される。この際、格子41は、送風機34への異物の侵入を防止する。
次に、図9〜図11を用いて、回転ブラシユニットを説明する。
図9は図2のDa−Db線における断面図である。図10はこの発明の実施の形態1における自走式掃除機の回転ブラシユニットを後方から見た斜視図である。図11はこの発明の実施の形態1における自走式掃除機の回転ブラシユニットを下方から見た斜視図である。
図9に示すように、直角部4には、回転ブラシユニット100が設けられる。回転ブラシユニット100の回転ブラシ12a側には、回転ブラシ収容部101aが設けられる。回転ブラシユニット100の回転ブラシ12b側には、回転ブラシ収容部101bが設けられる。
図10に示すように、回転ブラシ収容部101aと回転ブラシ収容部101bとは直交する。回転ブラシ収容部101aには、回転ブラシ駆動軸110aが設けられる。回転ブラシ収容部101bには、回転ブラシ駆動軸110bが設けられる。
図11に示すように、回転ブラシ収容部101aには、開口部114aが設けられている。開口部114aは、回転ブラシユニット100内部で吸込風路43につながる。回転ブラシ収容部101bには、開口部114bが設けられている。開口部114bは、回転ブラシユニット100内部で吸込風路43につながる。
回転ブラシ収容部101aの前端部には、凹状係合部109aが設けられる。回転ブラシ収容部101bの前端部には、凹状係合部109bが設けられる。凹状係合部109a、109bには、軸受け固定部材104の前端部が嵌合する。
回転ブラシ収容部101aの後端部には、駆動伝達部102aが設けられる。駆動伝達部102aは、複数の異なる径のギヤを有する減速装置からなる。駆動伝達部102aは、回転ブラシ駆動軸110aと軸受け14aとを介して回転ブラシ軸13aの後端部を支持する。回転ブラシ収容部101aの前端部側には、軸受け固定部材103が垂下する。軸受け固定部材103は、軸受け固定部材104とともに、回転ブラシ駆動軸110aと軸受け14bとを介して回転ブラシ軸13aの前端部を支持する。
回転ブラシ収容部101bの後端部には、駆動伝達部102bが設けられる。駆動伝達部102bは、複数の異なる径のギヤを有する減速装置からなる。駆動伝達部102bは、回転ブラシ駆動軸110bと軸受け14dとを介して回転ブラシ軸13bの後端部を支持する。軸受け固定部材104は、回転ブラシ駆動軸110bと軸受け14cとを介して回転ブラシ軸13bの分割部を支持する。
回転ブラシ収容部101bの上方には、回転ブラシモーター51が設けられる。回転ブラシモーター51は、駆動伝達部102bに連結される。
回転ブラシ収容部101bの上方には、動力伝達軸111b、軸受け112b、かさ歯ギヤ113bが設けられる。動力伝達軸111bの一端は、駆動伝達部102bに回転自在に支持される。軸受け112bは、動力伝達軸111bの他方を回転自在に支持する。かさ歯ギヤ113bは、動力伝達軸111bの他端に設けられる。
回転ブラシ収容部101aの上方には、動力伝達軸111a、軸受け112a、かさ歯ギヤ113aが設けられる。動力伝達軸111a、軸受け112a、かさ歯ギヤ113aは、図2のBa−Bb線に対して、動力伝達軸111b、軸受け112b、かさ歯ギヤ113bと対称に設けられる。かさ歯ギヤ113aは、かさ歯ギヤ113bに直角に噛み合う。
回転ブラシユニット100においては、回転ブラシモーター51が回転すると、当該回転の動力が駆動伝達部102bに伝達される。当該動力は、回転ブラシ駆動軸110bに伝達される。当該動力により、回転ブラシ駆動軸110bが回転する。当該回転に追従して、回転ブラシ軸13bが回転する。当該回転に追従して、回転ブラシ12bが適切な速度で回転する。
この際、駆動伝達部102bの動力は、動力伝達軸111bにも伝達される。当該動力は、動力伝達軸111bに伝達される。当該動力により、動力伝達軸111bが回転する。当該回転に追従して、かさ歯ギヤ113bが回転する。当該回転に追従して、かさ歯ギヤ113aが回転する。当該回転に追従して、動力伝達軸111aが回転する。
当該回転の動力は、駆動伝達部102aに伝達される。当該動力は、回転ブラシ駆動軸110aに伝達される。当該動力により、回転ブラシ駆動軸110aが回転する。当該回転に追従して、回転ブラシ軸13aが回転する。すなわち、回転ブラシ軸13aは、回転ブラシ軸13bと同期して回転する。当該回転に追従して、回転ブラシ12aが適切な速度で回転する。
次に、図12を用いて、軸受け固定部材104を説明する。
図12はこの発明の実施の形態1における自走式掃除機の軸受け固定部材の斜視図である。
図12に示すように、軸受け固定部材104には、支持部105a、105b、係合部106a、106b、嵌合部107が設けられる。支持部105aと支持部105bとは、直角に分かれる。支持部105aは、軸受け14bを下側から支持するように形成される。支持部105bは、軸受け14cを下側から支持するように形成される。係合部106aは、回転ブラシ収容部101aに着脱自在に形成される。係合部106bは、回転ブラシ収容部101bに着脱自在に形成される。嵌合部107は、回転ブラシユニット100に回転自在に嵌合するように形成される。
次に、図13を用いて、回転ブラシ軸13a、13bは取り外し方法を説明する。
図13はこの発明の実施の形態1における自走式掃除機の回転ブラシユニットから軸受け固定部材を外した状態を下方から見た斜視図である。
図13に示すように、軸受け固定部材104が下側に引き下げられると、係合部106a、106bが凹状係合部109a、109bから外れる。この際、軸受け固定部材104は、支持軸108を支点に回転する。当該回転により、軸受け14b、14cは、支持部105a、105bとの嵌合から解放される。当該開放により、回転ブラシ軸13a、13bは取り外され得る。
次に、図14を用いて、駆動伝達部102bを説明する。
図14はこの発明の実施の形態1における自走式掃除機の回転ブラシユニットから駆動伝達部のカバーを外した状態を左側から見た斜視図である。
図14に示すように、駆動伝達部102b内には、回転ブラシモーター51の軸115
の端部が配置される。軸115の端部には、ギヤ116の中心が嵌合する。ギヤ116には、ギヤ117が噛み合う。ギヤ117の中心には、軸118の端部が嵌合する。軸118の端部には、ギヤ119の中心が嵌合する。ギヤ119には、ギヤ120が噛み合う。ギヤ120の中心には、軸122の端部が嵌合する。軸122の端部には、ギヤ123の中心が嵌合する。ギヤ123には、ギヤ124が噛み合う。ギヤ124の中心には、回転ブラシ駆動軸110bの端部が嵌合する。ギヤ120には、ギヤ121が噛み合う。ギヤ121の中心には、動力伝達軸111bの端部が嵌合する。
次に、図15を用いて、駆動伝達部102aを説明する。
図15はこの発明の実施の形態1における自走式掃除機の回転ブラシユニットから駆動伝達部のカバーを外した様態を右側から見た斜視図である。
図15においては、駆動伝達部102a内には、動力伝達軸111aの端部が配置される。動力伝達軸111aの端部には、ギヤ125の中心が嵌合する。ギヤ125には、ギヤ126が噛み合う。ギヤ126の中心には、軸127の端部が嵌合する。軸127には、ギヤ128の中心が嵌合する。ギヤ128には、ギヤ129が噛み合う。ギヤ129の中心には、回転ブラシ駆動軸110aの端部が嵌合する。
次に、図16と図17とを用いて、外殻部3が中央部2に対して左回りに45°回転した状態を説明する。
図16はこの発明の実施の形態1における自走式掃除機の平面図である。図17はこの発明の実施の形態1における自走式掃除機が壁面に近接した際の図2のDa−Db線における断面図である。
図16に示すように、制御部が角度調節モーター57を左回りに回転させると、当該回転の動力は、ピニオンギヤ58に伝達される。当該回転の動力により、ピニオンギヤ58は、左回りに回転する。この際、ピニオンギヤ58は、ラックギヤ59のギヤ部を転がりながらラックギヤ59の右方向に移動する。
当該移動に追従して、外殻部3は、中央部2に対して左回りに回転する。この際、角度検知センサーは、外殻部3が中央部2に対して左回りに45°回転した状態を検知する。角度検知センサーは、当該検知に対応した信号を制御部に出力する。制御部は、当該信号に基づいて角度調節モーター57を停止する。
その結果、左側面24bは、壁面Hに接触する。この際、駆動輪6a、6bの中心軸Ga−Gbは、回転ブラシ軸13bに対して直角になる。この状態で、制御部は、回転ブラシ12bを回転させる。この状態で、制御部は、壁面Hに沿って本体1を移動させる。当該移動により、壁面Hから回転ブラシ12aの幅に相当する領域において、床面Fが連続的に効率的に掃除される。
この際、図17に示すように、回転ブラシ12bの毛ブラシ15は、左側面24bの外側に突き出す。その結果、毛ブラシ15の先端は、床面Fと壁面Hとの境界部に達する。すなわち、床面Fと壁面Hとの境界部が確実に掃除される。
次に、図18を用いて、外殻部3が中央部2に対して右回りに45°回転した状態を説明する。
図18はこの発明の実施の形態1における自走式掃除機の平面図である。
図18に示すように、制御部が角度調節モーター57を右回りに回転させると、当該回転の動力は、ピニオンギヤ58に伝達される。当該回転の動力により、ピニオンギヤ58は、右回りに回転する。この際、ピニオンギヤ58は、ラックギヤ59のギヤ部を転がりながらラックギヤ59の左方向に移動する。
当該移動に追従して、外殻部3は、中央部2に対して右回りに回転する。この際、角度検知センサーは、外殻部3が中央部2に対して右回りに45°回転した状態を検知する。角度検知センサーは、当該検知に対応した信号を制御部に出力する。制御部は、当該信号に基づいて角度調節モーター57を停止する。
その結果、右側面24aは、壁面Iに接触する。この際、駆動輪6a、6bの中心軸Ga−Gbは、回転ブラシ軸13aに対して直角になる。この状態で、制御部は、回転ブラシ12aを回転させる。この状態で、制御部は、壁面Iに沿って本体1を移動させる。当該移動により、壁面Iから回転ブラシ12aの幅に相当する領域において、床面Fが連続的に効率的に掃除される。
この際、軸受け14cの下側の床面Fには、毛ブラシ15との非接触領域が形成される。当該非接触領域は、左側面24bを壁面Hに沿わせる場合において回転ブラシ12aと回転ブラシ12bの間に生じる毛ブラシ15の非接触領域よりも狭い。すなわち、本体1が左側面24bを前方又は後方とした状態で本体1が移動すれば、床面Fがより広範囲に掃除される。なお、本体1が壁面から離れた位置を移動する際も同様である。
次に、図19を用いて、絨毯の掃除を説明する。
図19はこの発明の実施の形態1における自走式掃除機が絨毯上を移動する際の断面図である。
図19に示すように、絨毯Jには、軟らかい毛が植えられている。本体1が絨毯J上を移動する際、駆動輪6a、6b、従動輪10と絨毯Jの接触面積は狭い。このため、駆動輪6a、6bと従動輪10とは、絨毯Jの中に沈み込む。これに対し、直角部4と絨毯Jとの接触面積は広い。このため、直角部4は、絨毯Jに沈み込まない。すなわち、直角部4は、絨毯Jの表面に接した状態で安定する。その結果、直角部4は、駆動輪6a、6bと従動輪10と外殻部3とに対して上方に移動する。その結果、絨毯J上の塵埃が掃除される。この際、毛ブラシ15が絨毯Jの内部に侵入する。その結果、絨毯Jの内部に入り込んだ塵埃も掻き出される。
次に、図20を用いて、右側面距離計測センサー25a、26aと左側面距離計測センサー25b、26bとを説明する。
図20はこの発明の実施の形態1における自走式掃除機に設けられたセンサーの検知方向と検知領域を示す図である。
図20において、右側面反射型近接センサー202aの検知方向はP202aで表される。右側面反射型近接センサー202aの検知領域はQ202aで表される。左側面反射型近接センサー202bの検知方向はP202bで表される。左側面反射型近接センサー202bの検知領域はQ202bで表される。
右方近接センサー27aの検知方向はP27aで表される。右方近接センサー27aの検知領域はQ27aで表される。左方近接センサー27bの検知方向はP27bで表される。左方近接センサー27bの検知領域はQ27bで表される。右後方近接センサー28aの検知方向はP28aで表される。右後方近接センサー28aの検知領域はQ28aで表される。左後方近接センサー28bの検知方向はP28bで表される。左後方近接センサー28bの検知領域はQ28bで表される。後方近接センサー29の検知方向はP29で表される。後方近接センサー29の検知領域はQ29で表される。
右側面距離計測センサー25aの検知方向はP25aで表される。右側面距離計測センサー25aの検知領域はQ25aで表される。右側面距離計測センサー26aの検知方向はP26aで表される。右側面距離計測センサー26aの検知領域はQ26aで表される。左側面距離計測センサー25bの検知方向はP25bで表される。左側面距離計測センサー25bの検知領域はQ25bで表される。左側面距離計測センサー26bの検知方向はP26bで表される。左側面距離計測センサー26bの検知領域はQ26bで表される。
右側面反射型近接センサー202aと左側面反射型近接センサー202bとは、各設置側面に垂直な向きに対しておよそ2mmから3cmの範囲で、壁面、障害物の距離を検出する。具体的には、反射型近接センサー202a、202bは、発光部から赤外線を出射して壁、障害物等で反射した反射光を受光部で受光する。右側面反射型近接センサー202aと左側面反射型近接センサー202bとは、反射光の光量に基づいて距離に対応した信号を出力する。当該信号に基づいて、制御部は、本体1の前方と壁面、障害物等との距離を検出する。
右方近接センサー27a、右後方近接センサー28a、左方近接センサー27b、左後方近接センサー28b、後方近接センサー29は、発光部から出射されて反射した赤外線を受光部で受光する。右方近接センサー27a、右後方近接センサー28a、左方近接センサー27b、左後方近接センサー28b、後方近接センサー29は、反射光の光量に基づいて距離に対応した信号を出力する。当該信号に基づいて、制御部は、本体1の側方、後方と壁面、障害物等との距離を検出する。
右側面距離計測センサー25a、26a、左側面距離計測センサー25b、26bの距離検出範囲は、およそ2cmから20cmの範囲である。検知方向P25aと検知方向P26aとは、右側面24aに対して約30°の傾斜を持つ。検知方向P25bと検知方向P26bとは、左側面24bに対して約30°の傾斜を持つ。検知方向P25aと検知方向P26aと検知方向P25bと検知方向P26bとにおいて、右側面距離計測センサー25a、26a、左側面距離計測センサー25b、26b近傍の距離検出不可範囲は、鉛直投影面上において本体1の外形の内側に収まる。
右側面距離計測センサー25a、26a、左側面距離計測センサー25b、26bの発光部は、赤外線を出射する。当該赤外線は、凹部200a、201a、200b、201bのうち、対応した凹部を通過する。当該赤外線は、壁、障害物等で反射する。当該反射光は、受光部で検出される。この際、ポジションセンシングデバイス又はCMOSイメージセンサは、反射光の入射位置を検出する。右側面距離計測センサー25a、26a、左側面距離計測センサー25b、26bは、反射光の光量に基づいて距離に対応した信号を出力する。
ポジションセンシングデバイス又はCMOSイメージセンサは、壁、障害物等の被検出対象の色及び表面状態の影響を受けにくい。このため、右側面距離計測センサー25a、26a、左側面距離計測センサー25b、26bとは、障害物等との距離を正確に計測する。
制御部は、右側面距離計測センサー25a、26a、左側面距離計測センサー25b、26bの信号に基づいて壁、障害物等までの距離を検出する。制御部は、同一側面にある2つの距離計測センサーの距離出力を比較することにより、右側面24a、左側面24bに対する壁面、障害物等の角度を検出する。
次に、図21〜図34を用いて、自走式掃除機の動作の一例を説明する。
図21〜図34はこの発明の実施の形態1における自走式掃除機の動作を説明するための平面図である。図22〜図33において、中央部2、外殻部3、駆動輪6a、6bの動作前の状態は破線で表される。
図21に示すように、本体1は、壁面Kに向かって斜めに移動する。この時点では、本体1は、壁面Kから40cm程度離れている。このため、右側面距離計測センサー25a、26aと左側面距離計測センサー25b、26bとは、壁面Kへの近接を検知しない。
図22に示すように、制御部は、本体1を直進させる。当該直進により、本体1は、壁面Kに10cm程度まで近接する。当該近接により、右側面距離計測センサー25aと右側面距離計測センサー26aと左側面距離計測センサー25bとは、壁面Kまでの距離を計測する。制御部は、右側面距離計測センサー25aと右側面距離計測センサー26aとの計測結果に基づいて、右側面24aが壁面Kに対して傾斜していることを認識する。
図23に示すように、制御部は、本体1を左時計回りにわずかに旋回移動させる。制御部は、右側面距離計測センサー25aと右側面距離計測センサー26aの距離出力とを比較する。制御部は、右側面距離計測センサー25aに計測された距離と右側面距離計測センサー26aに計測された距離との差が0で且つ右側面24aが壁面Kに極めて近接するように駆動輪6a、6bを回転させる。
図24に示すように、制御部は、駆動輪6a、6bの回転方向が壁面Kに対して平行になるように、中央部2と外殻部3とを回転させる。具体的には、制御部は、駆動輪6aを前進方向に回転させる。これと同時に、制御部は、駆動輪6bを後退方向に回転させる。これらの回転により、中央部2は、左回りに回転する。その結果、駆動輪6a、6bの回転方向が変わる。これと同時に、制御部は、角度調節モーター57を右回りに回転させる。当該回転により、外殻部3は、中央部2に対して、中央部2の回転速度と同一の速度で回転する。その結果、外殻部3は、留まった状態に維持される。
図25に示すように、制御部は、駆動輪6a、6bを前進方向に回転させる。この際、左側面距離計測センサー25bと左側面距離計測センサー26bとが壁面Lへの近接を検知する。制御部は、左側面距離計測センサー25bと左側面距離計測センサー26bとの検知結果に基づいて、本体1が隅部Mに近接したことを認識する。制御部は、左側面距離計測センサー25bと左側面距離計測センサー26bとの計測結果に基づいて、壁面Lに対する左側面24bの角度を認識する。制御部は、当該認識結果に基づいて、壁面Lと壁面Kとの角度が90°であることを認識する。制御部は、隅部Mに対応した掃除を本体1に行わせる。
図26に示すように、本体1が隅部Mに到達すると、制御部は、右側面24aを壁面Lに極めて近接させた状態で駆動輪6a、6bを予め設定された時間(例えば、2〜3秒)だけ停止させる。
この際、右吸込口11aは、壁面Kに沿う。左吸込口11bは、壁面Lに沿う。その結果、壁面Kと壁面Lと床面Fとの境界部に沿って、含塵空気が吸引される。当該吸引により、隅部M周辺の床面Fにおいて、堆積した塵埃が捕集される。
図27に示すように、制御部は、駆動輪6a、6bを後退方向に回転させる。当該回転により、本体1は一旦後退する。制御部は、本体1の全長より長い距離を移動した際に駆動輪6a、6bを停止させる。本体1が後退する間に、隅部Mの壁面K側が繰り返し掃除される。
図28に示すように、制御部は、角度調節モーター57を左時計回りに回転させる。当該回転により、外殻部3は、中央部2に対して左時計回りに45°回転する。当該回転により、直角部4の頂角は、駆動輪6a、6bの回転方向に向く。
図29に示すように、制御部は、本体1を直進させる。当該直進により、本体1は、壁面Lに近接する。当該近接により、右側面距離計測センサー25a、26aと左側面距離計測センサー25b、26bとは、壁面Kまでの距離を計測する。制御部は、右側面距離計測センサー25a、26aと左側面距離計測センサー25b、26bの計測結果に基づいて、本体1が壁面Lに極めて近接したことを認識する。制御部は、当該認識結果に基づいて、駆動輪6a、6bを停止させる。その結果、本体1は、壁面Lに正対した状態で停止する。
図30に示すように、制御部は、駆動輪6aを前進方向に回転させる。これと同時に、制御部は、駆動輪6bを後退方向に回転させる。これらの回転により、本体1は、左回りに45°回転する。当該回転により、右側面24aは、壁面Lに対して一定距離を離れた状態で平行となる。
図31に示すように、制御部は、駆動輪6a、6bを前進方向に同時に回転させる。右側面距離計測センサー25a、26aは、壁面Lまでの距離を計測する。制御部は、右側面距離計測センサー25a、26aの計測結果に基づいて、本体1が壁面Lに極めて近接したことを認識する。制御部は、本体1が壁面Lに極めて近接した時点で駆動輪6a、6bを停止させる。
図32に示すように、制御部は、駆動輪6aを前進方向に回転させる。これと同時に、制御部は、駆動輪6bを後退方向に回転させる。これらの回転により、本体1は、左回りに45°回転する。当該回転により、駆動輪6a、6bの回転方向が壁面Lに対して平行となる。これと同時に、制御部は、角度調節モーター57を右回りに回転させる。当該回転により、外殻部3は、中央部2に対して、中央部2の回転速度と同一の速度で右回りに回転する。当該回転により、右側面24aは、壁面Lに極めて近接した状態に維持される。
図33に示すように、制御部は、駆動輪6a、6bを前進方向に回転させる。当該回転により、本体1は、壁面Lに沿って床面Fを移動する。
図34に示すように、本体1が図21に示す位置から図33に示す位置に到達するまでの間に、右吸込口11aと左吸込口11bとの移動領域Nは、隅部Mの周辺を網羅する。すなわち、右吸込口11aと左吸込口11bとは、隅部Mの周辺を隙間なく通過する。
なお、壁面Lが壁面Kに対して右側にある場合でも、自走式掃除機は同様に動作する。
次に、図35〜図39を用いて、自走式掃除機の動作の一例を説明する。
図35〜図39はこの発明の実施の形態1における自走式掃除機の動作を説明するための平面図である。図36〜図39において、中央部2、外殻部3、駆動輪6a、6bの動作前の状態は破線で表される。
図35に示すように、壁面Uと壁面Yとは、135°以上の角度Wで隣接する。例えば、角度Wは約150°である。制御部は、図21〜図24と同様に、右側面24aを壁面Uに極めて近接させた状態で、駆動輪6a、6bの回転方向を壁面Uに対して平行にする。
図36に示すように、制御部は、駆動輪6a、6bを前進方向に回転させる。当該回転により、本体1は前進する。当該前進により、左側面距離計測センサー26bの検知位置は隅部Vを通過する。この際、左側面距離計測センサー26bの検知距離は不連続となる。左側面距離計測センサー26bは、当該検知距離に基づいて壁面Yへの近接を検知する。隅部Vの通過後、左側面距離計測センサー26bの検出距離の変化率は比較的小さい。
比較的長い時間が経過すると、左側面距離計測センサー25bの検知位置は隅部Vを通過する。この際、左側面距離計測センサー25bの検知距離は不連続となる。左側面距離計測センサー25bは、当該検知距離に基づいて壁面Yへの近接を検知する。
制御部は、左側面距離計測センサー25bと左側面距離計測センサー26bとの検知結果に基づいて、本体1が隅部Vに近接したことを認識する。制御部は、左側面距離計測センサー25bと左側面距離計測センサー26bとの計測結果に基づいて、壁面Yに対する左側面24bの角度を認識する。制御部は、当該認識結果に基づいて隅部Vの角度Wが比較的大きいことを認識する。制御部は、隅部Vに対応した掃除を本体1に行わせる。
図37に示すように、本体1が隅部Vに到達する直前に、制御部は、駆動輪6aを駆動輪6bよりも速く回転させる。当該回転により、直角部4の頂角が隅部Vを通過する時点で、本体1は、左回りに旋回する。
図38に示すように、制御部は、駆動輪6aを駆動輪6bよりもわずかに速く回転させる。
図39に示すように、制御部は、右側面距離計測センサー25a、26aの検知結果に基づいて、右側面24aが壁面Yに近接して平行に近い状態であることを認識する。制御部は、右側面24aが壁面Yに沿って移動するように、駆動輪6aと駆動輪6bの回転速度を調節する。当該調整により、本体1は、隅部Vに極めて近接する。このため、隅部V周辺が確実に掃除される。
次に、図40〜図48を用いて、自走式掃除機の動作の一例を説明する。
図40〜図48はこの発明の実施の形態1における自走式掃除機の動作を説明するための平面図である。図41〜図48において、中央部2、外殻部3、駆動輪6a、6bの動作前の状態は破線で表される。
図40に示すように、壁面Uと壁面Yとは、角度Wで隣接する。例えば、角度Wは約120°である。制御部は、図21〜図24と同様に、右側面24aを壁面Uに極めて近接させた状態で、駆動輪6a、6bの回転方向を壁面Uに対して平行にする。
図41に示すように、制御部は、駆動輪6a、6bを前進方向に回転させる。当該回転により、本体1は前進する。当該前進により、左側面距離計測センサー26bの検知位置は隅部Vを通過する。この際、左側面距離計測センサー26bの検知距離は不連続となる。左側面距離計測センサー26bは、当該検知距離に基づいて壁面Yへの近接を検知する。隅部Vの通過後、左側面距離計測センサー26bの検出距離の変化率は比較的大きい。
比較的短い時間が経過すると、左側面距離計測センサー25bの検知位置は隅部Vを通過する。この際、左側面距離計測センサー25bの検知距離は不連続となる。左側面距離計測センサー25bは、当該検知距離に基づいて壁面Yへの近接を検知する。
制御部は、左側面距離計測センサー25bと左側面距離計測センサー26bとの検知結果に基づいて、本体1が隅部Vに近接したことを認識する。制御部は、左側面距離計測センサー25bと左側面距離計測センサー26bとの計測結果に基づいて、壁面Yに対する左側面24bの角度を認識する。制御部は、当該認識結果に基づいて隅部Vの角度Wが比較的小さいことを認識する。制御部は、隅部Vに対応した掃除を本体1に行わせる。
その後、制御部は、右側面24aを壁面Uに極めて近接させた状態で駆動輪6a、6bを停止させる。その結果、本体1は、2〜3秒程度の間、隅部Vに留まる。
図42に示すように、制御部は、駆動輪6a、6bを後退方向に回転させる。当該回転により、本体1は一旦後退する。制御部は、本体1の全長より長い距離を移動した際に駆動輪6a、6bを停止させる。本体1が後退する間に、隅部Vの壁面U側が繰り返し掃除される。
図43に示すように、制御部は、角度調節モーター57を左時計回りに回転させる。当該回転により、外殻部3は、中央部2に対して左時計回りに45°回転する。当該回転により、直角部4の頂角は、駆動輪6a、6bの回転方向に向く。
図44に示すように、制御部は、本体1を直進させる。当該直進により、本体1は、壁面Lに近接する。当該近接により、右側面距離計測センサー25a、26aと左側面距離計測センサー25b、26bとは、壁面Yまでの距離を計測する。制御部は、右側面距離計測センサー25a、26aと左側面距離計測センサー25b、26bの計測結果に基づいて、本体1が壁面Yに極めて近接したことを認識する。制御部は、当該認識結果に基づいて、駆動輪6a、6bを停止させる。その結果、直角部4の頂角は、壁面Yに極近接した状態で停止する。
図45に示すように、制御部は、駆動輪6aを前進方向に回転させる。これと同時に、制御部は、駆動輪6bを後退方向に回転させる。これらの回転により、本体1は、左回りに回転する。当該回転により、右側面24aは、壁面Yに対して一定距離を離して平行となる。
図46に示すように、制御部は、駆動輪6a、6bを前進方向に同時に回転させる。右側面距離計測センサー25a、26aは、壁面Yまでの距離を計測する。制御部は、右側面距離計測センサー25a、26aの計測結果に基づいて、本体1が壁面Yに極めて近接したことを認識する。制御部は、本体1が壁面Yに極めて近接した時点で駆動輪6a、6bを停止させる。
図47に示すように、制御部は、駆動輪6aを前進方向に回転させる。これと同時に、制御部は、駆動輪6bを後退方向に回転させる。これらの回転により、本体1は、左回りに回転する。当該回転により、駆動輪6a、6bの回転方向が壁面Lに対して平行となる。これと同時に、制御部は、角度調節モーター57を右回りに回転させる。当該回転により、外殻部3は、中央部2に対して、中央部2の回転速度と同一の速度で右回りに回転する。当該回転により、右側面24aは、壁面Yに極めて近接した状態に維持される。
図48に示すように、制御部は、駆動輪6a、6bを前進方向に回転させる。当該回転により、本体1は、壁面Yに沿って床面Fを移動する。
次に、図49〜図55を用いて、自走式掃除機の動作の一例を説明する。
図49〜図55はこの発明の実施の形態1における自走式掃除機の動作を説明するための平面図である。図50〜図55において、中央部2、外殻部3、駆動輪6a、6bの動作前の状態は破線で表される。
図49に示すように、壁面Zと壁面Xは、角部Tにおいて直角に隣接する。制御部は、図21〜図24と同様に、右側面24aを壁面Uに極めて近接させた状態で、駆動輪6a、6bの回転方向を壁面Uに対して平行にする。
図50に示すように、制御部は、駆動輪6a、6bを前進方向に回転させる。この際、左側面距離計測センサー25bと左側面距離計測センサー26bとは、計測限界値を検知する制御部は、左側面距離計測センサー25bと左側面距離計測センサー26bとの検知結果に基づいて、本体1が角部Tに到達したことを認識する。制御部は、当該認識結果に基づいて、角部Tに対応した掃除を本体1に行わせる。
図51に示すように、制御部は、右側面反射型近接センサー202aの検知領域Q202aが角部Tを通過するまで本体1の移動を継続させる。
図52に示すように、制御部は、駆動輪6aを停止させる。これと同時に、制御部は、駆動輪6bを回転させる。その結果、本体1は時計回りに旋回する。当該旋回により、右側面反射型近接センサー202aの検知方向P202aは、駆動輪6a、6bの回転軸方向の延長線上となる。このため、検知領域Q202aは、角部Tの壁面X側に差し掛かる。右側面反射型近接センサー202aは、角部Tへの近接を検出する。制御部は、右側面反射型近接センサー202aの検出結果に基づいて、本体1と角部Tとの距離を認識する。
図53に示すように、制御部は、本体1と角部Tとの距離を認識しながら駆動輪6aを駆動輪6bよりも低速で回転させる。制御部は、右側面反射型近接センサー202aの検知方向P202aが角部Tに向くように本体1を右回りに旋回させる。
図54に示すように、制御部は、右側面距離計測センサー25aと右側面距離計測センサー26aとの検出結果に基づいて、本体1の右回りの旋回を継続させる。この際、制御部は、右側面24aと壁面Xとの距離を演算する。制御部は、当該演算結果に基づいて、右側面24aが壁面Xに極めて近接するように駆動輪6a、6bを駆動する。
図55に示すように、制御部は、駆動輪6a、6bを前進方向に回転させる。当該回転により、本体1は、壁面Xに沿って床面Fを移動する。
以上で説明した実施の形態1によれば、右側面距離計測センサー25a、26a、左側面距離計測センサー25b、26b近傍の距離検出不可範囲は、鉛直投影面上において本体1の外形の内側に収まる。このため、本体1が壁面、障害物等の物体に極めて近接した場合でも、物体までの距離を正確に計測することができる。その結果、右側面24a、左側面24bが壁面に0mmから5mmの距離で平行になるように極めて近接した状態で掃除を行うことができる。
なお、自走式掃除機は、壁面から5mm〜1cm程度離れて移動してもよい。この場合、予期しない壁面への衝突の頻度を低減することができる。
また、実施の形態1によれば、右側面24a、左側面24bに設けた右側面距離計測センサー25a、26a、左側面距離計測センサー25b、26bを、各センサーの検出領域の方向を各側面に対して傾斜させて配置している。したがって、各センサーの検出のできない領域が極近傍が本体1の外形内に収まる。したがって、各側面に極近接する障害物を検知することができる。
また、右側面反射型近接センサー202a、左側面反射型近接センサー202bの検知方向P202a、P202bは、駆動輪6a、6bの回転軸方向の延長線上となっているため、本体1が右側面24a又は左側面24bを壁面に沿わせて走行し、凸状の角部を曲がる場合に、常に角部の位置を検出することができる。したがって、凸状の角部周辺の掃除漏れを更に少なくすることができる。
また、近距離の検出が可能な反射型光センサーと、近距離の検出ができない距離計測センサーとを組み合わせて使用することにより、反射型光センサーが正確に距離計測できない障害物の材質や状態にも対応可能となる。また、距離計測センサーに比較して安価な反射型光センサーを使用することで、距離計測センサーのみを使用する構成よりも小型で安価な構成とすることができる。
また、互いに直交するように配置された2つの平面を備えることにより、部屋の隅部に本体を沿わせることができる。したがって、隅部の掃除漏れを少なくすることができる。
また、直交するように配置された2つの平面の各々の底面に、塵埃を吸引する2つの吸引口を備えることにより、部屋の隅部の塵埃を効率よく吸引することができる。
また、直交するように配置された2つの平面の各々の底面に、塵埃を吸引する2つの吸引口を備え、各吸引口に回転ブラシを備えることにより、部屋の隅部にこびりついた塵埃を掻き出して捕集することができる。
また、駆動輪の回転方向を右側面24a、左側面24bに対して変更するように構成することにより、各平面を壁面に沿わせて走行することができる。したがって、壁面周辺を効率よく掃除することができる。
また、各距離計測センサーの受光部にポジションセンシングデバイス又はCMOSイメージセンサを備えることにより、障害物の材質や状態によらず正確な距離計測が可能となる。
また、右側面24aと左側面24bとにフッ素樹脂等で形成された緩衝部材を設けてもよい。当該緩衝部材の滑り性能は高い。このため、右側面24a又は左側面24bが壁面に接触した際に壁面が傷付くことを防止できる。
また、吸込口を1つにしてもよい。この場合、壁面と平行な側面又は隅部の床面の壁面交差角度に応じた角部を外殻部3に設ければよい。その結果、壁面近傍の床面又は隅部近傍の床面に吸込口を近接させることができる。このため、掃除漏れを更に少なくすることができる。
また、外殻部3を中央部2に対して360°回転し得るようにしてもよい。実施の形態1のように外殻部3の回転範囲を制限した場合は、集塵部37の後方に蓄電池49等を設けることができる。その結果、自走式掃除機を小さくすることができる。
また、駆動輪6a、6bとは別に、中央部2を回転させる機構を設けてもよい。実施の形態1のように中央部2の回転中心を通る直線上に駆動輪6a、6bを設けた場合は、中央部2を移動させる機構と中央部2を回転させる機構とを兼用することができる。その結果、自走式掃除機を小さくすることができる。
また、回転ブラシ又は塵埃受けを削除してもよい。実施の形態1のように回転ブラシと塵埃受けとを設ければ、床面の塵埃を確実に掃除できる。特に、壁に極めて近接した位置において、床面の塵埃を確実に掃除できる。このため、掃除漏れを更に少なくすることができる。また、実施の形態1のように、吸込口に回転ブラシを設ければ、絨毯上も掃除することができる。その結果、掃除漏れを更に少なくすることができる。
また、直角部4を固定したり、直角部4の底面を前方が高くなるように傾斜させたりしてもよい。実施の形態1のように、直角部4を上下移動にすれば、凸状段差を確実に乗り越えることができる。また、絨毯上も掃除することができる。その結果、掃除漏れを更に少なくすることができる。
また、従動輪10を削除してもよい。その場合、回転ブラシ12a、12bの毛ブラシ15が床面Fに接することで、本体1の前方が支持される。このため、本体1を床面Fに対して水平にすることができる。
また、従動輪10に代えて、摺動性の高いクッション部材を設けてもよい。この場合、本体1の前方が持ち上がった際に、クッション部材が床面Fに接する。このため、本体1の底面が損傷することを防止できる。
また、送風機34と集塵部37とを外殻部3に設けてもよい。この場合、外殻部3が中央部2に対して回転する際に、送風機34の排気ダクト36が駆動輪モーター8a、8b等と干渉しないようにすることができる。
また、直角部4の一部を中心にして直角部4を上下方向に回転自在にしてもよい。
また、回転ブラシ12aと回転ブラシ12bのそれぞれに対応する2つの回転ブラシモーターを備えてもよい。この場合、それぞれを独立に回転させるように制御してもよい。
実施の形態2.
図56はこの発明の実施の形態2における自走式掃除機の斜視図である。図57はこの発明の実施の形態2における自走式掃除機を上方から見た平面図である。なお、実施の形態1と同一又は相当部分には同一符号を付して説明を省略する。
実施の形態2の自走式掃除機は、実施の形態1の自走式掃除機に、右前方距離計測センサー203a、204aと左前方距離計測センサー203b、204bとを付加したものである。
右前方距離計測センサー203a、204aは、本体1上面の右側面24a側に設けられる。左前方距離計測センサー203b、204bは、本体1上面の左側面24b側に設けられる。右前方距離計測センサー203a、203bと左前方距離計測センサー203b、204bとは、ポジションセンシングデバイス又はCMOSイメージセンサを備える。
次に、図58を用いて、右側面距離計測センサー25a、26aと左側面距離計測センサー25b、26bと右前方距離計測センサー203a、204aと左前方距離計測センサー203b、204bとを説明する。
図58はこの発明の実施の形態2における自走式掃除機に設けられたセンサーの検知方向と検知領域を示す図である。
図58において、右前方距離計測センサー203aの検知方向はP203aで表される。右前方距離計測センサー203aの検知領域はQ203aで表される。右前方距離計測センサー204aの検知方向はP204aで表される。右前方距離計測センサー204aの検知領域はQ204aで表される。
左前方距離計測センサー203bの検知方向はP203bで表される。左前方距離計測センサー203bの検知領域はQ203bで表される。左前方距離計測センサー204bの検知方向はP204bで表される。左前方距離計測センサー204bの検知領域はQ204bで表される。
検知方向P25a、P26aは、右側面24aに対して垂直となる。検知方向P25b、P26bは、左側面24bに対して垂直となる。
右前方距離計測センサー203a、204a、左前方距離計測センサー203b、204bの距離検出範囲は、およそ2cmから20cmの範囲である。
検知方向P203a、P204aは、右側面24aに対して約35°の傾斜を持つ。検知方向P203b、P204bは、左側面24bに対して約35°の傾斜を持つ。検知方向P203a、P204aと検知方向P203a、P204aとにおいて、右前方距離計測センサー203a、204a、左前方距離計測センサー203b、204b近傍の距離検出不可範囲は、鉛直投影面上において本体1の外形の内側に収まる。
自走式掃除機において、右側面24a、左側面24bが約20mm以下の距離まで壁面に近接するまで、制御部は、右側面距離計測センサー25a、26aと左側面距離計測センサー25b、26bとの検知結果に基づいて壁面を認識する。右側面24a、左側面24bが約20mm以下の距離まで壁面に近接した場合、制御部は、右前方距離計測センサー203a、204aと左前方距離計測センサー203b、204bとの検知結果に基づいて壁面との近接を認識する。
以上で説明した実施の形態2によれば、右前方距離計測センサー203a、204aと左前方距離計測センサー203b、204bを備えることにより、実施の形態1と同様と同様の効果をえることができる。
また、検知領域Q204a、Q204bは、右側面距離計測センサー26a、左側面距離計測センサー26bの検知不可領域を網羅する。このため、角部において本体1を旋回させる際に本体1を角部に極めて近接させることができる。その結果、角部周辺を確実に掃除することができる。
実施の形態3.
図59はこの発明の実施の形態3における自走式掃除機の斜視図である。図60はこの発明の実施の形態3における自走式掃除機を上方から見た平面図である。なお、実施の形態1と同一又は相当部分には同一符号を付して説明を省略する。
実施の形態3の自走式掃除機は、実施の形態1の自走式掃除機に、突起部205、凹部208a、凹部208b、右側面距離計測センサー206a、左側面距離計測センサー206b、右前方距離計測センサー207a、左前方距離計測センサー207bを付加したものである。
突起部205は、本体1上面に設けられる。凹部208aは、右側面24aに設けられる。凹部208bは、左側面24bに設けられる。
右側面距離計測センサー206aは、突起部205の右側に支持される。右側面距離計測センサー206aは、外殻部3の円弧Rの中心から右側面24aに向けて引いた垂線上に配置される。左側面距離計測センサー206bは、突起部205の左側に支持される。左側面距離計測センサー206bは、外殻部3の円弧Rの中心から左側面24bに向けて引いた垂線上に配置される。右前方距離計測センサー207aは、凹部208aに設けられる。左前方距離計測センサー207bは、凹部208bに設けられる。
右側面距離計測センサー206a、左側面距離計測センサー206b、右前方距離計測センサー207a、左前方距離計測センサー207bは、三角測量原理を適用した光学式の距離計測センサーである。具体的には、右側面距離計測センサー206a、左側面距離計測センサー206b、右前方距離計測センサー207a、左前方距離計測センサー207bは、発光部と受光部とを備える。受光部は、ポジションセンシングデバイス又はCMOSイメージセンサからなる。
右側面距離計測センサー206a、左側面距離計測センサー206b、右前方距離計測センサー207a、左前方距離計測センサー207bは、発光部から出射されて反射した赤外線を受光部で受光する。この際、ポジションセンシングデバイス又はCMOSイメージセンサは、反射光の入射位置を検出する。
次に、図61を用いて、右側面距離計測センサー25a、206aと左側面距離計測センサー25b、206bと右前方距離計測センサー207aと左前方距離計測センサー207bとを説明する。
図61はこの発明の実施の形態3における自走式掃除機に設けられたセンサーの検知方向と検知領域を示す図である。
図61において、右側面距離計測センサー206aの検知方向はP206aで表される。右側面距離計測センサー206aの検知領域はQ206aで表される。左側面距離計測センサー206bの検知方向はP206bで表される。左側面距離計測センサー206bの検知領域はQ206bで表される。右前方距離計測センサー207aの検知方向はP207aで表される。右前方距離計測センサー207aの検知領域はQ207aで表される。左前方距離計測センサー207bの検知方向はP207bで表される。右前方距離計測センサー207bの検知領域はQ207bで表される。
検知方向P25a、P206aは、右側面24aに対して垂直となる。検知方向P25b、P206bは、左側面24bに対して垂直となる。
右側面距離計測センサー206a、左側面距離計測センサー206b、右前方距離計測センサー207a、左前方距離計測センサー207bの距離検出範囲は、およそ2cmから20cmの範囲である。
検出方向P207aは、右側面24aに対して約12°の傾斜を持つ。検出方向P207bは、左側面24bに対して約12°の傾斜を持つ。検出方向P207aと検出方向P207bとにおいて、右前方距離計測センサー207a、左前方距離計測センサー207b近傍の距離検出不可範囲は、鉛直投影面上において本体1の外形の内側に収まる。
自走式掃除機において、右側面24aが約20mm以下の距離まで壁面に近接する場合、制御部は、右前方距離計測センサー207a及び左前方距離計測センサー207bの少なくとも一方と右側面距離計測センサー206aとの検知結果に基づいて右側面24aと壁面との距離及び角度を認識する。左側面24bが約20mm以下の距離まで壁面に近接する場合、制御部は、右前方距離計測センサー207a及び左前方距離計測センサー207bの少なくとも一方と左側面距離計測センサー206bとの検知結果に基づいて左側面24bと壁面との距離及び角度を認識する。
以上で説明した実施の形態3によれば、右側面距離計測センサー25a、206a、の左側面距離計測センサー25b、206b、右前方距離計測センサー207a、左前方距離計測センサー207bを備えることにより、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、中央部2が外殻部3に対して45°回転した場合、右側面距離計測センサー206a又は左側面距離計測センサー206bの検知方向は、駆動輪6a、6bの回転軸方向の延長上において本体1の近傍領域の方向となる。このため、本体1を角部に極めて近接した状態で旋回させることができる。その結果、角部周辺を確実に掃除することができる。