JPH06101995B2 - 魚体の処理方法 - Google Patents

魚体の処理方法

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JPH06101995B2
JPH06101995B2 JP60071996A JP7199685A JPH06101995B2 JP H06101995 B2 JPH06101995 B2 JP H06101995B2 JP 60071996 A JP60071996 A JP 60071996A JP 7199685 A JP7199685 A JP 7199685A JP H06101995 B2 JPH06101995 B2 JP H06101995B2
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soluble
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安三 内田
洋一 白川
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Adeka Corp
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Asahi Denka Kogyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、魚体の処理方法に関し、さらに詳しくは、魚
体等を蛋白質分解酵素で処理した後、魚骨、魚油、部分
分解魚蛋白質の少なくとも1種を分離することを特徴と
する魚体の処理方法に関するものである。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする問題点〕
従来、魚体及びその加工残滓からフィッシュミールや魚
油が製造されているが、この製造法は原料を必要に応じ
切断、破砕又は磨砕等の前処理後蒸着し、その他、圧搾
によって魚油を含む液状物を分離して得られた固形分を
乾燥し、必要に応じ、粉砕してフィッシュミールを得、
一方、魚油を含む液状物から魚油を分離し、残りの液状
物を濃縮してフィッシュソリュブルを得ることから成り
立っている。従って、かかる製造法においては魚骨を分
離する工程がないので、フィッシュミールとして魚骨の
細片を多量に含んだものが得られ、蛋白質飼料、蛋白質
食品材料として高蛋白質含量のものを製造することが困
難であり、また、その製造工程に蒸煮等の熱処理工程を
含んでいるため、蛋白質が熱変性されており、用途によ
っては蛋白質飼料、蛋白質食品材料として必ずしも満足
し得るものでない。
又、従来より調味料原料として、魚類、貝類等を数倍量
の水の存在下、自己消化又は/及び蛋白質分解酵素を用
いて長時間分解して完全に液化し、いわゆるエキスが製
造されている。この方法では魚体を使用する場合、魚骨
の分離は容易であるが、魚肉が完全に液状のエキスまで
分解されているので、魚蛋白質を魚肉に近い形で得るこ
とができない。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、熱変性の少ない条件下で処理して魚蛋白
質を魚肉に近い形又は固形物として取得でき、しかも魚
骨を分離することも可能な魚体の処理方法につき検討の
結果、蛋白質分解酵素を直接魚体に作用させると初期の
段階で意外にも魚肉が魚骨より容易に剥離し、スラリー
状となり、このスラリー状物から魚骨、魚油、部分分解
魚蛋白質が濾過や遠心分離等の手段で容易に分離可能で
あることを見い出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、魚体をそのまま、あるいは内蔵部分又
は/及び表皮部分を除去した後、蛋白質分解酵素で、原
料中の全窒素に対する酵素処理後の可溶性窒素の増加
率: (但し、式中、Ntは原料中の全窒素の重量%、Neは酵素
処理後の生成物中の可溶性窒素の重量%、Noは酵素無添
加の他は同条件で処理した後の生成物中の可溶性窒素の
重量%である)が3〜50%となるように処理してスラリ
ー状にし、酵素を失活させた後、このスラリー状物から
魚骨、魚油、部分分解魚蛋白質の少なくとも1種を分離
することを特徴とする魚体の処理方法である。
本発明の原料として使用し得る魚体としては、例えばニ
シン、マイワシ、サバ、サンマ、ウルメイワシ、スケト
ウダラ、カレイ、アンチョビー、ピルチャード等の多獲
性魚類の魚体があげられ、品質良好な魚油、魚骨、及び
部分分解魚蛋白質を得るためには鮮度の良好な多獲性魚
類の魚体を使用するのが好ましい。
本発明においては、上記魚体をそのまま蛋白質分解酵素
で処理してもよく、又、魚体から内蔵部分又は/及び表
皮部分を除去した後、蛋白質分解酵素で処理してもよ
い。
本発明に使用される蛋白質分解酵素としては、例えばア
クロシン、ウロキナーゼ、ウロペプシン、エラスター
ゼ、エンテロペプチダーゼ、カテプシン、カリクレイ
ン、キニナーゼ2、キモトリプシン、キモパパイン、コ
ラゲナーゼ、ストレプトキナーゼ、スブチリシン、テル
モリジン、トリプシン、トロンビン、パパイン、パンク
レアトペプチダーゼ、フイシン、プラスミン、レニン、
レプチラーゼ、レンニン等のようなプロティナーゼ;例
えばアルギニンアミノペプチダーゼ、オキシトシナー
ゼ、ロイシンアミノペプチダーゼ等のアミノペプチダー
ゼ、アンギオテンシナーゼ、アンギオテンシン変換酵
素、インシュリナーゼ、例えばアルギニンカルボキシペ
プチダーゼ、キニナーゼ1、チロイドペプチダーゼ等の
カルボキシペプチダーゼ、例えばカルノシナーゼ、プロ
リナーゼ等のジペプチダーゼ、プロナーゼのようなペプ
チダーゼ;及びその他の蛋白質分解酵素並びにそれらの
変性品、配合品等があげられ、その作用様式に従ってポ
リペプチド鎖の末端から作用して行くエキソペプチダー
ゼと内部に作用するエンドペプチダーゼとに分けられる
が、特にエンドペプチダーゼが好ましい。
本発明においては、まず前記の如き原料を前記の如き蛋
白質分解酵素で処理するが、その処理の程度は出発原料
中の全窒素に対する酵素処理後の可溶性窒素の増加率: (但し、式中、Ntは原料中の全窒素の重量%、Neは酵素
処理後の生成物中の可溶性窒素の重量%、Noは酵素無添
加の他は同条件で処理した後の生成物中の可溶性窒素の
重量%である)が3〜50%、好ましくは5〜40%、特に
好ましくは5〜30%となるまで処理を行えばよく、かか
る酵素による処理は例えば20〜70℃、好ましくは30〜60
℃の条件下で約5分〜2時間、好ましくは10分〜1時間
混合攪拌しながら行えばよい。また、その際の酵素の使
用量は、通常、処理すべき原料に対し0.005〜1.0重量%
である。前記の可溶性窒素の増加率が3%未満の場合、
魚肉の魚骨からの剥離が不充分で、魚骨と魚蛋白質との
分離がうまく行かず、また魚油の分離性も悪く、逆に50
%を越えると可溶性区分の増大による固形物としての部
分分解魚蛋白質の回収率の低下と魚油の分離性の悪化を
招くので好ましくない。
このように、蛋白質分解酵素で処理することにより、魚
体をスラリー状化した後、このスラリー状物から魚油、
魚骨、部分分解蛋白質の少なくとも1種を分離する。こ
れらは例えば濾過、遠心分離等の種々の分離手段を使用
して分離できる。かかる分離方法の具体例としては、例
えば、(1)スラリー状物から濾過、遠心濾過等の手段
で魚骨を分離除去し、しかる後、遠心分離等の手段で魚
油と水溶性成分を含有する水相とからなる液状部と、蛋
白質分解酵素で部分分解された魚蛋白質からなる固形部
とに分離し、さらに前記の液状部を静置分液、遠心分離
等の手段により魚油と水溶性成分を含有する水相とに分
離する方法、(2)スラリー状物から前記の如く魚骨を
分離除去し、しかる後、部分分解魚蛋白質と水溶性成分
を含有する水相と魚油からなる油相とに分離し、更に水
相から部分分解魚蛋白質を分離する方法、(3)スラリ
ー状物から魚骨と部分分解魚蛋白質を含有する固形部
と、魚油と水溶性成分を含有する水相とからなる液状部
とに分離し、必要なら固形部を乾燥後、魚骨と部分分解
魚蛋白質に分離し、液状部を魚油と水溶性成分を含有す
る水相とに分離する方法、(4)スラリー状物から魚油
からなる油相を分離し、しかる後、魚骨を分離し、必要
なら部分分解魚蛋白質を分解する方法、(5)スラリー
状物から魚油からなる油相を分離し、しかる後、魚骨と
部分分解魚蛋白質とからなる固形部と、水溶性成分を含
有する水相からなる液状部とに分離し、必要なら固形部
を魚骨と部分分解魚蛋白質とに分離する方法等があげら
れ、最終的には魚体を魚油と魚骨と部分分解魚蛋白質と
残りの水溶性成分を含有する水相との4つの区分に分画
し、これらを取得することができ、特に目的とする取得
物又はその用途との関係で好ましい分離方法を選択すれ
ばよい。
また、本発明の方法においては、いずれかの段階で魚骨
を細かくする物理的処理を行うことができ、これによ
り、魚骨カルシウムを多量に含有する部分分解魚蛋白質
を分離、取得することもできる。
〔実施例〕
実施例1 マイワシ1kgに蛋白質分解酵素:プロテアーゼアマノA
(天野製薬(株)製)0.3gを少量の水に溶解して加え、
温度を50℃に保って30分間攪拌すると、次第に魚骨より
魚肉が剥離して全体がスラリー状となる。
このスラリー状物の可溶性窒素の増加率を次の方法で測
定した。スラリー状物10gをとり、水30mlと混合し、10
%トリクロロ酢酸溶液5mlを加えて水で50mlにし、濾紙
(東洋濾紙:No.5A)で濾過する。この濾過10mlを常法に
より硫酸分解後、可溶性窒素量をケルダール法で測定し
可溶性窒素(Ne)とする。又、スラリー状物2gを取り硫
酸分解後同様に処理して全窒素(Nt)とする。さらに酵
素無添加の原料について50℃に30分間保った後、10gを
とって同様にトリクロロ酢酸溶液添加後濾過した濾液10
mlを硫酸分解して可溶性窒素量を測定し可溶性窒素(N
o)とする。上記測定の結果、このスラリー状物の可溶 は24.2%であった。
次にこのスラリー状物を昇温して75℃で15分間保ち、酵
素を失活させた後、6メッシュのステンレス製金網を取
り付けたバスケット型遠心器で魚骨を除去し、魚骨の除
去されたスラリーを3000r.p.m.で5分間遠心分離して魚
油、水相(スティックウォーター)、部分分解魚蛋白質
沈澱部に分離し、液状部は分液漏斗で更に魚油と水相に
分画した。
尚、得られた魚骨は水洗後乾燥し、また部分分解魚蛋白
質沈澱部も乾燥して粉末状にした。
このようにして原料1kgから部分分解魚蛋白質の乾燥物1
31g、魚骨の乾燥物23g、魚油149gを分離、取得した。
それぞれの分析値、性状は下表の通りである。参考例と
して通常の方法によって調製した魚粉及び魚油の分析値
を示す。
実施例2 実施例1で酵素量0.2g、50℃での攪拌時間を20分間とす
る他は実施例1と同様に実施して可溶性窒素の増加率が
11%であるスラリー状物を得、以後実施例1と同様にし
て部分分解魚蛋白質の乾燥物140g、魚骨の乾燥物25g、
魚油147gを分離、取得した。それぞれの分析値、性状は
下表の通りである。
〔発明の効果〕 本発明の方法によれば、魚骨を含まない部分分解魚蛋白
質を分離、取得することができ、このものは人間、動物
に消化吸収しやすい形に蛋白質が部分的に分解されてお
り、また、魚体中のビタミン、リン脂質等の微量有効成
分が熱で変質しないまま含まれているので、そのまま又
は乾燥した形態で良質な蛋白質源として例えば飼料、餌
料或いは食品、ペットフード等への使用に好適である。
又、本発明の方法によれば魚体から他の夾雑物の少ない
高品位の魚骨を分離、取得することができ、このものは
必要なら水洗等の簡単な処理を施した後乾燥、粉砕する
等して天然由来の良質なカルシウム源として、種々の飼
料、餌料、食品、ペットフード等に使用できる。更に、
本発明の方法によれば水溶性成分を含有する水溶液を分
離、取得することができ、このものは消化吸収性の良い
低分子化された蛋白質、水溶性の魚体成分を含有する栄
養価の高いものであり、濃縮したフィッシュソリュブル
の形で又は魚粉、部分分解魚蛋白質の乾燥物、その他の
飼料、餌料成分に吸着させた形で飼料、餌料、ペットフ
ード等に使用できる。更に又、本発明の方法によれば熱
変性していない良質な魚油を分離、取得することがで
き、このものは魚油中の微量有用成分を熱で変質しない
まま含んでいるのでそれらを熱変質しない形で回収でき
るだけでなく、通常の精製脱臭、水素添加等の処理を施
すことによって品質の良好な食用油脂として使用でき
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】魚体をそのまま、あるいは内臓部分又は/
    及び表皮部分を除去した後、蛋白質分解酵素で、原料中
    の全窒素に対する酵素処理後の可溶性窒素の増加率: (但し、式中、Ntは原料中の全窒素の重量%、Neは酵素
    処理後の生成物中の可溶性窒素の重量%、Noは酵素無添
    加の他は同条件で処理した後の生成物中の可溶性窒素の
    重量%である)が3〜50%となるように処理してスラリ
    ー状にし、酵素を失活させた後、このスラリー状物から
    魚骨、魚油、部分分解魚蛋白質の少なくとも1種を分離
    することを特徴とする魚体の処理方法。
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