JPH06101780A - 双方向電磁弁 - Google Patents

双方向電磁弁

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JPH06101780A
JPH06101780A JP5196187A JP19618793A JPH06101780A JP H06101780 A JPH06101780 A JP H06101780A JP 5196187 A JP5196187 A JP 5196187A JP 19618793 A JP19618793 A JP 19618793A JP H06101780 A JPH06101780 A JP H06101780A
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久司 古牧
Mineo Kinoshita
峰夫 木下
Yuichi Saito
勇一 齋藤
Seiichi Nakano
誠一 中野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】弁閉時における流体差圧の大きさの如何にかか
わらず背圧室と主弁室との間の流体漏洩量を弁の作動上
無視できる程に少なくでき、また主弁体の摺動抵抗も極
めて小さくて長期にわたり安定に作動する双方向電磁弁
を提供する。 【構成】第1流体通路と連通する筒状弁室をピストン状
主弁体が摺動自在に嵌装された主弁室とより大径の背圧
室とに分割し、弁室底部に第2流体通路に続く更に小径
の主弁座を設け、主弁室と背圧室とを連通する第1漏洩
流路と第2流体通路と背圧室とを連通する第2漏洩流路
を主弁体内に設け、主弁室と背圧室との間の段部に当接
可能な鍔状の可撓性シール板を主弁体の肩部に取付け、
第1及び第2漏洩流路の背圧室側開口に接する第1及び
第2逆止弁体を同時に離開させ得る弁体支持体を備えた
電磁作動のプランジャを設け、更に主弁体を主弁座から
離す方向に付勢する主弁ばねを設けた構成を採用した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヒートポンプ型の空調装
置における冷媒制御用の電磁弁に関し、特に冷暖房用空
調装置において冷媒流通方向の逆転の際にも全く同様に
作動する双方向電磁弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、冷暖房用空調装置としてヒートポ
ンプ型冷凍回路を備えたものが広く用いられており、1
個の圧縮装置からの冷媒を複数室に分配して個別に冷暖
房を行なう、いわゆるマルチ型の空調装置が増加してき
ている。このようなマルチ型の空調装置において、室毎
の冷房と暖房とを同時に並行して行なうために室内ユニ
ットと室外ユニットとを3本の配管で結んだ図4に示す
ような3配管型の装置が利用されている。
【0003】この装置にあっては、室内ユニットI毎に
冷暖切替え用の一組の電磁弁a,bが設けられており、
冷房時には吐出ガスラインAに通ずる電磁弁aを閉じて
吸入ガスラインBに通ずる電磁弁bを開くことにより液
ラインCから液状冷媒を室内用熱交換器Eに導入して吸
入ガスラインBに送出し、また暖房時には吐出ガスライ
ンAに通ずる電磁弁aを開いて吸入ガスラインBに通ず
る電磁弁bを閉じることにより吸入ガスラインBから熱
ガス冷媒を室内用熱交換器Eに導入して液状冷媒を液ラ
インCに送出するようにしている。ここでOは室外ユニ
ット、Mは圧縮機である。
【0004】しかしこの方式では配管の長さが長くなっ
て設備費用が嵩む問題があるほか、暖房室内ユニットで
得られた液状冷媒を冷房室内ユニットで利用するにあた
って熱効率のバランスを取るのが容易でないという問題
もあるので、室内ユニットIと室外ユニットOとの間に
分流ユニットRを設けて、室外ユニットOと分流ユニッ
トRとの間及び分流ユニットRとそれぞれの室内ユニッ
トIの間をいずれも2本の配管で結んだ図5に示すよう
な装置が提案された。この装置では室外ユニットOに設
けられた四方弁Dによって室外ユニットOと分流ユニッ
トRとの間の配管は高圧と低圧とに転換されるようにな
っており、分流ユニットRと室内ユニットIとの間の配
管も一方は液状冷媒であるが他方は高圧ガスと低圧ガス
とに転換されることになるので、分流ユニットRに設け
られる電磁弁は流れの方向が逆転しても全く同様に大流
量の流体制御ができる双方向型の電磁弁であることが必
要となっている。
【0005】このような場合に利用できる従来の双方向
型電磁弁は、いずれも被制御流体の流量を大きく取るこ
とが困難であるうえ被制御流体の流通圧損を小さくする
と弁の動作が不安定となるなどの不都合があり、流通方
向に係わらず被制御流体の流通圧損を小さくすることが
できず、冷凍効率改善上の障害となっていた。そこで出
願人は、流体の流通方向が正逆いずれであっても殆ど圧
損を生ずることなしに大流量の流体を安定に制御するこ
とができるパイロット式の双方向電磁弁を開発し、この
発明について特許出願している。
【0006】かかる双方向電磁弁は図7に示すように、
第1流体通路12aと連通する筒状弁室11aの底部に
径が弁室11aよりも小な第2流体通路12bが開口す
る主弁座11bを設け、弁室11aを背圧室11cと主
弁室11dとに分割するように弁室11a内にピストン
状の主弁体13を摺動自在に嵌装し、主弁体23内に主
弁室11dから背圧室11cへの流入を許容する第1逆
止弁13aを備えた第1漏洩流路13bと第2流体通路
12bから背圧室11cへの流入を許容する第2逆止弁
13cを備えた第2漏洩流路13dとを設けると共に、
第1逆止弁13aと第2逆止弁13cとを同時に開放で
きる電磁作動の弁開部材15を設け、かつ主弁体13を
主弁座11bから離す方向に付勢する主弁ばね18を設
けて構成されているものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしかかる新しい双
方向電磁弁では、安定かつ確実に弁を作動させるには弁
閉時における弁室壁と主弁体との間での流体漏洩量を小
さくすることが必要であるが、そのために主弁体の周囲
にシールリング等を嵌装して封止力を強化すると弁室壁
と主弁体との摺動抵抗が大きくなって充分に弁開せず、
流体の流通抵抗を低くするという本来の目的の達成が困
難となる。従って弁室壁と主弁体との摺動抵抗を小さく
することと流体漏洩量を効果的に抑制することとは両立
できないと考えられていた。
【0008】そこで本発明は、上記のような新しい双方
向電磁弁をもとにして更に改良し、弁閉時における流体
差圧の大きさの如何にかかわらず背圧室と主弁室との間
の流体漏洩量を弁の作動上無視できる程に少なくするこ
とができ、しかも主弁体の摺動抵抗も極めて小さくて長
期にわたって安定に作動をする双方向電磁弁を提供する
ことを目的としたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
第1流体通路と連通する筒状弁室をピストン状の主弁体
が摺動自在に嵌装された主弁室と該主弁室より径の大き
い背圧室とに分割すると共に該主弁室より径の小さい第
2流体通路が開口する主弁座を該主弁室の底部に設け、
該主弁室と該背圧室とを連通する第1漏洩流路及び該第
2流体通路と該背圧室とを連通する第2漏洩流路を該主
弁体内に設けると共に該主弁室と該背圧室との間の壁部
に形成された段部に当接可能な鍔状の可撓性シール板を
該主弁体の肩部に取付け、該第1及び第2漏洩流路の背
圧室側開口に接する第1及び第2逆止弁体を同時に離開
させ得る弁体支持体を備えた電磁作動のプランジャを設
け、更に前記主弁体を前記主弁座から離す方向に付勢す
る主弁ばねを設けたことを特徴とする双方向電磁弁によ
って達成することができる。
【0010】
【作用】本発明の双方向電磁弁は、弁閉時には被制御流
体の一次圧が背圧室に加わることによって主弁体が主弁
座に圧着されると同時に可撓性シール板が主弁体の肩部
と段部との双方に圧着されるので、背圧室内の流体の漏
洩が完全に防止される。そして弁開時には電磁作動のプ
ランジャによって2個の逆止弁体が引き上げられ、背圧
室内の流体圧力が主弁体に設けられた流路を通じて低圧
側に開放される結果、主弁体は被制御流体の一次圧と二
次圧の差がなくても主弁ばねの作用により主弁座から離
れるが、この際に可撓性シール板は段部から離れるのに
何等の抵抗も受けない。従って主弁体は容易に全開し、
大量の流体を殆ど圧損の発生なしに流通させることがで
きる。
【0011】本発明において、弁体支持体がプランジャ
に対して限定範囲内で軸方向に遊動可能に結合されてい
るように構成すると、電磁コイルに大きな電流を供給し
なくても円滑にプランジャの作動が開始し、背圧室内の
圧力が大きくても第1及び第2逆止弁体を容易に離開さ
せることができる。また、この場合に弁体支持体をプラ
ンジャに向けて付勢する押上ばねを主弁体と弁体支持体
との間に設けることにより、大量の流体を流通させるに
際して主弁体のハンチング現象を有効に抑制することが
できる。
【0012】また、第1及び第2漏洩流路の開口と第1
及び第2逆止弁体を軸に対して相互に対称の位置に設け
ることによって、これらの開口をバランスした力で閉止
することができるほか、部品の構成が簡単で組立が容易
となり、更に主弁体と弁体支持体との相対回動を許容し
ないが軸方向の相対移動を許容するガイド手段を設ける
ことによって、これらの逆止弁体がそれぞれの漏洩流路
の開口上に正確に着座し、漏洩を生じることなくパイロ
ット制御を行うことができて、確実な第1及び第2逆止
弁の開閉が可能となる。
【0013】
【実施例】本発明の双方向電磁弁の第1実施例を図1に
より説明する。図1において、1は弁本体であり、第1
流体通路2aと連通する筒状弁室1aの底部には主弁座
1bが設けられていて、ここに第2流体通路2bが開口
している。又弁室1aはピストン状の主弁体3が摺動自
在に嵌装されている主弁室1dと背圧室1cとに分割さ
れている。ここで背圧室1cの径は主弁室1dの径より
も大きくて、この間の壁部には段部1eが形成されてお
り、また主弁座1bの径は主弁室1dの径よりも小さい
から、主弁体3が主弁座1bに着座しているときには背
圧室1c内の圧力が主弁体3の上面にかかり、主弁室1
d内の圧力が主弁体3の底面の一部にかかるようになっ
ている。
【0014】主弁室1dと背圧室1cとを連通する第1
漏洩流路3bと、第2流体通路2bと背圧室1cとを連
通する第2漏洩流路3dとが主弁体3を貫いて設けられ
ており、また電磁コイル7により電磁作動するプランジ
ャ4の先端部に設けられた弁体支持体5によって保持さ
れている第1逆止弁体3a及び第2逆止弁体3cが、第
1漏洩流路3b及び第2漏洩流路3dの背圧室1c側の
開口にそれぞれ弁ばねで押し付けられている。そして通
常は、主弁室1d内の流体が第1漏洩流路3bを経て背
圧室1cへ流入することはできるが、逆に背圧室1cか
ら主弁室1dへ向かっては流出することができず、また
第2流体通路2b内の流体が第2漏洩流路3dを経て背
圧室1cへ流入することはできるが、逆に背圧室1cか
ら第2流体通路2bへ向かっては流出することができな
いように構成されている。
【0015】これらの第1逆止弁体3a及び第2逆止弁
体3cは、プランジャ4が電磁コイル7に吸引されたと
きには、それぞれ係止段部3e及び3fが係合すること
により第1逆止弁体3a及び第2逆止弁体3cが同時に
引き上げられ、第1漏洩流路3bと第2漏洩流路3dと
が開放されるようになっている。ここで3gは第2漏洩
流路3dに設けられていて第2流体通路2bから背圧室
1cへ向かう流量を制限するが、逆方向の流量は制限し
ない絞り弁である。また8は主弁体3を主弁座1bから
離す方向に付勢する主弁ばねであり、9は弁体支持体5
を主弁体3に向けて付勢しているプランジャばねであ
る。
【0016】更に主弁体3の肩部3hの周りには例えば
弗素樹脂などの可撓性材料から形成された円形のシール
板3iが抑えリング3jを介して挟着されており、主弁
体3が主弁座1bに着座したときには、図2(a)に示
すような状態にシール板3iが段部1eに接触して、背
圧室1cと主弁室1dとを仕切るようになっている。し
かしシール板3iは可撓性であるために、主弁室1d内
の圧力が背圧室1c内の圧力より高いか又は等しいとき
は圧着から開放されることとなり、第1逆止弁3aと同
様に流体が漏洩できて主弁室1dと背圧室1cとの均圧
化が促進され、また背圧室1c内の圧力が主弁室1d内
の圧力より高いときには段部1eと肩部3hとの双方に
圧着されて、流体の漏洩が発生しないものである。
【0017】また、主弁体3と弁体支持体5との間に
は、図3に示すように背圧室1cに通ずる流体通路3k
が形成されており、またガイド部材6が設けられてい
て、主弁体3に設けられたガイド孔に摺動自在に嵌合し
ている。従って主弁体3と弁体支持体5とは相対的に回
動することはできないが、軸方向には相対移動ができる
ようになっているので、逆止弁体は漏洩流路の開口に正
確に対向することとなり、閉止不完全による流体漏れは
もちろんのこと、偏った摩耗による弁機能の劣化などが
避けられる。
【0018】このような構成を有する双方向電磁弁にお
いて、電磁コイル7が無通電状態にあるときは弁体支持
体5と係止段部3e及び3fとの係合は開放されてお
り、第1逆止弁体3a及び第2逆止弁体3cはいずれも
正規の閉止状態にある。ここで第1流体通路2aから流
体が供給されると、主弁室1d内の流体が第1漏洩流路
3bから第1逆止弁体3aを押し上げて背圧室1cへ流
入するが、背圧室1cから第2流体通路2bへは第2逆
止弁体3cのために流出できない。そしてこのときはシ
ール板3iは機能せず、主弁室1d内の流体がシール板
3iの隙間を通って背圧室1cへ流入することは妨げら
れない。結局、背圧室1c内の圧力は主弁室1d内の圧
力と等しくなって、第1流体通路2aと第2流体通路2
bとの差圧に主弁座1bの面積を乗じた力によって主弁
体3が主弁座1bに圧着される。ただし、このときの主
弁ばね8の力はプランジャばね9の力より大きくないよ
うに構成されていることが必要である。
【0019】次に電磁コイル7に通電すると、弁体支持
体5が係止段部3e及び3fと係合して第1逆止弁体3
a及び第2逆止弁体3cを引き上げる結果、これらの逆
止弁体3a及び3cはいずれも開放状態となり、背圧室
1c内の圧力は第2流体通路2b内の圧力に近づく。そ
して背圧室1cと主弁室1dとの差圧に主弁体3と主弁
座1bとの面積差を乗じた力と主弁ばね8の付勢力との
合力によって主弁体3が主弁座1bから離れることにな
るが、シール板3iは図2(b)のように段部1eから
離れるために、シール板3iによる摺動抵抗は全く無
い。その結果、背圧室1cと主弁室1dとの差圧に主弁
体3の断面積を乗じた力と主弁ばね8の付勢力との合力
によって主弁体3が全開するに至り、背圧室1cと主弁
室1dとの差圧が殆ど零となっても、主弁ばね8の付勢
力のために主弁体3は安定した全開状態を維持するもの
である。
【0020】また上記とは逆に電磁コイル7が無通電状
態にあるときに第2流体通路2bから流体が供給される
と、流体は絞り弁3gと第2漏洩流路3dを通り、第2
逆止弁体3cを押し上げて背圧室1cへ流入する。この
とき第1逆止弁体3aは閉止したままであるから流体は
主弁室1dへ流出できない。従って背圧室1c内の圧力
は第2流体通路2b内の圧力と等しくなって、第2流体
通路2bと第1流体通路2aとの差圧に主弁体3と主弁
座1bとの面積差を乗じた力によって主弁体3が主弁座
1bに圧着され、それと同時に背圧室1cと主弁室1d
との差圧によってシール板3iは段部1eと肩部3hと
の間に圧着され、流体の漏洩が防止される。
【0021】次に電磁コイル7に通電すると、第1逆止
弁体3a及び第2逆止弁体3cが開放されて背圧室1c
内の流体が主弁室1dへ流出する結果、背圧室1c内の
圧力は主弁室1d内の圧力に近づき、段部1eに対する
シール板3iの圧着力も小さくなる。そのため、背圧室
1cと第2流体通路2bとの差圧に主弁座1bの断面積
を乗じた力と主弁ばね8の付勢力との合力によって主弁
体3が主弁座1bから離れ、シール板3iの圧着も解消
されるから、主弁体3は殆ど抵抗もなく全開するに至
る。この際には、背圧室1cと主弁室1dとの差圧が殆
ど零に近くなっても、主弁ばね8の付勢力のために主弁
体3は安定した全開状態を維持するものである。
【0022】また、本発明の双方向電磁弁の第2実施例
の要部を図4に示すが、この実施例においてはプランジ
ャ4の下端部に弁体支持体5の上端部に形成された係合
フランジ5aを遊動可能に収容する筒状空間4aが形成
されており、その内壁面には係合フランジ5aが筒状空
間4aから逸脱することを防止するための係止環4bが
突設されている。そして係合フランジ5aは筒状空間4
a内を軸方向に限定範囲内で遊動できるようになってお
り、また主弁体3と弁体支持体5との間に弱い押上ばね
5bが設けてあって弁体支持体5をプランジャ4に向け
て付勢しているが、その外は第1実施例と同様な構造を
有している。なお、図4では弁体支持体5として一体に
形成したものが示されているが、係合フランジ部分と本
体部分とを別体で形成したうえ結合した弁体支持体を用
いることもできる。
【0023】この例の双方向電磁弁においては、基本的
な弁の作動状態については第1実施例と同様であるが、
プランジャ4と弁体支持体5に関する作動状態のみが異
なっている。すなわち、電磁コイル7が無通電状態にあ
るときは、弁体支持体5は第1逆止弁体3a及び第2逆
止弁体3cとの係合から解除された位置にあって、これ
らの逆止弁はいずれも正規の閉止状態にあるが、この状
態を保ったままでプランジャ4は軸方向に限定範囲内で
遊動できる。従ってこの状態で電磁コイル7に通電する
と、先ずプランジャ4のみが動き始め、次いでプランジ
ャ4の下端部に設けられた係止環4bが係合フランジ5
aの下面に衝合して弁体支持体5を動かし、更に弁体支
持体5が係止段部3e及び3fと係合して、プランジャ
4と弁体支持体5とが協動して第1逆止弁体3a及び第
2逆止弁体3cを引き上げる。その際、押上ばね5bは
弁体支持体5を確実に作動させると同時に、主弁体3が
流体の流れに伴い揺動して第1逆止弁体3a及び第2逆
止弁体3cと接触することを防止し、ハンチング現象の
発生を抑制するようになっている。
【0024】上述のような作動に際して、電磁コイル7
によって最初に動くのはプランジャ4だけであり、弁開
に対して抵抗となる流体圧力は全く作用しないから電磁
コイル7の吸引力が大きくなくても加速が早い。従って
弁体支持体5は、加速されたプランジャ4が衝突するこ
とにより、プランジャ4の運動慣性力の作用と電磁コイ
ル7の吸引力との作用のために急速発進する。そのため
第1逆止弁体3a及び第2逆止弁体3cは、単に電磁コ
イル7の吸引力のみでなく、これにプランジャ4と弁体
支持体5との衝撃エネルギーが加わることによって瞬間
的に開放されることになる結果、背圧室1cと主弁室1
dとの差圧が大きくても比較的に小さな電磁コイルを用
いて容易に大型の双方向電磁弁を作動させることができ
るものである。
【0025】
【発明の効果】本発明双方向電磁弁は、上記のような構
成を備えているパイロット型の電磁弁であって、その流
体制御特性が対称的であって流体の流通方向の如何にか
かわらず圧損が殆ど生じないという特性をそのまま保持
しながら、パイロット弁の作動が正確で流体の漏洩が発
生せず、また主弁体の摺動抵抗が極めて小さくて確実に
作動し、しかも弁閉時における流体差圧の大きさの如何
にかかわらず漏洩量が極めて少なく、精密なパイロット
弁は摩耗等による劣化を起こしにくくて耐久性が大きい
という特長を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の双方向電磁弁の第1実施例の縦断面図
である。
【図2】本発明の弁におけるシール板の作動状態の説明
図である。
【図3】本発明の弁における逆止弁体及び弁体支持体を
含む部分の構造図である。
【図4】本発明の双方向電磁弁の第2実施例の要部の縦
断面図である。
【図5】同時冷暖房マルチ空調システムにおける3配管
型の冷凍回路図である。
【図6】同時冷暖房マルチ空調システムにおける2配管
型の冷凍回路図である。
【図7】先行技術の双方向電磁弁の例の縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 弁本体 1a 弁室 1b 主弁座 1c 背圧室 1d 主弁室 1e 段部 2a 第1流体通路 2b 第2流体通路 3 主弁体 3a 第1逆止弁体 3b 第1漏洩流路 3c 第2逆止弁体 3d 第2漏洩流路 3e、3f 係止段部 3g 絞り弁 3h 肩部 3i シール板 3j 抑えリング 3k 流体通路 4 プランジャ 4a 筒状空間 4b 係止環 5 弁体支持体 5a 係合フランジ 5b 押上ばね 6 ガイド部材 7 電磁コイル 8 主弁ばね 9 プランジャばね 11a 弁室 11b 主弁座 11c 背圧室 11d 主弁室 12a 第1流体通路 12b 第2流体通路 13 主弁体 13a 第1逆止弁 13b 第1漏洩流路 13c 第2逆止弁 13d 第2漏洩流路 15 弁開部材 18 主弁ばね A 吐出ガスライン B 吸入ガスライン C 液ライン D 四方弁 E 室内用熱交換器 I 室内ユニット M 圧縮機 O 室外ユニット R 分流ユニット a、b 電磁弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 誠一 埼玉県狭山市笹井535 株式会社鷺宮製作 所狭山事業所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1流体通路と連通する筒状弁室をピス
    トン状の主弁体が摺動自在に嵌装された主弁室と該主弁
    室より径の大きい背圧室とに分割すると共に該主弁室よ
    り径の小さい第2流体通路が開口する主弁座を該主弁室
    の底部に設け、該主弁室と該背圧室とを連通する第1漏
    洩流路及び該第2流体通路と該背圧室とを連通する第2
    漏洩流路を該主弁体内に設けると共に該主弁室と該背圧
    室との間の壁部に形成された段部に当接可能な鍔状の可
    撓性シール板を該主弁体の肩部に取付け、該第1及び第
    2漏洩流路の背圧室側開口に接する第1及び第2逆止弁
    体を同時に離開させ得る弁体支持体を備えた電磁作動の
    プランジャを設け、更に前記主弁体を前記主弁座から離
    す方向に付勢する主弁ばねを設けたことを特徴とする双
    方向電磁弁。
  2. 【請求項2】 弁体支持体がプランジャに対して軸方向
    に限定範囲内で遊動可能に結合されている請求項1記載
    の双方向電磁弁。
  3. 【請求項3】 弁体支持体をプランジャに向けて付勢す
    る押上ばねを主弁体と弁体支持体との間に設けた請求項
    2記載の双方向電磁弁。
  4. 【請求項4】 第1及び第2逆止弁体を軸に対して相互
    に対称の位置に設けたことを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれかに記載の双方向電磁弁。
  5. 【請求項5】 主弁体と弁体支持体との相対回動を許容
    しないが軸方向の相対移動を許容するガイド手段を設け
    たことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の
    双方向電磁弁。
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