JPH06101197A - 顔料塗被紙の製造方法 - Google Patents

顔料塗被紙の製造方法

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JPH06101197A
JPH06101197A JP24494592A JP24494592A JPH06101197A JP H06101197 A JPH06101197 A JP H06101197A JP 24494592 A JP24494592 A JP 24494592A JP 24494592 A JP24494592 A JP 24494592A JP H06101197 A JPH06101197 A JP H06101197A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 平滑性、光沢、塗布層の均一性に優れ、塗布
欠陥の発生しない顔料塗被紙を得ることである。 【構成】 エクストルージョン型のカーテン塗布装置の
塗布液が通過する流路の最狭部間隔を0.10mm乃至
0.90mmの範囲内とし、顔料を主成分とする該塗布
液固形分の最大粒子径を該最狭部間隔の1/8以下に調
整する。 【効果】 塗布ヘッドにおいて、塗布液中の固形分凝集
物に起因する閉塞現象が発生しないため、塗布面でスト
リークが見られず、平滑性、光沢、塗布層の均一性に優
れた顔料塗被紙が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、顔料塗被紙の製造方法
に関し、特に、カーテン塗布装置を用いた顔料塗被紙の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、顔料塗被紙は、未塗布の上質
紙と比較して平滑性、光沢が高く、インクの吸収性が均
一であるため、印刷用紙として広く用いられている。特
に近年、印刷物の視覚化が進み、カラー印刷の比率が高
まり、また、印刷速度の増大が進み、印刷用紙に対する
要求も一段と高いものとなっている。
【0003】顔料塗被紙に対する要求品質は数多くある
が、特に、平滑性が高いこと、印刷を行う面の塗布面質
が均一で塗布欠陥のないこと、印刷ムラが発生しないこ
とが重要である。
【0004】また、顔料塗被紙の製造においては、近
年、特に、資源の枯渇抑止や環境保全の面で、塗被紙の
再生、再利用が前提となるが、非塗被紙に較べて、塗被
紙を再利用する場合には、形成した塗布層を破砕・分散
する必要があるため、界面活性剤等の分散助剤の添加量
の増大が必須であり、製造コストの上昇につながるばか
りか、界面活性剤を含む廃液が大量に発生することか
ら、環境に及ぼす影響も無視できないものとなる。した
がって、顔料塗被紙の製造工程においては、脱墨の工程
以外は、印刷製品の再利用と同じ処理工程を経る必要が
ある塗被紙の損紙を、極力減らすことが必須条件であ
る。
【0005】顔料塗布を行う印刷用紙の塗布方式は多岐
にわたるが、具体的には、ブレード塗布方式、ロッド塗
布方式、エアナイフ塗布方式、ロール塗布方式を挙げる
ことができる。これらの塗布方式の共通した特徴として
は、比較的、簡単な操作で、顔料を主成分とする塗布液
の塗布が行えることである。しかしながら、これらの塗
布方式では、高品質な印刷用顔料塗被紙を得ることが難
しかった。
【0006】すなわち、ブレード塗布方式あるいはロッ
ド塗布方式は、過剰に塗布液をウェブに供給した後、余
剰の液をブレードあるいはロッドにより掻き落とす後計
量型の塗布方式である。しかし、かかる塗布方式では、
余剰な液の供給から計量までの間に、ウェブに塗布液中
の水あるいはバインダー成分が必要以上に浸入し、計量
時にブレード直下で塗布液に高い圧力が加えられるた
め、塗布液中の水あるいはバインダー成分のウェブへの
浸入は、さらに顕著に進行する。このため、顔料塗布層
で、相対的にバインダー成分が少なくなるため、塗層強
度が低くなり、高い光沢も発現し難くなる。また、余剰
分として掻き落とされた液は、供給前の液の組成と異な
り、時間の経過とともに塗布液の組成が変化し、安定し
た品質の製品を得ることができない。
【0007】さらに、ブレード塗布方式あるいはロッド
塗布方式は、損紙の発生率が高いという欠点を有する。
つまり、かかる塗布方式で、顔料分散液の塗布を行う
と、ストリークやスクラッチ等の塗布欠陥の発生が不可
避である。
【0008】エアナイフ塗布方式は、過剰に塗布液をウ
ェブに供給した後、余剰の液を風圧により掻き落とす後
計量型の塗布方式である。かかる塗布方式は、エアナイ
フ塗布特有のパターンを塗布層に発生し易く、かかるパ
ターンは、塗布液の粘度が高い場合や塗布速度が速い場
合に顕著に見られる。このことにより、塗布層の表面の
光沢、平滑度は著しく低下し、品質が低下するだけでな
く、印刷工程において重大な障害となる。このように、
エアナイフ塗布方式は、比較的に高粘度の液を高速で塗
布することが要求される顔料塗被紙の製造には適さな
い。
【0009】ロール塗布方式は、ロールの組み合わせ等
により様々な形式のものが存在するが、基本的には、複
数ロールを組み合わせてロール間での塗布液の転写によ
り液を計量しウェブに転写する塗布方式である。かかる
塗布方式は、塗布ロール面とウェブの転写後の剥離の際
に、ロール特有のパターンを発生し易く、塗布面の光
沢、平滑性が低下し、近年の印刷用紙に対する要求品質
を満たすことは難しい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ブレ
ード塗布方式、ロッド塗布方式、エアナイフ塗布方式、
ロール塗布方式などの塗布方式では実現することが不可
能であった高品質な顔料塗被紙の製造と効率的な生産の
両立を、エクストルージョン型のカーテン塗布ヘッドを
用いることにより、実現することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の顔料塗被紙の製
造方法は、エクストルージョン型のカーテン塗布装置の
塗布液が通過する流路の最狭部間隔を0.10mm乃至
0.90mmの範囲内とし、顔料を主成分とする該塗布
液固形分の最大粒子径を該最狭部間隔の1/8以下に調
整し、これを連続して走行するウェブに該カーテン塗布
装置を使用して塗布することを特徴とするものである。
【0012】上記により、カーテン塗布装置の流路にお
ける塗布液の閉塞が抑制されて、損紙の発生頻度が極め
て低く、安定した状態で、塗布操作を実施することがで
き、塗布層が均一な高品質な顔料塗被紙を得ることがで
きる。
【0013】カーテン塗布方式は、前計量型の塗布装置
であり、塗布時に塗布液の掻き落としがないため、塗布
液がウェブの表面形状に沿った極めて均一な、所謂輪郭
塗布層を形成する。特に、平滑性に優れたウェブ上に塗
布を行った場合には、塗布面の平滑性と塗布量の均一性
に優れた印刷用顔料塗被紙を得ることができる。
【0014】カーテン塗布方式は、前述したように、前
計量型の塗布方式であるため、ヘッドから流出した液
が、回収されて使用される量が少ないため、ロッドやブ
レード塗布方式のように余剰液の回収・循環により、塗
布液が高濃度化するなどの障害がない。また、カーテン
塗布方式においては、原紙表面に付着している異物がス
トリークやスクラッチの原因となることもない。
【0015】エクストルージョン型のカーテン塗布方式
の特徴は、図1に示すように、液が流路を規制されて流
れる場が、スリット2の部分だけであることである。こ
こで、スリットの幅は、0.10mm乃至0.90mm
の範囲内である必要がある。つまり、このスリットの幅
が0.10mmに達しない場合、スリット内部での流速
が増し、リップ3の流出部の流れに乱れが生じやすくな
り、スリットの幅が0.90mmを超える場合には、マ
ニホールド6内部の静圧が低くなり、幅方向においてス
リット2の動圧分布にむらが生じ、結果として、幅方向
において塗布量むらが発生する。
【0016】カーテン塗布では、リップ3から流出した
液は、ウェブ5に接触するまで自由表面を形成するた
め、スリット2から流出した後は流路を規制されない。
これに対して、ロッドやブレード塗布方式では、液の計
量が行われるロッドあるいはブレードとウェブの最小の
間隙は、通常は、0.05mm以下である。したがっ
て、凝集物や異物等の粒子径の大きな固形物が液中に存
在する場合に、ストリークとして現れる確率は、ロッド
あるいはブレード塗布方式よりカーテン塗布方式のほう
が極めて低い。
【0017】本発明者らが鋭意検討を行った結果、塗布
液中に含まれる固形分の最大粒子径を、カーテン塗布ヘ
ッド内部の最狭部の間隔の1/8以下とすることによ
り、塗布ヘッド内部で、局所的な閉塞を発生することが
なくなり、結果として、塗布欠陥の発生がなくなること
を見いだした。
【0018】エクストルージョン型の塗布ヘッドにおい
ては、ヘッド内部の最狭部は、通常、図1に示すスリッ
ト2の部分である。この部分で、最狭部の間隙の1/8
を超えた粒子径を持つ粒子が滞留したり、凝集物が発生
したりすると、カーテン膜の厚みに影響を及ぼし、滞留
部の直下で、液膜の厚みが極端に薄くなり、ストリーク
の発生をみるようになる。
【0019】したがって、塗布液に、最大粒子径が、塗
布ヘッド内部の最狭部の間隙の1/8を超えた粒子を含
む顔料は使用せず、また、かかる大きさに達する外部よ
り侵入する異物を塗布ヘッドに到達するまえに除去する
こと、及び、顔料が凝集物を形成し、かかる粒子径に達
する場合には、同様に、塗布ヘッドに到達する前に除去
するか、分散・解離する手段を講じる必要がある。
【0020】最大粒子径が、塗布ヘッド内部の最狭部の
間隔の1/8を超える粒子を、除去する方法は、ふるい
あるいはフィルターを用いた方法を採用することがで
き、具体的には、開放型振動ふるい、密閉型金属メッシ
ュフィルター、密閉型樹脂フィルター、密閉式螺旋ワイ
ヤフィルター、密閉式金属スリットフィルターなどがあ
り、密閉式のフィルターは、塗布ヘッドの直前に配置す
ることができるので、好ましい方式である。
【0021】顔料等の凝集物を分散・解離する手段とし
ては、ボールミル、サンドミル、ホモジナイザー等を挙
げることができ、再凝集を考慮すると、フィルターと同
様に、塗布ヘッドの直前に配置することが望ましい。
【0022】最大粒子径は、セイシン企業製光透過式粒
度分布測定器を用いて測定し、通過率が99%以上とな
ったときの残留粒子の最小の粒子径とした。
【0023】本発明においては、上記の如く、ウェブと
接触する塗布層をカーテン塗布方式により塗抹すること
を特徴としているが、エクストルージョン型のカーテン
塗布装置の塗布液が通過する流路の最狭部間隔を0.1
0mm乃至0.90mmの範囲内とし、顔料を主成分と
する該塗布液固形分の最大粒子径を該最狭部間隔の1/
8以下に調整した塗布液の塗布に適用することにより、
塗布欠陥の発生がなく、塗布層の平滑性に優れた印刷用
顔料塗被紙を得る方法を開示したものは、いまだ見当た
らない。
【0024】以下、添付図面に基づき、本発明の実施態
様について詳細に説明する。図1は本発明の実施態様を
示した印刷用顔料塗被紙の塗布装置の概略図である。予
め調製された顔料塗布液は塗布液貯蔵タンク11より、
給液ポンプ12によってコーターヘッド1へ送られる。
この際、塗布液の送液量は最終製品の塗布量と比例関係
にあるため、コーターヘッド1への塗布液の送液量コン
トロールは精度よく行う必要がある。それ故に給液ポン
プ12としては可変流量型の無脈動定流量ポンプが適当
である。
【0025】コーターヘッド1の内部はマニホールド
6、スリット2からなり、それぞれ高精度の仕上げが施
されている。供給された塗布液はマニホールド6に満た
され、更にスリット2に送られるときに通過する狭い間
隙において、ポンプ12の送液による動圧の影響が軽減
され、幅方向における圧力分布が均一化され、リップ3
より流出し、垂直なカーテン膜4を形成する。
【0026】幅方向でプロファイルが均一となった垂直
カーテン膜4は、連続走行しているウェブ5と接触し、
ウェブ5に塗布される。ここでエッジガイド10a、1
0bはコーターヘッド1の幅を超えず、更にウェブ5の
幅を超えて設けられ、垂直カーテン膜はウェブ5の幅を
超えて形成される。垂直カーテン膜4がウェブ5の幅を
超えて形成されているのは、垂直カーテン膜4の両端部
における塗層の厚塗りを防止するためである。ウェブ5
の幅を超えて流下する塗布液は、受液槽9に回収され、
塗布液貯蔵タンク11に戻された後再び塗布される。ま
た、ウェブ5が切断した時など塗布が中断された場合
も、塗布液は受液槽9に回収される。
【0027】連続走行しているウェブ5と垂直カーテン
膜4との接触部(以後、「塗布部」という。)にはウェ
ブ5に同伴する空気流を遮蔽し、カーテン周辺の空気の
回流などで垂直カーテン膜4が乱れることなくウェブ5
に達するようにするため遮風板8が設けられている。ま
た、ウェブ5の搬送方向は塗布部の直前でロール7によ
り方向転換することにより、ウェブ5に同伴する空気の
塗布部への影響を最小限にとどめるように構成されてい
る。
【0028】形成させた垂直カーテン膜4を安定した状
態で塗布するためには、ウェブ5からコーターヘッド1
下部の流出部までの高さがある程度必要とされるが、本
実施態様においてはその高さを制御することも可能であ
り、垂直カーテン膜4の安定に適した高さは60〜30
0mm、好ましくは100〜250mm、更に好ましく
は120〜180mmである。
【0029】本発明は、以上の実施態様に限定されるこ
となく、様々な変形が可能であることは言うまでもな
い。前述した実施態様において、形成したカーテン膜の
幅はウェブ5の幅より大としたが、これは塗布層両端部
における塗布量の増加を防止するためであって、このよ
うな塗布量増加が小であるか、もしくはあまり問題とさ
れない場合、または特公昭49−14130号公報等に
開示される方法、その他塗布量増加防止方法を採用する
ことにより解消しうる場合には、垂直カーテン膜をウェ
ブ5の幅に一致させるか、あるいはこれより多少小とし
ても差し支えない。
【0030】また、カーテンヘッドにプロファイル調整
機構あるいは制御機構を付設することも可能である。特
に、図1に示されるスリット2に開度プロファイルを調
整機構を付設すると、特に塗布幅が大きくなった場合
に、幅方向でより均一な塗布量プロファイルを得ること
ができる。
【0031】本発明において、顔料を主成分とする塗布
液とは、顔料とバインダーを、その他添加剤と共に水に
溶解もしくは分散せしめた液であって、顔料、バインダ
ー、その他添加剤の濃度が、10〜70重量%のものを
言う。顔料、バインダーの配合割合は、一般に顔料10
0重量部に対し、バインダーが5重量部以上、好ましく
は、10〜70重量部であることが望ましい。
【0032】本発明で用いる塗被紙用顔料としては、カ
オリン、クレー、炭酸カルシウム、サチンホワイト、酸
化チタン、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、硫酸バリウ
ム、硫酸カルシウム、シリカ、活性白土、レーキ、プラ
スチックピグメント、バインダーピグメント等が挙げら
れる。
【0033】本発明に用いられるバインダーとしては、
スチレン・ブタジエン系、酢ビ・アクリル系、エチレン
・酢ビ系、ブタジエン・メチルメタクリル系、酢ビ・ブ
チルアクリレート系等の各種共重合体、ポリビニルアル
コール、無水マレイン酸共重合体、イソブテン・無水マ
レイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート
系共重合体等の合成系接着剤、酸化澱粉、エーテル化澱
粉、エステル化澱粉、酵素変性澱粉やそれらをフラッシ
ュドライして得られる冷水可溶性澱粉、カゼイン、大豆
蛋白等の天然系接着剤などのような一般に知られた接着
剤が挙げられる。また、必要に応じて、増粘剤、保水
剤、耐水化剤、着色剤等の通常の塗被紙用顔料に配合さ
れる各種助剤が適宜使用できる。
【0034】かくして得られた本発明の塗被組成物は、
ウェブの両面ないし片面に、単層ないし多層塗布される
ものである。多層塗布における下層部の塗布には、カー
テン塗布装置以外の塗布装置の使用も可能であり、さら
に、下層塗布部を乾燥せずに上層塗布を行うウェットオ
ンウェット塗布を行ってもよい。
【0035】本発明で使用されるウェブとしては、一般
に使用される上質紙、中質紙、更紙、マシンコート紙、
アート紙、キャストコート紙、合成紙、レジンコーテッ
ド紙、プラスティックフィルム等を含む。
【0036】本発明において、顔料を主成分とする塗布
液の塗布量は乾燥重量規準で、1g/m2以上、好まし
くは、3〜30g/m2が適当である。
【0037】
【作用】本発明において、エクストルージョン型のカー
テン塗布装置の塗布液が通過する流路の最狭部間隔を
0.10mm乃至0.90mmの範囲内とし、顔料を主
成分とする該塗布液固形分の最大粒子径を該最狭部間隔
の1/8以下に調整した塗布液を塗布することにより、
カーテン流路における塗布液の閉塞が抑制されて、損紙
の発生頻度が極めて低く、安定した状態で、塗布操作を
実施することができ、塗布層が均一な高品質な顔料塗被
紙を得ることができる。
【0038】
【実施例】以下、本発明の効果を一層明瞭とするために
実施例を掲げる。なお、実施例中の部数は、全て重量部
を示し、特にことわりのない限り、濃度は固形分の濃度
の重量%、塗布量は、乾燥後の塗布量を示す。
【0039】実施例1 坪量60g/m2の上質紙に、ゲートロール塗布装置に
より、絶乾塗布量が2g/m2となるように、以下の配
合の固形分濃度が46%の塗布液を、下塗り液として、
塗布速度1000m/minで塗布し、下塗り原紙の作
製を行った。
【0040】 <下塗り液配合> 市販重質炭酸カルシウム(カービタル70) 100部 市販ポリアクリル酸系分散剤 0.2部 市販燐酸エステル化澱粉 8部 市販スチレン・ブタジエン・ラテックス 7部 水酸化ナトリウム 0.1部
【0041】以下の配合で、固形分濃度が54%の上塗
り塗布液を作製した。このとき、重質炭酸カルシウム
は、サンドミルにより、予め、粉砕したものを用い、塗
布液中に含まれる固形分の最大粒子径(以下、最大径と
称す)を、28μmとした。得られた塗布液を、エクス
トルージョン型のカーテン塗布装置を用い、前に得られ
た下塗り原紙に、500m/minの塗布速度で、塗布
量が16g/m2になるように塗布、乾燥を行った。こ
のときのカーテン塗布ヘッド内部で塗布液が通過する最
狭部の間隔(以下、スリット間隔と称す)は、0.24
mmに調整し、最大径/スリット間隔比を、0.117
とした。
【0042】 <上塗り液配合> 市販重質炭酸カルシウム(重質炭酸カルシウム特級、三共精粉製) 10部 市販1級カオリン(ウルトラホワイト90、エンゲルハード製) 50部 市販2級カオリン(ハイドラスパース、エンゲルハード製) 20部 市販立方体状軽質炭酸カルシウム (ブリリアント15、白石工業製)10部 市販アラゴナイト型炭酸カルシウム(TP−HGA、奥多摩工業製) 10部 市販ポリアクリル酸系分散剤 0.2部 市販燐酸エステル化澱粉 3部 スチレン・ブタジエン・ラテックス 16部
【0043】実施例2 重質炭酸カルシウムの粉砕条件を変えて、最大径を、3
9μmとし、スリット間隔を0.33mmに調整し、最
大径/スリット間隔比を、0.118とした以外は、実
施例1と同様に、印刷用顔料塗被紙の製造を行った。
【0044】実施例3 重質炭酸カルシウムの粉砕条件を変えて、最大径を、1
7μmとし、スリット間隔を0.24mmに調整し、最
大径/スリット間隔比を、0.071とした以外は、実
施例1と同様に、印刷用顔料塗被紙の製造を行った。
【0045】実施例4 重質炭酸カルシウムの粉砕条件を変えて、最大径を、1
3μmとし、スリット間隔を0.12mmに調整し、最
大径/スリット間隔比を、0.111とした以外は、実
施例1と同様に、印刷用顔料塗被紙の製造を行った。
【0046】実施例5 重質炭酸カルシウムの粉砕条件を変えて、最大径を、5
5μmとし、スリット間隔を0.86mmに調整し、最
大径/スリット間隔比を、0.064とした以外は、実
施例1と同様に、印刷用顔料塗被紙の製造を行った。
【0047】比較例1 重質炭酸カルシウムの粉砕条件を変えて、最大径を、2
8μmとし、スリット間隔を0.21mmに調整し、最
大径/スリット間隔比を、0.133とした以外は、実
施例1と同様に、印刷用顔料塗被紙の製造を行った。
【0048】比較例2 重質炭酸カルシウムの粉砕条件を変えて、最大径を、3
9μmとし、スリット間隔を0.29mmに調整し、最
大径/スリット間隔比を、0.134とした以外は、実
施例1と同様に、印刷用顔料塗被紙の製造を行った。
【0049】比較例3 重質炭酸カルシウムの粉砕条件を変えて、最大径を、2
8μmとし、スリット間隔を0.19mmに調整し、最
大径/スリット間隔比を、0.147とした以外は、実
施例1と同様に、印刷用顔料塗被紙の製造を行った。
【0050】比較例4 重質炭酸カルシウムの粉砕条件を変えて、最大径を、3
9μmとし、スリット間隔を0.26mmに調整し、最
大径/スリット間隔比を、0.150とした以外は、実
施例1と同様に、印刷用顔料塗被紙の製造を行った。
【0051】比較例5 重質炭酸カルシウムの粉砕条件を変えて、最大径を、9
μmとし、スリット間隔を0.08mmに調整し、最大
径/スリット間隔比を、0.113とした以外は、実施
例1と同様に、印刷用顔料塗被紙の製造を行った。
【0052】比較例6 重質炭酸カルシウムの粉砕条件を変えて、最大径を、5
5μmとし、スリット間隔を0.97mmに調整し、最
大径/スリット間隔比を、0.057とした以外は、実
施例1と同様に、印刷用顔料塗被紙の製造を行った。
【0053】比較例7 塗布装置として、ブレード塗布装置を用い、実施例1で
用いた上塗り液を用い、実施例1で用いた下塗り原紙
に、500m/minの塗布速度で、塗布量が16g/
2になるように塗布、乾燥を行った。
【0054】比較例8 塗布装置として、ロッド塗布装置を用い、実施例1で用
いた上塗り液を用い、実施例1で用いた下塗り原紙に、
500m/minの塗布速度で、塗布量が16g/m2
になるように塗布、乾燥を行った。
【0055】比較例9 塗布装置として、エアナイフ塗布装置を用い、実施例1
で用いた上塗り液を49%まで希釈して用い、実施例1
で用いた下塗り原紙に、250m/minの塗布速度
で、塗布量が16g/m2になるように塗布、乾燥を行
った。
【0056】比較例10 塗布装置として、リバースロール塗布装置を用い、実施
例1で用いた上塗り液を45%まで希釈して用い、実施
例1で用いた下塗り原紙に、200m/minの塗布速
度で、塗布量が16g/m2になるように塗布、乾燥を
行った。
【0057】塗布した試料は、カレンダー処理を行った
後に、評価を行った。
【0058】評価方法1(平滑度) 平滑度は、スムースター平滑度試験機(東英電子工業株
式会社製、形式SM−6A)により測定した。
【0059】評価方法2(白紙光沢度) 村上式光沢度計を用い、入射角75゜−反射角75゜と
してカレンダー処理後の試料の光沢度の測定を行った。
【0060】評価方法3(塗布層均一性) 塗布層の均一性は、塩化アンモニウムで原紙層を染色
し、塗布層の原紙被覆性を目視で評価することにより判
断した。評価は、5段階評価とし、被覆性にムラが全く
見られないものを5と判定し、ややムラが見られるもの
を4と判定し、原紙の露出がない程度のムラを3と判定
し、原紙の露出が見られ、印刷時に着肉ムラが予想され
るものを2と判定し、原紙面の露出が著しく、ピッキン
グ等印刷時の障害が甚大であると予想されるものを1と
判定した。
【0061】評価方法4(塗布欠点) 塗布欠点の検出は、塗布装置に設置した欠点検出装置に
より行い、塗布長さに対する、欠点の長さで評価した。
欠点検出装置で、検出できる塗布欠点は、ストリーク、
スクラッチ等の未塗布部分のある欠点と汚れ等の塗布過
剰部であり、検出は、幅が、0.3mm以上のものであ
れば検出可能である。欠点の長さは、欠点部を削除する
ときの余白を考慮して、欠点の前後に1mを加えた長さ
として、例えば、欠点の実際の長さが、0.1mの場合
でも、欠点の長さは、2.1mとなる。また、測定長さ
は、一律10000mとした。
【0062】評価結果は一括して表1に示す。実施例が
示すように、カーテン塗布方式を用い、最大径/スリッ
ト間隔比が、0.125(=1/8)以下で、かつ、ス
リット間隔が0.10mm乃至0.90mmの範囲内の
場合には、損紙率は一様に0で、平滑度、光沢度、塗布
層均一性がいずれも高い。一方、最大径/スリット間隔
比が0.125を超えると、ストリークの発生による損
紙率がやや高くなる。また、スリット間隔を0.10m
m未満とすると、カーテン膜の安定性がなくなり、平滑
度、光沢度、塗布層均一性が低くなり、損紙率が高くな
る。スリット間隔が0.90mmを超えると、カーテン
膜の幅方向で流量むらが生じ塗布層の均一性が低下し
た。カーテン塗布方式以外の塗布方式としては、ブレー
ド及びロッド塗布方式では、ストリークの発生による損
紙率が高い。エアナイフ及びリバースロール塗布方式で
は、平滑度、光沢、塗布層均一性がいずれも劣る。
【0063】
【表1】
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、損紙の発生頻度が極め
て低く、安定した状態で、塗布操作を実施することがで
き、塗布層が均一な高品質な顔料塗被紙を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すエクストルージョン型
のコーターヘッドを用いたカーテン塗布装置の概略図。
【符号の説明】
1 コーターヘッド 2 スリット 3 リップ 4 カーテン膜 5 ウェブ 6 マニホールド 7 ロール 8 遮風板 9 受液槽 10a、10b エッジガイド 11 貯蔵タンク 12 給液ポンプ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料塗被紙の製造方法において、エクス
    トルージョン型のカーテン塗布装置の塗布液が通過する
    流路の最狭部間隔を0.10mm乃至0.90mmの範
    囲内とし、顔料を主成分とする該塗布液固形分の最大粒
    子径を該最狭部間隔の1/8以下に調整し、これを連続
    して走行するウェブに該カーテン塗布装置を使用して塗
    布することを特徴とする顔料塗被紙の製造方法。
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