JPH06101117A - ポリオルガノシロキサンから多結晶質炭化ケイ素繊維の製造方法 - Google Patents

ポリオルガノシロキサンから多結晶質炭化ケイ素繊維の製造方法

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JPH06101117A
JPH06101117A JP2401444A JP40144490A JPH06101117A JP H06101117 A JPH06101117 A JP H06101117A JP 2401444 A JP2401444 A JP 2401444A JP 40144490 A JP40144490 A JP 40144490A JP H06101117 A JPH06101117 A JP H06101117A
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fiber
boron
silicon carbide
temperature
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JP2401444A
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William Henry Atwell
ウイリアム・ヘンリ−・アトウエル
Duane R Bujalski
デュアン・レイ・ブジャルスキ−
Eric Jude Joffre
エリック・ジュ−ド・ジョフリ−
Gary E Legrow
ゲイリ−・エドワ−ド・レグロウ
Jonathan Lipowitz
ジョナサン・リポウイッツ
James A Rabe
ジェイムス・アラン・レイブ
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Dow Corning Corp
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B35/00Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products
    • C04B35/515Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on non-oxide ceramics
    • C04B35/56Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on non-oxide ceramics based on carbides or oxycarbides
    • C04B35/565Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on non-oxide ceramics based on carbides or oxycarbides based on silicon carbide
    • C04B35/571Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on non-oxide ceramics based on carbides or oxycarbides based on silicon carbide obtained from Si-containing polymer precursors or organosilicon monomers

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 実質的に多結晶質の炭化ケイ素繊維の製造方
法およびそれによって得られた製品を提供する。小直径
で高温において熱安定性の繊維がられる。 【構成】 本法は、最初にフエニルを含有するポリオル
ガノシロキサン樹脂からなるプレセラミック重合体前驅
物質から繊維を成形し、次にその繊維を不融化して非溶
融性にし、さらに熱分解工程においてその繊維を非酸化
性雰囲気中の1600℃以上の温度に加熱して実質的に
多結晶質の炭化ケイ素繊維を形成させる。得られた多結
晶質の炭化ケイ素繊維は少なくとも75%の結晶化度と
少なくとも2.9 g/cm 3の密度を有する。その重合
体前驅物質又は繊維は少なくとも約0.2重量%のホウ
素を含有している。このホウ素の添加は、繊維の成形前
又は成形中、或いは不融化工程又は熱分解工程の少なく
とも1つの間に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プレセラミック(prece
ramic)重合体前驅物質から実質的に多結晶のセラミック
繊維を製造する方法に関し、特にポリオルガノシロキサ
ン樹脂から成形した繊維の中にホウ素を含有させて高温
で安定な炭化ケイ素繊維を製造することに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、セラミック材料は、高温で良好な
機械的強度を必要とする用途に開発されてきた。炭化ケ
イ素は、かかる必要な高温特性を有するセラミック材料
の1つである。例えば、炭化ケイ素の繊維は、繊維強化
金属および繊維強化セラミックのような複合材料におけ
る強化材料として使用されてきた。しかしながら、炭化
ケイ素の硬度および高温特性がその製造を困難にさせ、
そのため種々の製造方法が最終製品の必要な形状に依存
して開発されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】機械的性質を保持しな
がら1500℃よりもはるかに高い温度に耐えうるセラ
ミック繊維材料の用途は多数ある。従って、極めて高作
動温度に耐えることができる金属およびセラミック・マ
トリックス複合体に使用する熱的に安定で小直径の炭化
ケイ素繊維に対する技術的要求は依存として存在する。
【0004】本発明は、小直径を有すると共に高温で熱
安定性の実質的に多結晶質の炭化ケイ素繊維を製造する
方法およびその製造を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の方法は、最初に
フエニルを含有するポリオルガノシロキサン樹脂からな
るプレセラミック重合体前驅物質から繊維を成形する。
次に、それらの繊維を不融化させて不溶融性にさせ、続
いて熱分解工程において非酸化性雰囲気中1600℃以
上の温度に加熱して実質的多結晶質炭化ケイ素繊維を形
成させる。本発明の方法によって成形される実質的に多
結晶質の炭化ケイ素繊維は、少なくとも75%結晶化
度、少なくとも約2.9g/cm3 の密度および極低残留
酸素および/または窒素含量を有する。
【0006】重合体前驅物質又は繊維は少なくとも約
0.2重量%ホウ素を含有又は取り入れている。このホ
ウ素の取入れは、繊維の成形前又は成形中或いは本法の
不融化工程又は熱分解工程の少なくとも1つの間に行わ
れる。例えば、ホウ素は、先驅物質とホウ素含有化合物
と反応させる又はホウ素含有化合物と前驅物質を混合す
ることによって直接重合体前驅物質に取り入れる。ま
た、ホウ素は重合体前驅物質をホウ素含有ガスにさらす
ことによって不融化工程中に重合体前驅物質に取り入れ
ることができる。さらに別の態様では、ホウ素は前驅物
質繊維をホウ素含有ガスにさらすことによって熱分解工
程中に前驅物質繊維に取り入れることができる。ホウ素
は繊維全体に均一に分布して存在することが望ましい。
【0007】それらの重合体繊維は、多くの従来の繊維
成形法によって成形することができる。例えば、繊維は
溶融紡糸法、湿式又は乾式紡糸法のような紡績法によっ
て成形される。望ましい繊維成形用クラスの重合体は約
1.0〜1.5の置換度を有するフエニル含有ポリオル
ガノシロキサンである。このクラスの重合体は、室温で
固体であって、それらを容易に繊維に成形することがで
きる軟化点を有することがわかった。本発明の実施に使
用されるフエニル含有ポリオルガノシロキサンは約10
0℃以下の軟化点を有する。かかる重合体は100μ以
下の直径、望ましくは約50μ〜10μの直径を有する
繊維に容易に引き伸ばすことができる。次に繊維は、そ
れらを従来の方法で硬化および橋かけすることによって
不融化し非溶融性にする。例えば、繊維を空気中で硬化
させる。また、繊維はγ線や紫外線で硬化することによ
って不融化させることができる。また、繊維は塩化水素
のような酸や塩基を含有する雰囲気中で加熱することに
よって不融化させることができる。
【0008】さらに、繊維は、三塩化ホウ素とアンモニ
ア又は三塩化ホウ素とアミンの混合体を含有する雰囲気
中で硬化させることによって不融化と同時にホウ素を取
り入れることができる。繊維は、ジボランを含有する雰
囲気中又は最初に窒素酸化物を含有する雰囲気、続いて
三塩化ホウ素又はジボランを含有する雰囲気中で繊維を
硬化させることによっても不融化できる。
【0009】不融化後、繊維は約1600℃以上の温
度、望ましくは約1800℃〜1850℃の温度で加熱
することによって熱分解される。約2000℃以上の温
度は、炭素ケイ素の有害な結晶粒成長が生じて繊維の強
度に悪影響を与えるので望ましくない。非酸化性雰囲気
は、例えばアルゴン、ヘリウム、窒素およびそれらの混
合体のようなガスからなる。繊維が特定の最高温度にお
いて保持される時間は温度に逆比例する。熱分解処理の
所要時間は、繊維から実質的に全ての酸素および/また
は窒素を除去すると共に、プロセスの熱分解段階中にホ
ウ素を添加した場合にはホウ素を繊維全体に均一に拡散
させるのに十分にすべきである。例えば、繊維を約18
00℃に加熱する場合には、その温度を約1時間維持す
る必要があることがわかった。さらに低い熱分解温度
は、従ってさらに長い熱処理時間を要する。
【0010】
【作用】驚くことに、本発明の実施に使用されたフエニ
ル含有ポリオルガノシロキサンは、初重合体に存在する
かなりの量の酸にも拘らず、またその酸素が重合体バッ
クボーン構造の一部分を形成するにも拘らず温度安定な
炭化水素繊維を形成する。プロセスのある時点で重合体
又は繊維に所定量のホウ素を添加することによって、約
900℃以上の高動作温度において優れた機械的強さを
示す高密度の多結晶質炭化ケイ素繊維が形成される。高
温段階(すなわち、1600℃)の間にホウ素が繊維に
存在しないこと、その繊維はそれらの形状を失い極めて
低い強度となる。 本発明の前記目的および他の目的並
びに利点は、次の詳細な説明、添付図面および特許請求
の範囲から明らかになるであろう。
【0011】本発明の実施に使用される重合体の前驅物
質組成物は、フエニル基を含有し約1.0〜1.5の置
換度を有するポリオルガノシロキサン樹脂のクラスから
選択する。かかる重合体は、典型的に室温において固体
であって、容易に小直径の繊維に紡糸することができ、
重合体が熱分解中に繊維の形にとどまるように不溶融性
にでき、かつ熱分解したときに炭素とケイ素の比がほゞ
1:1であるセラミック組成物を生成する。
【0012】かかる樹脂は室温で固体であることが、溶
融紡糸法のような従来の繊維紡績法で容易に押し出せる
軟化点を有することが望ましい。かかる組成物の軟化温
度は約100℃以下である。これは重合体を約100〜
115℃の間の温度での紡糸を可能にさせる。また、ポ
リオルガノシロキサンは、繊維に紡績し次に紡糸装置を
吐出する際に迅速硬化によって固化することができると
ころの液体にすることもできる。
【0013】ポリオルガノシロキサンは、溶融紡糸法、
乾式紡糸法又は湿式紡糸法のような多数の従来の紡糸法
のいずれかによって繊維に成形される。紡績後、繊維は
約100μ、望ましくは約50以下〜10μの極小直径
に引き伸ばされる。これらの小直径は、複合材料用強化
マトリックスにさらに容易に織れるセラミック繊維を提
供する。
【0014】本発明の実施に有用なフエニル含有ポリオ
ルガノシロキサンは、約40〜70重量PhSiO 3/2 、約
30〜50重量%RSiO 3/2(Rはメチル又はプロピルを
含む脂肪族基である)、および0〜20重量%R″R′
Sio (R″はメチル、脂肪基又はフエニルそしてR′は
フエニルである)を含有することが望ましい。また、フ
エニルを含有するポリオルガノシロキサンはシラノール
(SiOH)基として約3〜6重量%OH基を含有して、約1
000〜1500の範囲内の分子量を有することが望ま
しい。重合体樹脂にシラノール基が存在することによっ
て樹脂の粘度が溶融紡糸中に改善されることがわかっ
た。繊維の成形に溶融紡糸法が望ましいが、従来の他の
紡糸法も利用できる。例えば、繊維は湿式紡糸法や乾式
紡糸法のような紡糸法によって成形できる。
【0015】重合体前驅物質又は繊維は少なくとも約
0.2重量%ホウ素、最適には少なくとも約0.6重量
%ホウ素を含有する。また、繊維に存在するホウ素は繊
維全体に実質的に均一に分布されることが望ましい。こ
のホウ素の混合は、繊維の成形前又は成形中又は不溶融
化工程又は熱分解の初加熱期間の少なくとも1つの間に
行うことができる。例えば、ホウ素は、前驅物質とホウ
素含有化合物とを反応させることによって、又はホウ素
含有化合物と前驅物質とを混合することによって直接重
合体先驅物質に混合する。矢島(Yajima) らの米国特許
第4,152,509号は、重縮合反応によってポリオ
ルガノシロキサン樹脂のバックボーンにホウ素を取り入
れることを教示している。他の既知反応方法もホウ素の
重合体前驅物質に取り入れるのに用いることができる。
【0016】また、ホウ素は不融化工程中に重合体前驅
物質をホウ素含有ガスにさらすことによって重合体前驅
物質に取り入れることができる。これは、約50〜20
0℃間の比較的低温で、かつ重合体前驅物質の軟化点以
下で行われる。例えば、重合体前驅物質をジボランを含
有するガスにさらすと、該ガスは重合体前驅物質繊維の
表面に拡散し繊維のコアに達して内部にホウ素を析出す
る。アルゴンのような他の不活性ガス中に約0.01〜
1.0体積%のジボラン濃度が、必要な濃度のホウ素を
繊維に取り入れながら重合体前驅物質を硬化(不融化)
させる雰囲気を提供することがわかった。硬化時間は、
ホウ素を繊維全体に均一に拡散させると共に少なくとも
0.2重量%の濃度水準を提供するために十分にすべき
である。さらに高温にすると、重合体の硬化は速くなる
が、硬化中に繊維の完全さを維持する必要がある。従っ
て、重合体の軟化点を不融化中に越えてはならない。し
かしながら、硬化の進行に伴い重合体前驅物質の軟化温
度は増すので、硬化温度は重合体の硬化温度は重合体の
硬化に伴い高くなることがわかった。
【0017】また、重合体前驅物質の繊維は、約25〜
200℃の範囲内の温度において三フッ化ホウ素、三臭
化ホウ素又は三塩化ホウ素のようなホウ素を含有するガ
ス、次にアンモニアのようなアミンに連続的にさらすこ
とによって不融化される。ホウ素含有ガスおよびアミン
ガスは共にアルゴンや窒素のような別の不活性ガスで希
釈される。硬化雰囲気におけるホウ素含有ガスの濃度は
約10〜30体積%の範囲内、そしてアミンは約1〜1
5体積%の範囲内で存在することが望ましい。また、繊
維はその軟化温度を越えないようにゆっくり加熱するこ
とが望ましい。しかしながら、硬化の進行に伴い重合体
の軟化温度が高くなるので、硬化温度は硬化の進行と共
に高くすることができる。硬化時間は、ホウ素を繊維の
中に拡散させると共に必要な濃度水準に均一に分散させ
るために十分にすべきである。4〜24時間の範囲内の
硬化時間が適当であることがわかった。もちろん、最適
硬化時間は処理される重合体のみならず、繊維の直径お
よび硬化雰囲気におけるホウ素の濃度に依存する。
【0018】さらに本発明の別の実施態様において、重
合体前驅物質の繊維は、最初に窒素酸化物を含有する雰
囲気にさらし次に三塩化ホウ素又はジボランを含有する
雰囲気にさらすことによって硬化される。アルゴンのよ
うな別の不活性ガスに約1〜10体積%の範囲内の窒素
酸化物が、続いて繊維を三塩化ホウ素又はジボランを含
有する雰囲気にさらした時に有用であることがわかっ
た。窒素酸化物硬化法の一般的な記載は米国特許第4,
847,027号にされている。
【0019】また、繊維をホウ素含有雰囲気にさらすの
は、繊維の軟化温度以下の温度で実施される。約25〜
200℃の範囲内の温度を採用できることがわかった。
約4〜24時間の全硬化時間を使用できる。
【0020】本発明のように別の実施態様において、ホ
ウ素は、繊維が熱分解が始まる温度に加熱されて重合体
組成物がセラミック組成物へ転化される時の間のような
熱分解プロセスの初期段階の間に重合体前驅物質に取り
入れられる。例えば、ホウ素の前驅物質重合体繊維中へ
の取入れはジボランのようなホウ素含有ガスを不融化繊
維中に拡散させることによって行うことができる。
【0021】重合体は400℃以上の温度を受けるとホ
ウ素の取り入れが著しく困難になるので、典型的に約4
00℃での熱分解が重要になってくる。従って、ホウ素
が不融化工程後に添加される場合には、繊維をホウ素含
有ガスで約400℃以下の温度において必要量のホウ素
含有ガスを繊維内に拡散させるのに十分な時間処理する
ことが望ましい。この実施例においては、不融化工程で
ホウ素を繊維に取り入れる必要がなく、重合体前驅物質
繊維を硬化するためにその不融化工程を用いることがで
きる。しかしながら、プロセスのいずれの工程又は全て
の工程においてホウ素を繊維内に取り入れることは本発
明の範囲内である。
【0022】従来の硬化法によって繊維を不融化させる
場合、多数の方法のいずれも利用することができる。例
えば、繊維は加熱中に空気中で硬化することができる。
また、繊維は、繊維をγ線や紫外線で硬化することによ
って不融化できる。繊維を塩酸のような酸や、アンモニ
アやアミンのような塩基を含有する雰囲気中で加熱する
ことによっても繊維を不融化できる。
【0023】不融化後、繊維は約1600℃以上の温
度、望ましくは約1800〜1850℃の温度に加熱す
ることによって熱分解する。約1400℃以上の温度に
おいて酸素も窒素も繊維から除去されることがわかっ
た。しかしながら、最高の高密度化、モジュラスの改
良、および繊維を後で高温にさらしたときの安定性は、
繊維を約1600℃以上の温度で熱分解させるときに得
られる。
【0024】前記のように、繊維をホウ素含有ガスを含
む雰囲気にさらすことによって熱分解の初期段階中にホ
ウ素を繊維中に取り入れることができる。例えば、ジボ
ランや他の水素化ホウ素、例えばテトラボラン、ペンタ
ボラン、等を含有する雰囲気に繊維をさらす。ボラジン
やトリクロロボラジンのような他のホウ素含有化合物
も、雰囲気の温度がこれらの化合物が蒸発してガス状で
存在する場合には使用することができる。
【0025】前述のように、雰囲気中のホウ素含有化合
物の濃度は低くできる。例えば、ジボランを使用する場
合の実施可能濃度はその雰囲気の約0.01〜1.0体
積%の範囲内である。その雰囲気の残部を構成さすため
に、アルゴンやヘリウムのような不活性ガスが使用され
る。かなりの量のホウ素が析出して繊維内に拡散する温
度は約50〜500℃である。ホウ素を含有するガス状
雰囲気にさらす時間は、繊維の直径、雰囲気中のホウ素
含有ガスの濃度および用いる温度に基づいて変わる。典
型的な暴露時間は約1〜24時間の範囲内である。
【0026】約1400℃以上の熱分解温度における窒
素含有雰囲気は、窒素がこれらの温度条件下で繊維に対
して不活性でないので望ましくない。高温で真に不活性
なガス雰囲気としてはアルゴンおよび/またはヘリウム
が望ましい。約2000℃以上の熱分解温度は、炭化ケ
イ素の有害な結晶粒度の成長があってそれが繊維の強度
に悪影響を与えるので好ましくない。
【0027】繊維を特定の最高温度に保持する時間は温
度に逆比例して変わる。ホウ素をプロセスの熱分解段階
中に添加する場合の熱分解処理の所要時間は、繊維の酸
素および/または窒素含量を約0.2重量%以下に下げ
てホウ素を繊維全体に均一に拡散させるために十分にす
べきである。例えば、繊維を約1800℃に加熱する場
合、その温度を約1時間保つ必要があることがわがつた
熱分解温度が低くなれば、それに対応して処理時間を長
くする必要がある。
【0028】本発明の方法で得られるセラミック繊維は
少なくとも75%の結晶化度と少なくとも約2.9g/cc
の密度(この値は理論密度の約90〜95%を表わす)
を有する。図1の顕微鏡写真はホウ素を添加し1850
℃で1時間熱分解した後におけるフエニル含有ポリオル
ガノシロキサン繊維の外観を示す。繊維全体に均一に分
散されたホウ素の存在は、比較的滑めらかな表面組織と
比較的細かい結晶粒度を有する高密度繊維を生成する。
【0029】本発明の方法の実施によって製造された炭
化ケイ素繊維は、約0.5μ以下(約500nm以
下)、典型的には約200nmの範囲の結晶粒度を有す
る極微細な結晶組織を有する。繊維に最初に存在又は導
入された酸素および/または窒素のほゞ全てが高温熱分
解工程によって除去される。約1%以下好ましくは約
0.5重量%以下の酸素および/または窒素が残る。
【0030】比較のため、高温熱処理を含む同様の処理
を行ったがホウ素を添加しなかった繊維は図2の顕微鏡
写真によって示したように多孔質で機械的に弱くそして
結晶粒が粗くなる。この多孔度および機械的強度の低下
は、熱分解および同時の結晶化中にCO,SiOおよびN
(Nが存在する場合)を含有するガスが失われる際に
生じると考えられる。
【0031】本発明をさらに容易に理解するために、次
の実施例を示す、それらの実施例は本発明の説明を意図
したものであって、発明の範囲を限定するものではな
い。
【0032】
【実施例1】約28%メチルSiO 3/2 基、48%フエニ
ルSiO 3/2 基、18%ジフエニルSiO 基および6%フ
エニルメチルSiO 基(示した%は全て重量である)を含
有するフエニル含有ポリオルガノシロキサン樹脂を選ん
で紡糸して繊維にした。その樹脂は室温で固体であり、
約50〜55℃のTgを有し、約1200の分子量を有
した。その樹脂は約95重量%のシロキサン基と約5重
量%のシラノール基からなった。
【0033】その樹脂は、0.025cm(0.010i
n)のオリフイス直径を有する研究室用モノフイラメン
ト紡糸装置において105〜115℃に加熱し、0.0
2〜0.036g/分の押出速度で6パスで押し出され
た。リールへの繊維の巻取り速度は145〜200m/
分出会った、そして約12〜18μの直径を有する繊維
が得られた。それらの繊維は紡糸中アルゴンに三塩化ホ
ウ素を含有する雰囲気にさらした。次に繊維を窒素雰囲
気中のアンモニアにさらしながら、繊維を約150℃の
温度に除去して加熱した。
【0034】
【実施例2】約76重量%フエニルSiO 3/2 基および2
4重量%n−プロビルSiO 3/2 基を含有するフエニル含
有ポリオルガノシロキサン樹脂を選んで繊維に紡糸し
た。その樹脂は室温で固体であり、約50/55℃のT
gを有し約1200の分子量を有した。その樹脂は約9
5重量%のシロキサン基と約5重量%のシラノール基か
らなった。その樹脂を実施例1と同一の研究室用モノフ
イラメント紡糸装置を使用して、約100℃の紡糸温
度、0.036g/分の押出速度および145m/分の
リール巻取速度で繊維に紡糸した。
【0035】
【実施例3】実施例1と2のフエニルを含有するポリオ
ルガノシロキサン樹脂を50/50 重量混合体に混和し11
0℃で繊維に紡糸した。その樹脂混合体を0.020g
/分の押出速度で押出してそれらの繊維を145m/分
の速度でリールに巻取ることによって13〜14μの直
径を有する繊維を得た。それらの繊維は紡糸中にアルゴ
ン雰囲気中の三塩化ホウ素にさらした。次にそれらの繊
維は150℃に除熱している窒素雰囲気中のアンモニア
にさらし、続いて800℃で熱分解させた。
【0036】
【実施例4】実施例1のフエニル含有ポリオルガノシロ
キサンの紡糸、そして紡糸し乍らアルゴン雰囲気中の三
塩化ホウ素にさらして得た繊維をさらに0.2体積%ジ
ボランを含有するアルゴン雰囲気にさらすことによって
ホウ素で硬化させた。それらの繊維は室温で30分、続
いて1℃/分の加熱速度で200℃に加熱し、そして4
5℃および55℃に30分間保持した。
【0037】次にジボランの暴露を休止して、3℃/分
の速度で1200℃に加熱して繊維を熱分解した。この
操作は、なお繊維状であった材料のセラミック歩留り7
1%を与えた。次にこれら繊維の一部を黒鉛抵抗炉内の
アルゴン雰囲気下で1850℃に加熱しその温度に1時
間保持した。その熱分解処理中に繊維はその重量の6
0.2%と全ての酸素0.12%を失った。この酸素の
値は、無ホウ素処理のシロキサン誘導セラミック繊維に
おける典型的な酸素含量25〜30%と比較される。
【0038】そのセラミック材料は繊維状のままであっ
て、少なくとも無ホウ素処理のセラミック繊維と区別で
きる。浮沈法で測定した密度は2,93〜3.03g/cm
であった。走査電顕写真をとりそれを図1に示す。写
真からわかるように、繊維は若干粒状のコア部を除いて
不変である。このコア部は低炭素含量のために粒状にな
ると考えられる。繊維の外側部における粒度は検出でき
なかった(0.1μの粒径)。さらに分析した結果、繊
維は90%以上が結晶質β炭化ケイ素であって結晶の大
きさは400オングストロームであった。
【0039】比較のため、同一のポリオルガノシロキサ
ン樹脂を紡糸して繊維にした。それらの繊維は紡糸中に
塩化水素にさらして硬化し、続いて紡糸後、バッチ後硬
化においてアンモニアにさらした。次にそれらの繊維は
アルゴン中で3℃/分の速度で1200℃の温度に加熱
することによって熱分解された。それらの繊維は次にア
ルゴン中で1800℃に再加熱し、その温度に1時間保
持した。
【0040】これらの繊維にはプロセスの全ての段階に
おいてホウ素を添加しなかった。走査電子顕微鏡で写真
をとった、それを図2に示す。写真からわかるように、
繊維コアは粒状で多孔質である。それらのコアは薄い比
較的非多孔質の外殼に囲まれている。しかしながら、繊
維のこの部分でも大きな粒度を有する。最終の繊維の強
度は殆んど無く、触ると粉々になった。以上の如く、炭
化ケイ素繊維合成法はホウ素が存在しないと有用な繊維
製品を生成できないことがわかる。
【0041】以上、2、3の代表的な実施例およびその
詳細を本発明の説明のために示したが、ここに開示した
方法には種々の変化が特許請求の範囲に規定した発明の
範囲を逸脱することなくありうることは当業者には明白
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ホウ素を含有する本発明の方法によって製造し
たポリオルガノシロキサンから得た繊維をアルゴン雰囲
気中の1850℃で1時間熱分解させた後の結晶構造及
び繊維の形状を示す走査電顕写真(倍率は15,000
倍)である。
【図2】繊維にホウ素を添加しなかったことを除いて、
図1の繊維と同一の方法で製造した繊維から得たポリオ
ルガノシロキサンの結晶の構造及び繊維の形状を示す走
査電顕写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エリック・ジュ−ド・ジョフリ− アメリカ合衆国ミシガン州ミッドランド、 ノ−ス・ストリ−ト707 1/2 (72)発明者 ゲイリ−・エドワ−ド・レグロウ アメリカ合衆国ミシガン州ミッドランド、 ウイルウッド・ストリ−ト 1213 (72)発明者 ジョナサン・リポウイッツ アメリカ合衆国ミシガン州ミッドランド、 ディロウエイ1215 (72)発明者 ジェイムス・アラン・レイブ アメリカ合衆国ミシガン州ミッドランド、 グレンデイル1211

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) フエニルを含有するポリオルガノシ
    ロキサン樹脂からなるプレセラミック重合体前驅物質か
    ら繊維を成形する工程; (b) 前記繊維を不融化させる工程;および (c) 非酸化性雰囲気中で1600℃以上の温度において
    前記繊維を熱分解させる工程からなり;前記重合体前驅
    物質又は繊維が、工程(a)の前、又は工程(a)、
    (b)および(c)の少なくとも1つの間に、少なくと
    も0.2重量%のホウ素を含有又は混合していることを
    特徴とする多結晶質炭化ケイ素繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記多結晶質炭化ケイ素繊維が少なくと
    も75%の結晶化度を有する請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 前記多結晶質炭化ケイ素繊維が少なくと
    も2.9g/cm3 の密度を有する請求項1の方法。
  4. 【請求項4】 (a) フエニルを含有するポリオルガノシ
    ロキサン樹脂からなるプレセラミック重合体前驅物質か
    ら繊維を成形する工程; (b) 前記繊維を不融化させる工程;および (c) 非酸化性雰囲気中で1600℃以上の温度におい
    て前記繊維を熱分解させる工程からなり;前記重合体前
    驅物質又は繊維が、工程(a)の前、又は工程(a)、
    (b)および(c)の少なくとも1つの間に、少なくと
    も0.2重量%のホウ素を含有又は混合していることを
    特徴とする多結晶質炭化ケイ素繊維の製造方法によって
    製造された生成物。
JP2401444A 1989-12-12 1990-12-12 ポリオルガノシロキサンから多結晶質炭化ケイ素繊維の製造方法 Pending JPH06101117A (ja)

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