JPH06100967A - 耐溶融金属浸食性と高温強度に優れた溶接電極および半田ごてチップ用Cu−Fe合金およびその製造方法 - Google Patents
耐溶融金属浸食性と高温強度に優れた溶接電極および半田ごてチップ用Cu−Fe合金およびその製造方法Info
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- JPH06100967A JPH06100967A JP25305292A JP25305292A JPH06100967A JP H06100967 A JPH06100967 A JP H06100967A JP 25305292 A JP25305292 A JP 25305292A JP 25305292 A JP25305292 A JP 25305292A JP H06100967 A JPH06100967 A JP H06100967A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高い導電性を有し、特に耐溶融金属浸食性に
優れた溶接電極および半田ごてチップ用Cu−Fe合金
を提供することを目的とする。 【構成】 Fe:5〜30重量%、Al:0.3〜11
重量%、Mn:0.05〜3.0重量%、Ti:0.0
05〜3.5重量%、Cr:0.5〜10重量%、M
o:0.001〜1.5重量%を含有し、残部が不可避
的不純物およびCuよりなる合金および該合金を溶解、
造塊後、700〜1000℃の温度範囲で熱間圧延し、
700〜1000℃の温度範囲で溶体化処理して急冷
し、しかる後300〜650℃で100〜1000分の
時効処理を行う。
優れた溶接電極および半田ごてチップ用Cu−Fe合金
を提供することを目的とする。 【構成】 Fe:5〜30重量%、Al:0.3〜11
重量%、Mn:0.05〜3.0重量%、Ti:0.0
05〜3.5重量%、Cr:0.5〜10重量%、M
o:0.001〜1.5重量%を含有し、残部が不可避
的不純物およびCuよりなる合金および該合金を溶解、
造塊後、700〜1000℃の温度範囲で熱間圧延し、
700〜1000℃の温度範囲で溶体化処理して急冷
し、しかる後300〜650℃で100〜1000分の
時効処理を行う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高い導電性(熱伝導
性)を有して、特に耐溶融金属浸食性(材料表面に溶融
金属と接触した時に固相と液相界面での固相側への溶融
金属の拡散が生じて、固相側の材料表面を劣化させる現
象への抵抗性)ならびに高温強度に優れた溶接電極およ
び半田ごてチップ用Cu−Fe合金に関する。
性)を有して、特に耐溶融金属浸食性(材料表面に溶融
金属と接触した時に固相と液相界面での固相側への溶融
金属の拡散が生じて、固相側の材料表面を劣化させる現
象への抵抗性)ならびに高温強度に優れた溶接電極およ
び半田ごてチップ用Cu−Fe合金に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に抵抗溶接電極や半田ごてチ
ップおよびコンタクトチップなどの部材には、電気およ
び熱伝導性が良好で高温強度、耐溶融金属浸食性に優れ
かつ耐変形性(高温強度)ならびに未溶着性を具備し、
さらに安価であることが必要とされている。このことか
ら特公昭60−39140号公報および特公昭62−1
9263号公報に記載の発明はクロム銅(1.5重量%
以下のCrを含むCu合金)の強度と耐溶融金属浸食性
の改良を行ったもので、また特開昭58−186103
号公報の発明はZr,Fe(0.12〜1.2重量%)
の複合添加により前記特性をさらに改善するために開発
されたものであるが、亜鉛メッキ鋼板や錫メッキ鋼板に
おける抵抗溶接時のチップ先端での材質劣化および半田
ごてチップの半田浸食による先端部損耗ならびに高温強
度が低いことによる変形の問題について、いまだ十分改
善されておらず、また使用寿命の大幅な改善がなされて
いない。
ップおよびコンタクトチップなどの部材には、電気およ
び熱伝導性が良好で高温強度、耐溶融金属浸食性に優れ
かつ耐変形性(高温強度)ならびに未溶着性を具備し、
さらに安価であることが必要とされている。このことか
ら特公昭60−39140号公報および特公昭62−1
9263号公報に記載の発明はクロム銅(1.5重量%
以下のCrを含むCu合金)の強度と耐溶融金属浸食性
の改良を行ったもので、また特開昭58−186103
号公報の発明はZr,Fe(0.12〜1.2重量%)
の複合添加により前記特性をさらに改善するために開発
されたものであるが、亜鉛メッキ鋼板や錫メッキ鋼板に
おける抵抗溶接時のチップ先端での材質劣化および半田
ごてチップの半田浸食による先端部損耗ならびに高温強
度が低いことによる変形の問題について、いまだ十分改
善されておらず、また使用寿命の大幅な改善がなされて
いない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこれら溶接電
極および半田ごてチップ用材料として、優れた特性を具
備し、長寿命化を可能にする合金を提供することを目的
とする。
極および半田ごてチップ用材料として、優れた特性を具
備し、長寿命化を可能にする合金を提供することを目的
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは前
述の課題に対して、高い導電性(熱伝導性)を維持して
耐溶融金属浸食性と高温強度を同時に大幅に改善するた
めのCu基合金の最適成分の検討を行い、Cu−X−Y
系成分のYにZn、SnおよびSn−Pbを置いた時に
熱力学における相互作用パラメーターの関係で反発する
元素で、さらに高温強度に大きく寄与する工業的に成立
する添加合金元素を見出し、この知見に基づき本発明を
完成した。すなわち本発明の要旨はFe:5〜30重量
%、Al:0.3〜11重量%、Mn:0.05〜3.
0重量%、Ti:0.005〜3.5重量%、Cr:
0.5〜10重量%、Mo:0.001〜1.5重量%
を含有し、残部が不可避的不純物およびCuよりなる合
金および該合金を溶解、造塊後、700〜1000℃の
温度範囲で熱間圧延し、700〜1000℃の温度範囲
で溶体化処理を施した後急冷し、しかる後300〜65
0℃の温度で100〜1000分の時効処理を行うこと
にある。
述の課題に対して、高い導電性(熱伝導性)を維持して
耐溶融金属浸食性と高温強度を同時に大幅に改善するた
めのCu基合金の最適成分の検討を行い、Cu−X−Y
系成分のYにZn、SnおよびSn−Pbを置いた時に
熱力学における相互作用パラメーターの関係で反発する
元素で、さらに高温強度に大きく寄与する工業的に成立
する添加合金元素を見出し、この知見に基づき本発明を
完成した。すなわち本発明の要旨はFe:5〜30重量
%、Al:0.3〜11重量%、Mn:0.05〜3.
0重量%、Ti:0.005〜3.5重量%、Cr:
0.5〜10重量%、Mo:0.001〜1.5重量%
を含有し、残部が不可避的不純物およびCuよりなる合
金および該合金を溶解、造塊後、700〜1000℃の
温度範囲で熱間圧延し、700〜1000℃の温度範囲
で溶体化処理を施した後急冷し、しかる後300〜65
0℃の温度で100〜1000分の時効処理を行うこと
にある。
【0005】
【作用】以下本発明の構成要件の限定理由を説明する。
本発明で高導電性を得るためにはCuの含有量が高い程
好ましいが、本発明の主要特性の耐溶融金属浸食性およ
び高温強度を大幅に改善するためには、図1に示すよう
にFeの含有量が5重量%未満では前記効果が得られな
いのでこれを下限とする。また上限を30重量%とする
のはFeを30重量%超とすると、本開発材料に必要な
導電性(65%IACS以上)が得られないためであ
り、従ってFeを5〜30重量%とする。
本発明で高導電性を得るためにはCuの含有量が高い程
好ましいが、本発明の主要特性の耐溶融金属浸食性およ
び高温強度を大幅に改善するためには、図1に示すよう
にFeの含有量が5重量%未満では前記効果が得られな
いのでこれを下限とする。また上限を30重量%とする
のはFeを30重量%超とすると、本開発材料に必要な
導電性(65%IACS以上)が得られないためであ
り、従ってFeを5〜30重量%とする。
【0006】なお、図中の溶融Zn中重量減少量はCu
とFeの添加量を変化させて溶解鋳造後30mm板厚に熱
間圧延した素材をコイルグラインダーで表面研削し、次
いで500℃の溶融Znに1時間浸漬した後の重量減少
量を表示したものである。つぎにAlを0.3〜11.
0重量%に規定するのは0.3%未満では熱間加工性へ
の効果が少なく、11.0重量%超では熱間加工性への
効果が飽和する上に、コストが大きくなるからである。
またMnはAlとの複合効果で熱間加工性を向上させる
が、0.05重量%未満では効果が少なく、3重量%超
では効果が飽和するため、0.05〜3重量%の範囲に
規定する。Tiを0.005〜3.5重量%に規定する
のは0.005%未満では導電性への効果が少なく、
3.5重量%超では導電性への効果が飽和する上に造
塊、冷間加工性などの製造性を阻害するからである。
とFeの添加量を変化させて溶解鋳造後30mm板厚に熱
間圧延した素材をコイルグラインダーで表面研削し、次
いで500℃の溶融Znに1時間浸漬した後の重量減少
量を表示したものである。つぎにAlを0.3〜11.
0重量%に規定するのは0.3%未満では熱間加工性へ
の効果が少なく、11.0重量%超では熱間加工性への
効果が飽和する上に、コストが大きくなるからである。
またMnはAlとの複合効果で熱間加工性を向上させる
が、0.05重量%未満では効果が少なく、3重量%超
では効果が飽和するため、0.05〜3重量%の範囲に
規定する。Tiを0.005〜3.5重量%に規定する
のは0.005%未満では導電性への効果が少なく、
3.5重量%超では導電性への効果が飽和する上に造
塊、冷間加工性などの製造性を阻害するからである。
【0007】またMoを0.001〜1.5重量%に規
定するのは耐溶融金属浸食性をCrとの複合効果で向上
させるためであり、Moの含有量が0.001重量%未
満では耐溶融金属浸食性への効果が少なく、1.5重量
%超では、耐溶融金属浸食性への効果が飽和する上にコ
ストが大きくなる。さらにCrをFe相中で5.5〜1
3.5重量%に規定するのは、耐溶融金属浸食性を前記
Moとの複合効果で向上させるためであり、5.5重量
%未満ではその効果が不十分で13.5重量%を超えて
も耐溶融金属浸食性への効果が飽和する上に、組織の均
一性などを劣化させるのでこの範囲に限定する。
定するのは耐溶融金属浸食性をCrとの複合効果で向上
させるためであり、Moの含有量が0.001重量%未
満では耐溶融金属浸食性への効果が少なく、1.5重量
%超では、耐溶融金属浸食性への効果が飽和する上にコ
ストが大きくなる。さらにCrをFe相中で5.5〜1
3.5重量%に規定するのは、耐溶融金属浸食性を前記
Moとの複合効果で向上させるためであり、5.5重量
%未満ではその効果が不十分で13.5重量%を超えて
も耐溶融金属浸食性への効果が飽和する上に、組織の均
一性などを劣化させるのでこの範囲に限定する。
【0008】さらにZr,Si,Ni,Zn,Sn,N
b,P,La,Ce,Y,V,Ca,Be,Mgまたは
Hfの1種または2種以上を0.005〜8重量%、C
またはBの1種または2種を0.0005〜2重量%の
範囲で添加することは鋳造組織制御や高温強度の向上な
どの改善に好ましい。特にFe中のCr含有量が6重量
%、Mo含有量が0.01重量%を超える成分では均一
組織の制御のためにSi,Ti,Zr,La,Ce,
Y,Hf,C,Bなどを0.0005重量%以上上記範
囲内で添加することは本開発技術のCrおよびMoを含
むFe相とCu相が均一に微細に分散された鋳造組織を
得る上で重要である。本発明の成分系に限定することに
より、熱間加工性が向上し、工業的に容易に熱間圧延を
適用できるようにした。
b,P,La,Ce,Y,V,Ca,Be,Mgまたは
Hfの1種または2種以上を0.005〜8重量%、C
またはBの1種または2種を0.0005〜2重量%の
範囲で添加することは鋳造組織制御や高温強度の向上な
どの改善に好ましい。特にFe中のCr含有量が6重量
%、Mo含有量が0.01重量%を超える成分では均一
組織の制御のためにSi,Ti,Zr,La,Ce,
Y,Hf,C,Bなどを0.0005重量%以上上記範
囲内で添加することは本開発技術のCrおよびMoを含
むFe相とCu相が均一に微細に分散された鋳造組織を
得る上で重要である。本発明の成分系に限定することに
より、熱間加工性が向上し、工業的に容易に熱間圧延を
適用できるようにした。
【0009】次に、本発明の溶接電極および半田ごてチ
ップ用材料としての製造方法について説明する。前述の
化学成分を有するインゴットまたはスラブを700〜1
000℃の温度範囲で熱間圧延後、700〜1000℃
の温度範囲で10〜180分間の溶体化処理を施した後
に0.5〜5000℃/分の冷却速度で急冷し、必要に
より表面研削し、しかる後300〜650℃の温度範囲
で100〜1000分間の時効処理を施す。
ップ用材料としての製造方法について説明する。前述の
化学成分を有するインゴットまたはスラブを700〜1
000℃の温度範囲で熱間圧延後、700〜1000℃
の温度範囲で10〜180分間の溶体化処理を施した後
に0.5〜5000℃/分の冷却速度で急冷し、必要に
より表面研削し、しかる後300〜650℃の温度範囲
で100〜1000分間の時効処理を施す。
【0010】溶体化処理は、添加成分を微細に析出させ
ることを目的として、時効処理前の上記成分の溶解量を
増加するために行われる。前記微細析出は時効処理によ
って行われる。従って、この両処理の組合せは優れた強
度と高導電性を得る上で重要である。また急冷には冷却
媒体として水または不活性ガスなどが用いられる。
ることを目的として、時効処理前の上記成分の溶解量を
増加するために行われる。前記微細析出は時効処理によ
って行われる。従って、この両処理の組合せは優れた強
度と高導電性を得る上で重要である。また急冷には冷却
媒体として水または不活性ガスなどが用いられる。
【0011】
実施例1.表1,2に本発明の成分範囲の合金A〜Cと
J〜FFおよび比較の成分範囲のD〜Mの化学組成を示
す。
J〜FFおよび比較の成分範囲のD〜Mの化学組成を示
す。
【0012】
【表1】
【表2】
【0013】高周波誘導加熱装置で溶解真空雰囲気中で
表1,2のA〜FFに示される化学組成を有する合金を
溶解鋳造した後、950℃で熱間圧延を行い板厚17mm
の鋼板を得た後、1000℃で20分の溶体化処理した
後水冷し、コイルグラインダーにより表面研削を行って
15mmの銅板に加工し、その後550℃で6時間の時効
処理を行った材料について、それぞれ、常温と高温(5
00℃)引張試験、クリープラプチャー試験、電気伝導
度測定試験、溶融Znと溶融Sn浸漬試験を行った結果
を表3,4に示した。また熱伝導性については電気伝導
度と等価の関係より電気伝導度をもって評価した。
表1,2のA〜FFに示される化学組成を有する合金を
溶解鋳造した後、950℃で熱間圧延を行い板厚17mm
の鋼板を得た後、1000℃で20分の溶体化処理した
後水冷し、コイルグラインダーにより表面研削を行って
15mmの銅板に加工し、その後550℃で6時間の時効
処理を行った材料について、それぞれ、常温と高温(5
00℃)引張試験、クリープラプチャー試験、電気伝導
度測定試験、溶融Znと溶融Sn浸漬試験を行った結果
を表3,4に示した。また熱伝導性については電気伝導
度と等価の関係より電気伝導度をもって評価した。
【0014】なお引張試験はJIS13号B試験片をク
リープラプチャー試験で行った。すなわちこの試験片を
300℃の温度で荷重を変えてその破断寿命を測定し、
その結果から1000時間の破断寿命となる荷重をクリ
ープラプチャー強度として求めた。また電気伝導度測定
は4端子法で行い、さらに溶融Znと溶融Sn浸漬試験
では、500℃の溶融Znおよび400℃の溶融Snの
各浴中に、機械加工により得た直径10mm長さ25mmの
試験片を1時間浸漬した後各浴から取り出してその表面
に付着したSnまたはZnを50%塩酸で除去し、かゝ
る状態で質量減少量を測定して耐溶融金属浸食性を評価
した。
リープラプチャー試験で行った。すなわちこの試験片を
300℃の温度で荷重を変えてその破断寿命を測定し、
その結果から1000時間の破断寿命となる荷重をクリ
ープラプチャー強度として求めた。また電気伝導度測定
は4端子法で行い、さらに溶融Znと溶融Sn浸漬試験
では、500℃の溶融Znおよび400℃の溶融Snの
各浴中に、機械加工により得た直径10mm長さ25mmの
試験片を1時間浸漬した後各浴から取り出してその表面
に付着したSnまたはZnを50%塩酸で除去し、かゝ
る状態で質量減少量を測定して耐溶融金属浸食性を評価
した。
【0015】表中には比較例として、さらに板厚15mm
のCr銅(0.8重量%Cr添加銅合金)板とCu−
0.09重量%Zr−0.58重量%Fe−0.18重
量%P合金板とCu−6.01重量%Cr−0.17重
量%Zr−0.23重量%P合金板を用いた。
のCr銅(0.8重量%Cr添加銅合金)板とCu−
0.09重量%Zr−0.58重量%Fe−0.18重
量%P合金板とCu−6.01重量%Cr−0.17重
量%Zr−0.23重量%P合金板を用いた。
【0016】
【表3】
【表4】
【0017】表3,4から明らかなように、本発明のC
u−Fe合金はいずれも65%以上の高導電性を有し、
比較合金に比べて高温強度特性、クリープラプチャー強
度ならびに耐溶融金属浸食性が優れていた。また試料番
号9は冷間加工性が不良であり、試料番号13は鋳造組
織が不均一のため製品の品質が不均一であった。また試
料番号5,6,7および8は導電性が低く、試料番号1
1はMoの含有量が多いため製造コストが高かった。な
お、表1のF,Hは熱間加工割れのため特性測定不可能
であった。
u−Fe合金はいずれも65%以上の高導電性を有し、
比較合金に比べて高温強度特性、クリープラプチャー強
度ならびに耐溶融金属浸食性が優れていた。また試料番
号9は冷間加工性が不良であり、試料番号13は鋳造組
織が不均一のため製品の品質が不均一であった。また試
料番号5,6,7および8は導電性が低く、試料番号1
1はMoの含有量が多いため製造コストが高かった。な
お、表1のF,Hは熱間加工割れのため特性測定不可能
であった。
【0018】実施例2.表1の本発明Cu−Fe合金
A,B,C,P,U,FFと比較例のCr銅合金および
Cu−2重量%Al2 O3 合金を実施例1と同様の工程
で15mmの銅板に加工した後、該銅板からスポット溶接
用電極を作成し、電極寿命を調べるために連続スポット
溶接試験を行い、その結果を表5に示した。被溶接材料
は板厚0.8mmの溶融亜鉛メッキ鋼板(両面メッキ、目
付け量45g/m2 −片面)を用い、スポット溶接は定
格容量25KVAの溶接機を用いて、溶接電流1000
0A、加圧力250kg、溶接時間10サイクル、20打
点/分で行った。電極寿命の評価は100打点ごとにナ
ゲット径が4t(t:板厚)以下に達した時の打点数を
もって評価した。
A,B,C,P,U,FFと比較例のCr銅合金および
Cu−2重量%Al2 O3 合金を実施例1と同様の工程
で15mmの銅板に加工した後、該銅板からスポット溶接
用電極を作成し、電極寿命を調べるために連続スポット
溶接試験を行い、その結果を表5に示した。被溶接材料
は板厚0.8mmの溶融亜鉛メッキ鋼板(両面メッキ、目
付け量45g/m2 −片面)を用い、スポット溶接は定
格容量25KVAの溶接機を用いて、溶接電流1000
0A、加圧力250kg、溶接時間10サイクル、20打
点/分で行った。電極寿命の評価は100打点ごとにナ
ゲット径が4t(t:板厚)以下に達した時の打点数を
もって評価した。
【0019】
【表5】
【0020】さらに、本発明のCu−Fe合金A,B,
C,P,U,FFと通常のCu合金から、直径10mmの
先端部が先鋭の円錐状の半田ごてチップを製作し、チッ
プ表面の処理を行わずチップ先端温度450℃で加圧力
600gにより1サイクル5秒で半田づけを行い、チッ
プの寿命試験を行った。その結果を表6に示した。また
チップの寿命試験の判定は先端部が変形が著しく、半田
づけができなくなったときの回数を用いた。
C,P,U,FFと通常のCu合金から、直径10mmの
先端部が先鋭の円錐状の半田ごてチップを製作し、チッ
プ表面の処理を行わずチップ先端温度450℃で加圧力
600gにより1サイクル5秒で半田づけを行い、チッ
プの寿命試験を行った。その結果を表6に示した。また
チップの寿命試験の判定は先端部が変形が著しく、半田
づけができなくなったときの回数を用いた。
【0021】
【表6】
【0022】
【発明の効果】以上の結果より本発明のCu−Fe合金
は極めて優れた高温強度と耐溶融金属浸食性を有して、
電気伝導性(熱伝導性)に優れることより、溶接電極な
らびに半田ごてチップ材料に用いた場合に、従来材に比
べて長寿命であることより工業的なコストダウンに極め
て有益な効果をもたらす。
は極めて優れた高温強度と耐溶融金属浸食性を有して、
電気伝導性(熱伝導性)に優れることより、溶接電極な
らびに半田ごてチップ材料に用いた場合に、従来材に比
べて長寿命であることより工業的なコストダウンに極め
て有益な効果をもたらす。
【図1】Fe含有量と耐溶融金属浸食抵抗と電導性との
関係を示す図である。
関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大野 恭秀 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新日 本製鐵株式会社先端技術研究所内
Claims (4)
- 【請求項1】 Fe:5〜30重量%、Al:0.3〜
11重量%、Mn:0.05〜3.0重量%、Ti:
0.005〜3.5重量%、Cr:0.5〜10重量
%、Mo:0.001〜1.5重量%を含有し、残部が
不可避的不純物およびCuよりなることを特徴とする耐
溶融金属浸食性および高温強度に優れた溶接電極および
半田ごてチップ用Cu−Fe合金。 - 【請求項2】 Fe含有量に対するCr含有量の重量比
が5.5〜13.5%である請求項1記載の溶接電極お
よび半田ごてチップ用Cu−Fe合金。 - 【請求項3】 合金成分として、さらにZr,Si,N
i,Zn,Sn,Nb,P,La,Ce,Y,V,C
a,Be,MgまたはHfの1種または2種以上を合計
で0.005〜8重量%、CまたはBの1種または2種
を合計で0.0005〜2重量%含有する請求項1また
は2記載の溶接電極および半田ごてチップ用Cu−Fe
合金。 - 【請求項4】 有効量の請求項1,2または3記載の合
金を溶解、造塊後、700〜1000℃の温度範囲で熱
間圧延し、700〜1000℃の温度範囲で溶体化処理
を施した後、急冷し、しかる後300〜650℃の温度
で100〜1000分の時効処理を施すことを特徴とす
る耐溶融金属浸食性および高温強度に優れた溶接電極お
よび半田ごてチップ用Cu−Fe合金の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25305292A JPH06100967A (ja) | 1992-09-22 | 1992-09-22 | 耐溶融金属浸食性と高温強度に優れた溶接電極および半田ごてチップ用Cu−Fe合金およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25305292A JPH06100967A (ja) | 1992-09-22 | 1992-09-22 | 耐溶融金属浸食性と高温強度に優れた溶接電極および半田ごてチップ用Cu−Fe合金およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06100967A true JPH06100967A (ja) | 1994-04-12 |
Family
ID=17245817
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25305292A Withdrawn JPH06100967A (ja) | 1992-09-22 | 1992-09-22 | 耐溶融金属浸食性と高温強度に優れた溶接電極および半田ごてチップ用Cu−Fe合金およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06100967A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104152739A (zh) * | 2014-08-07 | 2014-11-19 | 深圳市格润电子有限公司 | 用于生产烙铁头的铜铁合金及其生产工艺 |
CN114293061A (zh) * | 2021-12-03 | 2022-04-08 | 中南大学 | 一种Cu-Fe-X系合金及其制备方法和应用 |
-
1992
- 1992-09-22 JP JP25305292A patent/JPH06100967A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104152739A (zh) * | 2014-08-07 | 2014-11-19 | 深圳市格润电子有限公司 | 用于生产烙铁头的铜铁合金及其生产工艺 |
CN114293061A (zh) * | 2021-12-03 | 2022-04-08 | 中南大学 | 一种Cu-Fe-X系合金及其制备方法和应用 |
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