JP2004353011A - 電極材料及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶接用銅合金材料の機械的特性、耐熱性、高温降伏応力を高め、かつ電極材料としての連続打点性(電極寿命)を向上させること。
【解決手段】一般式:Cubal.Xa(但し、XはCr、Zr、Fe、P、Agから選ばれる少なくとも1種の元素であり、aは質量%で1.5%以下であり、残部が不可避的不純物を含むCuである)で示される合金素材を、温度300〜600℃、押出比4以上で押出しを行うことにより、平均粒径が3μm以下の亜結晶粒から構成される短軸長さが10μm以下の繊維状結晶粒からなる組織中に平均粒子径50nm以下の微細粒子が析出してなる組織構造を有する合金を得る。また、前記押出の前後において合金素材を温度350〜700℃で熱処理することがより好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】一般式:Cubal.Xa(但し、XはCr、Zr、Fe、P、Agから選ばれる少なくとも1種の元素であり、aは質量%で1.5%以下であり、残部が不可避的不純物を含むCuである)で示される合金素材を、温度300〜600℃、押出比4以上で押出しを行うことにより、平均粒径が3μm以下の亜結晶粒から構成される短軸長さが10μm以下の繊維状結晶粒からなる組織中に平均粒子径50nm以下の微細粒子が析出してなる組織構造を有する合金を得る。また、前記押出の前後において合金素材を温度350〜700℃で熱処理することがより好ましい。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム、マグネシウム、鉄及びこれらの合金、さらにはその金属めっき材等からなる被溶接材料を溶接する際に用いる電極材料及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電極材料としてはクロム銅(Cu−Cr)、アルミナ分散銅(Al2O3分散銅)からなる電極材料が用いられている。
【0003】
例えば特許文献1には、Cr−Cu合金からなる溶接用電極材料は約1000℃の高温で製造されるため合金中の結晶粒が粗大化して耐摩耗性、耐熱性が低くなるという欠点があるが、このCr−Cu合金にホウ素を0.01〜0.2重量%添加することにより合金の結晶粒を微細化して耐熱性、高温硬度を向上させることが記載されている。
【0004】
特許文献2には、溶接用電極材料の合金組成をCr0.4〜1.0重量%、Sn0.05〜0.2重量%、残部を不可避不純物を含む銅からなるものとすることにより、電極先端部の変形損耗を減少させて寿命を向上させることが記載されている。
【0005】
特許文献3には、溶接用電極材料の組成を、Zr0.05〜1重量%、Cr3〜20重量%、残部Cuからなる合金組成とすることにより、導電率が高めると共に耐摩耗性を向上させて、スポット溶接の打点数を増大させることが記載されている。
【0006】
しかしながら、クロム銅からなる電極材料は、Crの固溶量が多いため導電率及び熱伝導率が低く、さらに結晶粒径が数十μmと大きいため、繰り返し疲労強度が低いといった問題がある。電極材料として用いた場合には、少ない打点回数で電極先端径が拡大し溶接電流密度が低下するため連続打点性が低く、さらに、導電率及び熱伝導率が低いため、被溶接材料と合金化しやすく溶着打点数が低いといった問題を有する。
【0007】
一方、アルミナ分散銅からなる電極材料は、高温での降伏応力が低く、少ない打点回数で電極先端径が拡大し、溶接電流密度が低下するため、連続打点性が低く、さらに、導電率及び熱伝導率が低いため、被溶接材料と合金化しやすく溶着打点数が低いといった問題を有する。
【0008】
また、近年Cu−0.44%Cr−0.2%Zrからなる合金素材に側方押出(ECAP:equal−channel angular pressing )を施し、結晶粒径を微細化させ、機械的強度、耐熱性、導電率の高い電極材料を提供することが提案されている(非特許文献1参照)。
上記非特許文献1に記載の合金は、機械的強度、耐熱性に優れているものの、導電率は75〜80%IACSと低く、被溶接材料と合金化しやすく溶着打点数が低いといった改善の余地を残している。また、結晶粒を微細化させる場合、粒界滑り等により高温での降伏応力が粗大粒材より低下するため、電極先端径が拡大しやすくなり、連続打点性が低下するといった問題を有している。
【0009】
【特許文献1】
特公昭56−31196号公報
【特許文献2】
特開昭62−3885号公報
【特許文献3】
特開平6−73473号公報
【非特許文献1】
Acta Materialia 50(2002)1639−1651“Structure and properties of ultra−fine grain Cu−Cr−Zr alloy produced by equal−channel angular pressing”
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は上述の問題を解消すべくなされたものであり、結晶粒を繊維状、かつ下部組織を微細な亜結晶粒にし、拡散速度が遅い原子を含む粒子を微細析出させることにより機械的特性、耐熱性、高温降伏応力及び電極材料としての連続打点性(電極寿命)を向上させるとともに、微細析出物を析出促進させることにより導電率を向上させ、電極材料として被溶接材料と合金化を抑制し溶着打点数(耐溶着性)の向上をはかることができる電極材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するものであり、その構成は以下に記載する通りである。
(1)一般式:Cubal.Xa(但し、XはCr、Zr、Fe、P、Agから選ばれる少なくとも1種の元素であり、aは質量%で1.5%以下であり、残部が不可避的不純物を含むCuである)で示される組成からなり、その組織構造が、平均粒径が3μm以下の亜結晶粒から構成される短軸長さが10μm以下の繊維状結晶粒からなる組織中に平均粒子径50nm以下の微細粒子が析出してなる組織構造を有することを特徴とする電極材料。
(2)上記微細粒子の析出分散状態が、平均粒子間距離で200nm以下であることを特徴とする上記(1)記載の電極材料。
(3)上記微細粒子が、Cr、Cu3Zr、Cu9Zr2、Fe、Cu3P、Agから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の電極材料。
(4)一般式:Cubal.Xa(但し、XはCr、Zr、Fe、P、Agから選ばれる少なくとも1種の元素であり、aは質量%で1.5%以下であり、残部が不可避的不純物を含むCuである)で示されるCu系合金素材を、温度300〜600℃、押出比4以上で押出しを行うことを特徴とする電極材料の製造方法。
(5)前記押出しを行うにあたって、事前に合金素材に温度350〜700℃で熱処理を施すことを特徴とする上記(4)記載の電極材料の製造方法。
(6)前記押出し後、温度350〜700℃で熱処理を施すことを特徴とする上記(4)または(5)に記載の電極材料の製造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明において、合金素材の結晶粒を繊維状(具体的には、アスペクト比1.5以上の等軸状でない)、かつ下部組織を微細な亜結晶粒にし、微細粒子を析出させるための具体的手段としては、温度300〜600℃、押出比4以上で行う直接押出或いは間接押出からなる押出法が有効である。前記押出法は、合金素材の断面積を大きく変化させ、その断面積の変化にともない、その条件を適切に設定することによって合金素材に剪断変形及び塑性変形(歪)を与えることが可能である。これによって、繊維状結晶粒の短軸長さを10μm以下、かつ下部組織の平均亜結晶粒径を3μm以下、更に平均粒子径50nm以下の微細粒子の析出を促進することができ、高温での高降伏応力、耐熱性、高導電率を材料に付与できるものである。
【0013】
本発明における押出法に用いる押出成形装置を、図1に示す直接押出成形装置に基づいて説明すると、長手方向に連通する供給部1が形成されたコンテナー2と供給部1の一端側に配され、成形される押出成形材Mの断面形状の開口が形成されたダイ3と供給部1の他端側に配され、前記ダイ3に向かって供給部1内を摺動する一方側にダミーブロック4を備えたステム5とからなる。
【0014】
なお、図示されていないが、押出成形装置には、コンテナー2内の温度をコントロールするための加熱・冷却手段及び温度検知手段並びに温度制御手段等が設けられている。
押出成形は、供給部1内に押出材料Sを配し、他端側のステム5をダイ3に向けて摺動させ、押出材料Sをダイ3に向けて押圧することによってダイ3に形成されている開口に合った断面形状の押出成形材Mを作製する。この場合、ダイ3により押出材料Sの断面積を減少させることによって、材料には歪が与えられ、押出成形材は結晶粒が繊維状化、かつ下部組織の亜結晶粒が微細化、更に微細粒子が歪み誘起により析出促進され、優れた機械的特性の向上が行える。
【0015】
この方法を合金素材に適用することにより、非常に単純な工程で、繊維状結晶粒の短軸長さを10μm以下、かつ下部組織の平均亜結晶粒径を3μm以下とし、更に析出物の平均粒子径が50nm以下に微細化され、高温降伏応力、耐熱性、靭性、導電率を大きく改善できる。また、そのプロセスは、鋳造組織、合金成分のマクロ、ミクロ的な偏析の破壊、均質化にも効果を持っている。
【0016】
本発明において、上記押出法による押出は温度300〜600℃、押出比4以上で行うことが重要である。その理由は、前記温度が300℃未満の場合、機械的強度は向上するものの、微細析出物の析出促進が充分に行えず導電率を向上させることができなくなるためであり、また前記温度が600℃を超える場合、結晶粒の繊維状化、かつ下部組織の亜結晶粒の微細化、更に析出粒子の微細化が行えず、機械的強度等の向上が行えず、さらに析出していた分散粒子の再固溶が起こり、導電率を向上させることができなくなるためである。さらに、押出比4未満の場合、合金素材の結晶粒の繊維状化、かつ下部組織の亜結晶粒の微細化、更に微細粒子の析出促進が充分に行えず、機械的強度、導電率の向上が期待できないためである。
【0017】
さらに、本発明において、上記押出法を施すにあたって、事前に温度350〜700℃の範囲内で熱処理(以下、事前熱処理ともいう)を施すことが好ましい。この事前熱処理を施すことにより、微細析出物が分散し、押出過程で導入された転位等のピンニングに寄与して結晶粒の繊維状化、かつ下部組織の亜結晶粒を微細化させることができる。前記温度が350℃未満の場合、析出が起こらず、また前記温度が700℃を超える場合、結晶粒径及び析出物が粗大化しすぎて、上記押出法を施しても適切な繊維状結晶粒の短軸長さ、かつ下部組織の亜結晶粒径或いは析出物の大きさにコントロールすることができなくなる。事前熱処理時間については、少なくとも30分以上であれば上記効果が期待できる。なお、上限については特に制限はないが、経済性等を考慮した場合、100時間以内であることが望ましい。
【0018】
また、本発明においては、上記押出法を施した後、温度350〜700℃の範囲内で熱処理(以下、事後熱処理ともいう)を施すことが好ましく、この事後熱処理を施すことにより、析出物を均一微細に析出分散させることができるため、電極材料として導電率を向上させることができる。前記温度が350℃未満の場合、前記析出物の析出量が不足し、導電率の向上に繋がらない。また前記温度が700℃を超える場合、析出していた分散粒子の再固溶が起きて導電率の低下を招きやすくなる。熱処理時間については、少なくとも10分以上であれば上記効果が期待できる。なお、上限については特に制限はないが、経済性等を考慮した場合、50時間以内であることが望ましい。
【0019】
本発明においては、前記事前熱処理及び前記事後熱処理を併用することが、繊維状結晶粒の短軸長さ、平均亜結晶粒径及び微細析出物を適切な大きさにコントロールし、また、微細析出物を均一微細分散させ、その析出量をコントロールする上で、特に好ましい。
【0020】
本発明が適用されるCu系合金素材としては、一般式:Cubal.Xa(但し、XはCr、Zr、Fe、P、Agから選ばれる少なくとも1種の元素であり、aは質量%で1.5%以下であり、残部が不可避的不純物を含むCuである)で示される組成からなる合金が好ましい。X元素は、Cr、Zr、Fe、P、Agから選ばれる少なくとも1種の元素であり、これらの元素は1.5質量%以下の添加で本発明の目的である耐熱性および高温降伏応力の向上に寄与する微細な析出物を析出することができる。なお、下限については特に規定していないが微細析出物を析出させる観点から0.01質量%以上とすることが望ましい。
【0021】
さらに、その具体的組成としては、Cu−(〜1.5%)Cr、Cu−(〜0.2%)Zr、Cu−(〜1.3%)Cr−(〜0.2%)Zr、Cu−(〜1.0%)Fe−(〜0.2%)P、Cu−(〜0.5%)Ag等の合金が特に好ましい。
【0022】
また、本発明に有効な電極材料の組織構造は、アスペクト比1.5以上の等軸状でない繊維状結晶粒の短軸長さを10μm以下、かつ下部組織の平均亜結晶粒径を3μm以下、微細析出物の大きさ(分散粒子径)が50nm以下である。このような組織構造とすることにより500、600℃での高温降伏応力を200MPa以上、導電率(IACS)を90%以上とすることができ、さらには、繊維状結晶粒の短軸長さを10μm以下、かつ下部組織の平均亜結晶粒径を1μm以下、微細析出物の大きさ(分散粒子径)が25nm以下の組織構造とすることにより500、600℃での高温降伏応力を250MPa以上、導電率(IACS)を90%以上とすることができる。
【0023】
また、耐熱性の向上に寄与する微細析出物の分散状態は、平均粒子間距離で200nm以下である。好ましくは、100nm以下である。直径50nm以下の粒子が、上記間隔で分散することで、600℃数時間保持後の硬度低下を抑制することが可能になる。なお、本発明において、析出する微細析出物の具体的な例としては、Cr、Cu3Zr及びCu9Zr2などのCu−Zr系、Fe、Cu3P、Ag等がある。
【0024】
【実施例】
以下、実施例並びに比較例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明が以下の実施例に限定されるものでないことはもとよりである。
【0025】
[実施例1]
高周波溶解炉で電気銅、各地金をアルゴン雰囲気中にて溶解し、黒鉛鋳型に鋳造して、直径40mm、長さ300mmの鋳塊を得た。得られた鋳塊の組成を表1に示す。この鋳塊を1000℃で2時間溶体化処理し、表2に示す熱処理(事前熱処理)を行った。事前熱処理後、各材料を図1に示す押出成形装置のコンテナーに挿入し、表3に示す条件で直接押出を行った。直接押出処理後、各材料に対して表4に示す条件で熱処理(事後熱処理)を行い最終処理材を得た。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】
最終処理材の組織写真を図2に示す。直接押出前の結晶粒径は50〜100μmであったが、最終処理材の繊維状結晶粒はアスペクト比1.5以上であって等軸状ではなく、繊維状結晶粒の短軸長さは10μm以下、かつ下部組織の平均亜結晶粒径は3μm以下、微細析出物の大きさ(分散粒子径)が50nm以下まで微細化されていた。また、粒子間距離も200nm以下であり、微細析出物は組織中に均一微細に分散している。
【0031】
最終処理材の600℃での降伏応力と室温での導電率(%IACS)の測定結果を表5−1〜表5−5に示す。本発明材を従来の材料(比較材)と比較すると600℃での降伏応力は200MPa以上、導電率(%IACS)は90%以上まで増加していることがわかる。
なお、600℃での降伏応力は直径6mm、高さ9mmのサンプルを圧縮試験にて測定した結果である。また、導電率測定は上記最終処理材表面を鏡面研磨し、これをデジタル導電率計(オートシグマ3000)の測定プローブを試料表面に接触させてその数値を測定した結果である。
【0032】
<電極寿命評価>
電極寿命を評価するために、先端径φ6mm(40R)の電極に成形し、溶接母材として板厚1mmのAl−Mg系合金板のショットダルフィニッシュ材を酸洗した後、市販の低粘度鉱物油を塗布したものを使用し、単相交流定置式スポット溶接機を使用して、電極を水冷しながらスポット溶接試験を行った。溶接電流は26kA、通電時間は4サイクル、加圧力は400kgfとした。溶接条件はWES7302に準じ、径5mmのナゲットが得られる条件とし、連続溶接速度は1回/2sとした。電極寿命は、溶接部を剥がしてナゲット径(長軸と短軸を足して2で割った値)が5mmを下回った打点回数で評価した。電極寿命は次の評価基準により評価した。
(電極寿命評価基準)
○:連続打点1000回以上
×:連続打点1000回未満
【0033】
<耐溶着性評価>
耐溶着性は、次のような方法で評価した。電極寿命評価試験において、電極材と被溶接材料が張り付いた場合、電極材を引張試験機で引張って分離した時の荷重を測定し、その荷重が10kgfを超える時を「溶着」とした。また、溶着に至るまでの打点回数を溶着打点数とし、溶着打点数の平均値を「平均溶着打点数」と称し、溶着の発生頻度を示す指標とした。平均溶着打点数が大きいほど溶着しにくいことを意味する。耐溶着性は以下の評価基準により評価した。
(耐溶着性評価基準)
○:平均溶着打点数500回以上
△:平均溶着打点数100回〜499回
×:平均溶着打点数100回未満
【0034】
<総合評価>
連続打点性(電極寿命)および耐溶着性について総合的に評価した結果を次のような基準で総合評価し、表5−1〜表5−5の最下欄に示した。
(総合評価基準)
◎:連続打点性および耐溶着性の評価がともに○
○:連続打点性および耐溶着性の評価が○もしくは△
×:連続打点性および耐溶着性の評価に×を含む
【0035】
【表5】(表5−1〜表5−3)
【0036】
【表6】(表5−4〜表5−6)
【0037】
【表7】(表5−7〜表5−9)
【0038】
本発明材No.6,9,15,17,18,20,21,23,24,29,30,32,33,36,42,44,45,47〜50,53,56,58,59,61,62,65〜68,70,71,73,74は、導電率(%IACS)が低い(表中には示されていないが熱伝導率も低い)ためジュール発熱が高く、かつ抜熱速度が低く被溶接材と合金化しやすくなり、平均溶着打点数が500回未満となった。
【0039】
比較材No.1はCrの固溶量が多く導電率(%IACS)が低過ぎる(表中には示されていないが熱伝導率も低過ぎる)ため、ジュール発熱が非常に高く、かつ冷却効率が悪く電極材の温度が上昇し高温での降伏応力が著しく低下した。また、結晶粒径が数十μmと大きいため繰り返し疲労強度が低い。これらの原因により、少ない打点回数で電極材先端径が拡大し溶接電流密度が低下するため、連続打点性は低い。耐溶着性については、導電率(%IACS)が低過ぎる(表中には示されていないが熱伝導率も低過ぎる)ため、被溶接材と合金化しやすく平均溶着打点数が少ない。
【0040】
比較材No.2は、高温での降伏応力が低いため、連続打点性は低かった。耐溶着性については、導電率(%IACS)が低過ぎる(表中には示されていないが熱伝導率も低過ぎる)ため溶着しやすい。
以上より、高温での高降伏応力、耐熱性、高導電率(%IACS)及び結晶粒が繊維状化、かつ下部組織の亜結晶粒が微細化、更に微細粒子が析出している材料は、溶接特性に優れるということが明らかになった。
【0041】
[実施例2]
実施例1と同様にCu−0.84%Cr−0.03%Zrからなる鋳塊を得た。得られた鋳塊を1000℃で2時間溶体化処理し、600℃で2時間事前熱処理を行った。事前熱処理後、600℃での降伏応力及び導電率を測定した結果、降伏応力は173MPa、導電率は90%であった。その後、図1に示すコンテナーに挿入し、温度500℃、押出比7の条件で直接押出を行った。直接押出処理後、600℃での降伏応力及び導電率を測定した結果、降伏応力は225MPa、導電率は92%であった。さらにその後、温度500℃で8時間熱処理を行い最終処理材を得た。最終処理材の降伏応力は211MPa、導電率は95%、繊維状結晶粒の短軸長さ10μm以下、かつ下部組織の平均亜結晶粒径1μm以下、微細析出物の粒子径は5〜40nm、粒子間距離は100nm以下であった。
【0042】
[実施例3]
実施例1と同様の電極材を用い、溶接母材として、板厚0.8mmの溶融亜鉛メッキ鋼板(平均メッキ付着量:60g/m2)を使用し、単相交流定置式スポット溶接機を使用して、電極を水冷しながらスポット溶接試験を行った。溶接電流は8.3kA、通電時間は10サイクル(50Hz)、加圧力は200kgfとした。溶接条件は、径5mmのナゲットが得られる条件とし、連続溶接速度は1回/1sとした。電極寿命、耐溶着性は、実施例1と同様の方法、基準で評価し、また、実施例1と同様な基準で総合的に評価した結果を総合評価としてそれぞれ表6−1〜表6−5に示した。
【0043】
【表8】(表6−1〜表6−3)
【0044】
【表9】(表6−4〜表6−6)
【0045】
【表10】(表6−7〜表6−9)
【0046】
本発明材No.15,18,20,21,23,30,36,42,45,47,48,50,59,65,67,68,71,73,74は、導電率(%IACS)が低い(表中には示されていないが熱伝導率も低い)ためジュール発熱が高く、かつ抜熱速度が低く被溶接材と合金化しやすくなり、平均溶着打点数が500回未満となった。比較材No.1と2は、実施例1のときと同様の理由で連続打点性や耐溶着性が良くなかった。
以上より、高温での高降伏応力、耐熱性、高伝導率(%IACS)および結晶粒が繊維状化、かつ下部組織の亜結晶粒が微細化、更に微細粒子が析出している材料は溶接特性に優れるということが明らかになった。
【0047】
【発明の効果】
本発明の電極材料及びその製造方法によれば、結晶粒を繊維状、かつ下部組織を微細な亜結晶粒にし、拡散速度が遅い原子を含む粒子を微細析出させることにより機械的特性、耐熱性、高温降伏応力及び電極材料としての連続打点性(電極寿命)を向上させるとともに、微細析出物を析出促進させることにより導電率を向上させ、電極材料として被溶接材料と合金化を抑制し溶着打点数(耐溶着性)を向上させることができる電極材料を提供することできる。さらに、前記優れた特性を備えた電極材料を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において用いる押出成形装置の一例を示す図である。
【図2】最終処理材の金属組織を示す図である(EBSP、TEMによるもの)
【符号の説明】
1 供給部
2 コンテナー
3 ダイ
4 ダミーブロック
5 ステム
S 押出材料
M 押出成形材
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム、マグネシウム、鉄及びこれらの合金、さらにはその金属めっき材等からなる被溶接材料を溶接する際に用いる電極材料及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電極材料としてはクロム銅(Cu−Cr)、アルミナ分散銅(Al2O3分散銅)からなる電極材料が用いられている。
【0003】
例えば特許文献1には、Cr−Cu合金からなる溶接用電極材料は約1000℃の高温で製造されるため合金中の結晶粒が粗大化して耐摩耗性、耐熱性が低くなるという欠点があるが、このCr−Cu合金にホウ素を0.01〜0.2重量%添加することにより合金の結晶粒を微細化して耐熱性、高温硬度を向上させることが記載されている。
【0004】
特許文献2には、溶接用電極材料の合金組成をCr0.4〜1.0重量%、Sn0.05〜0.2重量%、残部を不可避不純物を含む銅からなるものとすることにより、電極先端部の変形損耗を減少させて寿命を向上させることが記載されている。
【0005】
特許文献3には、溶接用電極材料の組成を、Zr0.05〜1重量%、Cr3〜20重量%、残部Cuからなる合金組成とすることにより、導電率が高めると共に耐摩耗性を向上させて、スポット溶接の打点数を増大させることが記載されている。
【0006】
しかしながら、クロム銅からなる電極材料は、Crの固溶量が多いため導電率及び熱伝導率が低く、さらに結晶粒径が数十μmと大きいため、繰り返し疲労強度が低いといった問題がある。電極材料として用いた場合には、少ない打点回数で電極先端径が拡大し溶接電流密度が低下するため連続打点性が低く、さらに、導電率及び熱伝導率が低いため、被溶接材料と合金化しやすく溶着打点数が低いといった問題を有する。
【0007】
一方、アルミナ分散銅からなる電極材料は、高温での降伏応力が低く、少ない打点回数で電極先端径が拡大し、溶接電流密度が低下するため、連続打点性が低く、さらに、導電率及び熱伝導率が低いため、被溶接材料と合金化しやすく溶着打点数が低いといった問題を有する。
【0008】
また、近年Cu−0.44%Cr−0.2%Zrからなる合金素材に側方押出(ECAP:equal−channel angular pressing )を施し、結晶粒径を微細化させ、機械的強度、耐熱性、導電率の高い電極材料を提供することが提案されている(非特許文献1参照)。
上記非特許文献1に記載の合金は、機械的強度、耐熱性に優れているものの、導電率は75〜80%IACSと低く、被溶接材料と合金化しやすく溶着打点数が低いといった改善の余地を残している。また、結晶粒を微細化させる場合、粒界滑り等により高温での降伏応力が粗大粒材より低下するため、電極先端径が拡大しやすくなり、連続打点性が低下するといった問題を有している。
【0009】
【特許文献1】
特公昭56−31196号公報
【特許文献2】
特開昭62−3885号公報
【特許文献3】
特開平6−73473号公報
【非特許文献1】
Acta Materialia 50(2002)1639−1651“Structure and properties of ultra−fine grain Cu−Cr−Zr alloy produced by equal−channel angular pressing”
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は上述の問題を解消すべくなされたものであり、結晶粒を繊維状、かつ下部組織を微細な亜結晶粒にし、拡散速度が遅い原子を含む粒子を微細析出させることにより機械的特性、耐熱性、高温降伏応力及び電極材料としての連続打点性(電極寿命)を向上させるとともに、微細析出物を析出促進させることにより導電率を向上させ、電極材料として被溶接材料と合金化を抑制し溶着打点数(耐溶着性)の向上をはかることができる電極材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するものであり、その構成は以下に記載する通りである。
(1)一般式:Cubal.Xa(但し、XはCr、Zr、Fe、P、Agから選ばれる少なくとも1種の元素であり、aは質量%で1.5%以下であり、残部が不可避的不純物を含むCuである)で示される組成からなり、その組織構造が、平均粒径が3μm以下の亜結晶粒から構成される短軸長さが10μm以下の繊維状結晶粒からなる組織中に平均粒子径50nm以下の微細粒子が析出してなる組織構造を有することを特徴とする電極材料。
(2)上記微細粒子の析出分散状態が、平均粒子間距離で200nm以下であることを特徴とする上記(1)記載の電極材料。
(3)上記微細粒子が、Cr、Cu3Zr、Cu9Zr2、Fe、Cu3P、Agから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の電極材料。
(4)一般式:Cubal.Xa(但し、XはCr、Zr、Fe、P、Agから選ばれる少なくとも1種の元素であり、aは質量%で1.5%以下であり、残部が不可避的不純物を含むCuである)で示されるCu系合金素材を、温度300〜600℃、押出比4以上で押出しを行うことを特徴とする電極材料の製造方法。
(5)前記押出しを行うにあたって、事前に合金素材に温度350〜700℃で熱処理を施すことを特徴とする上記(4)記載の電極材料の製造方法。
(6)前記押出し後、温度350〜700℃で熱処理を施すことを特徴とする上記(4)または(5)に記載の電極材料の製造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明において、合金素材の結晶粒を繊維状(具体的には、アスペクト比1.5以上の等軸状でない)、かつ下部組織を微細な亜結晶粒にし、微細粒子を析出させるための具体的手段としては、温度300〜600℃、押出比4以上で行う直接押出或いは間接押出からなる押出法が有効である。前記押出法は、合金素材の断面積を大きく変化させ、その断面積の変化にともない、その条件を適切に設定することによって合金素材に剪断変形及び塑性変形(歪)を与えることが可能である。これによって、繊維状結晶粒の短軸長さを10μm以下、かつ下部組織の平均亜結晶粒径を3μm以下、更に平均粒子径50nm以下の微細粒子の析出を促進することができ、高温での高降伏応力、耐熱性、高導電率を材料に付与できるものである。
【0013】
本発明における押出法に用いる押出成形装置を、図1に示す直接押出成形装置に基づいて説明すると、長手方向に連通する供給部1が形成されたコンテナー2と供給部1の一端側に配され、成形される押出成形材Mの断面形状の開口が形成されたダイ3と供給部1の他端側に配され、前記ダイ3に向かって供給部1内を摺動する一方側にダミーブロック4を備えたステム5とからなる。
【0014】
なお、図示されていないが、押出成形装置には、コンテナー2内の温度をコントロールするための加熱・冷却手段及び温度検知手段並びに温度制御手段等が設けられている。
押出成形は、供給部1内に押出材料Sを配し、他端側のステム5をダイ3に向けて摺動させ、押出材料Sをダイ3に向けて押圧することによってダイ3に形成されている開口に合った断面形状の押出成形材Mを作製する。この場合、ダイ3により押出材料Sの断面積を減少させることによって、材料には歪が与えられ、押出成形材は結晶粒が繊維状化、かつ下部組織の亜結晶粒が微細化、更に微細粒子が歪み誘起により析出促進され、優れた機械的特性の向上が行える。
【0015】
この方法を合金素材に適用することにより、非常に単純な工程で、繊維状結晶粒の短軸長さを10μm以下、かつ下部組織の平均亜結晶粒径を3μm以下とし、更に析出物の平均粒子径が50nm以下に微細化され、高温降伏応力、耐熱性、靭性、導電率を大きく改善できる。また、そのプロセスは、鋳造組織、合金成分のマクロ、ミクロ的な偏析の破壊、均質化にも効果を持っている。
【0016】
本発明において、上記押出法による押出は温度300〜600℃、押出比4以上で行うことが重要である。その理由は、前記温度が300℃未満の場合、機械的強度は向上するものの、微細析出物の析出促進が充分に行えず導電率を向上させることができなくなるためであり、また前記温度が600℃を超える場合、結晶粒の繊維状化、かつ下部組織の亜結晶粒の微細化、更に析出粒子の微細化が行えず、機械的強度等の向上が行えず、さらに析出していた分散粒子の再固溶が起こり、導電率を向上させることができなくなるためである。さらに、押出比4未満の場合、合金素材の結晶粒の繊維状化、かつ下部組織の亜結晶粒の微細化、更に微細粒子の析出促進が充分に行えず、機械的強度、導電率の向上が期待できないためである。
【0017】
さらに、本発明において、上記押出法を施すにあたって、事前に温度350〜700℃の範囲内で熱処理(以下、事前熱処理ともいう)を施すことが好ましい。この事前熱処理を施すことにより、微細析出物が分散し、押出過程で導入された転位等のピンニングに寄与して結晶粒の繊維状化、かつ下部組織の亜結晶粒を微細化させることができる。前記温度が350℃未満の場合、析出が起こらず、また前記温度が700℃を超える場合、結晶粒径及び析出物が粗大化しすぎて、上記押出法を施しても適切な繊維状結晶粒の短軸長さ、かつ下部組織の亜結晶粒径或いは析出物の大きさにコントロールすることができなくなる。事前熱処理時間については、少なくとも30分以上であれば上記効果が期待できる。なお、上限については特に制限はないが、経済性等を考慮した場合、100時間以内であることが望ましい。
【0018】
また、本発明においては、上記押出法を施した後、温度350〜700℃の範囲内で熱処理(以下、事後熱処理ともいう)を施すことが好ましく、この事後熱処理を施すことにより、析出物を均一微細に析出分散させることができるため、電極材料として導電率を向上させることができる。前記温度が350℃未満の場合、前記析出物の析出量が不足し、導電率の向上に繋がらない。また前記温度が700℃を超える場合、析出していた分散粒子の再固溶が起きて導電率の低下を招きやすくなる。熱処理時間については、少なくとも10分以上であれば上記効果が期待できる。なお、上限については特に制限はないが、経済性等を考慮した場合、50時間以内であることが望ましい。
【0019】
本発明においては、前記事前熱処理及び前記事後熱処理を併用することが、繊維状結晶粒の短軸長さ、平均亜結晶粒径及び微細析出物を適切な大きさにコントロールし、また、微細析出物を均一微細分散させ、その析出量をコントロールする上で、特に好ましい。
【0020】
本発明が適用されるCu系合金素材としては、一般式:Cubal.Xa(但し、XはCr、Zr、Fe、P、Agから選ばれる少なくとも1種の元素であり、aは質量%で1.5%以下であり、残部が不可避的不純物を含むCuである)で示される組成からなる合金が好ましい。X元素は、Cr、Zr、Fe、P、Agから選ばれる少なくとも1種の元素であり、これらの元素は1.5質量%以下の添加で本発明の目的である耐熱性および高温降伏応力の向上に寄与する微細な析出物を析出することができる。なお、下限については特に規定していないが微細析出物を析出させる観点から0.01質量%以上とすることが望ましい。
【0021】
さらに、その具体的組成としては、Cu−(〜1.5%)Cr、Cu−(〜0.2%)Zr、Cu−(〜1.3%)Cr−(〜0.2%)Zr、Cu−(〜1.0%)Fe−(〜0.2%)P、Cu−(〜0.5%)Ag等の合金が特に好ましい。
【0022】
また、本発明に有効な電極材料の組織構造は、アスペクト比1.5以上の等軸状でない繊維状結晶粒の短軸長さを10μm以下、かつ下部組織の平均亜結晶粒径を3μm以下、微細析出物の大きさ(分散粒子径)が50nm以下である。このような組織構造とすることにより500、600℃での高温降伏応力を200MPa以上、導電率(IACS)を90%以上とすることができ、さらには、繊維状結晶粒の短軸長さを10μm以下、かつ下部組織の平均亜結晶粒径を1μm以下、微細析出物の大きさ(分散粒子径)が25nm以下の組織構造とすることにより500、600℃での高温降伏応力を250MPa以上、導電率(IACS)を90%以上とすることができる。
【0023】
また、耐熱性の向上に寄与する微細析出物の分散状態は、平均粒子間距離で200nm以下である。好ましくは、100nm以下である。直径50nm以下の粒子が、上記間隔で分散することで、600℃数時間保持後の硬度低下を抑制することが可能になる。なお、本発明において、析出する微細析出物の具体的な例としては、Cr、Cu3Zr及びCu9Zr2などのCu−Zr系、Fe、Cu3P、Ag等がある。
【0024】
【実施例】
以下、実施例並びに比較例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明が以下の実施例に限定されるものでないことはもとよりである。
【0025】
[実施例1]
高周波溶解炉で電気銅、各地金をアルゴン雰囲気中にて溶解し、黒鉛鋳型に鋳造して、直径40mm、長さ300mmの鋳塊を得た。得られた鋳塊の組成を表1に示す。この鋳塊を1000℃で2時間溶体化処理し、表2に示す熱処理(事前熱処理)を行った。事前熱処理後、各材料を図1に示す押出成形装置のコンテナーに挿入し、表3に示す条件で直接押出を行った。直接押出処理後、各材料に対して表4に示す条件で熱処理(事後熱処理)を行い最終処理材を得た。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】
最終処理材の組織写真を図2に示す。直接押出前の結晶粒径は50〜100μmであったが、最終処理材の繊維状結晶粒はアスペクト比1.5以上であって等軸状ではなく、繊維状結晶粒の短軸長さは10μm以下、かつ下部組織の平均亜結晶粒径は3μm以下、微細析出物の大きさ(分散粒子径)が50nm以下まで微細化されていた。また、粒子間距離も200nm以下であり、微細析出物は組織中に均一微細に分散している。
【0031】
最終処理材の600℃での降伏応力と室温での導電率(%IACS)の測定結果を表5−1〜表5−5に示す。本発明材を従来の材料(比較材)と比較すると600℃での降伏応力は200MPa以上、導電率(%IACS)は90%以上まで増加していることがわかる。
なお、600℃での降伏応力は直径6mm、高さ9mmのサンプルを圧縮試験にて測定した結果である。また、導電率測定は上記最終処理材表面を鏡面研磨し、これをデジタル導電率計(オートシグマ3000)の測定プローブを試料表面に接触させてその数値を測定した結果である。
【0032】
<電極寿命評価>
電極寿命を評価するために、先端径φ6mm(40R)の電極に成形し、溶接母材として板厚1mmのAl−Mg系合金板のショットダルフィニッシュ材を酸洗した後、市販の低粘度鉱物油を塗布したものを使用し、単相交流定置式スポット溶接機を使用して、電極を水冷しながらスポット溶接試験を行った。溶接電流は26kA、通電時間は4サイクル、加圧力は400kgfとした。溶接条件はWES7302に準じ、径5mmのナゲットが得られる条件とし、連続溶接速度は1回/2sとした。電極寿命は、溶接部を剥がしてナゲット径(長軸と短軸を足して2で割った値)が5mmを下回った打点回数で評価した。電極寿命は次の評価基準により評価した。
(電極寿命評価基準)
○:連続打点1000回以上
×:連続打点1000回未満
【0033】
<耐溶着性評価>
耐溶着性は、次のような方法で評価した。電極寿命評価試験において、電極材と被溶接材料が張り付いた場合、電極材を引張試験機で引張って分離した時の荷重を測定し、その荷重が10kgfを超える時を「溶着」とした。また、溶着に至るまでの打点回数を溶着打点数とし、溶着打点数の平均値を「平均溶着打点数」と称し、溶着の発生頻度を示す指標とした。平均溶着打点数が大きいほど溶着しにくいことを意味する。耐溶着性は以下の評価基準により評価した。
(耐溶着性評価基準)
○:平均溶着打点数500回以上
△:平均溶着打点数100回〜499回
×:平均溶着打点数100回未満
【0034】
<総合評価>
連続打点性(電極寿命)および耐溶着性について総合的に評価した結果を次のような基準で総合評価し、表5−1〜表5−5の最下欄に示した。
(総合評価基準)
◎:連続打点性および耐溶着性の評価がともに○
○:連続打点性および耐溶着性の評価が○もしくは△
×:連続打点性および耐溶着性の評価に×を含む
【0035】
【表5】(表5−1〜表5−3)
【0036】
【表6】(表5−4〜表5−6)
【0037】
【表7】(表5−7〜表5−9)
【0038】
本発明材No.6,9,15,17,18,20,21,23,24,29,30,32,33,36,42,44,45,47〜50,53,56,58,59,61,62,65〜68,70,71,73,74は、導電率(%IACS)が低い(表中には示されていないが熱伝導率も低い)ためジュール発熱が高く、かつ抜熱速度が低く被溶接材と合金化しやすくなり、平均溶着打点数が500回未満となった。
【0039】
比較材No.1はCrの固溶量が多く導電率(%IACS)が低過ぎる(表中には示されていないが熱伝導率も低過ぎる)ため、ジュール発熱が非常に高く、かつ冷却効率が悪く電極材の温度が上昇し高温での降伏応力が著しく低下した。また、結晶粒径が数十μmと大きいため繰り返し疲労強度が低い。これらの原因により、少ない打点回数で電極材先端径が拡大し溶接電流密度が低下するため、連続打点性は低い。耐溶着性については、導電率(%IACS)が低過ぎる(表中には示されていないが熱伝導率も低過ぎる)ため、被溶接材と合金化しやすく平均溶着打点数が少ない。
【0040】
比較材No.2は、高温での降伏応力が低いため、連続打点性は低かった。耐溶着性については、導電率(%IACS)が低過ぎる(表中には示されていないが熱伝導率も低過ぎる)ため溶着しやすい。
以上より、高温での高降伏応力、耐熱性、高導電率(%IACS)及び結晶粒が繊維状化、かつ下部組織の亜結晶粒が微細化、更に微細粒子が析出している材料は、溶接特性に優れるということが明らかになった。
【0041】
[実施例2]
実施例1と同様にCu−0.84%Cr−0.03%Zrからなる鋳塊を得た。得られた鋳塊を1000℃で2時間溶体化処理し、600℃で2時間事前熱処理を行った。事前熱処理後、600℃での降伏応力及び導電率を測定した結果、降伏応力は173MPa、導電率は90%であった。その後、図1に示すコンテナーに挿入し、温度500℃、押出比7の条件で直接押出を行った。直接押出処理後、600℃での降伏応力及び導電率を測定した結果、降伏応力は225MPa、導電率は92%であった。さらにその後、温度500℃で8時間熱処理を行い最終処理材を得た。最終処理材の降伏応力は211MPa、導電率は95%、繊維状結晶粒の短軸長さ10μm以下、かつ下部組織の平均亜結晶粒径1μm以下、微細析出物の粒子径は5〜40nm、粒子間距離は100nm以下であった。
【0042】
[実施例3]
実施例1と同様の電極材を用い、溶接母材として、板厚0.8mmの溶融亜鉛メッキ鋼板(平均メッキ付着量:60g/m2)を使用し、単相交流定置式スポット溶接機を使用して、電極を水冷しながらスポット溶接試験を行った。溶接電流は8.3kA、通電時間は10サイクル(50Hz)、加圧力は200kgfとした。溶接条件は、径5mmのナゲットが得られる条件とし、連続溶接速度は1回/1sとした。電極寿命、耐溶着性は、実施例1と同様の方法、基準で評価し、また、実施例1と同様な基準で総合的に評価した結果を総合評価としてそれぞれ表6−1〜表6−5に示した。
【0043】
【表8】(表6−1〜表6−3)
【0044】
【表9】(表6−4〜表6−6)
【0045】
【表10】(表6−7〜表6−9)
【0046】
本発明材No.15,18,20,21,23,30,36,42,45,47,48,50,59,65,67,68,71,73,74は、導電率(%IACS)が低い(表中には示されていないが熱伝導率も低い)ためジュール発熱が高く、かつ抜熱速度が低く被溶接材と合金化しやすくなり、平均溶着打点数が500回未満となった。比較材No.1と2は、実施例1のときと同様の理由で連続打点性や耐溶着性が良くなかった。
以上より、高温での高降伏応力、耐熱性、高伝導率(%IACS)および結晶粒が繊維状化、かつ下部組織の亜結晶粒が微細化、更に微細粒子が析出している材料は溶接特性に優れるということが明らかになった。
【0047】
【発明の効果】
本発明の電極材料及びその製造方法によれば、結晶粒を繊維状、かつ下部組織を微細な亜結晶粒にし、拡散速度が遅い原子を含む粒子を微細析出させることにより機械的特性、耐熱性、高温降伏応力及び電極材料としての連続打点性(電極寿命)を向上させるとともに、微細析出物を析出促進させることにより導電率を向上させ、電極材料として被溶接材料と合金化を抑制し溶着打点数(耐溶着性)を向上させることができる電極材料を提供することできる。さらに、前記優れた特性を備えた電極材料を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において用いる押出成形装置の一例を示す図である。
【図2】最終処理材の金属組織を示す図である(EBSP、TEMによるもの)
【符号の説明】
1 供給部
2 コンテナー
3 ダイ
4 ダミーブロック
5 ステム
S 押出材料
M 押出成形材
Claims (6)
- 一般式:Cubal.Xa(但し、XはCr、Zr、Fe、P、Agから選ばれる少なくとも1種の元素であり、aは質量%で1.5%以下であり、残部が不可避的不純物を含むCuである)で示される組成からなり、その組織構造が、平均粒径が3μm以下の亜結晶粒から構成される短軸長さが10μm以下の繊維状結晶粒からなる組織中に平均粒子径50nm以下の微細粒子が析出してなる組織構造を有することを特徴とする電極材料。
- 上記微細粒子の析出分散状態が、平均粒子間距離で200nm以下であることを特徴とする請求項1記載の電極材料。
- 上記微細粒子が、Cr、Cu3Zr、Cu9Zr2、Fe、Cu3P、Agから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2記載の電極材料。
- 一般式:Cubal.Xa(但し、XはCr、Zr、Fe、P、Agから選ばれる少なくとも1種の元素であり、aは質量%で1.5%以下であり、残部が不可避的不純物を含むCuである)で示されるCu系合金素材を、温度300〜600℃、押出比4以上で押出しを行うことを特徴とする電極材料の製造方法。
- 前記押出しを行うにあたって、事前に合金素材に温度350〜700℃で熱処理を施すことを特徴とする請求項4記載の電極材料の製造方法。
- 前記押出し後、温度350〜700℃で熱処理を施すことを特徴とする請求項4または5に記載の電極材料の製造方法。
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