JPH0599917A - 血液分離管 - Google Patents

血液分離管

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JPH0599917A
JPH0599917A JP29073591A JP29073591A JPH0599917A JP H0599917 A JPH0599917 A JP H0599917A JP 29073591 A JP29073591 A JP 29073591A JP 29073591 A JP29073591 A JP 29073591A JP H0599917 A JPH0599917 A JP H0599917A
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blood
separating agent
tube
gel
specific gravity
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JP29073591A
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Koichi Tachikawa
浩一 立川
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Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 遠心分離操作後、形状安定性に優れた隔壁層
を形成し、隔壁層の表面に血球の残存が少ない血液分離
管を提供する。 【構成】 有底管2と、該有底管2の管底部に収納され
たチキソトロピー性を有するゲル状血液分離剤3と、前
記有底管2の底部かつ該ゲル状血液分離剤3の上に収納
された粒子状物4とを有し、前記ゲル状血液分離剤3お
よび前記粒子状物4は、血餅成分と血清成分または血球
成分と血漿成分との中間比重を有するとともに、前記粒
子状物4は、前記ゲル状血液分離剤3より比重が小さい
ことを特徴とする血液分離管1である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血液分離管に関するも
のである。より詳しくは血液中の血清成分と血餅成分、
あるいは血漿成分と血球成分をその比重差を利用して分
離する際に、両成分の中間的な比重を有する分離剤を用
いて、この分離剤により両成分間に隔壁を形成させるこ
とにより、血液分離を行う血液分離管に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、血液分離剤を収納した血液分
離管が用いられており、血液分離剤に、分離層形成材料
としてシリコーンオイル、塩素化ポリブデン、アクリル
系重合体あるいはα−オレフィン・マレイン酸ジエステ
ル共重合体などを主成分として、これらに比重、粘度あ
るいは形状の保持のために、シリカや粘土等の無機物微
粒や有機ゲル化剤を添加したものが使用されている。ま
た、血液分離剤に、液状ポリイソブレン、液状ポリブタ
ジエンなどのチキソトロピー性のない液状ポリマーを使
用し、その上部にスチレンビーズなどの粒状閉塞体を収
納したものが使用されている(特公昭54−33674
号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前者の血液分離管は、
血清分離を目的として使用した場合、遠心分離操作後、
血液分離剤の上面すなわち血清中に血球が残存しやす
く、分離機能が不十分であり、検査結果を不正確なもの
とする場合があった。また、後者の血液分離管は、遠心
分離後には、分離隔壁層を形成するものの、チキソトロ
ピー性のない液状ポリマーを使用するため、採血前にお
いて管内を液状ポリマーで汚染することがあり、また、
形成される分離隔壁層は形状安定性に乏しいため、保存
時やデカンテーション時に隔壁層が崩れることがあっ
た。さらに、遠心分離操作時に、液状ポリマーと粒状閉
塞体が一体となって血液分離管内を浮上するため、前者
の血液分離管と同様、血液分離剤の上面すなわち血漿中
に血球が残存しやすく、分離機能が不十分で、検査結果
を不正確なものとする場合があった。そこで、本発明の
目的は、従来技術の問題点を解消し、遠心分離操作後、
血液分離剤の表面に血球の残存が少なく、かつ、形状安
定性に優れた分離隔壁層を形成する血液分離管を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するもの
は、有底管と、該有底管の管底部に収納されたチキソト
ロピー性を有するゲル状血液分離剤と、前記有底管の底
部かつ該ゲル状血液分離剤の上に収納された粒子状物と
を有し、前記ゲル状血液分離剤および前記粒子状物は、
血餅成分と血清成分または血球成分と血漿成分との中間
比重を有するとともに、前記粒子状物は、前記ゲル状血
液分離剤より比重が小さいことを特徴とする血液分離管
である。
【0005】そして、前記ゲル状血液分離剤および前記
粒子状物は、比重が、1.028〜1.080(25
℃)の範囲内であることが好ましい。また、前記ゲル状
血液分離剤は、粘度が、1000〜150万cp(25
℃)の範囲内であることが好ましい。さらに、前記ゲル
状血液分離剤と前記粒子状物は、その比重差が、0.0
02以上であることが好ましい。そして、前記粒子状物
は、表面に凝固促進剤が付着していることが好ましい。
さらに、前記粒子状物は、粒径が0.2〜3mmである
ことが好ましい。
【0006】そこで、本発明の血液分離管を図面に示し
た実施例を用いて説明する。本発明の血液分離管1は、
有底管2と、有底管2の管底部に収納されたチキソトロ
ピー性を有するゲル状血液分離剤3と、有底管2の底部
かつゲル状血液分離剤3の上に収納された粒子状物4と
を有し、ゲル状血液分離剤3および粒子状物4は、血餅
成分と血清成分または血球成分と血漿成分との中間比重
を有するとともに、粒子状物4は、ゲル状血液分離剤3
より比重が小さいものである。
【0007】このため、血漿採取を目的として、この血
液分離管1を用いて血液を採取した後、遠心分離操作を
行うと、従来の血液分離管では血清中に残存する血餅
が、粒子状物4に付着しゲル状血液分離剤3に混入し、
また、粒子状物4がゲル状血液分離剤3に剪断力を加え
るため、ゲル状血液分離剤3の流動性が増し、血餅がゲ
ル状血液分離剤に混入しやすくなるため、分離操作後、
血餅が血液分離剤の表面すなわち血清中に残存すること
が減少し分離機能が向上する。したがって、より正確な
検査結果を得ることができる。
【0008】そこで、本発明の血液分離管を第1図に示
す実施例を用いて具体的に説明する。 この実施例の血
液分離管1は、有底管2と、有底管2内に収容されたゲ
ル状血液分離剤3と、その上に位置する粒子状物4と、
有底管2の開口部を封止する封止部材5とにより構成さ
れており、有底管2の内部は、所定の採血量分だけ減圧
されている。
【0009】有底管2は、一端が開口し、他端が閉塞し
た筒状体であり、閉塞端を除く部分は、略円筒状となっ
ている。また、図1に示すものでは、有底管2の開口部
に、有底管2の軸方向に直行して、外方に突出する環状
のフランジが設けられている。 有底管2の材質として
は、内部の減圧状態を維持するために、ガスバリヤー性
の高いものが好ましく、例えば、ガラス、アクリルニト
リル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレ
ート、PMMA(ポリメチルメタアクリレート)、ポリ
エルテル樹脂等を用いることが好ましい。
【0010】また、有底管2をガスバリヤー性の低い材
質(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチ
レンなど)で形成した場合は、有底管2の表面(例え
ば、外面)にポリビニルアルコール、エチレン−ビニル
アルコール共重合体等のガスバリヤー性を有する被膜を
コーティングすること、また有底管2の内部の減圧状態
を維持するために、包装形態を工夫することにより使用
することができる。また、ポリ塩化ビニルで有底管2を
形成した場合は、塩化ビニル中に含まれる安定剤が、採
取された血液中に溶出するのを防止するために、有底管
2の内面に溶出防止剤をコーティングすることが好まし
い。さらに、疎水性合成樹脂を用いて、有底管2を形成
した場合は、内面を親水化処理し、有底管2の内面に血
球の付着を防止することが好ましい。親水化処理として
は、有底管2の内面に親水性物質(例えば、水溶性シリ
コーン、PVA、PVPなど)をコーティングすること
により行うことができる。
【0011】さらに、有底管2には、ヘパリン粉末、E
DTA−2K等の血液抗凝固剤を有底管2の内面に付着
あるいは収納してもよい。また、逆に、血液凝固促進剤
を内面に付着あるいは収納させてもよく、さらには、ろ
紙、不織布などに血液凝固促進剤を付着あるいは含浸さ
せたものを有底管2内に封入してもよい。凝固促進剤と
しては、例えば、大きさ0.4〜20ミクロンの珪砂の
他、大きさ5ミクロン以下で平均粒径1.1ミクロンの
結晶シリカ(例えばペンシルバニア・グラス・サンド社
製,商品名 Min−U−Sil)、珪藻土、ガラス微
粉末、カオリン、ベントナイト、硫酸プロタミンおよび
トロンビンなどである。
【0012】そして、本発明の血液分離管1には、下層
を構成するゲル状血液分離剤3と、このゲル状血液分離
剤3の上に設けられ、上層を構成する粒子状物4とが収
納されている。そして、このゲル状血液分離剤3は、血
餅成分と血清成分または血球成分と血漿成分との中間比
重を有している。
【0013】ゲル状血液分離剤3としては、常温常圧で
ゲル状をなし、遠心分離時にゾル状となるいわゆるチキ
ソトロピー性ゲル状血液分離剤が使用される。また、ゲ
ル状血液分離剤3は、主成分と粘度、比重、チキソトロ
ピー性調整剤とからなり、主成分の例としては、各種の
ポリエステル、ポリブデン、ポリブタジエン、液状ポリ
プロピレン等の炭化水素、シリコーン例えばメチル塩素
化フェニルシリコーン(東芝シリコーンTSF44D、
比重1.035、粘度100〜150cp)およびα−
オレフィンとα,β−不飽和ジカルボン酸アルキルエス
テルとの共重合体が挙げられる。特に良好なのは、粘度
5000〜200000cp(25℃)、比重1.00
〜1.038(25℃)のα−オレフィンとα,β−不
飽和ジカルボン酸ジアルキルエステルとの共重合体であ
る。この共重合体は、淡黄色で透明・無臭であって血液
に対して不活性であり、血液の吸着、溶出等の現象を生
じさせるおそれがなく、経時的にも安定である。α−オ
レフィンとα,β−不飽和ジカルボン酸ジアルキルエス
テルとの共重合体の好適な例としては、炭素原子数2〜
22のα−オレフィンと、α,β−不飽和ジカルボン酸
の炭素原子数1〜20のジアルキルエステルとの共重合
体が挙げられる。また、α,β−不飽和ジカルボン酸と
しては、マレイン酸またはフマル酸が特に好適である。
α−オレフィン・マレイン酸ジアルキルエステル共重合
体の好適な例としては、α−オレフィン成分が炭素原子
数12と14の組合わせからなるn−α−オレフィン・
マレイン酸ジメチルエステル共重合体[平均分子量20
00〜5000、比重1.00〜1.035(25
℃)、粘度10000〜120000cp(25
℃)]、α−オレフィン成分が炭素原子数6と8の組合
わせからなるn−α−オレフィン・マレイン酸ジメチル
エステル共重合体[平均分子量2000〜4000、比
重1.035(25℃)、粘度10000〜12000
0cp(25℃)]、α−オレフィン成分が炭素原子数
16と18の組合わせからなるn−α−オレフィン・マ
レイン酸ジエチルエステル共重合体[平均分子量300
0〜4000、比重0.995(28℃)、粘度100
00cp(25℃)]等が挙げられる。また、α−オレ
フィン・フマル酸ジメチルエステル共重合体[平均分子
量2000〜5000、比重1.00〜1.035(2
5℃)、粘度10000〜200000cp(25
℃)]、α−オレフィン・フマル酸ジメチルエステル共
重合体[平均分子量2000〜4000、比重1.03
0〜1.035(25℃)、粘度10000〜2000
00cp(25℃)]等が挙げられる。本発明のゲル状
血液分離剤3の主成分としては、これらの共重合体を所
望により適宜混合して使用することもできる。
【0014】本発明のゲル状血液分離剤に添加される比
重、粘度、チキソトロピー性調整剤としては、無機質微
粉末、例えば焼成シリカ微粉末、沈降シリカ微粉末、ま
た、スメクタイト粘度の脂肪族アミン誘導体、ソルビト
ール類などのポリオレフィンなどの核剤として使用され
る高安定性有機微粉末などが好適に使用される。より具
体的には、シリカ微粉末(商品名アエロジル、日本アエ
ロジル株式会社)、スメクタイト粘土の脂肪族第1アミ
ン、脂肪族第2アミン、脂肪族第3アミン、脂肪族第4
アミンの各誘導体を用いることができる。スメクタイト
粘土としては、その脂肪族第4アミン誘導体が特に好ま
しく、具体例としては、商品名ベントン34、ベントン
38、ベントン27、ベントン128(NLインダスト
リー社製のスメクタイト粘土の第4アンモニウム塩によ
る誘導体)などのスメクタイト粘土のC 8〜C 24の脂
肪族アミン誘導体、さらに、ソルビトール類としては、
ジベンジリデンソルビトール、トリベンジリデンソルビ
トール、アルキル置換ジベンジリデンソルビトールなど
を使用することができる。
【0015】本発明においては、これらα−オレフィン
・マレイン酸(またはフマル酸)ジエステル共重合体、
粘度・比重調整剤、ゲル化剤のほか、さらに必要に応じ
て非イオン系の界面活性剤(例えばポリオキシエチレン
硬化ひまし油モノラウレート、ポリオキシエチレン硬化
ひまし油トリイソステアレート等)を添加してもよい。
この界面活性剤を少量添加(例えば、0.47〜2.
7重量%)することにより、長時間の放置により生ずる
おそれのある相分離を防止することができ、かつ非イオ
ン系のため溶血等が生ずることもない。特に、粘度・比
重調整剤として、シリカのみを使用する場合には有用で
ある。
【0016】なお、下層部のゲル状血液分離剤3の粘度
が高く、通常の遠心力では浮上しにくい場合等には、図
1に示すように、血液分離剤表面にあらかじめくぼみを
形成し、浮上の促進を図るようにしてもよい。
【0017】さらに、粒子状物4は、血餅成分と血清成
分または血球成分と血漿成分との中間比重を有し、か
つ、ゲル状血液分離剤3より低い比重を有している。こ
のゲル状血液分離剤3との比重差は、0.002〜0.
022が好ましく、特に、0.002〜0.012が好
ましい。粒子状物4の形状は、球体が好ましいが、完全
な球体でなくてもよい。 粒子状物4の粒径は、0.
2〜3.0mmが好ましく、特に、1.0〜3.0mm
が好ましい。 粒子状物4の成分材料は、例えば、ビー
ズ状のポリスチレン、AS樹脂、ポリカーボネート樹脂
等の合成樹脂がある。これらの合成樹脂を親水化処理し
たものを使用することも可能である。また、粒子状物4
の表面に血液凝固促進剤を付着させてもよい。凝固促進
剤としては、例えば、大きさ0.4〜20ミクロンの珪
砂の他、大きさ5ミクロン以下で平均粒径1.1ミクロ
ンの結晶シリカ(例えばペンシルバニア・グラス・サン
ド社製,商品名 Min−U−Sil)、珪藻土、ガラ
ス微粉末、カオリン、ベントナイト、硫酸プロタミンお
よびトロンビンなどである。なお、粒子状物4は、ゲル
状血液分離剤3より比重が低いものを用いる必要がある
が、中空化処理によって比重調整したものでもよい。た
だし、材質的に血液に対して不活性であり、血液の吸
着、溶出等の現象を生じさせるものであってはならな
い。
【0018】そして、封止部材5は、例えば、天然ゴ
ム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴ
ム等のゴム材質、またはスチレン−ブタジエン−スチレ
ン(SBS)ブロック共重合体等の熱可塑性エラストマ
ーなどの樹脂により形成されている。
【0019】
【実施例】
(実施例1)有底管として、内径13.6mmの洗浄ガ
ラス試験管を用いた。粒子状物として、ポリスチレンビ
ーズ[粒径約1.60mm、比重1.044(20
℃)]を使用し、ゲル状血液分離剤として、ベースポリ
マーに粘度6万cp(25℃)α−オレフィン・マレイ
ン酸ジエステル共重合体を用い、これに粘度、比重調整
剤として、シリカ微粉末(商品名アエロジルR−97
2、日本アエロジル株式会社製)、チキソトロピー付与
剤としてスメクタイト粘土変成粉末(商品名ベントン3
8、NLインダストリー株式会社製)を用いた。そし
て、有底管の管底部に比重1.048のゲル状血液分離
剤1.5gを注入し、その上に粒子状物0.3gを入
れ、本発明の血液分離管を作成した。
【0020】(実施例2)粒子状物として、実施例1と
同一のものを同量使用し、ゲル状血液分離剤として、実
施例1のゲル状血液分離剤に使用したものと同じ材料を
用い、シリカ微粉末の量を調整して、比重を1.052
としたもの1.5gを有底管に収納して本発明の血液分
離管を作成した。
【0021】(実施例3)粒子状物として、実施例1と
同一のものを同量使用し、ゲル状血液分離剤として、実
施例1のゲル状血液分離剤に使用したものと同じ材料を
用い、シリカ微粉末の量を調整して、比重を1.046
としたもの1.5gを有底管に収納して本発明の血液分
離管を作成した。
【0022】(比較例1)粒子状物として、実施例1と
同一のものを同量使用し、ゲル状血液分離剤として、実
施例1のゲル状血液分離剤に使用したものと同じ材料を
用い、シリカ微粉末の量を調整して、比重を1.038
としたもの1.5gを有底管に収納して血液分離管を作
成した。
【0023】(比較例2)比較例1にて使用したものと
同じゲル状血液分離剤[比重(1.038)]1.8g
のみを、有底管の管底に収納して血液分離管を作成し
た。
【0024】(比較例3)実施例1にて使用したものと
同じゲル状血液分離剤[比重(1.048)]1.8g
のみを有底管の管底に収納して血液分離管を作成した。
【0025】(比較例4)粒子状物として、実施例1に
て使用したものと同一のものを同量、および実施例1の
ゲル状血液分離剤の代わりに、エポキシ化シスポリブタ
ジエン(液状ポリマー)とアエロジル(商品名、日本ア
エロジル社製の疎水性シリカ微粉末)とにより、比重を
1.048に調整したもの1.5gを有底管に収納して
血液分離管を作成した。
【0026】[実験]実施例1〜3および比較例4〜7
の採血管にそれぞれ人体静脈より全血9mlを採取し、
血液が充分に凝固した後、1200Gで10分間遠心分
離し、血液分離剤上面が赤血球で何割覆われているかを
目視で判定した。その結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】上述の実験結果から明らかなように、本発
明の採血管では、血液分離剤が浮遊赤血球の血液分離剤
上への残留を著しく減少させることができる。
【0029】
【作用】本発明の血液分離管の作用を、図1に示した実
施例を用いて説明する。血液分離管1を用いて、血液採
取を行なう場合、採血器具(図示せず)に取り付けられ
た採血針(図示せず)を血管に穿刺する。次に、血液分
離管を採血針の後端に形成されている穿刺針(図示せ
ず)の先端が、血液分離管の封止部材5を刺通し、血液
分離管の内部に達するまで採血器具に挿入すると、血液
分離管内には、その減圧量に応じた量の血液が流入す
る。採血が完了したのち、採血器具より血液分離管を抜
去する。採血が完了した血液分離管は、必要により遠心
分離された後、自動検査装置などに運ばれ必要な検査が
行なわれる。採血した本発明の血液分離管1を直立状態
に置くと、当初は、図2に示すように、血餅成分と血清
成分との中間の比重を有する粒子状物4の一部が、有底
管2内を浮上し全血の中を浮遊する。そして、血液凝固
完了後、この血液分離管1を遠心分離器にかけ、遠心分
離操作を行うと、図3に示すように、有底管2の底部方
向にかかった遠心力により、ゲル状血液分離剤3はゾル
化し、かつ、血餅成分と血清成分の中間の比重を有する
ため、有底管2内を浮上していく。そして、さらに、こ
の遠心分離操作が進むと、図4に示すように、全血は下
層の血餅成分と上層の血清成分とに分離される。しか
し、血餅成分中の血球のすべてが下層に行かず、ごくわ
ずかな血球が両者の界面付近を浮遊している。しかし、
この分離管1では、界面付近を浮遊する残存血球は、粒
子状物4に付着しゲル状血液分離剤3に混入し、また、
粒子状物4がゲル状血液分離剤3に剪断力を加えるた
め、ゲル状血液分離剤3の流動性が増し、血餅がゲル状
血液分離剤に混入しやすくなっているため、最終的に
は、図5に示すように、大部分の残存血球が粒子状物4
とゲル状血液分離剤3とで形成される分離隔壁層内に取
り込まれることとなる。よって、遠心分離操作後、血液
分離剤の上面すなわち血清中に血球が残存することが減
少し、分離機能が向上する。
【0030】
【発明の効果】本発明の血液分離管は、有底管と、該有
底管の管底部に収納されたチキソトロピー性を有するゲ
ル状血液分離剤と、前記有底管の底部かつ該ゲル状血液
分離剤の上に収納された粒子状物とを有し、前記ゲル状
血液分離剤および前記粒子状物は、血餅成分と血清成分
または血球成分と血漿成分との中間比重を有するととも
に、前記粒子状物は、前記ゲル状血液分離剤より比重が
小さいことを特徴とするものであるので、この血液分離
管を用いると、採血前に管内が汚染されることがなく、
また、保存時やデカンテーション時に隔壁層が崩れるこ
とがなく、さらに、遠心分離操作後に血清中に残留する
血球が、分離隔壁層内に取り込まれ、遠心分離操作後、
血液分離剤の上面すなわち血漿中に血球が残存すること
が減少し、分離機能が向上する。よって、より正確な検
査結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施例の血液分離管の断面
図である。
【図2】図2は、本発明の血液分離管の作用を説明する
ための説明図である。
【図3】図3は、本発明の血液分離管の作用を説明する
ための説明図である。
【図4】図4は、本発明の血液分離管の作用を説明する
ための説明図である。
【図5】図5は、本発明の血液分離管の作用を説明する
ための説明図である。
【符号の説明】
1 血液分離管 2 有底管 3 ゲル状血液分離剤 4 粒子状物 5 封止部材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有底管と、該有底管の管底部に収納され
    たチキソトロピー性を有するゲル状血液分離剤と、前記
    有底管の底部かつ該ゲル状血液分離剤の上に収納された
    粒子状物とを有し、前記ゲル状血液分離剤および前記粒
    子状物は、血餅成分と血清成分または血球成分と血漿成
    分との中間比重を有するとともに、前記粒子状物は、前
    記ゲル状血液分離剤より比重が小さいことを特徴とする
    血液分離管。
  2. 【請求項2】 前記ゲル状血液分離剤および前記粒子状
    物は、比重が、1.028〜1.080(25℃)の範
    囲内である請求項1に記載の血液分離管。
  3. 【請求項3】 前記ゲル状血液分離剤は、粘度が、10
    00〜150万cp(25℃)の範囲内である請求項1
    または2に記載の血液分離管。
  4. 【請求項4】 前記ゲル状血液分離剤と前記粒子状物
    は、その比重差が、0.002以上である請求項1ない
    し3のいずれかに記載の血液分離管。
  5. 【請求項5】 前記粒子状物は、表面に凝固促進剤が
    付着している請求項1ないし4のいずれかに記載の血液
    分離管。
  6. 【請求項6】 前記粒子状物は、粒径が0.2〜3mm
    である請求項1ないし5のいずれかに記載の血液分離
    管。
JP29073591A 1991-10-08 1991-10-08 血液分離管 Pending JPH0599917A (ja)

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JP29073591A JPH0599917A (ja) 1991-10-08 1991-10-08 血液分離管

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