JPH0599813A - マイクロ分光分析方法およびその方法に用いるサンプル台 - Google Patents

マイクロ分光分析方法およびその方法に用いるサンプル台

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JPH0599813A
JPH0599813A JP28556691A JP28556691A JPH0599813A JP H0599813 A JPH0599813 A JP H0599813A JP 28556691 A JP28556691 A JP 28556691A JP 28556691 A JP28556691 A JP 28556691A JP H0599813 A JPH0599813 A JP H0599813A
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infrared
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JP28556691A
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Masahiko Ikeda
昌彦 池田
Hiroshi Uchihara
博 内原
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Horiba Ltd
Original Assignee
Horiba Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】溶液の拡散を制限させた状態で溶液中の溶媒を
蒸発させて、溶液中の試料を拡がりの小さい厚みのある
ものにして、サンプル台上の所定位置に整然と並べて形
成し、試料が微小かつ微量の試料であっても高感度で、
かつ、自動化が可能な状態で分析できるようにする。 【構成】フッ素系樹脂の薄膜上にピンホールを形成し、
このピンホール形成部位に溶液を滴下させて溶媒を蒸発
させ、ピンホールを中心にして試料を凝縮させる。この
試料に照射させた赤外線の反射スペクトルを基にして、
例えば有機物の分析を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロ分光分析方法
およびその方法に用いるサンプル台に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えば顕微FTIR(フーリエ変換赤外
線分光光度計)やビームコンデンサ付きFTIR、その
他、集光レンズ付きFTIR等を用いたマイクロ分光分
析方法は、微小かつ微量の有機物分析にとって好適な方
法であるが、これまでの微量試料の凝縮手段では凝縮試
料が拡散して厚みが薄くなり、高感度分析のネックとな
っている。
【0003】即ち従来は、例えば溶媒に試料を含ませた
溶液を、分取器などの器具を用いて鏡面加工された金属
製のベース上に微量滴下させ、かつ、当該溶液中の溶媒
を蒸発させて試料をベース上で凝縮させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この凝縮手段
では、ベース上に滴下させた溶液が当該ベースの鏡面を
舐めるようにして拡がって、試料が島状に拡散して凝縮
することから、試料の厚みが薄くなるものであった。
【0005】より具体的には、10μリットルの流動パラ
フィンを 100mリットルのアセトンに溶解させた溶液の
1μリットルをベース上に滴下させた場合、この溶液は
直ちに3〜5mmφに拡がり、周辺部から溶媒の蒸発が
始まると同時に溶解した試料が無数の島となって、それ
らが3〜5mmφの環状に凝縮し、厚みが極めて薄くな
るものであった。
【0006】これでは赤外線の吸収強度が不十分で、顕
微FTIR/FT−530(株式会社堀場製作所製)に
よって赤外線の透過率を測定したところ、図13に示す
ように、波数1450cm-1近辺での赤外線の透過率は9
8%程度であって、吸光度が0.01と極めて低く、顕微分
光分析方法による高感度分析が困難であった。
【0007】また、上記溶液の拡がりには方向性がない
ことから試料の凝縮位置が所定通りに定まり難く、これ
が分光分析を自動化する上でのネックとなっている。更
に、サンプル台の大きさの割に溶液の多点滴下を行なわ
せるように、溶液の滴下位置を近付けると、溶液の拡が
り様によっては滴下された溶液どうしがくっついたり、
既に凝縮している試料に触れるように溶液が滴下された
場合には、凝縮試料に吸い付けられるようにして溶液が
凝縮されたりする不都合があった。
【0008】本発明は、かゝる実情に鑑みて成されたも
のであって、試料を凝集させて凝縮させる手段を開発
し、試料が微小かつ微量の試料であっても、これを高感
度で分析することができるに至ったマイクロ分光分析方
法と、その方法に用いて好適なサンプル台を提供するこ
とを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するに
至った第1及び第2発明によるマイクロ分光分析方法は
所謂赤外線反射タイプの分析方法であり、第3及び第4
発明によるマイクロ分光分析方法は所謂赤外線透過タイ
プの分析方法である。
【0010】第1発明による赤外線反射タイプのマイク
ロ分光分析方法は、サンプル台の赤外線反射部材に付さ
れたフッ素系樹脂の薄膜上に、溶媒に試料を含ませた溶
液の凝縮核となるピンホールを所定間隔を隔てて形成
し、当該ピンホールの形成部位に前記溶液の微量を滴下
させて溶媒の蒸発により試料を凝縮させ、この凝縮試料
をサンプル台ごとマイクロ分光分析部に位置させて凝縮
試料に赤外線を照射し、当該凝縮試料を通して赤外線反
射部材から反射されたスペクトルを測定することを特徴
としている。
【0011】第2発明による赤外線反射赤外線透過タイ
プのタイプのマイクロ分光分析方法は、フッ素系樹脂の
ベース上に、溶媒に試料を含ませた溶液の凝縮核となる
ピンホールを所定間隔を隔てて形成し、当該ピンホール
の形成部位に前記溶液の微量を滴下させて溶媒の蒸発に
より試料を凝縮させ、この凝縮試料を赤外線反射部材に
転写させて、この転写試料を赤外線反射部材ごとマイク
ロ分光分析部に位置させて凝縮試料に赤外線を照射し、
当該凝縮試料を通して赤外線反射部材から反射されたス
ペクトルを測定することを特徴としている。
【0012】第3発明による赤外線透過タイプのマイク
ロ分光分析方法は、赤外線透過部材にフッ素系樹脂の薄
膜を付したサンプル台の前記薄膜上に、溶媒に試料を含
ませた溶液の凝縮核となるピンホールを所定間隔を隔て
て形成し、当該ピンホールの形成部位に前記溶液の微量
を滴下させて溶媒の蒸発により試料を凝縮させ、この凝
縮試料をサンプル台ごとマイクロ分光分析部に位置させ
て凝縮試料に赤外線を照射し、当該凝縮試料およびサン
プル台を透過したスペクトルを測定することを特徴とし
ている。
【0013】第4発明による赤外線透過タイプのマイク
ロ分光分析方法は、フッ素系樹脂のベース上に、溶媒に
試料を含ませた溶液の凝縮核となるピンホールを所定間
隔を隔てて形成し、当該ピンホールの形成部位に前記溶
液の微量を滴下させて溶媒の蒸発により試料を凝縮さ
せ、この凝縮試料を赤外線透過部材に転写させて、この
転写試料を赤外線透過部材ごとマイクロ分光分析部に位
置させて凝縮試料に赤外線を照射し、当該凝縮試料およ
び赤外線透過部材を透過したスペクトルを測定すること
を特徴としている。
【0014】一方、第5乃至第7発明はサンプル台に関
する発明であって、第5発明によるサンプル台は、鏡面
加工された赤外線反射部材の鏡面部にフッ素系樹脂の薄
膜を付し、かつ、当該薄膜上に、溶媒に試料を含ませた
溶液の凝縮核となるピンホールを所定間隔を隔てて形成
した点に特徴を有し、第6発明によるサンプル台は、赤
外線透過部材の上面にフッ素系樹脂の薄膜を付し、か
つ、当該薄膜上に、溶媒に試料を含ませた溶液の凝縮核
となるピンホールを所定間隔を隔てて形成した点に特徴
がある。そして、第7発明によるサンプル台は、溶媒に
試料を含ませた溶液の凝縮核となるピンホールを所定間
隔を隔てて形成したフッ素系樹脂のベースと、当該ベー
ス上で凝縮された試料を転写させるための赤外線透過部
材とから成る点に特徴がある。
【0015】
【作用】第1乃至第4発明によれば、フッ素系樹脂が性
状的に撥水性に富むことから、このフッ素系樹脂表面の
ピンホール形成部位に滴下された溶液は、表面張力で拡
散が制限されてピンホールまわりで球形を保つようにな
り、かつ、溶媒の蒸発に伴って前記ピンホールを凝縮核
にして、その球形の直径を順次小とするように不揮発性
物質すなわち試料が凝集濃縮され、最後には、ピンホー
ルを中心にして所定位置に整然と並んだ拡がりが小さく
て厚みのある凝縮試料が得られる。
【0016】而して、凝縮試料の厚みが厚くなったこと
で、マイクロ分光分析部での試料の赤外線吸収強度が高
くなり、その結果、試料が微小かつ微量の試料であって
も、これを赤外線の反射あるいは透過による分析方法に
よって高感度で分析することができ、かつ、凝縮試料が
ピンホールを中心にして整然と並ぶので分光分析の自動
化も可能となる。
【0017】そして第5乃至第7発明によるサンプル台
によれば、拡がりが小さくて厚みのある凝縮試料を、ピ
ンホールを中心にして所定位置に整然と並ばせて形成す
ることができるので、分光分析を自動化する上で好適で
ある。しかも、溶液の滴下位置を近付けても溶液どうし
や凝縮試料と溶液とのくっつきが生じ難くなり、サンプ
ル台の大きさの割に溶液の多点滴下が達成される。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明による赤外線の反射によるマイクロ
分光分析方法を説明するための原理図で、図において、
1は試料(微量であるが、以下、誇張して大きく示
す。)Sを担持するためのサンプル台で、例えばFTI
Rのマイクロ分光分析部に配置される。
【0019】2はサンプル台1上の試料Sに赤外線IR
を照射するための光源、3は試料Sからの赤外線の反射
スペクトルを測定するためのスペクトル測定器で、この
測定器3による反射スペクトルの測定情報を基にして試
料の定量分析や定性分析等が行われる。
【0020】この実施例におけるサンプル台1は、鏡面
加工された金属製の赤外線反射部材4の鏡面部に、厚さ
が例えば25μm(一例であり、赤外線の吸収を抑止さ
せる上からは16μmあるいは8μmなど薄いほど好ま
しい)の撥水性に富むフッ素系樹脂の薄膜5を付して成
り、前記測定器3は、前記試料Sおよびフッ素系樹脂の
薄膜5を通して赤外線反射部材4で反射されたスペクト
ルを測定する。
【0021】前記サンプル台1の薄膜5上には、図2に
誇張して示すように、縦横に所定間隔を隔てて多数のピ
ンホール(薄膜5を貫通しているが、窪みの形状であっ
てもよい)aが形成されている。このピンホールaは、
例えばメタノールやエタノールなどの溶媒に試料(例え
ば液体クロマトグラフイによって分離された溶出物)S
を含ませた溶液Lの凝縮核となるもので、具体的には、
例えば錐先によって直径が200μm(更に小径である
ことが望ましい)程度のピンホールaを5mm間隔で形
成してあり、図1に示す試料Sは次のようにして薄膜5
上に担持されている。
【0022】即ち、例えば分取器などの器具を用いて、
図2に示すように、溶媒に試料Sを含ませた溶液Lの微
量を、薄膜5上のピンホールa形成部位に滴下させる。
この時、溶媒として例えば上記したようにメタノールや
エタノールを選択した場合でも、フッ素系樹脂の薄膜5
は性状的に撥水性に富むことから、このフッ素系樹脂の
薄膜5上に滴下された溶液Lは拡散が制限され、図3に
示すように、表面張力で球形を保つことになる。この滴
下によって球形になった溶液Lの直径が2mm程度にな
るように、溶液Lの滴下量を規定している。
【0023】そして図4に示すように、前記溶液L中の
溶媒を蒸発(自然蒸発或いはヒーター等で強制蒸発)さ
せると、前記溶液Lは球形を保ちつつ小径化されて不揮
発性物質すなわち試料Sが凝縮され、最後には図5に示
すように、前記フッ素系樹脂の薄膜5上に試料Sのみの
凝縮物が形成されることになる。
【0024】この溶液Lが凝縮する際には、溶液Lの表
面張力によって、より大きな固体表面張力を示すピンホ
ールaを中心にして、当該ピンホールaに引き寄せられ
るようにして凝縮されるもので、図2および図6に示す
ように、薄膜5上のピンホールa形成部位に滴下された
溶液Lの中心がピンホールaの中心から外れていても、
凝縮試料Sはピンホールaの中心まわりに整然と形成さ
れることになり、試料Sの分光分析を自動化する上で好
適である。
【0025】この凝縮試料Sは、それまでの過程での溶
液Lの拡散制限によって厚みのある拡がりの小さいもの
となっており、因に、10μリットルの流動パラフィンを
100mリットルのアセトンに溶解させた溶液Lの1μリ
ットルをフッ素系樹脂の薄膜5上に滴下させた場合、こ
の溶液Lは球形を呈して球面の周辺部から溶媒が蒸発
し、試料Sが 100μmφ程度の厚みのある円形状に凝縮
した。
【0026】この凝縮試料Sをサンプル台1ごとマイク
ロ分光分析部に位置させてマイクロ分光分析を行うので
あるが、好ましくは図7に示すように、適宜の加圧手段
6によって前記凝縮試料Sをプレスして平坦化させて測
定感度を向上させることである。
【0027】而して、上記の凝縮試料Sは厚みが厚いの
で、マイクロ分光分析部での試料Sの赤外線吸収強度が
高くなり、顕微FTIR/FT−530(株式会社堀場
製作所製)によって赤外線の透過率を測定したところ、
図8に示すように、波数1450cm-1近辺での赤外線の
透過率は10%程度であって、吸光度は 1.0と極めて高
く、既述した従来の手段に比較して、吸光割合が 100倍
になり、反射スペクトルの測定による試料分析が高感度
(従来に比べて 100倍の感度向上)で達成される。
【0028】尚、上記溶液L中の溶媒の蒸発は、自然蒸
発に頼る以外にヒーター等で強制蒸発させるもよく、こ
の時、溶媒の蒸発速度を余り速くすると、試料Sの凝集
が遅れ勝ちとなって凝縮試料Sが拡がり気味になり、凝
縮試料Sの厚みが薄くなる懸念がある。
【0029】この溶媒の強制蒸発の速度をコントロール
するための手段7を図9に示す。この蒸発速度のコント
ロール手段7は、下面にヒーター8を備えた架台9と、
この架台9上に載置される密閉容器10から成るもので、
前記密閉容器10には、排気コントロールバルブ11を備え
た細管12が貫設されている。
【0030】かゝる構成によれば、前記架台9上にサン
プル台1を位置させて、このサンプル台1の薄膜5上に
微量の溶液Lを滴下させると共に、当該サンプル台1を
覆うように前記架台9上に密閉容器10を載置させてヒー
ター8を発熱させ、かつ、コントロールバルブ11によっ
て排気量をコントロールさせることで、前記溶液L中の
溶媒が飽和蒸発の存在下で蒸発すると共に、その溶媒の
蒸発速度が制御されるもので、試料Sの集中性が向上す
るのみならず、溶液Lひいては凝縮試料Sの外気汚染も
防止される。
【0031】図10は赤外線反射の分析方法に用いられ
る別実施例のサンプル台1を示し、溶液Lの凝縮核とな
るピンホールaが所定間隔を隔てて形成された薄膜であ
ることを問わないフッ素系樹脂のベース13と、このベー
ス13上で凝縮された試料Sを転写させるための赤外線反
射部材14とから成り、より詳しくは、図3〜5で示した
手段によって試料Sをピンホールaまわりに凝縮させる
フッ素系樹脂のベース13と、この凝縮試料Sを転写して
担持し且つマイクロ分光分析部に位置されるところの、
試料担持面が鏡面加工された赤外線反射部材14とから成
る。尚、上記のベース13を厚みのあるものにする場合
は、ピンホールaは窪みの形状に形成される。
【0032】かゝる構成によれば、光源2から照射され
た赤外線は転写試料Sに吸収されて赤外線反射部材14で
反射され、その反射された赤外線のスペクトルが測定器
3によって測定されるもので、図1に示したマイクロ分
光分析方法に比べて、赤外線の反射面部にフッ素系樹脂
の薄膜5が存在しないことで、測定感度が高くなる利点
がある。
【0033】図11は本発明による赤外線の透過による
マイクロ分光分析方法を説明するための原理図で、この
図において、1は試料Sを担持するためのサンプル台、
2は試料Sに赤外線IRを照射するための光源、15,16
は集光鏡、17,18はビームコンデンサ、19はマスク、3
は試料Sを透過した後の赤外線の透過スペクトルを測定
するためのスペクトル測定器で、この測定器3による透
過スペクトルの測定情報を基にして試料の定量分析や定
性分析等が行われる。
【0034】前記ビームコンデンサ17,18は集光効率を
アップさせるために設けたもので、当該ビームコンデン
サ17,18を省略し、試料Sへの入射光路の途中に集光レ
ンズを配置しても集光効率のアップが達成される。
【0035】この実施例におけるサンプル台1は、例え
ばKBrの結晶から成る赤外線透過部材20にフッ素系樹
脂の薄膜21を付し、かつ、この薄膜21上に溶液Lの凝縮
核となるピンホールaを所定間隔を隔てて形成したもの
で、前記赤外線透過部材20としては赤外線を良好に透過
させるもの、即ち、KBrの他にNaClやCaF2
どのアルカリハライド系の材料から成る結晶体やフィル
ムを選択でき、好ましくは、潮解性の小さいものを選択
する。尚、強度的な問題がなければ、前記赤外線透過部
材20を省略し、フッ素系樹脂の薄膜21のみでサンプル台
1を構成することも可能である。
【0036】図12は赤外線透過の分析方法に用いられ
る別実施例のサンプル台1を示し、溶液Lの凝縮核とな
るピンホールaが所定間隔を隔てて形成された薄膜であ
ることを問わないフッ素系樹脂のベース22と、このベー
ス22上で凝縮された試料Sを転写させるための赤外線透
過部材23とから成り、より詳しくは、図3〜5で示した
手段によって試料Sをピンホールaまわりに凝縮させる
フッ素系樹脂のベース22と、この凝縮試料Sを転写して
担持し且つマイクロ分光分析部に位置されるところの、
KBrやNaClなどのアルカリハライド系材料の結晶
体やフィルム等の赤外線反射部材23とから成る。
【0037】かゝる構成によれば、光源2から照射され
た赤外線は転写試料Sに吸収されて赤外線透過部材23を
透過し、その透過された赤外線のスペクトルが測定器3
によって測定されるもので、図11に示したマイクロ分
光分析方法に比べて、赤外線の透過部にフッ素系樹脂の
薄膜21が存在しないので、測定感度が高くなる利点があ
る。
【0038】尚、前記赤外線反射部材4にフッ素系樹脂
の薄膜5を付する手段、あるいは、赤外線透過部材20に
フッ素系樹脂の薄膜21を付する手段としては、コーティ
ング(デイスパージョン)やフッ素系樹脂フイルムの貼
着といった手段を任意に選択することができる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明のマイクロ分
光分析方法は、撥水性に富むフッ素系樹脂によって拡散
を制限させた状態で溶液中の溶媒を蒸発させて、溶液に
含まれる試料をピンホールまわりに凝集させつつ凝縮さ
せ、凝縮試料を拡がりの小さい厚みのあるものにして、
この凝縮試料を赤外線反射法あるいは吸収法によってマ
イクロ分光分析させるものであって、凝縮試料の厚みを
従来に比べて飛躍的に厚くできることから当該凝縮試料
の赤外線吸収強度が高くなり、その結果、試料が微小か
つ微量の試料であっても、これを赤外線の反射あるいは
透過による分析法で高感度分析することができる。
【0040】しかも、凝縮試料がピンホールを中心にし
て整然と並ぶことになるので、分光分析を自動化するこ
とも容易に可能となり、あるいは、溶液が小さな球形に
なることから、溶液の滴下位置を近付けても溶液どうし
や凝縮試料と溶液とのくっつきが生じ難くなり、サンプ
ル台の大きさの割りに溶液を多点滴下させることが可能
となる。
【0041】一方、本発明のサンプル台によれば、上記
の方法に用いる上で好適な試料、即ち、拡がりが小さく
て厚みのある凝縮試料を、所定位置に整然と並ばせて形
成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】赤外線の反射によるマイクロ分光分析方法の原
理図である。
【図2】ピンホール形成部位に溶液を滴下させた状態の
平面図である。
【図3】サンプル台への溶液滴下の説明図である。
【図4】溶液中の溶媒の蒸発途中を示す説明図である。
【図5】試料の凝縮状態を示す説明図である。
【図6】サンプル台上での試料の凝縮状態を示す平面図
である。
【図7】凝縮試料を加圧して平坦化させた説明図であ
る。
【図8】本発明の試料による赤外線の透過特性図であ
る。
【図9】溶媒の蒸発速度コントロール手段の断面図であ
る。
【図10】赤外線反射の分析方法に用いられる別実施例
のサンプル台の説明図である。
【図11】赤外線の透過によるマイクロ分光分析方法の
原理図である。
【図12】赤外線透過の分析方法に用いられる別実施例
のサンプル台の説明図である。
【図13】従来の試料による赤外線の透過特性図であ
る。
【符号の説明】
1…サンプル台、4,14…赤外線反射部材、5,21…フ
ッ素系樹脂の薄膜、13,22…フッ素系樹脂のベース、2
0,23…赤外線透過部材、a…ピンホール、S…試料。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サンプル台の赤外線反射部材に付された
    フッ素系樹脂の薄膜上に、溶媒に試料を含ませた溶液の
    凝縮核となるピンホールを所定間隔を隔てて形成し、当
    該ピンホールの形成部位に前記溶液の微量を滴下させて
    溶媒の蒸発により試料を凝縮させ、この凝縮試料をサン
    プル台ごとマイクロ分光分析部に位置させて凝縮試料に
    赤外線を照射し、当該凝縮試料を通して赤外線反射部材
    から反射されたスペクトルを測定することを特徴とする
    マイクロ分光分析方法。
  2. 【請求項2】 フッ素系樹脂のベース上に、溶媒に試料
    を含ませた溶液の凝縮核となるピンホールを所定間隔を
    隔てて形成し、当該ピンホールの形成部位に前記溶液の
    微量を滴下させて溶媒の蒸発により試料を凝縮させ、こ
    の凝縮試料を赤外線反射部材に転写させて、この転写試
    料を赤外線反射部材ごとマイクロ分光分析部に位置させ
    て転写試料に赤外線を照射し、当該転写試料を通して赤
    外線反射部材から反射されたスペクトルを測定すること
    を特徴とするマイクロ分光分析方法。
  3. 【請求項3】 赤外線透過部材にフッ素系樹脂の薄膜を
    付したサンプル台の前記薄膜上に、溶媒に試料を含ませ
    た溶液の凝縮核となるピンホールを所定間隔を隔てて形
    成し、当該ピンホールの形成部位に前記溶液の微量を滴
    下させて溶媒の蒸発により試料を凝縮させ、この凝縮試
    料をサンプル台ごとマイクロ分光分析部に位置させて凝
    縮試料に赤外線を照射し、当該凝縮試料およびサンプル
    台を透過したスペクトルを測定することを特徴とするマ
    イクロ分光分析方法。
  4. 【請求項4】 フッ素系樹脂のベース上に、溶媒に試料
    を含ませた溶液の凝縮核となるピンホールを所定間隔を
    隔てて形成し、当該ピンホールの形成部位に前記溶液の
    微量を滴下させて溶媒の蒸発により試料を凝縮させ、こ
    の凝縮試料を赤外線透過部材に転写させて、この転写試
    料を赤外線透過部材ごとマイクロ分光分析部に位置させ
    て転写試料に赤外線を照射し、当該転写試料および赤外
    線透過部材を透過したスペクトルを測定することを特徴
    とするマイクロ分光分析方法。
  5. 【請求項5】 鏡面加工された赤外線反射部材の鏡面部
    にフッ素系樹脂の薄膜を付し、かつ、当該薄膜上に、溶
    媒に試料を含ませた溶液の凝縮核となるピンホールを所
    定間隔を隔てて形成して成ることを特徴とするサンプル
    台。
  6. 【請求項6】 赤外線透過部材の上面にフッ素系樹脂の
    薄膜を付し、かつ、当該薄膜上に、溶媒に試料を含ませ
    た溶液の凝縮核となるピンホールを所定間隔を隔てて形
    成して成ることを特徴とするサンプル台。
  7. 【請求項7】 溶媒に試料を含ませた溶液の凝縮核とな
    るピンホールを所定間隔を隔てて形成したフッ素系樹脂
    のベースと、当該ベース上で凝縮された試料を転写させ
    るための赤外線透過部材とから成ることを特徴とするサ
    ンプル台。
JP28556691A 1991-10-05 1991-10-05 マイクロ分光分析方法およびその方法に用いるサンプル台 Pending JPH0599813A (ja)

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