JPH05240785A - マイクロ分光分析方法およびその方法に用いるサンプ ル台 - Google Patents

マイクロ分光分析方法およびその方法に用いるサンプ ル台

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JPH05240785A
JPH05240785A JP7923792A JP7923792A JPH05240785A JP H05240785 A JPH05240785 A JP H05240785A JP 7923792 A JP7923792 A JP 7923792A JP 7923792 A JP7923792 A JP 7923792A JP H05240785 A JPH05240785 A JP H05240785A
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infrared
micro
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solvent
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JP7923792A
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Masahiko Ikeda
昌彦 池田
Hiroshi Uchihara
博 内原
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Horiba Ltd
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Horiba Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶液を効果的に凝縮させる手段を開発し、試
料となる溶液が微小かつ微量であっても、これを高感度
で分析することができるマイクロ分光分析方法と、その
方法に用いて好適なサンプル台を提供すること。 【構成】 サンプル台1の赤外線反射部材6に付された
フッ素樹脂の薄膜7の表面に所定間隔を隔ててレーザ光
または紫外線を照射して微小領域8の表面張力を低下さ
せ、この微小領域8に溶質を溶媒に含ませた微量の溶液
13を滴下して溶媒の蒸発により溶液13を凝縮させて試料
2とし、この試料2をサンプル台1ごとマイクロ分光分
析部に位置させてこれに赤外線4を照射し、試料2を通
して赤外線反射部材6から反射されたスペクトルを測定
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロ分光分析方法
およびその方法に用いるサンプル台に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えば顕微FTIR(フーリエ変換赤外
線分光光度計)やビームコンデンサ付きFTIR、その
他、集光レンズ付きFTIRなどを用いたマイクロ分光
分析方法は、微小かつ微量の有機物分析にとって好適な
方法であるが、これまでの微量試料の凝縮手段では試料
が拡散して厚みが薄くなり、高感度分析のネックとなっ
ている。
【0003】例えばフッ素樹脂の表面または金属表面に
コーティングしたフッ素膜表面に、溶媒に溶質を含ませ
た溶液を滴下すると、フッ素樹脂の表面張力が大きいた
め、その撥水性によって、溶媒の蒸発に従って溶液は局
所に集中する。具体的には、例えば 0.1μg/mlのト
リトンを含む1μlの水は滴下直後は直径3mmに広が
り、水の蒸発に従って直径は減少し、滴下して10分以内
にトリトンのみが直径100μmの残滓となる。
【0004】そして、前記撥水性が均一な場合、結晶性
の溶質は、蒸発過程で過飽和になり、結晶化が突然始ま
る。従って、溶媒が完全に蒸発する以前に残滓の大きさ
および場所がランダムになるが、溶質が数 100ng(ナ
ノグラム)以下の比較的微量の場合、溶質は直径数 100
μmの大きさで、その中心は溶液の滴下中心に対し数10
0μm程度以内になる。また、溶質が液体の場合、溶質
量は溶質の残留径の三乗に比例し、その中心位置は溶液
の滴下中心となる。
【0005】一方、フッ素樹脂上に異物が存在すると、
撥水性が不均一になり、溶質が液体の場合でも滴下位置
の中心と異なった場所に集中凝縮することになる。そし
て、結晶性の溶質は、同様に異物を中心に結晶化する。
溶媒が蒸発し、ngオーダーの溶質は、直径数10〜数 1
00μmの残滓となる。数多くの溶液を蒸発濃縮し、分析
のための試料にするためには、残滓の位置の制御のため
の核が必要となる。そのため、従来においては、 フッ素樹脂の中央部に時計皿状の小さい窪みを形成
し、溶液を重力によって窪みの底辺部分に集中させ、濃
縮する。 機械的または熱的にフッ素樹脂の微小部分を除去し、
フッ素樹脂の撥水性を除去する。 といった手法が考えられていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、分光学
的な測定において、フッ素樹脂上に凝縮した試料を他の
保持体に移転することなく、試料に対してエネルギーを
直接照射してその透過または反射エネルギーを測定する
場合、例えばFTIRによる反射測定を例にとれば、測
定対象外であるフッ素の影響を少なくし、かつ、反射効
率を保つためには、反射面は平面でなければならない。
そのため、実際には、前記の手法によって、厚さ10μ
m以下のフッ素膜に、直径4mmの球状または円錐状の
窪みを形成することはできない。
【0007】従って、前記の手法を採用することにな
るが、この手法においても、機械的除去を行った場合、
反射面の平面さを保つために保持体を傷つけずにフッ素
のみを10μm程度の微小領域において精度よく加工する
ことは困難である。従って、炭酸ガスレーザやYAGレ
ーザなどを用いてフッ素樹脂のみを溶融蒸発せざるを得
ないが、レーザのビーム径は最小でも30μmもあり、加
工部周辺にも不規則な熱影響が発生するため、50μm程
度の精密な位置制御が不可能である。
【0008】本発明は、上述の事柄に留意してなされた
もので、その目的とするところは、溶液を効果的に凝縮
させる手段を開発し、試料となる溶液が微小かつ微量で
あっても、これを高感度で分析することができるマイク
ロ分光分析方法と、その方法に用いて好適なサンプル台
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願では次のような手段を講じている。
【0010】すなわち、第1〜第4発明は、マイクロ分
光分析方法で、このうち、第1および第2発明は、所謂
赤外線反射タイプのマイクロ分光分析方法であり、第3
および第4発明は、所謂赤外線透過タイプのマイクロ分
光分析方法である。そして、第5〜第7発明は、マイク
ロ分光分析方法に用いるサンプル台である。
【0011】より具体的には、第1発明に係るマイクロ
分光分析方法は、サンプル台の赤外線反射部材に付され
たフッ素樹脂の薄膜の表面に所定間隔を隔ててレーザ光
または紫外線を照射して微小領域の表面張力を低下さ
せ、この微小領域に溶質を溶媒に含ませた微量の溶液を
滴下して溶媒の蒸発により溶液を凝縮させて試料とし、
この試料をサンプル台ごとマイクロ分光分析部に位置さ
せてこれに赤外線を照射し、試料を通して赤外線反射部
材から反射されたスペクトルを測定する点に特徴があ
る。
【0012】第2発明に係るマイクロ分光分析方法は、
フッ素樹脂製のベースの表面に所定間隔を隔ててレーザ
光または紫外線を照射して微小領域の表面張力を低下さ
せ、この微小領域に溶質を溶媒に含ませた微量の溶液を
滴下して溶媒の蒸発により溶液を凝縮させて試料とし、
この試料を赤外線反射部材に転写し、さらに、この転写
された試料を赤外線反射部材ごとマイクロ分光分析部に
位置させてこれに赤外線を照射し、試料を通して赤外線
反射部材から反射されたスペクトルを測定する点に特徴
がある。
【0013】第3発明に係るマイクロ分光分析方法は、
赤外線透過部材にフッ素樹脂の薄膜を付したサンプル台
の前記薄膜の表面に所定間隔を隔ててレーザ光または紫
外線を照射して微小領域の表面張力を低下させ、この微
小領域に溶質を溶媒に含ませた微量の溶液を滴下して溶
媒の蒸発により溶液を凝縮させて試料とし、この試料を
サンプル台ごとマイクロ分光分析部に位置させてこれに
赤外線を照射し、試料およびサンプル台を透過したスペ
クトルを測定する点に特徴がある。
【0014】第4発明に係るマイクロ分光分析方法は、
フッ素樹脂製のベース上の表面に所定間隔を隔ててレー
ザ光または紫外線を照射して微小領域の表面張力を低下
させ、この微小領域に溶質を溶媒に含ませた微量の溶液
を滴下して溶媒の蒸発により溶液を凝縮させて試料と
し、この試料を赤外線反射部材に転写し、さらに、この
転写試料を赤外線透過部材ごとマイクロ分光分析部に位
置させてこれに転写試料に赤外線を照射し、転写試料お
よび赤外線透過部材を透過したスペクトルを測定する点
に特徴がある。
【0015】第5発明に係るマイクロ分光分析方法に用
いるサンプル台は、鏡面加工された赤外線反射部材の鏡
面部にフッ素樹脂の薄膜を付し、この薄膜の表面に所定
間隔を隔ててレーザ光または紫外線を照射して微小領域
の表面張力を低下させた点に特徴がある。
【0016】第6発明に係るマイクロ分光分析方法に用
いるサンプル台は、赤外線透過部材の上面にフッ素樹脂
の薄膜を付し、この薄膜の表面に所定間隔を隔ててレー
ザ光または紫外線を照射して微小領域の表面張力を低下
させた点に特徴がある。
【0017】第7発明に係るマイクロ分光分析方法に用
いるサンプル台は、表面に所定間隔を隔ててレーザ光ま
たは紫外線を照射して微小領域の表面張力を低下させた
フッ素樹脂製のベースと、このベース上で凝縮された試
料を転写させるための赤外線透過部材とからなる点に特
徴がある。
【0018】
【作用】第1〜第4発明においては、フッ素樹脂表面の
微小領域(例えば20μm×20μm)を、レーザ光または
紫外線によって照射する。この照射によって撥水性に富
む樹脂表面が改質され、前記微小領域の表面張力が低下
する。この改質された微小領域(以下、改質微小領域と
云う)に滴下された溶液は、改質微小領域の周囲のフッ
素樹脂部分による表面張力で拡散が制限され、改質微小
領域を中心にして凝縮し、厚みのある試料となる。従っ
て、試料を改質微小領域を中心にして整然と配置するこ
とができる。
【0019】そして、厚みのある試料を用いることによ
り、マイクロ分光分析部での試料の赤外線吸収強度が高
くなり、その結果、試料が微小かつ微量であっても、こ
れを赤外線の反射あるいは透過による分析方法によって
高感度で分析することができる。また、試料が改質微小
領域を中心にして整然と並ぶので分光分析の自動化も可
能となる。
【0020】また、第5〜第7発明によれば、広がりが
小さくて厚みのある試料を、改質微小領域を中心にして
所定位置に整然と並ばせて形成することができるので、
分光分析を自動化する上で好適である。しかも、溶液の
滴下位置を近付けても溶液どうしや溶液と凝縮した試料
とのくっつきが生じにくくなり、サンプル台の大きさの
割に溶液を数多く滴下できる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面を参照しなが
ら説明する。
【0022】図1は、本発明に係る赤外線の反射による
マイクロ分光分析方法を説明するための原理図で、この
図において、1は凝縮された試料2を保持するためのサ
ンプル台で、例えばFTIRのマイクロ分光分析部に配
置される。3はサンプル台1上の試料2に赤外線4を照
射するための光源、5は試料2からの赤外線の反射スペ
クトルを測定するためのスペクトル測定器で、この測定
器5による反射スペクトルの測定情報を基にして試料2
の定量分析や定性分析などが行われる。
【0023】前記サンプル台1は、例えば鏡面加工され
た金属製の赤外線反射部材6の鏡面部に、厚さが例えば
25μm(なお、赤外線の吸収を抑止させる上からは16μ
mあるいは8μmなど薄いほど好ましい)の撥水性に富
むフッ素樹脂の薄膜7を形成したものからなる。そし
て、測定器3によって、試料2およびフッ素樹脂の薄膜
7を通して赤外線反射部材4で反射されたスペクトルが
測定される。
【0024】そして、前記サンプル台1のフッ素樹脂の
薄膜7上には、図2に誇張して示すように、改質されて
表面張力が低下した複数の改質された微小領域(例えば
20μm×20μm)8が縦横に所定間隔を隔てて形成され
ている。これらの改質微小領域8は、例えばマスクイメ
ージング法によってエキシマレーザ光を照射することに
よって形成される。
【0025】すなわち、図3は前記マスクイメージング
法を実施するための装置の一例を示し、この図におい
て、9はパルス状のエキシマレーザ光10を発するエキシ
マレーザ、11は適宜の加工パターンがエッチングによっ
て形成されたマスク、12はマスク11を透過したエキシマ
レーザ光10を縮小してサンプル台1のフッ素樹脂の薄膜
7上に投影するためのレンズである。
【0026】そして、マスク11からレンズ12までの距離
をA、レンズ12からフッ素樹脂の薄膜7までの距離を
B、レンズ12の焦点距離をfとすると、公式ガウスの定
理によって、 1/A+1/B=1/f が成立し、このときの縮小率Mは、 M=A/B となる。また、このとき、マスク11上でのエキシマレー
ザ光10のエネルギー密度をE1 とすると、フッ素樹脂の
薄膜7上でのエキシマレーザ光10のエネルギー密度E2
は、 E2 =M2 1 となる。
【0027】上記装置を用いて、前記A,B,fおよび
1 を適宜の値に設定して、エキシマレーザ光10を照射
すると、サンプル台1のフッ素樹脂の薄膜7が非熱加工
(アブレーション)されて、エキシマレーザ光10の照射
を受けた部分を中心としてその表面が改質され、表面張
力が低下した改質微小領域8が適宜の間隔を隔てて形成
される。
【0028】この場合、エキシマレーザ光10が直接照射
された領域の周辺部にも照射影響が及ぼされる。すなわ
ち、光学顕微鏡による表面は、マスク部位のみ変化があ
る。また、顕微FTIRでの周辺部分と照射されないフ
ッ素樹脂の赤外スペクトルには変化が認められなかっ
た。そして、溶質が液体である1μlの溶液(例えば溶
質:トリトン、溶媒:アセトニトリル)をフッ素樹脂に
滴下すると、溶媒蒸発後の試料の直径は30μmとなっ
た。
【0029】そして、照射するレーザのパワーを大きく
すると、図4に示すように、照射影響が及ぼされる範囲
が増大することが判った。また、照射マスクサイズを大
きくすると、影響される領域も大きくなり、例えばマス
クサイズの約7倍になることもあった。なお、フッ素樹
脂の薄膜7の膜厚やショット回数による差異は認められ
なかった。
【0030】なお、前記改質微小領域8は、CO2 レー
ザやYAGレーザの照射によって形成してもよく、ま
た、紫外線を照射してもよい。
【0031】上述のようにして形成された改質微小領域
8に、例えば分取器などの器具を用いて、図2に示すよ
うに、溶媒に溶質を含ませた微量の溶液13を、フッ素樹
脂の薄膜7上の改質微小領域8に滴下する。このとき、
溶媒として例えばメタノールやエタノールを用いた場合
でも、フッ素樹脂の薄膜7が撥水性に富むことから、フ
ッ素樹脂の薄膜7上に滴下された溶液13はその拡散が制
限され、図5に示すように、表面張力で球形を保つこと
になる。この場合、滴下によって球形になる溶液13の直
径が例えば2mm程度になるように、溶液13の滴下量を
規定するのがよい。
【0032】そして、前記溶液13中の溶媒を自然蒸発ま
たはヒータなどで強制蒸発させると、溶液13は球形を保
ちつつ凝縮されて、図6に示すように、フッ素樹脂の薄
膜7上に不揮発性物質からなる凝縮された試料2が形成
される。
【0033】前記溶液13が凝縮する際には、改質微小領
域8に引き寄せられるようにして、これを中心にして凝
縮し、たとえ改質微小領域8に小さな異物が存在してい
ても、これに影響されることなく、図7に示すように、
改質微小領域8のまわりに整然と形成され、分光分析を
自動化する上で好適である。
【0034】前記試料2は、それまでの過程での溶液13
の拡散制限によって厚みのある広がりの小さいものとな
っており、因に、10μlの流動パラフィンを 100mlの
アセトンに溶解させた1μlの溶液13をフッ素樹脂の薄
膜7上に滴下した場合、この溶液13は球形を呈して球面
の周辺部から溶媒が蒸発し、溶液13が直径 100μm程度
の厚みのある円板状に凝縮した。
【0035】この試料2をサンプル台1ごとマイクロ分
光分析部に位置させてこれに赤外光4を照射してマイク
ロ分光分析を行うのであるが、好ましくは、図8に示す
ように、適宜の加圧手段14によって試料2をプレスして
平坦化させて測定感度を向上させることである。
【0036】ところで、溶液13中の溶媒を蒸発させるの
に、ヒータなどで強制蒸発させる場合、溶媒の蒸発速度
を余り速くすると、溶液13が広がり気味になり、その厚
みが薄くなる懸念がある。
【0037】この溶媒の強制蒸発の速度をコントロール
するための手段15の一例を図9に示す。この蒸発速度の
コントロール手段15は、下面にヒータ16を備えた架台17
と、この架台17上に載置される密閉容器18からなるもの
で、密閉容器18には、排気コントロールバルブ19を備え
た細管20が貫設されている。
【0038】この構成によれば、架台17上にサンプル台
1を位置させて、このサンプル台1のフッ素樹脂の薄膜
7上に微量の溶液13を滴下させると共に、サンプル台1
を覆うように架台17上に密閉容器18を載置させてヒータ
16を発熱させ、コントロールバルブ19によって排気量を
コントロールさせることで、溶液13中の溶媒が飽和蒸発
の存在下で蒸発すると共に、その溶媒の蒸発速度が制御
されるもので、得られる試料2の凝縮性が向上するのみ
ならず、溶液13ひいては試料2の外気汚染も防止され
る。
【0039】図10は、赤外線反射の分析方法に用いられ
るサンプル台の他の構成例を示し、この実施例における
サンプル台21は、改質微小領域8が所定間隔を隔てて形
成されたフッ素樹脂製のベース22と、このベース22上で
凝縮された試料2を転写して転写試料として保持し、マ
イクロ分光分析部に位置されるところの試料保持面が鏡
面加工された赤外線反射部材23とからなる。
【0040】この構成によれば、光源3から照射された
赤外線4は、試料2に吸収されて赤外線反射部材23で反
射され、その反射された赤外線のスペクトルが測定器5
によって測定されるもので、図1に示したマイクロ分光
分析方法に比べて、赤外線の反射面部にフッ素樹脂の薄
膜7が存在しない分だけ、測定感度が高くなる利点があ
る。
【0041】図11は、本発明による赤外線の透過による
マイクロ分光分析方法を説明するための原理図で、この
図において、31は試料2を保持するためのサンプル台
で、例えばKBrの結晶からなる赤外線透過部材32にフ
ッ素樹脂の薄膜33を形成し、この薄膜33上に改質微小領
域(図外)を所定間隔を隔てて形成したものである。な
お、赤外線透過部材32としては、NaClやCaF2
どのアルカリハライド系の材料からなる結晶体やフィル
ムを用いることができるが、潮解性が小さければなおよ
い。
【0042】34, 35は集光鏡、36,37はビームコンデン
サ、38はマスク、39は試料2を透過した後の赤外線の透
過スペクトルを測定するためのスペクトル測定器で、こ
の測定器39による透過スペクトルの測定情報を基にして
試料の定量分析や定性分析などが行われる。
【0043】なお、強度的な問題がなければ、前記赤外
線透過部材32を省略し、フッ素樹脂の薄膜33のみでサン
プル台31を構成することも可能である。また、ビームコ
ンデンサ36,37は、集光効率をアップさせるために設け
たもので、これらを省略し、試料2への入射光路の途中
に集光レンズを配置してもよい。
【0044】図12は、赤外線透過の分析方法に用いられ
るサンプル台の他の構成例を示し、この実施例における
サンプル台40は、改質微小領域8が所定間隔を隔てて形
成されたフッ素樹脂製のベース41と、このベース41上で
凝縮された試料2を転写して転写試料として保持し、マ
イクロ分光分析部に位置されるところの、KBrやNa
Clなどのアルカリハライド系材料の結晶体やフィルム
などの赤外線反射部材44とからなる。
【0045】この構成によれば、光源3から照射された
赤外線4は、転写された試料2に吸収されて赤外線透過
部材42を透過し、その透過された赤外線のスペクトルが
測定器39によって測定されるもので、図11に示したマイ
クロ分光分析方法に比べて、赤外線の透過部に薄膜33が
存在しないので、測定感度が高くなる利点がある。
【0046】なお、前記赤外線反射部材6にフッ素樹脂
の薄膜7を付する手段、あるいは、赤外線透過部材32に
フッ素樹脂の薄膜33を付する手段としては、コーティン
グ(デイスパージョン)やフッ素樹脂フイルムの貼着と
いった手段を任意に選択することができる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のマイクロ
分光分析方法は、撥水性に富むフッ素樹脂によって拡散
を制限させた状態で溶液中の溶媒を蒸発させて、溶液に
含まれる溶質を改質微小領域を中心にして凝縮させ、拡
がりが小さくて厚みのある試料を形成し、この試料を赤
外線反射法あるいは吸収法によってマイクロ分光分析さ
せるものであって、試料の厚みを従来に比べて飛躍的に
厚くできることから、試料の赤外線吸収強度が高くな
り、その結果、試料となる溶液が微小かつ微量であって
も、これを赤外線の反射あるいは透過による分析法で高
感度分析することができる。
【0048】そして、試料が改質微小領域を中心にして
整然と並ぶことになるので、分光分析を容易に自動化で
きる。また、溶液が小さな球形になることから、溶液の
滴下位置を近付けても溶液どうしや溶液と凝縮した試料
とのくっつきが生じにくくなり、サンプル台の大きさの
割に溶液を数多く滴下できる。
【0049】さらに、本発明のサンプル台によれば、上
記の方法に用いる上で好適な試料、すなわち、広がりが
小さくて厚みのある試料を、所定位置に整然と並ばせて
形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】赤外線の反射によるマイクロ分光分析方法の原
理図である。
【図2】改質微小領域に溶液を滴下させた状態を示す平
面図である。
【図3】マスクイメージング法を実施するための装置の
一例を示す図である。
【図4】照射するレーザのパワーとアブレーション領域
との関係を示す図である。
【図5】サンプル台への溶液滴下の説明図である。
【図6】溶液の蒸発途中を示す説明図である。
【図7】サンプル台上での試料の凝縮状態を示す説明図
である。
【図8】試料を加圧して平坦化させる工程を示す図であ
る。
【図9】溶媒の蒸発速度コントロール手段の一例を示す
図である。
【図10】赤外線反射の分析方法に用いられるサンプル台
の他の例を示す図である。
【図11】赤外線の透過によるマイクロ分光分析方法の原
理図である。
【図12】赤外線透過の分析方法に用いられるサンプル台
の他の例を示す図である。
【符号の説明】
1,21, 31…サンプル台、2…試料、4…赤外線、7,
23…赤外線反射部材、7,33…フッ素樹脂の薄膜、8…
微小領域、10…レーザ光、13…溶液、22,41…フッ素樹
脂製のベース、32,42…赤外線透過部材。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サンプル台の赤外線反射部材に付された
    フッ素樹脂の薄膜の表面に所定間隔を隔ててレーザ光ま
    たは紫外線を照射して微小領域の表面張力を低下させ、
    この微小領域に溶質を溶媒に含ませた微量の溶液を滴下
    して溶媒の蒸発により溶液を凝縮させて試料とし、この
    試料をサンプル台ごとマイクロ分光分析部に位置させて
    これに赤外線を照射し、試料を通して赤外線反射部材か
    ら反射されたスペクトルを測定することを特徴とするマ
    イクロ分光分析方法。
  2. 【請求項2】 フッ素樹脂製のベースの表面に所定間隔
    を隔ててレーザ光または紫外線を照射して微小領域の表
    面張力を低下させ、この微小領域に溶質を溶媒に含ませ
    た微量の溶液を滴下して溶媒の蒸発により溶液を凝縮さ
    せて試料とし、この試料を赤外線反射部材に転写し、さ
    らに、この転写された試料を赤外線反射部材ごとマイク
    ロ分光分析部に位置させてこれに赤外線を照射し、試料
    を通して赤外線反射部材から反射されたスペクトルを測
    定することを特徴とするマイクロ分光分析方法。
  3. 【請求項3】 赤外線透過部材にフッ素樹脂の薄膜を付
    したサンプル台の前記薄膜の表面に所定間隔を隔ててレ
    ーザ光または紫外線を照射して微小領域の表面張力を低
    下させ、この微小領域に溶質を溶媒に含ませた微量の溶
    液を滴下して溶媒の蒸発により溶液を凝縮させて試料と
    し、この試料をサンプル台ごとマイクロ分光分析部に位
    置させてこれに赤外線を照射し、試料およびサンプル台
    を透過したスペクトルを測定することを特徴とするマイ
    クロ分光分析方法。
  4. 【請求項4】 フッ素樹脂製のベース上の表面に所定間
    隔を隔ててレーザ光または紫外線を照射して微小領域の
    表面張力を低下させ、この微小領域に溶質を溶媒に含ま
    せた微量の溶液を滴下して溶媒の蒸発により溶液を凝縮
    させて試料とし、この試料を赤外線反射部材に転写し、
    さらに、この転写された試料を赤外線透過部材ごとマイ
    クロ分光分析部に位置させてこれに赤外線を照射し、試
    料および赤外線透過部材を透過したスペクトルを測定す
    ることを特徴とするマイクロ分光分析方法。
  5. 【請求項5】 鏡面加工された赤外線反射部材の鏡面部
    にフッ素樹脂の薄膜を付し、この薄膜の表面に所定間隔
    を隔ててレーザ光または紫外線を照射して微小領域の表
    面張力を低下させたことを特徴とするマイクロ分光分析
    方法に用いるサンプル台。
  6. 【請求項6】 赤外線透過部材の上面にフッ素樹脂の薄
    膜を付し、この薄膜の表面に所定間隔を隔ててレーザ光
    または紫外線を照射して微小領域の表面張力を低下させ
    たことを特徴とするマイクロ分光分析方法に用いるサン
    プル台。
  7. 【請求項7】 表面に所定間隔を隔ててレーザ光または
    紫外線を照射して微小領域の表面張力を低下させたフッ
    素樹脂製のベースと、このベース上で凝縮された試料を
    転写させるための赤外線透過部材とからなることを特徴
    とするマイクロ分光分析方法に用いるサンプル台。
JP7923792A 1991-10-05 1992-02-29 マイクロ分光分析方法およびその方法に用いるサンプ ル台 Pending JPH05240785A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000171388A (ja) * 1998-12-02 2000-06-23 Fuji Photo Film Co Ltd 画像情報読取装置に使用される試料台およびその製造方法
JP5870439B1 (ja) * 2015-04-02 2016-03-01 株式会社東レリサーチセンター マイクロ分光分析用試料台の作製方法
EP3279639A4 (en) * 2015-04-02 2018-09-05 Toray Research Center, Inc. Method of fabricating sample stage for microspectrometric analysis

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