JPH059900Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、浴槽の蓋板開閉装置に関する。

＜従来の技術＞ 注文建築を除いた最近の一般住宅では建物内の
各部屋のスペースに十分なゆとりがなく、特に浴
室内の洗い場は非常に狭く窮屈なことが多く、こ
うしたことに加えて和式浴槽では保温上不可欠な
蓋板があり、入浴時にはこれを摘除しなければな
らず、その際上述したように浴室内が手狭なため
に置場に苦慮しているのが現状である。

そして、蓋板の置き方には、その蓋の形式によ
つても異なり、１枚の場合には、浴室内の最も支
障がない壁面部に立て掛けたり、あるいは入口ド
アに洗い場が飛散するのを防ぐように立て掛けた
りしており、又、独立した複数枚の板体からなる
組合蓋や、複数枚の板体を互いに隣接同士でヒン
ジ接続された折畳蓋では、第６図ａのように蓋体
３を構成する各板体３₁，３₂……を小さく重ねあ
るいは折り重ねて浴槽１の口縁２上に、片方へ寄
せて置き、又は第６図ｂのように重ねたものを浴
室内の隅部で壁面４に寄せて立て掛けたり、ある
いは第６図ｃのように浴室壁面４に突設した２個
の平行な保持枠５，５間に亘つて挿通保持するも
のなどがあり、更には多数の細幅材を連接して蓋
体３を形成したシヤツター蓋においては第６図ｄ
に示すように、これをロール巻きにして、浴室壁
面４に形成した収納凹所６内に格納するもの又
は、第６図ｅに示すように浴室壁面４に突設した
ループ状のホルダー５₁によつて壁面４に沿つて
直立保持せしめるものなど様々である。

＜考案が解決しようとする課題＞ しかし、上記第６図ａ乃至第６図ｅに示す従来
例は、何れも重ねたり折畳んだり、あるいは巻い
たりなどの手作業が必要であつて煩わしく、しか
もこうした作業の煩わしさが少しでも軽減するよ
うに作業の手軽さに重点をおいたことにより保温
性能が悪くなり、又、そればかりでなく上記蓋板
は狭い浴室内の何れかの位置におかなければなら
ず、一層室内を狭くする結果を招くなどの欠点が
あつた。

そこで本考案はこうした上記従来例の欠点に対
処し、保温構造とした蓋板でも容易に開閉でき、
しかも嵩張らないように収納できる浴槽の蓋板開
閉装置を提供しようとするものである。

＜課題を解決するための手段＞ 浴槽の蓋板上面を天井部から下向突設した伸縮
管の下端に取着し、該伸縮管側面に形成したラツ
ク歯を天井部に設置した昇降駆動装置のピニオン
と噛み合わせ、該昇降駆動装置を浴室壁面に設け
た駆動操作装置にて動作するようにしてなる。

＜作用＞ 駆動操作装置を操作することにより、昇降駆動
装置が駆動し、該昇降駆動装置の出力軸上に設け
たピニオンを回動し、これに噛み合う伸縮管を昇
降させて浴槽の蓋板を垂直に開閉する。

＜実施例＞ 以下、本考案について図面に示す実施例により
詳細に説明すると、第１図並びに第２図ａ及び第
２図ｂに示すように、浴室１内に設置した浴槽２
の直上天井部３にプーリ８₁を枢設し、該プーリ
８₁から垂下したワイヤー６の下端に吊環５を介
して浴槽蓋板４の中央位置を連結し、更に該蓋板
４の方向と位置の安定を保つために、ワイヤー６
を中央に通して前記天井部３と該蓋板４との間を
蛇腹管７₁にて連結し、天井部３の隅部に枢設し
たプーリ８₂を介してワイヤー６の他端を、浴室
壁面に設置した駆動操作装置９に導くものであ
る。

そして、前記蓋板４の内部には保温材４′を充
填しており、浴槽に覆蓋することで熱が外部へ流
出するのを防止するようにしている。

又、上記の蛇腹管７₁の代わりに第３図ａ及び
第３図ｂのように鞘管状に順次嵌入した伸縮管７
_２によつて、蓋板４を天井部３に連結し、蓋板４
の方向や位置が上下動することによつてずれるの
を防止するようにしても良い。

その他第４図、第５図のように鞘管状に順次嵌
合し且つその一側部にラツク歯１０を設けた伸縮
管７₃の下端に蓋板４を定着すると共に該伸縮管
７₃の上端を、浴室天井部３上に設置した昇降駆
動装置１２のピニオン１１と噛み合わせ、該浴室
壁面に設置した駆動操作装置９の操作によつて前
記駆動装置１２の電動機を駆動することにより、
ピニオン１１によつて伸縮管７₃を上昇縮小する
ようにしても良い。

本考案は、上述のように構成されているので入
浴に際しては、先ず浴室壁面に設置した駆動操作
装置９を操作すると、例えば第１図では該駆動操
作装置９内に内蔵した巻取り機が回動してワイヤ
ー６を巻取り、蛇腹管７₁あるいは伸縮管７₂を縮
小しながら蓋板４を上昇させて入浴に支障のない
位置に上昇静置する。

又、第４図における場合には駆動操作装置９を
操作することで駆動装置１２内のピニオン１１を
回動せしめ前記同様伸縮管７₃を縮めながら蓋板
４を上昇させ入浴を可能にするものである。

尚、上記においては、特に述べなかつたが浴槽
内に入浴中であることを確認して、この状態では
蓋板が下降しないようにすることや、故障時には
非常ストツプが動作するなど、安全装置が必要で
あることは云うまでもない。

＜考案の効果＞ 本考案は、上述のように浴槽蓋を装置化してワ
イヤーあるいは伸縮管を電動機の駆動により上下
動するようにしたことにより、保温加工を施した
重い蓋板であつても容易に開閉ができると共に、
保温加工を施した蓋板の使用が可能になつたこと
により、保温効果を充分に高めることができる。
このように蓋板を上下動するようにしたことで浴
室内を広く使用でき、又、水栓器具、給湯リモコ
ン操作装置等の取付位置や、操作に全く支障を来
さないなどの効果を有する。

又、入浴時には蓋板を天井部へ上昇させ浴室内
の上部空間を利用するので出入りの邪魔にならず
浴室内を有効に利用できると共に必要な安全装置
を設けることにより安心して入浴できるなど多く
の優れた効果を有する実用価値の高い考案であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は本考案の実施例を示し、第
１図は、浴槽蓋板の昇降機構の正面略図、第２図
ａは、同上要部拡大縦断側面図、第２図ｂは、同
上要部斜視図、第３図ａは、上記他の実施例を示
す要部縦断側面図、第３図ｂは、同上要部斜視
図、第４図は、上記何れとも異なる実施例の昇降
機構の正面略図、第５図は、同上の要部拡大縦断
側面図、第６図ａ乃至第６図ｅは、それぞれ従来
の収納例を示し、第６図ａは、浴槽上に重ねてお
いた状態の斜視図、第６図ｂは、浴槽隅部に立て
掛けた状態の斜視図、第６図ｃは、壁面に懸架し
た状態の斜視図、第６図ｄは、壁面の格納部に収
納した状態の斜視図、第６図ｅは、ロール巻にし
て壁面に立て掛けた状態の斜視図である。 ４……蓋板、６……ワイヤー、７₃……伸縮管、
９……駆動操作装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 浴槽上面に覆蓋した蓋板の上面を、浴室天井部
   から下向突設した伸縮管の下端に取着し、該伸縮
   管の側面に形成したラツク歯を天井部に設置した
   昇降駆動装置の出力軸上に設けたピニオンと噛み
   合わせ、浴室壁面に設置した駆動操作装置の操作
   により前記昇降駆動装置を動作させて蓋板を上昇
   或は下降することを特徴とする浴槽の蓋板開閉装
   置。