JPH059855A - 極細連続繊維からなるシート状物の製造法 - Google Patents

極細連続繊維からなるシート状物の製造法

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JPH059855A
JPH059855A JP3151771A JP15177191A JPH059855A JP H059855 A JPH059855 A JP H059855A JP 3151771 A JP3151771 A JP 3151771A JP 15177191 A JP15177191 A JP 15177191A JP H059855 A JPH059855 A JP H059855A
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sheet
polyethylene terephthalate
hot water
copolymerized polyethylene
resin
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JP3151771A
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Masao Umezawa
正夫 梅澤
Akira Suzuki
晃 鈴木
Nobuo Kurata
信夫 倉田
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】5−ナトリウムスルホイソフタル酸8〜20モ
ル%とイソフタル酸5〜40モル%を共重合した共重合
ポリエチレンテレフタレート樹脂が少なくとも繊維の表
面を構成し、かつ、該共重合ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂を除去したとき、他の樹脂が連続した繊維になる
ように、該共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂と該
他の樹脂を溶融複合紡糸された糸状体を引取り、該引取
られた糸状体を開繊し、捕集してシート状物とし、次に
該シート状物を熱水で処理し、該共重合ポリエチレンテ
レフタレート樹脂を除去することを特徴とする極細連続
繊維からなるシート状物の製造法。 【効果】高い物理特性を有する極細連続繊維からなるシ
―ト状物を薬液を用いることなく取扱い性よく製造する
ことが可能となった。また、他の繊維と極細連続繊維と
の併用なども可能になり、用途が拡大した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は極細連続繊維からなるシ
ート状物の製造法に関する。さらに詳しくは、紡糸に直
結した製布方法による極細連続繊維からなるシート状物
の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】極細の連続繊維からなるシート状物は柔
軟な風合や、高度の濾過性能、また、シート自身から繊
維の脱落が少ないこと、また、薄いシートにできるな
ど、多くの特徴があるので高い要求があった。このた
め、本発明者らも、極細の連続繊維からなる不織布を提
案している(特開昭63−219653号公報)。しか
しながら、極細繊維にするには、従来は化学薬品を使用
せざるを得なかった。例えば、高分子配列体から極細繊
維を作る場合であると、ポリアミドを除去する成分とし
ては蟻酸などが用いられ、ポリエステルの場合は苛性ソ
ーダなどが用いられ、ポリスチレンの場合はトリクロル
エチレンなどが用いられていた。一方、いわゆる分割剥
離型繊維の場合でも同様に薬剤を使用していた。かかる
従来の化学薬品を用いる方法では、除去する成分とは別
の成分が好ましくない影響を受けるため、複合繊維を構
成する成分の組合せが限定されたり、除去すべき成分が
十分に除去できないままで使用せざるを得なかった。ま
たこれらの化学薬品の取扱いの危険性や環境汚染などの
面から特殊な設備が必要となり、作業者の安全衛生面や
製造コストの点で十分満足できるものではなかった。ま
た、除去用の薬品により、極細化されるべき繊維が変質
される場合もあった。
【0003】また、極細の連続繊維を直接シート状物に
することも考えられるが、連続した極細繊維を直接シー
ト状にすることは現状では極めて困難であり、また、現
状では極めて高いコストがかかり実質的な意味がないの
が現状である。なお、メルトブローは非連続繊維であ
り、かつ、得られる繊維は低強度であり、本発明の目的
とするものを得ることはできない。なお、特開昭61−
296120号公報には、5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸、イソフタル酸およびテレフタル酸を特定範囲の
割合で共重合したポリエステルを1成分に用いて複合繊
維を製造する方法は開示されてはいるが、極細連続繊維
からなるシート状物の製造を示唆する記載はない。
【0004】すなわち、従来簡易な方法で極細連続繊維
からなるシート状物を製造する方法はなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明の解
決しようとする課題は、化学薬品などを用いることな
く、単なる熱水で処理する方法で極細連続繊維からなる
シート状物を製造する方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的は
5−ナトリウムスルホイソフタル酸8〜20モル%とイ
ソフタル酸5〜40モル%を共重合した共重合ポリエチ
レンテレフタレート樹脂が少なくとも繊維の表面を構成
し、かつ、該共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂を
除去したとき、他の樹脂が連続した繊維になるように、
該共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂と該他の樹脂
を溶融複合紡糸する第1工程、溶融紡糸された糸状体を
引取る第2工程、引取られた糸状体を開繊し捕集しシー
ト状物化する第3工程、該シート状物を熱水で処理し、
該共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂を除去処理す
る第4工程、からなることを特徴とする極細連続繊維か
らなるシート状物の製造法によって達成できる。
【0007】以下本発明を詳細に説明する。まず、本発
明において用いる樹脂について述べる。本発明において
は、少なくとも2種以上の樹脂を用い、複合繊維とす
る。その第1の樹脂は共重合ポリエチレンテレフタレー
トである。本発明で使用する共重合ポリエチレンテレフ
タレートは、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を8〜
20モル%、イソフタル酸を5〜40モル%それぞれ共
重合した共重合ポリエチレンテレフタレートである。共
重合ポリエチレンテレフタレート中の5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸が8モル%未満では繊維にしたあと、
該樹脂成分は熱水処理しても除去できない。一方、5−
ナトリウムスルホイソフタル酸が20モル%を超過する
と、溶融粘度が上昇して紡糸しにくくなり、また、吸水
性も高くなり取扱が困難となる。そして、より好ましい
5−ナトリウムスルホイソフタル酸のモル比は9〜15
モル%である。一方、イソフタル酸の共重合は5〜40
モル%とする必要がある。イソフタル酸が5モル%未満
では熱水に溶解しない。またイソフタル酸が40モル%
を超過すると重縮合速度が遅くなり、紡糸時に溶融粘度
の高いものが得られなくなること、また、得られるポリ
マの軟化点が低すぎて溶融紡糸前の乾燥が十分に行えな
くなるなどの欠点がある。より好ましいイソフタル酸の
モル比は10〜35モル%である。なお、熱水に対して
特に高い溶解性を要求する時や、比較的低温で紡糸する
時には、上記の他に分子量が5000以下のポリエチレ
ングリコールを10重量%以下共重合してもよい。な
お、ポリエチレングリコールが10重量%を超過すると
得られるポリマの軟化点が低くなったり熱分解し易くな
って好ましくない。また、分子量が5000を超過する
と同様に熱分解し易くなり、好ましく分子量は2000
以下である。
【0008】本発明においては、かかる樹脂を少なくと
も1成分とし、他の樹脂と複合紡糸する。他の樹脂とし
ては、本発明にかかる共重合ポリエチレンテレフタレー
トと複合紡糸でき、かつ、熱水に不溶な樹脂であれば、
特に限定されることなく、任意のものが使用できる。か
かる樹脂の代表的なものとしては、ポリエチレンテレフ
タレートまたはその共重合物、ポリブチレンテレフタレ
ートまたはその共重合物、ポリエチレンナフタレートま
たはその共重合物、ポリプロピレンテレフタレ―トまた
はその共重合体、各種の熱可塑性弾性ポリエステル樹
脂、またいわゆる液晶ポリエステルなどをはじめとする
ポリエステル樹脂類、ナイロン6またはその共重合物、
ナイロン66またはその共重合物、ナイロン7、ナイロ
ン12などをはじめとするポリアミド樹脂類、ポリフェ
ニレンスルフィドまたはその共重合物などをはじめとす
るポリアリーレンスルフィド樹脂類、ポリプロピレンま
たはその共重合物などをはじめとするポリオレフィン樹
脂類などが好適に使用できる。そして、これらのうち、
ポリエチレンテレフタレートまたはその共重合物、ポリ
ブチレンテレフタレートまたはその共重合物、ナイロン
6またはその共重合物、ナイロン66またはその共重合
物、ポリフェニレンスルフィドまたはその共重合物、ポ
リプロピレンまたはその共重合物は、各種用途に広く展
開できるので特に好ましいのである。
【0009】本発明においては、かかる樹脂を溶融し、
複合紡糸する。本発明では、該共重合ポリエチレンテレ
フタレート樹脂と他の樹脂を特定の配置になるように複
合紡糸する。すなわち、共重合ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂は少なくとも繊維の表面を構成し、かつ、該共
重合ポリエチレンテレフタレート樹脂が除去されたと
き、他の樹脂が連続した繊維になるように、該共重合ポ
リエチレンテレフタレート樹脂と該他の樹脂を溶融複合
紡糸する。紡糸方法は、本発明にかかる樹脂の配置が、
上記の構成を有するものであれば、特に限定されず任意
の方法が適用できる。かかる代表的な方法は、芯−鞘紡
糸法、バイメタル紡糸法、高分子配列体法、分割剥離型
法、また、中空の分割剥離型法、ブレンド紡糸法などが
好ましい複合紡糸法として挙げられる。かかる紡糸法に
おいて、たとえば、芯−鞘紡糸法、高分子配列体法の場
合であれば、該共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂
を鞘成分または海成分、他の樹脂を芯または島成分にな
るように紡糸すれば、本発明の構成の複合繊維となる。
また、バイメタル紡糸法、分割剥離型法、また、中空の
分割剥離型法、ブレンド紡糸法などの場合も同様に本発
明の複合繊維となる。そして特に好ましい複合紡糸法
は、芯−鞘紡糸法、バイメタル紡糸法、高分子配列体
法、分割剥離型法、また、中空の分割剥離型法である。
かかる方法であると、他の樹脂の繊維配向が均一にな
り、安定な特性の極細繊維が得られるからである。ま
た、特にバイメタル紡糸法の場合、適宜処理すると得ら
れるシートが嵩高なものになることが期待できる利点が
ある。また、本発明の他の樹脂は1成分に限定されるも
のではなく、例えば、高分子配列体の場合であれば、島
の種類が2成分になるようにしてもよい。
【0010】本発明では、こうして溶融紡糸された糸状
体を引取る。引取の方法は、特に限定されるものではな
く、空気を使用したエジェクターによる引取、またウオ
ータージェットを使用した引取、また、ゴデロールを使
用した引取などをはじめ、任意の方法が適用できる。そ
して、より好ましい引取法は空気を使用したエジェクタ
ーによる引取である。空気の場合は高速での引取が可能
であり、また、後の工程での開繊も同時にできるなど、
種々の利点があり特に好ましい。
【0011】次に、引取り速度は、本発明の極細繊維の
使用目的に応じて任意に変更できるが強度などの高い物
理特性のシート状物を希望する時は、高速で引取ること
が好ましい。高い物理特性のシート状物を希望する時
は、引取られた繊維の伸度が150%以下になる条件で
適宜実施することが好ましい。より好ましいのは、引取
られた繊維の伸度が90%以下になる条件で引取ること
である。引取られた繊維の伸度を90%以下にする代表
的な方法は高速紡糸することであり、通常の樹脂の場合
は5km/ 分以上の速度で紡糸することが好ましい。な
お、液晶樹脂の場合は必ずしも、かかる高速は必要とし
ない。いずれにしろ、上記のように、樹脂の種類、分子
量などにより適宜調整して引取ことが重要である。ま
た、特に柔軟なシート状物を希望する時や、濾過性能の
高いシート状物を希望する時は、該共重合ポリエチレン
テレフタレート樹脂が除去された後の繊維の繊度は0.
5デニール未満とすることが好ましい。より好ましいの
は0.3デニール以下である。かかる繊維の繊度は、口
金の種類,樹脂の単孔あたりの吐出量、紡糸の引取速度
などで、適宜調整することにより達成できる。
【0012】こうして引取られた糸状体を、次に開繊し
捕集しシート状物化する。なお、引取と開繊は同時に実
施しても良い。開繊の方法は、高速の空気を利用する方
法、また、静電を利用する方法、高圧の電気やコロナ放
電などで積極的に帯電させる方法、また、物に衝突せし
め開繊せしめる方法、物に衝突せしめ帯電させ開繊せめ
る方法、またこれらを適宜組合せる方法など任意の方法
を採用できる。
【0013】次いで、開繊された糸状体を捕集しシート
状物化する。捕集の方法は、サクションされたネットコ
ンベアーに開繊された糸状体を吹き付ける方法、また開
繊された糸状体とは逆の電荷を帯びさせたネットコンベ
アーに捕集するなど、任意の方法が採用できる。また、
捕集はネットコンベアーに限定されるものではなく、筒
状の内側に捕集しても良いし、あるいはその外側に捕集
し、立体的なシート状物にしてもよい。なお、より高い
物理特性の極細繊維からなるシート状物を望む時には、
ニードルパンチまたは高速流体ジェット処理する工程を
組み入れることが好ましい。高速流体ジェットとして
は、ウオータージェット処理、薬液ジェット処理、エア
ージェット処理などがあるが、ウオータージェット処理
は繊維を交絡する作用が高いので特に好ましい。かかる
ニードルパンチまたは高速流体ジェット処理すると、繊
維が交絡するので、単繊維が絡み合いシートから脱落し
なくなり、高強度化するのである。なお、本処理は該共
重合ポリエチレンテレフタレート樹脂の除去処理工程の
後に実施してもよい。また該共重合ポリエチレンテレフ
タレート樹脂の除去処理工程前後で実施してもよい。ま
た、ニードルパンチと高速流体ジェット処理を双方とも
実施してもよい。また、特にニードルパンチする時、適
宜油剤をシート状物に付与し、ニードルパンチの効率を
高めることも好ましいことである。
【0014】次に、こうして得られたシート状物を熱水
で処理し、該共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂を
除去する。本発明で使用する水は、工業的に用いられる
水をそのまま用いてもよいがあらかじめ陽イオン捕捉剤
によって処理された水を用いることが好ましい。本発明
で使用する陽イオン捕捉剤とは、従来一般のものが使用
でき、特に限定されるものではなく、リン酸アルカリ金
属塩、スルホン酸アルカリ金属塩、カルボン酸アルカリ
金属塩、ケイ酸アルカリ金属塩などが好ましいものとし
て挙げられる。そして特に好ましいものとしては、トリ
ポリリン酸カリ,トリポリリン酸ナトリウム、ニトロ三
酢酸カリ、ニトロ三酢酸ナトリウム、エチレンジアミン
四酢酸カリ、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ケイ
酸カリまたはケイ酸ナトリウムを含むゼオライトなどが
挙げられる。これらのものは、陽イオン捕捉能力が高
く、また、繊維を痛めることも少なく、さらに安価であ
ることから好ましく使用できる。かかる陽イオン捕捉剤
による水の処理は、シートが水に触れる前に実施するこ
とが効果的で好ましいが、シートが入った水に陽イオン
捕捉剤を投入してもよい。
【0015】また、シートにあらかじめ陽イオン捕捉剤
を付与しておき、該シートを水に投入してもよい。また
陽イオン捕捉剤の使用量は、水中に溶存する陽イオンの
量や捕捉する機構によって定めることができ特に限定す
るものではない。少なくとも陽イオンの溶存濃度に対
し、捕捉に必要な量の1倍以上、より好ましくは1.3
倍以上を使用することが好ましい。そして、該共重合ポ
リエチレンテレフタレート樹脂を除去処理工程で使用す
る熱水の温度は70℃以上とする。より好ましいのは9
0℃以上である。70℃未満の熱水処理では、長時間処
理しても該共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂は良
好に除去できない。また除去処理に要する時間は、シー
ト状物の厚さ、密度、また除去処理する機械の種類によ
り適宜決定できるが、所定量のポリマを均一に除去する
ためには、10秒以上、より好ましくは20秒以上の処
理とすることが好ましい。
【0016】そして、かかる該共重合ポリエチレンテレ
フタレート樹脂を除去する具体的な方法としては、熱水
に浸積する方法、熱水中でニップする方法、熱水と共に
循環させる方法、熱水のバイブロワッシャー処理法、熱
水ウオータージェット処理法、またこれらを組合わせる
など、任意の方法が採用できる。そして、特に好ましく
は、バイブロワッシャー処理法と熱水ウオータージェッ
ト処理法が挙げられるが、効率良く該共重合ポリエチレ
ンテレフタレート樹脂を除去するのにはバイブロワッシ
ャー処理法が最も適している。一方、熱水ウオータージ
ェット処理法は、繊維の交絡と該共重合ポリエチレンテ
レフタレート成分の除去を同時に実施できる利点があ
り、好ましい。なお、本発明にかかるシート状物は、他
の繊維や他の繊維からなるシート状物を複合させてもよ
い。また、バインダーなどが付加されていてもよい。
【0017】本発明のシート状物は、極細の連続繊維か
らなるもので、多くの特徴があるので、広い用途展開が
可能であり、その一例を下記する。空気用フィルター、
薬液用フィルター、オイル用フィルター、保水基材、紙
代替品、ワイピングクロス、人工皮革基材、壁基材、断
熱材、各種サニタリー資材、紙代替資材、電気絶縁資
材、セメント補強資材、衣服,使捨衣服、手術着、マス
ク、芯材、補強用資材、プリント基板用資材、土木資
材、苗床用資材、ハンケチ、ハウスラップ資材、透湿防
水シ―ト、油水分離資材、包装用資材、お菓子包装用資
材、電線巻資材、吸水ロール基材など。
【0018】
【実施例】以下実施例によって本発明を更に詳しく説明
する。 実施例1 (共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂の重合)テレ
フタル酸ジメチル99.7部、イソフタル酸ジメチル2
5.7部、エチレングリコール93.3部、酢酸カルシ
ウム0.135部を重合釜に仕込み130〜230℃で
副生メタノールを留出しながらエステル交換反応をさせ
た。次いで、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチ
ル26.1部、三酸化アンチモン0.03部、リン酸
0.0075部、酢酸リチウム0.03部を追添し23
0〜250℃で1時間の反応後、250〜275℃減圧
下(1mmHg以下)で3時間の重縮合反応を行った。
この時のポリマ組成はテレフタル酸成分70モル%、イ
ソフタル酸成分18モル%、5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸成分12モル%であった。重縮合反応が終了
後、ポリマを冷風装置を設けたコンベア上にガット状に
吐出し、ついでカットしてチップ化した。得られた共重
合ポリエチレンテレフタレート樹脂のIV(オルソクロ
ロフェノール溶液での固有粘度)は0.92、ペネトロ
メータで測定した軟化点は130℃であった。
【0019】(複合紡糸〜シート化) 紡糸方式は芯−鞘複合紡糸法で、使用口金はホール数が
150ホールで芯/鞘成分の構成は芯/鞘=ポリエチレ
ンテレフタレート(IV=0.7)/上記の共重合ポリ
エチレンテレフタレート樹脂で、その比率は芯/鞘成分
重量比率=40/60になるように調整し、紡糸温度2
85℃で紡糸した。次に、該吐出された糸状体は口金の
下方に設けられた加熱筒を通り、高速の空気エジェクタ
ーで引取速度5.5km/ 分で引取られ、さらに該空気エ
ジェクターの前で30kVの電圧がかけられ、次に空気エ
ジェクターを通過し、さらに揺動する金属板に衝突、開
繊し、次に背面からサクションされた金網からなる移動
コンベアー上に、該開繊された糸状体を捕集し、シート
状物とした。次に、該シート状物にシリコーンをスプレ
ーし、針密度300本/ cm2 でニードルパンチした。得
られたシート状物は目付が200g/m 2 の良好な表面の
ものであった。
【0020】(共重合ポリエチレンテレフタレートの除
去)次に前記シート状物を陽イオン捕捉剤としてトリポ
リリン酸ナトリウム塩を0.02%添加した90℃の熱
水に浸積し、バイブロワッシャーで3分間処理し、共重
合ポリエチレンテレフタレート成分を除去した(除去は
計算上100%)。次に水洗し乾燥したところ、良好な
風合のシート状物が得られた。また、単繊維の脱落もな
いものであった。また、共重合ポリエチレンテレフタレ
ート成分除去後のポリエチレンテレフタレートのみから
なる繊維の繊度は0.4デニールであった。また、共重
合ポリエチレンテレフタレート成分の除去前の繊維の伸
度は76%、強度は2.1g/d であった。本シート状物
は、エアーフイルターの基材として好適であった。
【0021】実施例2 複合紡糸機を用い、高分子配列体形成用の口金(ホール
数は42)を用い、海に実施例1の共重合ポリエチレン
テレフタレート樹脂、島成分に東レフィリップスペトロ
ーリァム社製のポリフェニレスルフィドを用い、島数が
16島、島/海成分重量比率=85/15にし、紡糸温
度295℃で紡糸した。該吐出された糸状体は口金の下
方に設けられた加熱筒を通り、高速の空気エジェクター
で引取速度6km/ 分で引取り、さらに実施例1と同様に
開繊と糸状体の捕集を行い、シート状物とした。該シー
ト状物にシリコーンをスプレーし、針密度1000本/
cm2 でニードルパンチした。得られたシート状物の目付
は600g/m 2 であり、良好な表面のシート状物であっ
た。本シート状物に電気化学社製のクロロプレンラテッ
クスを含浸付与した。次に熱風で乾燥し、さらに150
℃で加熱処理し、クロロプレンゴムの架硫を実施した。
次に、該ハイパロン付与シートを実施例1と同様に処理
し(処理時間は8分)、共重合ポリエチレンテレフタレ
ート成分の除去を実施した。つぎに水洗し乾燥したとこ
ろ、良好な風合のシート状物が得られた。また、クロロ
プレンゴムはポリフェニレンスルフィド繊維100に対
して35部付与されていた。また、共重合ポリエチレン
テレフタレート成分を除去後のポリフェニレスルフィド
のみからなる繊維の繊度は0.1デニールであった。ま
た、共重合ポリエチレンテレフタレート成分除去前の繊
維の伸度は59%、強度は3.6g/d であった。
【0022】本シート状物は、弾性と柔軟性を兼ね備え
ており、しかも高い難燃性、耐薬品性も有するので、種
々の用途に展開できるものであった。また、単繊維の脱
落もなく薬液吸水ロール用基材として適するものであっ
た。また、バフ処理したところ、立毛が発生しスエード
調の人工皮革となった。
【0023】実施例3 実施例2と同−の複合紡糸機、口金を用い、使用樹脂も
同一にし、島/海成分重量比率を50/50に変え、紡
糸温度295℃で共重合ポリエチレンテレフタレートと
ポリフェニレスルフィドからなる複合糸を紡糸した。該
吐出された糸状体は口金の下方に設けられた加熱筒を通
り、高速の空気エジェクターで引取速度6km/ 分で引取
られ、さらに実施例1と同様に開繊と糸状体の捕集が行
なわれ、シート状物とした。該シート状物にシリコーン
をスプレーし、針密度100本/cm 2 でニードルパンチ
した。得られたシート状物は目付が110g/ m2 の良好
な表面のシート状物であった。
【0024】次に、別途あらかじめ製造しておいた、2
デニールの連続したポリフェニレンスルフィド繊維から
なる目付が105g/ m2 の紡糸直結方式で作られたシー
ト状物と、積層し、さらに針密度600本/ cm2 でニー
ドルパンチした。ニードルパンチを施した本シート状物
を実施例1と同様に処理し、共重合ポリエチレンテレフ
タレート成分を除去した。つぎに水洗し乾燥したとこ
ろ、良好な風合のシート状物が得られた。また、単繊維
の脱落もないものであった。また、共重合ポリエチレン
テレフタレート成分除去後のポリフェニレスルフィドの
みからなるなる繊維の繊度は0.2デニールであった。
また、共重合ポリエチレンテレフタレート成分除去前の
繊維の伸度は64%、強度は2.2g/d であった。
【0025】さらに、本シート状物を過酢酸に浸積し、
ポリフェニレスルフィド繊維をポリフェニレスルホン繊
維に変性した。次に該シート状物にフェノール樹脂を付
与し、さらにキュアした。本フェノール樹脂が付与され
たシート状物は、濾過性能も高く、また250℃の熱油
にも耐えるものであり、エンジンオイルフイルターとし
て好適なものであった。
【0026】比較例1 実施例1のポリエチレンテレフタレートを単成分紡糸機
で紡糸し、実施例1と同様な、極細繊維からなるシート
を得ることを試みたが、0.7デニールより細い繊維か
らなるシートは製造できなかった。また、同様にポリフ
ェニレスルフィドを用い、シート化を試みたが0.9デ
ニールまでの繊維でのシート化はできなかった。なお、
かかるシートでも欠点の多いシートであった。
【0027】
【発明の効果】本発明の方法により、極細の実用強度を
有した連続繊維からなるシート状物を薬品による樹脂除
去を行うことなく容易に製造できる。これにより、樹脂
除去工程における作業環境が改善され、また熱水処理で
あるため連続極細繊維からなるシート状物はその用途が
大幅に拡大する。本発明方法により、実用強度を有した
連続繊維からなるシ―ト状物が容易に製造できる。 (1) 熱水処理で、樹脂成分を除去することにより、極細
繊維からなるシ―ト状物が得られるので、薬品処理に伴
う繊維の劣化がなく、また作業環境や廃液処理の問題も
ない。
【0028】(2) 樹脂成分除去後の繊維は、他の繊維と
のなじみがよく、複合などが可能となり、用途が拡大し
た。
【0029】(3) 熱水処理で樹脂成分が除去でき、極細
繊維からなるシ―ト状物が得られるので、極細繊維化で
きる繊維の種類も増加した。
【0030】(4) 熱水により樹脂成分の除去が実施でき
るので、従来の熱水処理設備がそのまま転用可能になる
ので、低コストのシ―ト状物が得られる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】5−ナトリウムスルホイソフタル酸8〜2
    0モル%とイソフタル酸5〜40モル%を共重合した共
    重合ポリエチレンテレフタレート樹脂が少なくとも繊維
    の表面を構成し、かつ、該共重合ポリエチレンテレフタ
    レート樹脂を除去したとき、他の樹脂が連続した繊維に
    なるように、該共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂
    と該他の樹脂を溶融複合紡糸する第1工程、溶融紡糸さ
    れた糸状体を引取る第2工程、引取られた糸状体を開繊
    し捕集しシート状物化する第3工程、該シート状物を熱
    水で処理し、該共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂
    を除去処理する第4工程、からなることを特徴とする極
    細連続繊維からなるシート状物の製造法。
  2. 【請求項2】陽イオン補捉剤処理した水からなる熱水を
    用いることを特徴とする請求項1記載の極細連続繊維か
    らなるシ―ト状物の製造法。
  3. 【請求項3】第4工程において共重合ポリエチレンテレ
    フタレート樹脂を除去処理する前または後でニードルパ
    ンチまたは高速流体ジェット処理することを特徴とする
    請求項1または2記載の極細連続繊維からなるシート状
    物の製造法。
  4. 【請求項4】溶融紡糸された糸状体を高速の流体で引取
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の
    極細連続繊維からなるシート状物の製造法。
  5. 【請求項5】引取った糸状体の伸度を150%以下とす
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の
    極細連続繊維からなるシート状物の製造法。
  6. 【請求項6】共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂の
    除去処理が、熱水のバイブロワッシャーまたは、熱水の
    高速流体ジェット処理であることを特徴とする請求項1
    〜5のいずれか1項記載の極細連続繊維からなるシート
    状物の製造法。
JP3151771A 1991-06-24 1991-06-24 極細連続繊維からなるシート状物の製造法 Pending JPH059855A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010514957A (ja) * 2007-01-03 2010-05-06 イーストマン ケミカル カンパニー スルホポリエステルを含む多成分繊維から製造される不織布
CN103992621A (zh) * 2014-06-04 2014-08-20 苏州生益科技有限公司 一种热固性树脂组合物及使用其制作的半固化片和层压板

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