JPH0597580A - 化合物半導体単結晶の成長方法 - Google Patents
化合物半導体単結晶の成長方法Info
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- JPH0597580A JPH0597580A JP29242491A JP29242491A JPH0597580A JP H0597580 A JPH0597580 A JP H0597580A JP 29242491 A JP29242491 A JP 29242491A JP 29242491 A JP29242491 A JP 29242491A JP H0597580 A JPH0597580 A JP H0597580A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 LEC法により化合物半導体単結晶の成長を
行なうにあたり、育成しようとする結晶中の炭素濃度に
応じて封止剤の初期含有水分量を決定すると共に、当該
水分量になるよう調整された封止剤を所定量の原料とと
もにるつぼに入れて炉内に配置して加熱を開始し、炉内
のCOガス濃度を測定しながら、予め種々の条件下で育
成された結晶の特性測定値および育成条件から数値解析
により得られた少なくとも結晶中の炭素濃度と引上げ工
程における任意の時点からの時間とを変数とする所定の
炉内COガス濃度算出式に従って、上記封止剤中の水分
減少に伴う封止剤の炭素捕捉能力の低下を補うように炉
内COガス濃度を制御するようにした。 【効果】 融液中の炭素濃度を引上げ中ほぼ一定に保
ち、引上げられた結晶中の炭素濃度をシード側からテー
ル側にかけて均一にすることができる。
行なうにあたり、育成しようとする結晶中の炭素濃度に
応じて封止剤の初期含有水分量を決定すると共に、当該
水分量になるよう調整された封止剤を所定量の原料とと
もにるつぼに入れて炉内に配置して加熱を開始し、炉内
のCOガス濃度を測定しながら、予め種々の条件下で育
成された結晶の特性測定値および育成条件から数値解析
により得られた少なくとも結晶中の炭素濃度と引上げ工
程における任意の時点からの時間とを変数とする所定の
炉内COガス濃度算出式に従って、上記封止剤中の水分
減少に伴う封止剤の炭素捕捉能力の低下を補うように炉
内COガス濃度を制御するようにした。 【効果】 融液中の炭素濃度を引上げ中ほぼ一定に保
ち、引上げられた結晶中の炭素濃度をシード側からテー
ル側にかけて均一にすることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、単結晶製造技術さらに
は液体封止引上げ法(以下、LEC法と称する)による
化合物半導体単結晶の製造方法に関し、特に所定の炭素
濃度分布を持つGaAs単結晶を製造する場合に利用し
て効果的な技術に関する。
は液体封止引上げ法(以下、LEC法と称する)による
化合物半導体単結晶の製造方法に関し、特に所定の炭素
濃度分布を持つGaAs単結晶を製造する場合に利用し
て効果的な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融B2O3などでるつぼ内の原料融液を
封止した状態で融液表面に種結晶をつけ、これを回転さ
せながら単結晶の引上げを行なうLEC法では、ヒータ
ーや熱遮蔽体としてグラファイト等のカーボン材が用い
られており、このようなカーボン材を用いた単結晶引上
げ装置では、育成された単結晶中に高濃度の炭素が含有
されることが知られている。育成結晶中に取り込まれた
炭素は、浅いアクセプタとして作用するが、従来の製造
技術ではその濃度を一定にできないため、結晶の電気的
特性やイオン注入後の活性化率が不均一になるという問
題があった。
封止した状態で融液表面に種結晶をつけ、これを回転さ
せながら単結晶の引上げを行なうLEC法では、ヒータ
ーや熱遮蔽体としてグラファイト等のカーボン材が用い
られており、このようなカーボン材を用いた単結晶引上
げ装置では、育成された単結晶中に高濃度の炭素が含有
されることが知られている。育成結晶中に取り込まれた
炭素は、浅いアクセプタとして作用するが、従来の製造
技術ではその濃度を一定にできないため、結晶の電気的
特性やイオン注入後の活性化率が不均一になるという問
題があった。
【0003】従来、LEC法で育成されたGaAs単結
晶中の炭素濃度を減らす方法が種々提案されている(特
開昭62−2306945号、特開昭63−21290
号等)。しかしながら従来提案されている方法はいずれ
も、炭素濃度が低下するものの依然として成長方向の濃
度のばらつきが大きく、成長方向の炭素濃度の均一な結
晶を歩留りよく製造することはできなかった。また、従
来GaAs単結晶では炭素濃度が低いほどよい(1.5
×1015cm-3以下)とされていた(特開昭62−307
00号)が、本出願人が先に提案した特願昭62−19
4128号明細書で明らかにしたように、高い抵抗率を
有し、移動度が高く、かつ熱変性を起こさない結晶を得
るためにはGaAs単結晶中には炭素が少量入っている
のが好ましい。したがって、結晶中の炭素濃度はむしろ
一定値に制御することが重要である。一方、高圧引上げ
炉に接続された排気管もしくは引上げ炉にCOガス濃度
検出器を取り付け、この検出器の信号に基づいて上記引
上げ炉内のCOガス濃度が一定になるように、炉内ガス
を制御しながら結晶の引上げを行なうことで、結晶中の
炭素濃度の均一性を向上させる方法が提案されている
(特開平1−239089号、特願平1−232042
号)。
晶中の炭素濃度を減らす方法が種々提案されている(特
開昭62−2306945号、特開昭63−21290
号等)。しかしながら従来提案されている方法はいずれ
も、炭素濃度が低下するものの依然として成長方向の濃
度のばらつきが大きく、成長方向の炭素濃度の均一な結
晶を歩留りよく製造することはできなかった。また、従
来GaAs単結晶では炭素濃度が低いほどよい(1.5
×1015cm-3以下)とされていた(特開昭62−307
00号)が、本出願人が先に提案した特願昭62−19
4128号明細書で明らかにしたように、高い抵抗率を
有し、移動度が高く、かつ熱変性を起こさない結晶を得
るためにはGaAs単結晶中には炭素が少量入っている
のが好ましい。したがって、結晶中の炭素濃度はむしろ
一定値に制御することが重要である。一方、高圧引上げ
炉に接続された排気管もしくは引上げ炉にCOガス濃度
検出器を取り付け、この検出器の信号に基づいて上記引
上げ炉内のCOガス濃度が一定になるように、炉内ガス
を制御しながら結晶の引上げを行なうことで、結晶中の
炭素濃度の均一性を向上させる方法が提案されている
(特開平1−239089号、特願平1−232042
号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、LEC
法によるGaAs単結晶の引上げにおいては、封止剤と
して使用されるB2O3中に水分が含まれており、この含
有水分が原料融液中の炭素を捕捉する作用がある。一
方、封止剤(B2O3)中の水分量は結晶の性質に影響
し、少ないと結晶中の不純物が多くなり、多いと双晶の
発生が多くなるため、通常は50ppmw〜3000ppmwと
される(特願昭62−137447号)。しかもB2O3
中の含有水分量は引上げ中少しずつ蒸発し、時間の経過
とともに減少していく。従って、原料仕込み時における
B2O3中の水分量と融液保持時間の長さによって、融液
中の炭素の捕捉能力が変化する。そのため、前述したよ
うに炉内のCOガス濃度を一定の濃度に保っただけでは
結晶中の炭素濃度の均一性を向上させるのに不十分であ
り、原料融解後結晶引上げ開始までの時間がずれると結
晶のシード側とテール側とで炭素濃度が異なってしまう
ことがあるということがその後明らかになった。
法によるGaAs単結晶の引上げにおいては、封止剤と
して使用されるB2O3中に水分が含まれており、この含
有水分が原料融液中の炭素を捕捉する作用がある。一
方、封止剤(B2O3)中の水分量は結晶の性質に影響
し、少ないと結晶中の不純物が多くなり、多いと双晶の
発生が多くなるため、通常は50ppmw〜3000ppmwと
される(特願昭62−137447号)。しかもB2O3
中の含有水分量は引上げ中少しずつ蒸発し、時間の経過
とともに減少していく。従って、原料仕込み時における
B2O3中の水分量と融液保持時間の長さによって、融液
中の炭素の捕捉能力が変化する。そのため、前述したよ
うに炉内のCOガス濃度を一定の濃度に保っただけでは
結晶中の炭素濃度の均一性を向上させるのに不十分であ
り、原料融解後結晶引上げ開始までの時間がずれると結
晶のシード側とテール側とで炭素濃度が異なってしまう
ことがあるということがその後明らかになった。
【0005】そこで、本出願人は、「LEC法により化
合物半導体単結晶の成長を行なうにあたり、育成しよう
とする結晶中の炭素濃度に応じて封止剤の初期含有水分
量を決定すると共に、当該水分量になるよう調整された
封止剤を所定量の原料とともにるつぼに入れて炉内に配
置して加熱を開始し、炉内のCOガス濃度を測定しなが
ら、原料融解後結晶引上げ開始までの間不活性ガスを導
入して炉内COガス濃度が所定値で安定するように制御
し、その後引上げ中の封止剤の水分減少に伴う炭素捕捉
能力の低下に見合うように炉内COガス濃度を徐々に減
少させるようにした」ことを特徴とする発明を先に提案
した(特願平2−295108号)。
合物半導体単結晶の成長を行なうにあたり、育成しよう
とする結晶中の炭素濃度に応じて封止剤の初期含有水分
量を決定すると共に、当該水分量になるよう調整された
封止剤を所定量の原料とともにるつぼに入れて炉内に配
置して加熱を開始し、炉内のCOガス濃度を測定しなが
ら、原料融解後結晶引上げ開始までの間不活性ガスを導
入して炉内COガス濃度が所定値で安定するように制御
し、その後引上げ中の封止剤の水分減少に伴う炭素捕捉
能力の低下に見合うように炉内COガス濃度を徐々に減
少させるようにした」ことを特徴とする発明を先に提案
した(特願平2−295108号)。
【0006】ただし、上記先願発明における結晶引上げ
中の炉内COガス濃度の具体的な減少のさせ方は、結晶
育成開始時と結晶育成終了時の炉内COガス濃度を決
め、その間徐々に低減させていくというものであった。
しかしながら、本発明者等のその鋭意研究により、結晶
引上げ中における炉内COガス濃度を単に減少させたの
では結晶の成長方向に沿って炭素濃度が一定にならず、
結晶の中央部で炭素濃度が目標値と異なることが明らか
になった。本発明は、上記先願発明の改良に関するもの
でその目的とするところは、シード側からテイル側まで
結晶全体に亘って所望の炭素濃度分布を有する化合物半
導体単結晶の製造技術を提供することにある。
中の炉内COガス濃度の具体的な減少のさせ方は、結晶
育成開始時と結晶育成終了時の炉内COガス濃度を決
め、その間徐々に低減させていくというものであった。
しかしながら、本発明者等のその鋭意研究により、結晶
引上げ中における炉内COガス濃度を単に減少させたの
では結晶の成長方向に沿って炭素濃度が一定にならず、
結晶の中央部で炭素濃度が目標値と異なることが明らか
になった。本発明は、上記先願発明の改良に関するもの
でその目的とするところは、シード側からテイル側まで
結晶全体に亘って所望の炭素濃度分布を有する化合物半
導体単結晶の製造技術を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、るつぼ内に原料および封止剤を入れて高圧引
上げ炉内に配置し、発熱体により加熱して融解させ、そ
の原料表面を封止剤で覆った状態で種結晶を接触させて
これを徐々に引き上げることにより化合物半導体単結晶
の成長を行なうにあたり、育成しようとする結晶中の炭
素濃度に応じて封止剤の初期含有水分量を決定すると共
に、当該水分量になるよう調整された封止剤を所定量の
原料とともにるつぼに入れて炉内に配置して加熱を開始
し、炉内のCOガス濃度を測定しながら、予め種々の条
件下で育成された結晶の特性測定値および育成条件から
数値解析により得られた少なくとも結晶中の炭素濃度と
引上げ工程における任意の時点からの時間とを変数とす
る所定の炉内COガス濃度算出式に従って、上記封止剤
中の水分減少に伴う封止剤の炭素捕捉能力の低下を補う
ように炉内COガス濃度を制御するようにしたものであ
る。また、上記炉内COガス濃度算出式が指数関数を含
むようにしたものである。
するため、るつぼ内に原料および封止剤を入れて高圧引
上げ炉内に配置し、発熱体により加熱して融解させ、そ
の原料表面を封止剤で覆った状態で種結晶を接触させて
これを徐々に引き上げることにより化合物半導体単結晶
の成長を行なうにあたり、育成しようとする結晶中の炭
素濃度に応じて封止剤の初期含有水分量を決定すると共
に、当該水分量になるよう調整された封止剤を所定量の
原料とともにるつぼに入れて炉内に配置して加熱を開始
し、炉内のCOガス濃度を測定しながら、予め種々の条
件下で育成された結晶の特性測定値および育成条件から
数値解析により得られた少なくとも結晶中の炭素濃度と
引上げ工程における任意の時点からの時間とを変数とす
る所定の炉内COガス濃度算出式に従って、上記封止剤
中の水分減少に伴う封止剤の炭素捕捉能力の低下を補う
ように炉内COガス濃度を制御するようにしたものであ
る。また、上記炉内COガス濃度算出式が指数関数を含
むようにしたものである。
【0008】
【作用】封止剤(B2O3)中の水分は、次の反応式 C(融液中)+OH(B2O3中) →CO(B2O3中)+1/2H2(B2O3中→ガス中)‥‥(1) に従って原料融液中の炭素を捕捉し、炭素濃度を下げる
作用を有する。しかるに、B2O3中の水分は図1に示す
ように融液保持時間に比例して減少する。一方、引上げ
中、炉内雰囲気中のCOとB2O3中のCOとは平衡して
おり、炉内雰囲気中のCOガス濃度が高くなればB2O3
中のCOガス濃度が高くなる。また、B2O3中のCO
は、次式の反応 Ga(融液中)+CO(B2O3中) →C(融液中)+GaOx(B2O3中)‥‥(2) に従って融液中の炭素濃度を高くする作用を有してい
る。上記(1)と(2)の反応が均衡していれば原料融
液中の炭素濃度は一定に保たれるはずである。ところ
が、(1)の反応はB2O3中の水分の減少に伴って遅く
なるため、(2)の反応の方が相対的に速くなって融液
中の炭素濃度が高くなると考えられる。
作用を有する。しかるに、B2O3中の水分は図1に示す
ように融液保持時間に比例して減少する。一方、引上げ
中、炉内雰囲気中のCOとB2O3中のCOとは平衡して
おり、炉内雰囲気中のCOガス濃度が高くなればB2O3
中のCOガス濃度が高くなる。また、B2O3中のCO
は、次式の反応 Ga(融液中)+CO(B2O3中) →C(融液中)+GaOx(B2O3中)‥‥(2) に従って融液中の炭素濃度を高くする作用を有してい
る。上記(1)と(2)の反応が均衡していれば原料融
液中の炭素濃度は一定に保たれるはずである。ところ
が、(1)の反応はB2O3中の水分の減少に伴って遅く
なるため、(2)の反応の方が相対的に速くなって融液
中の炭素濃度が高くなると考えられる。
【0009】しかるに、本発明においては、炉内雰囲気
中のCOガス濃度を、少なくとも結晶中の炭素濃度と引
上げ工程における任意の時点からの時間とを変数とする
所定の炉内COガス濃度算出式に従って、封止剤の水分
減少に伴う炭素捕捉能力の低下を補うように制御するの
で、融液中の炭素濃度が結晶引上げ中ほぼ一定に保たれ
る。その結果、引上げられた結晶中の炭素濃度がシード
側からテール側にかけて一定になる。また、GaAs単
結晶中の炭素濃度と、仕込み時のB2O3の含有水分量と
は、図2に示すように所定の関係にある。従って、上記
のように仕込み時における封止剤中の水分量を規定して
おくことによって、所望の結晶中炭素濃度となるように
制御し易くなる。
中のCOガス濃度を、少なくとも結晶中の炭素濃度と引
上げ工程における任意の時点からの時間とを変数とする
所定の炉内COガス濃度算出式に従って、封止剤の水分
減少に伴う炭素捕捉能力の低下を補うように制御するの
で、融液中の炭素濃度が結晶引上げ中ほぼ一定に保たれ
る。その結果、引上げられた結晶中の炭素濃度がシード
側からテール側にかけて一定になる。また、GaAs単
結晶中の炭素濃度と、仕込み時のB2O3の含有水分量と
は、図2に示すように所定の関係にある。従って、上記
のように仕込み時における封止剤中の水分量を規定して
おくことによって、所望の結晶中炭素濃度となるように
制御し易くなる。
【0010】
【実施例】以下、本発明をGaAs単結晶の育成に適用
した場合の一実施例について説明する。まず、原料と所
定の含有水分量のB2O3とをるつぼに仕込み、それを高
圧引上げ炉内にセットする。この際、仕込み時のB2O3
の含有水分量は、得ようとするGaAs単結晶中の炭素
濃度から図2を用いて決定する。例えばGaAs単結晶
中の炭素濃度を(2〜4)×1015cm-3としたい場合に
は仕込み時の含有水分量が150ppmw以上250ppmw以
下のB2O3を使用する。次に、加熱を開始し、炉内のC
Oガス濃度を測定しながら、原料融解後結晶引上げ開始
までの間不活性ガスを導入して炉内COガス濃度を所定
値に安定させる。例えばGaAs単結晶中の炭素濃度を
(2〜4)×1015cm-3としたい場合には引上げ開始時
の炉内COガス濃度を200〜3000ppmに調節す
る。
した場合の一実施例について説明する。まず、原料と所
定の含有水分量のB2O3とをるつぼに仕込み、それを高
圧引上げ炉内にセットする。この際、仕込み時のB2O3
の含有水分量は、得ようとするGaAs単結晶中の炭素
濃度から図2を用いて決定する。例えばGaAs単結晶
中の炭素濃度を(2〜4)×1015cm-3としたい場合に
は仕込み時の含有水分量が150ppmw以上250ppmw以
下のB2O3を使用する。次に、加熱を開始し、炉内のC
Oガス濃度を測定しながら、原料融解後結晶引上げ開始
までの間不活性ガスを導入して炉内COガス濃度を所定
値に安定させる。例えばGaAs単結晶中の炭素濃度を
(2〜4)×1015cm-3としたい場合には引上げ開始時
の炉内COガス濃度を200〜3000ppmに調節す
る。
【0011】その後、炉内COガス濃度を次式に従って
徐々に減少させるようにする。
徐々に減少させるようにする。
【数1】 ここで、xは炉内COガス濃度、yは原料融解時からの
時間、zは結晶中炭素濃度、a,bは係数、cは定数で
ある。なお、上記数式は過去の引上げ結晶の測定値及び
育成条件を数値解析した結果に基いて仮定した。また、
上記数式における係数a,bおよび定数cは過去の引上
げ結晶の測定値および育成条件を用いて最小二乗法にて
決定する。
時間、zは結晶中炭素濃度、a,bは係数、cは定数で
ある。なお、上記数式は過去の引上げ結晶の測定値及び
育成条件を数値解析した結果に基いて仮定した。また、
上記数式における係数a,bおよび定数cは過去の引上
げ結晶の測定値および育成条件を用いて最小二乗法にて
決定する。
【0012】図3には本発明方法の実施に使用して好適
な単結晶引上げ装置の一例を示す。この実施例の結晶引
上げ装置は、密閉型の高圧引上げ炉1内にるつぼ2が支
持軸3により回転可能に支持され、るつぼ2の周囲には
ヒーター4が配置されている。ヒーター4としては、炉
内COガスの発生量を10ppm/時間以下とするため、
かさ密度1.85g/cm3の等方性高密度黒鉛で形成され
たものを用いるのがよい。そして、ヒーター4の外側に
は同じくカーボン製の熱遮蔽体5が配置されているとと
もに、るつぼ2の上方からは下端に種結晶を有する引上
げ軸6が垂下されている。さらに、引上げ炉1の側壁に
は、不活性ガス等を導入するためのガス導入管11と、
炉内ガスを排気するための排気管12が接続され、ガス
導入管11の途中には炉内圧力調整弁13が、また排気
管12の途中には流量調整バルブ14が設けられてい
る。
な単結晶引上げ装置の一例を示す。この実施例の結晶引
上げ装置は、密閉型の高圧引上げ炉1内にるつぼ2が支
持軸3により回転可能に支持され、るつぼ2の周囲には
ヒーター4が配置されている。ヒーター4としては、炉
内COガスの発生量を10ppm/時間以下とするため、
かさ密度1.85g/cm3の等方性高密度黒鉛で形成され
たものを用いるのがよい。そして、ヒーター4の外側に
は同じくカーボン製の熱遮蔽体5が配置されているとと
もに、るつぼ2の上方からは下端に種結晶を有する引上
げ軸6が垂下されている。さらに、引上げ炉1の側壁に
は、不活性ガス等を導入するためのガス導入管11と、
炉内ガスを排気するための排気管12が接続され、ガス
導入管11の途中には炉内圧力調整弁13が、また排気
管12の途中には流量調整バルブ14が設けられてい
る。
【0013】また、排気管12にはCOガス濃度検出器
16が接続され、この検出器16の出力信号に基づいて
上記バルブ14を調整するように構成されている。ガス
導入管11の始端には、CO2ガスを混合した不活性ガ
スを入れたボンベ17と無添加の不活性ガスを入れたボ
ンベ18が接続されている。なお、るつぼ2内には原料
とともに封止剤を入れるようになっており、原料融液7
の表面をB2O3からなる液体封止剤8によって封止した
状態でGaAs単結晶の引上げが行なわれる。
16が接続され、この検出器16の出力信号に基づいて
上記バルブ14を調整するように構成されている。ガス
導入管11の始端には、CO2ガスを混合した不活性ガ
スを入れたボンベ17と無添加の不活性ガスを入れたボ
ンベ18が接続されている。なお、るつぼ2内には原料
とともに封止剤を入れるようになっており、原料融液7
の表面をB2O3からなる液体封止剤8によって封止した
状態でGaAs単結晶の引上げが行なわれる。
【0014】上記高圧単結晶引上げ装置により本発明を
実施するには、まず化合物半導体の原料と所定の含有水
分量のB2O3とを入れたるつぼ2を高圧引上げ炉1内に
セットする。それから、バルブ14を開いて炉内の空気
を排気管12を介して真空ポンプ(図示省略)で排気し
た後、バルブ14を閉じて代わりに炉内圧力調整弁13
およびバルブ19を開き、ボンベ17内のCO2ガスを
混合した不活性ガスをガス導入管11より炉内へ導入
し、数十気圧の圧力をかける。しかる後、ヒーター4に
給電して炉内を加熱し、るつぼ内の原料を溶融させる。
炉内温度が上昇すると炉内のCO2ガスはCOガスにな
る。炉内COガス濃度は、排気管12に設けたバルブ1
4を開いて検出器16により検出する。
実施するには、まず化合物半導体の原料と所定の含有水
分量のB2O3とを入れたるつぼ2を高圧引上げ炉1内に
セットする。それから、バルブ14を開いて炉内の空気
を排気管12を介して真空ポンプ(図示省略)で排気し
た後、バルブ14を閉じて代わりに炉内圧力調整弁13
およびバルブ19を開き、ボンベ17内のCO2ガスを
混合した不活性ガスをガス導入管11より炉内へ導入
し、数十気圧の圧力をかける。しかる後、ヒーター4に
給電して炉内を加熱し、るつぼ内の原料を溶融させる。
炉内温度が上昇すると炉内のCO2ガスはCOガスにな
る。炉内COガス濃度は、排気管12に設けたバルブ1
4を開いて検出器16により検出する。
【0015】原料が融解し、炉内COガス濃度が安定し
た後、ガス導入管11の炉内圧力調節弁13の2次側圧
力を所定の圧力に設定し、純不活性ガスボンベ18のバ
ルブ20とガス排気管12の流量調整バルブ14を開い
て、無添加の不活性ガスを連続的あるいは間歇的に炉内
に導入・排気することにより、前記数式に基づいて炉内
COガス濃度を制御しながら結晶育成を開始する。例え
ば図4に示すように結晶育成開始後直胴部に移るまでは
炉内のCOガス濃度が一定となるように定数cを決定す
るのもよい。その後、炉内COガス濃度を徐々に低下さ
せて直胴部およびテイル部の育成を行なう。上記育成中
の炉内COガス濃度の時間的変化(制御プロファイル)
の一例を、図4に示す。本法で育成した結晶の炭素濃度
のばらつきはFT−IRで分析した結果、結晶のシード
側からテール側まで±0.1×1015cm-3に制御するこ
とができた。また、本法を用いた場合は結晶育成を開始
する時間がいつであっても常に同一炭素濃度の結晶が育
成できるため、引上げが容易となる。
た後、ガス導入管11の炉内圧力調節弁13の2次側圧
力を所定の圧力に設定し、純不活性ガスボンベ18のバ
ルブ20とガス排気管12の流量調整バルブ14を開い
て、無添加の不活性ガスを連続的あるいは間歇的に炉内
に導入・排気することにより、前記数式に基づいて炉内
COガス濃度を制御しながら結晶育成を開始する。例え
ば図4に示すように結晶育成開始後直胴部に移るまでは
炉内のCOガス濃度が一定となるように定数cを決定す
るのもよい。その後、炉内COガス濃度を徐々に低下さ
せて直胴部およびテイル部の育成を行なう。上記育成中
の炉内COガス濃度の時間的変化(制御プロファイル)
の一例を、図4に示す。本法で育成した結晶の炭素濃度
のばらつきはFT−IRで分析した結果、結晶のシード
側からテール側まで±0.1×1015cm-3に制御するこ
とができた。また、本法を用いた場合は結晶育成を開始
する時間がいつであっても常に同一炭素濃度の結晶が育
成できるため、引上げが容易となる。
【0016】なお、上記実施例では、結晶引上げ中にお
ける炉内COガス濃度の算出式として、前記数式のよう
な指数関数を仮定したが、前記数式とは異なる算出式を
仮定して制御することも可能である。また、上記実施例
では、GaAs単結晶の成長を例にとって説明したが、
この発明はGaAsに限定されずInPその他の化合物
半導体単結晶の成長に利用できる。
ける炉内COガス濃度の算出式として、前記数式のよう
な指数関数を仮定したが、前記数式とは異なる算出式を
仮定して制御することも可能である。また、上記実施例
では、GaAs単結晶の成長を例にとって説明したが、
この発明はGaAsに限定されずInPその他の化合物
半導体単結晶の成長に利用できる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明は、るつぼ
内に原料および封止剤を入れて高圧引上げ炉内に配置
し、発熱体により加熱して融解させ、その原料表面を封
止剤で覆った状態で種結晶を接触させてこれを徐々に引
き上げることにより化合物半導体単結晶の成長を行なう
にあたり、育成しようとする結晶中の炭素濃度に応じて
封止剤の初期含有水分量を決定すると共に、当該水分量
になるよう調整された封止剤を所定量の原料とともにる
つぼに入れて炉内に配置して加熱を開始し、炉内のCO
ガス濃度を測定しながら、予め種々の条件下で育成され
た結晶の特性測定値および育成条件から数値解析により
得られた少なくとも結晶中の炭素濃度と引上げ工程にお
ける任意の時点からの時間とを変数とする所定の炉内C
Oガス濃度算出式に従って、上記封止剤中の水分減少に
伴う封止剤の炭素捕捉能力の低下を補うように炉内CO
ガス濃度を制御するようにしたので、融液中の炭素濃度
が引上げ中ほぼ一定に保たれ、その結果、引上げられた
結晶中の炭素濃度がシード側からテール側にかけて均一
になるという効果がある。なお、上記実施例では、育成
結晶中の炭素濃度が均一となるような成長方法について
説明したが、この発明は、計算式や式中の係数、定数等
を変えることで、任意の結晶中炭素濃度分布を実現する
ことができる。
内に原料および封止剤を入れて高圧引上げ炉内に配置
し、発熱体により加熱して融解させ、その原料表面を封
止剤で覆った状態で種結晶を接触させてこれを徐々に引
き上げることにより化合物半導体単結晶の成長を行なう
にあたり、育成しようとする結晶中の炭素濃度に応じて
封止剤の初期含有水分量を決定すると共に、当該水分量
になるよう調整された封止剤を所定量の原料とともにる
つぼに入れて炉内に配置して加熱を開始し、炉内のCO
ガス濃度を測定しながら、予め種々の条件下で育成され
た結晶の特性測定値および育成条件から数値解析により
得られた少なくとも結晶中の炭素濃度と引上げ工程にお
ける任意の時点からの時間とを変数とする所定の炉内C
Oガス濃度算出式に従って、上記封止剤中の水分減少に
伴う封止剤の炭素捕捉能力の低下を補うように炉内CO
ガス濃度を制御するようにしたので、融液中の炭素濃度
が引上げ中ほぼ一定に保たれ、その結果、引上げられた
結晶中の炭素濃度がシード側からテール側にかけて均一
になるという効果がある。なお、上記実施例では、育成
結晶中の炭素濃度が均一となるような成長方法について
説明したが、この発明は、計算式や式中の係数、定数等
を変えることで、任意の結晶中炭素濃度分布を実現する
ことができる。
【図1】融液保持時間とB2O3中の残留水分量との関係
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図2】B2O3中の水分量とGaAs単結晶中の炭素濃
度との関係を示すグラフである。
度との関係を示すグラフである。
【図3】本発明方法の実施に使用する単結晶引上げ装置
の一例を示す断面図である。
の一例を示す断面図である。
【図4】本発明の一実施例における炉内COガス濃度の
制御プロファイルを示すグラフである。
制御プロファイルを示すグラフである。
1 高圧引上げ炉 2 るつぼ 4 発熱体(ヒーター) 11 ガス導入管 12 排気管 13 炉内圧力調整弁 14、19,20 バルブ
Claims (2)
- 【請求項1】 るつぼ内に原料および封止剤を入れて高
圧引上げ炉内に配置し、発熱体により加熱して融解さ
せ、その原料表面を封止剤で覆った状態で種結晶を接触
させてこれを徐々に引き上げることにより化合物半導体
単結晶の成長を行なうにあたり、育成しようとする結晶
中の炭素濃度に応じて封止剤の初期含有水分量を決定す
ると共に、当該水分量になるよう調整された封止剤を所
定量の原料とともにるつぼに入れて炉内に配置して加熱
を開始し、炉内のCOガス濃度を測定しながら、予め種
々の条件下で育成された結晶の特性測定値および育成条
件から数値解析により得られた少なくとも結晶中の炭素
濃度と引上げ工程における任意の時点からの時間とを変
数とする所定の炉内COガス濃度算出式に従って、上記
封止剤中の水分減少に伴う封止剤の炭素捕捉能力の低下
を補うように炉内COガス濃度を制御するようにしたこ
とを特徴とする化合物半導体単結晶の成長方法。 - 【請求項2】 上記炉内COガス濃度算出式が指数関数
を含むことを特徴とする請求項1記載の化合物半導体単
結晶の成長方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3292424A JP2583811B2 (ja) | 1991-10-09 | 1991-10-09 | 化合物半導体単結晶の成長方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3292424A JP2583811B2 (ja) | 1991-10-09 | 1991-10-09 | 化合物半導体単結晶の成長方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0597580A true JPH0597580A (ja) | 1993-04-20 |
JP2583811B2 JP2583811B2 (ja) | 1997-02-19 |
Family
ID=17781612
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3292424A Expired - Fee Related JP2583811B2 (ja) | 1991-10-09 | 1991-10-09 | 化合物半導体単結晶の成長方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2583811B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998012364A1 (de) * | 1996-09-20 | 1998-03-26 | Forschungszentrum Jülich GmbH | VERFAHREN ZUR AKTIVEN DEFEKTSTEUERUNG BEI DER ZÜCHTUNG VON GaAs-KRISTALLEN |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6230700A (ja) * | 1985-08-01 | 1987-02-09 | Shin Etsu Handotai Co Ltd | 化合物半導体単結晶およびその製造方法 |
-
1991
- 1991-10-09 JP JP3292424A patent/JP2583811B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6230700A (ja) * | 1985-08-01 | 1987-02-09 | Shin Etsu Handotai Co Ltd | 化合物半導体単結晶およびその製造方法 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998012364A1 (de) * | 1996-09-20 | 1998-03-26 | Forschungszentrum Jülich GmbH | VERFAHREN ZUR AKTIVEN DEFEKTSTEUERUNG BEI DER ZÜCHTUNG VON GaAs-KRISTALLEN |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2583811B2 (ja) | 1997-02-19 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |