JPH1112086A - 化合物半導体単結晶の製造方法およびGaAs単結晶 - Google Patents

化合物半導体単結晶の製造方法およびGaAs単結晶

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JPH1112086A
JPH1112086A JP16147597A JP16147597A JPH1112086A JP H1112086 A JPH1112086 A JP H1112086A JP 16147597 A JP16147597 A JP 16147597A JP 16147597 A JP16147597 A JP 16147597A JP H1112086 A JPH1112086 A JP H1112086A
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carbon
gaas
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melt
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Akitsugu Iwasaki
晃嗣 岩崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比抵抗の高い半絶縁性GaAs単結晶を育成
する場合に、一酸化炭素濃度を制御する方法では保持時
間が長くなるという問題点を解決する。また、比抵抗が
高くかつホウ素濃度が低い半絶縁性GaAs単結晶を得
る。 【解決手段】 液体封止引き上げ(LEC)法を用いた
化合物半導体単結晶の製造方法において、該化合物半導
体単結晶への炭素不純物添加のための原料として、炭素
(C)の単体或いは高濃度の炭素をドーピングした該化
合物半導体の多結晶を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はFET、IC等の電
子デバイスに使用される化合物半導体単結晶の製造方法
に係り、特に結晶中の炭素濃度を制御した半絶縁性のG
aAs単結晶の製造方法に関するものである。また本発
明は、低ホウ素濃度で高抵抗のGaAs単結晶に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電子デバイス製作のための基板として使
用されている半絶縁性GaAs単結晶の最も重要な特性
の1つに比抵抗がある。そして、製作するデバイスの種
類によって基板の最適な比抵抗の範囲が異なるため、G
aAs単結晶の比抵抗を所望の範囲に制御する必要があ
る。
【0003】GaAs結晶中の炭素は浅いアクセプター
準位を形成し、GaAs結晶の比抵抗に大きな影響を及
ぼす。比抵抗が1×107 〜3×108 Ωcmの範囲で
は、GaAs結晶中の炭素濃度の増加に伴って、比抵抗
は直線的に増加する。そのため、GaAs単結晶の比抵
抗を制御するために、結晶中の炭素濃度を制御すること
が行われている。
【0004】半絶縁性GaAs単結晶の育成法の一つに
液体封止引き上げ法(以下LEC法)がある。従来のL
EC法においては、引き上げ炉内に充填されている不活
性ガス中の一酸化炭素濃度を制御することで、GaAs
単結晶中の炭素濃度の制御が行われていた。すなわち、
引き上げ炉内のガスをサンプリングしてその不活性ガス
中に含まれる一酸化炭素濃度を分析し、必要な量の一酸
化炭素もしくは二酸化炭素を炉内に導入するという方法
によって、引き上げ炉内の一酸化炭素濃度を制御し、結
晶中の炭素濃度の制御が行われていた。この引き上げ炉
内の一酸化炭素濃度の制御方法については、特開平1−
239089、特開平5−97580や特開平6−56
582の様に今までに数多くの報告書や特許が出されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、デバイスの高性
能化のために、より比抵抗の高いGaAs単結晶基板に
対する需要が多くなって来ている。結晶中に取り込まれ
る炭素の量と引き上げ炉内の一酸化炭素濃度とは、結晶
育成条件によって異なるが一定条件の下ではある関係を
持っており、一酸化炭素濃度が高くなれば育成された結
晶中の炭素濃度も高くなる。そのため、比抵抗の高い結
晶を育成するためには、引き上げ炉内の一酸化炭素濃度
を高くする必要がある。しかし、従来のLEC法による
GaAs単結晶の製造においては、一酸化炭素が液体封
止剤のB23 に溶け、さらにGaAs融液に混入する
という過程が必要なため、目的とする比抵抗の高いGa
As単結晶を得るためには通常数時間の保持が必要であ
り、さらに比抵抗を高めようとすれば、より長い時間を
要するようになる。つまり、高い比抵抗の結晶を育成し
ようとする場合、結晶引き上げまでの保持時間を長くし
なくてはならず、生産性が落ちるという問題が発生して
いた。
【0006】また、電子デバイス製作のための基板とし
て使用されている半絶縁性GaAs単結晶の別の重要な
特性の1つにGaAs結晶中のホウ素(B)濃度があ
る。GaAs結晶中のホウ素濃度が高いとイオン注入層
の活性化率を低下させ、製作されたデバイスの性能を悪
化させるため、GaAs単結晶中のホウ素濃度は2×1
16cm-3以下、さらに好ましくは1×1016cm-3
下に抑えることが望ましい。
【0007】GaAs単結晶中のホウ素濃度を低減させ
る方法の一つに、LEC法において封止剤として使われ
るB23 に水分含有量の高いものを使用する方法があ
る。高水分のB23 を使用することによりGaAs融
液中のホウ素濃度が減少する機構は、GaAs融液中に
入ったホウ素がB23 中の水分によりB23 に酸化
されることにより除去されるものと推定される。しかし
水分含有量の高いB23 を使用した場合、GaAs融
液中の炭素もB23 中の水分と反応して、一酸化炭素
となって雰囲気ガス中に逃げてしまうため、結晶にドー
ピングされる炭素は少なくなってしまう。そのため従来
の方法では、水分含有量の高いB23 を使用した場
合、比抵抗の高いGaAs単結晶基板を得るためには、
引き上げ炉内の一酸化炭素濃度を更に高める必要があ
る。また、単結晶引き上げまでの融液の保持時間は更に
長くなって10時間前後にまでなってしまう。
【0008】一方、LEC法によるGaAs単結晶の製
造においては、ホウ素はB23 から刻々とGaAs融
液中に入り込む。従って、一般に保持時間が長くなるほ
ど育成された結晶中のホウ素濃度は高くなる。従って、
比抵抗の高いGaAs単結晶基板を得るために単結晶引
き上げまでの融液の保持時間が長くなった場合、含有水
分の高いB23 を使用しても、結果としてGaAs単
結晶中のホウ素濃度が十分低くできないという問題も発
生する。
【0009】本発明は、比抵抗の高い半絶縁性GaAs
単結晶を育成する場合に、従来の引き上げ炉内の一酸化
炭素濃度を制御する方法では、原料の融解から単結晶引
き上げ開始までの保持時間が長くなるという問題点を解
決することを目的とする。また本発明は、GaAs単結
晶中のホウ素濃度を低減させるために水分含有量の高い
23 を使用した場合に、比抵抗が高くかつホウ素濃
度が低い半絶縁性GaAs単結晶を得ることを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、液体封止引き
上げ(LEC)法を用いた化合物半導体単結晶の製造方
法において、該化合物半導体単結晶への炭素不純物添加
のための原料として、炭素(C)の単体を用いることを
特徴とする。特に本発明は、上記化合物半導体が、砒化
ガリウム(GaAs)であることを特徴とする。また特
に本発明は、上記炭素の単体が、砒素(As)によって
被覆された炭素の微粉であることを特徴とする。また本
発明は、液体封止引き上げ(LEC)法を用いた化合物
半導体単結晶の製造方法において、該化合物半導体単結
晶への炭素不純物添加のための原料として、高濃度の炭
素をドーピングした該化合物半導体の多結晶を用いるこ
とを特徴とする。特に本発明は、上記化合物半導体が、
砒化ガリウム(GaAs)であることを特徴とする。
【0011】また本発明は、ホウ素濃度が1×1016
-3以下であり、かつ比抵抗が7×107 Ωcm以上で
あるGaAs単結晶である。
【0012】
【発明の実施の形態】比抵抗の高い半絶縁性GaAs単
結晶を育成する場合に、従来の引き上げ炉内の一酸化炭
素濃度を制御する方法では原料の融解から単結晶引き上
げ開始までの保持時間が長くなるという問題点を解決す
るためには、LEC法においてGaAs融液中の炭素濃
度を短時間で高める手段が必要である。そこで本発明者
は、炭素の単体をGaAs融液に接触させることによ
り、炭素をドーピングする方法に思い至った。
【0013】従来の一酸化炭素を用いた結晶中の炭素濃
度の制御方法では、引き上げ炉内で雰囲気ガス中の一酸
化炭素が封止剤のB23 に溶けてから、GaAs融液
との酸化還元反応によって炭素が融液中に取り込まれる
反応が起きている。この反応速度は非常に遅いので、一
酸化炭素濃度によりGaAs結晶中の炭素濃度を制御す
る場合、GaAs融液中の炭素濃度が所望の濃度に達す
るまで融液を長時間保持しておく必要があった。保持時
間は目的とする結晶の比抵抗、一酸化炭素濃度、B2
3 中の水分、B23 の量、GaAs融液の量、ルツボ
の口径等さまざまな要因によって異なるが、通常5〜1
5時間を要していた。
【0014】それに対して、炭素不純物添加のための原
料として炭素の単体を用い、該炭素の単体を直接GaA
s融液に接触させる方法は、炭素が直接融液中に取り込
まれるため短時間でGaAs融液中に炭素をドーピング
させることができる。炭素をドーピングする具体的な方
法としては、GaAs融液に棒状の黒鉛をある一定時間
挿入する方法、または炭素の溶解を速めるために繊維状
あるいは粉末状の炭素をGaAsの原料と共にルツボに
入れる方法がある。
【0015】ここで、粉末状の炭素をGaAsの原料と
共にルツボに入れる方法は、炭素とGaAs融液との接
触面積を大きくすることが出来るため、炭素を短時間で
融液中に取り込ませるのに有効であるが、一方、粉末状
の炭素はすぐ封止剤のB23 の表面に浮いてしまうと
いう欠点があった。そこで特に、砒素によって被覆され
た炭素の微粉、例えば炭素の微粉に砒素を蒸着し、砒素
の内部に炭素の微粉を閉じ込めたものを使用することに
より、比較的長時間粉末状の炭素をGaAs融液と接触
することができるようになり、その結果炭素のドーピン
グの効率を高くすることができた。
【0016】また、GaAs融液中の炭素濃度を短時間
で高めるための別の方法として、1×1017cm-3以上
の高濃度に炭素をドーピングしたGaAs多結晶を合成
し、これを炭素不純物添加のための原料として使用する
ことも可能である。この場合、添加された炭素はほぼ1
00%融液中に取り込まれるため、多結晶中の炭素濃度
がわかっていれば炭素単体をドーパントとして用いる場
合よりも正確にGaAs単結晶中の炭素濃度の制御がで
きるという利点がある。
【0017】なお、単結晶の育成においては一般に不純
物の偏析という現象があり、結晶育成の初期に固化した
部分と最後に固化した部分とで不純物濃度が異なるとい
う問題が生じる。例えば、GaAs中の炭素の偏析係数
は1.3であるため、単結晶育成の初期に固化するシー
ド側では炭素濃度が高く、最後に固化するテール側は炭
素濃度が低くなり、一本の結晶中で炭素濃度の分布を生
じる。このような炭素濃度の分布のため、単結晶内での
比抵抗の分布が生じ、比抵抗はGaAs単結晶のシード
側で高くテール側で低くなる。この様な分布は、上記の
炭素の単体或いは高濃度の炭素をドーピングしたGaA
s多結晶を用いたGaAs融液中への炭素のドーピング
に加えて、従来行われていた引き上げ炉内の一酸化炭素
濃度の制御を併用し、融液中の炭素濃度を一定に保つ様
にすることにより、抑制することが可能である。
【0018】以上の様に、GaAs単結晶への炭素不純
物添加のための原料として、炭素の単体或いは高濃度の
炭素をドーピングしたGaAs多結晶を使用することに
よって、GaAs融液中の炭素濃度を短時間で高めるこ
とが可能となった。その結果、高抵抗のGaAs結晶を
短い保持時間によって得られるようになった。また、G
aAs単結晶中のホウ素濃度を低減させるために水分含
有量の高いB23 を使用する場合にも、上記の発明に
よればGaAs融液中の炭素濃度を短時間で高めること
が可能なため、原料の融解から単結晶引き上げ開始まで
の保持時間を短くすることができ、ホウ素がB23
らGaAs融液中に入り込む量を減少させることができ
た。その結果比抵抗が高くかつホウ素濃度が低い半絶縁
性GaAs単結晶を得られるようになった。
【0019】尚、上記の化合物半導体単結晶の製造方法
の説明ではGaAsを例にして説明したが、本発明の化
合物半導体単結晶の製造方法はGaPやInP等の他の
結晶材料にも応用可能である。
【0020】
【作用】GaAs単結晶への炭素不純物添加のための原
料として、炭素の単体を使用することによって、炭素が
直接融液中に取り込まれるため、高抵抗のGaAs結晶
を短い保持時間によって得られる。特に、砒素によって
被覆された炭素の微粉を使用することにより、比較的長
時間粉末状の炭素をGaAs融液と接触することができ
るようになり、その結果炭素ドーピングの効率を高くす
ることができる。また、GaAs単結晶への炭素不純物
添加のための原料として、高濃度の炭素をドーピングし
たGaAs多結晶を使用することによって、炭素が効率
よくGaAs融液中に取り込まれるため、高抵抗のGa
As結晶を短い保持時間によって得られる。またこの場
合、添加された炭素はほぼ100%融液中に取り込まれ
るため、精度良くGaAs単結晶中の炭素濃度の制御が
できる。そして、上記のように高抵抗のGaAs結晶を
短い保持時間によって得られるため、水分含有量の高い
23 を使用して比抵抗が高くかつホウ素濃度が低い
半絶縁性GaAs単結晶が得られる。
【0021】
【実施例】
(実施例1)ドーパントとして、炭素の微粉10mgに
5gの砒素を真空中で蒸着したものを作製した。
【0022】PBN製ルツボに上記ドーパント、砒素6
495g、ガリウム(Ga)5800gと含有水分60
0ppmのB23 を800g入れ引き上げ炉内にセッ
トした。これをアルゴンガス50kg/cm2 の雰囲気
下でヒーターにより加熱し融解させた。その後B23
中のガスを抜くため、引き上げ炉内の圧力を4kg/c
2 まで減圧して30分保持し、再び25kg/cm2
に加圧した。その時点でGaAs融液に溶けきらなかっ
た炭素の微粉が融液表面に浮いてきたので、さらにその
まま1時間放置し炭素微粉がB23 上に浮くのを待っ
た。その後種結晶を融液に接触させて、4インチ径のG
aAs単結晶を引き上げた。原料の融解から引き上げ開
始までの時間は2時間30分であった。また、引き上げ
炉内の一酸化炭素濃度はコントロールしなかったが、引
き上げ開始時で120ppm、引き上げ終了時で350
ppmであった。
【0023】得られた単結晶の比抵抗をvan der Pauw法
で測定した結果、図1に示す様にGaAs単結晶の比抵
抗はシード側で1. 1×108 Ωcm、テール側で8.
5×107 Ωcmであった。また、FTIR(フーリエ
変換赤外分光分析)により結晶中の炭素濃度を測定した
結果、シード側で5. 2×1015cm-3であった。この
炭素濃度から融液に取り込まれた炭素量を概算すると
0. 18mgで添加した量のおよそ2%であった。
【0024】(比較例1)PBN製ルツボに砒素650
0g、ガリウム5800gと含有水分600ppmのB
23 を800g入れ引き上げ炉内にセットした。その
後、原料の融解、減圧、25kg/cm2 への加圧まで
を実施例1と同様の手順で実施した。なお本比較例1で
は、炭素不純物添加のための原料は特に用いなかった。
前記実施例1と同様に、原料の融解から2時間30分後
に単結晶の引き上げを開始した。引き上げ炉内の一酸化
炭素濃度は、引き上げ開始時で130ppm、引き上げ
終了時で310ppmであった。実施例1同様、一酸化
炭素濃度の制御は行わなかった。得られた単結晶の比抵
抗はシード側で1. 5×107 Ωcm、テール側で1.
2×107 Ωcmであった。
【0025】(比較例2)比較例1と同様に原料のセッ
ト、原料の融解、減圧、25kg/cm2 への加圧を実
施した。その後引き上げ炉内に一酸化炭素を導入し、引
き上げ炉内の一酸化炭素濃度を4000ppmにし、そ
のままの状態で6時間保持した。6時間保持した後種結
晶を融液に接触させて、4インチ径のGaAs単結晶を
引き上げた。本比較例2で得られたGaAs単結晶の比
抵抗を測定した結果、シード側で1. 0×108 Ωc
m、テール側で1. 9×108 Ωcmであった。
【0026】(実施例2)炭素濃度が約5×1017cm
-3のGaAs多結晶を黒鉛製のボート内で合成した。
【0027】この多結晶100gをドーパントとしてP
BN製ルツボにいれ、引き続き砒素6500g、ガリウ
ム5800gと含有水分600ppmのB23 を80
0g入れ引き上げ炉内にセットした。そして原料の融
解、減圧、25kg/cm2 への加圧までを実施例1と
同様の手順で実施した。
【0028】そこで引き上げ炉内に一酸化炭素を導入
し、引き上げ炉内の一酸化炭素濃度を3000ppmに
した。実施例1と同様に原料が融解してから2時間30
分後に種結晶を融液に接触させて4インチ径のGaAs
単結晶を引き上げた。なお単結晶引き上げの間は炉内の
一酸化炭素濃度を3000ppmで一定に保った。
【0029】得られた単結晶の比抵抗をvan der Pauw法
で測定した結果、図2に示す様にシード側で1. 3×1
8 Ωcm、テール側で1. 4×108 Ωcmとなっ
た。上記の結果、高濃度の炭素をドーピングしたGaA
s多結晶の使用と一酸化炭素濃度の制御との併用によっ
て比抵抗分布の均一なGaAs単結晶が得られた。
【0030】(実施例3)PBN製ルツボに微粉状の炭
素20mg、砒素6500g、ガリウム5800gとG
aAs単結晶中のホウ素濃度を低減させるために水分含
有量を高めた含有水分1500ppmのB23 を80
0g入れ引き上げ炉内にセットした。実施例1と同様に
原料を融解させ、引き上げ炉内の圧力を4kg/cm2
まで減圧して30分保持した。融液に溶けきらなかった
炭素の微粉は実施例1よりも早く減圧中に融液表面に浮
き始めてきた。その後炉内の圧力を25kg/cm2
加圧し、一酸化炭素を導入し炉内の一酸化炭素濃度を5
000ppmにした。炭素微粉がB23 上に浮くのを
待って4インチ径のGaAs単結晶を引き上げた。原料
の融解から引き上げ開始までの時間は2時間30分であ
った。
【0031】得られた単結晶の比抵抗を測定した結果、
シードで7. 2×107 Ωcm、テールで8. 9×10
7 Ωcmであった。また同結晶中のホウ素濃度をGDM
S(グロー放電質量分析)法で分析した結果、1×10
16cm-3以下に低下していた。
【0032】表1に上記実施例1、2、3および比較例
1、2で得られたGaAs単結晶の比抵抗、炭素濃度、
ホウ素濃度の一覧を示す。
【0033】
【表1】
【0034】表1より、実施例1と比較例1を比較する
と、実施例1では比抵抗がおよそ1. 0×108 Ωcm
程度上昇する分の炭素が、炭素不純物添加のための原料
である炭素の単体からGaAs単結晶に取り込まれたこ
とがわかる。また、従来の方法では比較例2のように比
抵抗が1×108 Ωcm程度のGaAs単結晶を成長す
るために、GaAs融液の保持時間を6時間以上取る必
要があったが、本発明に係わる実施例1、2では、2時
間30分の保持時間で比抵抗が1×108 Ωcm程度の
GaAs単結晶を製造することが可能となった。また、
本発明によれば、GaAs融液中の炭素濃度を短時間で
高めることが可能となったため、水分含有量を高めたB
23 を用いて、低ホウ素濃度で高抵抗のGaAs結晶
を得られるようになった。すなわち、表1に示したよう
に、上記実施例3において、シード側およびテール側と
もに比抵抗が7×107 Ωcm以上でかつホウ素濃度が
1×1016cm-3以下のGaAs単結晶が得られた。
【0035】
【発明の効果】LEC法を用いた化合物半導体単結晶の
製造方法において、化合物半導体単結晶への炭素不純物
添加のための原料として、炭素の単体或いは高濃度の炭
素をドーピングした該化合物半導体の多結晶を使用する
ことによって、原料融液中の炭素濃度を短時間で高める
ことが可能になり、短い融液保持時間で高抵抗の化合物
半導体単結晶を容易に得ることができるようになった。
これにより、単結晶製造の生産性が改善された。また、
特に半絶縁性のGaAs単結晶の製造において、短い融
液保持時間で高抵抗のGaAs単結晶を得られるように
なった結果、従来得ることの難しかったホウ素濃度が1
×1016cm-3以下でかつ比抵抗が7×107 Ωcm以
上のGaAs単結晶の育成が可能になった。これにより
GaAs電子デバイスの性能の向上が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1により得られたGaAs結晶
の軸方向の比抵抗分布。
【図2】本発明の実施例2により得られたGaAs結晶
の軸方向の比抵抗分布。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体封止引き上げ(LEC)法を用いた
    化合物半導体単結晶の製造方法において、該化合物半導
    体単結晶への炭素不純物添加のための原料として、炭素
    (C)の単体を用いることを特徴とする化合物半導体単
    結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記化合物半導体が、砒化ガリウム(G
    aAs)であることを特徴とする請求項1記載の化合物
    半導体単結晶の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記炭素の単体が、砒素(As)によっ
    て被覆された炭素の微粉であることを特徴とする請求項
    2記載の化合物半導体単結晶の製造方法。
  4. 【請求項4】 液体封止引き上げ(LEC)法を用いた
    化合物半導体単結晶の製造方法において、該化合物半導
    体単結晶への炭素不純物添加のための原料として、高濃
    度の炭素をドーピングした該化合物半導体の多結晶を用
    いることを特徴とする化合物半導体単結晶の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記化合物半導体が、砒化ガリウム(G
    aAs)であることを特徴とする請求項4記載の化合物
    半導体単結晶の製造方法。
  6. 【請求項6】 ホウ素濃度が1×1016cm-3以下であ
    り、かつ比抵抗が7×107 Ωcm以上であるGaAs
    単結晶。
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