JPH0825839B2 - 化合物半導体単結晶成長方法 - Google Patents

化合物半導体単結晶成長方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、単結晶製造技術さらには液体封止引上げ法
(以下、LEC法と称する)による化合物半導体単結晶の
製造方法に関し、特に所定の炭素濃度の均一性の高いGa
As単結晶を製造する場合に利用して効果的な技術に関す
る。
[従来の技術] GaAsやInPのような化合物半導体単結晶の製造方法と
して、溶融B2O3などでるつぼ内の原料融液を封止した状
態で融液表面に種結晶をつけ、これを回転させながら単
結晶の引上げを行なうLEC法が工業的に実施されてい
る。LEC法では、ヒーターや熱遮蔽体としてグラファイ
ト等のカーボン材が用いられており、このようなカーボ
ン材を用いた単結晶引上げ装置では、育成された単結晶
中に高濃度の炭素が含有されることが知られている。
従来、LEC法による単結晶の引上げは、炉内を不活性
ガスて置換して数10気圧の圧力をかけて行なうが、炉内
のガスを完全に置換するのは困難で、酸素や水分が残留
するため加熱時にカーボン製炉材と反応してCOやCO2
スが発生する。また、LEC法では、封止剤としてB2O3
使用しているがこのB2O3が溶融すると、その一部が分解
してO2が発生し、このO2がカーボン製炉材と反応してCO
やCO2ガスとなる。このようにして発生したCOガスがB2O
3中に侵入して分離して炭素となり原料融液を汚染する
ため、育成された結晶中にも炭素が不純物として取り込
まれることになる。
育成結晶中に取り込まれた炭素は、浅いアクセプタと
して作用するが、従来の製造技術ではその濃度を一定に
できないため、結晶の電気的特性やイオン注入後の活性
化率が不均一になるという問題があった。
従来、LEC法で育成されたGaAs単結晶中の炭素濃度を
減らす方法が種々提案されている(特開昭62−2306945
号、特開昭63−21290号等)。
しかしながら従来提案されている方法はいずれも、炭
素濃度が低下するものの依然として成長方向の濃度のば
らつきが大きく、成長方向の炭素濃度の均一な結晶を歩
留りよく製造することはできなかった。
その原因は、炉内COガスは原料融液保持時間に比例し
て増加するが、その増加分が上記各種方法で改善できる
量よりも大きかったためである。
また、従来GaAs単結晶では炭素濃度が低いほどよい
(1.5×1015cm-3以下)とされていた(特開昭62−30700
号)が、本出願人が先に提案した特願昭62−194128号明
細書で明らかにしたように、高い抵抗率を有し、移動度
が高く、かつ熱変性を起こさない結晶を得るためにはGa
As単結晶中には炭素が少量入っているのが好ましい。し
たがって、結晶中の炭素濃度はむしろ一定値に制御する
ことが重要である。
一方、高圧引上げ炉に接続された排気管もしくは引上
げ炉にCOガス濃度検出器を取り付け、この検出器の信号
に基づいて上記引上げ炉内のCOガス濃度が一定になるよ
うに、炉内ガスを制御しながら結晶の引上げを行なうこ
とで、結晶中の炭素濃度の均一性を向上させる方法が提
案されている(特開平1−239089号、特願平1−232042
号)。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、LEC法によるGaAs単結晶の引上げにお
いては、封止剤として使用されるB2O2中に水分が含まれ
ており、この含有水分が原料融液中の炭素を捕捉する作
用がある。一方、封止剤(B2O3)中の水分量は結晶の性
質に影響し、少ないと結晶中の不純物が多くなり、多い
と双晶の発生が多くなるため、通常は50ppmw〜3000ppmw
とされる(特願昭62−137447号)。しかもB2O3中の含有
水分量は引上げ中少しずつ蒸発し、時間の経過とともに
減少していく。
従って、原料仕込み時におけるB2O3中の水分量と融液
保持時間の長さによって、融液中の炭素の捕捉能力が変
化する。そのため、前述したように炉内のCOガス濃度を
一定の濃度に保っただけでは結晶中の炭素濃度の均一性
を向上させるのに不十分であり、原料融解後結晶引上げ
開始までの時間がずれると結晶のシート側とテール側と
で炭素濃度が異なってしまうことがあるということがそ
の後明らかになった。
本発明は、上記問題点に着目してなされたものでその
目的とするところは、所定の炭素濃度で且つシード側か
らテイル側まで結晶全体に亘って均一性の高い化合物半
導体単結晶の製造技術を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、炉内COガス濃度を結晶引上げ中一定に
保っても結晶のシード側とテイル側とで炭素濃度が異な
ってしまうのは、原料融液中の炭素濃度が結晶引上げに
伴って変化するたないかと考え、炉内のCOガス濃度を一
定(300ppm)にしてGaAs単結晶の引上げを行ない、融液
保持時間と結晶中の炭素濃度との関係について調べた。
その結果、第1図に示すような相関があることを見出し
た。なお、ここで融液保持時間とは原料が融解してから
測定点までの経過時間を指す。
第1図より融液保持時間が長くなるほど、炭素濃度が
増加することが分かる。
本発明者らは、上記ばらつきの原因は封止剤(B2O3
中の水分の炭素捕捉作用の変動にあるのではないかと推
測し、融液保持時間とB2O3中の含有水分量との関係を調
べた。その結果を第2図に示す。なお、第2図には初期
含有水分量が225ppmwのB2O3の水分量の変化を示す。
第2図より、B2O3中の水分量は融液保持時間に比例し
て減少し、特に原料融解後の5時間までの水分の減少が
著しいことが分かる。
そこで、本発明者らは含有水分量の異なる封止剤を用
いて、炉内COガス濃度を一定に保ちつつGaAs単結晶の引
上げを行ない、約10時間後における結晶中の炭濃度を測
定した。その結果、GaAs単結晶中の炭素濃度と、仕込み
時のB2O3の含有水分量とは、第3図に示すような関係に
あることが分かった。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、LEC
法により化合物半導体単結晶の成長を行なうにあたり、
育成しようとする結晶中の炭素濃度に応じて封止剤の初
期含有水分量を決定すると共に、当該水分量になるよう
調整された封止剤を所定量の原料とともにるつぼに入れ
て炉内に配置して加熱を開始し、炉内のCOガス濃度を測
定しながら、原料融解後結晶引上げ開始までの間不活性
ガスを導入し炉内COガス濃度が所定値で安定するように
制御し、その後引上げ中の封止剤の水分減少に伴う炭素
捕捉能力の低下に見あうように炉内COガス濃度を徐々に
減少させることを提案するものである。
また、GaAs単結晶中の炭素濃度を(2〜4)×1015cm
-3としたい場合には仕込み時の含有水分量が150ppmw以
上250ppmw以下のB2O3を使用し、引上げ開始時の炉内CO
ガス濃度を200〜400ppmに調節し、その後徐々に減少さ
せるようにすればよい。
さらに、結晶の引上げは、含有水分量の減少の多い原
料融解直後を避け、融解後5時間以上経過してから開始
するのは好ましい。
[作用] 封止剤(B2O3)中の水分は、次の反応式 C(融液中)+OH(B2O3中)→CO(B2O3中) +1/2H2(B2O3中→ガス中) ……(1) に従って原料融液中の炭素を捕捉し、炭素濃度を下げる
作用を有する。しかるに、B2O3中の水分は前述したよう
に融液保持時間に比例して減少する(第2図) 一方、引上げ中、炉内雰囲気中のCOとB2O3中のCOとは
平衡しており、炉内雰囲気中のCOガス濃度が高くなれば
B2O3中のCOガス濃度が高くなる。また、B2O3中のCOは、
次式の反応 Ga(融液中)+CO(B2O3中)→C(融液中) +GaOx(B2O3中) ……(2) に従って融液中の炭素濃度を高くする作用を有してい
る。
上記(1)と(2)の反応が均衡していれば原料融液
中の炭素濃度は一定に保たれるはずである。ところが、
(1)の反応はB2O3中の水分の減少に伴って遅くなるた
め、(2)の反応の法が相対的に速くなって融液中の炭
素濃度が高くなると考えられる。
しかるに、本発明においては、炉内雰囲気中のCOガス
濃度を、封止剤の水分減少に伴う炭素捕捉能力の低下に
見合うように減少させているので、融液中の炭素濃度が
結晶引上げ中ほぼ一定に保たれる。その結果、引上げら
れた結晶中の炭素濃度がシード側からテール側にかけて
均一になる。
ところで、結晶引上げ中における封止剤の水分の減少
量もしくはそれに伴う炭素捕捉能力の低下を何らかの方
法で検知できれば仕込み時の封止剤の水分量を規定する
必要はないが、現状では封止剤中の水分の減少を検知す
るのは困難である。従って、本発明のように仕込み時に
おける封止剤中の水分量を規定しておくことによって、
引上げ中における封止剤中の水分の減少量を経過時間か
ら推測することが可能となり、それに応じて炉内雰囲気
中のCOガス濃度を減少させればよいので、封止剤による
融液からの炭素捕捉能力の低下に見合うように炉内雰囲
気中のCOガス濃度を制御することが実現可能となる。
なお、第31回半導体専門講習会予稿集記載の論文「低
炭素GaAs単結晶育成法と結晶評価」角田佳績著には、融
液放置時間30Hr以内おける炉内COガス濃度と結晶中炭素
濃度との関係および融液放置時間と結晶中炭素濃度との
関係が水分量の異なる2種類のB2O3について示されてい
る。
このように、上記論文には炉内COガス濃度と結晶中炭
素濃度との間に相関があることおよび封止剤の水分量に
よって結晶中炭素濃度に差がでることが示唆されてい
る。しかしながら、上記論文中には封止剤中の水分量が
結晶引上げ中に変化し、炭素のゲッタリング能力が低下
することおよびゲッタリング能力の低下に応じて炉内CO
ガス濃度を変化させる制御技術については何ら言及され
ていない。
また、特開昭63−285186号公報には、シリコン単結晶
の引上げにおいて、結晶中炭素濃度の均一化のため炉内
COガス濃度を結晶引上げ進行に伴って漸減させる方法が
開示されている。しかしながら、上記先願発明は、チョ
クラルスキー法によるシリコン単結晶の引上げに関する
ものであり、本発明のように封止剤を用いたLEC法によ
りGaAs単結晶の引き上げに関するものでないので、封止
剤の水分変化やそれに伴うゲッタリング能力の低下を考
慮する必要がなく、本発明とは技術思想が明らかに異な
る。
[実施例] 第4図には本発明方法の実施に使用して好適な単結晶
引上げ装置の一例を示す。
この実施例の結晶引上げ装置は、密閉型の高圧引上げ
炉1内にるつぼ2が支持軸3により回転可能に支持さ
れ、るつぼ2の周囲にはヒーター4が配置されている。
ヒーター4としては、炉内COガスの発生量を10ppm/時間
以下とするため、かさ密度1.85g/cm3の等方性高密度黒
鉛で形成されたものを用いるのがよい。そして、ヒータ
ー4の外側には同じくカーボン製の熱遮蔽体5が配置さ
れているとともに、るつぼ2の上方からは下端に種結晶
を有する引上げ軸6が垂下されている。さらに、引上げ
炉1の側壁には、不活性ガス等を導入するためのガス導
入管11と、炉内ガスを排気するための排気管12が接続さ
れ、ガス導入管11の途中には炉内圧力調整弁13が、また
排気管12の途中には流量調整バルブ14が設けられてい
る。
また、排気管12にはCOガス濃度検出器16が接続され、
この検出器16の出力信号に基づいて、上記バルブ14を調
整するように構成されている。ガス導入管11の始端に
は、CO2ガスを混合した不活性ガスを入れたボンベ17と
無添加の不活性ガスを入れたボンベ18が接続されてい
る。なお、るつぼ2内には原料とともに封止剤を入れる
ようになっており、原料融液7の表面をB2O3からなる液
体封止剤8によって封止した状態でGaAs単結晶の引上げ
が行なわれる。
上記高圧単結晶引上げ装置により本発明を実施するに
は、まず化合物半導体の原料と所定の含有水分量のB2O3
とを入れたるつぼ2を高圧引上げ炉1内にセットする。
それから、バルブ14を開いて炉内の空気を排気管12を介
して真空ポンプ(図示省略)で排気した後、バルブ14を
閉じて代わりに炉内圧力調整弁13およびバルブ19を開
き、ボンベ17内のCO2ガスを混合した不活性ガスをガス
導入管11より炉内へ導入し、数十気圧の圧力をかける。
しかる後、ヒーター4に給電して炉内を加熱し、るつぼ
内の原料を溶融させる。炉内温度が上昇すると炉内のCO
2ガスはCOガスになる。この時の炉内COガス濃度は、ほ
ぼCO2ガスを混合した不活性ガス中のCO2ガス濃度の2倍
に等しい。従って、不活性ガス中に添加するCO2ガスの
量を原料融解時の所望の炉内COガス濃度の1/2にすれ
ば、再現性良く、結晶引上げ開始前の炉内COガス濃度を
制御できる。炉内COガス濃度は、排気管12に設けたバル
ブ14を開いて検出器16により検出する。
原料が融解し、炉内COガス濃度が安定した後、ガス導
入管11の炉内圧力調節弁13の2次側圧力を所定の圧力に
設定し、順不活性ガスボンベ18のバルブ20とガス排気管
12の流量調整バルブ14を開いて、無添加の不活性ガスを
連続的あるいは間歇的に炉内に導入・排気することによ
り、原料融解から結晶育成開始までの炉内COガス濃度を
所定の濃度に安定させた後、結晶育成を開始する。結晶
育成開始直前に無添加の不活性ガスの炉内への導入量を
増やし、結晶育成中の炉内COガス濃度を結晶育成前の炉
内COガス濃度より徐々に低下させる。初期含有水分量が
150〜250ppmwのB2O3を用いたときは、結晶育成開始時と
結晶育成終了時の炉内COガス濃度差が100〜200ppmとな
るようにガス排気管12の流量調整バルブ14を調整すれば
よい。
(実施例1) 次に、上記実施例を適用して、炭素濃度(2〜4)×
1015cm-3のGaAs単結晶の育成を試みた。
なお、炭素濃度はFT−IR法により分析し、換算吸収計
数は2.4×1016cm-1を用いた。
まず、GaAsの原料として、7N(99.99999%)の高純度
Ga2000gとAs2160gを直径6インチのpBN製るつぼに入
れ、その上に含有水分量が225ppmwのB2O3を600gのせ、
高圧引上げ炉内にセットした。高圧引上げ炉内を純Arガ
スで置換してから、CO2ガスを150ppm混合したArガスで3
0kg/cm2の圧力を加え、約500℃に昇温し、B2O3を溶融し
た後、600〜700℃まで昇温してGaAs多結晶を合成した。
そのまま炉内を1400℃までさらに昇温してGaAs多結晶を
溶融させてから、ガス導入管11の炉内圧力調整弁13の2
次側圧力を20kg/cm2に設定し、排気管12のバルブ14を開
いて高圧引上げ炉内の圧力を20kg/cm2まで徐々に減圧す
るとともに、バルブ14を開いて検出器16によりCOガス濃
度を測定した。
炉内COガス濃度が300ppmで安定したのを確認した後、
純不活性ガスボンベ18のバルブ20とガス排気管12の流量
調整バルブ14を開いて、無添加の不活性ガス1.0/min
の割合で連続的に炉内に導入・排気し、炉内のCOガス濃
度を300ppmとして10時間保持した後、無添加の不活性ガ
スの炉内への導入量を1.5/minとして、結晶引上げを
開始した。結晶育成中、炉内COガス濃度を徐々に低下さ
せ、結晶育成終了後の炉内COガス濃度が200ppmとなるよ
うに、ガス排気管12の流量調整バルブの開閉度を調整に
した。この時の炉内COガス濃度の時間変化を第5図に示
す。
その結果、育成された結晶が多結晶化したり双晶が発
生するなどの問題がないことを確認した。
こうして、引上げた単結晶中の炭素濃度は原料融解か
ら引上げ開始まで時間が必ずしも一定でなかったにもか
かわらず、第6図中A〜Dに示すように3〜4×1015cm
-3の範囲にあり、しかもロット内の成長方向の炭素濃度
のばらつきは0.1×1015cm-3以内であった。
また、本発明者らが先に提案した先願発明の方法に従
い、チャンバ内の不活性ガス(Ar)を連続的に置換し
て、COガス濃度を350ppm一定として引上げた結晶中の炭
素濃度は、原料融解から引上げ開始までの時間が20時間
以内の場合には第6図a,bで示すように、3〜4×101 5c
m-3の範囲であったが、原料融解から引上げ開始までの
時間が20時間を超えた場合には、テール部での炭素濃度
は第6図にc,dで示すように5×1015cm-3を超えること
があった。
(実施例2) 次に、上記実施例を適用して、炭素濃度9×1015cm-3
のGaAs単結晶の育成を試みた。
まず、GaAsの原料として、7N(99.99999%)の高純度
Ga2000gとAs2160を直径6インチのpBN製るつぼに入れ、
その上に含有水分量が125ppmwのB2O3を600gのせ、高圧
引上げ炉内にセットした。高圧引上げ炉内を純Arガスで
置換してから、CO2ガスを250ppm混合したArガスで30kg/
cm2の圧力を加え、約500℃に昇温し、B2O3を溶融した
後、600〜700℃まで昇温してGaAs多結晶を合成した。そ
のまま炉内を1400℃までさらに昇温してGaAs多結晶を溶
融させてから、ガス導入管11の炉内圧力調整弁13の2次
側圧力を20kg/cm2に設定し、排気管12のバルブ14を開い
て高圧引上げ炉内の圧力を20kg/cm2まで徐々に減圧する
とともに、バルブ14を開いて検出器16によりCOガス濃度
を測定した。
炉内COガス濃度が500ppmで安定したのを確認した後、
純不活性ガスボンベ18のバルブ20とガス排気管12の流量
調整バルブ14を開いて、無添加の不活性ガスを1.0/mi
nの割合で連続的に炉内に導入し・排気し、炉内のCOガ
ス濃度を500ppmとして10時間保持した後、無添加の不活
性ガスの炉内への導入量を1.5/minとして、結晶引上
げを開始した。結晶育成中、炉内COガス濃度を徐々に低
下させ、結晶育成終了後の炉内COガス濃度が400ppmとな
るように、ガス排気管12の流量調整バルブの開閉度を調
節した。
その結果、引上げた単結晶中の炭素濃度はほぼ9×10
15cm-3であり、しかもロット内の成長方向の炭素濃度の
ばらつきは0.1×1015cm-3以内であった。また、育成さ
れた結晶は多結晶化したり双晶も発生していなかった。
なお、上記実施例では、GaAs単結晶の成長を例にとっ
て説明したが、この発明はGaAsに限定されずInPその他
の化合物半導体単結晶の成長に利用できる。
[発明の効果] 以上説明したようにこの発明は、LEC法により化合物
半導体単結晶の成長を行なうにあたり、育成しようとす
る結晶中の炭素濃度に応じて封止剤の初期含有水分量を
決定すると共に、当該水分量になるよう調整された封止
剤を所定量の原料とともにるつぼに入れて炉内に配置し
て加熱を開始し、炉内のCOガス濃度を測定しながら、原
料融解後結晶引上げ開始までの間不活性ガスを導入して
炉内COガス濃度が所定値で安定するように制御し、その
後引上げ中の封止剤中の水分減少に伴なう炭素捕捉能力
の低下に見あうように炉内COガス濃度を徐々に減少させ
るようにしたので、融液中の炭素濃度が引上げ中ほぼ一
定に保たれ、その結果、引上げられた結晶中の炭素濃度
がシート側からテール側にかけて均一になるという効果
がある。
また、仕込み時の含有水分量が150ppmw以上250ppmw以
下のB2O3を使用し、引上げ開始時の炉内COガス濃度を20
0〜400ppmwに調節し、その後徐々に減少させるようにす
れば、炭素濃度が(2〜4)×1015cm-3の範囲において
結晶内の炭素濃度差が0.1×1015cm-3以内の均一な単結
晶が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は炉内COガス濃度を一定(300ppm)とした時の融
液保持時間とGaAs単結晶中の炭素濃度との関係を示すグ
ラフ、 第2図は融液保持時間とB2O3中の残留水分量との関係を
示すグラフ、 第3図はB2O3中の水分量とGaAs単結晶中の炭素濃度との
関係を示すグラフ、 第4図は本発明方法の実施に使用する単結晶引上げ装置
の一例を示す断面図、 第5図は本発明の一実施例における炉内COガス濃度の制
御プロファイルを示すグラフ、 第6図は本発明方法および従来方法により育成したGaAs
単結晶中の炭素濃度のばらつきを示すヒストグラムであ
る。 1……高圧引上げ炉、2……るつぼ、4……発熱体(ヒ
ーター)、11……ガス導入管、12……排気管、13……炉
内圧力調整弁、14、19,20……バルブ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】るつぼ内に原料および封止剤を入れて高圧
    引上げ炉内に配置し、発熱体により加熱して融解させ、
    その原料融液表面を封止剤で覆った状態で種結晶を接触
    させてこれを徐々に引き上げることにより化合物半導体
    単結晶の成長を行うにあたり、育成しようとする結晶中
    の炭素濃度に応じて封止剤の初期含有水分量を決定する
    と共に、当該水分量になるよう調整された封止剤を所定
    量の原料とともにるつぼに入れて炉内に配置して加熱を
    開始し、炉内のCOガス濃度を測定しながら、原料融解後
    結晶引上げ開始までの間不活性ガスを導入して炉内COガ
    ス濃度が所定値で安定するように制御し、その後引上げ
    中の封止剤中の水分減少に伴う炭素捕捉能力の低下に見
    あうように炉内COガス濃度を徐々に減少させるようにし
    たことを特徴とする化合物半導体単結晶成長方法。
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