JPH0596092U

JPH0596092U - 内装材

Info

Publication number: JPH0596092U
Application number: JP4486692U
Authority: JP
Inventors: 佑治藤田; 衛窪田
Original assignee: 東リ株式会社; 株式会社オーツカ
Priority date: 1992-06-03
Filing date: 1992-06-03
Publication date: 1993-12-27

Abstract

(57)【要約】【目的】模様状のニードルパンチ布帛で特に表面が平
滑で例えば床材として利用しても耐久性のある布帛を提
供することを目的とする。【構成】異色の上層と下層からなる繊維ウェブ層が模
様状にニードルパンチされて、繊維ウェブ下層の繊維が
上層の繊維と混合されて前記模様形状に一致した模様部
分が形成され、かつ繊維ウェブ層表面が再度ニードルパ
ンチされるか熱圧成型されることによって平滑であるこ
とを特徴とするニードルパンチ布帛内装材。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本願考案は繊維床材、タイルカーペット、その他内装材として好適なニードルパンチ布帛内装材に関する。

【０００２】

【従来技術と問題点】

従来より模様の付与されたニードルパンチカーペットはある。これらのニードルパンチカーペットは模様が凸状となっており、歩行中に蹴られて、模様部分が消耗し製品寿命が極めて短い場合もあった。

【０００３】

【考案の課題】

本願考案は上記問題点を解消し、耐久性のある繊維床材として好適なニードルパンチ布帛を得ることを目的とする。

【０００４】

【問題点を解決する手段】

本願考案は、異色の上層と下層からなる繊維ウェブ層が模様状にニードルパンチされて、繊維ウェブ下層の繊維が上層の繊維と混合されて前記模様形状に一致した模様部分が形成され、かつ繊維ウェブ層表面が平滑であることを特徴とする内装材、をその要旨とする。

【０００５】以下図面に基づいて本願考案を説明する。「図１」は本願考案を構成する繊維 -2- ウェブ層の柄出し前の断面図である。

【０００６】繊維ウェブ層は異色の上層と下層により構成される。繊維ウェブ下層は断続的でもよい。なお繊維ウェブ層は互いに異色の３層以上の繊維層によって構成されてもよい。

【０００７】例えば、上層１に濃色または暗色の繊維ウェブ層が形成され、下層２には淡色または明色の繊維ウェブ層が形成される。

【０００８】上記各々の繊維ウェブ層は、ナイロン繊維、ポリエステル（ＰＥＴ）繊維、アクリル繊維、ポリプロピレン（ＰＰ）繊維の合成繊維、羊毛、綿等の天然繊維が使用可能で１０〜２００ｍｍ長の繊維を好ましくは２００〜１０００ｇ／ｍ²の重量が堆積された後ニードリングされる。また上下の繊維ウェブ層が各々予めニードリングされた後重ね合わされて本願の繊維ウェブ層が形成されてもよい。

【０００９】得られた上下２層からなる繊維ウェブ層３をニードリング柄出し装置に導く。「図２」は針列を示す平面図である。模様に相当する部分５にベロアタイプまたはコードタイプのフォーク針の長いニードル６が植え付けられており、模様以外の部分７はニードルがない。

【００１０】「図３」は模様付与工程図である。ニードルパンチされることにより、「図３」の工程図に示されるように、繊維ウェブ下層２の一部が同上層１の表面に露出して、上層１と下層２を構成する繊維が混合した状態で盛上げられて模様７状にニードルパンチされる。なお引続き、模様が崩れない程度のニードルでウェブ層全体をさらにニードルパンチしてウェブを形成する繊維層を固定する。もしくは柄出し後、繊維ウェブ層８全体が熱圧成型されて表面平滑な模様が得られる。 -3-

【００１１】「図４」は本願考案のニードルパンチ布帛を利用した床材の断面図である。

【００１２】また別の方法では「図３」によって得られた凸凹のあるニードルパンチ模様のある布帛８は熱圧成形され表面平滑な繊維ウェブ層が形成されてもよい。繊維ウェブ層９は上部繊維ウェブ層が熱圧成型された部分１０と同下部層が熱圧成型された部分１１と上部の繊維と下部の繊維が模様状に混合された状態で熱圧成型されたニードルパンチ模様１２を得ることができる。

【００１３】繊維ウェブ層の下側には裏打ち層１３が形成される。裏打ち層としては、ＳＢＲ、ＮＢＲ、ＭＭＡ−ブタジエンコポリマー（ＭＢＲ）、エチレン−酢ビコポリマー、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリエチレン等のラテックス、エマルジョン、ペースト状の合成樹脂やアスファルトや天然ゴム等の天然裏打ち材が好適である。

【００１４】またその他、合成繊維、パルプ、ガラス繊維、およびこれらの混合物からなる織布、不織布の繊維系裏打ち材が好適である。

【００１５】このようにして本願考案を利用した繊維床材１４が得られる。

【００１６】「図５」は本願考案ニードルパンチ布帛を利用した内装材としての床材の斜視図であり、１０はウェブ上層を形成していた模様を包囲した部分を形成する繊維部分であり、１２はニードルパンチによって上層と下層の繊維が混合されて得られた模様部分である。１３は裏打ち層である。

【００１７】このようにニードルパンチするニードルを任意の模様状に集合させ、このニードルによって上下２層を有する繊維ウェブ層を模様状にニードルパンチした後、次に表面を平滑にすることにより優れた耐久性が得られるとともに意匠性 -4- の高いニードルパンチ床材が得られる。

【００１８】なお本願考案はニードルパンチ床材の他、壁装材やその他の装飾材にも適用できる。

【００１９】

【考案の効果】本願考案を床材として使用した場合に、模様部分が凸凹になっておらず平滑でしかもニードルパンチされているので、歩行によるへたりの程度が少なく、意匠性が損なわれることもなく、耐摩耗性も著しく向上した。

【００２０】

【実施例】

表面層ウェブが上層が１８デニールで平均６４ｍｍ長のＰＰ繊維が２００ｇ／ｍ²と１５デニールで平均５１ｍｍ長のアクリル繊維が２００ｇ／ｍ²の割合で混合された赤色ウェブ層であり、下層が上層と同一配合の白色系ウェブ層を形成した。次に模様状にニードルが植えられた状態でニードルパンチを行なった。

【００２１】この結果、模様状にニードルパンチした部分と同形状で凸状となったピンク色模様が得られた。この後１００ｇ／ｍ²のＰＰ織布を最下層に重ね合わせた。

【００２２】得られた積層体全体を再度均一にニードルパンチして、表面の凸凹を解消し、平滑な面を得た。

【００２３】ニードルパンチされた模様布帛裏面にＳＢＲラテックスを１００ｇ／ｍ²の割合で塗布して、加熱乾燥させて本願考案ニードルパンチ床材を得た。

【００２４】

【比較例】

実施例のニードルパンチした部分と同形状で凸状となった模様に再度ニードリ -5- ングすることなく、表面が平滑でない状態で実施例１と同様に裏打ちを行なった。結果を「表１」に示す。

【００２５】

【表１】実施例比較例動的へたり性（１）１０％３０％摩耗性（２）２０ｍｇ５０ｍｇ柄の形態保持性優劣

【００２６】試験方法（１）ＪＩＳＬ１０２１動的荷重による厚さ減少率によった。（２）ＪＩＳＬ１０２１摩耗強さによった。

【００２７】「表１」において本願考案の床材はへたり率が１０％であった。これに対して比較例は３０％で耐へたり性は本願考案が優れていた。

【００２８】耐摩耗性については実施例が２０ｍｇであるのに対し、比較例は５０ｍｇであり、明らかに本願考案のニードルパンチ床材の方が優れていた。

【００２９】また床材表面のニードルパンチ模様は実施例の場合は重歩行で６ヶ月使用してもなお模様が存続したが比較例では３ヶ月で模様は消滅した。

【図面の簡単な説明】

【図１】ニードリング前の繊維ウェブ層側面図。

【図２】ニードルの植え付けられた状態の平面図。

【図３】ニードリング工程図

【図４】本願考案に係わる床材断面図。

【図５】本願考案のニードルパンチ床材斜視図であ
る。-6-

【符号の説明】

１・・・上層２・・・下層３・・・繊維ウェブ層
６・・・ニードル１２・・・ニードルパンチ模様１３・・・裏打ち層
１４・・・ニードルパンチ床材

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

異色の上層と下層からなる繊維ウェブ層が模様状にニー
ドルパンチされて、繊維ウェブ下層の繊維が上層の繊維
と混合されて前記模様形状に一致した模様部分が形成さ
れ、かつ繊維ウェブ層表面が平滑であることを特徴とす
る内装材。