JPH0595910U - 石炭ヤード等の積山カバー装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 積山カバー装置の待機位置の省スペース化を
図ると共に積山をその全長に応じてコンパクトに覆うこ
とを可能とする。 【構成】 石炭ヤード等のバラ物の積山１２に沿って敷
設された走行レール１６上に走行方向前後に互いに別個
独立して走行する少なくとも一対の走行車２１を設置す
ると共に、これら走行車２１，２１間に上記積山１２を
跨いで覆うように積山長さに応じて伸縮可能なカバー部
材２３を掛け渡したことを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は石炭ヤード等の積山カバー装置に係り、特に防風対策や降雨対策のた めにヤードに積み付けた石炭等のバラ物の積山を覆う石炭ヤード等の積山カバー 装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

石炭火力発電、コールセンタ、製鉄所などの貯炭設備においては図５および図 ６に示す如きヤードが形成されている。図示するように、ヤード１にはスタッカ やリクレーマ等のヤード機械２により荷役される石炭などの積山（パイル）３が 複数列に亘って所定間隔ごとに配列されている。防風対策や降雨対策のために、 各積山３にはカバー部材４を設けることが提案されているが、このカバー部材４ はヤード機械２の走行レール５と別個に積山３に沿って設けられた走行レール６ 上を走行するようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、カバー部材４は積山３を全長に亘って上方から覆うに過ぎないため 、積山３の全長が異なる場合には全長の長い積山３に合わせてカバー部材４の全 長を大きくすることになり、全長の短い積山３にあってはカバー部材４の大型化 を招く問題がある。また、各列の積山３を全て開放するためにはカバー部材４を 積山３の配列方向一端側に移動させて待機させる必要があるが、待機させるには 少なくともカバー部材４の広さを確保しなければならないため広大な待機スペー スを要する。

【０００４】 本考案は上記問題点を有効に解決すべく創案されたものである。

【０００５】 本考案は積山カバー装置の待機位置の省スペース化を図ると共に積山をその全 長に応じてコンパクトに覆うことのできる石炭ヤード等の積山カバー装置を提供 することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

石炭ヤード等のバラ物の積山に沿って敷設された走行レール上に走行方向前後 に互いに別個独立して走行する少なくとも一対の走行車を設置すると共に、これ ら走行車間に上記積山を跨いで覆うように積山長さに応じて伸縮可能なカバー部 材を掛け渡したものである。

【０００７】

【作用】

このように走行車間に掛け渡されるカバー部材が積山長さに応じて伸縮するた め、積山をその全長に応じてコンパクトに覆うことが可能であり、また、カバー 部材を短縮することにより、待機位置の省スペース化を達成できる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。

【０００９】 図４に示すように、石炭火力発電、コールセンタ、製鉄所などの貯炭設備には 石炭などのバラ物のヤード１１が形成され、そのヤード１１には複数列に亘って 所定間隔ごとに全長の異なる積山１２が形成されている。また、ヤード１１には 図１および図２に示すようにスタッカやリクレーマ等のヤード機械１３が走行レ ール１４に沿って走行自在に設置されると共に防風対策や降雨対策のための積山 カバー装置１５が設置されている。

【００１０】 特に、積山カバー装置１５には積山１２に沿ってヤード機械１３の走行レール １４とは別個に敷設された走行レール１６上に走行方向前後に設置された一対の 走行車２１が設けられている。この走行車２１は積山１２を跨ぐように台形状な いしアーチ状に形成されると共に積山１２を間に挾んでその両側に並行に敷設さ れた走行レール１６上を走行するようになっている。各走行車２１は互いに別個 に独立して車輪２２を駆動停止するための図示されない走行用モータおよびブレ ーキを有している。

【００１１】 また、これら走行車２１，２１間には積山１２を跨いで覆うカバー部材２３が 掛け渡され、このカバー部材２３は走行車２１，２１間を積山長さ方向に伸縮自 在に掛け渡す蛇腹により構成されている。図３に示すように、カバー部材２３は 実質的に積山１２を覆うカバー部２４を有すると共にこのカバー部２４内に積山 １２を所定の間隙を隔てて跨ぐように台形状ないしアーチ状のフレーム２５を有 する。フレーム２５は走行車２１、２１間に等間隔に配置され、フレーム２５の 下端部にはカバー部材２３を下方から支承すると共に走行レール１６に沿ったカ バー部材２３の伸縮移動を案内する車輪２６がブラケット２７に取り付けられて いる。また、フレーム２５，２５間が拡大してカバー部２４を損傷させることを 防止するために、フレーム２５，２５間は互いにカバー部２４の伸縮方向にチェ ーン２８，２９で連結されている。図示例にあってはフレーム２５，２５間は下 端部に掛け渡された下部チェーン２８により連結されると共に各フレーム２５の 上部に突出された突出部３１に上部チェーン２９が掛け渡されて連結されている 。

【００１２】 なお、図２に示すように走行車２１にはその開口部を覆うように開閉自在なカ ーテン部材３２が垂下されている。また、図４に示すようにヤード１１には積山 １２の配列方向一端側に積山カバー装置１５の待機スペース３３が形成されてい る。

【００１３】 次に上記実施例の作用について説明する。

【００１４】 図１および図４に示すように、積山１２をカバーするには例えば積山位置まで 双方の走行車２１，２１が遠隔装置により一体的に移動し、走行方向後方の走行 車２１のみを停止させる。先行する走行方向前方の走行車２１がその走行が継続 されて積山１２の長さ方向一端から他端に移動した位置で停止すると、走行車２ １，２１間に掛け渡されたカバー部材２３が積山１２を全長に亘って伸長して覆 うことになる。すなわち、走行方向後方の走行車２１を固定側にしてこれより走 行方向前方にカバー部材２３を引き出すことになる。したがって、走行方向前方 から順次フレーム２１，２１の間隔が広がると共にそのカバー部２４にテンショ ンが作用する前にチェーン２８，２９によりフレーム２１，２１の間隔の広がり が規制されることなる。

【００１５】 図示例のように、ヤード１１には全長の異なる積山１２が形成されており、こ のような全長の異なる積山１２をカバーするにあってはカバー部材２３が伸縮可 能なため、その積山１２の全長に応じてカバー部材２３の伸縮量を調整すること になる。したがって、全長の短い積山１２にあってはこれをコンパクトに覆うこ とができる。

【００１６】 積山１２の上方を開放するには双方の走行車２１，２１を積山１２の配列方向 一端側に形成される待機スペース３３に移動させることになる。これら走行車２ １，２１はカバー部材２３を短縮して互いに近接して待機スペース３３で待機さ れるので、待機位置の省スペース化を達成できる。

【００１７】 このように本考案は積山１２の長さ方向に伸縮自在可能なカバー部材２３を採 用するため、積山１２をその全長に応じてコンパクトに覆うことができると共に 待機位置の省スペース化を達成できる。

【００１８】

【考案の効果】

以上要するに本考案によれば、積山の長さ方向に伸縮自在可能なカバー部材を 採用するため、積山をその全長に応じてコンパクトに覆うことができると共に待 機位置の省スペース化を達成できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の積山カバー装置を示す側面図である。

【図２】積山カバー装置を示す正面図である。

【図３】図１の要部を示す拡大側面図である。

【図４】ヤードを示す平面図である。

【図５】従来のヤードを示す平面図である。

【図６】従来の積山カバー装置を示す正面図である。

【符号の説明】

１１ ヤード １５ 積山カバー装置 １６ 走行レール ２１ 走行車 ２３ カバー部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 石炭ヤード等のバラ物の積山に沿って敷
   設された走行レール上に走行方向前後に互いに別個独立
   して走行する少なくとも一対の走行車を設置すると共
   に、これら走行車間に上記積山を跨いで覆うように積山
   長さに応じて伸縮可能なカバー部材を掛け渡したことを
   特徴とする石炭ヤード等の積山カバー装置。