JPH0594400U - ロックアンカー - Google Patents

ロックアンカー

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JPH0594400U
JPH0594400U JP018947U JP1894793U JPH0594400U JP H0594400 U JPH0594400 U JP H0594400U JP 018947 U JP018947 U JP 018947U JP 1894793 U JP1894793 U JP 1894793U JP H0594400 U JPH0594400 U JP H0594400U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ドリルロッドとして同時に使用することがで
き、ドリルロッドに発生する熱を十分に冷却できると共
に、岩石のドリル微粉を穿孔穴から外側に迅速に除去で
き、セメントモルタルを穿孔穴内に均一に充填させるこ
とができるロックアンカー。 【構成】少なくとも一端にねじ山部を有すると共にその
他端にドリルヘッド(2)を有する管状本体部材から構
成し、管状本体部材にはドリルヘッドに隣接する区域に
のみ軸孔(4)と交差するように穿設した横孔(6)を
設け、管状本体部材の外周にはその全長にわたって丸ね
じ山(3)を備え、ドリルヘッドを軸線方向の短い板状
本体部材から構成し、該板状本体部材を管状本体部材に
関して着脱不能に形成し、ドリルヘッドには試錐孔の底
部に対面する上面に刃先(10)を備え、ドリルヘッド
には液圧孔(5)から流出する液圧媒体の流動性を改善
するアーチ形状部(8)を設け、液圧孔(5)と全ての
横孔(6)の全横断面図を少なくとも管状本体部材の軸
孔(4)の横断面図に一致させたものである。

Description

【考案の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本考案はロックアンカーに関するものである。 【0002】 【従来の技術及び考案が解決しようとする課題】 周知の通り、割れ目のある岩石及び穿孔が困難な岩石に穴を延伸させる時、ア ンカーを挿入してその岩石を固定させるか、或いは凝固させる必要がある。これ に関連して、いわゆる注入チューブアンカーの使用がすでに知られている。これ らは、一般に強化壁体管から成り、その強化壁体管の先端は閉鎖されていて、し かも先がとがっており、他端にはねじ山部分を支持している。管の表面には多数 の開口部を設けてある。このようなチューブアンカーはすでにあいている試錐孔 内に挿入し、それによって、このような開口部を通って滲出するセメントモルタ ルをチューブアンカーに押し込めると、試錐孔とチューブアンカーとの間の間隙 が充填される。この方法において、セメントモルタルはさらに試錐孔を囲む岩石 にある間隙に浸透するので、周囲の岩石はセメントの固化と共に凝固し、それに よってチューブアンカーは例外的な場合にのみ、岩石に直接打ち込みができるの で、穴のこの固定プロセスは試錐孔を前もって穿設することを前提としている。 【0003】 12mまでの深さを達成できる試錐孔の形成はひかえ棒(タイロッド)の回収 に問題があり、従ってしばしばひかえ棒の破損に結びつくので、裂け目のある岩 石においては、しばしば困難を伴う。この方法による試錐孔の形成から生じる時 間と費用の消費はトンネル構築にとって相当に高くなるが、特に深さ4m以上の 試錐孔を有するトンネル構築の場合は挿入させたひかえ棒を伸長させる必要があ るのでとくに重大である。さらに、ひかえ棒(タイロッド)を伸長させねばなら ない場合に、岩石層の多様性のため、試錐孔の直線が保証できなくなる。このよ うにして生じる誤差の可能性は試錐孔の形成後にロックアンカーの挿入を困難に させている。 【0004】 ドリルロッドをロックアンカーとして同時に使用し、ドリルロッドを液圧穿孔 のためにドリルで挿入後、セメントモルタルを圧力で試錐孔に注入することが公 知である。この場合、試錐孔中に対するセメントモルタルの流入は非常に制限さ れているので、実際には、ドリルロッドの先端のみが周囲の岩石中にセメントで 凝固されるが、ドリルロッドの残りの部分は岩石とはなんらの連結をも有しない 。このようにしておきる岩石の固定性の欠如は多くの場合に判断できない。 【0005】 西ドイツ特許出願公開第936082号明細書から、ロックアンカーとして同 時に使用する乾式ボーリングの穿孔器が周知であり、そのドリルロッドは中心に 縦方向の内孔を備え、その内孔から横孔が分岐し、該横孔はドリルロッドの全長 にわたり均等に配置されている。横孔の軸線は縦方向の内孔から試錐孔の底部の 方向における横断平面まで傾斜している。ドリルロッドはその外周に、たとえば 鋳造ビードのような溶接又は溶着線などで形成されているねじ山形状表面構成部 を備えている。横孔は岩石粉塵を除去する作用をなし、該岩石粉塵は穿孔段階中 にドリルヘッドの区域で発生し、且つ中心の縦方向の内孔を通って取り出される 。ボーリングの完了後、セメント乳液が横孔を通して試錐孔に注入され、それに よって、周囲の岩石が凝固し、ドリルロッドの外周の表面構造により、充填した 硬化セメントとドリルロッドとの間の接着が改善される。この公知の穿孔器をセ メントモルタルの注入用に使用する場合に横孔が試錐孔の出口に向かう方向に流 動抵抗を有するため、セメントモルタルを試錐孔に均一に充填させることができ ない問題がある。 【0006】 従って、ロックアンカーとして同時に使用される周知のドリルロッドは試錐孔 にセメントモルタルを注入するための欠点、特にモルタルの充填を均一に分布さ せることができない欠点がある。しかし、ロックアンカーにより固定させねばな らない種々の岩石または石の積層間の接着機能の特質は岩石又は石の層に依存す る。 【0007】 【課題を解決するための手段】 従って、本考案の目的は簡単且つ経済的な方法でドリルロッドとして同時に使 用でき、試錐孔にモルタルを均一に分布させることができるロックアンカーを提 供することにある。この問題は前方区域すなわちドリルヘッドに隣接する区域に だけ出口開口部、即ち横孔を備えた本考案によるロックアンカーにより解決され る。一方においてドリルロッドの外周区域に穿設した開口部、即ち横孔があり、 他方においてドリルヘッドの中心の液圧孔の廻りの開口部もある。これはドリル ロッドとして本考案のロックアンカーの使用中に、ドリルロッドの冷却を生じさ せるのみならず、穿孔中に発生したドリル微粉を急速に除去することも保証し、 該ドリル微粉は試錐孔から本考案によるドリルヘッドの外側に流出させることが できる。ドリルヘッドの中心の液圧孔が少なくともしばらくの間に閉塞されるよ うになったとしても、ドリル微粉の十分な除去が生じる。一般にドリルヘッドは ドリル微粉を含む懸濁液の復帰流のためにドリルロッドの他の部分よりも大きい 直径を有しているので、試錐孔には十分な円形状の間隙が有効に形成できる。 【0008】 試錐孔の形成後に、固定モルタルを試錐孔にその内側の間隙を通して圧入する ことにより本考案によるドリルロッドをロックアンカーとして利用する。この固 定モルタルは、ロックアンカーの前部区域に位置する外周の横孔を通って主とし て進入する。本考案によるロックアンカーの前部区域に横孔を配置することによ り達成される効果は試錐孔の底部から始まり試錐孔の出口に向う方向に進むモル タルが常に試錐孔に充填され、更にひかえ棒(タイロッド)の外側に沿う復帰流 の流動中にも、試錐孔の壁区域に位置する周囲の岩石の間隙を充填する。従って モルタルはドリルロッドの外側に沿う復帰通路に存在する流動抵抗に打ち勝つに 十分な圧力で内孔から外側の出口に到達しなければならない。 【0009】 横孔を均一に分布させたドリルロッドの前部区域は実質的にドリルヘッドから 20cmまでにわたり延伸している区域と考えられている。この方法において、 ドリルロッドとしても使用できるロックアンカーは機械的に極めて簡単な延長が 可能であり、長い穿孔の場合に延長片を介在させることにより公知の方法で延長 できる。 【0010】 本考案の別の特徴によれば、ドリルヘッドは軸線方向の長さが短い板状本体部 材から形成されており、管状本体部材と脱着不能に連結されており、そして試錐 孔の底面に対向する上面に突起と刃先を備えている。これらの特徴は板状本体部 材の軸線方向の長さが短いことにより復帰流中に生じるドリル微粉を運搬する液 圧流体に対する流動抵抗を小さく保持することを保証する。 【0011】 この構成において、穿孔工程中にドリルのまわりの連続流動が確保されると共 にドリルヘッドを同時に効率良く冷却する。ドリルヘッドの板状本体の構造はさ らに注入にあたりロックアンカーを試錐孔に保持することができる。 【0012】 本考案により、ドリルヘッドは液圧孔から流出する液圧媒体の流通を改善する ためのアーチ形状部を外周に形成してある。この特徴によりドリルヘッドの区域 を流れる流動特性が改善されると共に、ドリル微粉の除去と、発生する熱の除去 も改善される。 【0013】 全ての横孔と液圧孔の全横断面は少なくとも管状本体部材の内部軸孔の横断面 と一致させてある。この特徴は管状本体部材内の流速を実際問題としてドリルロ ッドの前部区域にある孔内の流速と一致させることができ、ドリルロッドの通路 中を通過する圧力損失を小さく維持でき、従って液圧流体と凝固モルタルの双方 の供給に必要なエネルギー消費に極めて都合よく作用する。管状本体部材の内部 横断面の横方向均一性は単にドリルロッドの横孔だけでも、あるいは本質的に、 ドリルヘッドの中心の液圧孔を有するドリルヘッドの前部区域の横孔でも保持で きる。 【0014】 本考案の上述した目的は下記の特徴をも有している本考案によるロックアンカ ーにおいて解決することができる。管状本体部材は外周区域に横孔を備えた強化 壁体管から成り、強化壁体管の一端に穿設工具を備え、その他端にはねじ山部を 備えており、該ねじ山部は穿孔工程の駆動装置の継手として作用するか、あるい は延長ロッドのためのスリーブの継手として作用する。管状本体部材の内壁から 一定間隔で管状本体部分の内側に備えた管は穿孔工具すなわちドリルヘッドの区 域に注入される液圧流体を供給するために使用する。この管は同時に試錐孔を形 成するために使用する岩石の間隙に圧力を加えて注入させねばならない凝固モル タル懸濁液を供給するための作用も行う。管の出口開口部はドリルヘッドの軸線 方向の液圧孔の前面に多少の距離をおいて配置することが不可欠である。これは 、穿孔中と、またモルタル注入中の両方において、導入材料が先ずドリルヘッド の液圧孔を通って侵入して周囲の岩石間隙を充填するという因果関係を有する。 管はドリルヘッドから一定間隔で配置されているので、モルタル懸濁液の復帰流 は試錐孔の頭部を形成する間隙が完全に充填されると直ぐに管状本体中に発生す る。モルタル懸濁液のこの復帰流はドリルヘッドに隣接して配置された管状本体 部材面の横孔から流通が始まり、そのあと、モルタル懸濁液は横方向に流出し、 試錐孔により形成された全間隙が最終的に充填される。従って、本考案の基本的 な着想はモルタル導入の第1段階において、たとえば液圧孔を通って穿孔工具の 区域にその大部分を注入し、第2段階においてはモルタル懸濁液が管状本体部材 面の横孔を通しドリルヘッドの隣接区域で始まり、ねじ山部に至るまで連接して 流れるという事実に基づいている。この構成において、周囲の岩石に対するロッ クアンカーの好適で均一の接着が得られる。管状本体部材内に配置された管の出 口開口部は管から流出するモルタル懸濁液が主として液圧孔に向って流れるよう な配置及び大きさにしなければならない。この構成において、管中に供給した液 圧流体も主としてドリルヘッドの区域にある液圧孔を通って流出するので、冷却 効果が発生し、それと同時に、穿孔工程中に生じるドリル微粉が除去され、そし て管状本体部材の外側に流出される。 【0015】 管は管状本体部材の一端に液密的に挿入させたクランプ部材により液密的に保 持させることができる。この特徴は管状本体部材の後尾部分がどんな場合でも密 閉されるので有利な構造を備えている。 【0016】 管は弾性材料、即ちプラスチック材料から形成させることができる。その特徴 は凝固モルタルの導入工程の終了後に管が実際には逆止め弁のような作用をなし 、該逆止め弁を通してモルタルが管状本体部材から逃散するのを防止する利点を 有する。この目的のために、管は一般に金属製でもプラスチック材料製でも可能 である。 【0017】 管の全横断面は管状本体部材の内部間隙の全横断面の約25%乃至50%のサ イズを備えることができる。この特徴は実際問題として特に有利であることがわ かった。 【0018】 管状本体部材はその全長にわたって外周に粗目のねじ山、即ち丸ねじ山を備え ている。この特徴によれば、穿孔中に試錐孔から流出するドリル微粉を有する懸 濁液の搬送作用がドリルロッドの全表面を通して行なわれる。特に、大きな粒子 が懸濁液中に保持されている場合に、丸ねじ山は閉塞の形成を阻止する。丸ねじ 山はロックアンカーとして本考案のドリルロッドの使用中に硬化セメントモルタ ルとドリルロッドとの間の接着作用をも改善する。いずれの場合にも、比較的粗 目のねじ山が使用され、管状本体部材に該ねじ山を付設することによりドリルロ ッドの強度を維持するために、該ねじ山はたとえば圧延などのように本質的に非 切削法により形成されている。 【0019】 管状本体部材の表面上に設けた横孔はドリルヘッドから離れる方向において軸 線方向から見て内側から外側に管状本体部材の軸線に対して一定の角度で傾斜さ せることができる。他方において該横孔はドリルヘッドの回転方向と反対の方向 において横断面から見て内側から外側に半径方向に対して一定の角度で傾斜させ ることができる。この特徴は穿孔工程中に管状本体部材の表面にあけられた横孔 がドリル微粉で詰まることがない利点をもたらす。 【0020】 【実施例】 本考案のロックアンカーを添付図面に示した実施態様について以下に詳細に説 明する。 【0021】 図1において、ドリルロッドを符号1で示し、ドリルロッド1の一端にはドリ ルヘッド2を配置してある。ドリルヘッド2はドリルロッド1に溶接されている 。 【0022】 ドリルロッド1はその全体の外側の全てにわたってほぼ丸形のねじ山3を備え 、ねじ山3はドリルロッド1の管状本体部材から、好ましくは、非切削形成法、 すなわち圧延または展伸によって形成されている。 【0023】 ドリルロッド1内には中心軸線方向の軸孔4を形成してあり、該軸孔4はドリ ルヘッド2に設けた同様の中心軸線方向の液圧孔5と連通している。軸孔4の好 ましい内径は少なくとも15mmである。ドリルロッド1はドリルヘッド2に隣 接する区域の外周に長手方向軸線に対し垂直に延伸する横孔6を備え、横孔6の 軸線は軸孔4の内側間隙から延伸してドリルヘッド2からの方向における縦断面 に対し直角に走行している。横孔6はドリルロッド1の外周にわたってほぼ均一 に分配されているので、ドリルロッド1の前述した区域の近くにあるこのような 区域は、ドリルヘッド2から始まり、好ましくは最大20cmの長さにまで延伸 している。液圧孔5と同様に横孔6はその全ての流量横断面の合計が軸孔4の流 量横断面ととぼ一致する寸法にさせてある。 【0024】 丸ねじ山3はドリルロッド1用のドリルハンマーまたは他の駆動装置を連結さ せるために周知の方法で作用し、図示されていないが、スリーブを介在させるこ とにより全長にわたって丸ねじ山3に相当するねじ山を外部に備えた延長ドリル ロッドを使用して延長させることが可能である。 【0025】 図2及び図3に拡大して示したドリルヘッド2は、板状本体部材7から成り、 該板状本体部材7は図示した実施態様においてはほぼ正方形の形状を有し、その 側面にアーチ形状部8を備えている。これらのアーチ形状部8は、その最深部が 丸ねじ山3を包囲する外側の円周に接触するような寸法にしてある。この構造の 重要性を以下に詳細に説明する。 【0026】 板状本体部材7は試錐孔の底部に面する側の外面に星形に並べた角柱状の突起 9を支持し、該突起9の縁部は正方形の板状本体部材7の角隅部の方向に延伸し 、穴あけ工程に必要な刃先10を形成している。これらの突起9は板状本体部材 7の横側制限端の周りに一定間隔に配置され、ドリルヘッド2が溶接されている 位置から多少の間隙を有して終端している。この方法で形成された刃先10は前 面区域だけでなく周囲区域における傾斜面11で終っており、傾斜面11は液圧 孔5の排出口に向う方向に傾斜している。 【0027】 ドリルヘッド2、特に板状本体部材7はその軸線方向の寸法、即ち矢印12の 方向に延伸する寸法をできるだけ短くしてある。 【0028】 図1乃至図3に関連して説明された装置はロックアンカーを形成し、該ロック アンカーは同時にドリルロッドとして使用する。 【0029】 本装置は先ずドリルロッドとして使用され、換言すれば、駆動装置が丸ねじ山 3に結合され、それによって穿孔中に、液圧流体が軸孔4を通ってポンピングさ れる。液圧孔5から流出してくる液流を介して、ドリルヘッド2の区域で形成さ れたドリル微粉が除去され、該ドリル微粉はドリルロッド1の外側に運搬されて 穿孔から通過する。ドリルヘッド2はアーチ形状部8を備えてあるためドリルロ ッド1より大きい外径を有するので、発生させたドリル微粉をドリルヘッド2の 後方区域に容易に排出できる。十分な流動性を得るため、ドリル微粉を含む懸濁 液はさらにドリルヘッド2の小さい軸線方向の長さを横切る必要がある。液圧孔 5と共に横孔6の上述した横断面の寸法取りによって、液圧材料の十分な流動性 が保証される。横孔6の軸線は鋭角的に後方に、つまりドリルヘッド2から後方 に向いているので、液圧材料の流れは試錐孔開口に対向する方面にドリル微粉の 取出しを助ける。ロッド1の全長にわたって延伸する丸ねじ山3によって、ドリ ル微粉の前進作用が与えられ、それにより、特に大型粒子が十分除去されるので 、閉塞の形成は生じない。 【0030】 試錐孔の長さに依存して、複数のドリルロッドを互いに結合することができ、 複数のドリルロッドは各々その全長の外周に沿って丸ねじ山を同様に備えている 。穿孔が完了した後、セメントモルタルを軸孔4を通して注入するが、セメント モルタルはドリルヘッド2に隣接しているドリルロッド1の前方区域に配設した 横孔6に入るので、試錐孔には試錐孔の底部から始まってその出口までドリルロ ッド1の外側を通るモルタルの逆流によってモルタルが充満し、それによって、 ドリルヘッド2の後面、即ち試錐孔に対面して発生するモルタル圧のため、同時 にロックアンカーは試錐孔中に保持される。従って、モルタルは試錐孔壁の区域 に存在する岩石の中空間隙に流入し、モルタルはこの方法で凝固する。丸ねじ山 3により、本考案によるロックアンカーと凝固モルタルとの間の接着層が改善さ れる。 【0031】 ドリルヘッドの別の実施態様を図4に符号13で示し、ドリルロッド13の一 端にドリルヘッド14を配置してある。ドリルヘッド14はドリルロッド13に 溶接又は、ねじ止め若しくは直接圧着することができる。 【0032】 ドリルヘッド14から離れているドリルロッド13の端部はその外周に、左巻 ねじ山15を備え、該ねじ山15により周知の方法で、ハンマー又は他の駆動装 置をドリルロッド13に結合させることができる。ねじ山15に図示していない スリーブを介在させて、さらに別のドリルロッド13を延長の目的で接続させる ことができる。 【0033】 ドリルヘッド14は周知の方法で中心内孔16を備え、該中心内孔16は液圧 流体を供給させる作用をなす。中心内孔16はドリルヘッド14の内部から漏斗 形の拡大部17を通ってドリルロッド13に通ずる。 【0034】 符号18で示したクランプ部材は、たとえばねじ山によって、ドリルロッド1 3内の内部間隙19に同軸線的に延伸している管20を固定するための作用をな し、管20の出口開口部はドリルヘッド14の漏斗の様な拡大部17の区域に配 置されている。管20は硬質プラスチック製でもよいが、金属製でもよく、ドリ ルロッド13の内側横断面面積の約1/4乃至1/2の大きさを占めている。管 20はクランプ部材18中に密封するように挿入されており、それによってクラ ンプ部材18とドリルロッド13の内壁との間は同様に密封方法で形成すること ができる。管20の開口横断面は中心内孔16のものよりも小さい。 【0035】 ドリルロッド13の壁にあけた横孔は符号21で示され、横孔21の軸線はド リルロッド13の長手方向の軸線に対して一定の角度で傾斜している。即ち、横 孔21はドリルヘッド14からドリルロッド13の後端に向って延伸している。 しかも、ドリルロッド13の横断面における横孔21の軸線は半径方向に対し一 定の角度で傾斜するように、すなわち回転方向と反対方向に傾斜するように配置 されている。 【0036】 最後に述べた特徴は図5に説明してあるが、図5中において、2つの横孔21 の軸線を符号22と符号23で示し、穿孔工程中におけるドリルロッド13の回 転方向を矢印24で示す。図4及び図5に示した装置はドリルヘッドを有するド リルロッドと同時にロックアンカーとを示している。その実際の取扱を次に簡単 に説明する。 【0037】 本装置は先ずドリルロッドとして使用され、換言すれば、丸ねじ山15によっ て、ハンマーまたは他の駆動装置をドリルロッドに結合し、それによって、穿孔 中に、液圧流体を中心の管20通してポンプで注入し、中心の管20はそこで発 生したドリル微粉(岩石塵)をドリルヘッド14に形成した内孔16を通して集 塵し、それを試錐孔からドリルロッド13の外側に排出する。ドリルヘッド14 の区域にある管20の口部は高圧で流出する液圧流体が直接ドリルヘッドを通し て押し出され、そして内部間隙19には極めてわずかしか残らないように配置さ れている。液圧流体のこの注入は、一方において内孔16から管20の出口まで 間隙を狭めることにより達成でき、他方においては管20と内孔16の横断面寸 法を上述した通り定めることによって達成できる。半径方向と軸線方向の両方向 における横孔21の上述した傾斜位置決めによって穿孔工程中にドリル微粉が横 孔21内で凝固化することを防ぎ、必要な場合には、内部間隙19に押し出され る。 【0038】 複数のドリルロッドを丸ねじ山15とスリーブとを用いて互いに結合させ、所 望の試錐孔を形成した後、駆動装置またはドリルハンマーを丸ねじ山からその回 転方向を逆転させて分離させてから、結合部材でねじ止めした後、凝固モルタル 懸濁液を管20を通して高圧でドリルロッド13内に注入する。この懸濁液は管 20から拡大部17の区域に流入して、ドリルヘッド14の内孔16を通って周 囲の岩石間隙に侵入し、そこで完全に充填させるようになる。この充填工程が完 了するやいなや、ドリルヘッドの区域に実質的な昇圧を発生させると、懸濁液は 反対方向に流れて管20を囲むリング状の内部間隙19に流入し、そのあと、軸 線方向に見られる第一の横孔21、換言すればドリルヘッド14に最も近い横孔 21から始まってその他の横孔21を通って流れる。懸濁液が内部間隙19中の 後方に流れるこの方法での次の期間に、ドリルロッド13を囲む岩石間隙の全体 を連続的に充填するので、ドリルロッドは前述の懸濁液中にその全長にわたって 最終的に堅固に埋設される。懸濁液をさらに供給したあと、管20が弾性材料、 たとえばプラスチック材料で形成された場合には、これは逆止め弁として作用し 、該逆止め弁によって懸濁液の後部方向の流れが防止できる。試錐孔から突出し ている丸ねじ山15はモルタルの凝固後に図示していないアンカープレートとね じ込みナットで岩石に対して固定することができる。 【0039】 【考案の効果】 本考案に係るロックアンカーは上述した構成であるから、ドリルロッドとして 同時に使用することができ、ドリルロッドに発生する熱を十分に冷却できると共 に、岩石のドリル微粉を穿孔穴から外側に迅速に除去でき、又セメントモルタル を穿孔穴内に均一に充填させることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本考案によるロックアンカーの一部縦断側面図
である。 【図2】図1の矢印IIに相当するロックアンカーの平
面図である。 【図3】図1の矢印IIIによるロックアンカーのドリ
ルヘッドの側面図である。 【図4】本考案によるロックアンカーの別の実施態様の
軸線方向断面図である。 【図5】図4のV−V線に沿う半径方向の横断面図であ
る。 【符号の説明】 1,13 ドリルロッド 2,14 ドリルヘッド 3 丸ねじ山 4 軸孔 5 液圧孔 6,21 横孔 7 板状本体部材 8 アーチ形状部 9 突起 10 刃先 11 傾斜面 15 ねじ山 16 中心内孔 17 拡大部 18 クランプ部材 19 内部間隙 20 管 22,23 横孔の軸線 24 ドリルロッドの回転方向

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 1) 少なくとも一端にねじ山部を有すると共にその他
    端にドリルヘッドを有する管状本体部材から構成し、管
    状本体部材にはドリルヘッドに隣接する区域にのみ軸孔
    と交差するように穿設した横孔を設け、管状本体部材の
    外周にはその全長にわたって丸ねじ山を備え、ドリルヘ
    ッドを軸線方向の短い板状本体部材から構成し、該板状
    本体部材を管状本体部材に関して脱着不可能に形成し、
    ドリルヘッドには試錐孔の底部に対面する上面に刃先を
    備え、ドリルヘッドには液圧孔から流出する液圧媒体の
    流動性を改善するアーチ形状部を設け、液圧孔と全ての
    横孔の全横断面を少なくとも管状本体部材の軸孔の横断
    面に一致させたことを特徴とするロックアンカー。 2) 管状本体部材の横孔を半径方向の横断面から見て
    半径方向に一定の角度で傾斜させると共にドリルヘッド
    の回転方向と反対の方向において内側から外側に延伸さ
    せたことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第1項に
    記載のロックアンカー。 3) 管状本体部材の横孔を軸線方向の縦断面から見て
    管状本体部材の軸孔に対して一定の角度で傾斜させると
    共に内側から外側までドリルヘッドから延伸させたこと
    を特徴とする実用新案登録請求の範囲第1項に記載のロ
    ックアンカー。 4) 少なくとも一端にねじ山部を有すると共にその他
    端にドリルヘッドを有する管状本体部材から構成し、管
    状本体部材には横孔を設けると共にその外周の全長に丸
    ねじを備え、弾性材料すなわちプラスチック材料製の管
    を管状本体部材の内壁から一定間隔で管状本体部材内に
    配設し、管の出口開口部を小さい間隔でドリルヘッドの
    液圧孔の前面に配置し、管状本体部材の一端に密封的に
    挿入させたクランプ部材により管を管状部材の一端に密
    封するように保持し、管の流動横断面を液圧孔の流動横
    断面よりも小さくし、管の全横断面の約25%乃至50
    %にしたことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第1
    項に記載のロックアンカー。 5) 管状本体部材の横孔を軸線方向の縦断面から見て
    管状本体部材の軸線に対し一定の角度で傾斜させると共
    に内側から外側にドリルヘッドから延伸させたことを特
    徴とする実用新案登録請求の範囲第4項に記載のロック
    アンカー。
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