JPH0593533A - 調理用排気装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 調理中に調理器から火災が発生しても調理器
周辺の可燃材への類焼を防止できるようにする。 【構成】 調理器１の上方を完全に覆う位置までスライ
ド可能な天蓋８と、通風路５内の温度を検知する温度検
知手段１０と、この温度検知手段１０の検知信号に応じ
て天蓋８をスライドさせる駆動装置９と制御手段１１と
を設ける。そして、火災発生時に温度検知手段１０によ
って異常高温を検知し、天蓋８を調理器１の上方を完全
に覆う位置までスライドさせるので、火災は天蓋８によ
って上方へ舞い上がるのを阻止され、調理器１周辺の可
燃材料への類焼が防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、調理時に発生する廃ガ
ス，油煙，臭気などを確実に屋外へ排出する調理用排気
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、調理用排気装置は、調理器の上方
に設置され、調理器からの上昇気流を吸引して屋外へ排
出する構成のものが一般的である。しかし、このような
排気装置は、調理器から一定の高さの位置に取付けられ
るため、調理器から発生し上昇していく油煙が途中の壁
面を汚し、また排気装置そのものの清掃も取付け位置が
高いため、非常に作業が行いづらいものであった。した
がって、調理器周辺の壁面を汚さず、清掃の容易な排気
装置が求められていた。

【０００３】このようなことから、従来、たとえば特公
昭６０−５３８１８号公報に示すような構成の調理用排
気装置が提供されていた。

【０００４】以下、その構成について図３を参照しなが
ら説明する。図に示すように、調理台１０１の上面に調
理器１０２を配置するとともに、後方に直立ダクト１０
３を、その上端部を調理器１０２の上面より上方に突設
させて立上り部１０４を形成している。この立上り部１
０４の上端に調理器１０２側に向かって低く傾斜する吸
引口１０５を設け、また立上り部１０４の後部に接して
直立する室壁１０６に、下面平坦な前向気流誘導板１０
７を調理器台１０１の上方を覆うように設けている。前
記直立ダクト１０３の下方終端部に連結する排気口部１
０８に送風機１０９を設けている。なお、図中１１０は
調理器１０２の下部に設けた天火、１１１は天火強制排
気筒、１１２はこの排気筒１１１の開口部、１１３は吸
引口１０５に設けられた吸引気流誘導板、１１４は前向
気流誘導板１０７を上方から固定する可燃材料で造られ
た吊り戸である。

【０００５】上記構成において、調理時に発生した廃ガ
スや油煙は、送風機１０９によって吸引口１０５付近の
空気を強制的に吸引すると、上昇していって前向気流誘
導板１０７に沿いながら前方から後方へ向かって移動
し、さらに下方に向かい、吸引口１０５から直立ダクト
１０３内に吸引され、排気口１０８から屋外へ排出され
る。吸引気流誘導板１１３はこの空気移動層が乱れるこ
とを防止する働きをするものであった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の調理
用排気装置では、吸引口１０５から吸引される空気移動
層が乱れることなくより高い捕集効果を得るためには、
前向気流誘導板１０７の先端はできるだけ前方へ突出さ
せて、調理器１０２の上方を完全に覆うようにするほう
がよい。しかしながら、前向気流誘導板１０７は室壁１
０６および吊り戸１１４に固定されており、その取付け
高さが人の頭あたりに位置し、あまり突出させると調理
作業の妨げとなるため、先端位置をある程度奧に下げざ
るを得なかった。そのため、何らかの原因で調理中に調
理器１０２から火災が発生した場合、火災が前向気流誘
導板１０７の先端を越えて上方へ舞い上がり、周囲の吊
り戸１１４などの可燃材を類焼するという危険があっ
た。

【０００７】本発明は上記課題を解決するもので、調理
作業性を損うことなく、調理中に調理器から発生する火
災による周辺の可燃材への類焼を防止することができる
調理用排気装置を提供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、上面に調理器を配置した調理器台の後方上
部に設けた吸込口と、この吸込口と排気送風機をつなぎ
吸引した空気を室外に導出する通風路と、前記調理器上
方で前後にスライド自在な天蓋と、この天蓋を前後にス
ライドさせる駆動装置と、前記通風路内の温度を検知す
る温度検知手段と、この温度検知手段の検知信号にもと
づき前記駆動装置を作動させて前記天蓋を所定の位置ま
でスライドさせる制御手段とを備えた調理用排気装置の
構成としたものである。

【０００９】

【作用】本発明は上記した構成により、調理中に調理器
から火災が発生し、炎を含んだ異常高温の空気が吸込口
から通風路内へ吸引されると、その温度を温度検知手段
が検知し、その検知信号にもとづいて制御手段が、すみ
やかに駆動装置を作動させて調理器を完全に覆う位置ま
で天蓋をスライドさせ、火災が天蓋を越えて舞い上がる
ことを防止することができるものである。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の一実施例について、図１およ
び図２を参照しながら説明する。

【００１１】図に示すように、調理器１を上面に配置し
た調理器台２の後方に箱状のフード３を設け、このフー
ド３の天面を調理器１側に水平に延設し天板３ａを設け
ている。また、フード３の前面で調理器１の上方に吸込
口４を設けている。この吸込口４と、フード３の下部に
配設され屋外に連通する排気ダクト７を接続した排気送
風機６とを結ぶ通風路５が、フード５内に形成されてい
る。そして、フード３の天板３ａの下面に沿って前後方
向にスライド自在な天蓋８と、この天蓋８をスライドさ
せる駆動装置９とを設けている。また通風路５内には、
通過する空気の温度を検知する温度検知手段である熱電
対１０が設けられ、この熱電対１０からの検知信号にも
とづいて駆動装置９を作動させ、異常高温を検知したと
きには調理器１を完全に覆う位置まで天蓋８をスライド
させる制御手段１１を調理器台２内に備えている。な
お、フード３の上部には収納のための吊り戸１２が設置
されている。

【００１２】上記構成において、排気送風機６を運転す
ると、制御手段１１が機能状態に入り、熱電対１０は通
風路５内の温度の測定を始める。調理時に発生する油
煙，廃ガスなどは、調理器台２の前方より吸込口４に吸
引され、通風路５を通り屋外に排出される。そして、図
２に示すように、何らかの原因で調理中に調理器１から
火災が発生すると、炎を含んだ空気が吸込口４から通風
路５内へ吸引され、その異常高温を熱電対１０が検知す
る。そして、熱電対１０の検知信号にもとづいて制御手
段１１が、駆動装置９を作動させて調理器１の上方を完
全覆う位置まで天蓋８をすみやかにスライドさせ、火炎
が天蓋８より上方へ舞い上がるのを防止する。

【００１３】このように本発明の実施例の調理用排気装
置によれば、通常は、天蓋８が調理作業の妨げにならな
い位置にあり、万一、調理器１から火災が発生したとき
には、天蓋８が前方へスライドして火災の舞い上がりを
防止することができる。

【００１４】なお、本実施例では温度検知手段として熱
電対を用いたが、通風路内の温度を検知するものであれ
ばよく、その種類に限定されるものはない。

【００１５】

【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発
明によれば、火災が発生したときだけ、調理器の上方を
完全に覆う天蓋を設けることにより、調理作業性を損う
ことなく、調理中に調理器から火災が発生しても調理器
周辺の家屋への類焼を防止できる効果のある調理用排気
装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の調理用排気装置の断面図

【図２】同調理用排気装置の火災発生時の状態を示す部
分断面図

【図３】従来の調理用排気装置の断面図

【符号の説明】

１ 調理器 ２ 調理器台 ４ 吸込口 ５ 通風路 ６ 排気送風機 ８ 天蓋 ９ 駆動装置 １０ 熱電対 １１ 制御手段

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上面に調理器を配置した調理器台の後方
   上部に設けた吸込口と、この吸込口と排気送風機をつな
   ぎ吸引した空気を室外に導出する通風路と、前記調理器
   上方で前後にスライド自在な天蓋と、この天蓋を前後に
   スライドさせる駆動装置と、前記通風路内の温度を検知
   する温度検知手段と、この温度検知手段の検知信号にも
   とづき前記駆動装置を作動させて前記天蓋を所定の位置
   までスライドさせる制御手段とを備えた調理用排気装
   置。