JPH05322252A - レンジフード - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 捕集効果及び油滴の飛び散り防止効果に優
れ、しかも調理作業を不便ならしめるといったことのな
いレンジフードを提供すること。 【構成】 フード本体１の内部に送風機ユニット５を取
付け、その送風機ユニット５とフード本体１の周壁との
間に、背面及び左右側面の三方又は左右側面の二方から
なる後部フード２と，その後部フード２の前面開口を覆
う前部フード３と，更に前部フード３の下部に前方に突
出する庇状フード４を配置し、後部フード２は加熱調理
器具の上面と近接する下限位置まで下降自在とし、前部
フード３及び庇フード４は一体となって調理作業に支障
のない位置まで下降すると共に、それ以降の下降時は庇
フード４が後方にスライド格納されるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は台所のガスコンロやガス
レンジ等の上方に設置されて、調理時に発生する油煙、
臭気等を屋外に排出するレンジフードに関する。

【０００２】

【従来の技術】台所のガスコンロやガスレンジ等の上方
に設置されるレンジフードは、下面が開口した箱体状の
フード本体内に送風機ユニットが装備され、その送風機
ユニットの作動によってフード本体内に吸い込んだ油
煙、臭気等をフード本体に接続した排気ダクトを介して
屋外に排出するものである。

【０００３】そして、上記したレンジフードはガスコン
ロやガスレンジ等の加熱調理器具から発生する炎や熱の
影響を受けない安全な所定高さの位置に設置され、しか
も送風機ユニットを収容するフード本体は背面，左右側
面，前面の四方と上面を一体化した下面が開口した箱状
体であり、且つ捕集効果を上げる為に前面板の下部は前
方に張り出して下面の開口面積を広く形成している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】その為、加熱調理器具
の上面とレンジフードの下端との間にはかなりの空間が
存在し、調理時に発生した油煙、臭気等はレンジフード
に至るまでの間に拡がり、レンジフードによって捕集排
気されずにレンジフードの周りに漂うといった不具合を
有し、捕集効果に問題点を有する。そうした問題点を解
決する方法としてレンジフードの設置位置を下げて加熱
調理器具に近付けることが考えられるが、その場合はレ
ンジフードにおける前面板が邪魔になって加熱調理器具
上での調理作業がしにくいといった問題点が生じる。

【０００５】又、近年食生活の洋式化等によって食用油
を用いた調理が増え、これに伴って油滴の飛び散りによ
るレンジ周辺の油汚れが問題になっており、その油汚れ
を防ぐ為従来においてはレンジ側方と後方を覆う衝立て
様の市販のガードが専ら使用されているが、未使用時の
収容等の関係上、大きさ（高さ）に限度があり、従って
油滴の飛散防止範囲に限界があり、油汚れを効果的に防
ぎ得るとはいい難いものである。

【０００６】本発明は上述した従来の技術が有する問題
点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは捕
集効果及び油滴の飛び散り防止効果に優れ、しかも調理
作業を不便ならしめるといったことのないレンジフード
を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前述の目的を達成する為
に本発明におけるレンジフードは、フード本体の内部に
送風機ユニットを取付け、その送風機ユニットとフード
本体の周壁との間に、背面及び左右側面の三方又は左右
側面の二方からなる後部フードと，その後部フードの前
面開口を覆う前部フードと，更に前部フードの下部に前
方に突出する庇状フードを配置し、後部フードは加熱調
理器具の上面と近接する下限位置まで下降自在とし、前
部フード及び庇フードは一体となって調理作業に支障の
ない位置まで下降すると共に、それ以降の下降時は庇フ
ードが後方にスライド格納されるようにしたことを特徴
とする。

【０００８】フード本体内に装着される後部フード及び
前部フードは夫々専用の昇降用モータによって上下摺動
され、庇フードの前後摺動は独立した動力源によって行
う方法、或いは前記した前部フードの下降動作に連動し
て後方に摺動し、上昇動作に伴って前方に摺動する連動
方法とするなど何れでもよいものである。又、上下摺動
を行う昇降用モータの作動、停止の制御は、レンジの使
用、不使用を紫外線センサー、温度センサー、或いはガ
スセンサー等の各種センサーで検出判定し、その検出信
号によって制御する方法、又は夫々のモータの作動、停
止を行う操作釦をフード本体或いは前部フードの表面に
設置し、その操作釦を適宜手動操作してモータの作動、
停止を制御する方法等、適宜選択することができるもの
である。

【０００９】更に、前部フードの上下摺動を行う昇降用
モータの作動、停止の制御は、フード又は加熱調理器具
の前に使用者が居るか否かを検出する人感センサー、或
いは距離センサーの検出信号で制御する方法等が挙げら
れる。

【００１０】

【作用】上述した手段によれば、ガスコンロやガスレン
ジ等の加熱調理器具の使用に伴う連動、或いは操作釦等
の手動操作によって前部フード及び後部フードは所定位
置まで下降される。この時庇フードは前方に突出した状
態のままで下降される。そして下降した前部フード、後
部フード及び庇フードは加熱調理器具より立ち上がる油
煙、臭気等を効果的に捕集する。又、後部フードは加熱
調理器具の上面と近接する下限位置まで下降させ、前部
フードも更に下方に下降し得るがこの時庇フードは後方
に摺動して前部フードからの突出量（長さ）が少なくな
り、庇フードが調理作業の邪魔になるのを解決する。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明すると、図中、１はフード本体、２は後部フー
ド、３は前部フード、４は庇フードで、フード本体１は
下面が開口した筒状に形成され、そのフード本体１の天
板1aの内面に送風機ユニット５が垂下固定されると共
に、その送風機ユニット５の排気口は天板1aのダクト接
続口に連絡せしめてフード本体１外の排気ダクト６と接
続されている。又、フード本体１の内部における送風機
ユニット５とフード本体１の周壁との間には後部フード
２と前部フード３が上下摺動可能に収容配置されてい
る。

【００１２】フード本体１内に垂下固定される送風機ユ
ニット５は、ケーシング７，ファン８，及びモータ９に
よって構成された今日周知のもので、その送風機ユニッ
ト５は背面及び左右両面を平板で囲いケーシング７の吸
込口（ベルマウス）と対向した前面にフィルタ10を取付
けたケース11内に収容されており、そのケース11もフー
ド本体１の天板1aに固着されている。尚、ケース11の前
面に装備されるフィルタ10はケース11自体に固定しても
よいが、該ケース11の前面部に対して着脱自在とするこ
とによりフィルタの清掃、交換を容易に行うことが出来
るものである。

【００１３】フード本体１の周壁と上記したケース11と
の間に取付けられる後部フード２は，背面及び左右両面
を平板で囲った平面略コ字形に形成したもので、そうし
た後部フード２はその上部をフード本体１の周壁とケー
ス11との間に上下摺動可能に吊下げ支持されている。そ
して、後部フード２を上下摺動させる機構はモータ、滑
車、ワイヤー等の組み合わせから成る駆動手段と、該後
部フード２をフード本体１に対して直線的に案内する案
内手段によって構成されている。

【００１４】前部フード３は上記した後部フード２にお
ける左右両面の前端からフード本体１の前面までの間を
囲む平面略コ字形に形成され、そうした前部フード５は
前記した後部フード２の上下摺動機構と同様の駆動手
段、案内手段によってフード本体１内の上部から下部に
亘り上下摺動自在に配置される。又、前部フード３にお
ける左右両面の後端部分は上記した後部フード２におけ
る左右両面の前端部分とオーバーラップさせて前部フー
ド３と後部フード２とで平面矩形状の囲いが形成される
ようにしてある。

【００１５】更に、上記した前部フード３の下部には前
方に張り出し突出する庇フード４が配置され、その庇フ
ード４は水平状態で後方に摺動自在とされ、前記した後
部フード２内に摺動格納されて前部フード３の前面から
の突出量が少なくなるようにしてある。そして、その庇
フード４にはスイッチボックス12が区画形成され、その
ボックス内に前記した送風機ユニット５の作動，停止等
を操作するスイッチ類の基板等が収容されると共に、前
面壁の表面にはそれらの操作釦及びレンジフード或いは
加熱調理器具の前に使用者（調理人）が存在するか否か
を検出する人感センサー13等が配設され、その人感セン
サー13で使用者の存在が検出されない場合に前部フード
３を所定位置まで下降させ、使用者の存在が検出された
時は元の位置に上昇させるために上下摺動機構を制御す
る。又、スイッチボックスの後面には紫外線センサー14
が取付けられている。この紫外線センサー14は、加熱調
理器具15のガスコンロ等に点火されて炎が出ると、その
炎から放射される紫外線を検出するもので、加熱調理器
具15が使用（点火）されているか否かを判断するもので
ある。

【００１６】上記した紫外線センサー14の検出信号は前
述した後部フード２を昇降する上下摺動機構の作動、停
止を制御するもので、紫外線センサー14がコンロの点火
に伴う炎から放射される紫外線を検出することで昇降用
モータ11が作動し、後部フード２が所定位置まで下降さ
れる。そして、下降した後部フード２を元の位置に上昇
させる制御方法としては、紫外線センサー14からの紫外
線の検出信号が無くなることで上下摺動機構におけるモ
ータの回転を逆回転させ、自動的に後部フード２を上昇
させる方法、或いは上記の方法にオフ遅延回路を付加し
て検出信号無しから一定時間経過後にモータが作動して
後部フード２を上昇させる方法、又は上記の制御方法に
手動操作用のオフスイッチを付加し、該オフスイッチを
手動で操作することでモータを逆回転させ後部フード２
を上昇させ方法等が挙げられる。

【００１７】又、上述した前部フード３の上下摺動は、
該フード３に取付けた人感センサー13の検出信号によっ
て上下摺動機構のモータの回転方向を制御する方法に限
られるものではなく、操作釦を手動操作して行う方法で
あっても勿論よいものである。

【００１８】以上の如く構成したレンジフードは、加熱
調理器具15を使用するために点火用スイッチ等を操作し
て点火するとそれに伴い炎が出て、その炎から放射され
る紫外線がレンジフード側に設けられた紫外線センサー
14で検出され、その検出信号で後部フード２及び前部フ
ード３の上下摺動機構のモータが作動されて後部フード
２、前部フード３及び庇フード４が所定位置まで下降さ
れる（図２参照）。そして後部フード２は加熱調理器具
の上面と近接する位置まで更に下降され、それにより調
理によって発生した油煙、臭気等は周囲に拡散する前に
後部フード２内に捕集され、捕集効果が向上される。何
故ならば、調理によって発生した油煙等は、発生源から
遠ざかるに従って周囲に拡散するが、発生源に近い間は
略真っ直ぐに上昇するのでその真っ直ぐに上昇する範囲
内に捕集する後部フード２を位置させることで捕集漏れ
を少なくできる。そして、上記紫外線センサー14の検出
信号が送風機ユニット５の運転、停止の制御信号として
使用された場合は、後部フード２の下降と同時に送風機
ユニット５が自動的に運転されることになり、送風機ユ
ニット５の運転操作を忘れるといった問題を解決するこ
とができる。更に、上記した後部フード２の下降は油
煙、臭気等の捕集効果を向上するということの外に、て
んぷら調理等におけるてんぷら油の飛び散りを防止でき
るという効果が期待できるものである。

【００１９】又、加熱調理器具のレンジ等に点火した後
使用者が加熱調理器具（又はレンジフード）の前から離
れると、前部フード３に設けられた人感センサー13が所
定の範囲内に人間が存在しないことを検出し、その検出
信号によって前部フード３を上下摺動するモータが作動
され、前部フード３は予め設定された位置まで下降する
同時に庇フード４は後方に向けて摺動して後部フード２
内に格納され、庇フード４が調理作業の邪魔にならない
ように移動される。それにより調理によって生じる油
煙、臭気等の捕集効果が更に向上される。尚、後部フー
ド２，前部フード３が加熱調理器具に近付いて拡散する
前の油煙、臭気を捕集するため送風機ユニット５の風量
は後部フード２及び前部フード３が上限位置に位置する
場合より少なくて良く、従って後部フード２及び前部フ
ード３の下降動作に連動して送風機ユニットにおけるモ
ータ９の回転が自動的に可変制御されるようにしてもよ
い。そして、再び使用者が加熱調理器具の前に立つと人
感センサー13が人の存在を検出してモータを逆回転さ
せ、それによって前部フード３は元の位置まで上昇され
る。尚、前部フード３の上下摺動はセンサーの検出信号
によって制御される形態とすることなく、操作釦の手動
操作で最適な位置に上下させるようにしてもよい。

【００２０】

【発明の効果】本発明のレンジフードは以上詳述したよ
うに構成したものであるから、加熱調理器具の使用時は
前部フード及び後部フードが加熱調理器具上面に近い位
置まで下降し、調理によって発生する油煙、臭気等を拡
散する前に効率良く捕集することができると共に、油滴
が周囲に飛び散るのを防止できる。又、前部フードと後
部フードは夫々独立して上下摺動し、且つ庇フードは前
後方向に摺動するため、加熱調理器具上の調理物を見た
り或いは鍋等の調理器具を操作したりする作業時は前部
フード及び庇フードを作業の邪魔にならない位置まで移
動させることができる。従って、捕集効果に優れ、しか
も調理作業の不便さを解消できる使用性に富んだレンジ
フードを提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す側面図である。

【図２】後部フード、前部フードを所定位置まで下降さ
せた側面図である。

【図３】図２の状態から更に後部フードを下限位置まで
下降し、前部フードを所定位置まで下降させると同時に
庇フードを後方に摺動した側面図である。

【符号の説明】

１…フード本体 ２…後部フード ３…前部フード ４…庇フード ５…送風機ユニット

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フード本体の内部に送風機ユニットを取
   付け、その送風機ユニットとフード本体の周壁との間
   に、背面及び左右側面の三方又は左右側面の二方からな
   る後部フードと，その後部フードの前面開口を覆う前部
   フードと，更に前部フードの下部に前方に突出する庇状
   フードを配置し、後部フードは加熱調理器具の上面と近
   接する下限位置まで下降自在とし、前部フード及び庇フ
   ードは一体となって調理作業に支障のない位置まで下降
   すると共に、それ以降の下降時は庇フードが後方にスラ
   イド格納されるようにしたことを特徴とするレンジフー
   ド。