JPH0593362A - タオル生地の引き出し装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 タオル生地の引き出し装置の提供。 【構成】 長尺のタオル原反より一枚分のタオル生地Ａ
を引き出して、平織り部Ａ２を裁断する裁断装置２３に
対してタオル生地Ａの引き出し側にタオル生地Ａの引き
出し方向と直交方向に配置され、平織り部Ａ２を裁断し
た後のタオル生地Ａの裁断装置２３に対して引き出し側
切断端部をタオル原反側へ送り戻し可能な送りローラ５
６と、同じく直交方向に配置され、送り戻されるタオル
生地Ａのパイル織り部Ａ１をタオル原反側に通過させな
いように、間隔を調節可能なスリツトＴを有する厚さ検
知器５７とを備える。 【効果】 タオル原反の平織り部の寸法に長短バラツキ
があつても、裁断装置に隣接して引き出し側に位置する
平織り部の切断部長さが一定に得られる。加えて、構造
が簡単で容易に製作することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、パイル織り部と平織り
部とが交互に連続するタオル原反から、一枚分のタオル
生地を引き出して平織り部を切断する際に発生し易い平
織り部の切断部寸法のバラツキを除去するように構成さ
れたタオル生地の引き出し装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、タオル原反から一枚分のタオル生
地を引き出して平織り部を裁断する際の、タオル生地の
引き出し装置において、タオル生地のパイル織り部と平
織り部との厚さの寸法差などでこれらの境界の識別を行
う識別手段として、タオル生地の引き出し方向を直角に
横断して一直線に配置された厚さ検知器を設け、厚さ検
知器のスリツトでその境界を位置決めして、平織り部の
可及的に中央を裁断するようにしていた。

【０００３】例えば、実開平２−３９２号公報に従来の
タオル生地の引き出し装置が開示されている。このタオ
ル生地の引き出し装置において、空間を挟んで対向する
一対の作業台の一方には、外端寄りから、パイル織り部
と平織り部との境界を識別する厚さ検知器と、裁断装置
とを備え、他方の作業台上には、一方の作業台に向けて
移動可能な基板の内端部から突出させて設けた固定口金
と、基板上に揺動可能に軸支された可動口金とを有する
クランプ装置を備え、かつ、上記空間上に、タオル生地
の上方を横断して上下動可能なタオル生地引き出し手段
を備えている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のタオル生地の引き出し装置にあつては、パイ
ル織り部と平織り部とが交互に連続するタオル原反から
１枚分のタオル生地を引き出して切断した場合、平織り
部の裁断装置に隣接する引き出し側切断部長さに長短バ
ラツキを発生し、その後タオル自動縫製機で平織り部に
三つ折りヘム縫いの縫製を行うと、三つ折りヘム部が不
均一に仕上がるという不具合がある。

【０００５】すなわち、図１３，図１４に示すようにタ
オル原反から切断されてタオル生地Ａとなつた際、裁断
装置に隣接してタオル原反側に位置する平織り部Ａ２の
切断部長さＦＬ’は、パイル織り部Ａ１と平織り部Ａ２
との境界を識別する厚さ検知器の位置（Ｘ〜Ｘ線）から
裁断装置の裁断カツターの位置（Ｙ〜Ｙ線）までの距離
で与えられるが、裁断装置に隣接して引き出し側に位置
する平織り部Ａ２の切断部長さＣＬ’は、タオル原反の
平織り部Ａ２の全長さＨＬから、タオル原反側の切断部
長さＦＬ’を差し引いた長さになる。

【０００６】このため、タオル原反の平織り部Ａ２の全
長さＨＬに不可避的に生ずる長短バラツキに起因して、
平織り部Ａ２の引き出し側長さＣＬ’にバラツキが発生
する。しかして、タオル自動縫製機によつて三つ折りヘ
ム縫いの縫製を行うと、タオル完成品のパイル織り部Ａ
１と平織り部Ａ２を三つ折りしたヘム縫い部分との境界
の片側にだけ、平織り部Ａ２の露出部分やパイル織り部
Ａ１への三つ折りヘム部の縫い込みなどが不規則に出現
し、タオル縫製品の品質を低下させる。特に、パイル織
り部と三つ折りヘム部とが接近している比較的高級なタ
オル製品の場合には、パイル織り部と三つ折りヘム部と
の境界の許容差が厳しいため、三つ折りヘム部を手加工
によつて縫製して品質の維持を図るしかない。このよう
に、切断後の平織り部の寸法のバラツキが、特にタオル
自動縫製機の性能向上に対して隘路となつている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、このような従
来の技術的課題に鑑みてなされたものであり、その構成
は、パイル織り部と平織り部とが交互に連続する長尺の
タオル原反より一枚分のタオル生地を引き出して、平織
り部を裁断装置によつて裁断するタオル生地の引き出し
装置において、裁断装置に対してタオル生地の引き出し
側にタオル生地の引き出し方向と直交方向に配置され、
平織り部を裁断した後のタオル生地の裁断装置に隣接す
る引き出し側切断端部をタオル原反側へ送り戻し可能な
送りローラと、同じく直交方向に配置され、送り戻され
るタオル生地のパイル織り部をタオル原反側に通過させ
又は通過させないように、間隔を調節可能なスリツトを
有する厚さ検知器とを備えることを特徴とするタオル生
地の引き出し装置である。

【０００８】

【作用】先ず、パイル織り部と平織り部とが交互に連続
する長尺のタオル原反より一枚分のタオル生地を引き出
して、平織り部のバラツキ寸法をタオル生地の引き出し
側に与えた状態で、この平織り部を裁断する。次に、裁
断装置によつて平織り部を裁断して得られたタオル生地
の裁断装置に隣接する引き出し側切断端部付近に送りロ
ーラを接触させると共に回転させ、送りローラによつて
タオル生地の上記引き出し側切断端部をタオル原反側へ
送り戻す。この送り戻しに際しては、厚さ検知器のスリ
ツトの間隔を、タオル生地のパイル織り部をタオル原反
側に通過させないように調節しておく。これにより、平
織り部を裁断した後のタオル生地の裁断装置に隣接して
引き出し側に位置する平織り部の長さを、厚さ検知器か
ら一定として裁断装置によつて切断することができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図１〜図１２は１実施例を示す。タオル原
反は、図１２〜図１４に詳示するように、パイル織り部
Ａ１と平織り部Ａ２とからなるタオル生地Ａが連続する
長尺物である。

【００１０】図１上にて、１はタオル自動縫製機本体を
示す。一方の作業台２ａと他方の作業台２ｂとが、空間
２ｃを挟んで対向してタオル自動縫製機本体１と一体に
設けられている。この一方の作業台２ａのタオル原反側
端部には、タオル生地Ａのパイル織り部Ａ１と平織り部
Ａ２との境界を識別する第１の厚さ検知器２０が設けら
れる。

【００１１】第１の厚さ検知器２０は、矢印ａ方向に引
き出されるタオル生地Ａの引き出し方向を直角に横断し
て一直線に配置された上部ブロツク２１ａと、下部ブロ
ツク２１ｂと、位置決め用の空気圧シリンダ装置２２と
からなつている。上部ブロツク２１ａは、タオル自動縫
製機本体１に支持体（図示せず）を介して固定した位置
決め用の空気圧シリンダ装置２２のピストン棒２２ａの
先端に固定され、また下部ブロツク２１ｂは、支持体
（図示せず）を介してタオル自動縫製機本体１に固定さ
れ、両上・下ブロツク２１ａ，２１ｂにて間隙を調節可
能なスリツトＴを形成している。

【００１２】しかして、空気圧シリンダ装置２２を往き
作動させて、上部ブロツク２１ａを下降させ、下部ブロ
ツク２１ｂとのスリツトＴに図２に示すように小さな制
止間隙Ｔ１を与えた際には、平織り部Ａ２は通過する
が、パイル織り部Ａ１の通過は阻止される。

【００１３】この第１の厚さ検知器２０から引き出し側
に所定距離を隔てて裁断装置２３を設ける。すなわち、
裁断装置２３は、図１２に示す平織り部Ａ２の最大全長
さＨＬ（ｍａｘ）からバラツキ寸法δを差し引いた最小
全長さＨＬ（ｍｉｎ）の１／２を隔てた位置（Ｙ〜Ｙ
線）上に設けられる。裁断装置２３は、タオル生地Ａの
引き出し方向を直角に横断して配置され、可動カツター
２４ａ、一方の作業台２ａに固定した固定カツター２４
ｂ、及び支持体（図示せず）を介してタオル自動縫製機
本体１に固定され、可動カツター２４ａをピストンロツ
ドに固着した空気圧シリンダ装置２５からなつている。

【００１４】しかして、空気圧シリンダ装置２５に往き
作動を与えれば、可動カツター２４ａが固定カツター２
４ｂに向けて移動するので、両者２４ａ，２４ｂ間のタ
オル生地Ａを切断し得る。

【００１５】更に、タオル生地Ａの引き出し方向を横断
してバー状をなす押圧装置４０が配置される。押圧装置
４０は、タオル生地Ａを裁断する際に空気圧シリンダ装
置４１を往き作動させて、そのピストンロツドに固着し
た押圧材４０ａにてタオル生地Ａを一方の作業台２ａ上
に押圧固定する。

【００１６】５０は、タオル生地引き寄せ装置である。
タオル生地引き寄せ装置５０は、タオル自動縫製機本体
１に固定された支持体５１を介し、タオル生地Ａの引き
出し方向に直交するように延在させたガイドレール５２
に案内されるブラケツト５３上に載架されている。

【００１７】前記ブラケツト５３は、タオル自動縫製機
本体１に固設した空気圧シリンダ装置５４のピストン棒
５４ａの先端に固定されているため、空気圧シリンダ装
置５４の往き作動によつてタオル生地Ａの上に移動す
る。

【００１８】また、ブラケツト５３には、空気圧シリン
ダ装置５５が固設され、そのピストン棒５５ａの先端に
枠体５０ａが取付けられている。更に、枠体５０ａに
は、タオル生地Ａの引き出し方向に直交するように配置
した送りローラ５６が回転自在に支持され、図示しない
制御装置の制御回路で駆動される直流のモータ５８によ
つて送りローラ軸５６ｂを介して回転駆動される。な
お、モータ５８は、図示しない支持部材によつて枠体５
０ａに固設されている。

【００１９】しかして、ブラケツト５３に支持されるタ
オル生地引き寄せ装置５０は、前記支持体５１に固定さ
れた空気圧シリンダ装置５５のピストン棒５５ａの先端
部がブラケツト５３に連結されているので、空気圧シリ
ンダ装置５５の往き作動時に、タオル生地引き寄せ装置
５０がタオル生地Ａ上に下降し、送りローラ５６がタオ
ル生地Ａに接触するので、モータ５８の駆動によつてタ
オル生地Ａをタオル原反側に送り戻しすることができ
る。

【００２０】また、第２の厚さ検知器５７が設けられ
る。第２の厚さ検知器５７は、図５に示すように第１の
厚さ検知器２０と類似した構造であり、一方の作業台２
ａに固定した下部ブロツク５７ｂと、枠体５０ａに固設
した上部ブロツク５７ａとにより、パイル織り部Ａ１と
平織り部Ａ２との厚みの差を識別するスリツトＴが形成
される。

【００２１】空気圧シリンダ装置５５を往き作動させ
て、上部ブロツク５７ａを送りローラ５６と共に下降さ
せ、下部ブロツク５７ｂとのスリツトＴに図３に示すよ
うに小さな制止間隙Ｔ２を与えた際には、平織り部Ａ２
は通過するが、パイル織り部Ａ１の通過は阻止される。
しかして、上部ブロツク５７ａの枠体５０ａへの取付け
高さは、送りローラ５６がタオル生地Ａに接触した状態
で、上記の制止間隙Ｔ２を形成するように設定されてい
る。なお、下部ブロツク５７ｂは、一方の作業台２ａ自
体を加工して形成することもできる。

【００２２】このような第２の厚さ検知器５７及び第１
の厚さ検知器２０は、裁断装置２３の両側に左右対称に
配置される。従つて、第２の厚さ検知器５７のスリツト
Ｔに係止したパイル織り部Ａ１までの裁断装置２３から
の距離と、第１の厚さ検知器２０のスリツトＴに係止し
たパイル織り部Ａ１までの裁断装置２３からの距離とが
同一寸法となるように調節してある。

【００２３】次に、両作業台２ａ，２ｂの空間２ｃのほ
ぼ中央部には、タオル生地引き出し手段３が設けられ、
タオル生地引き出し手段３の上下動可能なＬ字形をなす
バー部材からなる本体４が、タオル生地Ａの引き出し方
向を直角に横断して配置されている。

【００２４】この本体４には、複数個の矯正用の空気圧
シリンダ装置５が等間隔に配置され、本体４をそれぞれ
貫通するピストンロツドの先端部には、タオル生地Ａの
表面に接触して押圧する曲がり矯正片６が互いの干渉を
避けて固定されている。そして、本体４の一端部にブラ
ケツト７を固着すると共に、タオル自動縫製機本体１の
一側面に、駆動用モータ８にて上下方向に駆動されるタ
イミングベルト９と、このベルト９に添つて立設したガ
イドレール１０とを設ける。このブラケツト７がガイド
レール１０に案内されるように係合し、かつ、ブラケツ
ト７に固着したベルトクリツプ７ａがタイミングベルト
９に係合している。

【００２５】しかして、駆動用モータ８を正又は逆に回
動させれば、本体４が上方又は下方に移動する。また、
各矯正用の空気圧シリンダ装置５に空気を供給してピス
トンロツドを往き作動させて、個々の曲がり矯正片６に
てタオル生地Ａの上面を押圧し、各曲がり矯正片６が作
用するタオル生地Ａの部分を個別に引き寄せ得る。

【００２６】また、他方の作業台２ｂ上には、タオル生
地Ａ自体の引き出し側端部となる平織り部Ａ２を挟持す
るクランプ装置２６が設けられる。クランプ装置２６
は、他方の作業台２ｂ上を移動可能な基板２７と、基板
２７に固定した固定口金２８ａと、基板２７に揺動自在
に軸支した可動口金２８ｂと、基板２７と可動口金２８
ｂとの間に設けた空気圧シリンダ装置２９とからなり、
移動部分が基板２７の下面に固定され、固定部分がタオ
ル自動縫製機本体１に固定される移動装置３０が付属さ
れている。

【００２７】しかして、空気圧シリンダ装置２９を往き
作動させ、可動口金２８ｂを固定口金２８ａに押圧させ
てタオル生地Ａを挟持し、また、空気圧シリンダ装置２
９を帰り作動させて、可動口金２８ｂと固定口金２８ａ
とを開口して、タオル生地Ａを解放できる。また、移動
装置３０を駆動して、基板２７をタオル生地Ａの引き出
し方向ａに往復移動させ得る。上記した第１の厚さ検知
器２０、裁断装置２３、押圧装置４０、タオル生地引き
寄せ装置５０、タオル生地引き出し手段３及びクランプ
装置２６が、一方の作業台２ａから他方の作業台２ｂに
向けて順次に備えられる。

【００２８】次に、図４〜図１１を参照して上記実施例
の作用について説明する。先ず、タオル生地Ａの引き出
し作業開始前は、図４に示すように、 （イ）駆動モータ８を正駆動してタオル生地引き出し手
段３は上昇位置にある。 （ロ）裁断装置２３は、空気圧シリンダ装置２５の帰り
作動にて、可動カツター２４ａが上昇位置にある。 （ハ）第１の厚さ検知器２０は、空気圧シリンダ装置２
２の帰り作動にて、上部ブロツク２１ａが上昇位置にあ
つて、タオル生地Ａの厚いパイル織り部Ａ１を通過させ
得る。

【００２９】（ニ）押圧装置４０の押圧材４０ａは、空
気圧シリンダ装置４１の帰り作動によつて上昇位置にあ
る。 （ホ）タオル生地引き寄せ装置５０は、空気圧シリンダ
装置５４の帰り作動にて、タオル生地Ａの上方には存在
しない。 以上の状態にて移動装置３０を往き作動させ、クランプ
装置２６を裁断装置２３の開口部へ侵入させ、タオル生
地Ａの平織り部Ａ２を可動口金２８ｂと固定口金２８ａ
とで挟持している。

【００３０】図５は、（イ）移動装置３０を帰り作動さ
せ、クランプ装置２６を後退させて、タオル生地Ａをほ
ぼ１枚分引き出し、（ロ）空気圧シリンダ装置５４の往
き作動にて、タオル生地引き寄せ装置５０がタオル生地
Ａの上方に移動した状態を示す。

【００３１】図６は、（イ）駆動モータ８を逆駆動して
タオル生地引き出し手段３を下降させ、タオル生地Ａを
空間２ｃに向けて全体的に押し下げて、次位の平織り部
Ａ２のタオル原反側端部付近が、第１の厚さ検知器２０
の上・下部ブロツク２１ａ，２１ｂ間で形成するスリツ
トＴに達した態を示す。

【００３２】図７は、（イ）空気圧シリンダ装置２２を
往き作動させて上部ブロツク２１ａを下降させ、下部ブ
ロツク２１ｂとの間のスリツトＴに、図２に示すように
薄い平織り部Ａ２は通過させるが、厚いパイル織り部Ａ
１は通過させない制止間隙Ｔ１を形成させ、（ロ）各矯
正用の空気圧シリンダ装置５を往き作動させ、各曲がり
矯正片６にてパイル織り部Ａ１を押圧して、各曲がり矯
正片６が作用するタオル生地Ａの部分を個別に引き寄
せ、次位のパイル織り部Ａ１の引き出し側端部を、第１
の厚さ検知器２０の上・下部ブロツク２１ａ，２１ｂ間
の制止間隙Ｔ１に整列させた状態を示す。

【００３３】図８は、（イ）駆動モータ８を正回転させ
てタオル生地引き出し手段３を上昇復帰させ、（ロ）空
気圧シリンダ装置４１の往き作動にて、押圧材４０ａが
タオル生地Ａの表面に下降し、タオル生地Ａを一方の作
業台２ａ上に押圧し、次位の平織り部Ａ２を固定し、
（ハ）裁断装置２３の空気圧シリンダ装置２５を往き作
動させ、両カツター２４ａ，２４ｂにて平織り部Ａ２を
切断した状態を示す。この切断位置は、図１２に示すよ
うに第１の厚さ検知器２０に係止するパイル織り部Ａ１
の引き出し側端部から、平織り部Ａ２の最大全長さＨＬ
（ｍａｘ）からバラツキ寸法δを差し引いた最小全長さ
ＨＬ（ｍｉｎ）の１／２を隔てた位置（Ｙ〜Ｙ線）であ
る。これにより、両カツター２４ａ，２４ｂに隣接して
タオル原反側に位置する平織り部Ａ２の切断部長さＦＬ
が一定に得られる。

【００３４】図９は、（イ）空気圧シリンダ装置５５の
往き作動により、タオル生地引き寄せ装置５０の送りロ
ーラ５６がタオル生地Ａの表面に下降接触すると共に、
第２の厚さ検知器５７の上部ブロツク５７ａと下部ブロ
ツク５７ｂとで構成されるスリツトＴに制止間隙Ｔ２を
形成し、（ロ）空気圧シリンダ装置４１を帰り作動さ
せ、押圧材４０ａによるタオル生地Ａ表面の押圧が一旦
解除され、（ハ）モータ５８の駆動により、送りローラ
５６を矢印ｂ方向に回転させ、両カツター２４ａ，２４
ｂに隣接して引き出し側に位置するパイル織り部Ａ１が
上記の制止間隙Ｔ２に係止されるまで、切断されたタオ
ル生地Ａの切断端部をタオル原反側に送り戻している状
態を示す。

【００３５】図１０は、（イ）空気圧シリンダ装置４１
の往き作動にて、押圧材４０ａがタオル生地Ａ表面に降
下し、タオル生地Ａの表面を一方の作業台２ａに押圧
し、（ロ）空気圧シリンダ装置５５の帰り作動にて、第
２の厚さ検知器５７の上部ブロツク５７ａ及びタオル生
地引き寄せ装置５０の送りローラ５６が共に上昇すると
共に、タオル生地Ａ表面から離れる。

【００３６】（ハ）裁断装置２３の空気圧シリンダ装置
２５を往き作動させ、タオル原反側に送り戻された平織
り部Ａ２のバラツキ寸法δにより発生する余分な長さ
を、両カツター２４ａ，２４ｂにて切断する。この切断
位置は、第２の厚さ検知器５７に係止するパイル織り部
Ａ１の端部から、平織り部Ａ２の最大全長さＨＬ（ｍａ
ｘ）からバラツキ寸法δを差し引いた最小全長さＨＬ
（ｍｉｎ）の１／２を隔てた位置（Ｙ〜Ｙ線）である。
これにより、両カツター２４ａ，２４ｂに隣接して引き
出し側に位置する平織り部Ａ２の切断部長さＣＬが切断
部長さＦＬと同じに得られる。

【００３７】図１１は、（イ）空気圧シリンダ装置４１
を帰り作動させ、押圧材４０ａによるタオル生地Ａの押
圧が解除され、 （ロ）空気圧シリンダ装置５４の帰り作動にて、タオル
生地引き寄せ装置５０の枠体５０ａがタオル生地Ａ上か
ら離れ、（なお、上部ブロツク５７ａ及びタオル生地引
き寄せ装置５０を空気圧シリンダ装置５５によつて充分
に上昇復帰させれば、空気圧シリンダ装置５４を省略す
ることができる。） （ハ）クランプ装置２６によるタオル生地Ａの平織り部
Ａ２の挟持が解放され、裁断された一枚のタオル生地Ａ
が空間２ｃから次工程へ送られた状態を示す。上記のよ
うな一連の工程が順次に繰り返されて、タオル原反から
多数のタオル生地Ａが裁断される。

【００３８】ところで、上記の実施例にあつては、第２
の厚さ検知器５７をタオル生地引き寄せ装置５０の送り
ローラ５６よりも引き出し側に配置したが、引き出し側
に配置した送りローラ５６によつてタオル原反側に配置
した第２の厚さ検知器５７に、切断されたタオル生地Ａ
の平織り部Ａ２を送り込むことも可能である。

【００３９】

【発明の効果】以上の説明によつて理解されるように、
本発明に係るタオル生地の引き出し装置によれば、タオ
ル原反の平織り部の寸法に長短バラツキがあつても、裁
断装置に隣接して引き出し側に位置する平織り部の切断
部長さが一定に得られるので、裁断装置に隣接してタオ
ル原反側に位置する平織り部の切断部長さと同様とし
て、極めて正しい寸法とすることができる。その結果、
三つ折り部とパイル織り部との境界に平織り部が不規則
に露出することのない高品位のタオルを能率良く縫製す
ることができる。加えて、構造が簡単で容易に製作する
ことができると共に、従来のタオル自動縫製機にも容易
に装着することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の１実施例に係るタオル生地の引き出
し装置を示す斜視図。

【図２】 同じく第１の厚さ検知器を示す図。

【図３】 同じく第２の厚さ検知器を示す図。

【図４】 同じく作用説明図。

【図５】 同じく作用説明図。

【図６】 同じく作用説明図。

【図７】 同じく作用説明図。

【図８】 同じく作用説明図。

【図９】 同じく作用説明図。

【図１０】 同じく作用説明図。

【図１１】 同じく作用説明図。

【図１２】 同じくタオル生地の平織り部を示す平面
図。

【図１３】 同じくタオル原反を示す平面図。

【図１４】 同じくタオル原反を示す正面図。

【符号の説明】

１：タオル自動縫製機本体、２ａ：一方の作業台、２
ｂ：他方の作業台、２ｃ：空間、３：タオル生地引き出
し手段、４：本体、５：空気圧シリンダ装置、６：曲が
り矯正片、２０：第１の厚さ検知器、２１ａ：上部ブロ
ツク、２１ｂ：下部ブロツク、２２：空気圧シリンダ装
置、２３：裁断装置、２４ａ：可動カツター、２４ｂ：
固定カツター、２５：空気圧シリンダ装置、２６：クラ
ンプ装置、２７：基板、２８ａ：固定口金、２８ｂ：可
動口金、２９：空気圧シリンダ装置、３０：移動装置、
４０：押圧装置、４１：空気圧シリンダ装置、４０ａ：
押圧材、５０：タオル生地引き寄せ装置、５０ａ：枠
体、５４：空気圧シリンダ装置、５５：空気圧シリンダ
装置、５６：送りローラ、５７：第２の厚さ検知器（厚
さ検知器）、５７ａ：上部ブロツク、５７ｂ：下部ブロ
ツク、５８：モータ、Ａ：タオル生地、Ａ１：パイル織
り部、Ａ２：平織り部、Ｔ：スリツト、Ｔ１，Ｔ２：制
止間隙。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パイル織り部と平織り部とが交互に連続
   する長尺のタオル原反より一枚分のタオル生地を引き出
   して、平織り部を裁断装置によつて裁断するタオル生地
   の引き出し装置において、裁断装置に対してタオル生地
   の引き出し側にタオル生地の引き出し方向と直交方向に
   配置され、平織り部を裁断した後のタオル生地の裁断装
   置に対して引き出し側切断端部をタオル原反側へ送り戻
   し可能な送りローラと、同じく直交方向に配置され、送
   り戻されるタオル生地のパイル織り部をタオル原反側に
   通過させ又は通過させないように、間隔を調節可能なス
   リツトを有する厚さ検知器とを備えることを特徴とする
   タオル生地の引き出し装置。