JPH0782657A - タオル生地の繰り出し装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 タオル生地の繰り出し装置の提供。 【構成】 空間２ｃを挟んで対向する一対の作業台２
ａ，２ｂと、タオル原反Ｂからタオル生地Ａを繰り出
し、空間２ｃ内に垂下させるタオル生地繰り出し装置６
と、空間２ｃに配置され、タオル生地Ａの引出し方向に
往復動可能なタオル生地押え部材１２と、タオル生地押
え部材１２を往復駆動する駆動装置１４と、タオル生地
Ａの引出し方向前側の作業台２ｂに設けられ、タオル生
地押え部材１２と共働してタオル生地Ａを挟持する垂直
壁２ｄとを有する。 【効果】 タオル生地を長く繰り出すことができるの
で、タオル生地の長さが不適正な場合でも、裁断装置を
実質的に停止することなく、引続いてタオル原反を繰り
出し、タオル生地の裁断作業を自動的に継続することが
可能になる。その結果、タオル縫製工場での生産性及び
作業性を著しく向上することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、タオル生地の繰り出し
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術及びその課題】タオル縫製工場では、パイ
ル織り部と平織り部とが交互に連続して織られた長尺な
タオル原反から、裁断装置のある作業台上に所定長さを
種々の方法にて引出して平織り部を裁断し、タオル生地
となし、これを縫製している。

【０００３】このようなタオル生地を引出し、裁断する
従来のタオル自動縫製機として、例えば実開平２−３９
２号公報に開示されるものがある。すなわち、空間を挟
んで対向する一対の作業台上に、クランプ装置によつて
タオル生地を引出し、次に空間の上方からタオル生地押
し下げ部材を降下させ、タオル原反から所定長さのタオ
ル生地を繰り出し、その後、タオル生地がパイル織り部
にてストップするように厚み検知器を作動させ、裁断装
置により１枚分のタオル生地を裁断する。

【０００４】しかしながら、このような従来のタオル生
地の繰り出し装置にあつては、パイル織り部と平織り部
とが規則的に交互に所定長さ毎に連続して織られたタオ
ル原反のみを対象として正常に機能するようになつてい
る。このため、パイル織り部又は平織り部の長さに織り
ミスのあるタオル原反や、タオル原反の接続部である反
継ぎ部などが存在するタオル原反に対し、一時的にタオ
ル生地の繰り出し量を増加させたい場合であつても、タ
オル原反から繰り出されるタオル生地の長さは、タオル
生地押し下げ部材のストロークにて決定されてしまい、
このストローク以上の長さを繰り出すことができないと
いう不具合がある。これに対し、タオル生地押し下げ部
材のストロークの増大を図つて対応する場合には、タオ
ル生地の繰り出し装置が大形化する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、このような従
来の技術的課題に鑑みてなされたものであり、その構成
は、パイル織り部Ａ１と平織り部Ａ２とが交互に連続し
て織られた長尺なタオル原反Ｂからほぼ１枚分のタオル
生地Ａを間欠的に引出し、平織り部Ａ２とパイル織り部
Ａ１との境界線ＡＬを整列させ、平織り部Ａ２を裁断す
るタオル生地の繰り出し装置であつて、空間２ｃを挟ん
で対向する一対の作業台２ａ，２ｂと、タオル原反Ｂか
らタオル生地Ａを繰り出し、前記空間２ｃ内に垂下させ
るタオル生地繰り出し装置６と、前記空間２ｃに配置さ
れ、タオル生地Ａの引出し方向に往復動可能なタオル生
地押え部材１２と、タオル生地押え部材１２を往復駆動
する駆動装置１４と、タオル生地Ａの引出し方向前側の
作業台２ｂに設けられ、タオル生地押え部材１２と共働
してタオル生地Ａを挟持する垂直壁２ｄとを有すること
を特徴とするタオル生地の繰り出し装置である。

【０００６】

【作用】パイル織り部Ａ１及び平織り部Ａ２を交互に形
成した長尺のタオル原反Ｂから１枚分のタオル生地Ａを
裁断する際に、タオル生地繰り出し装置６によりタオル
原反Ｂからタオル生地Ａを繰り出し、空間２ｃ内に垂下
させる。このタオル生地繰り出し装置６による繰り出し
長さが不適当な場合には、タオル生地押え部材１２を駆
動する。タオル生地Ａの繰り出し長さが不適当な場合と
しては、例えばパイル織り部Ａ１又は平織り部Ａ２の長
さに織りミスのあるタオル原反や、タオル原反の接続部
である反継ぎ部などが存在する場合である。

【０００７】このような場合には、駆動装置１４により
タオル生地押え部材１２を駆動し、空間２ｃ内に垂下し
ているタオル生地Ａを引出し方向前側に押し込み、作業
台２ｂに設けた垂直壁２ｄとの間にタオル生地Ａを挟持
する。この状態から、再度、タオル生地繰り出し装置６
によりタオル原反Ｂからタオル生地Ａを繰り出し、空間
２ｃ内に垂下させることにより、次位の平織り部Ａ２を
裁断するようにほぼ２枚分のタオル生地Ａを繰り出すこ
とができる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図１〜図１２は１実施例を示す。図中にお
いて符号Ｂはタオル原反であり、タオル原反Ｂは、図
４，図５に示すように一定長さ毎のパイル織り部Ａ１と
平織り部Ａ２とからなるタオル生地Ａが連続する長尺物
である。

【０００９】図１，図２中において符号１は、タオル自
動縫製機本体を示し、タオル自動縫製機本体１と一体を
なすように、一方の作業台２ａと他方の作業台２ｂと
が、空間２ｃを挟んで対向し、他方の作業台２ｂには垂
直面２ｄがタオル自動縫製機本体１と一体に設けられて
いる。タオル原反Ｂから引き出されるタオル生地Ａは、
この両作業台２ａ，２ｂ上を矢印Ｒ方向に送られる。

【００１０】３は、他方の作業台２ｂ上に配置されるク
ランプ装置であり、タオル生地Ａの端部となる平織り部
Ａ２を挟持し、タオル原反Ｂから所定長さを引き出す機
能を有する。すなわち、クランプ装置３は、他方の作業
台２ｂに固定されるシリンダ装置等の駆動装置（図示せ
ず）により、該作業台２ｂ上を矢印Ｒ方向に往復運動
し、基板３ａから突出する口金３ｂにて平織り部Ａ２の
端部を挟持し、他方の作業台２ｂ上をタオル生地Ａの長
手方向（矢印Ｒ方向）に移動し、後記する裁断装置４に
て裁断された後のタオル原反Ｂから、所定長さを作業台
の空間２ｃの上方に引き出す。

【００１１】裁断装置４は、一方の作業台２ａ上にタオ
ル生地Ａの長手方向を直角に横断して配置され、後記す
る厚み検知器５からタオル生地Ａの引き出し方向前側に
所定距離隔てて設けてある。この所定距離は、図４，図
５に示す平織り部Ａ２の長さの半分である。裁断装置４
は、タオル自動縫製機本体１に固定されるシリンダ装置
４ｃを作動させ、可動カッター４ａを固定カッター４ｂ
に向けて移動させ、両カッター４ａ，４ｂ間のタオル生
地Ａの平織り部Ａ２の中央部を切断する。なお、シリン
ダ装置４ｃは、後記する切換えバルブ１６と同様の切換
えバルブを介して空気圧源１５に接続されている。

【００１２】５は、裁断装置４よりもタオル原反Ｂ側と
して一方の作業台２ａ上に設けた厚み検知器であり、矢
印Ｒ方向に送られるタオル生地Ａの長手方向を直角に横
断し、一直線に配置されてタオル生地Ａを挟装する上部
ブロック５ａ及び下部ブロック５ｂを備え、タオル自動
縫製機本体１に固定されるシリンダ装置５ｃの往き作動
により、図３に示すように上部ブロック５ａをタオル生
地Ａ上に降下させて、上部ブロック５ａと下部ブロック
５ｂとによりタオル生地Ａの平織り部Ａ２は通過させる
が、パイル織り部Ａ１の通過を阻止するストップスリッ
トｔを形成する。すなわち、平織り部Ａ２からパイル織
り部Ａ１へと織り目が変化する後側の境界線ＡＬの段部
が、上部ブロック５ａと下部ブロック５ｂとで形成する
ストップスリットｔに係止し、曲がりが矯正された状態
でタオル原反Ｂからのタオル生地Ａの繰り出しがストッ
プされる。

【００１３】６は、タオル生地Ａの長手方向を横断し
て、作業台の空間２ｃに位置させて設けられるタオル生
地繰り出し装置である。タオル生地繰り出し装置６は、
タオル自動縫製機本体１に固定される繰り出し駆動装置
２０により、押し下げ部材６ａを作業台の空間２ｃ内に
下降させて、一端部がクランプ装置３の口金３ｂにて挟
持されたタオル原反Ｂから、所定長さのタオル生地Ａ
（ほぼ１枚分のタオル生地Ａ）を繰り出す。繰り出し駆
動装置２０は、パルスモータ６ｄを駆動源として正逆に
駆動されるタイミングベルト６ｅを備え、タイミングベ
ルト６ｅに押し下げ部材６ａが固着されている。パルス
モータ６ｄは、制御装置となるマイクロコンピュータ５
０にて回転が制御される。

【００１４】また、押し下げ部材６ａの下方には、複数
個のタオル生地押し当て片６ｂが等間隔にて配置され、
各タオル生地押し当て片６ｂは、押し下げ部材６ａに固
設したエアーシリンダ装置６ｃに個別に固着されてい
る。なお、各エアーシリンダ装置６ｃは、図外の切換え
バルブを介して空気圧源１５に接続されている。しかし
て、各エアーシリンダ装置６ｃの作動により、各タオル
生地押し当て片６ｂが個別に下降し、押し下げ部材６ａ
にて繰り出された後のタオル生地Ａが更に引き寄せら
れ、厚み検知器５のストップスリットｔにて上述したよ
うにストップして、タオル生地Ａの位置決めがなされ
る。

【００１５】かくして、押し下げ部材６ａ及びタオル生
地押し当て片６ｂが一体となつて、作業台の空間２ｃ内
に下降することにより、クランプ装置３により所定長さ
が引き出された後のタオル原反Ｂから、更に所定長さの
タオル生地Ａが間欠的に繰り出され、次いで、押し下げ
部材６ａに対して個別のタオル生地押し当て片６ｂを下
降させることにより、タオル生地Ａが短い所定長さだけ
繰り出される。

【００１６】７は、送り長さ検出手段であるロータリー
エンコーダであり、厚み検知器５よりもタオル原反Ｂ側
に位置させて、一方の作業台２ａ上に配置され、タオル
自動縫製機本体１に固定した支持棒７ａに揺動自在に軸
支されている。ロータリーエンコーダ７は、一方の作業
台２ａ上に引き出されたタオル生地Ａの表面に所定の摩
擦力にて常時接触し、タオル生地Ａの送りにより同期し
て回転駆動される。このロータリーエンコーダ７は、厚
み検知器５によりタオル生地Ａの平織り部Ａ２を挟むス
トップスリットｔが形成された後に、タオル生地繰り出
し装置６のタオル生地押し当て片６ｂ、具体的には各エ
アーシリンダ装置６ｃの作動により繰り出されるタオル
生地Ａの繰り出し長さＰを計測する。この計測された長
さＰが予め設定された範囲を逸脱し、タオル生地Ａの位
置決めが異常のときにタオル生地Ａの長さが異常と判断
し、マイクロコンピュータ５０からの制御信号によつて
後述するタオル生地押え装置９を作動させる。

【００１７】すなわち、クランプ装置３及び押し下げ部
材６ａにより、作業台２ａ，２ｂ上にほぼ１枚分のタオ
ル生地Ａが繰り出された後に厚み検知器５が作動し、タ
オル生地Ａの平織り部Ａ２を挟むストップスリットｔが
形成される。同時にロータリーエンコーダ７による検知
が開始される。その後、タオル生地繰り出し装置６の複
数個のタオル生地押し当て片６ｂがタオル生地Ａの幅方
向に個別に下降し、図３に示すようにパイル織り部Ａ１
の境界線ＡＬの段部が、ストップスリットｔにより一直
線をなすように整列ストップされ、正確に１枚分のタオ
ル生地Ａが繰り出される。しかして、ロータリーエンコ
ーダ７は、タオル生地繰り出し装置６の複数個のタオル
生地押し当て片６ｂの下降に伴つて、繰り出されるタオ
ル生地Ａの繰り出し長さを検出し、検出値ｐを出力す
る。この検出値ｐは、マイクロコンピュータ５０に入力
される。この検出値ｐは、クランプ装置３により引き出
される長さ、及びタオル生地繰り出し装置６の押し下げ
部材６ａにより繰り出される長さが共にほぼ一定である
から、ほぼ一定に得られる。

【００１８】マイクロコンピュータ５０は、図１に示す
ように比較手段１８と基本値設定手段１９とを構成す
る。基本値設定手段１９には、タオル生地Ａに応じた基
本値Ｕが予め記憶されている。また、比較手段１８は、
前記検出値ｐと基本値Ｕとを比較し、この検出値ｐが、
予め設定された基本値Ｕと所定誤差±σの範囲内にある
か否かを判断し、所定範囲を逸脱する場合、厚み検知器
駆動手段２１を作動させて、厚み検知器５のシリンダ装
置５ｃを帰り作動させる。これにより、パイル織り部Ａ
１の通過が可能となるように、ストップスリットｔを開
放する。ここで、検出値ｐが、予め設定された基本値Ｕ
と所定誤差±σの範囲を逸脱する場合とは、例えばタオ
ル原反Ｂの織りミス又は反継ぎ部等で平織り部Ａ２やパ
イル織り部Ａ１の長さが長短異常な場合である。

【００１９】なお、厚み検知器駆動手段２１は、具体的
には図２に示す切換えバルブ１６にて構成され、切換え
バルブ１６にａ位置を採らせることにより、シリンダ装
置５ｃの下室に空気圧源１５からの圧力空気が供給さ
れ、シリンダ装置５ｃの上室がドレインされるので、上
部ブロック５ａが上昇してストップスリットｔが開放さ
れ、また、切換えバルブ１６にｂ位置を採らせることに
より、シリンダ装置５ｃの上室に空気圧源１５からの圧
力空気が供給され、シリンダ装置５ｃの下室がドレイン
されるので、上部ブロック５ａが下降してストップスリ
ットｔが形成される。

【００２０】８は、パイル織り検知器であり、厚み検知
器５よりタオル原反Ｂ側に位置させて、一方の作業台２
ａ上に配置され、タオル自動縫製機本体１に支持棒７ａ
を介して取付けられる。パイル織り検知器８は、前述し
た検出値ｐが、予め設定された基本値Ｕと所定誤差±σ
の範囲を逸脱する場合、つまり平織り部Ａ２やパイル織
り部Ａ１の長さが長短異常な場合に、次のタオル生地Ａ
の繰り出しに際して作動するものである。すなわち、そ
のセンサー８ａにより、一方の作業台２ａ上に繰り出さ
れるタオル生地Ａの平織り部Ａ２とパイル織り部Ａ１と
の境界線ＡＬを検知し、検出信号ｑをマイクロコンピュ
ータ５０に入力し、マイクロコンピュータ５０からの信
号により、厚み検知器５を作動させてストップスリット
ｔを形成させる。

【００２１】９は、空間２ｃに設けるタオル生地押え装
置である。タオル生地押え装置９は、空間２ｃの下部に
位置させてタオル自動縫製機本体１に固定して配置され
る２本の平行なガイドレール１０にそれぞれ案内され
て、タオル生地Ａの長手方向（矢印Ｒ方向）に前後移動
が可能な押え部材案内台１１と、下端部１２ａが一対の
押え部材案内台１１に固定され、上端部１２ｂが空間２
ｃに引き出されて垂れ下がるタオル生地Ａの下面に接す
るタオル生地押え部材１２と、空間２ｃの下部に設置し
た駆動装置である復動式の空気圧シリンダ装置１４とか
ら構成されている。なお、タオル生地押え部材１２の上
端部１２ｂには、作業台２ａ，２ｂの上面とほぼ同一高
さになるように配置したガイドローラ１３が、回動自在
に取付けられ、タオル生地Ａの下面にガイドローラ１３
が接することにより、タオル生地Ａを損傷させないよう
になつている。

【００２２】タオル生地押え部材１２は、空気圧シリン
ダ装置１４のピストンロッド１４ａの先端に結合され、
空気圧シリンダ装置１４の作動により、他方の作業台２
ｂの空間２ｃを仕切る垂直壁２ｄに当接するまで前進
し、また、一方の作業台２ａ側に復帰する往復動を行
う。なお、空気圧シリンダ装置１４は、切換えバルブ１
６と同様の図外の切換えバルブを介して空気圧源１５に
接続されている。しかしてて、タオル生地押え装置９
は、タオル生地繰り出し装置６により繰り出され、押し
下げ部材６ａが上昇した後、空間２ｃ内に垂れ下がつて
いる長さが異常なタオル生地Ａを、他方の作業台２ｂの
垂直壁２ｄと共働して挟持する。

【００２３】次に、上記実施例の作用について、図６〜
図１２を参照して説明する。先ず、タオル生地Ａの長さ
の異常を検出する。すなわち、クランプ装置３及び押し
下げ部材６ａにより、作業台２ａ，２ｂ上にほぼ１枚分
のタオル生地Ａが繰り出され、厚み検知器５によるスト
ップスリットｔが形成される。そして、ストップスリッ
トｔが形成された状態から、タオル生地繰り出し装置６
の複数個のタオル生地押し当て片６ｂにより、厚み検知
器５のストップスリットｔに境界線ＡＬの段部が係止し
て整列されるまでの長さとして、ロータリーエンコーダ
７による検出値ｐを読み込む（ステップ１）。ステップ
２にて基本値設定手段１９のタオル生地Ａに応じた基本
値Ｕを読み込む。

【００２４】次いで、ステップ３では、比較手段１８に
おいて検出値ｐと基本値Ｕとを比較し、異常の発生の有
無を判断する。すなわち、タオル原反Ｂの織りミス又は
反継ぎ部等があるため、厚み検知器５の上部ブロック５
ａが、パイル織り部Ａ１の上面や、規定値より長短相違
する平織り部Ａ２の上に下降してしまい、ロータリーエ
ンコーダ７の回転角が設定された範囲を逸脱することに
より、異常発生が検知される。具体的には、比較手段１
８において、検出値ｐが、予め設定された基本値Ｕと所
定範囲±σを逸脱するか否かが判断され、逸脱する場合
には異常と判断される。

【００２５】例えば、上部ブロック５ａが規定値より長
い平織り部Ａ２上に下降した場合には、ロータリーエン
コーダ７が所定回転数以上に回転し、異常発生が検知さ
れ、また、上部ブロック５ａが規定値より短い平織り部
Ａ２上に下降した場合には、ロータリーエンコーダ７が
所定回転数以下の回転に止まり、異常発生が検知され
る。更に、上部ブロック５ａがパイル織り部Ａ１の上に
降下した場合は、厚み検知器５の抵抗によりタオル生地
押し当て片６ｂが作動せず、ロータリーエンコーダ７が
設定された角度を回転せず、異常発生が検知される。

【００２６】このように異常発生が検知された場合に
は、ステップ４に移行し、厚み検知器駆動手段２１を作
動させて、図６に示すように厚み検知器５のシリンダ装
置５ｃを帰り作動させる。これにより、パイル織り部Ａ
１の通過を可能にするようにストップスリットｔを開放
する。ストップスリットｔを開放したなら、ステップ５
に移行し、パルスモータ６ｄを回転駆動し、タオル生地
繰り出し装置６の押し下げ部材６ａを上昇復帰させる。
複数個のタオル生地押し当て片６ｂも適宜に上昇復帰さ
せる。

【００２７】次に、ステップ６にて図７に示すようにタ
オル生地押え装置９の空気圧シリンダ装置１４が往き作
動し、タオル生地押え部材１２を垂直壁２ｄに向けて移
動させ、空間２ｃ内に垂れ下がつているタオル生地Ａ
を、他方の作業台２ｂの垂直壁２ｄに押圧して挟持す
る。その際、クランプ装置３によりタオル生地Ａの平織
り部Ａ２が挟持された状態で、タオル原反Ｂから所定長
さのタオル生地Ａが繰り出される。

【００２８】ステップ７にて、再び、繰り出し駆動装置
２０が作動し、図８に示すように押し下げ部材６ａを空
間２ｃ内に下降させ、タオル原反Ｂからほぼ１枚分のタ
オル生地Ａが繰り出される。このタオル生地Ａの繰り出
し作業中において、パイル織り検知器８のセンサー８ａ
により、タオル生地Ａの平織り部Ａ２とパイル織り部Ａ
１との境界線ＡＬを検知する。境界線ＡＬが検知された
なら、ステップ８からステップ９に移行し、図９に示す
ように厚み検知器５が作動して上部ブロック５ａがタオ
ル生地Ａ上に降下し、ストップスリットｔを形成すると
共に、タオル生地繰り出し装置６の各タオル生地押し当
て片６ｂが下降し、ストップスリットｔにより、パイル
織り部Ａ１の境界線ＡＬが係止してストップされるま
で、タオル生地Ａが引き寄せられ、タオル生地Ａの位置
決め整列がなされる（ステップ１０）。

【００２９】このようにしてタオル生地Ａの位置決め整
列がなされたなら、図１０に示すようにタオル生地繰り
出し装置６の押し下げ部材６ａ及びタオル生地押し当て
片６ｂを共に上昇復帰させ（ステップ１１）、同時にス
テップ１２にてタオル生地押え装置９の空気圧シリンダ
装置１４を帰り作動させ、タオル生地押え部材１２を一
方の作業台２ａ側に後退させ（ステップ１２）、タオル
生地押え部材１２と垂直壁２ｄとの間に挟持されている
タオル生地Ａを開放する。次いで、ステップ１３に移行
して、図１１に示すように裁断装置４により両カッター
４ａ，４ｂ間のタオル生地Ａの平織り部Ａ２の中央部を
切断する。切断されたほぼ２枚分のタオル生地Ａは、ク
ランプ装置３によるクランプを解除することにより、タ
オル生地押え部材１２のガイドローラ１３に接しながら
空間２ｃ内に円滑に落下する。

【００３０】一方、タオル生地Ａの長さが正常である場
合には、ステップ３からステップ１３に移り、裁断装置
４により平織り部Ａ２の中央部が裁断される。裁断後
は、裁断装置４を復帰させると共に、ステップ４と同様
に、ストップスリットｔを開放する（ステップ１４）。
ストップスリットｔを開放したなら、ステップ５と同様
に、タオル生地繰り出し装置６の押し下げ部材６ａ及び
各タオル生地押し当て片６ｂを上昇復帰させる（ステッ
プ１５）。次に、ステップ１６に移行し、裁断装置４に
より切断後のタオル原反Ｂの平織り部Ａ２をクランプ装
置３により挟持し、タオル原反Ｂから所定長さのタオル
生地Ａを繰り出す。クランプ装置３の口金３ｂの作動に
伴い、クランプされていた切断後のタオル生地Ａは、空
間２ｃ内に落下する。

【００３１】上記のような一連の工程が順次に繰り返さ
れ、タオル原反Ｂが多数のタオル生地Ａに裁断されるこ
ととなる。なお、裁断装置４により裁断され、空間２ｃ
内に落下したタオル生地Ａは、回収する。タオル原反Ｂ
の織りミス又は反継ぎ部等で平織り部Ａ２やパイル織り
部Ａ１の長さに異常がある場合には、ほぼ２枚分のタオ
ル生地Ａに裁断されるので、この異常なタオル生地Ａ
は、縫製ラインから取り除く。

【００３２】

【発明の効果】以上の説明によつて理解されるように、
本発明によれば、パイル織り部及び平織り部を交互に形
成した長尺のタオル原反から１枚分のタオル生地を次々
に裁断する際に、タオル生地を長く繰り出すことができ
るので、例えばパイル織り部又は平織り部の長さに織り
ミスのあるタオル原反や、タオル原反の接続部である反
継ぎ部などが存在するタオル原反の場合でも、裁断装置
を実質的に停止することなく、引続いてタオル原反を繰
り出し、タオル生地の裁断作業を自動的に継続すること
が可能になる。その結果、タオル縫製工場での生産性及
び作業性を著しく向上することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の１実施例に係るタオル生地の繰り出
し装置の構成要素の配置を示す図。

【図２】 同じくタオル生地の繰り出し装置を示す斜視
図。

【図３】 同じく厚み検知器を示す図。

【図４】 同じくタオル原反を示す平面図。

【図５】 同じくタオル原反を示す側面図。

【図６】 同じく作用説明図。

【図７】 同じく作用説明図。

【図８】 同じく作用説明図。

【図９】 同じく作用説明図。

【図１０】 同じく作用説明図。

【図１１】 同じく作用説明図。

【図１２】 同じくフローチャートを示す図。

【符号の説明】

１：タオル裁断装置本体、２ａ：一方の作業台、２ｂ：
他方の作業台、２ｃ：空間、２ｄ：垂直壁、３：クラン
プ装置、３ａ：基板、３ｂ：口金、４：裁断装置、５：
厚み検知器、６：タオル生地繰り出し装置、６ａ：押し
下げ部材、６ｂ：タオル生地押し当て片、６ｃ：エアー
シリンダ装置、６ｄ：パルスモータ、７：ロータリーエ
ンコーダ（送り長さ検出手段）、８：パイル織り部境界
検出装置、８ｂ：センサー、１０：ガイドレール、１
１：押え部材案内台、１２：タオル生地押え部材、１
４：空気圧シリンダ装置（駆動装置）、１６：切換えバ
ルブ、１８：比較手段、１９：基本値設定手段、２０：
繰り出し駆動装置、２１：厚み検知器駆動手段、５０：
マイクロコンピュータ、Ａ：タオル生地、Ａ１：パイル
織り部、Ａ２：平織り部、ＡＬ：境界線、Ｂ：タオル原
反、ｐ：検出値、Ｕ：基本値、ｔ：ストップスリット。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パイル織り部（Ａ１）と平織り部（Ａ
   ２）とが交互に連続して織られた長尺なタオル原反
   （Ｂ）からほぼ１枚分のタオル生地（Ａ）を間欠的に引
   出し、平織り部（Ａ２）とパイル織り部（Ａ１）との境
   界線（ＡＬ）を整列させ、平織り部（Ａ２）を裁断する
   タオル生地の繰り出し装置であつて、空間（２ｃ）を挟
   んで対向する一対の作業台（２ａ，２ｂ）と、タオル原
   反（Ｂ）からタオル生地（Ａ）を繰り出し、前記空間
   （２ｃ）内に垂下させるタオル生地繰り出し装置（６）
   と、前記空間（２ｃ）に配置され、タオル生地（Ａ）の
   引出し方向に往復動可能なタオル生地押え部材（１２）
   と、タオル生地押え部材（１２）を往復駆動する駆動装
   置（１４）と、タオル生地（Ａ）の引出し方向前側の作
   業台（２ｂ）に設けられ、タオル生地押え部材（１２）
   と共働してタオル生地（Ａ）を挟持する垂直壁（２ｄ）
   とを有することを特徴とするタオル生地の繰り出し装
   置。