JPH0593248A - 炭化水素類の熱分解・改質反応用管 - Google Patents

炭化水素類の熱分解・改質反応用管

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JPH0593248A
JPH0593248A JP28067191A JP28067191A JPH0593248A JP H0593248 A JPH0593248 A JP H0593248A JP 28067191 A JP28067191 A JP 28067191A JP 28067191 A JP28067191 A JP 28067191A JP H0593248 A JPH0593248 A JP H0593248A
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JP
Japan
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tube
layer
reaction
resistant steel
resistance
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JP28067191A
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English (en)
Inventor
Junichi Sugitani
純一 杉谷
Masahiro Inui
正弘 乾
Koji Tsuchida
公司 土田
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭化水素類の熱分解・改質反応用管の耐コー
キング性および耐浸炭性を改良する。 【構成】 管壁を二層積層構造とし、炭化水素類と接触
する内側層を、Cr:40〜55%,Si:1〜5%,
Mn:2%以下,Al:0.1〜5%,残部Niおよび
不純分からなるNi基合金で形成し、外側層を高温・高
圧装置材料である高Ni含有のFe−Ni−Cr系オー
ステナイト型耐熱鋼で形成する。内側層の上記Cr−N
i系合金により良好な耐コーキング性および耐浸炭性が
確保され、外側層の耐熱鋼により高温・高圧操業に耐え
るクリープ破断強度等が確保される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭化水素類の熱分解・
改質反応に使用される反応用管、特に炭化水素類の化学
反応に伴う固形炭素の管壁表面への析出沈積および管壁
内部への浸炭を抑制防止し得る反応用管に関する。
【0002】
【従来の技術】炭化水素類の熱分解・改質反応炉内に配
設される反応用管は、炭化水素類を単独または水蒸気等
と混合して高温高圧下に管内を通過させて低分子量炭化
水素への熱分解を行なわせ、あるいは水素、酸化炭素等
を含むガス状混合物等の製造に使用される反応器であ
る。従来より上記反応用管材料には、高温装置材料とし
て一般的なNiおよびCrを多量に含有するFe−Ni
−Cr系オーステナイト型耐熱鋼、例えばASTM規格
のHK40材(0.4C−20Ni−25Cr−Fe)
やHP40材(0.4C−35Ni−25Cr−Fe)
またはこれにMo,W,Nb等を添加したHP改良材等
が使用されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】炭化水素類の熱分解・
改質反応は、その反応系からの固形炭素の析出現象を伴
うため、反応用管の内側壁面に固形炭素の沈積が生じ
る。固形炭素の析出沈積を放置すると、炭化水素を含む
流体の管内流通が妨害されるのみでなく、反応遂行のた
めに管外から反応熱を供給もしくは除去する際の総括伝
熱係数の著しい低下をきたし、このため長期連続操業を
常態とする反応操業も一時的な操業中断と、各種の方法
による沈積炭素の除去作業、いわゆるデコーキング(de
coking)の定期的な実施を余儀なくされる。また、従来
の反応用管は反応側の管壁面から浸炭が生じ易く、浸炭
が進むと、管材質の劣化、特に延性の著しい低下を伴
い、高圧使用条件下、脆化による割れの発生の危険性が
増大するという問題がある。
【0004】上記固形炭素の管壁内面への析出沈積(コ
ーキング)および浸炭を抑制防止した反応用管として、
特公昭63−13474号公報、特開昭63−6505
7号公報には、固形炭素の析出反応を促進する触媒作用
をなすNiの含有量を制限すると共に、耐浸炭性の改善
元素としてSiおよびMnの含有量を高めた耐熱鋼で反
応系と接触する管壁内側層を形成してコーキングおよび
浸炭を抑制防止し、その内側層を、高Ni量のFe−N
i−Cr系オーステナイト型耐熱鋼からなる外側層で被
覆して高温・高圧操業に要求される強度等をもたせた二
層構造を有する反応用管が開示されている。
【0005】本発明は、上記反応用管と異なつて、反応
系と接触する管壁内側層を高Ni含有量の合金で形成し
て上記と同等の耐コーキング性を確保すると共に、更に
改良された耐浸炭性を具備せしめた二層構造を有する反
応用管を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】本発明に係る
炭化水素類の熱分解・改質反応用管は、管壁の内側層
が、Cr:40〜55%,Si:1〜5%,Mn:2%
以下、Al:0.1〜5%,C:0.2%以下,N:
0.3%以下,Fe:5%以下,残部実質的にNiであ
るNi基合金からなり、管壁の外側層は、C:0.1〜
0.6%,Si:2.5%以下,Mn:2%以下,C
r:20〜30%,Ni:18〜40%,N:0.15
%以下,残部実質的にFe、またはFeの一部が5%以
下の範囲内において、Mo,W,Nbから選ばれる1種
ないし2種以上の元素で置換されているFe−Ni−C
r系オーステナイト型耐熱鋼からなることを特徴として
いる。
【0007】以下、本発明の反応用管について、まずそ
の管壁の内側層を形成するNi基合金の成分限定理由を
説明する。 Cr:40〜55% Crは、管壁の内側層を形成するNi基合金に良好な耐
コーキング性を付与するための重要な元素である。その
耐コーキング性を確保するためには、少くとも40%の
Cr量を必要とする。Cr含有量を増加するに伴つてそ
の効果は増大する。しかし、Crの増量は反面におい
て、この合金の鋳造性の低下、および延靱性の低下を招
く。このため、55%を上限としている。
【0008】Si:1〜5% Siは、合金溶製工程での脱酸元素であり、また鋳造時
の合金溶湯の流動性を高める元素であるが、本発明で
は、それのみにとどまらず、耐コーキング性および耐浸
炭性の改善を目的として添加される。この効果は、1%
以上の添加により得られ、その増量に伴つて効果は増大
する。しかし、その反面、Siの多量添加は、合金の延
性の低下、および溶接性の劣化の原因となる。このた
め、5%を上限とする。
【0009】Mn:2%以下 Mnは、合金溶湯の脱酸、および鋳造時の溶湯の流動性
の改善に奏効する元素である。そのための添加量は、2
%までで十分であり、またそれを越えると、合金の延性
劣化をきたすので、2%以下とする。
【0010】Al:0.1%〜5% Alは、前記Siと同じように、Ni基合金の耐コーキ
ング性、および耐浸炭性の強化に奏効する元素である。
この効果は0.1%以上の添加により得られ、その増量
に伴つて効果は増大する。しかし、Alを多量に添加す
ると、合金の延性および溶接性の劣化をきたす。このた
め、5%を上限とする。
【0011】C:0.2%以下 Cは、合金の延性を害する不純分であり、このため、
0.2%以下に制限することが望ましい。
【0012】N:0.3%以下 Nもまた合金の延性を害する不純分元素である。高Cr
含有合金ではNが吸蔵され易く、窒化クロムの生成によ
り延性が低下する。これを避けるため0.3%を上限と
する。
【0013】Fe:5%以下 Feは、合金製造原料に付随して混入する不純分である
が、5%以下の範囲内であれば、合金の材料特性に及ぼ
す実害はない。
【0014】管壁の内側層を上記組成のNi基合金で形
成した本発明の反応用管は、後記実施例に示すように従
来材を凌ぐ良好な耐コーキング性と耐浸炭性を併せ有し
ている。この改良された耐コーキング性および耐浸炭性
は、Ni基合金母材の表面にCrを主体として形成され
るCr−Al−Siの複合酸化皮膜により内側層表面が
被覆保護されることによる効果であると考えられる。
【0015】上記Ni基合金は、良好な耐コーキング性
と耐浸炭性を併せ有しているが、高温クリープ破断強度
は十分でなく、単層管としての使用はできない。このた
め、本発明は、このNi基合金を管壁の内側層材料と
し、その内側層を、高Ni含有組成のFe−Ni−Cr
系オーステナイト型耐熱鋼からなる外側層で被覆した二
重積層構造としている。その高Ni−高Cr系オーステ
ナイト型耐熱鋼は、高温クリープ破断強度、耐酸化性等
にすぐれ、クラツキングチユーブ等の高温・高圧装置材
料として十分な実績を有する材料であり、この二層構造
化によつて、反応用管として要求される諸特性が具備さ
れ、安定した使用が確保される。
【0016】上記Ni基合金からなる内側層とFe−N
i−Cr系オーステナイト型耐熱鋼からなる外側層の二
層構造を有する本発明の反応用管は、好ましくは遠心力
鋳造法により製造される。すなわち、遠心力鋳造におい
て、水平軸心を回転中心とする鋳型内に、第1段の鋳造
として、高NiのFe−Ni−Cr系耐熱鋼の溶湯を注
入して所望の層厚の外側層を鋳造し、ついで、第2段の
鋳造として、所定組成に溶製されたNi基合金の溶湯を
注入して内側層を積層鋳造する。これにより、Ni基合
金からなる耐コーキング性および耐浸炭性にすぐれた内
側層と、Fe−Ni−Cr系耐熱鋼からなる高温クリー
プ破断強度の高い外側層とが、その境界面で層厚の薄い
融合層を介して冶金学的に一体結合した二層構造の反応
用管を得ることができる。
【0017】
【実施例】遠心力鋳造により供試反応用管を鋳造し、コ
ーキング試験および浸炭試験を行つた。
【0018】〔I〕供試反応用管 供試管Aは発明例(内側層を高Cr含有Ni基合金で形
成した二層管)である。供試管BおよびCは比較例であ
り、前者は高Ni含有のFe−Ni−Cr系オーステナ
イト型耐熱鋼の単層管(従来品相当)、後者はNi量を
制限して耐コーキング性を高め、SiおよびMnを増量
して耐浸炭性を高めた耐熱鋼を管壁の内側層とした二層
管である。各供試管の管サイズは、いずれも外径130
mm,内径110mm(機械加工後)で、二層管(供試
管AおよびC)の内側層の厚さは2mmであり、それぞ
れの構成材料の組成は次のとおりである。
【0019】供試管A(発明例) 内側層 Cr:45%,Si:3.2%,Mn:0.8
%,Al:2.5%,C:0.08%,N:0.15
%,Ni:Bal 外側層 供試管B(単層管)の管材と同一供試管B(比較例) 単層 C:0.5%,Si:1.8%,Mn:0.5
%,Ni:3.5%,Cr:25%,Nb:1.3%,
Fe:Bal(ASTM HP40改良材相当)供試管C(比較例) 内側層 C:0.6%,Si:1.8%,Mn:9.0
%,Ni:4%,Cr:25%,Fe:Bal 外側層 供試管B(単層管)の管材と同一
【0020】〔II〕コーキング試験 炭化水素の熱分解・改質反応実験を行い、試験後、コー
クの付着量を重量測定する。 試験条件 ブタン供給量:700cc/分,空気量:3
00cc/分,反応温度:815℃,時間:1Hr。 試験結果を図1に示す。
【0021】〔III〕浸炭試験 固体浸炭剤(テグサKG30,BaCO3 含有)中、温
度1150℃に加熱し300時間保持する。試験後、管
壁内面から肉厚方向の各深さ位置より切粉を採取して化
学分析に付し、浸炭による炭素の増量を求める。図2に
その測定結果を示す。
【0022】図1に示したように、供試管A(発明例)
の管壁内面は、従来の代表的な反応用管である供試管B
に比べ、固形炭素の析出沈積量は格段に少なく、その耐
コーキング性は、Ni量を制限したFe−Ni−Cr系
耐熱鋼である供試管Cのそれと同等である。また、浸炭
抵抗性についても、図2に示したように発明例の供試管
Aは、従来の反応用管である供試管Cに比べて、炭素の
増量は著しく少なく、供試管Bとの比較においてもこれ
に勝る耐浸炭性を有している。
【0023】
【発明の効果】本発明の反応用管は、炭化水素類の化学
反応に伴う管壁面への固形炭素の析出沈積および管壁内
部への浸炭が効果的に抑制防止され、またこの内側層が
これと一体的に結合した高Ni含有のFe−Ni−Cr
系オーステナイト型耐熱鋼からなる外側層で被覆された
二層構造を有するので、高温・高圧条件下の使用に耐え
得る高温特性を具備している。従つて本発明の反応用管
を炭化水素類の熱分解・改質反応用管、例えば管内にナ
フサ等を高温高圧下に流通させてその熱分解を行うエチ
レン製造用クラツキングチユーブ等として使用すること
により、長期に亘つて、固形炭素の析出沈積や浸炭等に
よる種々のトラブルを生じることなく、安定した操業が
維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】コーキング試験における固形炭素の析出沈積量
を示すグラフである。
【図2】浸炭試験における管壁肉厚方向の炭素増量を示
すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/44

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管壁の内側層が、Cr:40〜55%,
    Si:1〜5%,Mn:2%以下、Al:0.1〜5
    %,C:0.2%以下,N:0.3%以下,Fe:5%
    以下,残部実質的にNiであるNi基合金からなり、管
    壁の外側層は、C:0.1〜0.6%,Si:2.5%
    以下,Mn:2%以下,Cr:20〜30%,Ni:1
    8〜40%,N:0.15%以下,残部実質的にFe、
    またはFeの一部が5%以下の範囲内において、Mo,
    W,Nbから選ばれる1種ないし2種以上の元素で置換
    されているFe−Ni−Cr系オーステナイト型耐熱鋼
    からなることを特徴とする炭化水素類の熱分解・改質反
    応用管。
JP28067191A 1991-09-30 1991-09-30 炭化水素類の熱分解・改質反応用管 Pending JPH0593248A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6458318B1 (en) 1999-06-30 2002-10-01 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Heat resistant nickel base alloy
JP2014047175A (ja) * 2012-08-31 2014-03-17 Mitsubishi Chemicals Corp プロピレンの製造方法
JP2015525265A (ja) * 2012-06-01 2015-09-03 ビーエーエスエフ キューテック インコーポレーテッド 石油化学製品を製造するための触媒表面および塗膜
DE102019123174A1 (de) * 2019-08-29 2021-03-04 Mannesmann Stainless Tubes GmbH Austenitische Stahllegierung mit verbesserter Korrosionsbeständigkeit bei Hochtemperaturbeanspruchung

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