JPH0593248A - 炭化水素類の熱分解・改質反応用管 - Google Patents
炭化水素類の熱分解・改質反応用管Info
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- JPH0593248A JPH0593248A JP28067191A JP28067191A JPH0593248A JP H0593248 A JPH0593248 A JP H0593248A JP 28067191 A JP28067191 A JP 28067191A JP 28067191 A JP28067191 A JP 28067191A JP H0593248 A JPH0593248 A JP H0593248A
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- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 炭化水素類の熱分解・改質反応用管の耐コー
キング性および耐浸炭性を改良する。 【構成】 管壁を二層積層構造とし、炭化水素類と接触
する内側層を、Cr:40〜55%,Si:1〜5%,
Mn:2%以下,Al:0.1〜5%,残部Niおよび
不純分からなるNi基合金で形成し、外側層を高温・高
圧装置材料である高Ni含有のFe−Ni−Cr系オー
ステナイト型耐熱鋼で形成する。内側層の上記Cr−N
i系合金により良好な耐コーキング性および耐浸炭性が
確保され、外側層の耐熱鋼により高温・高圧操業に耐え
るクリープ破断強度等が確保される。
キング性および耐浸炭性を改良する。 【構成】 管壁を二層積層構造とし、炭化水素類と接触
する内側層を、Cr:40〜55%,Si:1〜5%,
Mn:2%以下,Al:0.1〜5%,残部Niおよび
不純分からなるNi基合金で形成し、外側層を高温・高
圧装置材料である高Ni含有のFe−Ni−Cr系オー
ステナイト型耐熱鋼で形成する。内側層の上記Cr−N
i系合金により良好な耐コーキング性および耐浸炭性が
確保され、外側層の耐熱鋼により高温・高圧操業に耐え
るクリープ破断強度等が確保される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭化水素類の熱分解・
改質反応に使用される反応用管、特に炭化水素類の化学
反応に伴う固形炭素の管壁表面への析出沈積および管壁
内部への浸炭を抑制防止し得る反応用管に関する。
改質反応に使用される反応用管、特に炭化水素類の化学
反応に伴う固形炭素の管壁表面への析出沈積および管壁
内部への浸炭を抑制防止し得る反応用管に関する。
【0002】
【従来の技術】炭化水素類の熱分解・改質反応炉内に配
設される反応用管は、炭化水素類を単独または水蒸気等
と混合して高温高圧下に管内を通過させて低分子量炭化
水素への熱分解を行なわせ、あるいは水素、酸化炭素等
を含むガス状混合物等の製造に使用される反応器であ
る。従来より上記反応用管材料には、高温装置材料とし
て一般的なNiおよびCrを多量に含有するFe−Ni
−Cr系オーステナイト型耐熱鋼、例えばASTM規格
のHK40材(0.4C−20Ni−25Cr−Fe)
やHP40材(0.4C−35Ni−25Cr−Fe)
またはこれにMo,W,Nb等を添加したHP改良材等
が使用されてきた。
設される反応用管は、炭化水素類を単独または水蒸気等
と混合して高温高圧下に管内を通過させて低分子量炭化
水素への熱分解を行なわせ、あるいは水素、酸化炭素等
を含むガス状混合物等の製造に使用される反応器であ
る。従来より上記反応用管材料には、高温装置材料とし
て一般的なNiおよびCrを多量に含有するFe−Ni
−Cr系オーステナイト型耐熱鋼、例えばASTM規格
のHK40材(0.4C−20Ni−25Cr−Fe)
やHP40材(0.4C−35Ni−25Cr−Fe)
またはこれにMo,W,Nb等を添加したHP改良材等
が使用されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】炭化水素類の熱分解・
改質反応は、その反応系からの固形炭素の析出現象を伴
うため、反応用管の内側壁面に固形炭素の沈積が生じ
る。固形炭素の析出沈積を放置すると、炭化水素を含む
流体の管内流通が妨害されるのみでなく、反応遂行のた
めに管外から反応熱を供給もしくは除去する際の総括伝
熱係数の著しい低下をきたし、このため長期連続操業を
常態とする反応操業も一時的な操業中断と、各種の方法
による沈積炭素の除去作業、いわゆるデコーキング(de
coking)の定期的な実施を余儀なくされる。また、従来
の反応用管は反応側の管壁面から浸炭が生じ易く、浸炭
が進むと、管材質の劣化、特に延性の著しい低下を伴
い、高圧使用条件下、脆化による割れの発生の危険性が
増大するという問題がある。
改質反応は、その反応系からの固形炭素の析出現象を伴
うため、反応用管の内側壁面に固形炭素の沈積が生じ
る。固形炭素の析出沈積を放置すると、炭化水素を含む
流体の管内流通が妨害されるのみでなく、反応遂行のた
めに管外から反応熱を供給もしくは除去する際の総括伝
熱係数の著しい低下をきたし、このため長期連続操業を
常態とする反応操業も一時的な操業中断と、各種の方法
による沈積炭素の除去作業、いわゆるデコーキング(de
coking)の定期的な実施を余儀なくされる。また、従来
の反応用管は反応側の管壁面から浸炭が生じ易く、浸炭
が進むと、管材質の劣化、特に延性の著しい低下を伴
い、高圧使用条件下、脆化による割れの発生の危険性が
増大するという問題がある。
【0004】上記固形炭素の管壁内面への析出沈積(コ
ーキング)および浸炭を抑制防止した反応用管として、
特公昭63−13474号公報、特開昭63−6505
7号公報には、固形炭素の析出反応を促進する触媒作用
をなすNiの含有量を制限すると共に、耐浸炭性の改善
元素としてSiおよびMnの含有量を高めた耐熱鋼で反
応系と接触する管壁内側層を形成してコーキングおよび
浸炭を抑制防止し、その内側層を、高Ni量のFe−N
i−Cr系オーステナイト型耐熱鋼からなる外側層で被
覆して高温・高圧操業に要求される強度等をもたせた二
層構造を有する反応用管が開示されている。
ーキング)および浸炭を抑制防止した反応用管として、
特公昭63−13474号公報、特開昭63−6505
7号公報には、固形炭素の析出反応を促進する触媒作用
をなすNiの含有量を制限すると共に、耐浸炭性の改善
元素としてSiおよびMnの含有量を高めた耐熱鋼で反
応系と接触する管壁内側層を形成してコーキングおよび
浸炭を抑制防止し、その内側層を、高Ni量のFe−N
i−Cr系オーステナイト型耐熱鋼からなる外側層で被
覆して高温・高圧操業に要求される強度等をもたせた二
層構造を有する反応用管が開示されている。
【0005】本発明は、上記反応用管と異なつて、反応
系と接触する管壁内側層を高Ni含有量の合金で形成し
て上記と同等の耐コーキング性を確保すると共に、更に
改良された耐浸炭性を具備せしめた二層構造を有する反
応用管を提供するものである。
系と接触する管壁内側層を高Ni含有量の合金で形成し
て上記と同等の耐コーキング性を確保すると共に、更に
改良された耐浸炭性を具備せしめた二層構造を有する反
応用管を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】本発明に係る
炭化水素類の熱分解・改質反応用管は、管壁の内側層
が、Cr:40〜55%,Si:1〜5%,Mn:2%
以下、Al:0.1〜5%,C:0.2%以下,N:
0.3%以下,Fe:5%以下,残部実質的にNiであ
るNi基合金からなり、管壁の外側層は、C:0.1〜
0.6%,Si:2.5%以下,Mn:2%以下,C
r:20〜30%,Ni:18〜40%,N:0.15
%以下,残部実質的にFe、またはFeの一部が5%以
下の範囲内において、Mo,W,Nbから選ばれる1種
ないし2種以上の元素で置換されているFe−Ni−C
r系オーステナイト型耐熱鋼からなることを特徴として
いる。
炭化水素類の熱分解・改質反応用管は、管壁の内側層
が、Cr:40〜55%,Si:1〜5%,Mn:2%
以下、Al:0.1〜5%,C:0.2%以下,N:
0.3%以下,Fe:5%以下,残部実質的にNiであ
るNi基合金からなり、管壁の外側層は、C:0.1〜
0.6%,Si:2.5%以下,Mn:2%以下,C
r:20〜30%,Ni:18〜40%,N:0.15
%以下,残部実質的にFe、またはFeの一部が5%以
下の範囲内において、Mo,W,Nbから選ばれる1種
ないし2種以上の元素で置換されているFe−Ni−C
r系オーステナイト型耐熱鋼からなることを特徴として
いる。
【0007】以下、本発明の反応用管について、まずそ
の管壁の内側層を形成するNi基合金の成分限定理由を
説明する。 Cr:40〜55% Crは、管壁の内側層を形成するNi基合金に良好な耐
コーキング性を付与するための重要な元素である。その
耐コーキング性を確保するためには、少くとも40%の
Cr量を必要とする。Cr含有量を増加するに伴つてそ
の効果は増大する。しかし、Crの増量は反面におい
て、この合金の鋳造性の低下、および延靱性の低下を招
く。このため、55%を上限としている。
の管壁の内側層を形成するNi基合金の成分限定理由を
説明する。 Cr:40〜55% Crは、管壁の内側層を形成するNi基合金に良好な耐
コーキング性を付与するための重要な元素である。その
耐コーキング性を確保するためには、少くとも40%の
Cr量を必要とする。Cr含有量を増加するに伴つてそ
の効果は増大する。しかし、Crの増量は反面におい
て、この合金の鋳造性の低下、および延靱性の低下を招
く。このため、55%を上限としている。
【0008】Si:1〜5% Siは、合金溶製工程での脱酸元素であり、また鋳造時
の合金溶湯の流動性を高める元素であるが、本発明で
は、それのみにとどまらず、耐コーキング性および耐浸
炭性の改善を目的として添加される。この効果は、1%
以上の添加により得られ、その増量に伴つて効果は増大
する。しかし、その反面、Siの多量添加は、合金の延
性の低下、および溶接性の劣化の原因となる。このた
め、5%を上限とする。
の合金溶湯の流動性を高める元素であるが、本発明で
は、それのみにとどまらず、耐コーキング性および耐浸
炭性の改善を目的として添加される。この効果は、1%
以上の添加により得られ、その増量に伴つて効果は増大
する。しかし、その反面、Siの多量添加は、合金の延
性の低下、および溶接性の劣化の原因となる。このた
め、5%を上限とする。
【0009】Mn:2%以下 Mnは、合金溶湯の脱酸、および鋳造時の溶湯の流動性
の改善に奏効する元素である。そのための添加量は、2
%までで十分であり、またそれを越えると、合金の延性
劣化をきたすので、2%以下とする。
の改善に奏効する元素である。そのための添加量は、2
%までで十分であり、またそれを越えると、合金の延性
劣化をきたすので、2%以下とする。
【0010】Al:0.1%〜5% Alは、前記Siと同じように、Ni基合金の耐コーキ
ング性、および耐浸炭性の強化に奏効する元素である。
この効果は0.1%以上の添加により得られ、その増量
に伴つて効果は増大する。しかし、Alを多量に添加す
ると、合金の延性および溶接性の劣化をきたす。このた
め、5%を上限とする。
ング性、および耐浸炭性の強化に奏効する元素である。
この効果は0.1%以上の添加により得られ、その増量
に伴つて効果は増大する。しかし、Alを多量に添加す
ると、合金の延性および溶接性の劣化をきたす。このた
め、5%を上限とする。
【0011】C:0.2%以下 Cは、合金の延性を害する不純分であり、このため、
0.2%以下に制限することが望ましい。
0.2%以下に制限することが望ましい。
【0012】N:0.3%以下 Nもまた合金の延性を害する不純分元素である。高Cr
含有合金ではNが吸蔵され易く、窒化クロムの生成によ
り延性が低下する。これを避けるため0.3%を上限と
する。
含有合金ではNが吸蔵され易く、窒化クロムの生成によ
り延性が低下する。これを避けるため0.3%を上限と
する。
【0013】Fe:5%以下 Feは、合金製造原料に付随して混入する不純分である
が、5%以下の範囲内であれば、合金の材料特性に及ぼ
す実害はない。
が、5%以下の範囲内であれば、合金の材料特性に及ぼ
す実害はない。
【0014】管壁の内側層を上記組成のNi基合金で形
成した本発明の反応用管は、後記実施例に示すように従
来材を凌ぐ良好な耐コーキング性と耐浸炭性を併せ有し
ている。この改良された耐コーキング性および耐浸炭性
は、Ni基合金母材の表面にCrを主体として形成され
るCr−Al−Siの複合酸化皮膜により内側層表面が
被覆保護されることによる効果であると考えられる。
成した本発明の反応用管は、後記実施例に示すように従
来材を凌ぐ良好な耐コーキング性と耐浸炭性を併せ有し
ている。この改良された耐コーキング性および耐浸炭性
は、Ni基合金母材の表面にCrを主体として形成され
るCr−Al−Siの複合酸化皮膜により内側層表面が
被覆保護されることによる効果であると考えられる。
【0015】上記Ni基合金は、良好な耐コーキング性
と耐浸炭性を併せ有しているが、高温クリープ破断強度
は十分でなく、単層管としての使用はできない。このた
め、本発明は、このNi基合金を管壁の内側層材料と
し、その内側層を、高Ni含有組成のFe−Ni−Cr
系オーステナイト型耐熱鋼からなる外側層で被覆した二
重積層構造としている。その高Ni−高Cr系オーステ
ナイト型耐熱鋼は、高温クリープ破断強度、耐酸化性等
にすぐれ、クラツキングチユーブ等の高温・高圧装置材
料として十分な実績を有する材料であり、この二層構造
化によつて、反応用管として要求される諸特性が具備さ
れ、安定した使用が確保される。
と耐浸炭性を併せ有しているが、高温クリープ破断強度
は十分でなく、単層管としての使用はできない。このた
め、本発明は、このNi基合金を管壁の内側層材料と
し、その内側層を、高Ni含有組成のFe−Ni−Cr
系オーステナイト型耐熱鋼からなる外側層で被覆した二
重積層構造としている。その高Ni−高Cr系オーステ
ナイト型耐熱鋼は、高温クリープ破断強度、耐酸化性等
にすぐれ、クラツキングチユーブ等の高温・高圧装置材
料として十分な実績を有する材料であり、この二層構造
化によつて、反応用管として要求される諸特性が具備さ
れ、安定した使用が確保される。
【0016】上記Ni基合金からなる内側層とFe−N
i−Cr系オーステナイト型耐熱鋼からなる外側層の二
層構造を有する本発明の反応用管は、好ましくは遠心力
鋳造法により製造される。すなわち、遠心力鋳造におい
て、水平軸心を回転中心とする鋳型内に、第1段の鋳造
として、高NiのFe−Ni−Cr系耐熱鋼の溶湯を注
入して所望の層厚の外側層を鋳造し、ついで、第2段の
鋳造として、所定組成に溶製されたNi基合金の溶湯を
注入して内側層を積層鋳造する。これにより、Ni基合
金からなる耐コーキング性および耐浸炭性にすぐれた内
側層と、Fe−Ni−Cr系耐熱鋼からなる高温クリー
プ破断強度の高い外側層とが、その境界面で層厚の薄い
融合層を介して冶金学的に一体結合した二層構造の反応
用管を得ることができる。
i−Cr系オーステナイト型耐熱鋼からなる外側層の二
層構造を有する本発明の反応用管は、好ましくは遠心力
鋳造法により製造される。すなわち、遠心力鋳造におい
て、水平軸心を回転中心とする鋳型内に、第1段の鋳造
として、高NiのFe−Ni−Cr系耐熱鋼の溶湯を注
入して所望の層厚の外側層を鋳造し、ついで、第2段の
鋳造として、所定組成に溶製されたNi基合金の溶湯を
注入して内側層を積層鋳造する。これにより、Ni基合
金からなる耐コーキング性および耐浸炭性にすぐれた内
側層と、Fe−Ni−Cr系耐熱鋼からなる高温クリー
プ破断強度の高い外側層とが、その境界面で層厚の薄い
融合層を介して冶金学的に一体結合した二層構造の反応
用管を得ることができる。
【0017】
【実施例】遠心力鋳造により供試反応用管を鋳造し、コ
ーキング試験および浸炭試験を行つた。
ーキング試験および浸炭試験を行つた。
【0018】〔I〕供試反応用管 供試管Aは発明例(内側層を高Cr含有Ni基合金で形
成した二層管)である。供試管BおよびCは比較例であ
り、前者は高Ni含有のFe−Ni−Cr系オーステナ
イト型耐熱鋼の単層管(従来品相当)、後者はNi量を
制限して耐コーキング性を高め、SiおよびMnを増量
して耐浸炭性を高めた耐熱鋼を管壁の内側層とした二層
管である。各供試管の管サイズは、いずれも外径130
mm,内径110mm(機械加工後)で、二層管(供試
管AおよびC)の内側層の厚さは2mmであり、それぞ
れの構成材料の組成は次のとおりである。
成した二層管)である。供試管BおよびCは比較例であ
り、前者は高Ni含有のFe−Ni−Cr系オーステナ
イト型耐熱鋼の単層管(従来品相当)、後者はNi量を
制限して耐コーキング性を高め、SiおよびMnを増量
して耐浸炭性を高めた耐熱鋼を管壁の内側層とした二層
管である。各供試管の管サイズは、いずれも外径130
mm,内径110mm(機械加工後)で、二層管(供試
管AおよびC)の内側層の厚さは2mmであり、それぞ
れの構成材料の組成は次のとおりである。
【0019】供試管A(発明例) 内側層 Cr:45%,Si:3.2%,Mn:0.8
%,Al:2.5%,C:0.08%,N:0.15
%,Ni:Bal 外側層 供試管B(単層管)の管材と同一供試管B(比較例) 単層 C:0.5%,Si:1.8%,Mn:0.5
%,Ni:3.5%,Cr:25%,Nb:1.3%,
Fe:Bal(ASTM HP40改良材相当)供試管C(比較例) 内側層 C:0.6%,Si:1.8%,Mn:9.0
%,Ni:4%,Cr:25%,Fe:Bal 外側層 供試管B(単層管)の管材と同一
%,Al:2.5%,C:0.08%,N:0.15
%,Ni:Bal 外側層 供試管B(単層管)の管材と同一供試管B(比較例) 単層 C:0.5%,Si:1.8%,Mn:0.5
%,Ni:3.5%,Cr:25%,Nb:1.3%,
Fe:Bal(ASTM HP40改良材相当)供試管C(比較例) 内側層 C:0.6%,Si:1.8%,Mn:9.0
%,Ni:4%,Cr:25%,Fe:Bal 外側層 供試管B(単層管)の管材と同一
【0020】〔II〕コーキング試験 炭化水素の熱分解・改質反応実験を行い、試験後、コー
クの付着量を重量測定する。 試験条件 ブタン供給量:700cc/分,空気量:3
00cc/分,反応温度:815℃,時間:1Hr。 試験結果を図1に示す。
クの付着量を重量測定する。 試験条件 ブタン供給量:700cc/分,空気量:3
00cc/分,反応温度:815℃,時間:1Hr。 試験結果を図1に示す。
【0021】〔III〕浸炭試験 固体浸炭剤(テグサKG30,BaCO3 含有)中、温
度1150℃に加熱し300時間保持する。試験後、管
壁内面から肉厚方向の各深さ位置より切粉を採取して化
学分析に付し、浸炭による炭素の増量を求める。図2に
その測定結果を示す。
度1150℃に加熱し300時間保持する。試験後、管
壁内面から肉厚方向の各深さ位置より切粉を採取して化
学分析に付し、浸炭による炭素の増量を求める。図2に
その測定結果を示す。
【0022】図1に示したように、供試管A(発明例)
の管壁内面は、従来の代表的な反応用管である供試管B
に比べ、固形炭素の析出沈積量は格段に少なく、その耐
コーキング性は、Ni量を制限したFe−Ni−Cr系
耐熱鋼である供試管Cのそれと同等である。また、浸炭
抵抗性についても、図2に示したように発明例の供試管
Aは、従来の反応用管である供試管Cに比べて、炭素の
増量は著しく少なく、供試管Bとの比較においてもこれ
に勝る耐浸炭性を有している。
の管壁内面は、従来の代表的な反応用管である供試管B
に比べ、固形炭素の析出沈積量は格段に少なく、その耐
コーキング性は、Ni量を制限したFe−Ni−Cr系
耐熱鋼である供試管Cのそれと同等である。また、浸炭
抵抗性についても、図2に示したように発明例の供試管
Aは、従来の反応用管である供試管Cに比べて、炭素の
増量は著しく少なく、供試管Bとの比較においてもこれ
に勝る耐浸炭性を有している。
【0023】
【発明の効果】本発明の反応用管は、炭化水素類の化学
反応に伴う管壁面への固形炭素の析出沈積および管壁内
部への浸炭が効果的に抑制防止され、またこの内側層が
これと一体的に結合した高Ni含有のFe−Ni−Cr
系オーステナイト型耐熱鋼からなる外側層で被覆された
二層構造を有するので、高温・高圧条件下の使用に耐え
得る高温特性を具備している。従つて本発明の反応用管
を炭化水素類の熱分解・改質反応用管、例えば管内にナ
フサ等を高温高圧下に流通させてその熱分解を行うエチ
レン製造用クラツキングチユーブ等として使用すること
により、長期に亘つて、固形炭素の析出沈積や浸炭等に
よる種々のトラブルを生じることなく、安定した操業が
維持される。
反応に伴う管壁面への固形炭素の析出沈積および管壁内
部への浸炭が効果的に抑制防止され、またこの内側層が
これと一体的に結合した高Ni含有のFe−Ni−Cr
系オーステナイト型耐熱鋼からなる外側層で被覆された
二層構造を有するので、高温・高圧条件下の使用に耐え
得る高温特性を具備している。従つて本発明の反応用管
を炭化水素類の熱分解・改質反応用管、例えば管内にナ
フサ等を高温高圧下に流通させてその熱分解を行うエチ
レン製造用クラツキングチユーブ等として使用すること
により、長期に亘つて、固形炭素の析出沈積や浸炭等に
よる種々のトラブルを生じることなく、安定した操業が
維持される。
【図1】コーキング試験における固形炭素の析出沈積量
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図2】浸炭試験における管壁肉厚方向の炭素増量を示
すグラフである。
すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/44
Claims (1)
- 【請求項1】 管壁の内側層が、Cr:40〜55%,
Si:1〜5%,Mn:2%以下、Al:0.1〜5
%,C:0.2%以下,N:0.3%以下,Fe:5%
以下,残部実質的にNiであるNi基合金からなり、管
壁の外側層は、C:0.1〜0.6%,Si:2.5%
以下,Mn:2%以下,Cr:20〜30%,Ni:1
8〜40%,N:0.15%以下,残部実質的にFe、
またはFeの一部が5%以下の範囲内において、Mo,
W,Nbから選ばれる1種ないし2種以上の元素で置換
されているFe−Ni−Cr系オーステナイト型耐熱鋼
からなることを特徴とする炭化水素類の熱分解・改質反
応用管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28067191A JPH0593248A (ja) | 1991-09-30 | 1991-09-30 | 炭化水素類の熱分解・改質反応用管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28067191A JPH0593248A (ja) | 1991-09-30 | 1991-09-30 | 炭化水素類の熱分解・改質反応用管 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0593248A true JPH0593248A (ja) | 1993-04-16 |
Family
ID=17628311
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28067191A Pending JPH0593248A (ja) | 1991-09-30 | 1991-09-30 | 炭化水素類の熱分解・改質反応用管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0593248A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6458318B1 (en) | 1999-06-30 | 2002-10-01 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Heat resistant nickel base alloy |
JP2014047175A (ja) * | 2012-08-31 | 2014-03-17 | Mitsubishi Chemicals Corp | プロピレンの製造方法 |
JP2015525265A (ja) * | 2012-06-01 | 2015-09-03 | ビーエーエスエフ キューテック インコーポレーテッド | 石油化学製品を製造するための触媒表面および塗膜 |
DE102019123174A1 (de) * | 2019-08-29 | 2021-03-04 | Mannesmann Stainless Tubes GmbH | Austenitische Stahllegierung mit verbesserter Korrosionsbeständigkeit bei Hochtemperaturbeanspruchung |
-
1991
- 1991-09-30 JP JP28067191A patent/JPH0593248A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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