JPH059304A - ポリオレフイン系合成樹脂成形品の接着方法 - Google Patents
ポリオレフイン系合成樹脂成形品の接着方法Info
- Publication number
- JPH059304A JPH059304A JP41223990A JP41223990A JPH059304A JP H059304 A JPH059304 A JP H059304A JP 41223990 A JP41223990 A JP 41223990A JP 41223990 A JP41223990 A JP 41223990A JP H059304 A JPH059304 A JP H059304A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- synthetic resin
- group
- polyolefin
- weight
- containing monomer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ポリオレフィン系合成樹脂成形品を接着剤を
用いて、相互に又は他の物質と接着させるに際し、その
接着強度を向上させる。 【構成】 A1:カルボン酸基、カルボン酸エステル基
又は酸無水物含有モノマー、A2:エポキシ基含有モノ
マー、A3:ヒドロキシル基含有モノマー、A4:アミ
ノ基含有モノマー、A5:アルケニル環状イミノエーテ
ル誘導体及びA6:多官能不飽和モノマーの中から選ば
れた少なくとも1種のモノマーを反応せしめたポリオレ
フィン系合成樹脂成形品を用い、その表面に300nm
以下の波長を主波長成分とする紫外線を照射した後、硬
化型接着剤により接着を行う。
用いて、相互に又は他の物質と接着させるに際し、その
接着強度を向上させる。 【構成】 A1:カルボン酸基、カルボン酸エステル基
又は酸無水物含有モノマー、A2:エポキシ基含有モノ
マー、A3:ヒドロキシル基含有モノマー、A4:アミ
ノ基含有モノマー、A5:アルケニル環状イミノエーテ
ル誘導体及びA6:多官能不飽和モノマーの中から選ば
れた少なくとも1種のモノマーを反応せしめたポリオレ
フィン系合成樹脂成形品を用い、その表面に300nm
以下の波長を主波長成分とする紫外線を照射した後、硬
化型接着剤により接着を行う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリオレフィン系樹脂
成形品の接着方法に関するものである。
成形品の接着方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】ポリプロピレン等のポ
リオレフィン合成樹脂は、分子鎖が飽和炭化水素型の化
学構造であり、かつ結晶化度が比較的高いので成形品の
表面が不活性であり、接着剤による接合が困難である。
このようなポリオレフィン系合成樹脂の成形品には、射
出成形品、中空成形品、圧縮成形品、押出成形品(フィ
ルム、シート、パィプ、異形押出品、押出被覆品)等が
包含されるが、これらの成形品を接着する場合は適切な
前処理が必要であり、従来はサンドブラスト処理、クロ
ム酸混液処理、火炎処理、コロナ放電処理、プラズマ処
理、表面官能基付与処理、表面光グラフト化処理などが
用いられあるいは検討されているが、いずれも満足でき
る方法ではない。
リオレフィン合成樹脂は、分子鎖が飽和炭化水素型の化
学構造であり、かつ結晶化度が比較的高いので成形品の
表面が不活性であり、接着剤による接合が困難である。
このようなポリオレフィン系合成樹脂の成形品には、射
出成形品、中空成形品、圧縮成形品、押出成形品(フィ
ルム、シート、パィプ、異形押出品、押出被覆品)等が
包含されるが、これらの成形品を接着する場合は適切な
前処理が必要であり、従来はサンドブラスト処理、クロ
ム酸混液処理、火炎処理、コロナ放電処理、プラズマ処
理、表面官能基付与処理、表面光グラフト化処理などが
用いられあるいは検討されているが、いずれも満足でき
る方法ではない。
【0003】サンドブラスト処理は粒状研削材を高速度
で成形品表面に衝突させ粗面化する方法である。この方
法では、粒状研削材により作業環境や製品が汚れるので
処理後に水洗する必要がある上、処理により表面が荒
れ、成形品の価値を低下させるという問題を含む。クロ
ム酸混液処理は、クロム酸混液(重クロム酸カリウム7
5部、水120部、濃硫酸1500部)を100℃位に
加熱し、これに成形品を浸漬して処理するものである
が、処理廃液の無害化に要する負担が大きい。火炎処理
は、過剰空気を混入したガスの酸化炎で成形品の表面を
処理するものであるが、熱による変形、溶融が起こるこ
とがある。コロナ放電処理は、電極と金属ロールの間隙
にフィルム状の成形品を通し、高電圧をかけて処理する
方法であるが、フィルム以外の成形品の処理ができな
い。プラズマ処理は、電離したガスで成形品表面に化学
変化を起こさせるものであるが、真空にするため時間が
かかり、また設備に要する費用が高い。
で成形品表面に衝突させ粗面化する方法である。この方
法では、粒状研削材により作業環境や製品が汚れるので
処理後に水洗する必要がある上、処理により表面が荒
れ、成形品の価値を低下させるという問題を含む。クロ
ム酸混液処理は、クロム酸混液(重クロム酸カリウム7
5部、水120部、濃硫酸1500部)を100℃位に
加熱し、これに成形品を浸漬して処理するものである
が、処理廃液の無害化に要する負担が大きい。火炎処理
は、過剰空気を混入したガスの酸化炎で成形品の表面を
処理するものであるが、熱による変形、溶融が起こるこ
とがある。コロナ放電処理は、電極と金属ロールの間隙
にフィルム状の成形品を通し、高電圧をかけて処理する
方法であるが、フィルム以外の成形品の処理ができな
い。プラズマ処理は、電離したガスで成形品表面に化学
変化を起こさせるものであるが、真空にするため時間が
かかり、また設備に要する費用が高い。
【0004】表面官能基付与処理には、塩素ガス中で紫
外線照射してからアルカリで処理する方法などがある。
しかし極めて危険な塩素ガスを使うのが問題である。表
面光グラフト化処理には、低活性高分子にベンゾフェノ
ン等を練り込んだ成形品を酸素が遮断された雰囲気でア
クリルアミド等を光重合する方法などがあるが、処理工
程が極めて複雑で経済性に難点がある。このような表面
活性化方法の他に、ポリオレフィン自体を化学的に変性
し接着性を持たせる試みがある。その代表的なものはポ
リオレフィンを無水マレイン酸のようなカルボン酸(無
水物)で変性し接着性を持たせようとするものである
が、この方法では前記の用途分野に利用するにはまだ十
分な接着力は得られていない。
外線照射してからアルカリで処理する方法などがある。
しかし極めて危険な塩素ガスを使うのが問題である。表
面光グラフト化処理には、低活性高分子にベンゾフェノ
ン等を練り込んだ成形品を酸素が遮断された雰囲気でア
クリルアミド等を光重合する方法などがあるが、処理工
程が極めて複雑で経済性に難点がある。このような表面
活性化方法の他に、ポリオレフィン自体を化学的に変性
し接着性を持たせる試みがある。その代表的なものはポ
リオレフィンを無水マレイン酸のようなカルボン酸(無
水物)で変性し接着性を持たせようとするものである
が、この方法では前記の用途分野に利用するにはまだ十
分な接着力は得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、ポリオ
レフィン系合成樹脂成形品の接着における上記のような
問題を解決すべく鋭意検討した結果本発明に達した。す
なわち本発明の課題とするところは、実用上充分な接着
力を有し、非常に簡便にしてコスト的に有利であり、安
全で公害問題のないポリオレフィン系合成樹脂成形品の
接着方法の提供にある。
レフィン系合成樹脂成形品の接着における上記のような
問題を解決すべく鋭意検討した結果本発明に達した。す
なわち本発明の課題とするところは、実用上充分な接着
力を有し、非常に簡便にしてコスト的に有利であり、安
全で公害問題のないポリオレフィン系合成樹脂成形品の
接着方法の提供にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、(A)
A1:カルボン酸基、カルボン酸エステル基または酸無
水基含有モノマー、A2:エポキシ基含有モノマー、A
3:ヒドロキシル基含有モノマー、A4:アミノ基含有
モノマー、A5:アルケニル環状イミノエーテル誘導体
およびA6:多官能不飽和モノマーから選ばれた少なく
とも1種のモノマーを反応せしめたポリオレフィン系合
成樹脂1〜100重量%、および(B)ポリオレフィン
合成樹脂0〜99重量%よりなる成形品を、相互にある
いは他の物質と接着するに際し、該成形品の表面に30
0nm以下の波長を主な波長成分とする紫外線を照射
し、硬化型接着剤により接着することを特徴とするポリ
オレフィン系合成樹脂成形品の接着方法が提供される。
A1:カルボン酸基、カルボン酸エステル基または酸無
水基含有モノマー、A2:エポキシ基含有モノマー、A
3:ヒドロキシル基含有モノマー、A4:アミノ基含有
モノマー、A5:アルケニル環状イミノエーテル誘導体
およびA6:多官能不飽和モノマーから選ばれた少なく
とも1種のモノマーを反応せしめたポリオレフィン系合
成樹脂1〜100重量%、および(B)ポリオレフィン
合成樹脂0〜99重量%よりなる成形品を、相互にある
いは他の物質と接着するに際し、該成形品の表面に30
0nm以下の波長を主な波長成分とする紫外線を照射
し、硬化型接着剤により接着することを特徴とするポリ
オレフィン系合成樹脂成形品の接着方法が提供される。
【0007】また、本発明によれば、(A)A1:カル
ボン酸基、カルボン酸エステル基または酸無水基含有モ
ノマー、A2:エポキシ基含有モノマー、A3:ヒドロ
キシル基含有モノマー、A4:アミノ基含有モノマー、
A5:アルケニル環状イミノエーテル誘導体およびA
6:多官能不飽和モノマーから選ばれた少なくとも1種
のモノマーを反応せしめたポリオレフィン系合成樹脂1
〜100重量%、(B)ポリオレフィン合成樹脂0〜9
9重量%、および上記(A)+(B)の樹脂100重量
部に対して3〜150重量部の充填剤(C)および/ま
たは3〜100重量部の(D)ゴム状物質を含む組成物
よりなる成形品を相互にあるいは他の物質と接着させる
に際し、該成形品の表面に300nm以下の波長を主な
波長成分とする紫外線を照射し、硬化型接着剤により接
着することを特徴とするポリオレフィン系合成樹脂成形
品の接着方法が提供される。
ボン酸基、カルボン酸エステル基または酸無水基含有モ
ノマー、A2:エポキシ基含有モノマー、A3:ヒドロ
キシル基含有モノマー、A4:アミノ基含有モノマー、
A5:アルケニル環状イミノエーテル誘導体およびA
6:多官能不飽和モノマーから選ばれた少なくとも1種
のモノマーを反応せしめたポリオレフィン系合成樹脂1
〜100重量%、(B)ポリオレフィン合成樹脂0〜9
9重量%、および上記(A)+(B)の樹脂100重量
部に対して3〜150重量部の充填剤(C)および/ま
たは3〜100重量部の(D)ゴム状物質を含む組成物
よりなる成形品を相互にあるいは他の物質と接着させる
に際し、該成形品の表面に300nm以下の波長を主な
波長成分とする紫外線を照射し、硬化型接着剤により接
着することを特徴とするポリオレフィン系合成樹脂成形
品の接着方法が提供される。
【0008】本発明に用いられるポリオレフィン合成樹
脂としては、以下のものが例示される。 (1)ポリプロピレン(以下「PP」と略)、ポリエチ
レン(以下「PE」と略)、ポリブテン、ポリメチルペ
ンテン等のポリオレフィン。 (2)エチレン−プロピレン(例えばエチレンプロピレ
ンゴム、以下EPRと略)等のα−オレフィン同士の共
重合物。 (3)上記高分子同士、あるいは他の高分子とアロイ、
ブレンド物等。
脂としては、以下のものが例示される。 (1)ポリプロピレン(以下「PP」と略)、ポリエチ
レン(以下「PE」と略)、ポリブテン、ポリメチルペ
ンテン等のポリオレフィン。 (2)エチレン−プロピレン(例えばエチレンプロピレ
ンゴム、以下EPRと略)等のα−オレフィン同士の共
重合物。 (3)上記高分子同士、あるいは他の高分子とアロイ、
ブレンド物等。
【0009】また、これら樹脂には、必要に応じて、酸
化防止剤、耐候剤、滑剤、造核剤、可塑剤、帯電防止
剤、難燃剤、着色顔料等の添加剤を加えてもよい。本発
明では、成形品用合成樹脂基材として、A1:カルボン
酸基、カルボン酸エステル基または酸無水基含有モノマ
ー、A2:エポキシ基含有モノマー、A3:ヒドロキシル
基含有モノマー、A4:アミノ基含有モノマー、A5:ア
ルケニル環状イミノエーテル誘導体およびA6:多官能
性不飽和モノマーの中から選ばれた少なくとも1種のモ
ノマーを反応せしめたポリオレフィン系樹脂を使用す
る。前記モノマーA1〜A6としては、以下のものが例示
される。 A1:カルボン酸基含有モノマーには、マレイン酸、フ
マル酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロ
トン酸、ソルビン酸、メサコン酸、シトラコン酸、アン
ゲリカ酸、ビニル酢酸およびこれらの無水物が挙げられ
る。無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン
酸、無水シトラコン酸などがある。 A2:エポキシ基含有モノマーとしては、グリシジル
(メタ)アクリレート、アクリルグリシジルエーテル、
ビニルグリシジルエーテル等が挙げられる。 A3:ヒドロキシル基含有モノマーとしては、1−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート等が挙げられる。 A4:アミノ基含有モノマーとしては、ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)
アクリレート等の3級アミノ基含有モノマーが挙げられ
る。 A5:アルケニル環状イミノエーテル誘導体としては、
以下の構造式で表されるものが挙げられる。
化防止剤、耐候剤、滑剤、造核剤、可塑剤、帯電防止
剤、難燃剤、着色顔料等の添加剤を加えてもよい。本発
明では、成形品用合成樹脂基材として、A1:カルボン
酸基、カルボン酸エステル基または酸無水基含有モノマ
ー、A2:エポキシ基含有モノマー、A3:ヒドロキシル
基含有モノマー、A4:アミノ基含有モノマー、A5:ア
ルケニル環状イミノエーテル誘導体およびA6:多官能
性不飽和モノマーの中から選ばれた少なくとも1種のモ
ノマーを反応せしめたポリオレフィン系樹脂を使用す
る。前記モノマーA1〜A6としては、以下のものが例示
される。 A1:カルボン酸基含有モノマーには、マレイン酸、フ
マル酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロ
トン酸、ソルビン酸、メサコン酸、シトラコン酸、アン
ゲリカ酸、ビニル酢酸およびこれらの無水物が挙げられ
る。無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン
酸、無水シトラコン酸などがある。 A2:エポキシ基含有モノマーとしては、グリシジル
(メタ)アクリレート、アクリルグリシジルエーテル、
ビニルグリシジルエーテル等が挙げられる。 A3:ヒドロキシル基含有モノマーとしては、1−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート等が挙げられる。 A4:アミノ基含有モノマーとしては、ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)
アクリレート等の3級アミノ基含有モノマーが挙げられ
る。 A5:アルケニル環状イミノエーテル誘導体としては、
以下の構造式で表されるものが挙げられる。
【化1】
ここでnは1、2または3であり、好ましくは2または
3、より好ましくは2である。R1、R2,R3は、それ
ぞれC1〜C12のアルキル基または水素を示し、アルキ
ル基にはそれぞれ不活性な置換基があってもよい。R4
はC1〜C12のアルキレン基である。具体例としては、
2−ビニル−または2−イソプロペニル−2−オキサゾ
リン、2−ビニル−または2−イソプロペニル−5,6
−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン等がある。 A6:多官能不飽和モノマーとしては、トリメチロール
プロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメ
タクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート
等に代表される多官能性メタクリレートモノマー類、ジ
ビニルベンゼン、トリアリルイソシアヌレート、ジアリ
ルフタレート、ビニルブチラート等に代表される多官能
性ビニルモノマー類、N,N′−m−フェニレンビスマ
レイミド、N,N′−m−フェニレンビスマレイミドに
代表されるビスマレイミド類、p−キノンジオキシム等
のジオキシム類等が挙げられる。
3、より好ましくは2である。R1、R2,R3は、それ
ぞれC1〜C12のアルキル基または水素を示し、アルキ
ル基にはそれぞれ不活性な置換基があってもよい。R4
はC1〜C12のアルキレン基である。具体例としては、
2−ビニル−または2−イソプロペニル−2−オキサゾ
リン、2−ビニル−または2−イソプロペニル−5,6
−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン等がある。 A6:多官能不飽和モノマーとしては、トリメチロール
プロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメ
タクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート
等に代表される多官能性メタクリレートモノマー類、ジ
ビニルベンゼン、トリアリルイソシアヌレート、ジアリ
ルフタレート、ビニルブチラート等に代表される多官能
性ビニルモノマー類、N,N′−m−フェニレンビスマ
レイミド、N,N′−m−フェニレンビスマレイミドに
代表されるビスマレイミド類、p−キノンジオキシム等
のジオキシム類等が挙げられる。
【0010】上記モノマーを反応せしめたポリオレフィ
ン系合成樹脂(以下、変性ポリオレフィンとも称す)を
得る方法は各種あるが、代表的なものは共重合法及びグ
ラフト変性法である。共重合法は、エチレン等のオレフ
ィンと上記モノマーを高圧下ラジカル共重合する方法が
一般的である。このような共重合法で得られる変性ポリ
オレフィンとしては、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体
(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体
(EMA)、エチレン−グリシジルメタクリレート共重
合体(EGMA)等各種が市販されている。グラフト変
性法は、ポリオレフィン合成樹脂に対し上記モノマーを
ラジカル開始剤の存在下グラフト反応せしめる方法が一
般的である。ラジカル開始剤としては、ヒドロペルオキ
シド、ジアルキルペルオキシド、ジアシルペルオキシ
ド、ケトンペルオキシド、ペルオキシエステル等から選
ばれた少なくとも1種が挙げられる。これらモノマーを
ポリオレフィンに反応させる方法は特に限定されるもの
ではなく、公知の方法を用いる。例えば、ポリオレフィ
ンおよびモノマーをキシレンやo−クロロベンゼン等の
有機溶剤に分散あるいは溶解し、上記開始剤を添加し加
熱撹拌して反応させる方法がある。また、溶剤を使用せ
ずにポリオレフィン、モノマーおよび開始剤を押出機で
混練押出して反応させる方法は簡便であり経済的に有利
である。ポリオレフィンに付加させるモノマーの量は原
則として多い方が好ましいが、反応プロセス上限界があ
り、通常は0.05〜20重量%である。この付加量が
0.05重量%未満では成形品を接着する際十分な接着
力が得られず、また20重量%を超えて付加させること
はゲル化、着色等が生じるので好ましくない。
ン系合成樹脂(以下、変性ポリオレフィンとも称す)を
得る方法は各種あるが、代表的なものは共重合法及びグ
ラフト変性法である。共重合法は、エチレン等のオレフ
ィンと上記モノマーを高圧下ラジカル共重合する方法が
一般的である。このような共重合法で得られる変性ポリ
オレフィンとしては、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体
(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体
(EMA)、エチレン−グリシジルメタクリレート共重
合体(EGMA)等各種が市販されている。グラフト変
性法は、ポリオレフィン合成樹脂に対し上記モノマーを
ラジカル開始剤の存在下グラフト反応せしめる方法が一
般的である。ラジカル開始剤としては、ヒドロペルオキ
シド、ジアルキルペルオキシド、ジアシルペルオキシ
ド、ケトンペルオキシド、ペルオキシエステル等から選
ばれた少なくとも1種が挙げられる。これらモノマーを
ポリオレフィンに反応させる方法は特に限定されるもの
ではなく、公知の方法を用いる。例えば、ポリオレフィ
ンおよびモノマーをキシレンやo−クロロベンゼン等の
有機溶剤に分散あるいは溶解し、上記開始剤を添加し加
熱撹拌して反応させる方法がある。また、溶剤を使用せ
ずにポリオレフィン、モノマーおよび開始剤を押出機で
混練押出して反応させる方法は簡便であり経済的に有利
である。ポリオレフィンに付加させるモノマーの量は原
則として多い方が好ましいが、反応プロセス上限界があ
り、通常は0.05〜20重量%である。この付加量が
0.05重量%未満では成形品を接着する際十分な接着
力が得られず、また20重量%を超えて付加させること
はゲル化、着色等が生じるので好ましくない。
【0011】本発明では、変性ポリオレフィン(A)を
単独で用いてもよいが、未変性のポリオレフィン合成樹
脂(B)を併用しても十分な接着力が得られる場合が多
く、経済的に有利であるので、変性ポリオレフィン
(A)と未変性のポリオレフィン合成樹脂(B)との混
合物を用いることが推奨される。
単独で用いてもよいが、未変性のポリオレフィン合成樹
脂(B)を併用しても十分な接着力が得られる場合が多
く、経済的に有利であるので、変性ポリオレフィン
(A)と未変性のポリオレフィン合成樹脂(B)との混
合物を用いることが推奨される。
【0012】未変性ポリオレフィン合成樹脂(B)の使
用量は0〜99重量%の範囲で任意に選択される。例え
ばモノマーの反応量の高い変性ポリオレフィンを用いる
時は多量の未変性ポリオレフィンを配合しても充分な接
着力が得られる場合が多く、逆に反応量の低い変性ポリ
オレフィンを用いる時は、未変性ポリオレフィンは配合
しないか少量の配合でとどめないと充分な接着力が得ら
れない場合がある。
用量は0〜99重量%の範囲で任意に選択される。例え
ばモノマーの反応量の高い変性ポリオレフィンを用いる
時は多量の未変性ポリオレフィンを配合しても充分な接
着力が得られる場合が多く、逆に反応量の低い変性ポリ
オレフィンを用いる時は、未変性ポリオレフィンは配合
しないか少量の配合でとどめないと充分な接着力が得ら
れない場合がある。
【0013】本発明では上記合成樹脂成分の他に無機充
填剤(C)および/またはゴム状物質(D)を配合する
ことにより接着力が向上する場合がある。本発明に使用
する充填剤(C)としては、従来公知の粒状、平板状、
鱗片状、針状、球状、中空状および繊維状の各種のもの
が用いられる。具体的には、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、硫酸カルシウム、珪酸カルシウム、水酸化マ
グネシウム、水酸化アルミニウム、クレー、珪そう土、
タルク、アルミナ、シリカ、ガラス粉、酸化鉄、金属
粉、グラファイト、炭化珪素、窒素珪素、窒化ほう素、
窒化アルミニウム、カーボンブラック、ワラストナイ
ト、マイカ、セリサイト、バイロフィライト、金属フレ
ーク、黒鉛、シラスバルーン、パーライト、ガラス繊
維、炭素繊維、ウィスカー、金属繊維、シリコンカーバ
イト繊維等が例示できる。
填剤(C)および/またはゴム状物質(D)を配合する
ことにより接着力が向上する場合がある。本発明に使用
する充填剤(C)としては、従来公知の粒状、平板状、
鱗片状、針状、球状、中空状および繊維状の各種のもの
が用いられる。具体的には、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、硫酸カルシウム、珪酸カルシウム、水酸化マ
グネシウム、水酸化アルミニウム、クレー、珪そう土、
タルク、アルミナ、シリカ、ガラス粉、酸化鉄、金属
粉、グラファイト、炭化珪素、窒素珪素、窒化ほう素、
窒化アルミニウム、カーボンブラック、ワラストナイ
ト、マイカ、セリサイト、バイロフィライト、金属フレ
ーク、黒鉛、シラスバルーン、パーライト、ガラス繊
維、炭素繊維、ウィスカー、金属繊維、シリコンカーバ
イト繊維等が例示できる。
【0014】さらに、分散性を向上させるために、シラ
ンカップリング剤、有機チタネートカップリング剤、脂
肪酸またはその金属塩などで表面処理を施した充填剤を
用いてもよい。これらは単独でも混合物でもよく、目的
にあわせて種類と量が選択される。この配合量は合成樹
脂成分(A)+(B)100重量部に対して、3〜15
0重量部、好ましくは5〜130重量部、更に好ましく
は10〜100重量部の範囲である。上記含有量が3重
量部未満では接着力の向上効果が充分でなく、150重
量部を超える場合は機械的強度、特に衝撃強度の低下が
著しく好ましくない。
ンカップリング剤、有機チタネートカップリング剤、脂
肪酸またはその金属塩などで表面処理を施した充填剤を
用いてもよい。これらは単独でも混合物でもよく、目的
にあわせて種類と量が選択される。この配合量は合成樹
脂成分(A)+(B)100重量部に対して、3〜15
0重量部、好ましくは5〜130重量部、更に好ましく
は10〜100重量部の範囲である。上記含有量が3重
量部未満では接着力の向上効果が充分でなく、150重
量部を超える場合は機械的強度、特に衝撃強度の低下が
著しく好ましくない。
【0015】本発明に用いるゴム状物質(D)として
は、エチレン・プロピレンランダム共重合体ゴム、エチ
レン・プロピレン・ジエンランダム共重合体ゴム、1,
2−ポリブタジエン、スチレン・ブタジエン・スチレン
ブロック共重合体ゴムまたはその水添物、スチレン・イ
ソプレン・スチレンブロック共重合体ゴムまたはその水
添物、ポリイソブチレンゴム、スチレン・ブタジエンゴ
ム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴ
ム、ポリウレタンゴム、ポリエステル系エラストマー、
ポリアミド系エラストマー、天然ゴムなどがあり、なか
でもエチレン・プロピレンランダム共重合体ゴム、エチ
レン・プロピレン・ジエンランダム共重合体ゴムが好ま
しい。これらは単独でも、複数使用してもよい。これら
ゴム状物質のうち極性が強く、ポリオレフィン系合成樹
脂に相溶性の劣るものを使用するときは、その系に適し
た相溶化剤を使用することが好ましい。ゴム状物質の配
合量は、樹脂成分(A)+(B)100重量部に対して
3〜100重量部である。その配合量が3重量部未満で
は接着力の向上効果が充分でなく、100重量部を超え
る場合は耐熱性等の低下が著しく好ましくない。
は、エチレン・プロピレンランダム共重合体ゴム、エチ
レン・プロピレン・ジエンランダム共重合体ゴム、1,
2−ポリブタジエン、スチレン・ブタジエン・スチレン
ブロック共重合体ゴムまたはその水添物、スチレン・イ
ソプレン・スチレンブロック共重合体ゴムまたはその水
添物、ポリイソブチレンゴム、スチレン・ブタジエンゴ
ム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴ
ム、ポリウレタンゴム、ポリエステル系エラストマー、
ポリアミド系エラストマー、天然ゴムなどがあり、なか
でもエチレン・プロピレンランダム共重合体ゴム、エチ
レン・プロピレン・ジエンランダム共重合体ゴムが好ま
しい。これらは単独でも、複数使用してもよい。これら
ゴム状物質のうち極性が強く、ポリオレフィン系合成樹
脂に相溶性の劣るものを使用するときは、その系に適し
た相溶化剤を使用することが好ましい。ゴム状物質の配
合量は、樹脂成分(A)+(B)100重量部に対して
3〜100重量部である。その配合量が3重量部未満で
は接着力の向上効果が充分でなく、100重量部を超え
る場合は耐熱性等の低下が著しく好ましくない。
【0016】本発明で使用される接着剤は、基本的には
硬化型の接着剤であり、特にエポキシ系、ポリウレタン
系および反応型アクリル系の接着剤が好ましい。エポキ
シ系接着剤は、エポキシ樹脂と硬化剤、好ましくはアミ
ン系化合物とを主成分とするものである。エポキシ樹脂
としては、1分子中に2個以上のエポキシ基をもつもの
であれば特に制限はなく、例えばビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹
脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジルア
ミン系エポキシ樹脂、含プロムエポキシ樹脂、水添ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、プロピレングリコールグ
リシジルエーテルやペンタエリスリトールポリグリシジ
ルエーテルなどの脂肪族系エポキシ樹脂、ウレタン変性
エポキシ樹脂等が挙げられ、これらエポキシ樹脂は2種
以上混合して用いてもよい。
硬化型の接着剤であり、特にエポキシ系、ポリウレタン
系および反応型アクリル系の接着剤が好ましい。エポキ
シ系接着剤は、エポキシ樹脂と硬化剤、好ましくはアミ
ン系化合物とを主成分とするものである。エポキシ樹脂
としては、1分子中に2個以上のエポキシ基をもつもの
であれば特に制限はなく、例えばビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹
脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジルア
ミン系エポキシ樹脂、含プロムエポキシ樹脂、水添ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、プロピレングリコールグ
リシジルエーテルやペンタエリスリトールポリグリシジ
ルエーテルなどの脂肪族系エポキシ樹脂、ウレタン変性
エポキシ樹脂等が挙げられ、これらエポキシ樹脂は2種
以上混合して用いてもよい。
【0017】また、必要に応じて、粘度低下のためにブ
チルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテ
ル、クレシルグリシジルエーテル、脂肪族アルコールの
グリシジルエーテルなどのようなモノエポキシ化合物を
配合してもよい。
チルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテ
ル、クレシルグリシジルエーテル、脂肪族アルコールの
グリシジルエーテルなどのようなモノエポキシ化合物を
配合してもよい。
【0018】本発明で、エポキシ樹脂に使用される好ま
しい硬化剤であるアミン化合物としては、例えば、ジエ
チレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチル
アミノプロピルアミンのような脂肪族アミン;メンセン
ジアミン、イソフォロンジアミン、ビス(4−アミノ−
3−メチルシクロヘキシル)メタン、N−アミノエチル
ピペラジンのような脂環式ポリアミン;メタキシレンジ
アミンのような芳香環を含む脂肪族ポリアミン;第1、
第2、第3級アミン窒素を1分子中に有するポリエチレ
ンイミン;メタフェニレンジアミン、メチレンジアニリ
ン、ジアミノジフェニルスルフォンのような芳香族ポリ
アミン;上記脂肪族ポリアミンや、芳香環を含む脂肪族
ポリアミン、芳香族ポリアミンなどのポリアミン化合物
を公知の変性方法、例えば、エポキシ化合物との付加反
応、アクリロニトリル、アクリル酸エステルなどとのマ
イケル付加反応、メチロール化合物とのマンニッヒ反応
等により生成する変性ポリアミン;2−メチルイミダゾ
ール、2−エチル−4メチルイミダゾール、1−シアノ
エチル−2メチルイミダゾールのようなイミダゾール系
化合物;トリスジメチルアミノフェノールのような3級
アミン;トリスジメチルアミノメチルフェノールのトリ
−2−エチルヘキシル酸塩等が挙げられる。
しい硬化剤であるアミン化合物としては、例えば、ジエ
チレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチル
アミノプロピルアミンのような脂肪族アミン;メンセン
ジアミン、イソフォロンジアミン、ビス(4−アミノ−
3−メチルシクロヘキシル)メタン、N−アミノエチル
ピペラジンのような脂環式ポリアミン;メタキシレンジ
アミンのような芳香環を含む脂肪族ポリアミン;第1、
第2、第3級アミン窒素を1分子中に有するポリエチレ
ンイミン;メタフェニレンジアミン、メチレンジアニリ
ン、ジアミノジフェニルスルフォンのような芳香族ポリ
アミン;上記脂肪族ポリアミンや、芳香環を含む脂肪族
ポリアミン、芳香族ポリアミンなどのポリアミン化合物
を公知の変性方法、例えば、エポキシ化合物との付加反
応、アクリロニトリル、アクリル酸エステルなどとのマ
イケル付加反応、メチロール化合物とのマンニッヒ反応
等により生成する変性ポリアミン;2−メチルイミダゾ
ール、2−エチル−4メチルイミダゾール、1−シアノ
エチル−2メチルイミダゾールのようなイミダゾール系
化合物;トリスジメチルアミノフェノールのような3級
アミン;トリスジメチルアミノメチルフェノールのトリ
−2−エチルヘキシル酸塩等が挙げられる。
【0019】また、主としてダイマー酸とポリアミンの
縮合反応により生成する市販のバーサミド(ヘンケン白
水製)やトーマイド(富士化業工業製)、サンマイド
(三和化学工業製)、ラッカマイド(大日本インキ化学
工業製)等の商品名で知られるポリアミドポリアミンが
挙げられる。さらに、70〜80℃で硬化可能なもの、
例えば特開昭60−4524号、特開昭62−2652
3号、特開平1−254731号に示される潜在性硬化
剤を用いることもできる。エポキシ樹脂に対しては、以
上の主成分の他に、必要に応じて、無機系充填材、例え
ば、シリカ、石英ガラス、マイカ、炭酸カルシウム、ア
ルミナ、タルク、クレー、黒鉛、カーボンブラックなど
の粉末も添加できる。さらに、硬化性を向上させるため
に、フェノール、ノニルフェノール、サリチル酸、トリ
フェニルフォスファイトなどの公知の硬化促進剤を用い
ることもできる。
縮合反応により生成する市販のバーサミド(ヘンケン白
水製)やトーマイド(富士化業工業製)、サンマイド
(三和化学工業製)、ラッカマイド(大日本インキ化学
工業製)等の商品名で知られるポリアミドポリアミンが
挙げられる。さらに、70〜80℃で硬化可能なもの、
例えば特開昭60−4524号、特開昭62−2652
3号、特開平1−254731号に示される潜在性硬化
剤を用いることもできる。エポキシ樹脂に対しては、以
上の主成分の他に、必要に応じて、無機系充填材、例え
ば、シリカ、石英ガラス、マイカ、炭酸カルシウム、ア
ルミナ、タルク、クレー、黒鉛、カーボンブラックなど
の粉末も添加できる。さらに、硬化性を向上させるため
に、フェノール、ノニルフェノール、サリチル酸、トリ
フェニルフォスファイトなどの公知の硬化促進剤を用い
ることもできる。
【0020】本発明で用いるポリウレタン系接着剤は、
イソシアネート成分とポリオール成分を基本成分として
含むもので、必要に応じ、触媒、安定化剤、顔料、充填
剤、粘着付与剤等の補助成分が配合される。イソシアネ
ート成分には、脂肪族系イソシアネート、脂環族系イソ
シアネートおよび芳香族イソシアネートの他、それらの
変性体が包含される。脂肪族系イソシアネートとして
は、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートが挙げら
れ、脂環族系イソシアネートとしては、例えば、イソホ
ロンジイソシアネートが挙げられる。芳香族系イソシア
ネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソ
シアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシア
ネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリ
ス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等が挙
げられる。イソシアネート変性体としては、例えば、ウ
レタンプレポリマー、ヘキサメチレンジイソシアネート
ビューレット、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリ
マー、イソホロンジイソシアネートトリマー等が挙げら
れる。
イソシアネート成分とポリオール成分を基本成分として
含むもので、必要に応じ、触媒、安定化剤、顔料、充填
剤、粘着付与剤等の補助成分が配合される。イソシアネ
ート成分には、脂肪族系イソシアネート、脂環族系イソ
シアネートおよび芳香族イソシアネートの他、それらの
変性体が包含される。脂肪族系イソシアネートとして
は、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートが挙げら
れ、脂環族系イソシアネートとしては、例えば、イソホ
ロンジイソシアネートが挙げられる。芳香族系イソシア
ネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソ
シアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシア
ネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリ
ス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等が挙
げられる。イソシアネート変性体としては、例えば、ウ
レタンプレポリマー、ヘキサメチレンジイソシアネート
ビューレット、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリ
マー、イソホロンジイソシアネートトリマー等が挙げら
れる。
【0021】ポリオール成分としては、例えば、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグ
リコール、トリメチロールプロパン等の低分子量ポリオ
ール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキシ
ド/プロピレンオキシド共重合体等のポリエーテルポリ
オール;ポリカプロラクトン、ポリβ−メチル−δ−ブ
チロラクトン、ジオールと二塩基酸からのポリエステル
等が挙げられる。その他、水酸基含有液状ポリブタジエ
ン、ヒマシ油、ポリカーボネートジオール、アクリルポ
リオール等が挙げられる。
ングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグ
リコール、トリメチロールプロパン等の低分子量ポリオ
ール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキシ
ド/プロピレンオキシド共重合体等のポリエーテルポリ
オール;ポリカプロラクトン、ポリβ−メチル−δ−ブ
チロラクトン、ジオールと二塩基酸からのポリエステル
等が挙げられる。その他、水酸基含有液状ポリブタジエ
ン、ヒマシ油、ポリカーボネートジオール、アクリルポ
リオール等が挙げられる。
【0022】補助成分としては、シランカップリング
剤、チタンカップリング剤等のカップリング剤;テルペ
ン樹脂、フェノール樹脂、テルペン、ロジン樹脂、キシ
レン樹脂等の粘着付与剤;炭酸カルシウム、クレー、酸
化チタン、カーボンブラック、アエロジル等の充填剤や
揺変剤;紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐加
水分解安定剤等の安定剤等が挙げられる。
剤、チタンカップリング剤等のカップリング剤;テルペ
ン樹脂、フェノール樹脂、テルペン、ロジン樹脂、キシ
レン樹脂等の粘着付与剤;炭酸カルシウム、クレー、酸
化チタン、カーボンブラック、アエロジル等の充填剤や
揺変剤;紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐加
水分解安定剤等の安定剤等が挙げられる。
【0023】本発明において、ウレタン系接着剤は、一
液型及び二液型のいずれの態様においても用いることが
できる。また、その硬化タイプには、二液混合による反
応型、湿気硬化型及び熱硬化型が包含される。
液型及び二液型のいずれの態様においても用いることが
できる。また、その硬化タイプには、二液混合による反
応型、湿気硬化型及び熱硬化型が包含される。
【0024】本発明で用いる反応型アクリル系接着剤
は、アクリル系モノマー又はオリゴマーを主成分とする
液状の接着剤で、接着に際し、アニオン重合やラジカル
重合、レドックス重合によって硬化するものである。こ
のような反応型アクリル系接着剤としては、従来各種の
ものが知られており、例えば、2−シアノアクリル酸エ
ステルを主成分とするアニオン重合型の瞬間接着剤や、
メタクリル酸エステルを主成分とするレドックス重合型
のアクリル系接着剤(SGA)、多官能アクリル酸エス
テルや多官能メタクリル酸エステルを主成分とする紫外
線射によるラジカル重合型の紫外線硬化型接着剤等が挙
げられる。
は、アクリル系モノマー又はオリゴマーを主成分とする
液状の接着剤で、接着に際し、アニオン重合やラジカル
重合、レドックス重合によって硬化するものである。こ
のような反応型アクリル系接着剤としては、従来各種の
ものが知られており、例えば、2−シアノアクリル酸エ
ステルを主成分とするアニオン重合型の瞬間接着剤や、
メタクリル酸エステルを主成分とするレドックス重合型
のアクリル系接着剤(SGA)、多官能アクリル酸エス
テルや多官能メタクリル酸エステルを主成分とする紫外
線射によるラジカル重合型の紫外線硬化型接着剤等が挙
げられる。
【0025】本発明では、接着作業に先立ち、ポリオレ
フィン系樹脂成形品(以下、単に成形品とも言う)の表
面に紫外線を照射するが、この場合、照射する光は、3
00nm以下の領域に照射波長を持つ特殊な紫外線であ
る。ポリオレフィン系樹脂成形品に対する紫外線の作用
は波長により異なり、短波長の方がより効果的である。
従って、300nm以下、好ましくは254nmより短
波長の光エネギーが全エネルギーの85%以上占めるこ
とが望ましく、さらには、185nm近辺を作用波長と
する紫外線が好ましい。従って、紫外線照射ランプの材
質は短波長の紫外線の透過率の高いものが好ましく、天
然産石英ガラスよりも純度の高い合成石英ガラスが好ま
しい。
フィン系樹脂成形品(以下、単に成形品とも言う)の表
面に紫外線を照射するが、この場合、照射する光は、3
00nm以下の領域に照射波長を持つ特殊な紫外線であ
る。ポリオレフィン系樹脂成形品に対する紫外線の作用
は波長により異なり、短波長の方がより効果的である。
従って、300nm以下、好ましくは254nmより短
波長の光エネギーが全エネルギーの85%以上占めるこ
とが望ましく、さらには、185nm近辺を作用波長と
する紫外線が好ましい。従って、紫外線照射ランプの材
質は短波長の紫外線の透過率の高いものが好ましく、天
然産石英ガラスよりも純度の高い合成石英ガラスが好ま
しい。
【0026】成形品の表面に該紫外線を照射する場合、
成形品とランプとの距離は、1〜50cm程度が、さら
に好ましくは5〜30cmの範囲が好ましい。照射距離
が1cm以下では過度に照射されて、成形品の表面が化
学的に劣化する場合がある。またこの距離が50cm以
上では照射強度が不十分で充分な接着力が得られないこ
とがある。照射時間については任意であるが、これが短
すぎると充分な接着力が得られない場合があり、逆に時
間が長すぎると(特に照射距離が短い場合)過度に照射
されて劣化現象をおこすことがあるので、20秒〜5分
程度が現実的な処理時間である。
成形品とランプとの距離は、1〜50cm程度が、さら
に好ましくは5〜30cmの範囲が好ましい。照射距離
が1cm以下では過度に照射されて、成形品の表面が化
学的に劣化する場合がある。またこの距離が50cm以
上では照射強度が不十分で充分な接着力が得られないこ
とがある。照射時間については任意であるが、これが短
すぎると充分な接着力が得られない場合があり、逆に時
間が長すぎると(特に照射距離が短い場合)過度に照射
されて劣化現象をおこすことがあるので、20秒〜5分
程度が現実的な処理時間である。
【0027】本発明において、接着剤を塗布する前に、
脱脂、清浄化等の目的でアルコール系や鉱油系の溶剤等
で成形品表面を処理することが通常行われるが、あらか
じめ次に述べる有機溶剤に接触させた後に紫外線を照射
することにより、さらに強固な接着力を得ることができ
る。使用する有機溶剤としては、紫外線吸収性を有する
ものが好ましい。この紫外線吸収性溶剤は、その溶剤自
体が分与内に紫外線吸収構造を持つものであっても、紫
外線吸収性構造を持つ添加剤を溶剤に溶解させたもので
あってもよい。前者の例としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、デカリン、テトラリンなどの芳香族炭化
水素系溶剤、四塩化炭素、トリクロルエチレン、テトラ
クロルエチレン、クロロホルム、トリクロルエタン、テ
トラクロルエタン、トリクロルトリフロロエタン、ブロ
ムベンゼン、ジクロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水
素系溶剤、あるいはアクリル酸エステル系溶剤などがあ
り、後者の例としては、アセトフェノン系誘導体、ベン
ゾフェノン系誘導体、ベンゾイン系誘導体、ジアゾニウ
ム塩系誘導体などの光増感剤を溶解した芳香族炭化水
素、ハロゲン化炭化水素、アクリル酸エステル、アクリ
ルアミド等の溶剤がある。成形品表面に、有機溶剤を接
触させる方法としては、浸せき法の他、噴霧、塗布等の
方法があり、またこの成形品と溶剤との接触に際して
は、超音波を印加して成形品表面への溶剤の収着を促進
させることもできる。
脱脂、清浄化等の目的でアルコール系や鉱油系の溶剤等
で成形品表面を処理することが通常行われるが、あらか
じめ次に述べる有機溶剤に接触させた後に紫外線を照射
することにより、さらに強固な接着力を得ることができ
る。使用する有機溶剤としては、紫外線吸収性を有する
ものが好ましい。この紫外線吸収性溶剤は、その溶剤自
体が分与内に紫外線吸収構造を持つものであっても、紫
外線吸収性構造を持つ添加剤を溶剤に溶解させたもので
あってもよい。前者の例としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、デカリン、テトラリンなどの芳香族炭化
水素系溶剤、四塩化炭素、トリクロルエチレン、テトラ
クロルエチレン、クロロホルム、トリクロルエタン、テ
トラクロルエタン、トリクロルトリフロロエタン、ブロ
ムベンゼン、ジクロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水
素系溶剤、あるいはアクリル酸エステル系溶剤などがあ
り、後者の例としては、アセトフェノン系誘導体、ベン
ゾフェノン系誘導体、ベンゾイン系誘導体、ジアゾニウ
ム塩系誘導体などの光増感剤を溶解した芳香族炭化水
素、ハロゲン化炭化水素、アクリル酸エステル、アクリ
ルアミド等の溶剤がある。成形品表面に、有機溶剤を接
触させる方法としては、浸せき法の他、噴霧、塗布等の
方法があり、またこの成形品と溶剤との接触に際して
は、超音波を印加して成形品表面への溶剤の収着を促進
させることもできる。
【0028】本発明において溶剤と接触させる際、該溶
剤は常温でもよいがそれを加熱したほうが効果が高ま
る。加熱する温度はなるべき高温のほうが好ましいが過
度に加熱すると揮発、蒸発が激しくなるので30〜80
℃程度が推奨される。溶剤と接触させる際のもう一つの
好ましい方法は成形品自体を加熱する方法である。これ
により溶剤の揮発、蒸発を最小限にとどめることができ
る。成形品の加熱温度も高いほうが好ましいが、高すぎ
ると成形品が変形あるいは溶解することがあるので30
〜100℃程度が好ましい。溶剤に接触させる時間は5
秒〜20分、好ましくは10秒〜5分である。5秒以下
では実質的な溶剤処理効果が期待できず、20分以上接
触させても効果は向上せず経済的に不利となる。
剤は常温でもよいがそれを加熱したほうが効果が高ま
る。加熱する温度はなるべき高温のほうが好ましいが過
度に加熱すると揮発、蒸発が激しくなるので30〜80
℃程度が推奨される。溶剤と接触させる際のもう一つの
好ましい方法は成形品自体を加熱する方法である。これ
により溶剤の揮発、蒸発を最小限にとどめることができ
る。成形品の加熱温度も高いほうが好ましいが、高すぎ
ると成形品が変形あるいは溶解することがあるので30
〜100℃程度が好ましい。溶剤に接触させる時間は5
秒〜20分、好ましくは10秒〜5分である。5秒以下
では実質的な溶剤処理効果が期待できず、20分以上接
触させても効果は向上せず経済的に不利となる。
【0029】本発明で成形品に接着剤を塗布する方法は
限定されず、従来公知の各種の方法が、成形品の形状に
応じて適切に選択される。このような塗布方法として
は、ハケ塗り法、スプレー法、浸漬法、ロールコート法
等が挙げられる。
限定されず、従来公知の各種の方法が、成形品の形状に
応じて適切に選択される。このような塗布方法として
は、ハケ塗り法、スプレー法、浸漬法、ロールコート法
等が挙げられる。
【0030】
【発明の効果】上述のように、本発明は、変性したポリ
オレフィンからなる合成樹脂成形品を特殊の紫外線を用
いて表面処理し、硬化型の接着剤により接着する方法で
あり、従来接着困難とされた表面活性の低いポリオレフ
ィン系合成樹脂成形品に対し、簡便かつ安全で、公害問
題を惹起せず、安いコストでかつ強固な接着力で各種材
料を接着させることができ、工業的に有効な接着法を与
えるものである。本発明の対称となるポリオレフィン系
合成樹脂成形品には、射出成形品、中空成形品、圧縮成
形品、押出成形品(フィルム、シート、パイプ、異形押
出品、押出被覆品)等が包含され、その成形品は、自動
車部品、電気部品等の工業材料をはじめ建築材料、包装
材料、家庭用品、事務用品等広範囲に使用される。ま
た、本発明において、ポリオレフィン系樹脂成形品に対
する相手側の材料は、同種のポリオレフィン系樹脂であ
ることができる他、未変性のポリオレフィン系樹脂成形
品、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリウ
レタン、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリイミ
ド、フェノール樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、
ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエーテルスルホン、ABS樹脂、ポリアセタ
ール等の合成樹脂、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス
スチール、亜鉛等の金属又は合金のフィルムや板体もし
くはその加工品、あるいは成形品;各種のセラミックス
成形品、クロス、繊維、紙、木材等が挙げられる。
オレフィンからなる合成樹脂成形品を特殊の紫外線を用
いて表面処理し、硬化型の接着剤により接着する方法で
あり、従来接着困難とされた表面活性の低いポリオレフ
ィン系合成樹脂成形品に対し、簡便かつ安全で、公害問
題を惹起せず、安いコストでかつ強固な接着力で各種材
料を接着させることができ、工業的に有効な接着法を与
えるものである。本発明の対称となるポリオレフィン系
合成樹脂成形品には、射出成形品、中空成形品、圧縮成
形品、押出成形品(フィルム、シート、パイプ、異形押
出品、押出被覆品)等が包含され、その成形品は、自動
車部品、電気部品等の工業材料をはじめ建築材料、包装
材料、家庭用品、事務用品等広範囲に使用される。ま
た、本発明において、ポリオレフィン系樹脂成形品に対
する相手側の材料は、同種のポリオレフィン系樹脂であ
ることができる他、未変性のポリオレフィン系樹脂成形
品、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリウ
レタン、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリイミ
ド、フェノール樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、
ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエーテルスルホン、ABS樹脂、ポリアセタ
ール等の合成樹脂、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス
スチール、亜鉛等の金属又は合金のフィルムや板体もし
くはその加工品、あるいは成形品;各種のセラミックス
成形品、クロス、繊維、紙、木材等が挙げられる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。なお、以下において示す部および%はいずれも重量
基準である。
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。なお、以下において示す部および%はいずれも重量
基準である。
【0032】
【実施例1〜18】(A)変性ポリオレフィン合成樹
脂、(B)未変性ポリオレフィン合成樹脂、(C)無機
充填剤、および(D)ゴム状物質を表1に示すように配
合し、混練押出機(中谷機械株式会社製、NVC−5
0)を用いて組成物を得た。この組成物について、射出
成形機(東芝機械株式会社、IS−100)を用い、厚
さ3mmの板を成形した。
脂、(B)未変性ポリオレフィン合成樹脂、(C)無機
充填剤、および(D)ゴム状物質を表1に示すように配
合し、混練押出機(中谷機械株式会社製、NVC−5
0)を用いて組成物を得た。この組成物について、射出
成形機(東芝機械株式会社、IS−100)を用い、厚
さ3mmの板を成形した。
【0033】つぎにこの成形板を10mm幅にカット
し、イソプロピレンアルコールでワイピングした後低圧
水銀ランプ(セン特殊光源株式会社製、SUV−11
0)の下に置き、光源と成形板表面との距離を5cmに
保ち、空気雰囲気中で2分間照射照射した。ただし、こ
こで使用した低圧水銀ランプは、85nmの波長におけ
る光の透過率が85%以上である合成石英を用いて作製
されたものである。
し、イソプロピレンアルコールでワイピングした後低圧
水銀ランプ(セン特殊光源株式会社製、SUV−11
0)の下に置き、光源と成形板表面との距離を5cmに
保ち、空気雰囲気中で2分間照射照射した。ただし、こ
こで使用した低圧水銀ランプは、85nmの波長におけ
る光の透過率が85%以上である合成石英を用いて作製
されたものである。
【0034】つぎにこの照射済み成形板に、下記の接着
剤(E1〜E3)を塗布し、アセトンでワイピングした
軟鋼板(JIS G3141、125×25×1.6m
m)を、オーバーラップ7mmで貼合わせ、クリップに
て圧締し、80℃で1時間加熱処理した。このようにし
て得られた試験片の25℃における引張せん断接着強さ
を測定し、その結果を表1に示した。なお、引張せん断
接着強さの測定は、インストロン万能試験機を用いて、
クロスヘッドスピード5mm/minの条件で行った。
剤(E1〜E3)を塗布し、アセトンでワイピングした
軟鋼板(JIS G3141、125×25×1.6m
m)を、オーバーラップ7mmで貼合わせ、クリップに
て圧締し、80℃で1時間加熱処理した。このようにし
て得られた試験片の25℃における引張せん断接着強さ
を測定し、その結果を表1に示した。なお、引張せん断
接着強さの測定は、インストロン万能試験機を用いて、
クロスヘッドスピード5mm/minの条件で行った。
【0035】
【比較例1〜4】表1に示した合成樹脂成形板につい
て、前記実施例と同じ方法で照射、接着し、得られた試
験片のその引張せん断接着強さを測定した。その結果を
表1に示す。
て、前記実施例と同じ方法で照射、接着し、得られた試
験片のその引張せん断接着強さを測定した。その結果を
表1に示す。
【0036】
【比較例5〜6】表1に示した合成樹脂成形板につい
て、紫外線照射をせずに接着した場合の試験片の引張せ
ん断接着強さを表1に示す。なお、本実施例および比較
例で用いたポリオレフィン合成樹脂、充填剤、ゴム状物
質および接着剤の内容を以下に示す。 (A)変性ポリオレフィン合成樹脂 (A1)無水マレイン酸変性ポリプロピレン:ポリプロ
ピレン(PP)(MFR=1.5g/10min)10
0部に対し無水マレイン酸0.2部をラジカル開始剤
(ジクミルパーオキサイド)0.05部の存在下、押出
法でグラフト反応させた変性PP。酸付加量0.1%
(PPに対し)。 (A2)無水マレイン酸変性ポリエチレン:高密度ポリ
エチレン(PE)(MFR=5g/10min)100
部に対し無水マレイン酸0.25部をラジカル開始剤
(ジクミルパーオキサイド)0.02部の存在下、押出
法でグラフト反応させた変性PE。酸付加量0.2%
(PEに対し)。 (A3)無水マレイン酸変性エチレン/プロピレン共重
合体ゴム:エチレン/プロピレン共重合体(EPR)
(ML1+d(100))100部に対し無水マレイン酸20部
をラジカル開始剤(ジクミルパーオキサイド)4部の存
在下、溶液法(キシレン溶液中)でグラフト反応させた
変性EPR。酸付加量2%(EPRに対し)。 (A4)エチレン−エチルアクリレート共重合体:商品
名「日石レクスロンEEA、A4250」(日本石油化
学株式会社) (A5)エチレン−グリシジルメタクリレート共重合
体:商品名「日石レクスパールRA」(日本石油化学株
式会社製) (A6)エチレン−ヒドロキシエチルメタクリレート共
重合体 (A7)エチレン−ジメチルアミノメタクリレート共重
合体 (A8)オキサゾリン変性ポリエチレン (B)未変性ポリオレフィン合成樹脂 (B1)PP:商品名「日石ポリプロJ650G」(M
FR=8g/10min)(日本石油化学株式会社製) (B2)高密度PE:商品名「日石スタフレンE65
0」(MFR=5g/10min)(日本石油化学株式
会社製) (C)無機充填剤 (C1)タルク:商品名「FFR」(浅田製粉株式会社
製) (C2)炭酸カルシウム:商品名「BSK−5」(同和
カルファイン株式会社製) (D)ゴム状物質 (D1)EPR:商品名「EP02P」(日本合成ゴム
株式会社製) (D2)EPR:商品名「EP57P」(日本合成ゴム
株式会社製) (D3)スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重
合ゴムの水添物:商品名「クレイトンG1657」(シ
ェル化学株式会社製) (E)接着剤 (E1)エポキシ系接着剤:ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、商品名「アラルダイトAW106」100重量
部および硬化剤、商品名「ハードナーHV953U」8
0重量部(いずれも長瀬チバ株式会社製)の混合物。両
者は塗布の直前に混合した。 (E2)ウレタン系接着剤:商品名「URALANE5
772A(主剤)」、「URALANE5772B(硬
化剤)」、主剤と硬化剤の混合比=100/23(重量
部)、(FURANE PRODUCTS CO.製) (E3)反応型アクリル系接着剤:商品名「ハードロッ
クE−510K−07」(電気化学工業株式会社製)
て、紫外線照射をせずに接着した場合の試験片の引張せ
ん断接着強さを表1に示す。なお、本実施例および比較
例で用いたポリオレフィン合成樹脂、充填剤、ゴム状物
質および接着剤の内容を以下に示す。 (A)変性ポリオレフィン合成樹脂 (A1)無水マレイン酸変性ポリプロピレン:ポリプロ
ピレン(PP)(MFR=1.5g/10min)10
0部に対し無水マレイン酸0.2部をラジカル開始剤
(ジクミルパーオキサイド)0.05部の存在下、押出
法でグラフト反応させた変性PP。酸付加量0.1%
(PPに対し)。 (A2)無水マレイン酸変性ポリエチレン:高密度ポリ
エチレン(PE)(MFR=5g/10min)100
部に対し無水マレイン酸0.25部をラジカル開始剤
(ジクミルパーオキサイド)0.02部の存在下、押出
法でグラフト反応させた変性PE。酸付加量0.2%
(PEに対し)。 (A3)無水マレイン酸変性エチレン/プロピレン共重
合体ゴム:エチレン/プロピレン共重合体(EPR)
(ML1+d(100))100部に対し無水マレイン酸20部
をラジカル開始剤(ジクミルパーオキサイド)4部の存
在下、溶液法(キシレン溶液中)でグラフト反応させた
変性EPR。酸付加量2%(EPRに対し)。 (A4)エチレン−エチルアクリレート共重合体:商品
名「日石レクスロンEEA、A4250」(日本石油化
学株式会社) (A5)エチレン−グリシジルメタクリレート共重合
体:商品名「日石レクスパールRA」(日本石油化学株
式会社製) (A6)エチレン−ヒドロキシエチルメタクリレート共
重合体 (A7)エチレン−ジメチルアミノメタクリレート共重
合体 (A8)オキサゾリン変性ポリエチレン (B)未変性ポリオレフィン合成樹脂 (B1)PP:商品名「日石ポリプロJ650G」(M
FR=8g/10min)(日本石油化学株式会社製) (B2)高密度PE:商品名「日石スタフレンE65
0」(MFR=5g/10min)(日本石油化学株式
会社製) (C)無機充填剤 (C1)タルク:商品名「FFR」(浅田製粉株式会社
製) (C2)炭酸カルシウム:商品名「BSK−5」(同和
カルファイン株式会社製) (D)ゴム状物質 (D1)EPR:商品名「EP02P」(日本合成ゴム
株式会社製) (D2)EPR:商品名「EP57P」(日本合成ゴム
株式会社製) (D3)スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重
合ゴムの水添物:商品名「クレイトンG1657」(シ
ェル化学株式会社製) (E)接着剤 (E1)エポキシ系接着剤:ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、商品名「アラルダイトAW106」100重量
部および硬化剤、商品名「ハードナーHV953U」8
0重量部(いずれも長瀬チバ株式会社製)の混合物。両
者は塗布の直前に混合した。 (E2)ウレタン系接着剤:商品名「URALANE5
772A(主剤)」、「URALANE5772B(硬
化剤)」、主剤と硬化剤の混合比=100/23(重量
部)、(FURANE PRODUCTS CO.製) (E3)反応型アクリル系接着剤:商品名「ハードロッ
クE−510K−07」(電気化学工業株式会社製)
【0037】
【表1】
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 加藤 浩一郎
茨城県つくば市東1丁目1番4号 工業技
術院製品科学研究所内
(72)発明者 野際 基実
神奈川県逗子市小坪6−16−18
(72)発明者 小林 昌利
神奈川県横浜市磯子区磯子8−11
(72)発明者 青山 淳
神奈川県川崎市川崎区昭和2−5−11
(72)発明者 天野 博
兵庫県龍野市龍野町中井236 長瀬チバ株
式会社龍野工場内
Claims (4)
- 【請求項1】 (A)A1:カルボン酸基、カルボン酸
エステル基または酸無水基含有モノマー、A2:エポキ
シ基含有モノマー、A3:ヒドロキシル基含有モノマ
ー、A4:アミノ基含有モノマー、A5:アルケニル環
状イミノエーテル誘導体およびA6:多官能不飽和モノ
マーから選ばれた少なくとも1種のモノマーを反応せし
めたポリオレフィン系合成樹脂1〜100重量%、およ
び(B)ポリオレフィン合成樹脂0〜99重量%よりな
る成形品を、相互にあるいは他の物質と接着するに際
し、該成形品の表面に300nm以下の波長を主な波長
成分とする紫外線を照射し、硬化型接着剤により接着す
ることを特徴とするポリオレフィン系合成樹脂成形品の
接着方法。 - 【請求項2】 (A)A1:カルボン酸基、カルボン酸
エステル基または酸無水基含有モノマー、A2:エポキ
シ基含有モノマー、A3:ヒドロキシル基含有モノマ
ー、A4:アミノ基含有モノマー、A5:アルケニル環
状イミノエーテル誘導体およびA6:多官能不飽和モノ
マーから選ばれた少なくとも1種のモノマーを反応せし
めたポリオレフィン系合成樹脂1〜100重量%、
(B)ポリオレフィン合成樹脂0〜99重量%、および
上記(A)+(B)の樹脂100重量部に対して3〜1
50重量部の(C)充填剤および/または3〜100重
量部の(D)ゴム状物質を含む組成物よりなる成形品
を、相互にあるいは物質と接着させるに際し、該成形品
の表面に300nm以下の波長を主な波長成分とする紫
外線を照射し、硬化型接着剤により接着することを特徴
とするポリオレフィン系合成樹脂成形品の接着方法。 - 【請求項3】 硬化型接着剤が、エポキシ系接着剤、ポ
リウレタン系接着剤、および反応型アクリル系接着剤よ
りえらばれた少なくとも1種である請求項1又は2に記
載のポリオレフィン系合成樹脂成形品の接着方法。 - 【請求項4】 紫外線が184.9nmを主な波長成分
とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリオレフィン
系合成樹脂成形品の接着方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2412239A JP2566850B2 (ja) | 1990-12-19 | 1990-12-19 | ポリオレフィン系合成樹脂成形品の接着方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2412239A JP2566850B2 (ja) | 1990-12-19 | 1990-12-19 | ポリオレフィン系合成樹脂成形品の接着方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH059304A true JPH059304A (ja) | 1993-01-19 |
JP2566850B2 JP2566850B2 (ja) | 1996-12-25 |
Family
ID=18521103
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2412239A Expired - Lifetime JP2566850B2 (ja) | 1990-12-19 | 1990-12-19 | ポリオレフィン系合成樹脂成形品の接着方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2566850B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002302653A (ja) * | 2001-02-02 | 2002-10-18 | Sekisui Chem Co Ltd | 合成木材の接着方法 |
JP2003139956A (ja) * | 1999-02-26 | 2003-05-14 | Asahi Glass Co Ltd | 位相差素子、光学素子および光ヘッド装置 |
JP2005126609A (ja) * | 2003-10-24 | 2005-05-19 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | 接着方法及び接着前処理方法 |
US7153622B2 (en) | 2001-04-27 | 2006-12-26 | Canon Kabushiki Kaisha | Electrostatic charge image developing toner, producing method therefor, image forming method and image forming apparatus utilizing the toner, construct and method for making the construct |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60166332A (ja) * | 1984-02-10 | 1985-08-29 | Showa Denko Kk | 樹脂成形物の表面処理方法 |
-
1990
- 1990-12-19 JP JP2412239A patent/JP2566850B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60166332A (ja) * | 1984-02-10 | 1985-08-29 | Showa Denko Kk | 樹脂成形物の表面処理方法 |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003139956A (ja) * | 1999-02-26 | 2003-05-14 | Asahi Glass Co Ltd | 位相差素子、光学素子および光ヘッド装置 |
JP2002302653A (ja) * | 2001-02-02 | 2002-10-18 | Sekisui Chem Co Ltd | 合成木材の接着方法 |
US7153622B2 (en) | 2001-04-27 | 2006-12-26 | Canon Kabushiki Kaisha | Electrostatic charge image developing toner, producing method therefor, image forming method and image forming apparatus utilizing the toner, construct and method for making the construct |
JP2005126609A (ja) * | 2003-10-24 | 2005-05-19 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | 接着方法及び接着前処理方法 |
JP4521657B2 (ja) * | 2003-10-24 | 2010-08-11 | 株式会社豊田中央研究所 | 接着方法及び接着前処理方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2566850B2 (ja) | 1996-12-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO1994019378A1 (en) | Process for producing polymer | |
JP3132595B2 (ja) | プラスチック成形品の接着方法及び電気・電子部品の樹脂封止方法 | |
WO1991011484A1 (en) | Surface activation of thermoplastic resin molding | |
KR19980701973A (ko) | 에폭시화 유기계 중합체의 제조방법, 열가소성 수지조성물, 프라이머 조성물, 미가류 고무조성물, 고무성형물 및 고무성형물의 제조방법 | |
JP2566850B2 (ja) | ポリオレフィン系合成樹脂成形品の接着方法 | |
JP2714596B2 (ja) | 電 池 | |
JP2566863B2 (ja) | ポリオレフィン系合成樹脂成形品の接着方法 | |
JP2516845B2 (ja) | 電 池 | |
EP1048707A1 (en) | Photocurable adhesive composition, resin laminate made by using the same, and process for producing the same | |
JP2010275526A (ja) | シーラント用トップコート組成物 | |
JP4470009B2 (ja) | 熱硬化型水性塗料組成物及び複層塗膜形成方法 | |
JP3421754B2 (ja) | ポリオレフィン系合成樹脂成形品の接着方法 | |
CN114096603B (zh) | 包含吸热发泡剂的可热膨胀组合物 | |
WO1991011483A1 (en) | Surface treatment of thermoplastic resin molding | |
JP2022535654A (ja) | 化学発泡剤を含む熱膨張性組成物 | |
JPS6055012A (ja) | プロピレン系重合体組成物 | |
JP2006328116A (ja) | 活性エネルギー線架橋型接着剤及びゴムとの接着方法 | |
JP2000273389A (ja) | バインダー樹脂組成物およびその用途 | |
JP3081290B2 (ja) | 樹脂組成物 | |
JPH0762124A (ja) | 電池及び電気・電子部品の樹脂封止体 | |
JP2009185113A (ja) | 紫外線反応架橋型接着剤組成物、ゴム複合体、及び基材とゴムとの接着方法 | |
WO2007010870A1 (ja) | 活性エネルギー線架橋型接着剤及びゴムとの接着方法 | |
JP4455915B2 (ja) | オレフィン系樹脂を基材とする自動車植毛製品の製造方法 | |
JP3173931B2 (ja) | 表皮材及び発泡体を有する樹脂積層物 | |
JP2022083664A (ja) | 接合体の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |