JPH0592805A - 搬送用ベルト及びその製造方法 - Google Patents

搬送用ベルト及びその製造方法

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JPH0592805A
JPH0592805A JP25003491A JP25003491A JPH0592805A JP H0592805 A JPH0592805 A JP H0592805A JP 25003491 A JP25003491 A JP 25003491A JP 25003491 A JP25003491 A JP 25003491A JP H0592805 A JPH0592805 A JP H0592805A
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Kazuhiko Nakahira
一彦 中平
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ベルト本体部の上面に、複数の突部を有し該
各突部に貫通孔が形成されている搬送用ベルトにおい
て、亀裂の発生を防止する。 【構成】 歯付ベルト本体部2の上面にプレス加硫によ
り搬送用ベルト部3を設ける。搬送用ベルト部3は複数
の突部3aを有する。搬送用ベルト部3の各突部3aは
貫通孔3bを有する。突部3aの貫通孔3bの周辺部分
を第1補強帆布6で補強する。それによって貫通孔3b
の周辺部分、突部3aの根元部付近での亀裂の発生を防
止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ベルト本体部の上面
に、複数の突部を有し該各突部に貫通孔が形成されてい
る搬送用ベルト部が設けられてなる搬送用ベルト及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、昇降機などの搬送用ベルトとし
て、抗張体を有する歯付ベルト部の上面に、貫通孔を有
する複数の突部を形成し、該突部の貫通孔に棒状体又は
管状体を挿通し連結してなるものは知られている(例え
ば実公平2−13369号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、そのような
搬送用ベルトは、突部が熱可塑性ポリウレタンゴム等の
単一材料にて構成され、該突部が歯付ベルト部の背面側
に接着又は熱融着等により取付けられているので、図5
に示すように、棒状体又は管状体が挿通される貫通孔a
の周辺部及び、歯付ベルト部bと突部cとの接合部分の
強度が劣り、使用中においてそれらの部分に亀裂d1 ,
d2 が発生して、ベルト寿命が短くなっていた。
【0004】本発明はかかる点に鑑みてなされたもの
で、上述した如き搬送用ベルトにおいて、亀裂の発生を
防止して長寿命化を図ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、心体層を有す
るベルト本体部の上面に、複数の突部を有し該各突部に
貫通孔が形成されている搬送用ベルト部が設けられてな
る搬送用ベルト及びその製造方法を前提とする。
【0006】請求項1の発明は、上記搬送用ベルト部
は、上記各突部の貫通孔の周辺部分の少なくとも一部に
補強帆布が位置するように波形形状に埋設されている構
成とする。そして、請求項2の発明は、ベルト本体部の
心体層の上側に、スダレコ−ドがベルト幅方向に配列さ
れてなる横スダレコ−ド層が配設されている。
【0007】請求項3の発明は、ベルト本体部の上面に
板ゴムシ−トを貼り付け、それを下金型に適用した状態
で、左右金型及び該左右金型間に架設される複数のシャ
フト部材をセットし、その上に、第1の未加硫の板ゴム
シ−ト、補強帆布及び第2の未加硫の板ゴムシ−トを重
積し、それらに対し突起部の形状に対応した凹凸形状を
有する上金型を適用してプレス加硫する構成とする。
【0008】
【作用】請求項1の発明によれば、搬送用ベルト部に波
形形状に埋設された補強帆布によって、搬送用ベルト部
の突部が補強される。各突部の貫通孔の周辺部分に位置
する補強帆布によって、貫通孔周辺部が補強される。
【0009】請求項2の発明によれば、横スダレコ−ド
層によってベルト本体部のベルト幅方向の剛性が高めら
れる。よって、ベルト全体がベルト長手方向に対しU字
形状に反り返る現象が起こらない。
【0010】請求項3の発明によれば、上下金型、左右
金型及びシャフト部材によって、搬送用ベルト部の各突
部に貫通孔が精度良く形成される。貫通孔周辺部分への
補強帆布の配置も容易になされる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に沿って詳細に
説明する。
【0012】概略構成を示す図1において、1は搬送用
ベルトで、複数の歯部2aがベルト長手方向において一
定のピッチでもって配列されてなる歯付ベルト本体部2
(ベルト本体部)の上面に、断面略台形状の複数の突部
3a,3a,…が同じくベルト長手方向において一定の
ピッチでもって形成されてなる搬送ベルト部3が設けら
れている。歯付ベルト本体部2は、ベルト長手方向に螺
旋状に心体コ−ドが埋設されてなる心体層4を有し、そ
の背面側に、スダレコ−ドがベルト幅方向に配設されて
なる横スダレコ−ド層5が、歯付ベルト本体部2の反り
の防止のために配設されている。
【0013】上記搬送用ベルト部3の各突部3aは、棒
状体又は管状体が挿通される貫通孔3bを有し、上記搬
送用ベルト部3には、貫通孔3bの周辺部分に一部が位
置するように第1補強帆布6が波形形状となるように埋
設されている。つまり、第1補強帆布6は、突部3a,
3a間すなわち突部3aのベルト長手方向の端部付近に
おいて横スダレコ−ド層5に最も近づき、それから突部
3aの中央部になるに連れて横スダレコ−ド層5から徐
々に離れ、貫通孔3bに関して横スダレコ−ド層5と反
対側の位置で貫通孔3bの周辺部分に位置し、それから
再び突部3a,3a間に向けて徐々に横スダレコ−ド層
5に近づく波形形状となるように埋設されている。この
補強帆布6によって、突部3aの強度が高められ、棒状
体又は管状体が挿通される貫通孔3bの周辺部及び、歯
付ベルト本体部2と突部3aとの接合部分が補強されて
いる。
【0014】また、各突部3aの上面に対しては第2補
強帆布7が積層され、突部3aの上部の割れを防止する
ようになっている。
【0015】上記実施例では、ベルト本体部が歯付ベル
ト本体部2の場合の例について説明しているが、Vベル
ト本体部、Vリブドベルト本体部、平ベルト本体部、結
合ベルト本体部の場合も同様に適用することができる。
また、歯付ベルト本体部2の反りの防止のために横スダ
レコ−ド層5を設けているが、それの代わりに、綿、合
成繊維等の帆布層、短繊維混入ゴム層などを用いること
もできる。
【0016】次いで、上記搬送用ベルトの製造方法につ
いて説明する。
【0017】まず、予め成形されたエンドレスの歯付ベ
ルト本体部11の背面をバフ仕上げし、周知のベルト成
形の場合と同様に、該歯付ベルト本体部11を2つのプ
−リ12,13に巻き掛け(図2参照)、一定の張力を
付与する。
【0018】そして、ベルト本体部11の、バフ仕上げ
された背面に糊ゴムを塗布し、2プレス分に相当するぐ
らい板ゴムシ−ト14を貼り付ける(図2参照)。それ
と共に、下金型(図示せず)にベルト曲面を合致させ
る。
【0019】それから、歯付ベルト本体部11の両側面
に、図3に示すように、突起成形用の左右金型16,1
7をセットする。この左右金型16,17は、規則的に
幅方向に開設された複数の貫通孔16a,…,17a,
…を有する。この左右金型16,17の貫通孔16a,
…,17a,…に、前述した搬送用ベルト1の各突部3
aの貫通孔3bに対応するシャフト部材18,…を挿通
する。
【0020】そして、その上に、各突部3aを形成する
こととなる、第1板ゴムシ−ト、補強帆布及び第2板ゴ
ムシ−ト(図示省略)を順に重積し、その後、突部を成
形するために、突部の形状に対応した凹凸形状を下側に
有する上金型19を載置して、プレス加硫する。
【0021】加硫終了後、上金型19を上昇し、シャフ
ト部材18を抜き、左右金型16,17を外すことによ
り、所望の搬送用ベルトが成形される。
【0022】なお、上記方法は、第2補強帆布7を有さ
ない搬送用ベルトを製造する方法であるが、第2補強帆
布7を有するベルトの場合には、上記第2板ゴムシ−ト
の上側に第2補強帆布を載置し、それからプレス加硫す
るようにすればよい。
【0023】続いて、上記搬送用ベルトについて行った
試験について説明する。
【0024】試験は、横スダレコ−ド層並びに第1及び
第2補強帆布を有さない従来例と、横スダレコ−ド層と
第1補強帆布を有する(第2補強帆布は有さない)本発
明例とについて行った。なお、ベルト幅は30mmであ
る。
【0025】試験装置は、図4に示すように、駆動プ−
リ21(歯部22個、回転数4900rpm )、従動プ−
リ22(歯部22個、負荷6PS)、中間プ−リ23(歯
部22個)に試験ベルト24を巻回し、2つのアイドル
平プ−リ25,26(直径120mm)を適用し、従動プ
−リ22に所定のデッド荷重DWを加えて走行試験し
た。
【0026】試験結果は、従来例の試験ベルトが100
(指数)とした場合、本発明例の試験ベルトは160と
なり、走行時間は1.6倍となり、ベルト寿命が著しく
延びることが確認できた。
【0027】
【発明の効果】請求項1の発明は、搬送用ベルト部に埋
設された補強帆布によって、突部が補強される。また、
貫通孔の周辺部分に位置する補強帆布によって、貫通孔
周辺部分が補強される。よって、各突部の貫通孔周辺部
分及び突部の根元部付近が補強され、それらの部分での
亀裂の発生が抑制される。補強帆布によって、ベルト本
体部よりの突部の早期剥離現象も防止され、ベルト寿命
が大幅に延びる。
【0028】請求項2の発明は、横スダレコ−ド層によ
ってベルト本体部のベルト幅方向の剛性を高めるように
したから、ベルト全体がベルト長手方向に対しU字形状
に反り返る現象を抑制することができる。
【0029】請求項3の発明は、上下金型、左右金型及
びシャフト部材によって、突部単独でなく、複数の突部
を有する搬送用ベルト部を歯付ベルト部の上側に成形す
るようにしたから、各突部に対して貫通孔を精度良く形
成することができる。各突部の貫通孔の周辺部分に、補
強帆布を容易に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】搬送用ベルトの一部を示す正面図である。
【図2】搬送用ベルトの製造方法の第1段階を示す説明
図である。
【図3】搬送用ベルトの製造方法の第2段階を示す説明
図である。
【図4】試験装置の概略構成図である。
【図5】従来の搬送用ベルトの説明図である。
【符号の説明】
1 搬送用ベルト 2 歯付ベルト本体部(ベルト本体部) 3 搬送用ベルト部 3a 突部 3b 貫通孔 4 心体層 6 第1補強帆布

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 心体層を有するベルト本体部の上面に、
    複数の突部を有し該各突部に貫通孔が形成されている搬
    送用ベルト部が設けられてなる搬送用ベルトであって、 上記搬送用ベルト部は、上記各突部の貫通孔の周辺部分
    の少なくとも一部に補強帆布が位置するように波形形状
    に埋設されていることを特徴とする搬送用ベルト。
  2. 【請求項2】 ベルト本体部の心体層の上側に、スダレ
    コ−ドがベルト幅方向に配列されてなる横スダレコ−ド
    層が配設されているところの請求項1記載の搬送用ベル
    ト。
  3. 【請求項3】 心体層を有するベルト本体部の上面に、
    複数の突部を有し該各突部に貫通孔が形成されている搬
    送用ベルト部が設けられてなる搬送用ベルトの製造方法
    であって、 ベルト本体部の上面に板ゴムシ−トを貼り付け、 それを下金型に適用した状態で、左右金型及び該左右金
    型間に架設される複数のシャフト部材をセットし、 その上に、第1の未加硫の板ゴムシ−ト、補強帆布及び
    第2の未加硫の板ゴムシ−トを重積し、 それらに対し突起部の形状に対応した凹凸形状を有する
    上金型を適用してプレス加硫することを特徴とする搬送
    用ベルトの製造方法。
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