JPH0592533A - 多層フイルム - Google Patents

多層フイルム

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JPH0592533A
JPH0592533A JP28206891A JP28206891A JPH0592533A JP H0592533 A JPH0592533 A JP H0592533A JP 28206891 A JP28206891 A JP 28206891A JP 28206891 A JP28206891 A JP 28206891A JP H0592533 A JPH0592533 A JP H0592533A
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resin
pva
bag
layer
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JP28206891A
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English (en)
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Shigemitsu Matsuoka
栄満 松岡
Fumio Matsuda
文雄 松田
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Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリビニルアルコールを主成分とするフイル
ムを基材とし、該基材フイルムの面に非水溶性の熱可塑
性樹脂よりなる層をもうけた透湿度300〜2500
(g/m2・24時間)の果実類又は野菜類の貯蔵用多層フイ
ルム及びその多層フイルムよりなる果実類又は野菜類の
貯蔵袋。 【効果】 本発明の多層フイルム及びそのフイルムより
なる貯蔵袋は、それらを用いて包装した果実類又は野菜
類の長期間貯蔵におけるカビ発生、腐敗を防止し、減量
も少ないという優れた効果を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、収獲したぶどう、メロ
ン、りんご、梨などの果実類又はアスパラガス、ブロッ
コリー、セロリなどの野菜類を包装して貯蔵するための
材料として優れた、主成分がポリビニルアルコールであ
るフィルムを基材とする多層フィルム、及びその多層フ
ィルムよりなる果実類又は野菜類の貯蔵袋に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、果実類又は野菜類の鮮度を保
持して貯蔵するために、ポリエチレン(以下、PEとい
う)フィルムを材料とする袋や発泡ポリスチレン(以
下、FPS という)製の箱などが用いられている。
【0003】また、主成分がポリビニルアルコールであ
るフィルムを材料とする果実の貯蔵用袋も提案されてい
る(特開昭61−100129号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、PE袋や
FPS 箱は、果実類、野菜類を収納し、貯蔵した場合、透
湿性が低いため収納された果実類、野菜類より発生する
水が被収納物自体の表面、袋や箱の内壁面などで結露
し、更には内部に溜るなどして、被収納物を腐敗させた
り、カビを発生させたりするという問題を有している。
【0005】また、ポリビニルアルコールを主成分とす
るフィルムは、一般に高透湿性及び低ガス透過性という
特有の性質を有しており、そのフィルムよりなる袋を用
いて果実類又は野菜類を包装して貯蔵すると腐敗やカビ
の発生は防止抑制される。しかしながら、貯蔵する間に
果実類や野菜類は継続的に水分を発生するなどして鮮度
の低下を示す部分的な変色(例えば房状のぶどうにおい
ては、各果粒が直接あるいは間接的に結合している果
柄、分梗、穂軸の部分の色が収獲時の緑色系から褐色系
ないし黒色系に変ってしまうなど)が発生し、収納・貯
蔵された果実類や野菜類の商品価値は大幅に低下すると
いう問題がある。更に、収納・貯蔵された果実類や野菜
類が大幅な重量減を発生しやすいという問題点をも有し
ている。
【0006】本発明は、従来技術の問題点に鑑みてなさ
れたものであり、ポリビニルアルコールを主成分とする
フィルムを基材とする果実類又は野菜類の貯蔵用多層フ
ィルム、及びその多層フィルムよりなる貯蔵袋を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、果実類又は
野菜類の貯蔵用の材料として優れたフィルムにつき種々
検討の結果、ポリビニルアルコールフィルムを基材とす
る多層フィルム、及びその多層フィルムよりなる貯蔵袋
が目的を達成するものであるとの知見を得て本発明を完
成したものである。
【0008】即ち、本発明はポリビニルアルコールを主
成分とするフィルムを基材とし、該基材フィルムの面に
非水溶性の熱可塑性樹脂よりなる層をもうけた透湿度 3
00〜2500(g/m2・24時間)の果実類又は野菜類の貯蔵
用多層フィルム、及びその多層フィルムよりなる果実類
又は野菜類の貯蔵袋である。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明の多層フィルムの基材に用いるポリ
ビニルアルコールを主成分とするフィルムは、ポリビニ
ルアルコール及び/又は変性ポリビニルアルコール(以
下、これらを単にPVA と総称する)を、例えば溶液流延
法、溶融押出法などの方法により製膜したフィルムであ
って、水溶性PVAフィルム、該フィルムを熱処理、延
伸処理、アセタール化(ホルマール化、アセトアセター
ル化など)、無機化合物(ホウ素化合物、チタン化合
物、クロム化合物など)による処理などの耐水化処理を
した水難溶性もしくは水不溶性のPVA フィルムなどが例
示される。
【0011】基材用PVA フィルムは、例えば主成分であ
るPVAの他に通常、可塑剤(グリセリン類、アルキレ
ングリコール類、ポリアルキレングリコール類など)な
どを含有しているものが用いられる。
【0012】基材フィルム原料用PVA には特に制限はな
いが、ビニルアルコール単位を有する割合が通常80モル
%以上、好ましくは90モル%以上、また、平均重合度は
通常500〜4000、好ましくは 700〜3000である。原料用P
VA は、その構成単位、構成単位の含有割合、平均重合
度などの異なる2種以上のPVA を組合せて用いることも
できる。
【0013】また、基材PVA フィルムの厚さは、所望に
より任意に選択されるが、通常0.01〜0.1 mm、更に好ま
しくは0.02〜0.04mmである。0.01mm未満では低ガス透過
性が不足しやすい。
【0014】基材PVA フィルムとしては、表面処理して
ないもののみならず、両面又は片面に、例えば樹脂エマ
ルジョン〔ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレ
ート、ポリ塩化ビニルなど〕、PVA 、ポリ酢酸ビニル、
無機質微粒子体及びシリコン類などを含む水系液を不揮
発分換算、片面当り0.01〜0.5g/m2程度塗布してブロッ
キング防止処理したものも使用することができ、表面処
理したフイルムの場合は両面塗布処理したものが好まし
い。
【0015】更に、PVA フィルムの両面又は片面に、例
えば撥水処理したデンプン微粉末を少量撒布したPVA フ
ィルムも基材フィルムとして使用できる。
【0016】本発明において、多層化のため基材PVA フ
ィルム面に樹脂層をもうけるのに用いる樹脂は、非水溶
性の熱可塑性樹脂であり、その樹脂を沸騰水中で30分間
煮沸した後の重量減が、好ましくは20重量%以下、更に
好ましくは10重量%以下のものである。
【0017】上記の熱可塑性樹脂としては、例えば塩化
ビニル系樹脂〔塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−脂肪酸ビ
ニルエステル系樹脂及びそのケン化物、塩化ビニル−
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂及びそのケ
ン化物、塩化ビニル−塩化ビニリデン系樹脂など〕、脂
肪酸ビニルエステル系樹脂〔脂肪酸ビニルエステル樹
脂、脂肪酸ビニルエステル−(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステル系樹脂、脂肪酸ビニルエステル−オレフィン
系樹脂など〕、オレフィン系樹脂〔ポリオレフィン、オ
レフィン−脂肪酸ビニルエステル系樹脂など〕、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂、ポリアミド系
樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリビニ
ルアセタール系樹脂(ポリビニルアセトアセタール、ポ
リビニルブチラール、ブチルアセタール部分とアセトア
セタール部分を共に有するポリビニルアセタールなど)
などが挙げられる。
【0018】熱可塑性樹脂は、1種又は2種以上を組合
せて用いることができ、中でも塩化ビニル系樹脂が好ま
しく、特に塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂が望ましい。
【0019】本発明の多層フィルムを構成する熱可塑性
樹脂層には、本発明の効果を阻害しない範囲で所望によ
り各種の物質を含有させることができる。含有させる物
質としては、例えばゴムやエラストマー、熱硬化性樹
脂、該層に柔軟性を付与したり、該層のヒートシール温
度を低くしたりするための可塑剤、該層のブロッキング
を防止するためのブロッキング防止剤、該層の劣化を防
止する安定剤類、熱可塑性樹脂層と基材フィルムとの密
着性を向上させるためのアンカー剤、顔料類、染料類、
消泡剤類、流動性調節剤などが挙げられる。
【0020】上記のゴムやエラストマーとしては,例え
ば天然ゴム、NBR 、SBR 、ポリクロロプレン、クロルス
ルホン化ポリエチレン、EPDMなどが挙げられる。
【0021】上記の熱硬化性樹脂としては、例えばメラ
ミン系樹脂、尿素系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂な
どが挙げられる。
【0022】上記の可塑剤、安定剤は使用する熱可塑性
樹脂、ゴム、エラストマー、熱硬化性樹脂などに応じて
任意のものが選択され、可塑剤、安定剤は通常熱可塑性
樹脂などに対して用いられるものが使用できる。可塑剤
としては、例えばフタル酸エステル系、アジピン酸エス
テル系、りん酸エステル系、脂肪酸エステル系、エポキ
シ系、ポリエステル系などの可塑剤が挙げられる。
【0023】また、上記のブロッキング防止剤として
は、シリコンオイル、ビスアマイド系化合物、ポリエチ
レンワックス類、パラフィン類、界面活性剤類、無機質
あるいは有機質の微小粒子類などが挙げられる。またブ
ロッキング防止剤は樹脂層に含有させる方法の他に、多
層フィルムの樹脂層表面に塗布あるいは撒布することも
できる。
【0024】更に、上記のアンカー剤は、基材フィルム
のPVA と樹脂層の熱可塑性樹脂のそれぞれに親和性ある
いは結合反応性を有する物質が好ましい。その物質は使
用する熱可塑性樹脂に応じて任意に選択され、例えば熱
可塑性樹脂が塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂の場合は、
塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂のケン化物が挙げられ
る。
【0025】基材PVA フィルムの面に非水溶性の熱可塑
性樹脂よりなる層をもうけて、本発明の多層フィルムを
得る方法には特に制限なく、例えば基材フィルム面に対
し、(イ)当該樹脂の有機溶剤溶液を塗布乾燥する方
法、(ロ)当該樹脂のエマルジョンを塗布乾燥する方
法、(ハ)当該樹脂フィルムをラミネートする方法など
が挙げられるが、中でも(イ)の方法が好ましい。尚、
熱可塑性樹脂を溶融コーティングする方法も可能であ
る。
【0026】上記(イ)又は(ロ)の方法において、有
機溶剤溶液又はエマルジョンを基材フィルム面に塗布す
るには、通常プラスチックフィルム、紙などのコーティ
ングに用いられる装置及び方法により行なうことがで
き、装置としては、例えばグラビアコーター、ロールコ
ーター、デイップコーター、エアーナイフコーター、ブ
レードコーターなどが挙げられるが、塗工量の調節を行
ないやすい点でグラビアコーターが好ましい。尚、グラ
ビアコーターの代りにグラビア印刷機も好適に使用され
る。
【0027】また、上記(ハ)の方法において基材PVA
フィルムと当該樹脂を主成分とするフィルムをラミネー
トするには、例えば通常プラスチックフィルム同士、又
はプラスチックフィルムと紙などをラミネートするのに
用いられる加熱及び加圧機能を有するラミネーターを使
用することができる。
【0028】前記の(イ)、(ロ)、(ハ)などの方法
で得た多層フィルムは、例えばPVAフィルムと同様な方
法により、乾燥後に調湿処理することが好ましい。
【0029】基材PVA フィルムの表面にもうける熱可塑
性樹脂層は、基材フィルムの両面又は片面のいずれにも
うけてもよいが、得られる多層フィルムのカーリングが
少ない点で両面にもうけることが好ましい。また、該樹
脂層は、同じ又は異る樹脂を用いて、1の面に対して1
層又は2層以上もうけることができる。
【0030】該層の定量は、当該樹脂層をもうけたこと
により生じるフィルム単位面積当りの重量増〔塗工量
(g/m2)〕をもって表され、塗工量は、得られる多層
フィルムの透湿度(JIS Z 0208の恒温恒湿条件Bによ
る)が 300〜2500(g/m2・24時間)となるように、基
材PVA フィルムの厚さや性状、当該樹脂層をもうけるの
に使用する樹脂や樹脂層の性状、組成などに応じて任意
に選択されるが、例えば基材PVA フィルムの厚さが0.02
〜0.1 mm程度の場合においては、通常3〜90g/m2程度
である。
【0031】果実類又は野菜類を貯蔵するために、本発
明の多層フィルムでこれらを包装する方法には制限な
く、例えばこれらを該多層フィルムよりなる袋に収納し
又は該多層フィルムで包んだのち、袋の開口部あるいは
フィルムの末端部を、それ自体を結ぶ方法、紐類、テー
プ類、ゴムバンド、専用部材などを用いて結束する方
法、糊付、熱シールなどによりシールする方法などが挙
げられる。上記の包装には、本発明の多層フィルムのみ
を用いて1重又は多重に行なう方法に加えて、該多層フ
ィルムと公知の包装材料(PVA 、PE、ポリスチレン、塩
化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロンな
どのプラスチック製あるいはパルプ製のフィルム、紙、
袋、箱など)とを組合せて行なう多重包装も包含され
る。
【0032】また、フィルム状、袋状、箱状などの公知
の包装材料の一部分を本発明の多層フィルムで構成する
方法、例えばFPS 箱のフタの代り多層フィルムを用いて
FPS箱を密閉する方法、FPS 箱(フタを含む)の一部に
内部まで貫通する切欠き、穴などの欠損部をもうけ、そ
の欠損部の内側及び/又は外側を多層フィルムで密閉す
る方法、多孔性の公知のフィルムの欠損部を、その多孔
フィルムと多層フィルムをラミネートするなどして密閉
する方法及びそのラミネートフィルムよりなる袋を用い
る方法などがある。
【0033】本発明の多層フィルムを材料とし、それを
製袋加工することにより、本発明の果実類又は野菜類の
貯蔵袋が得られる。
【0034】本発明の貯蔵袋は、その一部に少なくとも
1の開口部を有し、開口部以外の部分が密閉されたもの
であって、その平面的あるいは立体的形状、寸法などに
制限なく、例えば多層フィルムのカマス貼り、筒貼り、
H貼りなどにより得られる。
【0035】また、本発明の貯蔵袋には2以上の開口部
を有するものを包含し、代表的なものとしては連続した
チューブ状のフィルムの両端を切断して、ほぼ相対する
両側に各々1ずつの開口部をもうけたもの、例えば両端
に開口部を有する筒状のものがある。また、連続したチ
ューブ状のフィルムは、自動包装機による包装に好適で
ある。
【0036】多層フィルムの製袋加工における該フィル
ムの貼合せは、任意の方法、例えば糊付法(液状、ホッ
トメルト、テープ状などの接着剤あるいは粘着剤使
用)、熱シール法(熱バーシール、インパルスシール、
高周波シールなど)などで行なうことができ、これらの
方法を所望により組合せることもできる。
【0037】貯蔵袋の開口性を向上させたい場合は使用
する多層フィルムの面あるいは得られた該袋の内側に、
また袋同士のブロッキング防止のためには多層フイルム
の面あるいは袋の外側に有機質又は無機質の微粒子を散
布することができる。また、前記ブロッキング防止剤の
一つとして例示した無機質あるいは有機質の小粒子を樹
脂層に含有させることは開口性の向上にも役立つ。
【0038】本発明の貯蔵袋は、それに果実類又は野菜
類などを収納したのち、任意の方法で通常開口部を密閉
して用いられる。
【0039】本発明の貯蔵袋は、果実類又は野菜類の貯
蔵に際し、単独使用のみならず、従来の箱や袋に収納し
た後、更に本発明の貯蔵袋に入れたり、逆に本発明の貯
蔵袋に収納した後更に従来の箱や袋にいれるなど、従来
の箱や袋と組合せた多重包装用としても使用することが
できる。
【0040】また、本発明の多層フイルム又は該フイル
ムよりなる貯蔵袋の使用に際しては、所望により包装内
に、果実類、野菜類と共にこれらの品質劣化を促進する
物質(エチレンなど)の吸収剤(ゼオライト、大谷石、
活性炭など)、防カビ剤(白石カルシウム社製、商品名
「グレープガード」など)などを共存させたり、1種又
は2種以上のガス類(窒素ガス、炭酸ガスなど)を封入
あるいは袋内空気をガスで置換することもできる。本発
明の多層フイルム及びその多層フイルムよりなる貯蔵袋
は、それらにより包装された果実類又は野菜類が低温高
湿の条件下で貯蔵されたとき特に大きな効果を発揮する
が、貯蔵条件は必ずしも低温高湿に限定されるものでは
ない。また、上記の被包装物を貯蔵する雰囲気には制限
はなく、大気中のみならず、例えば炭酸ガス濃度を高め
たり酸素濃度を低くした空気中のような人工的な雰囲気
であってもよい。
【0041】塗工量の測定法 塗工量は次の式(I)により算出する。 塗工量(g/m2)= W1 −W (I)
【0042】但し、上記式(I)中、Wは、基材フィル
ムを20℃×65%RHで24時間調湿後のその単位面積当りの
重量(g/m2)であり、また W1 は、樹脂を塗布、乾燥
後の多層フィルムを、上記Wの場合と同一条件で調湿後
のその単位面積当りの重量(g/m2)である。
【0043】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明で説明
する。
【0044】基材用PVA フィルムの作製例 PVA (平均重合度1700、 ケン化度99.5モル%)100 重量
部に対し可塑剤(グリセリン)を8重量部含有する厚さ
0.03mmのPVA フィルムの両面に、ブロッキング防止のた
め、スチレン・メタアクリル酸メチル共重合体(スチレ
ン/メタアクリル酸メチル=40重量%/60重量%)エマ
ルジョン(樹脂分30重量%)6部、ケン化度99.8モル
%、平均重合度1700のPVA の10%水溶液30重量部、シリ
コーン撥水剤エマルジョン「POLON MWS 」(信越化学工
業製、シリコーン分30重量%)4部、および微粒子体
「AEROSIL COK-84」(日本アエロジル社製、無水シリカ
/酸化アルミ混合物、平均粒子径15 mμ)3部を総固形
分濃度が1%となるよう水で稀釈した表面処理液を、片
面当りの塗布量が不揮発分換算0.1 g/m2となるよう両
面に塗布し、乾燥・調湿して基材用PVA フィルムAを得
た。
【0045】実施例1 上記作製例で得たPVA フィルムAを基材とし、その両面
に、塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂〔平均重合度(JIS
K 6721 準拠)420 。塩化ビニル部分68重量%、酢酸ビ
ニル部分30.5重量%及び無水マレイン酸部分1.5 重量
%〕の濃度5重量%有機溶剤(酢酸エチル、トルエン混
合)溶液を、グラビアコーターで塗布し、乾燥して表1
に示す多層フィルムBを得た。
【0046】また、塗工に用いた共重合樹脂溶液の濃度
を表1のように変えた以外は上記多層フィルムBの場合
と同様にして、多層フィルムC、D及びEを得た。
【0047】このようにして得た多層フィルムB〜Eの
塗工量、透湿度の測定結果を表1に示す。
【0048】尚、比較のため、基材として用いたPVA フ
ィルムAの透湿度測定結果を表1に併記する。
【0049】
【表1】
【0050】実施例2 ぶどう(巨峰)の貯蔵試験 幅90cm、長さ100 cmの実施例1で得た多層フィルムB、
C及びEを用い、それぞれのフィルムよりなり、4辺の
内1辺に幅45cm(周辺長約90cm)の開口部を有する以外
は密閉された幅45cm、長さ100 cmの袋を貯蔵袋として準
備した。
【0051】また、比較のため、基材PVA フィルムA及
び厚さ0.05mmのPEフィルムを用い、それぞれのフィルム
よりなり、上記多層フィルムの場合と同じ寸法及び形状
の貯蔵袋を準備した。
【0052】次いで、これらの貯蔵袋それぞれに、収獲
した房状のぶどう(巨峰)を、1袋当り10kg及び防カビ
剤(白石カルシウム社製商品名「グレープガード」2
枚)を入れ、開口部を密閉し、包装した。
【0053】また、幅90cm、長さ100 cmの実施例1で得
た多層フィルムCを1枚広げ、そのフィルムの上に10kg
の房状のぶどう及び防カビ剤(グレープガード2枚)を
のせた。次いで、そのフィルムの周辺部を1箇所にまと
め、そのまとめた部分を紐でしっかり縛って密閉し、ぶ
どうを包装した。
【0054】次いで、これらの包装したぶどうを、70日
間氷温貯蔵(0〜−1℃、95%RH)した。
【0055】貯蔵開始70日後に開封して貯蔵したぶどう
の状態を調べた。結果を表2に示す。
【0056】
【表2】
【0057】実施例3 アスパラガスの貯蔵試験 幅90cm、長さ100 cmの実施例1で得た多層フィルムB及
びCを用い、それぞれのフィルムよりなり、4辺の内1
辺に幅45cm(周辺長約90cm)の開口部を有する以外は密
閉された幅45cm、長さ100 cmの袋を貯蔵袋として準備し
た。
【0058】また、多層フィルムDよりなり、従来より
使用のFPS 製箱(密閉用フタ付、外寸法40×40×40c
m、厚さ30mm)を収納し、かつ密封できる袋を準備し
た。
【0059】更に、基材PVA フィルムAよりなり、上記
多層フィルムB及びCと同じ寸法及び形状の袋、及び上
記のFPS 箱を準備した。
【0060】(1) 上記のフィルムB及びCよりなる貯蔵
袋それぞれに、収獲したアスパラガスを、1袋当り2.8
kg入れ、密封した。
【0061】(2) 上記のFPS 製箱1箱に2.8 kgのアスパ
ラガスを入れ、この箱を専用のフタで密封したのち更に
この箱を上記の多層フィルムDよりなる袋に入れ、密封
した。
【0062】(3) 比較のため、上記の基材PVA フィルム
Aよりなる袋及びFPS 製箱それぞれに、1袋又は1箱当
り2.8 kgずつのアスパラガスを入れたのち、いずれも密
封した。
【0063】次いで、上記(1) 、(2) 及び(3) で袋及び
/又は箱に収納、密封したアスパラガスを、0〜1℃×
90%RH中で1か月間貯蔵した。
【0064】貯蔵開始1か月後に開封してアスパラガス
の状態を調べた。結果を表3に示す。
【0065】尚、上記(3) は、上記(1) 及び(2) の比較
対象として行なったものである。
【0066】
【表3】
【0067】
【発明の効果】本発明の多層フィルム及びそのフィルム
よりなる貯蔵袋は、それらを用いて包装した果実類又は
野菜類の長期間貯蔵におけるカビ発生、腐敗を防止し、
減量も少ないという優れた効果を有する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコールを主成分とするフ
    ィルムを基材とし、該基材フィルムの面に非水溶性の熱
    可塑性樹脂よりなる層をもうけた透湿度300〜2500(g
    /m2・24時間)の果実類又は野菜類の貯蔵用多層フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の多層フィルムよりなる果
    実類又は野菜類の貯蔵袋。
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