JPH059183A - 光学活性なトリアゾール誘導体および組成物 - Google Patents

光学活性なトリアゾール誘導体および組成物

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JPH059183A
JPH059183A JP3235571A JP23557191A JPH059183A JP H059183 A JPH059183 A JP H059183A JP 3235571 A JP3235571 A JP 3235571A JP 23557191 A JP23557191 A JP 23557191A JP H059183 A JPH059183 A JP H059183A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 式((+)-I)〔式中、*は光学活性であることを示す〕
で表されるトリアゾール誘導体、その製薬学上許容し得
る塩、その溶媒和物、その塩の溶媒和物、その製造方法
およびそれらを有効成分として含有する抗真菌剤。 【効果】 この光学活性な化合物は強い抗真菌作用を有
し、かつラセミ体に比し毒性が著しく低減されているた
め、抗真菌剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗真菌活性を有し、人
間その他の動物の真菌感染症の治療に有用な、次式
((+)−I)
【0002】
【化18】 (式中、*は光学活性であることを示す)で表される
(+)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−
[3−[(E)−4−(2,2,3,3−テトラフルオ
ロプロポキシ)スチリル]−1H−1,2,4−トリア
ゾール−1−イル]−3−(1H−1,2,4−トリア
ゾール−1−イル)プロパン−2−オール、その製薬学
上許容し得る塩、その溶媒和物及びその塩の溶媒和物、
ならびにその製造方法、およびこれを有効成分として含
有することを特徴とする医薬組成物に関するものであ
る。本発明はまた、式((+)−I)で表される化合物
の製造中間体およびその製造方法にも関するものであ
る。
【0003】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】次式
((±)−I)
【0004】
【化19】 で表される2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−
[3−[(E)−4−(2,2,3,3−テトラフルオ
ロプロポキシ)スチリル]−1H−1,2,4−トリア
ゾール−1−イル]−3−(1H−1,2,4−トリア
ゾール−1−イル)プロパン−2−オール(以後化合物
Aと記述する)は、極めて高い抗真菌活性を有すること
が知られている(ワイ、エイチ、ソングら(Y. H.
Thong et al.), ジャーナル オブ
アンチミクロバイアル ケモセラピー(Journal
of Antimicrobial Chemoth
erapy)、21巻、755−763頁、1988
年)。化合物Aは分子内に不斉炭素を有するが、ヨーロ
ッパ特許0174769号において構造が開示されて以
来ラセミ体のままで扱われてきた。しかし、サリドマイ
ド事件の教訓にも見られるように、不斉炭素を有する化
合物においては、一方の光学活性体が有用な化合物であ
っても、そのラセミ体あるいは他の一方の光学活性体に
予期せぬ毒性がある可能性がある。また一方の光学活性
体が、他方の光学活性体よりも薬理活性が優れていた
り、体内動態が異なったりする例も知られている。こう
した観点から、今日不斉炭素を有する化合物のラセミ体
を、医薬品として開発する場合には、ラセミ体のみなら
ず各々の光学活性体の薬理活性や毒性、体内動態につい
て詳しい知見を提出することが求められてきている。
【0005】本発明者らは、化合物Aについて薬理試験
を行った結果、化合物Aは、確かに強い抗真菌活性を有
していることを確認した。また、本発明者らは、化合物
Aをサルに連投してその毒性を調べた結果、化合物A
は、3mg/kg/day以上の用量で血清コルチゾー
ルの低下作用(組織学的には副腎皮質束状層の軽度から
強度の増生と脂肪滴の増加)および精巣の精細管萎縮、
30mg/kg/dayの用量で心電図上のQTc時間
を延長する作用(再分極の遅延を意味し、重篤な不整脈
を誘発する危険がある)などの副作用を有していること
を確認した。更に、血漿中濃度推移より、化合物Aは、
蓄積性を示すことが判明した。
【0006】従って、この化合物を実際に医薬品として
開発するために、如何にして安全性の高い薬物にするか
が大きな課題として提起されるに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、化合物A
がラセミ体であることに着目し、問題解決の糸口として
先ずその光学活性体の各々について毒性や薬理活性等を
検討することを思いついた。しかし、化合物Aの光学活
性体はこれまでに単離、製造されたことがなく、その物
理化学的あるいは薬理学的性質についてはいっさい知ら
れていなかった。
【0008】そこで本発明者らは、化合物Aの不斉炭素
に着目し、化合物Aの光学活性体の不斉合成について鋭
意研究を行った。その結果、先ず始めに次式(II)
【0009】
【化20】 (式中、*は光学活性であることを表し、AおよびA’
は一緒になって酸素原子を表すか、A’が水酸基でAが
水酸基、メタンスルホニルオキシ基またはp−トルエン
スルホニルオキシ基を表し、Rは水酸基、アセトキシ
基、1H−1,2,4−トリアゾ−ル−1−イル基また
は3−[(E)−4−(2,2,3,3−テトラフルオ
ロプロポキシ)スチリル]−1H−1,2,4−トリア
ゾール−1−イル基を表す、但しAとRとは同時には水
酸基でない)で表される、(−)−または(+)−2−
(2,4−ジフルオロフェニル)−プロパン誘導体を立
体選択的に合成することに成功した。次いでこの
(−)、(+)のいずれの光学活性な化合物とも、式
((+)−I)で表される本発明化合物の製造中間体と
して使用できること、且つそれを使用し工業的に式
((+)−I)の本発明化合物を製造できることを見い
だした。
【0010】なお本発明の明細書において(+)−体或
は(−)−体の記載がなされている光学活性な化合物と
は、各々ナトリウムのD線に対して(+)或は(−)の
旋光性を示す化合物であり、相互にエナンチオマーの関
係にあるものとする。また以後本発明の明細書における
化合物の表現に関し、式(N)で表される化合物との表
現を化合物Nとも表現する(Nはロ−マ数字のI〜XX
に対応する)。
【0011】こうして化合物Aの各々の光学活性体を合
成し、先ず、化合物Aの(+)−体(化合物(+)−
I)および(−)−体(化合物(−)−I)の抗真菌活
性を調べた結果、化合物(+)−Iは、化合物(−)−
Iに比し、抗真菌活性が著しく強力であることが判明し
た。ついで、化合物(+)−Iをサルに連投してその毒
性について検討した。
【0012】その結果、化合物(+)−I体は、10m
g/kg/dayの用量で副腎皮質束状層の軽度な増生
と脂肪滴の増加を示したものの、30mg/kg/da
yの用量でも心毒性(QTc時間の延長)、精巣毒性
(精細管の萎縮)および血清コルチゾールの低下作用を
示さず、本発明者らは、化合物(+)−Iでは抗真菌活
性と副作用が見事に解離していることを発見した。加え
て、血漿中濃度推移より、化合物(+)−Iは蓄積性も
示さないことが判明した。従って、化合物(+)−I
は、安全性の高い有用な抗真菌剤となりうることが確認
された。
【0013】以上の結果から化合物Aの副作用と薬理作
用とを明確に分離するためには、その(+)の光学活性
体(化合物(+)−I)を立体選択的に合成し、これを
医薬品としてさらに開発して行けばよいことがわかり、
本発明を完成するに至った。
【0014】本発明化合物(+)−Iは、製薬学上許容
される無機酸または有機酸との塩を形成することができ
る。これらの塩の例としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩
などの無機酸との塩、酢酸塩、p−トルエンスルホン酸
塩、メタンスルホン酸塩、マレイン酸塩などの有機酸と
の塩、リジン塩、アルギニン塩などのアミノ酸塩などが
あげられる。該塩は常法、例えば等モル量の遊離の化合
物(+)−Iと所望の酸を含む溶液を混合し、所望塩を
ろ過(不溶性の場合)か溶媒蒸発で集める。
【0015】本発明の中間体の製造及びそれを出発物質
として使用する本発明化合物(+)−Iの製造は例えば
次の反応式の如く行うことができる。
【0016】
【化21】 上記反応式における工程1は2,4−ジフルオロブロム
ベンゼン(III)と1,3−ジクロルアセトンとを縮
合するものであり、文献既知の方法(例えば特開昭58
−32868号)に従って、例えばn−ブチルリチウム
等の塩基の存在下、無水のエーテル、ヘキサン等の有機
溶媒中で反応させることにより行われる。工程2はエポ
キシドへ閉環する工程である。例えば水素化ナトリウム
等の塩基の存在下、ジメチルホルムアミド等の有機溶媒
中で反応させることにより行われる。工程3はアリルア
ルコールの合成工程である。本工程はヒドロキシメタン
スルフィン酸ナトリウム、水素化ほう素ナトリウム、水
素化トリエチルほう素リチウム等の還元剤を水酸化ナト
リウム等の塩基の存在下、テルルに作用させて反応系内
でテルライドイオンを生成させた後、これを1−クロル
−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2,3−エポ
キシプロパン(V)と反応させることにより行われる。
なお、本工程においてはテルルのかわりにセレンを用い
ることもできる。また本工程は化合物Vをジメチルホル
ムアミド等の有機溶媒中亜鉛等で還元することによって
も行うことができる。工程4は不斉酸化の工程である。
2−(2,4−ジフルオロフェニル)アリルアルコール
(VI)を、塩化メチレン等の有機溶媒中、チタンテト
ライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド等のチタ
ンテトラアルコキシド及び(+)−酒石酸ジエチル、
(+)−酒石酸ジイソプロピル、(+)−酒石酸ジシク
ロヘキシル等の(+)−酒石酸ジアルキルの存在下、t
−ブチルハイドロパーオキシドで酸化することにより
(−)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2,3
−エポキシプロパノール((−)−VII)を高い光学
純度で得ることができる。なお、本工程において(+)
−酒石酸ジアルキルのかわりに(−)−酒石酸ジアルキ
ルを用いる場合には、(+)−2−(2,4−ジフルオ
ロフェニル)−2,3−エポキシプロパノール((+)
−VII)が高い光学純度で得られる。
【0017】なお、化合物VIは次の如く製造すること
もできる。即ち、化合物IVをエーテル等の有機溶媒
中、塩化第二鉄等の存在下、エチルマグネシウムブロミ
ド等のグリニアル試薬と反応させることにより、1−
(2,4−ジフルオロフェニル)−シクロプロパノール
を得、次に水酸基をトリエチルアミン等の塩基の存在
下、メタンスルホニルクロリドまたはp−トルエンスル
ホニルクロリドを用いてスルホン酸エステルとし、これ
を炭酸カルシウム等の塩基で処理することにより、化合
物VIを得ることもできる。また、化合物VIは次の如
く製造することもできる。即ち、2,4ージフルオロベ
ンゾフェノンを水素化ナトリウム等の塩基の存在下、よ
う化トリメチルスルホキソニウム等のメチル化試剤と反
応させ、2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,2
−エポキシプロパンを合成した後、これに、1,8−ジ
アザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン等の塩基
の存在下、ヨードトリメチルシランを反応させることに
より化合物VIを得ることもできる。
【0018】光学活性な化合物VIIはまた次の反応式
に従って製造することもできる。
【0019】
【化22】 工程イはエポキシドの開環反応であり、化合物Vを酢酸
等の有機溶媒中で酢酸ナトリウムと反応させることによ
り行われる。工程ロはエポキシドへ再閉環する工程であ
る。例えば水素化ナトリウム等の塩基の存在下、ジメト
キシエタン等の有機溶媒中で反応させることにより行わ
れる。工程ハは酵素によるエステルの不斉加水分解工程
であり、緩衝液あるいは緩衝液とジイソプロピルエーテ
ル、エタノール、アセトン、ジメチルホルムアミド等の
有機溶媒との混合溶媒中で、エステラーゼあるいはリパ
ーゼ等の加水分解酵素を用いて行われる。本工程におい
ては、(+)−体が選択的にエステル加水分解を受け、
(+)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2,3
−エポキシプロパノール((+)−VII)が得られ
る。一方(−)−1−アセトキシ−2−(2,4−ジフ
ルオロフェニル)−2,3−エポキシプロパン((−)
−IX)はエステル加水分解を受けず、高い光学純度で
反応液中より回収される。工程ニは通常のエステルの加
水分解であり、工程ハで回収された化合物(−)−IX
を水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の塩基で加水分
解することにより(−)−2−(2,4−ジフルオロフ
ェニル)−2,3−エポキシプロパノール((−)−V
II)が得られる。
【0020】
【化23】 上記反応式における工程5はトリアゾールを縮合させる
工程である。化合物(−)−VIIをテトラヒドロフラ
ン、ジメチルホルムアミド等の有機溶媒中、炭酸カリウ
ム、炭酸水素カリウム、水素化ナトリウム等の塩基の存
在下に1,2,4−トリアゾールと反応させることによ
り(−)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−
(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパ
ン−1,2−ジオール((−)−X)を得ることができ
る。なお、本化合物はクロロホルム等の有機溶媒で再結
晶することにより、光学的に純粋なものとして得ること
ができる。工程6はエポキシドへ閉環する工程である。
まず、エーテル、テトラヒドロフラン等の有機溶媒中、
トリエチルアミン、ピリジン等の塩基の過剰量存在下に
メタンスルホニルクロリドまたはp−トルエンスルホニ
ルクロリドと反応させて1級の水酸基をスルホン酸エス
テルとし、次にこの反応液を水で処理すれば、系内に過
剰に存在する塩基の作用によってエポキシ化され、
(+)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−
(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2,
3−エポキシプロパン((+)−XI)を得ることがで
きる。本工程においてはスルホン酸エステルを単離する
ことも可能であるが、操作上、単離せずにおこなう方が
好ましい。工程7は置換トリアゾールを縮合させる工程
である。化合物(+)−XIをテトラヒドロフラン、ジ
メチルホルムアミド、エタノール等の有機溶媒中、炭酸
カリウム、炭酸水素カリウム、水素化ナトリウム等の塩
基の存在下に自体文献既知である(例えば特開昭61−
72767号参照)化合物3−[(E)−4−(2,
2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)スチリル]−
1H−1,2,4−トリアゾール(XII)と反応させ
ることにより(+)−2−(2,4−ジフルオロフェニ
ル)−1−[3−[(E)−4−(2,2,3,3−テ
トラフルオロプロポキシ)スチリル]−1H−1,2,
4−トリアゾール−1−イル]−3−(1H−1,2,
4−トリアゾール−1−イル)プロパン−2−オール
((+)−I)を得ることができる。なお、本化合物は
酢酸エチル、エーテル、ヘキサン等の有機溶媒あるいは
それらの混合溶媒で再結晶することにより、光学的に純
粋なものとして得ることができる。
【0021】本製造法においては、原料として化合物
(−)−VIIのかわりに化合物(+)−VIIを用い
ても、1,2,4−トリアゾールと置換トリアゾール
(XII)との導入順序を変えることにより、化合物
(+)−Iを得ることができる。すなわち、化合物
(+)−Iは次の反応式の如く製造することもできる。
【0022】
【化24】 工程5’は置換トリアゾールを縮合させる工程である。
化合物(+)−VIIをテトラヒドロフラン、ジメチル
ホルムアミド等の有機溶媒中、炭酸カリウム、炭酸水素
カリウム、水素化ナトリウム等の塩基の存在下に3−
[(E)−4−(2,2,3,3−テトラフルオロプロ
ポキシ)スチリル]−1H−1,2,4−トリアゾール
と反応させることにより(+)−2−(2,4ージフル
オロフェニル)−3−(1H−1,2,4−トリアゾー
ル−1−イル)プロパン−1,2−ジオール((+)−
XIII)を得ることができる。工程6’はエポキシド
へ閉環する工程である。まず、エーテル、テトラヒドロ
フラン、ジメチルホルムアミド等の有機溶媒中、トリエ
チルアミン、ピリジン等の塩基の存在下にメタンスルホ
ニルクロリドまたはp−トルエンスルホニルクロリドを
反応させて1級の水酸基をスルホン酸エステルとし、次
に得られたスルホン酸エステルを水素化ナトリウム等の
塩基を用いてエポキシ化して、(−)−2−(2,4−
ジフルオロフェニル)−3−(1H−1,2,4−トリ
アゾール−1−イル)−2,3−エポキシプロパン
((−)−XIV)を得ることができる。本工程におい
てはスルホン酸エステルを単離することも可能である。
工程7’はトリアゾールを縮合させる工程である。化合
物(−)−XIVをテトラヒドロフラン、ジメチルホル
ムアミド等の有機溶媒中、炭酸カリウム、炭酸水素カリ
ウム、水素化ナトリウム等の塩基の存在下に1,2,4
−トリアゾールと反応させることにより(+)−2−
(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[3−[(E)
−4−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)
スチリル]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イ
ル]−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イ
ル)プロパン−2−オール((+)−I)を得ることが
できる。
【0023】なお、本製造法において用いる化合物XI
Iは自体文献既知(例えば特開昭61−72767号参
照)であるが、従来の製造法では出発物質である4−ク
ロルベンゾニトリル(XV)からの通算収率が低く、二
重結合におけるシス−トランス異性体の選択性も悪く、
またシリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製を
必要とする工程を多く含んでいる等、種々の問題がある
ため、これを工業的に行なうことは極めて難しい。本発
明においては、前記問題点を解決し、工業的に実施可能
な化合物XIIの製造法を見いだした。すなわち、化合
物XIIは次の反応式に従って製造することができる。
【0024】
【化25】 工程Aは文献既知の方法(ジェー、ピー、アイダクスら
(J.P.Idouxet al.)、ジャーナル オ
ブ オーガニック ケミストリー(J.Org. Ch
em.),48巻,3772頁、1983年)である。
本工程においては、4−クロルベンゾニトリル(XV)
と2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールを、水
素化ナトリウム等の塩基の存在下、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド等の有機溶媒中で反応させる
ことにより行うことができる。なお、本工程で得られた
化合物XVIはイソプロパノール等の有機溶媒と水との
混合溶媒で再結晶する事により精製できる。工程Bはシ
アノ基をホルミル基に還元する工程であり、文献既知の
方法(特開昭61−72767号)である。本工程はト
ルエン中、水素化ジイソブチルアルミニウム等の還元剤
を用いることにより行われる。工程Cは二重結合を導入
する工程である。本工程は水酸化カリウム、水素化ナト
リウム等の塩基の存在下、ジメトキシエタン、テトラヒ
ドロフラン等の有機溶媒中で化合物XVIIとジエチル
ホスホノ酢酸エチルとを反応させて、(E)−4−
(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)ケイ皮
酸エチル(XVIII)を得るものである。なお、本反
応は立体選択的に進行し、所望の(E)−体のみが生成
し、(Z)−体の生成は認められないため、シリカゲル
カラムクロマトグラフィーによる精製等を必要としな
い。工程Dは通常のエステルの加水分解である。水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基をもちいて、水あ
るいはエタノール、ジオキサン等の有機溶媒またはそれ
らの混合溶媒中で行うことができる。工程Eは通常のア
ミド化である。本工程では化合物XIXを塩化チオニ
ル、五塩化リン等のハロゲン化試剤で酸ハロゲン化物と
した後、濃アンモニア水を加えることにより化合物XX
を得ることができる。なお、本工程中、酸ハロゲン化物
は単離精製することも可能であるが、操作上はこれを単
離精製することなく化合物XXを得ることが好ましい。
工程Fはトリアゾール環を構築する工程である。本工程
では、まず塩化メチレン等の有機溶媒中、トリメチルオ
キソニウムテトラフルオロボレート等のアルキル化剤を
用いてイミノエーテル体とした後、次にエーテル等の有
機溶媒中で蟻酸ヒドラジドを作用させることにより、3
−[(E)−4−(2,2,3,3−テトラフルオロプ
ロポキシ)スチリル]−1H−1,2,4−トリアゾー
ル(XII)を得ることができる。なお、本工程中、イ
ミノエーテル体は単離精製することも可能であるが、操
作上はこれを単離精製することなく化合物XIIを得る
ことが好ましい。
【0025】なお化合物(−)−Xは、実施例において
後述するX線単結晶解析の結果、その絶対配置は(R)
であると決定された。反応工程5、工程6、工程7、工
程ニ、工程5’、工程6’および工程7’はいずれも立
体保持の反応であるから、本発明に記載されている化合
物のうち、下記の化合物の絶対配置は以下に示すとおり
となる。 化合物 絶対配置 (+)−I (R) (−)−I (S) (−)−VII (S) (+)−VII (R) (−)−IX (R) (−)−X (R) (+)−XI (R) (+)−XIII (S) (−)−XIV (S)
【0026】以下、本発明の有効成分である(+)−2
−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[3−
[(E)−4−(2,2,3,3−テトラフルオロプロ
ポキシ)スチリル]−1H−1,2,4−トリアゾール
−1−イル]−3−(1H−1,2,4−トリアゾール
−1−イル)プロパン−2−オール((+)−I)およ
びその塩の有効性、用法、用量および治療剤の製法につ
いて述べる。
【0027】まず、本発明の化合物の有効性を示すた
め、抗真菌活性のデータを示す。 試験化合物 化合物(+)−I:(+)−2−(2,4−ジフルオロ
フェニル)−1−[3−[(E)−4−(2,2,3,
3−テトラフルオロプロポキシ)スチリル]−1H−
1,2,4−トリアゾール−1−イル]−3−(1H−
1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパン−2−
オール 化合物(−)−I:(−)−2−(2,4−ジフルオロ
フェニル)−1−[3−[(E)−4−(2,2,3,
3−テトラフルオロプロポキシ)スチリル]−1H−
1,2,4−トリアゾール−1−イル]−3−(1H−
1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパン−2−
オール 化合物(±)−I(化合物A):(±)−2−(2,4
−ジフルオロフェニル)−1−[3−[(E)−4−
(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)スチリ
ル]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]−
3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プ
ロパン−2−オール フルコナゾール:2−(2,4−ジフルオロフェニル)
−1,3−ビス(1H−1,2,4−トリアゾール−1
−イル)プロパン−2−オール
【0028】実験例1 最小発育阻止濃度(MIC)の
測定 酵母様真菌はサブロード・デキストロース・ブロス(S
DB,Difco)で30℃,24時間培養し、これを
滅菌生理食塩水で希釈して10 cells/mlの
接種用菌液とした。糸状菌については、分生子が豊富に
形成されている成熟期のサブロード・デキストロース・
寒天培地(SDA,Difco)斜面培養(2ないし3
週間培養)に3ないし5mlの0.05%(w/v)ツ
イーン80(Tween 80)を含む滅菌生理食塩水
を加え、イノキュレーティング・ループ(inocul
ating loop,Nunc Inc.)を用いて
分生子を遊離させた。得られた分生子懸濁液を滅菌ピペ
ットで回収した後、2枚重ねの滅菌ガーゼを通して濾過
することにより、菌糸塊や寒天小片を除去し、滅菌生理
食塩水で10 conidia/mlに希釈し、接種
用菌液とした。一方、薬剤寒天平板は、薬剤をジメチル
スルホキシド(DMSO,和光純薬)を用いて0.00
5ないし10mg/mlの濃度に調製し、その薬剤溶液
1容に対しSDA99容を加え、最終濃度が0.05な
いし100μg/mlの2倍希釈系列の寒天培地を作製
した。この寒天平板上に上記の方法で調製した接種用菌
液を、ミクロプランターMIT−P(佐久間製作所)を
用いて接種した。寒天平板は、30℃で48時間静置培
養し、真菌の発育が肉眼的にまったく認められない最低
濃度をもって最小発育阻止濃度(MIC)とした。結果
を表1に示した。
【0029】
【表1】
【0030】実験例2 生体内感染治療効果の測定 一群10匹の雄ICRマウス(体重18ないし20g)
を用い、被験菌を水性懸濁液として静注し、感染させ
た。感染1時間後に1回、あるいは感染1時間後から1
日1回、5日間にわたって試験化合物を経口投与した。
2週間後に生存動物の数を数え、試験動物の50%が生
存する投与量(ED50:mg/kg)をリッチフィー
ルド−ウィルコクソン(Litchfield−Wil
coxon)法にて算出した。結果を表2に示した。
【0031】
【表2】
【0032】実験例3 毒性試験 (1)化合物A((±)−I)のサルにおける毒性試験 化合物Aの1、3、10および30mg/kg/day
をサルに28日間連日経口投与し、その毒性を検討し
た。その結果、3mg/kg/day以上の用量では血
清コルチゾール値の低下、副腎皮質束状層の増生と脂肪
滴増加、精巣の精細管の萎縮が、30mg/kg/da
yの用量では心電図上のQTc時間(心拍数で補正した
QT時間)の延長が認められた。本実験条件下では1m
g/kg/dayの用量が安全量と考えられた。また、
当該動物を用いて化合物Aの血漿中濃度推移を調べた結
果、血漿中濃度は経日的に上昇し、投与2または3週で
定常状態に達した。
【0033】(2)化合物(+)−Iのサルにおける毒
性試験 化合物(+)−Iの1、3、10および30mg/kg
/dayをサルに28日間連日経口投与し、その毒性を
検討した。その結果、10mg/kg/day以上の用
量では副腎皮質束状層の増生と脂肪滴の増加が軽度に認
められたが、血清コルチゾール値の低下はなかった。こ
の軽度な組織学的変化以外には、心電図上も異常が認め
られず、何ら毒性は認められなかった。本実験条件下で
は30mg/kg/dayの用量が安全量と考えられ
た。また、当該動物を用いて化合物(+)−Iの血漿中
濃度推移を調べた結果、血漿中濃度は経日的に上昇する
ことはなかった。
【0034】以上の実験結果から明らかなように本発明
化合物(+)−I、その塩、溶媒和物および塩の溶媒和
物は、インビトロ、或はインビボの何れにおいてもフル
コナゾールよりも著しく強い抗真菌活性を示すことが確
認された。一方そのエナンチオマーである化合物(−)
−Iは、本発明化合物(+)−Iに比し、著しく弱い抗
真菌活性を示した。さらに本発明化合物(+)−Iにお
いては、その薬理作用と化合物Aでみられた副作用とが
明確に分離されている。以上のことから、本発明化合物
(+)−Iを有効成分とする薬剤は、高い安全性を有し
ており、非常に有用な真菌感染治療剤として供され得
る。
【0035】本発明化合物(+)−Iは、賦形剤、結合
剤、潤沢剤、着色剤、香味剤、懸濁化剤または乳化剤
(例えばポリソルベート80やアラビアゴムなど)、一
般的に用いられる適当な担体又は溶媒の類、例えば必要
に応じて滅菌水や植物油、更には生理学的に許容し得る
溶媒や溶解補助剤(例えばアルコール、グリセリン、プ
ロピレングリコール)等を適宜選択組み合わせて種々の
剤形とすることができる。
【0036】こうした剤形としては錠剤、カプセル剤、
顆粒剤、細粒剤、散剤、坐剤、シロップ剤、吸入剤、軟
膏剤、乳濁剤、懸濁剤、点眼用液剤、水性若しくは非水
性の注射剤、乳濁性もしくは懸濁性の注射剤、用時溶
解、乳濁又は懸濁して用いる固形注射剤などが挙げら
れ、経口または非経口(例えば静脈内投与、筋肉内投
与、皮下投与、直腸内投与、経皮吸収または経粘膜吸収
等)を問わず、あるいはペッサリー等に塗布することに
より患者に投与される。その一日投与量は錠剤、カプセ
ル剤、散剤、注射剤、坐剤(全身性)その他の全身性投
与の場合には、本発明化合物の量に換算して0.1mg
〜2000mg、好ましくは1mg〜200mgを投与
することが好ましいが、患者の様態に応じて適宜増減す
ることができる。また全量を単回あるいは2〜6回に分
割して投与することや点滴静注なども可能である。
【0037】
【実施例】以下に、実施例を示し本発明を更に詳しく説
明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるもの
ではない。また、実施例中に記載した光学純度は光学活
性な担体を含有するカラム(DAICEL CHIRA
LCEL OD)を用いて、HPLC(溶出液 エタノ
ール:ジエチルアミン=100:1)で定量することに
より決定した。
【0038】実施例1 4−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)ベ
ンゾニトリルの合成13.5gのモレキュラシーブス4
Aを加えて1日乾燥したジメチルホルムアミド135m
lに水素化ナトリウム(60%油性物)14.4gを懸
濁し、氷冷下に2,2,3,3−テトラフルオロプロパ
ノール43.2gを滴下した。発泡がおさまった後、4
−クロルベンゾニトリル30gを氷冷下に滴下し、40
℃で5時間撹拌した。反応液に5%塩酸水溶液600m
lを加えて析出した結晶を濾取し、水:イソプロパノー
ル=1:4 (330ml)で再結晶し、標題化合物3
3.7gを得た。 融点: 79.9〜80.2℃ IRスペクトル(KBr錠剤) ν cm-1:222
4,1606,1509,1264,1100 NMRスペクトル(90MHz,CDCl3)δpp
m:7.65(2H,d,J=8.9 Hz),7.0
0(2H,d,J=8.9Hz),6.03(1H,t
t,J=53.1,4.3Hz),4.41(2H,t
t,J=11.9,1.7Hz)
【0039】実施例2 4−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)ベ
ンズアルデヒドの合成実施例1で得られた4−(2,
2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)ベンゾニトリ
ル167gをトルエン680mlに溶解し、氷冷下、水
素化ジイソブチルアルミニウム(1.5Mトルエン溶
液)621mlを滴下した。室温にして2時間撹拌後、
反応液にトルエン350mlを加え、メタノール280
mlを滴下した。さらに反応混合物を2M塩酸1000
mlに加えて、1時間撹拌後、分液し、水層を酢酸エチ
ルで抽出した。有機層を合わせて減圧下に濃縮し、残渣
にメタノール800ml、1M塩酸450mlを加え、
40℃で3時間加熱撹拌した。メタノールを減圧下に留
去し、残渣に1M塩酸500mlを加え、酢酸エチルで
抽出した。飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで
乾燥し溶媒を減圧下に留去し、標題化合物155.4g
を油状物として得た。 IRスペクトル(薄膜) ν cm-1:1762,17
01,1604,1585,1264,1106 NMRスペクトル(90MHz,CDCl3)δpp
m:9.90(1H, s),7.87(2H,d,J
=8.6Hz),7.06(2H,d,J=8.6H
z),6.11(1H,tt,J=53.1,4.6
Hz),4.45(2H,t,J=11.9Hz)
【0040】実施例3 (E)−4−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポ
キシ)ケイ皮酸エチルの合成 テトラヒドロフラン640mlに粉砕した水酸化カリウ
ム11.6gを懸濁し、これにジエチルホスホノ酢酸エ
チル23.3gを滴下し、さらに実施例2で得られた4
−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)ベン
ズアルデヒド24.5gを滴下した。滴下終了後、反応
液を水に注ぎ、析出した結晶を濾取し、風乾して標題化
合物25.7gを得た。 融点: 41.1〜42.6℃ IRスペクトル(KBr錠剤) ν cm-1:170
1,1637,1605,1515,1180,112
1,834 NMRスペクトル(90MHz,CDCl3)δpp
m:7.64(1H,d,J=16.2Hz),7.5
0(2H,d,J=8.9Hz),6.93(2H,
d,J=8.9Hz),6.33(1H,d,J=1
6.2Hz),6.05(1H,tt,J=53.1,
4.8Hz),4.37(2H,t,J=11.9H
z),4.26(2H,q,J=7.1Hz),1.3
3(3H,t,J=7.1Hz)
【0041】実施例4 (E)−4−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポ
キシ)ケイ皮酸の合成実施例3で得られた(E)−4−
(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)ケイ皮
酸エチル25gをエタノール250mlに溶解し、水酸
化ナトリウム7.5gを水50mlに溶解した溶液を室
温で滴下した。1時間後、水50mlを加えて析出して
きた結晶を溶解した後、エタノールを減圧下に留去し、
残渣を水1200mlに溶解し、濃塩酸でpH1に調整
した。酢酸エチル1000mlで抽出し、酢酸エチル層
を飽和食塩水で洗浄した後無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。減圧下に濃縮後、残渣をヘキサンで洗浄し、得られ
た結晶を濾取後風乾し、標題化合物20.5gを得た。 融点: 177.4〜178.7℃ IRスペクトル(KBr錠剤) ν cm-1:167
6,1627,1603,1512,1220,117
6,1121,1112,832 NMRスペクトル(90MHz,DMSO−d6)δp
pm:12.2(1H,bs),7.67(2H,d,
J=8.6Hz),7.55(1H,d,J=15.8
Hz),7.07(2H,d,J=8.6Hz),6.
66(1H,tt,J=52.0,5.6Hz),6.
40(1H,d,J=15.8Hz),4.63(2
H,t,J=13.5Hz)
【0042】実施例5 (E)−4−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポ
キシ)ケイ皮酸アミドの合成 実施例4で得られた(E)−4−(2,2,3,3−テ
トラフルオロプロポキシ)ケイ皮酸20gを塩化チオニ
ル50mlと1時間加熱還流した。反応終了後、減圧下
に濃縮し、残渣をトルエン135mlに溶解し、これを
濃アンモニア水50mlにゆっくり滴下した。結晶の析
出した反応液に酢酸エチル200mlを加えて抽出し、
水、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。酢酸エチル層を減圧下に濃縮後、残渣をヘキサ
ン:エーテル=6:1の混合溶媒100mlで洗浄し、
析出した結晶を濾取して標題化合物17.5gを得た。 融点: 147.9〜149.8℃ IRスペクトル(KBr錠剤) ν cm-1:318
2,3172,1670,1598,1515,139
9,1259 NMRスペクトル(90MHz,DMSO−d6)δp
pm:7.53(2H,d,J=8.8Hz),7.3
7(1H,d,J=15.8Hz),7.07(2H,
d,J=8.8Hz),6.65(1H,tt,J=5
1.9,5.1Hz),6.47(1H,d,J=1
5.8Hz),4.60(2H,t,J=13.6H
z)
【0043】実施例6 3−[(E)−4−(2,2,3,3−テトラフルオロ
プロポキシ)スチリル]−1H−1,2,4−トリアゾ
ールの合成 実施例5で得られた(E)−4−(2,2,3,3−テ
トラフルオロプロポキシ)ケイ皮酸アミド52.9gを
無水塩化メチレン920mlに溶解し、トリメチルオキ
ソニウムテトラフルオロボレート42.4gを加えた。
5時間還流後、反応液を飽和炭酸ナトリウム氷水溶液1
000mlに注ぎ、塩化メチレン層を分液した。有機層
を飽和食塩水で洗い無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶
媒を減圧下に留去し残渣を無水エタノール265mlに
溶解し、蟻酸ヒドラジド17.2gとトリエチルアミン
13.3mlを加えて2時間加熱還流した。反応液を濃
縮し、残渣を酢酸エチル600mlに溶解し、水、飽和
食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
溶媒を減圧下に留去し、残渣にエーテルを加え洗浄し、
標題化合物36.6gを得た。 融点: 153.2〜154.6℃ IRスペクトル(KBr錠剤) ν cm-1:160
7,1515,1258,1110 NMRスペクトル(90MHz,DMSO−d6)δp
pm:8.26(1H,s),7.63(2H,d,J
=8.8Hz),7.48(1H,d,J=17.2H
z),7.07(2H,d,J=8.8 Hz),7.
03(1H,d,J=17.2Hz),6.68(1
H,tt,J=51.9, 5.7Hz),4.62
(2H,t,J=13.6Hz)
【0044】実施例7 1,3−ジクロル−2−(2,4−ジフルオロフェニ
ル)プロパン−2−オールの合成 2,4−ジフルオロブロムベンゼン225gを無水エー
テル2000mlに溶解し、−60℃でn−ブチルリチ
ウム(1.6Mヘキサン溶液)733mlを滴下した。
1時間後、1,3−ジクロルアセトン148gを無水エ
ーテル300mlに溶解し−50℃で滴下した。30分
撹拌後、酢酸76gの無水エーテル200ml溶液を滴
下した。氷冷下に水500mlを加えて分液し、エーテ
ル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下に留
去し、標題化合物279gを油状物として得た。 IRスペクトル(薄膜) ν cm-1:3516,16
18,1599,1501,1424,1267 NMRスペクトル(90MHz,CDCl3)δpp
m:7.83〜7.55(1H,m),7.05〜6.
70(2H,m),4.03(4H,s),3.02
(1H,bs)
【0045】実施例8 1−クロル−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−
2,3−エポキシプロパンの合成 水素化ナトリウム(60%油性物)45gをジメチルホ
ルムアミド400mlに懸濁し、氷冷下に実施例7で得
られた1,3−ジクロル−2−(2,4−ジフルオロフ
ェニル)プロパン−2−オール242gのジメチルホル
ムアミド100ml溶液を滴下した。反応液を750m
lの氷水中に注ぎ、濃塩酸でpH4にした。酢酸エチル
1500mlを加え抽出し、酢酸エチル層を飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗い、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下に留去し、残渣を
減圧蒸留し、125〜135℃/30mmHgの留分を
集め、標題化合物99.5gを得た。 沸点: 125〜135℃/30mmHg IRスペクトル(薄膜) ν cm-1:1619,16
02,1508,1425,1272 NMRスペクトル(90 MHz,CDCl3)δ p
pm:7.57〜7.31(1H,m),6.98〜
6.71(2H,m),4.09(1H,d,J=1
1.9Hz),3.68(1H,d,J=11.9H
z),3.20(1H,d,J=4.8Hz),2.9
3(1H,d,J=4.8Hz)
【0046】実施例9 2−(2,4−ジフルオロフェニル)アリルアルコール
の合成 金属テルル60.3gとヒドロキシメタンスルフィン酸
ナトリウム109.7gを1M水酸化ナトリウム水溶液
2500mlに懸濁し、窒素雰囲気下55〜60℃で1
時間撹拌した。この溶液に実施例8で得られた1−クロ
ル−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2,3−エ
ポキシプロパン94gのジオキサン500ml溶液を3
0分で滴下した。30分撹拌後、反応液を室温まで冷却
し、不溶物を濾別し、濾液に30分間空気を吹き込み、
析出物を再度濾過した。濾液にエーテル1000mlを
加え抽出し、エーテル層を飽和食塩水で洗い、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下に留去し、標題化
合物77gを油状物として得た。 IRスペクトル(薄膜) ν cm-1:3340,16
17,1506,1420,1267 NMRスペクトル(90MHz,CDCl3)δpp
m:7.44〜7.18(1H,m),6.96〜6.
69(2H,m),5.51(1H,m),5.35
(1H,bs),4.46(2H,m),1.71〜
1.64(1H,m)
【0047】実施例10 (−)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2,3
−エポキシプロパノールの合成 チタンテトライソプロポキシド197mlを塩化メチレ
ン1700mlに溶解し、窒素雰囲気下−20℃に冷却
し、(+)−酒石酸ジエチル164gの塩化メチレン1
00ml溶液を加えた。15分撹拌後、実施例9で得ら
れた2−(2,4−ジフルオロフェニル)アリルアルコ
ール113gの塩化メチレン100ml溶液を滴下し
た。15分撹拌後、t−ブチルハイドロパーオキシドの
7.1M塩化メチレン溶液332mlを滴下し、−20
℃で8時間撹拌した。反応液に10%酒石酸水溶液10
00mlを少量ずつ加え、徐々に室温まで昇温した。反
応液をセライトを用いて濾過し、濾液より塩化メチレン
層を分液し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減
圧下に留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:4)にて精製し、標
題化合物90.2gを油状物として得た。 比旋光度: [α]=−38゜(C=0.97,TH
F) 光学純度(HPLC法): 88%ee IRスペクトル(薄膜) ν cm-1:3440,16
18,1508,1271 NMRスペクトル(90MHz,CDCl3)δpp
m:7.53〜7.26(1H,m),6.99〜6.
70(2H,m),4.09〜3.89(2H,m),
3.29(1H,d,J=5.1Hz),2.84(1
H,d,J=5.1Hz),1.81(1H,dd,J
=8.3,5.6Hz)
【0048】実施例11 1ーアセトキシ−2−(2,4−ジフルオロフェニル)
−2,3−エポキシプロパンの合成 実施例8で得られた1−クロロ−2−(2,4−ジフル
オロフェニル)−2,3−エポキシプロパン2.05g
と酢酸ナトリウム0.98gを酢酸5mlに懸濁し、1
時間加熱還流した。反応液を減圧下に留去し、残渣を飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した。酢酸エチル1
0mlで抽出し、水と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下に留去し、残渣
を1,2−ジメトキシエタン20mlに溶解し、氷冷
下、水素化ナトリウム(60%油性物)400mgを少
しずつ加えた。10分間撹拌した後、氷冷下に水40m
lを注ぎ、酢酸エチル40mlで2回抽出した。酢酸エ
チル層をあわせて水及び飽和食塩水で洗浄した後、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下に留去し、残
渣を減圧蒸留し、137〜138℃/16mmHgの留
分を集め、標題化合物1.37gを得た。 沸点: 137〜138℃/16mmHg IRスペクトル(薄膜) ν cm-1:1751,15
09,1234,1140,1041,966 NMRスペクトル(90MHz,CDCl3)δpp
m:7.54〜7.26(1H,m),7.00〜6.
66(2H,m), 4.67(1H,d,J=12.
5Hz)4.15(1H,d,J=12.5Hz),
3.15(1H,d,J=5.1 Hz),2.85
(1H,d,J=5.1Hz),2.02(3H,s)
【0049】実施例12 (+)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2,3
−エポキシプロパノール及び(−)−1−アセトキシ−
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2,3−エポキ
シプロパンの合成 実施例11で得られた1−アセトキシ−2−(2,4−
ジフルオロフェニル)−2,3−エポキシプロパン20
gをジイソプロピルエーテル440ml、0.1Mリン
酸緩衝液(pH7.0)4000ml中に懸濁し、ぶた
膵臓リパーゼ(シグマ社)4.4gを加えた。室温で3
時間撹拌した後、反応液をセライトを用いて濾過し、濾
液を酢酸エチル3000mlで2回抽出した。酢酸エチ
ル層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。溶媒を減圧下に留去し、残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:
7)で精製し、(−)−1−アセトキシ−2−(2,4
−ジフルオロフェニル)−2,3−エポキシプロパン
8.8gおよび(+)−2−(2,4−ジフルオロフェ
ニル)−2,3−エポキシプロパノール7.5gをそれ
ぞれ油状物として得た。(−)−1−アセトキシ−2−
(2,4−ジフルオロフェニル)−2,3−エポキシプ
ロパン 光学純度(HPLC法): 98%ee IRスペクトル(薄膜) ν cm-1:1751,15
09,1234,1140,1041,966 NMRスペクトル(90 MHz,CDCl3)δpp
m:7.54〜7.26(1H,m),7.00〜6.
66(2H,m),4.67(1H,d,J=12.5
Hz),4.15(1H,d,J=12.5Hz),
3.15(1H,d,J=5.1Hz),2.85(1
H,d,J=5.1Hz),2.02(3H,s) (+)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2,3
−エポキシプロパノール比旋光度: [α]=+37
゜(C=1.01,THF) 光学純度(HPLC法): 87%ee IRスペクトル(薄膜) ν cm-1:3440,16
18,1508,1271 NMRスペクトル(90MHz,CDCl3)δpp
m:7.53〜7.26(1H,m),6.99〜6.
70(2H,m),4.09〜3.89(2H,m),
3.29(1H,d,J=5.1Hz),2.84(1
H,d,J=5.1Hz),1.81(1H,dd,J
=8.3,5.6Hz)
【0050】実施例13 (−)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2,3
−エポキシプロパノールの合成 実施例12で得られた(−)−1−アセトキシ−2−
(2,4−ジフルオロフェニル)−2,3−エポキシプ
ロパン0.40gをメタノール14mlに溶解し、室温
で1M水酸化カリウム水溶液1.75mlを滴下した。
15分間撹拌した後、1M塩酸を加えて中和し、メタノ
ールを減圧下に留去した。酢酸エチル10mlで2回抽
出した後、水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。溶媒を減圧下に留去し標題化合物0.
33gを油状物として得た。 比旋光度: [α]=−42゜(C=1.0,TH
F) 光学純度(HPLC法): 98%ee IRスペクトル(薄膜) ν cm-1:3440,16
18,1508,1271 NMRスペクトル(90MHz,CDCl3)δpp
m:7.53〜7.26(1H,m),6.99〜6.
70(2H,m),4.09〜3.89(2H,m),
3.29(1H,d,J=5.1Hz),2.84(1
H,d,J=5.1Hz),1.81(1H,dd,J
=8.3,5.6Hz)
【0051】実施例14 (−)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−
(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパ
ン−1,2−ジオールの合成 実施例10で得られた(−)−2−(2,4−ジフルオ
ロフェニル)−2,3−エポキシプロパノール92g
を、テトラヒドロフラン750mlに溶解し、1,2,
4−トリアゾール54gと無水炭酸カリウム109gを
加え、2日間加熱還流した。反応液に約500mlの水
を加え、水層を食塩で飽和した後分液し、800mlの
酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を濃縮し残渣
にクロロホルム400mlを加え溶解し、ヘキサン80
mlを加え、1晩放置し析出した結晶を濾取した。再
度、クロロホルム300mlに加熱溶解し1晩放置後、
結晶を濾取し標題化合物61gを得た。 比旋光度: [α]=−60゜(C=1.00,TH
F) 光学純度(HPLC法): 100%ee 融点: 92.1〜92.8℃ IRスペクトル(KBr錠剤) ν cm-1:333
0,3130,1654,1560,1517,113
6,1123 NMRスペクトル(90MHz,DMSO−d6)δp
pm:8.30(1H,s),7.70(1H,s),
7.53〜6.82(3H,m),5.77(1H,
s),5.09(1H,t,J=5.6Hz),4.5
8(2H,s),3.67(2H,d,J=5.6H
z) この化合物をよく粉砕し約1mgをミクロバイアルに入
れ、これに塩化メチレンを少量づつ加え40℃に加温し
た。0.5mlの塩化メチレンを加えると溶解した。蓋
をして室温に放置した。4日以上放置することにより一
辺0.1mm程度の大きさの立方晶が約10個析出し
た。得られた単結晶を単結晶自動X線構造解析装置AF
C−5R(理学電機社製)を用いて解析し、絶対配置を
(R)と決定した。
【0052】実施例15 (+)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−
(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2,
3−エポキシプロパンの合成 実施例14で得られた(−)−2−(2,4−ジフルオ
ロフェニル)−3−(1H−1,2,4−トリアゾール
−1−イル)プロパン−1,2−ジオール10gを無水
エーテル1000mlに懸濁し、室温でトリエチルアミ
ン27.3ml、メタンスルホニルクロリド4.6ml
を加え、1時間撹拌後、水500mlを加えさらに1時
間撹拌した。反応液を分液し、有機層に水500mlを
加え1M塩酸を用いて水層がpH4になるように調整し
分液した。有機層を飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。溶媒を減圧下に留去し、標題化合物
7.5gを油状物として得た。 比旋光度: [α]=+4゜(C=1.04,TH
F) 光学純度(HPLC法): 98%ee IRスペクトル(薄膜) ν cm-1:1619,16
01,1508,1275,1140 NMRスペクトル(90MHz,CDCl3)δpp
m:8.06(1H,s),7.87(1H,s),
7.32〜7.05(1H,m),6.93〜6.72
(2H,m),4.85(1H,d,J=14.8H
z),4.49(1H,d,J=14.8Hz),2.
95(1H,d,J=4.3Hz),2.88(1H,
d,J=4.3Hz)
【0053】実施例16 (+)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−
[3−[(E)−4−(2,2,3,3−テトラフルオ
ロプロポキシ)スチリル]−1H−1,2,4−トリア
ゾール−1−イル]−3−(1H−1,2,4−トリア
ゾール−1−イル)プロパン−2−オールの合成 実施例15で得られた(+)−2−(2,4−ジフルオ
ロフェニル)−3−(1H−1,2,4−トリアゾール
−1−イル)−2,3−エポキシプロパン42gと実施
例6で得られた3−[(E)−4−(2,2,3,3−
テトラフルオロプロポキシ)スチリル]−1H−1,
2,4−トリアゾール44.2gおよび無水炭酸カリウ
ム80.6gをジメチルホルムアミド268mlに懸濁
し、90℃で1時間加熱撹拌した。反応液を1M塩酸8
00mlに注ぎ、酢酸エチルで抽出し、水洗、飽和食塩
水洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧
下に留去し残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
にて精製し(酢酸エチル:ヘキサン=6:1で低極性物
質を溶出した後、2%メタノールを含む酢酸エチルで溶
出)、目的物を含む分画を濃縮し、残渣にエーテルを加
え結晶化した。これを、酢酸エチル700mlに加熱溶
解し50℃でヘキサン2400mlを加えて、室温で
1.5時間放置し析出した結晶を濾取した。この結晶を
100mlの酢酸エチルに溶解し、50℃でヘキサン3
00mlを加え、室温に1時間放置し析出した結晶を濾
取し、標題化合物18gを得た。 比旋光度: [α]=+50.7゜(C=1.01,
THF) 光学純度(HPLC法): 99.5%ee 化学純度(HPLC法): 99.8% 融点: 92.0〜93.4℃ IRスペクトル(KBr錠剤) ν cm-1:313
0,1618,1606,1515,1500,111
4 NMRスペクトル(90MHz,DMSO−d6)δp
pm:8.32(1H,s),8.28(1H,s),
7.77(1H,s),7.59(2H,d,J=8.
6Hz),7.34(1H,d,J=16.2Hz),
7.04(2H,d,J=8.6Hz),6.90(1
H,d,J=16.2Hz),7.35〜6.86(3
H, m),6.66(1H,tt,J=51.8,
5.6Hz),6.37(1H,s),4.88〜4.
45(6H,m)
【0054】実施例17 (+)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−
[3−[(E)−4−(2,2,3,3−テトラフルオ
ロプロポキシ)スチリル]−1H−1,2,4−トリア
ゾール−1−イル]プロパン−1,2−ジオールの合成 実施例12で得られた(+)−2−(2,4−ジフルオ
ロフェニル)−2,3−エポキシプロパノール0.45
gと実施例6で得られた3−[(E)−4−(2,2,
3,3−テトラフルオロプロポキシ)スチリル]−1H
−1,2,4−トリアゾール0.60gをジメチルホル
ムアミド20mlに溶解し、炭酸カリウム0.28gを
加えて80〜90℃で3時間撹拌した。放冷後、反応液
に水50mlを加え、酢酸エチル50mlで3回抽出し
た。酢酸エチル層をあわせて水及び飽和食塩水で洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下に留
去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢
酸エチル:ヘキサン=1:1〜1:3)にて精製し、標
題化合物0.42gを得た。 比旋光度: [α]=+57.4゜(C=1.02,
THF) 光学純度(HPLC法): 88%ee 融点: 119.8〜120.8℃ IRスペクトル(KBr錠剤) ν cm-1:344
6,1607,1516,1499,1261,112
6 NMRスペクトル(90 MHz,CDCl3)δpp
m:7.86(1H,s),7.68〜7.40(4
H,m),6.96〜6.66(5H,m),6.06
(1H,tt,J=53.1,5.0Hz),4.71
(2H,s),4.36(2H,t,J=11.7H
z),4.03(1H,d,J=11.7Hz),3.
75(1H,d,J=11.5Hz)
【0055】実施例18 (−)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−
[3−[(E)−4−(2,2,3,3−テトラフルオ
ロプロポキシ)スチリル]−1H−1,2,4−トリア
ゾール−1−イル]−2,3−エポキシプロパンの合成 実施例17で得られた(+)−2−(2,4−ジフルオ
ロフェニル)−3−[3−[(E)−4−(2,2,
3,3−テトラフルオロプロポキシ)スチリル]−1H
−1,2,4−トリアゾール−1−イル]プロパン−
1,2−ジオール300mgを無水エーテル30mlに
溶解し、メタンスルホニルクロリド0.07mlとトリ
エチルアミン0.43mlを加えた。30分間撹拌した
後、反応液を減圧下に濃縮し、残渣をジメチルホルムア
ミド25mlに溶解し、水素化ナトリウム(60%油性
物)50mgを加えた。室温で4時間撹拌した後、反応
液に水50mlを加え、酢酸エチル40mlで3回抽出
した。酢酸エチル層をあわせて水及び飽和食塩水で洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下に留
去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢
酸エチル:ヘキサン=2:3)にて精製し、標題化合物
187mgを得た。 比旋光度: [α]=−11.8゜(C=0.76
5,THF) 光学純度(HPLC法): 87%ee 融点: 129.8〜132.3℃ IRスペクトル(KBr錠剤) ν cm-1:161
9,1509,1271,1214,1138,110
1 NMRスペクトル(90MHz,CDCl3)δpp
m:7.99(1H,s),7.60〜6.73(9
H,m),6.07(1H,tt,J=53.1,4.
9Hz),4.80(1H,d,J=15.2Hz),
4.48(1H,d,J=15.2Hz),4.36
(2H,t,J=11.7Hz),2.98(1H,
d,J=4.8Hz),2.88(1H,d,J=4.
8Hz)
【0056】実施例19 (+)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−
[3−[(E)−4−(2,2,3,3−テトラフルオ
ロプロポキシ)スチリル]−1H−1,2,4−トリア
ゾール−1−イル]−3−(1H−1,2,4−トリア
ゾール−1−イル)プロパン−2−オールの合成 1,2,4−トリアゾール22mgをジメチルホルムア
ミド3mlに溶解し、水素化ナトリウム(60%油性
物)14mgを加えた。発泡がおさまった後、実施例1
8で得られた(−)−2−(2,4−ジフルオロフェニ
ル)−1−[3−[(E)−4−(2,2,3,3−テ
トラフルオロプロポキシ)スチリル]−1H−1,2,
4−トリアゾール−1−イル]−2,3−エポキシプロ
パン150mgをジメチルホルムアミド3.5mlに溶
かした溶液を滴下した。室温で16時間撹拌した後、水
素化ナトリウム(60%油状物)4mgと1,2,4−
トリアゾール7mgを追加した。室温でさらに4時間撹
拌した後水80mlを加え、酢酸エチル80mlで2回
抽出した。酢酸エチル層をあわせて水及び飽和食塩水で
洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下
に留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(酢酸エチル)にて精製した。目的物を含む分画を濃縮
し、残渣を酢酸エチル2mlに加熱溶解し、50℃でヘ
キサン9mlを加えて室温で放置し、析出した結晶をろ
取し、標題化合物60mgを得た。 光学純度(HPLC法): 96%ee 融点: 92.0〜93.4℃ IRスペクトル(KBr錠剤) ν cm-1:313
0,1618,1606,1515,1500,111
4 NMRスペクトル(90MHz,DMSO−d6)δp
pm:8.32(1H,s),8.28(1H,s),
7.77(1H,s),7.59(2H,d,J=8.
6Hz),7.34(1H,d,J=16.2Hz),
7.04(2H,d,J=8.6Hz),6.90(1
H,d,J=16.2Hz),6.86〜7.42(3
H,m),6.66(1H,tt,J=51.8,5.
6Hz),6.37(1H,s),4.88〜4.45
(6H,m)
【0057】実施例20 (+)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−
[3−[(E)−4−(2,2,3,3−テトラフルオ
ロプロポキシ)スチリル]−1H−1,2,4−トリア
ゾール−1−イル]−3−(1H−1,2,4−トリア
ゾール−1−イル)プロパン−2−オール モノ硫酸塩
の合成 実施例16で得られた(+)−2−(2,4−ジフルオ
ロフェニル)−1−[3−[(E)−4−(2,2,
3,3−テトラフルオロプロポキシ)スチリル]−1H
−1,2,4−トリアゾール−1−イル]−3−(1H
−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパン−2
−オール100mgをエタノール1mlに溶解し、濃硫
酸18.2mgをエタノール0.5mlに溶かした溶液
を加え、2時間静置した。析出した結晶を濾取し風乾し
た後、エタノール3mlに加熱溶解した。室温で16時
間静置した後、析出した結晶を濾取し風乾した。得られ
た結晶をアセトン2mlに懸濁し、2時間超音波処理し
た後濾取し、減圧乾燥して標題化合物55mgを得た。 元素分析: C2420・HSO 実測値 C(44.82%),H(3.43%),N
(12.75%) 計算値 C(44.29%),H(3.48%),N
(13.20%) 融点: 189〜193℃ IRスペクトル(KBr錠剤) ν cm-1:160
6,1514,1262,1202,1178,112
4,620 NMRスペクトル(90 MHz,DMSO−d6)δ
ppm:8.52(1H,s),8.37(1H,
s),7.93(1H, s),7.75〜6.81
(9H,m),6.03(1H,tt,J=51.8,
5.6Hz),4.85〜4.46(6H,m)
【0058】実施例21 2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2,3−エポキ
シプロパノールの光学異性化
【0059】第一工程 (+)−1−クロロ−2−
(2,4−ジフルオロフェニル)−2,3−エポキシプ
ロパンの合成 実施例12で得られた(+)−2−(2,4−ジフルオ
ロフェニル)−2,3−エポキシプロパノール1.07
gとトリフェニルホスフィン1.7gを四塩化炭素18
mlに溶解し、7時間加熱還流した。放冷後水20ml
を加えて塩化メチレン20mlで2回抽出した。有機層
をあわせて水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。溶媒を減圧下に留去し、残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン
=3:97)にて精製し、標題化合物0.71gを油状
物として得た。 IRスペクトル(薄膜) ν cm-1:1619,16
02,1508,1425,1272 NMRスペクトル(90 MHz,CDCl3)δpp
m:7.57〜7.31(1H,m),6.98〜6.
71(2H,m),4.09(1H,d,J=11.9
Hz),3.68(1H,d,J=11.9Hz),
3.20(1H,d,J=4.8Hz),2.93(1
H,d,J=4.8Hz)
【0060】第二工程 (−)−1−アセトキシ−2−
(2,4−ジフルオロフェニル)−2,3−エポキシプ
ロパンの合成 第一工程で得られた(+)−1−クロロ−2−(2,4
−ジフルオロフェニル)−2,3−エポキシプロパン
0.70gを用いて、実施例11と同様の操作により標
題化合物0.55gを油状物として得た。 IRスペクトル(薄膜) ν cm-1:1751,15
09,1234,1140,1041,966 NMRスペクトル(90MHz,CDCl3)δpp
m:7.54〜7.26(1H,m),7.00〜6.
66(2H,m),4.67(1H,d,J=12.5
Hz),4.15(1H,d,J=12,5Hz),
3.15(1H,d,J=5.1Hz),2.85(1
H,d,J=5.1Hz),2.02(3H,s)
【0061】第三工程 (−)−2−(2,4−ジフル
オロフェニル)−2,3−エポキシプロパノールの合成 第二工程で得られた(−)−1−アセトキシ−2−
(2,4−ジフルオロフェニル)−2,3−エポキシプ
ロパン0.40gを用いて実施例13と同様の操作によ
り標題化合物0.33gを油状物として得た。 光学純度(HPLC法): 98%ee IRスペクトル(薄膜) ν cm-1:3440,16
18,1508,1271 NMRスペクトル(90MHz,CDCl3)δpp
m:7.53〜7.26(1H,m),6.99〜6.
70(2H,m),4.09〜3.89(2H,m),
3.29(1H,d,J=5.1 Hz),2.84
(1H,d,J=5.1Hz),1.81(1H,d
d,J=8.3,5.6Hz)
【0062】実施例22 1−(2,4−ジフルオロフェニル)シクロプロパノー
ルの合成 実施例7で得られた1,3−ジクロル−2−(2,4−
ジフルオロフェニル)プロパン−2−オール2.5gを
無水エーテル20mlに溶解し氷冷下激しく撹拌しなが
ら、臭化エチル7.91gとマグネシウム1.84gよ
り調製した臭化エチルマグネシウムのエーテル(40m
l)溶液と、塩化第二鉄のエーテル(10ml)溶液を
同時に2時間かけて滴下した。室温で1時間撹拌後、反
応液を氷80gと塩化アンモニウムを飽和させた2M塩
酸30mlとの混合物中にあけ、エーテル層を分液し
た。水層をエーテル50mlで抽出した後、エーテル層
を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウム
で乾燥した。溶媒を減圧下に留去し、残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=
1:9)にて精製し、標題化合物0.99gを油状物と
して得た。 IRスペクトル(薄膜) ν cm-1:1617,16
04,1508,1234,1140,1115,96
9,851 NMRスペクトル(90MHz,CDCl3)δpp
m:7.51〜6.69(3H,m),2.53(1
H,d,J=1.7Hz),1.18〜0.89(4
H,m)
【0063】実施例23 1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−メタンスル
ホニルオキシシクロプロパンの合成 実施例22で得られた1−(2,4−ジフルオロフェニ
ル)シクロプロパノール0.97gとトリエチルアミン
0.63gを無水エーテル8mlに溶解した溶液に、氷
冷下、メタンスルホニルクロリド0.72gを加えた
後、室温で1時間撹拌した。反応液を1M塩酸15ml
中にあけ、よく撹拌した後分液した。エーテル層を飽和
食塩水で洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下
に濃縮し、標題化合物1.26gを油状物として得た。 IRスペクトル(薄膜) ν cm-1:3089,29
41,1509,1363,1171 NMRスペクトル(90MHz,CDCl3)δpp
m:7.62〜6.74(3H,m),2.68(3
H,s),1.76〜1.08(4H,m)
【0064】実施例24 2−(2,4−ジフルオロフェニル)アリルアルコール
の合成 実施例23で得られた1−(2,4−ジフルオロフェニ
ル)−1−メタンスルホニルオキシシクロプロパン1.
0gと炭酸カルシウム0.444gを水10mlとアセ
トン10mlとの混合溶媒中に加え、50℃で10時間
撹拌した。反応液をエーテル400mlで抽出し、有機
層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。溶媒を減圧下に留去し、残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:6)に
て精製し、標題化合物0.39gを油状物として得た。 IRスペクトル(薄膜) ν cm-1:3340,16
17,1506,1420,1267 NMRスペクトル(90MHz,CDCl3)δpp
m:7.44〜7.18(1H,m),6.96〜6.
69(2H,m),5.51(1H,m),5.35
(1H,bs),4.46(2H,m),1.71〜
1.64(1H,m)
【0065】実施例25 2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,2−エポキ
シプロパンの合成 水素化ナトリウム(60%油性物)8.5gをジメチル
スルホキシド170mlに懸濁し、氷冷下によう化トリ
メチルスルホキソニウム42.8gを少量ずつ加えた
後、50℃にて2,4−ジフルオロアセトフェノン2
7.6gをジメチルスルホキシド140mlに溶解した
溶液を滴下した。50℃にて4時間撹拌後、反応液を氷
水1l中に注ぎ、エーテル800mlで抽出した。水層
をさらにエーテル500mlで2回抽出した後、エーテ
ル層を合わせて水で3回、次に飽和食塩水で1回洗浄
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下に
留去し、残渣を減圧蒸留し、90〜92℃/40mmH
gの留分を集め、標題化合物17.2gを得た。 沸点: 90〜92℃/40mmHg IRスペクトル(薄膜) ν cm-1:2985,16
17,1604,1507,1424,1271,11
40,967,851 NMRスペクトル(90MHz,CDCl3)δpp
m:7.42〜6.70(3H,m),2.95(1
H,d,J=5.3Hz),2.78(1H,d,J=
5.3Hz),1.65(3H,s)
【0066】実施例26 2−(2,4−ジフルオロフェニル)アリルアルコール
の合成 実施例25で得られた2−(2,4−ジフルオロフェニ
ル)−1,2−エポキシプロパン2.18gをアセトニ
トリル25mlに溶解し、1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]−7−ウンデセン6mlを加えた。これ
にヨードトリメチルシラン4mlを滴下後、20時間加
熱還流した。反応液を水にあけ、エーテル50mlで3
回抽出し、有機層を1M塩酸、飽和食塩水の順で洗浄
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下に
留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(酢酸エチル:ヘキサン=1:4)にて精製し、標題化
合物0.4gを油状物として得た。 IRスペクトル(薄膜) ν cm-1:3340,16
17,1506,1420,1267 NMRスペクトル(90MHz,CDCl3)δpp
m:7.44〜7.18(1H,m),6.96〜6.
69(2H,m),5.51(1H,m),5.35
(1H,bs),4.46(2H,m),1.71〜
1.64(1H,m)
【0067】次に、活性成分として(+)−2−(2,
4−ジフルオロフェニル)−1−[3−[(E)−4−
(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)スチリ
ル]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]−
3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プ
ロパン−2−オール(化合物I)或いはその塩を含有す
る製剤の実施例を示すが、本発明は以下の実施例に限定
されるものではない。
【0068】実施例A 錠剤 化合物(+)−I 100g ポリエチレングリコール6000 100g ラウリル硫酸ナトリウム 15g コーンスターチ 30g 乳糖 250g ステアリン酸マグネシウム 5g 上記成分を秤量した後、ポリエチレングリコール600
0を70−80℃に加温し、これに本発明化合物、ラウ
リル硫酸ナトリウム、コーンスターチ及び乳糖を加え混
合後そのまま冷却する。固化した混合物を粉砕器にかけ
造粒する。本顆粒をステアリン酸マグネシウムと混合後
圧縮打錠して重量250mgの錠剤とする。
【0069】実施例B カプセル剤 化合物(+)−I・モノ硫酸塩 100g 乳糖 250g コーンスターチ 50g 微結晶セルロース 95g ステアリン酸マグネシウム 5g 上記成分をそれぞれ秤量した後、ステアリン酸マグネシ
ウム以外の4成分を均一に混合する。ステアリン酸マグ
ネシウムを加えたのちさらに数分間混合する。混合分体
をカプセル封入器にてNo.1のハードカプセルに25
0mgづつ充填し、カプセル剤となす。
【0070】 実施例C 坐剤 化合物(+)−I 50g ポリエチレングリコール1500 200g ポリエチレングリコール4000 750g 本発明化合物Iを乳鉢にて充分に研磨して微細な粉末と
した後、溶融法によって1gずつの坐剤となす。
【0071】
【発明の効果】本発明の化合物は、強力な抗真菌活性を
有しているうえに、その薬理作用と化合物Aの毒性とが
明確に分離されており、高い安全性を有している。従っ
て本発明の化合物を有効成分とする薬剤は、真菌感染の
治療剤あるいは予防剤として極めて有用である。また本
発明は、このような優れた光学活性な抗真菌剤を、立体
選択的にかつ工業的に製造するうえで有用な製造方法を
提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 309/66 9160−4H 309/73 9160−4H C07D 301/19 7822−4C 303/14 7822−4C 303/16 7822−4C 405/06 249 8829−4C // C07B 53/00 B 7419−4H C07C 67/343 8018−4H 69/736 9279−4H (C07D 405/06 249:00 303:00)

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式((+)−I) 【化1】 (式中、*は光学活性であることを示す)で表される
    (+)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−
    [3−[(E)−4−(2,2,3,3−テトラフルオ
    ロプロポキシ)スチリル]−1H−1,2,4−トリア
    ゾール−1−イル]−3−(1H−1,2,4−トリア
    ゾール−1−イル)プロパン−2−オール、その製薬学
    上許容し得る塩、その溶媒和物及びその塩の溶媒和物。
  2. 【請求項2】 次式(II) 【化2】 (式中、*は光学活性であることを表し、AおよびA’
    は一緒になって酸素原子を表すか、A’が水酸基でAが
    水酸基、メタンスルホニルオキシ基またはp−トルエン
    スルホニルオキシ基を表し、Rは水酸基、アセトキシ
    基、1H−1,2,4−トリアゾ−ル−1−イル基また
    は3−[(E)−4−(2,2,3,3−テトラフルオ
    ロプロポキシ)スチリル]−1H−1,2,4−トリア
    ゾール−1−イル基を表す、但しAとRとは同時には水
    酸基でない)で表される(−)−または(+)−2−
    (2,4−ジフルオロフェニル)−プロパン誘導体。
  3. 【請求項3】 A及びA’が一緒になって酸素原子を表
    す請求項2記載の化合物。
  4. 【請求項4】 A及びA’がともに水酸基を表す請求項
    2記載の化合物。
  5. 【請求項5】 Rが水酸基またはアセトキシ基である請
    求項3記載の化合物。
  6. 【請求項6】 Rが1H−1,2,4−トリアゾ−ルー
    1−イル基である請求項3記載の化合物。
  7. 【請求項7】 Rが3−[(E)−4−(2,2,3,
    3−テトラフルオロプロポキシ)スチリル]−1H−
    1,2,4−トリアゾール−1−イル基である請求項3
    記載の化合物。
  8. 【請求項8】 Rが1H−1,2,4−トリアゾ−ル−
    1−イル基である請求項4記載の化合物。
  9. 【請求項9】 Rが3−[(E)−4−(2,2,3,
    3−テトラフルオロプロポキシ)スチリル]−1H−
    1,2,4−トリアゾール−1−イル基である請求項4
    記載の化合物。
  10. 【請求項10】 次式((−)−VII) 【化3】 (式中、*は光学活性であることを示す)で表される
    (−)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2,3
    −エポキシプロパノールに塩基の存在下、1,2,4−
    トリアゾールを作用させ、次に一級水酸基をメタンスル
    ホニルクロリドで活性化した後塩基性条件下でエポキシ
    ドとし、次いで塩基の存在下、次式(XII) 【化4】 で表される3−[(E)−4−(2,2,3,3−テト
    ラフルオロプロポキシ)スチリル]−1H−1,2,4
    −トリアゾールを作用させることを特徴とする次式
    ((+)−I) 【化5】 (式中、*は光学活性であることを示す)で表される
    (+)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−
    [3−[(E)−4−(2,2,3,3−テトラフルオ
    ロプロポキシ)スチリル]−1H−1,2,4−トリア
    ゾール−1−イル]−3−(1H−1,2,4−トリア
    ゾール−1−イル)プロパン−2−オール、その製薬学
    上許容し得る塩、その溶媒和物及びその塩の溶媒和物の
    製造方法。
  11. 【請求項11】 次式((+)−VII) 【化6】 (式中、*は光学活性であることを示す)で表される
    (+)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2,3
    −エポキシプロパノールに塩基の存在下、次式(XI
    I) 【化7】 で表される3−[(E)−4−(2,2,3,3−テト
    ラフルオロプロポキシ)スチリル]−1H−1,2,4
    −トリアゾールを作用させ、次に一級水酸基をメタンス
    ルホニルクロリドで活性化した後塩基性条件下でエポキ
    シドとし、次いで塩基の存在下、1,2,4−トリアゾ
    ールを作用させることを特徴とする次式((+)−I) 【化8】 (式中、*は光学活性であることを示す)で表される
    (+)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−
    [3−[(E)−4−(2,2,3,3−テトラフルオ
    ロプロポキシ)スチリル]−1H−1,2,4−トリア
    ゾール−1−イル]−3−(1H−1,2,4−トリア
    ゾール−1−イル)プロパン−2−オール、その製薬学
    上許容し得る塩、その溶媒和物及びその塩の溶媒和物の
    製造方法。
  12. 【請求項12】 次式(VI) 【化9】 で表される2−(2,4−ジフルオロフェニル)アリル
    アルコールを、チタンテトライソプロポキシド及び
    (+)−酒石酸ジエチルの存在下に、t−ブチルハイド
    ロパーオキシドを用いて不斉酸化することを特徴とする
    次式((−)−VII) 【化10】 (式中、*は光学活性であることを示す)で表される
    (−)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2,3
    −エポキシプロパノールの製造方法。
  13. 【請求項13】 次式(VI) 【化11】 で表される2−(2,4−ジフルオロフェニル)アリル
    アルコールを、チタンテトライソプロポキシド及び
    (−)−酒石酸ジエチルの存在下に、t−ブチルハイド
    ロパーオキシドを用いて不斉酸化することを特徴とする
    次式((+)−VII) 【化12】 (式中、*は光学活性であることを示す)で表される
    (+)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2,3
    −エポキシプロパノールの製造方法。
  14. 【請求項14】 次式((±)−IX) 【化13】 で表される1−アセトキシ−2−(2,4−ジフルオロ
    フェニル)−2,3−エポキシプロパンにリパーゼを作
    用させて加水分解することにより次式((+)−VI
    I) 【化14】 (式中、*は光学活性であることを示す)で表される
    (+)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2,3
    −エポキシプロパノールを取得し、また回収される次式
    ((−)−IX) 【化15】 (式中、*は光学活性であることを示す)で表される
    (−)−1−アセトキシ−2−(2,4−ジフルオロフ
    ェニル)−2,3−エポキシプロパンにアルカリを作用
    させて加水分解することにより次式((−)−VII) 【化16】 (式中、*は光学活性であることを示す)で表される
    (−)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2,3
    −エポキシプロパノールを取得することを特徴とする、
    光学活性な2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2,
    3−エポキシプロパノールの製造方法。
  15. 【請求項15】 次式((+)−I) 【化17】 (式中、*は光学活性であることを示す)で表される
    (+)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−
    [3−[(E)−4−(2,2,3,3−テトラフルオ
    ロプロポキシ)スチリル]−1H−1,2,4−トリア
    ゾール−1−イル]−3−(1H−1,2,4−トリア
    ゾール−1−イル)プロパン−2−オール、その製薬学
    上許容し得る塩、その溶媒和物及び/またはその塩の溶
    媒和物の少なくとも一つを有効成分として含有する抗真
    菌剤。
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JPH08183780A (ja) * 1994-08-02 1996-07-16 Zeneca Ltd 医薬化合物
US7462959B2 (en) 2004-07-12 2008-12-09 Sumitomo Heavy Industries, Ltd. Linear motor and stage device using the linear motor
JP2018538366A (ja) * 2015-11-17 2018-12-27 ダウ アグロサイエンシィズ エルエルシー 4−((6−(2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−2−ヒドロキシ−3−(1h−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル)ピリジン−3−イル)オキシ)ベンゾニトリル及び調製方法

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