JPH05907Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、自動現像機の処理タンク内に懸垂
されたラツクの固定装置に関するものである。

〔従来の技術〕

第４図に示すように、上部に開閉自在の上部カ
バー３０を有する現像ボツクス３１の内部に複数
の処理液タンク３２を写真感光材料Ａの移送方向
に並べ、各処理液タンク３２内の処理液中に写真
感光材料Ａを送り込んで現像処理する自動現像機
においては、各処理液タンク３２内の処理液中に
角筒形のラツク３３を漬け、そのラツク３３で写
真感光材料Ａの移動を案内するようにしている。
また、ラツク３３の下部には、下部ターンガイド
３４を取付け、その下部ターンガイド３４によつ
てラツク３３内にて下向きに送り込まれる写真感
光材料Ａの移動方向を180°向きを変え、上向きに
移動させるようにしている。

さらに、隣接するラツク３３の上部間に上部タ
ーンガイド３５を組込み、その上部ターンガイド
３５によつて、ラツク３３から送り出される写真
感光材料Ａの移送方向の向きを180°変えて次のラ
ツク３３内部に誘導するようにしている。

上記のような自動現像機によつて、フイルムを
自動現像する場合、そのフイルムの先端に合成樹
脂シートから成るリーダを接続し、そのリーダを
先行してフイルムを移動させるようにしており、
リーダには送り方向に等間隔を角孔を設けてあ
る。また、各ラツク３３の内部には、上記リーダ
の角孔に係合する複数のスプロケツトＷを上下方
向に設け、各スプロケツトＷの回転によつて、リ
ーダを送るようにしている。

上記自動現像機は、各処理液タンク３２および
ラツク３３を掃除する必要があり、また、移送途
中の写真感光材料Ａに詰まりが生じた場合、これ
を解消する必要があるため、ラツク３３を懸垂状
態に支持すると共に、そのラツク３３で上部ター
ンガイド３５を支持してラツク３３および上部タ
ーンガイド３５を現像ボツクス３１の上方に取外
せるようにしてある。

ところで、上記のような自動現像機において
は、ラツク３３および上部ターンガイド３５のセ
ツトが不完全であると、写真感光材料Ａを正確に
誘導することができず、写真感光材料Ａが移送途
中で詰まるおそれがある。そのセツトを正確に行
なわせるため、従来は、第５図乃至第７図に示す
ように、現像ボツクス３１の側板３６の内面に、
ストツパプレート３７を写真感光材料Ａの移送方
向にスライド自在に取付け、そのストツパプレー
ト３７に切欠部３８を設け、ラツク３３のセツト
時に、そのラツク３３の側面上部から側方に延び
るスプロケツトシヤフト３９の端部を切欠部３８
に通過させ、シヤフト３９の端部が上記ストツパ
プレート３７の下方に臨む状態でストツパプレー
ト３７をスライドさせ、切欠部３８をスプロケツ
トシヤフト３９の端部に対して位置をずらせて上
記シヤフト３９の端部をストツパプレート３７で
押えるようにしている。

また、第５図に示すように、ラツク３３の上部
に設けた手提げ桟４０にガイド押え４１を回転自
在に取付け、そのガイド押え４１を90°回転し、
その両端部で上部ターンガイド３５の上面を押え
るようにしている。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで、上記のような構成では、ストツパプ
レート３７およびガイド押え４１を作業者が操作
するため、かけ忘れることがあり、万一そのと
き、ラツク３３および上部ターンガイド３５のセ
ツトが不完全であると、移送途中の写真感光材料
に詰まりが生じる。

そこで、この考案は上記の不都合を解消し、ラ
ツクが正確にセツトされているかどうかおよび上
部ターンガイドのガイド押えがロツクされている
かどうかをきわめて簡単に確実に検出することが
できるラツクの固定装置を提供することを技術的
課題としている。

〔課題を解決するための手段〕 上部の課題を解決するために、この考案におい
ては、現像ボツクスの上部開口を開閉する上部カ
バーの下面に、その上部カバーを閉じたときラツ
クの上面を押えるラツク押えを取付け、ラツク上
部の手提げ桟に回転自在に取付けたガイド押えが
ロツク解除位置にあるとき、そのガイド押えの一
端部に上記ラツク押えが干渉する位置にそのラツ
ク押えを設けた構成を採用したのである。

〔作用〕

上記のように構成すれば、上部カバーを閉じた
とき、処理液タンク内にセツトされたラツクが浮
き上がる取付けであると、そのラツクの上面にラ
ツク押えが干渉して上部カバーを完全に閉じるこ
とができない。また、ラツクが正確にセツトされ
ている場合でもガイド押えの掛け忘れがあると、
そのガイド押えの上面端部にラツク押えが干渉し
て上部カバーを完全に閉じることができない。こ
のため、ラツクが正確にセツトされているかどう
か、あるいはガイド押えがロツク位置に保持され
ているかどうかを上部カバーの閉まり具合を見る
ことによつて確認することができる。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を第１図乃至第３図に
基づいて説明する。

図示のように、現像ボツクス１の上部開口を開
閉する上部カバー２は、軸３を中心に回転自在に
支持されている。

現像ボツクス１の内部には、複数の処理液タン
ク４が写真感光材料の移送方向に並べられ、各処
理液タンク４の処理液中に角筒形のラツク５が漬
けられている。

ラツク５の一側面の上部にはラツクピン６が設
けられ、各ラツクピン６が処理液タンク４の開口
の一側縁に形成した切欠部７で受けられている。
また、ラツク５の一対の側板の上部間にはシヤフ
ト８が渡され、そのシヤフト８の両端部は側板を
貫通し、その一方の端部は処理液タンク４の開口
の他側縁に形成した切欠部９で受けられている。

シヤフト８の他方の端部には、スプロケツト１
０が取付けられ、このスプロケツト１０は、処理
液タンク４の内部にラツク５を落し込み、ラツク
ピン６およびシヤフト８の一端部を対応する切欠
部７，９に嵌合することによつて現像ボツクス１
内の一側部に設けたチエン１１と係合する。この
ため、チエン１１を移動させることによつて、シ
ヤフト８が回転し、そのシヤフト８の回転は、ギ
ヤ伝動機構１２を介してラツク５内部に設けたリ
ーダ移送用スプロケツト（図示省略）に伝達され
る。

さらに、ラツク５の一対の側板の上部間には、
手提げ桟１３が設けられ、その手提げ桟１３の上
面における両側縁両端部に段部１４が形成されて
いる。

隣接するラツク５の上部間には、上部ターンガ
イド１５が組込まれている。この上部ターンガイ
ド１５は第４図に示す上部ターンガイドと同様の
構成であつて、一方ラツク５の上部開口から送り
出される写真感光材料Ａの向きを180°変換して次
のラツク５の内部に誘導する。この上部ターンガ
イド１５の上板１６における前後縁の両端部には
支持片１７が設けられ、その支持片１７が前記手
提げ桟１３の段部１４で支持されている。

手提げ桟１３の上面にはガイド押え１８が回転
自在に取付けられている。このガイド押え１８は
長方形の板体１９の上面にノブ２０を取付けた構
成であつて、板体１９の幅寸法は、手提げ桟１３
の幅寸法にほぼ等しくされ、一方ノブ２０は、板
体１９の長さ方向に長い菱形とされている。この
ため、板体１９の長さ方向を手提げ桟１３の長さ
方向に一致させることにより、上部ターンガイド
１５を一対のラツク５間に対して抜き差しするこ
とができる。また、一対のラツク５間に上部ター
ンガイド１５を組込んだ状態において、ガイド押
え１８を90°回転させることにより、板体１９の
両端部が上部ターンガイド１５の上面に係合し、
上部ターンガイド１５の浮き上がりを防止するこ
とができる。

前記現像ボツクス１の上部カバー２の下面に
は、ラツク押え２１が取付けられている。このラ
ツク押え２１は、上部カバー２を閉じたとき、ラ
ツク５の上面を押えるようになつている。また、
ラツク押え２１は、ガイド押え１８の長さ方向が
手提げ桟１３の長さ方向に平行するロツク解除の
位置にガイド押え１８が保持された状態におい
て、ノブ２０の一端部と対向する位置に設けられ
ている。

上記のように、上部カバー２にラツク押え２１
を設けたことによつて、その上部カバー２を閉じ
たとき、セツトが不完全でラツク５が浮き上がる
取付けであると、ラツク押え２１がラツク５の上
面に干渉して上部カバー２を完全に閉じることが
できない。また、上部ターンガイド１５の浮き上
がりを防止するガイド押え１８にかけ忘れがある
と、ラツク押え２１の下端がガイド押え１８のノ
ブ２０の一端部に干渉して上部カバー２を閉じる
ことができない（第３図参照）。したがつて、上
部カバー２の閉まり具合いを見ることによつて、
ラツク５が正確にセツトされているかどうか、お
よび、ガイド押え１８にかけ忘れがあるかどうか
を確認することができる。

なお、ラツク押え２１は、全てのラツク５を同
時に押えることができる長いものであつてもよ
く、各々のラツク５を押えることができる短いも
のであつてもよい。図示の場合は、短いラツク押
え２１を各ラツク５に対応して設けるようにして
いる。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案においては、上部カバ
ーにラツクの上面を押えるラツク押えを設けたこ
とにより、ラツクのセツトが不完全であると、そ
のラツクの上面にラツク押えが干渉して上部カバ
ーを完全に閉じることができず、また、ガイド押
えにかけ忘れがあると、そのガイド押えの端部に
ラツク押えが干渉して上部カバーを閉じることが
できない。このため、上部カバーの閉まり具合に
よつて、ラツクが正確にセツトされているかどう
か、あるいはガイド押えにかけ忘れがあるかどう
かを確認することができる。

したがつて、ラツクの取付けの不完全による写
真感光材料の移送不良やガイド押えのかけ忘れに
よる上部ターンガイドの浮き上がりによつて発生
する写真感光材料のつまりを未然に防ぐことがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案に係るラツクの固定装置の
一実施例を示す横断平面図、第２図は同上の縦断
側面図、第３図は同上のガイド押えのかけ忘れ時
における上部カバーの閉鎖状態を示す断面図、第
４図は自動現像機の概略図、第５図は従来の固定
装置を示す横断平面図、第６図は第５図の縦断側
面図、第７図は第５図のストツパプレートを示す
斜視図である。 １……現像ボツクス、２……上部カバー、４…
…処理液タンク、５……ラツク、１３……手提げ
桟、１５……上部ターンガイド、１８……ガイド
押え、２１……ラツク押え。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 現像ボツクスの内部に複数の処理液タンクを写
   真感光材料の移送方向に並べ、各処理液タンク内
   の処理液中に上記写真感光材料の移動を案内する
   角筒形のラツクを懸垂状態に取付け、隣接するラ
   ツクの上部間に、上記写真感光材料を次のラツク
   内部に誘導する上部ターンガイドを設け、その上
   部ターンガイドの上面に対して両端部が係合可能
   なガイド押えをラツクの上部に設けた手提げ桟に
   回転自在に取付け、そのガイド押えの幅寸法を手
   提げ桟の幅寸法に等しく又は小さくし、このガイ
   ド押えの長さ方向を手提げ桟の長さ方向に一致さ
   せたロツク解除位置にて、上部ターンガイドおよ
   びラツクを上方に取外せるようにした自動現像機
   におけるラツクの固定装置において、上記現像ボ
   ツクスの上部開口を開閉する上部カバーの下面
   に、その上部カバーを閉じたときラツクの上面を
   押えるラツク押えを取付け、そのラツク押えがロ
   ツク解除位置にある前記ガイド押えの一端部と干
   渉する位置に設けられていることを特徴とする自
   動現像機におけるラツクの固定装置。