JPH05902A - 粒 剤 - Google Patents

粒 剤

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JPH05902A
JPH05902A JP29907391A JP29907391A JPH05902A JP H05902 A JPH05902 A JP H05902A JP 29907391 A JP29907391 A JP 29907391A JP 29907391 A JP29907391 A JP 29907391A JP H05902 A JPH05902 A JP H05902A
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正壽 澤村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】農薬(殺虫剤,除草剤,殺菌剤など)や園芸用
薬剤などの分野で使用される持続性粒剤を提供する。 【構成】粒度分布が粒子径200〜600μmの範囲お
よび600〜1,700μmの範囲にそれぞれ少なくと
も一つのピークを示す固形担体中に、薬剤活性成分およ
び界面活性剤を担持させてなる粒剤である。 【効果】速効性および残効性を兼ね備えた長期間有効な
持続性粒剤であり、製剤物性の点でも付着性、流動性お
よびカサ高の改良された粒剤をが提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、農薬(殺虫剤,除草
剤,殺菌剤など)や園芸用薬剤などの分野で使用される
持続性粒剤に関する。
【0002】更に、具体的には、畑作物に被害を及ぼす
土壌線虫を防除するための農薬粒剤に関する。
【0003】
【従来の技術】野菜類の主要害虫である線虫類の防除に
は、従来、臭化メチル,クロルピクリン,D−D剤等の
くん蒸剤の使用が大勢を占めている。
【0004】しかし、これら薬剤の使用方法は、まず畑
を耕起,整地してから薬剤を注入し、そのあと水封ある
いは鎮圧を十分行うのが常法である。
【0005】これらの作業は非常に手間がかゝる上に処
理後ガス抜きをしないと薬害の発生する危険性が高く、
また臭気が強いので付近住民への環境問題等もあり、近
年避けられつつあるものである。
【0006】このようなことから、くん蒸剤に代る薬剤
として、土壌混和剤の使用が増えてきている。
【0007】しかし、通常の湿式造粒法或いは吸着型粒
剤では薬剤の溶出が早過ぎて薬害を起す可能性があった
り、または逆に薬剤の溶出が遅過ぎて十分な薬効を発揮
しなかったりという問題があった。
【0008】また、湿式造粒法による粒剤では、土壌中
の水分量や天候(雨の有,無)によって粒剤の崩壊性は
大きな影響を受け、それによって薬剤の溶出性も左右さ
れ、生物効果が一定しないという欠点がある。
【0009】更に、吸着型粒剤においては、吸着性が強
過ぎると薬剤の放出が妨げられ十分な薬効が発揮され
ず、逆に吸着性が弱過ぎると所定量の薬剤を吸着するこ
とができない。また、この吸着型粒剤は粒表面が湿潤す
るため粒同志が付着したり、取り扱い時に手や容器に付
着して取り扱い難いという欠点があった。
【0010】また、このような固形製剤についてはドリ
フト防止,付着力の増強や散布性改良の目的で、粒子径
に着目して種々の製剤が報告されている。
【0011】例えば、特開昭48-92537号公報や
特開昭50-63143号公報には粒度分布の限定され
た微粒状農薬が開示されている。また、特開昭59-3
3201号公報には粒度分布の限定されたヘリコプター
による空中散布用粒剤が開示されている。
【0012】しかし、いずれも特定粒子径域に属する粒
子を多く含むように製剤されており、二種以上の粒子径
を有する担体を使用する技術や、それを利用した持続性
製剤に関しては全く示唆されていない。また、実用に適
した持続性粒剤は得られていない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来の農薬等の粒剤
は、有効成分の溶出をコントロールすることが困難であ
り、薬害の原因となったり、逆に効果不十分になる場合
もあった。
【0014】そこで、速効性および残効性を兼ね備えた
長期間有効な持続性粒剤の開発が望まれていた。
【0015】また、製剤物性の点でも付着性が強かった
り、流動性が悪かったり、また見掛比重が小さく、カサ
高のため、小分,包装の点で支障を来すことがあった。
このような問題点も同時に解決する製剤が望まれてい
た。
【0016】
【課題を解決するための手段】吸着型粒剤において、粒
径の異なる二種類の固形担体を用いて製剤化することに
より、製剤物性(付着性,流動性,見掛け比重等)を改
良することができ、また生物効果の点でも、速効性及び
残効性を兼ね備えた長期間有効な製剤を得ることを知見
し、本発明を完成するに至った。
【0017】即ち、本発明は、その粒度分布が粒子径2
00〜600μmの範囲および600〜1,700μm
の範囲にそれぞれ少なくとも一つのピークを示す固形担
体中に、薬剤活性成分および界面活性剤を担持させてな
る粒剤である。
【0018】本発明に使用される薬剤活性成分は農薬活
性成分や園芸用肥料成分などが挙げられる。農薬活性成
分としては殺虫成分,除草成分,殺菌成分などが挙げら
れるが、特に土壌処理用殺虫成分が好適である。
【0019】本発明に使用される農薬活性成分は一般に
使用されているものであれば特に制限されない。
【0020】該殺虫成分としては、例えば、一般に土壌
処理剤として用いられるものを次に例示する。
【0021】有機リン系殺虫剤として、 ・イソキサチオン:[O,O-ジエチル O-5-フェニル
イソキサゾール-3-イルホスホロチオアート], ・ダイアジノン:[O,O-ジエチル O-2-イソプロピ
ル-6-メチルピリミジン-4-イルホスホロチオアー
ト], ・ピラクロホス:[(RS)-[O-1-(4-クロロフェ
ニル)ピラゾール-4-イル=O-エチル=S-プロピルホス
ホロチオアート]], ・ジスルホトン:[O,O-ジエチル-S-2-エチルチオ
エチルホスホロジチオアート], ・プロチオホス:[O-2,4-ジクロロフェニルO-エチ
ル-S-プロピルホスホロジチオエート], ・ピリダフェンチオン:[O,O-ジエチル O-(2,3
-ジヒドロ-3-オクソ-2-フェニルピリダジン-6-イ
ル)ホスホロチオアート] などが例示される。
【0022】カルボフラン系殺虫剤として、 ・カルボスルファン:[2,3-ジヒドロ-2,2-ジメチ
ルベンゾフラン-7-イルN-(ジブチルアミノチオ)-N
-メチルカルバメート], ・フラチオカルブ:[ブチル2,3-ジヒドロ-2,2-ジ
メチルベンゾフラン-7-イル N,N′-ジメチル-N,
N′-チオジカルバメート], ・カルボフラン:[2,3-ジヒドロ-2,2-ジメチルベ
ンゾフラン-7-イル N-メチルカルバメート] などが例示される。
【0023】ピレスロイド系殺虫剤として、 ・アレスリン:[(±)-3-アリル-2-メチル-4-オキ
ソ-2-シクロペンテニル(±)-シス,トランス-クリサ
ンサメート], ・フルシトリネート:[(RS)-α-シアノ-3-フェノ
キシベンジル(S)-2-(4-ジフルオロメトキシフェ
ニル)-3-メチルブチレート], ・テフルトリン:[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-メ
チルベンジル シス-3-(Z-2-クロロ-3,3,3-トリ
フルオロプロップ-1-エニル)-2,2-ジメチルシクロ
プロパンカルボキシレート], ・アルドリン:[(1R,4S,4aS,5S,8R,8a
R)-1,2,3,4,10,10-ヘキサクロロ-1,4,4
a,5,8,8a-ヘキサヒドロ-1,4:5,8-ジメタノナ
フタレン] などが例示される。
【0024】塩素系殺虫剤として、 ・DCIP:[ビス(2-クロロメチルエチル)エーテ
ル], ・ヘプタクロール:[1,4,5,6,7,8,8-ヘプタク
ロロ-3a-4,7,7a-テトラヒドロ-4,7-メタノイン
デン] などが例示される。
【0025】カルバメート系殺虫剤として、 ・オキサミル:[N,N-ジメチル-2-メチルカルバモイ
ル-オキシイミノ-2-(メチルチオ)アセトアミド], ・BPMC:[O-sec-ブチルフェニル N-メチルカル
バメート] などが例示される。
【0026】また、除草剤成分としては、 ・プレチラクロール:[2-クロロ-2',6'-ジエチル-
N-(2-プロポキシエチル)アセトアニド], ・メトラクロール:[2-クロロ-2'-エチル-N-(2-
メトキシ-1-メチルエチル) 6'-メチルアセトアニリ
ド]、 ・ベンチオカーブ:[S-(4-クロルベンジル)-N,N
-ジエチルチオカーバメート], などが挙げられる。
【0027】殺菌剤として、 ・イプロフェンホス:[O,O-ジイソプロピル-S-ベン
ジルチオホスフェート], ・エディフェンホス:[O-エチル-S,S-ジフェニルジ
チオホスフェート], ・ジノキャップ:[ジニトロメチルヘプチルフェニルク
ロトネート] などが挙げられる。
【0028】本発明で使用される薬剤活性成分は、上記
の農薬活性成分に限定されるものでもないが、なかでも
好ましいものとしては、ピラクロホス、フラチオカル
ブ、テフルトリン、BPMCなどが挙げられる。最も好
適には、ピラクロホスを含有する粒剤である。
【0029】通常、薬剤活性成分は固状であっても液状
であっても使用することができる。好ましくは液状であ
るものが選択される。
【0030】これらの薬剤活性成分は、本粒剤に対して
0.1〜30重量%の範囲,好ましくは0.5〜15重
量%の範囲で使用される。
【0031】また、それぞれの薬剤活性成分は単独もし
くは複数種を混合して使用することもできる。このよう
な混合使用の場合、活性成分の使用量はその総和が上記
の範囲であればよい。
【0032】本発明に用いる界面活性剤は、通常、農薬
製剤に使用されるものである。ノニオン性界面活性剤、
アニオン性界面活性剤およびカチオン性界面活性剤から
選ばれる。なかでも、液状のものが好ましくは用いられ
る。
【0033】該ノニオン性界面活性剤としては、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤[ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル(商品名:NP-4
5,NP-85,NP-95,NP-120等;三洋化
成),ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル
(商品名:ノイゲンTMEA-142;第一工業製薬),
ポリオキシエチレンジフェニルエーテル(商品名:DP
-70;竹本油脂)等]やポリオキシアルキレンスチリ
ルフェニルエーテル系界面活性剤(商品名:STP-8
00;三洋化成)などが挙げられる。
【0034】該アニオン性界面活性剤としては、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル類のサルフェートアンモ
ニウム塩(例:ハイテノールTM;第一工業製薬社製)や
アルキルベンゼン類のスルホン酸カルシウム塩(例:D
BS-50X;竹本油脂社製)などが挙げられる。
【0035】該アニオン性界面活性剤としては、ジアル
キル四級アンモニウム塩類[例:塩化ジステアリルジメ
チルアンモニウム(カチオンDSTM;三洋化成社製)
等]などが挙げられる。
【0036】また、これら界面活性剤は、前記薬剤活性
成分と相溶性のあるものが好ましくは選ばれる。
【0037】上記の界面活性剤は本粒剤に対して、0.
1〜10.0重量%の範囲で使用される。好ましくは、
0.5〜8.0重量%、さらに好ましくは、2.0〜5.0
重量%の範囲である。界面活性剤を2種以上混合して使
用する場合は、その総和が上記の範囲であればよい。
【0038】また、該薬剤活性成分と相溶性のない界面
活性剤も、適当な溶媒を併用することによって使用する
ことができる。
【0039】該溶媒としては、芳香族炭化水素類[例:
フェニルキシリルエタン(日石ハイゾールSASTM;日
本石油社製),アルキルベンゼン(アルケン56NTM
日本石油洗剤社製:アルキル基の主な炭素数は12であ
る種々の混合物)等]、リン酸エステル類[例:オクチ
ルジフェニルホスフェート(#41;大八化学社製),
トリブチルホスフェート(大八化学社製)等]、グリコ
ールエーテル類[例:フェノキシエタノール(第一工業
製薬社製)等]、ナフテン類[ナフテゾール(日本石油
社製)等]などが挙げられる。上記のうち好ましいもの
は、フェニルキシリルエタンおよびアルキルベンゼンで
ある。
【0040】この溶媒の使用量は、使用される活性成分
を溶解できる範囲である。通常は粒剤全体の30重量%
以下である。通常、1〜20重量%、好ましくは5〜1
5重量%の範囲で使用される。
【0041】本発明に係る粒剤に使用される固形担体と
しては、天然軽石や天然硬質ゼオライトなどが用いられ
る。
【0042】該天然軽石としては、石川ライトTM(石川
ライト工業製),カガライトTM(シルバー産業製),グ
ラストンTM(ニッポーグラストン製)等が挙げられる。
【0043】該天然硬質ゼオライトとしては、イズカラ
イトTM(丸山製粉製)などが挙げられる。
【0044】通常、このような固形担体は適度な吸油能
を有するものを選ぶのが好ましい。しかし、吸油能の低
い固形担体の場合は、その担体の使用量を多くすること
によって、本発明の粒剤を得ることができる。
【0045】適度な吸油能としては、JIS K510
1に準じて測定された吸油能が高いほどよい。通常、担
体の自重に対して、5重量%以上の吸油能を有するもの
が用いられる。好ましくは5〜100重量%、更に好ま
しくは10〜50重量%の範囲である。例えば、前記し
た石川ライト農薬2号および3号の吸油能はそれぞれ自
重に対して約30重量%および約10重量%の液体成分
を吸着できる程度である。吸油能が上記の範囲より低い
場合には、固形担体が活性成分を十分に吸着することが
できなくなることがある。
【0046】上記のような特性を有する固形担体のう
ち、好ましいものとしては、天然軽石である。
【0047】本発明において使用される固形担体は、そ
の粒度分布が粒子径200〜600μmの範囲および6
00〜1,700μmの範囲にそれぞれ少なくとも一つ
のピークを有するものである。好ましくは、粒度分布が
粒子径300〜600μmの範囲および600〜1,6
00μmの範囲に少なくとも一つのピークを有するもの
である。上記の範囲内にそれぞれ粒度分布のピークがな
い場合には、所望の持続性効果を得ることができないこ
とがある。
【0048】この固形担体の全体の粒度の幅は粒剤とし
て使用される範囲であれば、特に制限されるものではな
いが、一般に、殆どの粒子の粒子径が200〜5,00
0μmの範囲、好ましくは200〜2,500μm,更
に好ましくは200〜1,700μmの範囲であるもの
がよい。特に、農薬粒剤としては、300〜1,600
μmが好ましい。上記の範囲外に全体の粒度が分布する
場合には、粒剤としての使用が困難になることがある。
【0049】また、このような異なる粒度ピークを有す
る固形担体は、それぞれ異なる粒子径の固形担体を混合
することで簡便に得ることができる。もちろん、混合し
なくとも本発明の条件を満たす固形担体であれば何等支
障はない。その調製方法としては、粒度分布が粒子径2
00〜600μmの範囲に少なくとも一つのピークを有
する固形担体(粒子径の小さい方)と粒度分布が粒子径
600〜1,700μmの範囲に少なくとも一つのピー
クを有する固形担体(粒子径の大きい方)の混合割合を
10:1〜1:10,好ましくは5:1〜1:5,より
好ましくは3:1〜1:3の範囲内で混合することによ
って行われる。このような範囲内で、その薬剤活性成分
の配合割合や性質に応じて適宜選択することにより、持
続性を有する粒剤を得ることができる。
【0050】例えば、石川ライト農薬2号(粒径590
μm〜1,140μm)および石川ライト農薬3号(粒
径350μm〜590μm)を上記の比率で混合するこ
とにより、400μm付近に一つ目のピーク、650μ
m付近に二つ目のピークを有する粒度分布を示す固形担
体が得られる。この混合物を用いることにより、本発明
に使用される固形担体が得られる。
【0051】本発明の粒剤は従来の吸着型粒剤の製法に
よって、得ることができる。
【0052】まず、薬剤活性成分を界面活性剤に溶解
し、薬剤活性成分を1.0〜95(W/V)%、好ましくは5
〜85(W/V)%含有する混合液を調製する。次に、この
混合液を固形担体に担持させれば本発明の粒剤が得られ
る。
【0053】薬剤活性成分を担持させる際、混合液と固
形担体の割合は、混合液/固形担体=5/95〜30/
70(重量比)の範囲で行われる。好ましくは。10/
90〜20/80の範囲である。
【0054】該混合液を固形担体に担持させる方法とし
ては、例えば、V型混合機,ローラーミキサー,リボン
ミキサーなどの混合機中に固形担体を入れておき、これ
に該混合液を滴下あるいは液注やスプレーなどにより、
一定時間混合して、固形担体に混合液を十分吸着させれ
ばよい。
【0055】また、薬剤活性成分が該界面活性剤と相溶
し難い時は、溶媒を使用して溶解させ、この溶液を固形
担体に吸着させてもよい。溶媒の添加量は液体成分の総
量が組成物全体の30重量%以下になるよう調整すれば
よい。この時使用される溶媒およびその使用量は前記し
たものと同じである。
【0056】上記の方法によって製造される粒剤は、
0.1〜30.0重量%の薬剤活性成分と、0.1〜10.
0重量%の界面活性剤を含有するように調製される。
【0057】また、このようにして得られた粒剤は、使
用される薬剤活性成分に応じて、それ自体公知の手法で
使用される。
【0058】
【発明の効果】本発明粒剤は粒子径の異なる二種以上の
固形担体を、その吸油能に応じて適宜配合比率を変える
ことにより、含有する薬剤活性成分の効果を長期間持続
することのできるものである。
【0059】また、従来のほぼ単一な粒子径の粒剤に比
べて、袋詰めなどの作業において、カサ高くならず、ハ
ンドリングに優れている。
【0060】
【実施例】以下本発明による生物効果面への効果を、実
施例,参考例をあげて説明する。尚、ここにおいて用い
られる%及び部は、特記のない限り全て重量%及び重量
部を示す。
【0061】[実施例1]55部の590μm〜1,1
40μmの粒子径を有する天然軽石(流紋岩系天然硝
子,石川ライト農薬2号:石川ライト工業社製)と15
部の350μm〜590μmの粒子径を有する天然軽石
(流紋岩系天然硝子,石川ライト農薬3号:石川ライト
工業社製)をローラーミキサー中で混合する。これに2
5部の土壌殺虫成分ピラクロホスと5部のポリオキシア
ルキレンスチリルフェニルエーテル(STP-800:
三洋化成社製)を混合したものを滴下し、20分間混合
して、30%のピラクロホスを含有する粒剤を得た。
【0062】尚、本実施例に使用した固形担体の粒度分
布を第1図に示す。
【0063】[実施例2]50部の590〜1,190
μmの粒子径を有する天然小粒軽石(カガライトK-2
号;シルバー産業社製)と30部の290〜597μm
の粒子径を有する天然小粒軽石(カガライトK-3号;
シルバー産業社製)を混合し、これに15部のピラクロ
ホスと5部のポリオキシエチレンジフェニルエーテル
(DP-70;竹本油脂社製)を混合したものを、実施
例1と同様の方法により吸着させ、15%のピラクロホ
スを含有する粒剤を得た。
【0064】[実施例3]46部の590μm〜1,1
40μmの粒子径を有する天然軽石(流紋岩系天然硝
子,石川ライト農薬2号:石川ライト工業社製)と46
部の350μm〜590μmの粒子径を有する天然軽石
(流紋岩系天然硝子,石川ライト農薬3号:石川ライト
工業社製)を混合し、これに6部のピラクロホスと2部
のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(NP-
85;三洋化成社製)を混合したものを、実施例1と同
様の方法により吸着させ、6%のピラクロホスを含有す
る粒剤を得た。
【0065】[実施例4]45部の590μm〜1,1
40μmの粒子径を有する天然軽石(流紋岩系天然硝
子,石川ライト農薬2号:石川ライト工業社製)と45
部の350μm〜590μmの粒子径を有する天然軽石
(流紋岩系天然硝子,石川ライト農薬3号:石川ライト
工業社製)を混合し、これに6部のピラクロホスと4部
のポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(ノイ
ゲンEA-142;第一工業製薬社製)を混合したもの
を、実施例1と同様の方法により吸着させ、6%のピラ
クロホスを含有する粒剤を得た。
【0066】[実施例5]60部の590μm〜1,1
40μmの粒子径を有する天然軽石(流紋岩系天然硝
子,石川ライト農薬2号:石川ライト工業社製)と30
部の350μm〜590μmの粒子径を有する天然軽石
(流紋岩系天然硝子,石川ライト農薬3号:石川ライト
工業社製)を混合し、これに6部のピラクロホスと2部
の高純度乳化分散剤(ハイテノールNF-13;第一工
業製薬社製),2部の汎用性乳化剤(ニューカルゲン2
360X-1;竹本油脂社製)を混合したものを、実施
例1と同様の方法により吸着させ、6%のピラクロホス
を含有する粒剤を得た。
【0067】[参考例1]30部のピラクロホスと5部
のポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテル(S
TP-800;三洋化成社製)を混合し、これを65部
の500〜1,410μmの粒子径を有する珪藻土焼成
粒(イソライトCG1;イソライト工業社製)に吸着さ
せ、30%のピラクロホスを含有する粒剤を得た。
【0068】[参考例2]15部のピラクロホスと5部
のポリオキシエチレンジフェニルエーテル(DP-7
0;竹本油脂社製)を混合し、これを80部の295〜
840μmの粒子径を有するセラミック多孔体(アプル
スN;イソライト工業社製)に吸着させ、15%のピラ
クロホスを含有する粒剤を得た。
【0069】[参考例3]6部のピラクロホスと2部の
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(NP-8
5;三洋化成社製)を混合し、これを92部の500〜
1,410μmの粒子径を有する珪藻土焼成粒(イソラ
イトCG1;イソライト工業社製)に吸着させ、6%の
ピラクロホスを含有する粒剤を得た。
【0070】[参考例4]87部の295〜1,900
μmの粒子径を有する粒剤用クレーに5部のデキストリ
ンを加え良く混合する。これに6部のピラクロホスと2
部のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(NP
-85;三洋化成社製)を混合した液を加え、更に加水
して練合する。練合後、造粒,乾燥して、6%のピラク
ロホスを含有する粒剤を得た。
【0071】[参考例5]90部の590μm〜1,1
40μmの粒子径を有する天然軽石(流紋岩系天然硝
子,石川ライト農薬2号:石川ライト工業社製)に6部
のピラクロホスと4部のポリオキシエチレンオクチルフ
ェニルエーテル(ノイゲンEA-142;第一工業製薬
社製)を混合したものを、実施例1と同様の方法により
吸着させ、6%のピラクロホスを含有する粒剤を得た。
【0072】[参考例6]90部の350μm〜590
μmの粒子径を有する天然軽石(流紋岩系天然硝子,石
川ライト農薬3号:石川ライト工業社製)に6部のピラ
クロホスと4部のポリオキシエチレンオクチルフェニル
エーテル(ノイゲンEA-142;第一工業製薬社製)
を混合したものを、実施例1と同様の方法により吸着さ
せ、6%のピラクロホスを含有する粒剤を得た。
【0073】[試験例1] (1)試験条件 供試虫:サツマイモネコブセンチュウ(温室内飼育のセ
ンチュウ高汚染土壌) 供試植物:トマト(品種:大型福寿) 試験スケール:1/10,000aポット 処理方法:土壌全面混和 調査方法:薬剤処理後1日1回表面灌水を行いトマト植
え付け27日後の根りゅうの程度を次の基準で調査し
た。
【0074】被害指数 ゴール(根りゅう)形成状態 0 ゴールは全く認められない。
【0075】 1 わずかにゴールを認める(根系の25%以下) 2 中程度にゴールを認める(根系の26〜50
%) 3 ゴールが多数認められる(根系の50〜75
%) 4 ゴールが多数連続している(根系の76%以
上) (2)試験結果 供試薬剤の平均根りゅう程度を〔表1〕に示す。この結
果はn=3で試験したものの平均値で示した。
【0076】
【表1】
【0077】本実施例で得られた土壌処理用殺虫粒剤
は、長期間にわたり殺虫効果を維持することができる優
れた製剤といえる。
【0078】[試験例2]比較試験 手指への付着性 実施例4,参考例5および6で得られた粒剤を実際に手
により散布したときの感応を示した。モニター数は5名
である。
【0079】流動性(安息角) 「粉体を中心とした製剤学」(1980年,廣川書店発
行)の第55〜56頁に記載された測定法に基づき測定
した。
【0080】水中溶出率 腰高シャーレ(内径85mm,高さ70mm)に蒸留水
200mlを入れて、これにサンプル約1gを投入し、
25℃にて1日間または6日間静置する。
【0081】6日間静置後、これをろ過し、ろ液中に溶
出した有効成分量を測定し、投下薬量に対する比を求
め、水中溶出とした。その結果を〔表2〕に示す。
【0082】
【表2】
【0083】590μm〜1,140μmの粒子径を有
する天然軽石を用いた粒剤(参考例5)は手指への付着
性や流動性の面では、問題は無いが、見かけ比重は軽
い。そのため、製剤そのものが嵩張ることになる。ま
た、水中溶出率も十分とはいえない。
【0084】また、350μm〜590μmの粒子径を
有する天然軽石を用いた粒剤(参考例6)は手指への付
着性や流動性の点で問題が有る。更には、1日後におい
て、水中溶出率は既に76%を越える程であり、一度に
薬剤を放出してしまった。
【0085】一方、2種の天然軽石を用いた粒剤(実施
例4)はいずれの点でも優れたものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において使用した固形担体の粒度分布
を示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒度分布が粒子径200〜600μmの範
    囲および600〜1,700μmの範囲にそれぞれ少な
    くとも一つのピークを示す固形担体中に、薬剤活性成分
    および界面活性剤を担持させてなる粒剤。
  2. 【請求項2】薬剤活性成分が土壌用殺虫成分である請求
    項1記載の粒剤。
  3. 【請求項3】薬剤活性成分が液状である請求項1または
    2記載の粒剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021117484A1 (ja) 2019-12-09 2021-06-17 住友化学株式会社 土壌処理用含浸型農薬粒状組成物

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