JPH059026A - ペロブスカイト型複合酸化物薄膜の製造方法 - Google Patents

ペロブスカイト型複合酸化物薄膜の製造方法

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JPH059026A
JPH059026A JP18390591A JP18390591A JPH059026A JP H059026 A JPH059026 A JP H059026A JP 18390591 A JP18390591 A JP 18390591A JP 18390591 A JP18390591 A JP 18390591A JP H059026 A JPH059026 A JP H059026A
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oxide thin
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Keiichi Sato
馨一 佐藤
Masakazu Nakamura
雅一 中村
Shinichi Yoyogi
新一 代々城
Yusuke Mitsuyoshi
裕介 光吉
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、ペロブスカイト型複合酸化物の前駆
体であるような金属化合物とアルコキシドとの混合物あ
るいは反応物などから、焼結・粉砕・焼結という煩雑な
工程を経由する事なくターゲットとなる基材上に直接ペ
ロブスカイト型複合酸化物薄膜を製造する方法を提供す
るにある。 【構成】ペロブスカイト型複合酸化物の前駆体、例えば
チタンイソプロポキシドとシュウ酸バリウムとの混合物
あるいは加水分解生成物から熱プラズマスプレイによ
り、直接基材上にチタン酸バリウム薄膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ペロブスカイト型複合
酸化物薄膜の製造方法に関する。さらに詳しくは、コン
デンサーなどの強誘電体薄膜、圧電体薄膜などあるいは
固体抵抗器の保護被膜などとして優れた特性を有するペ
ロブスカイト型複合酸化物薄膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、強誘電体薄膜などに用いられ
るペロブスカイト型複合酸化物薄膜は、固相法および共
沈澱法などで得られた前駆体であるような材料から、焼
結および粉砕工程を経てペロブスカイト型複合酸化物粉
末の原材料を得、さらにバインダー混合後湿式法により
グリーンシート化、焼結によって該薄膜を形成し電極な
どを付加して製造される方法が知られている。これらの
製造方法は、前駆体であるような材料および原材料の焼
結に際して多大のエネルギーを必要とし、また焼結後の
粉砕時に不純物が混入する恐れや、物理的な力による結
晶歪が生起する可能性など種々の問題点を有する。
【0003】他方、焼結および粉砕工程を伴わないでペ
ロブスカイト型複合酸化物粉末を得る水熱合成法および
ゾル−ゲル法も考案され、これを材料として前述の様に
ペロブスカイト型複合酸化物薄膜を製造する方法も知ら
れてはいる。しかしながら前者の水熱合成法によるペロ
ブスカイト型複合酸化物粉末の製造には、およそ数十気
圧、200℃以上の反応条件を必要とする工程が含まれ
るため、実験室レベルでの研究はかなり行なわれている
が、工業化する場合には製造装置が複雑になり、実用的
ではない。また後者のゾル−ゲル法によるペロブスカイ
ト型複合酸化物粉末の製造方法は、蒸留などにより、純
度の高いアルコキシドが得られるため、高純度のペロブ
スカイト型複合酸化物粉末が生成できる。そのため、近
年電子材料の分野における微細加工技術の面で注目され
研究が行なわれてはいるが、生成される粒子の大きさが
極めて小さく、二次凝集を起こし易いために取り扱いが
複雑になる。このため粒子径をさらに大きくするため
に、少なくとも1000℃以上の熱処理が必要となる。
【0004】焼結法によりペロブスカイト型複合酸化物
薄膜を製造する場合には、種々の方法で一旦ペロブスカ
イト型複合酸化物粉末を得、バインダー混合、成型、焼
結、さらには電極などの付加という工程を経るために、
製造工程が煩雑でありコスト高になるという欠点を有す
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、従来の
ペロブスカイト型複合酸化物薄膜製造における欠点、即
ち多工程で、しかも焼結および粉砕に多大のエネルギー
を必要とし、さらに装置および取扱が煩雑になり、コス
ト高になるという欠点を克服するために、鋭意検討した
結果、公知の手法である熱プラズマスプレイ法を使用
し、前駆体であるような材料あるいはそれらの混合物か
ら焼結・粉砕、さらに焼結、電極などの付加という煩雑
な工程を経ず、強誘電体などのペロブスカイト型複合酸
化物薄膜を直接電極などの基材上にしかも連続的に製造
できることを見出した。
【0006】ターゲットとして用いる基材には、各種フ
ェノール基材、ガラスエポキシ基材、セラミックス基
材、あるいは固体抵抗器などが挙げられるが、ペロブス
カイト型複合酸化物薄膜製造時に、基材温度上昇抑制の
ために該基材へ向けて基材表面あるいは基材裏面へ基材
冷却用不燃性物質などを吹き付けることにより、該基材
の温度を100℃前後と低く抑えることができるので、
例えば耐熱性に劣る紙フェノール製基材上でもペロブス
カイト型複合酸化物薄膜が製造できる。
【0007】本発明者等は、かかる知見に基づきさらに
重ねて検討した結果、本発明を完成するに至ったもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、下記
一般式(1)で表されるような物質の前駆体であるよう
な材料あるいはそれらの混合物から熱プラズマスプレイ
法によりターゲットとなる基材上に溶射して、ペロブス
カイト型複合酸化物薄膜とすることを特徴とするペロブ
スカイト型複合酸化物薄膜の製造方法を提供するもので
ある。 一般式(1) ABO3
【0009】本発明において上記Aの金属元素として
は、例えばCu、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、C
d、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、
Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、P
b、Bi、Fe、Co、Niなどを挙げることができ、
さらに好ましくはMg、Ca、Sr、Ba、Pbを挙げ
ることができるが、これのみに限定されるものではな
い。上記Bの金属元素としては、例えば、Ti、Zr、
Hf、Sn、Sbなどを挙げることができるが、これの
みに限定されるものではない。ただし本発明における金
属元素としては、元素周期律表の第IB族、第IIA 族、第
IIB 族、第IIIA族、第IVA 族、第IVB 族、第VB 族、第V
III族であるとする。
【0010】A元素あるいはB元素の中から選ばれる少
なくとも一種類以上の元素を有するアルコキシドを除
く、金属化合物あるいはこれらの元素を有する金属化合
物の混合物など、すなわち水和物、無機酸塩、アンモニ
ウム塩および有機酸塩などとA元素あるいはB元素の中
から選ばれる少なくとも一種類以上の元素を有するアル
コキシドとを混合するか、あるいは反応させるなど何れ
でも良いが、調製物中にはA元素を一種類以上含有し、
さらにB元素を一種類以上含有したペロブスカイト型複
合酸化物の前駆体であるような材料に限定される。この
場合、好ましくは水和物としては水酸化物、オキシ水酸
化物、無機酸塩としては硝酸塩、炭酸塩、リン酸塩、硫
酸塩、有機酸塩としては蟻酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、
プロピオン酸塩、コハク酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、
クエン酸塩、アジピン酸塩、ムチン酸塩、安息香酸塩、
サリチル酸塩、フタル酸塩、イソフタル酸塩、テレフタ
ル酸塩、トリメリット酸塩、セバシン酸塩、ピロメリッ
ト酸塩あるいはステアリン酸塩などを挙げることがで
き、さらに好ましくは、シュウ酸塩、クエン酸塩、酒石
酸塩を挙げることができるが、これのみに限定されるも
のではない。
【0011】1種類の金属元素を有する、アルコキシド
を除く金属化合物の例としては、シュウ酸バリウム、シ
ュウ酸ストロンチウム、シュウ酸カルシウム、シュウ酸
マグネシウム、水酸化バリウム、水酸化ストロンチウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、シュウ酸
スズ、硝酸ジルコニウムなどを挙げることができるが、
これのみに限定されるものではない。
【0012】また2種類の金属元素を有する、アルコキ
シドを除く金属化合物の例としては、ビス(シュウ酸)
酸化チタン(IV)バリウム、ビス(シュウ酸)酸化チタ
ン(IV)ストロンチウム、ビス(シュウ酸)酸化チタン
(IV)マグネシウム、ビス(シュウ酸)酸化チタン(I
V)カルシウム、クエン酸酸化チタン(IV)バリウム、
クエン酸酸化チタン(IV)ストロンチウム、クエン酸酸
化チタン(IV)カルシウム、クエン酸酸化チタン(IV)
マグネシウム、酒石酸酸化チタン(IV)バリウム、酒石
酸酸化チタン(IV)ストロンチウム、酒石酸酸化チタン
(IV)カルシウム、酒石酸酸化チタン(IV)マグネシウ
ムなどを挙げることができるが、これのみに限定される
ものではない。
【0013】前述の金属化合物と混合あるいは反応させ
るアルコキシドとしては、例えば1種類の金属元素を有
するアルコキシドとして、マグネシウムメトキシド、マ
グネシウムエトキシド、マグネシウムプロポキシド、マ
グネシウムブトキシド、カルシウムメトキシド、カルシ
ウムエトキシド、カルシウムプロポキシド、カルシウム
ブトキシド、ストロンチウムメトキシド、ストロンチウ
ムエトキシド、ストロンチウムプロポキシド、ストロン
チウムブトキシド、バリウムメトキシド、バリウムエト
キシド、バリウムプロポキシド、バリウムブトキシド、
鉛メトキシド、鉛エトキシド、鉛プロポキシド、鉛ブト
キシド、チタンメトキシド、チタンエトキシド、チタン
プロポキシド、チタンブトキシド、ジルコニウムメトキ
シド、ジルコニウムエトキシド、ジルコニウムプロポキ
シド、ジルコニウムブトキシド、ハフニウムメトキシ
ド、ハフニウムエトキシド、ハフニウムプロポキシド、
ハフニウムブトキシド、スズメトキシド、スズエトキシ
ド、スズプロポキシド、スズブトキシド、アンチモンメ
トキシド、アンチモンエトキシド、アンチモンプロポキ
シド、アンチモンブトキシドなどを挙げることができる
が、これのみに限定されるものではない。この場合にア
ルコキシドとしては、中心金属とハロゲン原子が1種類
または2種類以上結合したものでも良いが、好ましくは
1種類および1個以下が良い。
【0014】また前述の金属化合物と混合あるいは反応
させる2種類の金属元素を有する複合アルコキシドとし
ては、バリウムチタンメトキシド、バリウムチタンエト
キシド、バリウムチタンプロポキシド、バリウムチタン
ブトキシド、ストロンチウムチタンメトキシド、ストロ
ンチウムチタンエトキシド、ストロンチウムチタンプロ
ポキシド、ストロンチウムチタンブトキシド、マグネシ
ウムチタンメトキシド、マグネシウムチタンエトキシ
ド、マグネシウムチタンプロポキシド、マグネシウムチ
タンブトキシド、カルシウムチタンメトキシド、カルシ
ウムチタンエトキシド、カルシウムチタンプロポキシ
ド、カルシウムチタンブトキシドなどを挙げることがで
きるが、これのみに限定されるものではない。この場合
にアルコキシドとしては、中心金属とハロゲン原子が1
種類または2種類以上結合したものでも良いが、好まし
くは1種類および1個以下が良い。
【0015】また金属化合物とアルコキシドとを混合す
る場合、均一に分散される方法であれば特に制限されな
いが、分散がしにくい場合には必要に応じて溶媒を添加
して、溶解させるか、あるいは分散剤など適宜添加して
も良い。この場合溶媒は公知の有機溶媒あるいは水が適
宜使用される。有機溶媒としては、メタノール、エタノ
ール、メチルエチルケトン、アセトンなど必要に応じて
何れでも良い。さらに混合前後に、アルコキシドを加水
分解あるいは金属化合物と反応させても良い。また分散
剤は公知の界面活性剤など、例えばラウリル硫酸塩など
が使用できる。
【0016】アルコキシドの加水分解は、アルコキシド
単体あるいは金属化合物とアルコキシドの混合物に加水
分解剤を添加することにより、あるいは加水分解剤中に
アルコキシド単体あるいは金属化合物とアルコキシドの
混合物を添加することにより行なわれる。加水分解剤
は、酸またはアルカリ水溶液、さらには水などが使用可
能であるが、これらに限定されるものではない。酸また
はアルカリとしては無機酸、有機酸、有機アミン類、水
酸化物など何れでも良く、例えば無機酸としては硝酸、
リン酸、硫酸、塩酸、有機酸としては蟻酸、シュウ酸、
酢酸、プロピオン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、ク
エン酸、アジピン酸、ムチン酸、安息香酸、サリチル
酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリ
ット酸、セバシン酸、ピロメリット酸、ステアリン酸、
有機アミン類としてはトリメチルアミン、ジメチルアミ
ン、水酸化物としては水酸化アンモニウム、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウムなどを挙げることができるが、
これのみに限定されるものではない。
【0017】本発明において、アルコキシド単体あるい
は金属化合物とアルコキシドの混合物を加水分解剤によ
って加水分解すると、加水分解の条件によって、ゾル溶
液あるいは生成したゲルがスラリー状または塊状になる
場合があるが、何れの場合も使用可能である。スラリー
状または塊状になる場合には適宜ゲルを砕いて使用すれ
ば良い。
【0018】上述した金属化合物あるいはアルコキシド
は、各化合物調製時にA元素またはB元素と置換可能な
元素を別の金属化合物、例えば金属酸化物として添加
し、調製したものでも良い。また混合物あるいは混合溶
液中に、さらに各種金属酸化物あるいはガラスなどを添
加配合しても良い。これらを添加配合する場合、上述し
た元素の金属化合物あるいはアルコキシド調製時さらに
は加水分解時に、各種金属酸化物あるいはガラスを添加
して、その金属化合物あるいはアルコキシドまたは加水
分解生成物中に混在させても良い。もちろん混合した添
加剤がアルコキシドあるいは加水分解生成物中に完全に
溶融している必要はないが、好ましくは溶融していた方
が良い。さらにアルコキシドの調製に必要なアルコール
は、異種のアルコールを混合したもの、例えばメタノー
ルとエタノールを混合したものでも良い。また金属化合
物は混合した酸、例えばシュウ酸とクエン酸を予め混合
して、調製したものでも良い。
【0019】A元素を一種類以上含有し、さらにB元素
を一種類以上含有したペロブスカイト型複合酸化物の前
駆体であるような材料などを熱プラズマ中に導入し、タ
ーゲットとなる基材上に溶射することにより、下記一般
式(1)で表される高い結晶性を有するペロブスカイト
型複合酸化物薄膜を得ることができる。 下記一般式(1) ABO3
【0020】用いる熱プラズマ源としては、好ましく
は、高周波誘導プラズマ、マイクロ波誘導プラズマある
いは直流アークプラズマのいずれでも良いが、これに限
定されるものではない。
【0021】
【作用】上記一般式(1)に示したペロブスカイト型複
合酸化物材料を熱プラズマスプレイ法の供給原料とし
て、基材上にペロブスカイト型複合酸化物薄膜を製造す
べく該薄膜を形成した場合には、構造変化やガラス化が
熱プラズマ中への原料供給と同時に生起し始め、結果と
して結晶性が高く誘電特性良好なペロブスカイト型複合
酸化物薄膜は得られない。
【0022】しかしながら、本発明の如く熱プラズマス
プレイの供給原料として、ペロブスカイト型複合酸化物
の前駆体であるようなアルコキシドを除く金属化合物
と、アルコキシドとの混合物あるいは反応物などを用い
た場合には、熱プラズマ中で超高温が加わると、前駆体
の熱分解反応あるいはアルコキシドの加水分解生成物中
に残存する有機物の熱分解反応および脱水反応と、熱分
解により生成されたペロブスカイト型複合酸化物の分解
あるいはガラス化反応とが前後して起こるが、熱分解反
応や脱水反応が遅いためか、あるいは熱分解反応あるい
は脱水反応により、熱プラズマによる超高温から、生成
されつつあるペロブスカイト型複合酸化物が保護される
ために、構造変化を起こすような分解などが抑制され、
結晶性および誘電特性良好な薄膜が製造されると推定さ
れる。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、従来法である焼結工程
などを経由する方法と同程度の誘電特性良好なペロブス
カイト型複合酸化物薄膜をターゲットとなる基材上に直
接的にしかも連続的に製造することができる。さらに基
材冷却用の不燃性物質の吹き付けを併用することによ
り、溶射中の基材温度上昇を低く抑えることができるた
めにセラミックス製基材のみならず、耐熱製に劣るガラ
スエポキシ製あるいは各種フェノール製のプリント基板
などの基材上へも直接該薄膜を形成することも可能であ
る。このことはコンデンサなどの製造や強誘電体薄膜を
保護被膜とする固体抵抗器の製造分野に関し、省力化お
よび省エネルギー化を図ることができる。
【0024】したがって本発明により、熱プラズマスプ
レイ装置を使用して、ペロブスカイト型複合酸化物の前
駆体であるようなアルコキシドを除く金属化合物と、ア
ルコキシドとの混合物あるいは反応物などから直接的に
しかも連続的にペロブスカイト型複合酸化物薄膜を製造
することができるようになったことは、簡素な工程でし
かも安価に薄膜を提供するものであり、その効果は極め
て大である。
【0025】
【実施例】以下実施例を挙げて、本発明を具体的に説明
する。ただし、本発明の範囲は、下記実施例により何等
限定されるものではない。
【0026】実施例1 撹拌機および滴下器を備えたフラスコ中に、市販のチタ
ンイソプロポキシドを100gと予めモレキュラーシー
ブで脱水乾燥させたイソプロピルアルコール1000m
lとを仕込み、良く撹拌した後、予め良く乾燥させた市
販のシュウ酸バリウムを90g加え、30分間混合し、
スラリー溶液を調製した。
【0027】次に熱プラズマを発生させ、この熱プラズ
マ炎に上記試料を0.01〜0.5ml/分にて供給
し、20mm×20mm×0.5mmの電極となる銅板
上にペロブスカイト型複合酸化物であるチタン酸バリウ
ム薄膜を形成した。この誘電体であるチタン酸バリウム
薄膜は、図2に示したような形状に作製した。測定した
チタン酸バリウム薄膜の誘電率を表1に掲げた。さらに
実施した際の熱プラズマ発生条件を表1に掲げた。また
該薄膜のX線回折パターンとJCPDSデータベース中
の標準回折ピーク位置のパターンとの比較を図1に掲げ
た。
【0028】実施例2 実施例1のスラリー溶液中に、撹拌しながら蒸留水を少
量ずつ加えることにより、ゾル状溶液あるいは部分的に
ゲル化した溶液を調製した。
【0029】次に熱プラズマを発生させ、この熱プラズ
マ炎に上記試料を0.01〜0.5ml/分にて供給
し、20mm×20mm×0.5mmの電極となる銅板
上にペロブスカイト型複合酸化物であるチタン酸バリウ
ム薄膜を形成した。形状は図2に示した。このチタン酸
バリウム薄膜の誘電率を表1に掲げた。さらに実施した
際の熱プラズマ発生条件を表1に掲げた。また該薄膜の
X線回折パターンとJCPDSデータベース中の標準回
折ピーク位置のパターンとの比較を図1に掲げた。
【0030】
【表1】
【0031】なお、実施例のペロブスカイト型複合酸化
物薄膜の特性は、下記方法によって測定した。 1.誘電率 YHP社製IMPEDANCE−GAIN PHASE
ANALYZER4194Aを使用し、周波数1kH
zの時の静電容量から誘電率を求めた。
【0032】2.薄膜の同定 日本電子社製X線回折実験装置JDX−8030を使用
し、2θ=10〜90度の間でその回折パターンを求
め、JCPDSデータベース中の標準回折ピーク位置と
比較し、薄膜の同定を行なった。
【0033】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、各実施例におけるX線回折パターン
【0034】
【図2】図2は、各実施例に従い作製した試料の外形図
【0035】
【符号の説明】
1.銅板電極 2.ペロブスカイト型複合酸化物薄膜 3.リード線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 光吉 裕介 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (I)1種類以上の金属元素を有するア
    ルコキシドを除く金属化合物、 (II)1種類以上の金属元素を有するアルコキシド、
    (I)と(II)との混合物および/または(I)と
    (II)との反応物を熱プラズマにより基材上に直接溶
    射し、ペロブスカイト型複合酸化物膜とすることを特徴
    とするペロブスカイト型複合酸化物薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式(1)で表されるペロブスカイト
    型複合酸化物において、Aの金属元素が元素周期律表の
    第IB族、第IIA 族、第IIB 族、第IIIA族、第IVB 族、第
    VB族、第VIII族から選ばれる少なくとも一種類以上であ
    り、Bの金属元素が元素周期律表の第IVA 族、第IVB
    族、第 VB 族から選ばれる少なくとも1種類以上を用い
    てなることを特徴とする請求項1記載のペロブスカイト
    型複合酸化物薄膜の製造方法。 一般式(1) ABO3
  3. 【請求項3】 一般式(1)において、Aの金属元素が
    元素周期律表の第 IIA族、第IVB 族から選ばれる少なく
    とも一種類以上であり、Bの金属元素が元素周期律表の
    第IVA 族、第IVB 族、第VB族から選ばれる少なくとも一
    種類以上を用いてなることを特徴とする請求項1記載の
    ペロブスカイト型複合酸化物薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 金属化合物が、水和物、無機酸塩、アン
    モニウム塩あるいは有機酸塩であることを特徴とする請
    求項1ないし3いずれか記載のペロブスカイト型複合酸
    化物薄膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 金属化合物が、水酸化物、オキシ水酸
    化物、硝酸塩、炭酸塩、リン酸塩、硫酸塩、蟻酸塩、シ
    ュウ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、リン
    ゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アジピン酸塩、ムチン
    酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、フタル酸塩、イソフ
    タル酸塩、テレフタル酸塩、トリメリット酸塩、セバシ
    ン酸塩、ピロメリット酸塩あるいはステアリン酸塩であ
    ることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載のペ
    ロブスカイト型複合酸化物薄膜の製造方法。
  6. 【請求項6】 熱プラズマ源として高周波誘導プラズ
    マ、マイクロ波誘導プラズマまたは直流アークプラズマ
    を用いることを特徴とする請求項1ないし5いずれか記
    載のペロブスカイト型複合酸化物薄膜の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US4946358A (en) * 1988-08-29 1990-08-07 Mitsubishi Jidosha Kogyo Kabushiki Kaisha Mold mounting apparatus
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