JP4257518B2 - ペロブスカイト型結晶粒子の製造方法、ペロブスカイト型結晶粒子分散体の製造方法および誘電体膜 - Google Patents

ペロブスカイト型結晶粒子の製造方法、ペロブスカイト型結晶粒子分散体の製造方法および誘電体膜 Download PDF

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Description

本発明は、ABOx型(ペロブスカイト型)の結晶構造を有する結晶粒子を製造する方法、ペロブスカイト型結晶粒子分散体の製造方法および誘電体膜に関する。
携帯電話を始めとする情報産業分野のデバイスには、今後ますます高速化、高容量化、小型化が要求され、それを実現するための高機能デバイスの研究開発が広範囲で精力的に進められている。その中でも、チタン酸バリウム、チタン酸バリウムストロンチウム、チタン酸ジルコン酸鉛に代表されるABOx型(ペロブスカイト型)結晶構造を有する誘電体材料はキャパシタやメモリー材料を始めとする電子デバイス分野で広く利用されている。しかしながら、それらの電子デバイスのさらなる小型化、高性能化のためには素子の薄膜化が不可欠の条件であり、そのためには高機能、高品質の誘電特性を有する薄膜の製造技術の確立が鍵となっている。
現在、一般に薄膜の製造方法としては、スパッタリング等のPVD法(物理気相堆積法)、有機金属化合物を用いたCVD法(化学気相堆積法)等の気相法、さらにはゾル−ゲル法に代表される液相法等の種々の方法が用いられている。
たとえば、チタン酸ジルコン酸鉛の場合には、気相法でも液相法でも良好な誘電特性を持つ結晶性薄膜が比較的容易に得られている。その一方、チタン酸バリウムやチタン酸バリウムストロンチウムの場合、誘電特性を示す薄膜の合成が気相法やゾル−ゲル法を用いて行なわれたことが数例報告されてはいるが、実用レベルの製造方法は確立されていないのが現状である。
このようなチタン酸バリウムやチタン酸バリウムストロンチウムの薄膜合成法としては、組成制御と形状付与の容易さ、さらに製造コストの観点から、気相法よりも液相法に期待が寄せられ、ゾル−ゲル法や塗布熱分解法による薄膜の合成研究が活発に行なわれている。ゾル−ゲル法とは、金属アルコキシドのゾル溶液(前駆体溶液)を出発原料として、加水分解・縮合と重縮合反応によってゾル状態からゲル状態を経由し、最終的には金属酸化物に至るまでの合成プロセスを指す。ゾル−ゲル法による薄膜形成は、PVD法やCVD法を用いた気相法等の他の薄膜形成方法と比較し、薄膜形成の対象となる基板の形状やサイズに制約を受けにくく、また薄膜形成に高価な装置を必要としない等の利点を有している。
しかしながら、従来のゾル−ゲル法で得られる誘電体膜は焼成時にクラックが生じやすいという欠点を有しており、1回の塗布・焼成で膜厚が200nm以上の誘電体膜を形成するとクラックが生じる。膜厚が200nm以下では絶縁耐圧が低く、リーク電流も大きいという問題があり、キャパシタなどとしての実用性が低い。そのため、従来のゾルーゲル法では、絶縁耐圧が高く、リーク電流が小さい誘電体膜を得るためには塗布・焼成を複数回繰り返す必要があった。
また、近年の電子デバイスの開発においては、ガラスや樹脂等の耐熱性の低い基板上に誘電体膜を形成する技術の開発が期待されている。しかしながら、従来のゾル−ゲル法を用いた薄膜形成方法においては、基板上に塗布したアモルファス状態の酸化物をABOx型の結晶構造へ変換させる際に500℃以上の焼成温度が必要であり、耐熱温度の低い基板への適応は困難である。
たとえば、Ba、Sr、Tiの各元素を含む前駆体溶液をスピンコーティング法やディップコーティング法等によって基板上に塗布して非晶質の塗布膜を形成した場合、この塗布膜を結晶化させて誘電体膜を得るためには500℃以上の高温焼成が必要である。しかしながら、このような高温で焼成を行うときに基板の変質や変形が発生したり、あるいは基板と誘電体膜の界面で反応が生じたりして、基板に使用する材料に種々の制約が生じていた。
このため、液相法による薄膜形成方法において、製造プロセス温度を低減するための技術革新が求められている。
たとえば、特許文献1(特開平9−157008号公報)には、塗布法によりBa、Sr、Tiのアルコキシドを原料とし、高誘電率の誘電体膜を作製する方法が述べられている。しかし、この方法では結晶化のために550℃での焼成を必要としており耐熱性の低い基板への成膜は不可能である。
特許文献2(特開2002−275390号公報)には、Ba、Ti等のアルコキシドを加水分解・縮合して結晶性のゲルを作製し、これを用いた薄膜形成法に関して述べられている。しかしながら、この方法で作製される誘電体膜は、450℃の焼成では誘電損失が大きく、実用的には750℃以上の高温で焼成する必要がある。また、原料として用いているBaアルコキシドが非常に高価であるという問題を有している。
特許文献3(特開2002−60219号公報)には、水酸化バリウム水溶液とTiアルコキシドのアルコール溶液を混合した後、60〜100℃で反応させて微粒チタン酸バリウム粉末が得られると述べられている。しかしながら、この文献には得られた粉末からの分散体の作製方法に関する記述や薄膜形成に関する記述がない。この文献には、得られた粉末を950〜1100℃で熱処理して、微粒チタン酸バリウム粉末を得ることが記載され(たとえば段落0026参照)、結晶化の温度を充分に低温化できないという問題点を有している。
特開平9−157008号公報 特開2002−275390号公報 特開2002−60219号公報
本発明は上述の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ABOx型の結晶構造を有する誘電体膜の形成において、プロセス温度の低温化を実現し、かつより短時間の処理を可能にすることにより、生産性を大幅に向上することができる、ABOx型の結晶構造を有するペロブスカイト型結晶粒子の製造方法、および該ペロブスカイト型結晶粒子を含む分散体の製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、本発明にかかるペロブスカイト型結晶粒子分散体を用いて形成された誘電体膜を提供することにある。
本発明にかかるペロブスカイト型結晶粒子の製造方法は、ABOx型の結晶構造を有する結晶粒子を製造する方法であって、以下の工程(a)および(b)を含む。
(a)Li、Na、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも一種の金属Aを含む金属水酸化物と、Ti、Zr、Hf、TaおよびNbから選ばれる少なくとも一種の金属Bを含む、金属アルコキシドおよび金属錯体の少なくとも一方と、を有機溶媒に溶解させて溶液を調整する工程、および
(b)前記工程(a)で調製した溶液に水を添加し、該溶液中の前駆体を加水分解・縮合して結晶粒子を得る工程。
本発明において、前記結晶粒子は、平均粒径が100nm以下であることができる。なお、本発明において、平均粒径とは、粒度分布の頻度の中央値から求められるいわゆるメジアン径を意味する。
本発明において、前記金属Aは、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも一種であり、前記金属Bは、Ti、ZrおよびHfから選ばれる少なくとも一種であることができる。
本発明において、前記工程(b)の後に、前記結晶粒子を有機溶媒で精製する工程を有することができる。
本発明にかかるペロブスカイト型結晶粒子分散体の製造方法は、ABOx型の結晶構造を有する結晶粒子の分散体を製造する方法であって、以下の工程(a)ないし(c)を含む。
(a)Li、Na、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも一種の金属Aを含む金属水酸化物と、Ti、Zr、Hf、TaおよびNbから選ばれる少なくとも一種の金属Bを含む、金属アルコキシドおよび金属錯体の少なくとも一方と、を有機溶媒に溶解させて溶液を調整する工程、
(b)前記工程(a)で調製した溶液に水を添加し、該溶液中の前駆体を加水分解・縮合して結晶粒子を得る工程、および
(c)前記工程(b)で得られた結晶粒子を有機溶媒に分散させる工程。
本発明にかかる誘電体膜は、本発明のペロブスカイト型結晶粒子分散体を用いて形成された塗布膜を熱処理することによって得ることができる。
本発明のペロブスカイト型結晶粒子の製造方法によれば、たとえば400℃以下の穏やかな温度条件下でも良好な誘電特性を有する誘電体膜を作製しうる結晶粒子を得ることができる。また、本発明のペロブスカイト型結晶粒子を含む分散体を用いることにより、加熱炉での高温焼成による結晶化が必要な従来のプロセスと比較して誘電体膜の形成プロセスが簡便になり、生産性が大幅に向上する。さらに、該分散体を用いれば、高温での結晶化工程が不要となり、高温での結晶化工程が必要な従来のゾル−ゲル法では適用不可能であった耐熱性の低い各種基板に対しても誘電特性の良好な誘電体膜を作製することが可能になる。また、耐熱性の高い基板上では、たとえば700℃〜950℃で焼成することにより、高誘電率、低誘電損失、高絶縁性の誘電体膜が得られる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明のペロブスカイト型結晶粒子の製造方法は、ABOx型の結晶構造を有する結晶粒子を製造する方法であって、以下の工程(a)および(b)を含む。
(a)Li、Na、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも一種の金属Aを含む金属水酸化物と、Ti、Zr、Hf、TaおよびNbから選ばれる少なくとも一種の金属Bを含む、金属アルコキシドおよび金属錯体の少なくとも一方と、を有機溶媒に溶解させて溶液を調整する工程、および
(b)前記工程(a)で調製した溶液に水を添加し、該溶液中の前駆体を加水分解・縮合して結晶粒子を得る。
以下、各工程について述べる。
1.溶液を調整する工程(以下「工程(a)」ともいう)
工程(a)では、原料として、ABOx型の結晶構造を有する粒子を構成する金属Aを含む金属水酸化物から選ばれる少なくとも一種と、ABOx型の結晶構造を有する粒子を構成する金属Bを含む、金属アルコキシドおよび金属錯体の少なくとも一方とを用い、常法によりこれらの金属水酸化物と金属アルコキシドおよび/または金属錯体とを有機溶媒に溶解させる。
金属Aとしては、Li、Na、Ca、SrおよびBaが挙げられ、好ましくはCa、SrおよびBaである。金属Bとしては、Ti、Zr、Hf,TaおよびNbが挙げられ、好ましくはTi、ZrおよびHfであり、より好ましくはTiである。
溶液中の金属AおよびBの濃度は、好ましくは0.01〜2.0mmol/g、より好ましくは0.1〜1.0mmol/g、さらに好ましくは0.2〜0.8mmol/gである。金属AとBとの比率(A/B:モル比)は、好ましくは0.6〜1.5、より好ましくは0.8〜1.2、さらに好ましくは0.9〜1.1である。
次に、工程(a)で用いられる物質について述べる。
1.1.金属アルコキシド
金属アルコキシドは、金属原子とアルコールとが反応した化合物であり、下記一般式(1)で表される。
a(OR1a ・・・式(1)
式(1)中、Mは、Ti、Zr、Hf、Ta、Nbから選択された金属を表しており、aは、金属Mの価数に応じた4〜7の整数であり、R1は、アルコールのOH基を除いた残基である。
上記金属アルコキシドを形成するアルコールとしては、たとえば、下記式(2)に示すものを好適例として挙げることができる。
1OH ・・・式(2)
[式(2)中、R1は、炭素原子数1〜6の飽和または不飽和の炭化水素基、あるいは炭素原子数1〜6の、アルコキシル基で置換された炭化水素基を示す。]
上記一般式(2)において、R1が炭素原子数1〜6の飽和または不飽和の炭化水素基の場合は、アルコールとして、たとえば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、シクロヘキサノール等を挙げることができる。
また、上記一般式(2)において、R1が炭素原子数1〜6の、アルコキシル基で置換された炭化水素基の場合は、アルコールとしては、たとえば、メトキシメタノール、メトキシエタノール、エトキシメタノール、エトキシエタノール、メトキシプロパノール、エトキシプロパノール、プロポキシプロパノール等を挙げることができる。
上記一般式(1)で表される金属アルコキシドとしては、たとえば、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトライソブトキシチタンなどのチタンアルコキシド、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラプロポキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウムなどのジルコニウムアルコキシド等を挙げることができる。
1.2.金属水酸化物
金属水酸化物は、金属原子に水酸基が結合した化合物であり、下記一般式(3)で表される。
a(OH)a ・・・式(3)
[式(3)中、Mは、Li、Na、Ca、Sr、Baから選択された金属を表しており、aは、金属Mの価数に応じた1〜2の整数である。]
これらの金属水酸化物は、結晶水を含まない無水物あるいは結晶水を含む水和物のいずれかでもよい。
上記一般式(3)で表される金属水酸化物としては、たとえば、LiOH,NaOH,Ca(OH),Sr(OH),Ba(OH),Ba(OH)・HO、Ba(OH)・8HO、;等を挙げることができ、中でも、Ba(OH)・HOが特に好ましい。
1.3.金属錯体
金属錯体は、金属原子に有機化合物が配位した化合物であり、下記一般式(4)で表される。
a(OR1bc ・・・式(4)
[式(4)中、Mは、Ti、Zr、Hf,Ta、Nbから選ばれる金属を表しており、aは、金属Mの価数に応じた4〜7の整数であり、bは0〜7の整数、cは0〜7の整数であり、a=b+cを満たす。R1は、アルコールのOH基を除いた残基であり、Lは金属への配位能を有する有機化合物の残基(いわゆる配位子)である。]
アルコールとして、たとえば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、シクロヘキサノール等を挙げることができる。
金属への配位能を有する有機化合物としては、たとえばアセトン、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどを挙げることができる。
上記一般式(4)で表される金属錯体として、たとえば、チタンアリルアセトアセテートトリイソプロポキサイド、チタンジブトキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタンジイソプロポキサイド(ビスー2,4−ペンタンジオネート)、チタンジブトキサイドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、チタンジイソプロポキサイドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、チタンジブトキサイドビス(エチルアセトアセテート)、チタンジイソプロポキサイドビス(エチルアセトアセテート)、
等を好適に使用することができる。
1.4.有機溶媒
前記金属水酸化物、金属アルコキシドおよび/または金属錯体を溶解する際に使用する有機溶媒としては、たとえば、アルコール系溶媒、多価アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒等を挙げることができる。
アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、アミルアルコール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、フルフリルアルコール等を挙げることができる。
多価アルコール系溶媒としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、メトキシブタノール、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等を挙げることができる。
エーテル系溶媒としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジアミルエーテル、ジエチルアセタール、ジヘキシルエーテル、トリオキサン、ジオキサン、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。
ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、メチルシクロヘキシルケトン、ジエチルケトン、エチルブチルケトン、トリメチルノナノン、アセトニルアセトン、ジメチルオキシド、ホロン、シクロヘキサノン、ダイアセトンアルコール等を挙げることができる。
エステル系溶媒としては、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸メチル、酪酸エチル、オキシイソ酪酸エチル、アセト酢酸エチル、乳酸エチル、メトキシブチルアセテート、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル等を挙げることができる。
有機溶媒としては、親水性溶媒が好ましい。有機溶媒は、1種を用いてもよいし、2種以上を組合せて用いることもできる。
1.5.溶液
本発明では、工程(a)で得られた溶液にランタノイド化合物を添加することも可能である。かかるランタノイドとしては、La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tmを挙げることができる。ランタノイド化合物は、これらランタノイドのアルコキシド、ハロゲン化物、カルボキシレート、水酸化物として用いることが好ましい。
2.加水分解・縮合工程(以下、「工程(b)」ともいう)
工程(b)においては、前記工程(a)で調製した溶液の温度を好ましくは−78〜200℃、より好ましくは−20〜100℃、さらに好ましくは0〜50℃の範囲に保ち、該溶液中に水を金属Aの1モルに対して通常5〜300倍モル、好ましくは10〜200倍モル、より好ましくは20〜100倍モル添加し、溶液中の前駆体を加水分解・縮合して結晶化を行う。
また、加水分解・縮合の際に前記溶液に添加する水の量は、金属Aに対して上記範囲の量が結晶性の高い粒子を得るためには好ましい。添加する水の量が上記下限値よりも少ない場合、あるいは上記上限値よりも多い場合には、結晶性が低下することがある。
工程(b)における溶液への水の添加方法は、直接、水のみを溶液中に添加してもよいし、1.4.の項で記載した有機溶媒の1種以上と水と混合して添加してもよい。
このように、工程(b)において、加水分解・縮合のための水を、液体状態の水のみ、あるいは液体状態の水を含む有機溶媒を用いて、溶液中に滴下することにより添加すると、加水分解・縮合を再現性よく、効率的に行うことができる。
また、このとき、添加する水に触媒が含まれていてもよい。この場合の使用可能な触媒としては、たとえば、無機酸(たとえば、塩酸、硫酸、硝酸)、有機酸(たとえば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、マレイン酸)等の酸触媒や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の無機または有機アルカリ触媒等を挙げることができる。
これらのうちでは、アルカリ触媒を用いることがより好ましい。カルボン酸等の有機酸を用いた場合には、有機酸が分解して生成する二酸化炭素が膜中に残存して、形成される誘電体膜の電気特性に影響を与える場合がある。また、塩酸、硝酸等の無機酸を用いた場合には、酸成分の一部が膜中に残留し、形成される誘電体膜のリーク電流特性を悪化させる場合がある。
水を溶液に添加した後、生成する加水分解・縮合物を通常−10〜200℃、好ましくは20〜150℃、より好ましくは30〜100℃の温度に、通常0.5〜200時間、好ましくは1〜100時間、より好ましくは3〜20時間保持することが望ましい。
本発明では、上記工程(a)および工程(b)を経ることにより、ABOx型の結晶構造を有し、かつ平均粒径が好ましくは100nm以下、より好ましくは50nm以下の粒子を得ることができる。
3.分散工程(以下、「工程(c)」ともいう)
加水分散・縮合のための工程(b)で得られた結晶粒子を有機溶媒に分散させる工程を行い、本発明のペロブスカイト型結晶粒子分散体(以下、「結晶粒子分散体」ともいう)を得ることができる。
分散のための工程(c)の前に、不純物を除去する精製工程を行うことが好ましい。上述したようにして加水分解・縮合物を結晶化させて作製した結晶粒子には、未反応の金属アルコキシド、金属カルボキシレート、金属錯体(以下、単に「有機金属化合物」ともいう。)、一部加水分解・縮合された有機金属化合物、有機金属化合物が完全に加水分解・縮合されて生成する金属水酸化物、金属イオン等の不純物が含まれている。このような結晶粒子をそのまま有機溶媒中に分散させた結晶粒子分散体において、不純物における金属Aの液中濃度が1モル%よりも高濃度で存在すると、この結晶粒子分散体を用いて誘電体膜を形成した場合に、
(1)誘電体膜がイオン導電性を示し、リーク電流が増大する、
(2)誘電体膜の誘電損失が大きくなる、
等の問題が生じることがある。
工程(b)で得られた結晶粒子を有機溶媒で精製する方法は、精製後、結晶粒子と有機溶媒とを分離することが可能であればどのような手法を用いてもよい。結晶粒子の精製方法としては、たとえば、有機溶媒を結晶粒子に加え、デカンテーションあるいは遠心分離によって該結晶粒子を沈降させて、上澄液を除去し、再度、有機溶媒を沈降した結晶粒子に加えて加熱する工程を、2〜5回繰り返す方法を用いることができる。この方法によって、結晶粒子に含まれる不純物および水分を除去し、これらの濃度を減少させることができる。また、たとえば有機溶媒を粒子に加え、半透膜を用いた透析を2〜5回繰り返すことで、含まれる不純物および水の濃度を減少させることもできる。
これにより、精製後の結晶粒子を有機溶媒中に分散させて結晶粒子分散体を得た場合に、該結晶粒子分散体中の、不純物における金属Aの液中濃度および水の濃度を所定の濃度まで低減させることが可能となり、上記の(1),(2)の問題を解決することができる。
前記精製工程において使用する有機溶媒としては、アルコール系溶媒、多価アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒等を挙げることができる。
アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール等を挙げることができる。
多価アルコール系溶媒としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノアセトエステル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、メトキシブタノール、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等を挙げることができる。
エーテル系溶媒としては、メチラール、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジアミルエーテル、ジエチルアセタール、ジヘキシルエーテル、トリオキサン、ジオキサン等を挙げることができる。
ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、メチルシクロヘキシルケトン、ジエチルケトン、エチルブチルケトン、トリメチルノナノン、アセトニルアセトン、ジメチルオキシド、ホロン、シクロヘキサノン、ダイアセトンアルコール等を挙げることができる。
エステル系溶媒としては、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸メチル、酪酸エチル、オキシイソ酪酸エチル、アセト酢酸エチル、乳酸エチル、メトキシブチルアセテート、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル等を挙げることができる。
上記の有機溶媒は、1種を用いてもよいし、2種以上を組合せて用いることもできる。
なお、本発明により得られた結晶粒子を洗液である有機溶媒と分離した後、あらたな有機溶媒に投入し、分散させて結晶粒子分散体を作製することもできる。
この場合、結晶粒子を有機溶媒中に分散させる方法は、該結晶粒子を有機溶媒中に均一に分散させることが可能であればどのような手法を用いてもよい。たとえば、機械的攪拌、あるいは超音波を使用した攪拌を行いながら結晶粒子を溶媒中に分散させる。
分散に用いられる有機溶媒としては、精製工程で用いた有機溶媒として例示したものと同様のアルコール系溶媒、多価アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒等を挙げることができる。
上記の有機溶媒は、1種を用いてもよいし、2種以上を組合せて用いることもできる。また、分散に用いられる有機溶媒は、精製に用いた有機溶媒と同じでもよく、異なってもよい。
結晶粒子分散体の安定性を考慮すると、該結晶粒子分散体中の結晶粒子の含有量は、固形分濃度として結晶粒子分散体全体の1〜20重量%、好ましくは3〜15重量%である。
工程(c)では、結晶粒子の分散を容易にするために、精製後の結晶粒子を有機溶媒に分散させる際に、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤を分散剤として用いてもよい。かかる界面活性剤としては、たとえば、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコール、エチレンジアミンのポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレン縮合物(プルロニック型)、アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、パーフルオロアルキル基含有オリゴマー等を使用することができる。
分散剤の種類と添加量は結晶粒子の種類と結晶粒子を分散させる溶媒の種類により適宜選定して使用することができるが、得られる誘電体膜の誘電特性を考慮すると粒子100gに対して好ましくは0.001〜10g、より好ましくは0.005〜3g、さらに好ましくは0.01〜1gの範囲である。
4.誘電体膜の形成
本発明によって得られた結晶粒子を有機溶媒中に分散した結晶粒子分散体を基板に塗布して塗布膜を形成し、これを必要に応じて乾燥すること、好ましくはさらに加熱焼成することにより、誘電体膜を形成することができる。
具体的には、まず、結晶粒子分散体を基板上に塗布して塗布膜を形成する。ここで、基板上への結晶粒子分散体の塗布方法としては、たとえば、オープンスピン塗布法、密閉スピン塗布法、ミスト化塗布のLSM−CVD法(溶液気化化学気相堆積法)、ディッピング法、スプレー法、ロールコート法、印刷法、インクジェット法、電気泳動電着法等の公知の塗布法を用いることができる。
塗布膜の乾燥は、通常50〜300℃、好ましくは100〜250℃の温度で行う。
このように、基板上への結晶粒子分散体の塗布、ならびに必要に応じて乾燥までの一連の操作を数回繰り返して行うことにより、最終的に得られる誘電体膜を所望の膜厚に設定することができる。
その後、該塗布膜を、通常300℃を超えて900℃以下、好ましくは400〜750℃の温度で加熱して焼成し、誘電体膜を得ることができる。すなわち、結晶粒子分散体を用いた場合には、従来と同様に高温域での焼成により誘電体膜を得ることができることは言うまでもなく、さらに従来よりも低い温度、たとえば、400℃以下の温度で焼成することによっても実用に適した誘電体膜を得ることができる。
結晶粒子分散体が塗布される基板としては、平面でも非平面(たとえば段差があるもの)でもよく、所望のカバレージを実現できるものであればその形態は特に限定されるものではない。また、基板の形状は特に制限されるものではなく、たとえばバルク、薄板、フィルム形状のものを用いることができる。このような基板の材質の具体例としては、半導体、ガラス、金属、プラスチック、セラミックスなどを挙げることができる。
半導体基板の例としては、シリコンウェーハなどが挙げられる。このシリコンウェーハ上にはシリコン酸化膜、Pt、Ir、Ru等の金属、およびその金属酸化物である導電性金属酸化物などからなる電極などが形成されていてもよい。また、基板としては、GaAsやInPなどの化合物半導体基板も使用可能である。
ガラス基板としては、たとえば石英ガラス、ホウ珪酸ガラス、ソーダガラス、鉛ガラス、ランタン系ガラス等からなる基板が使用できる。
金属基板としては、たとえば金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、鉄の他ステンレス鋼等からなる基板が使用できる。
プラスチック基板としては、たとえばポリイミドやメタクリル樹脂等からなる基板を使用することができる。これらのプラスチック基板は、ガラス基板や金属基板よりも耐熱性が低い場合があるが、本発明では、低温で誘電体膜(結晶化膜)を形成することができるため、本発明に適用するにあたって原理的な問題は存在しない。
セラミックス基板としては、たとえば、酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタン、窒化ケイ素、窒化アルミ、窒化チタン、炭化ケイ素、炭化チタン等からなる基板が使用できる。
このようにして得られる誘電体膜は、誘電特性およびリーク電流特性が良好であるため、キャパシタなどの電子部品として好適に用いることが可能である。
5.実施例
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
5.1.実施例1
5.1.1.結晶粒子A−1および結晶粒子分散体a−1の作製
メチルセルソルブ152.7gに、Ti(OCH(CH324を28.4g(100mmol)加えて室温で1時間撹拌した。得られた溶液に純度98%のBa(OH)・HOを19.3g(100mmol)加えて60℃で3時間加熱して溶解させた。室温まで冷却後、孔径3μmのフィルターを用いて不溶分をろ別して、Ba濃度0.5mmol/g、Ti濃度0.5mmol/gの原料溶液−1を調製した。
上記原料溶液−1(40g)を5℃に冷却して、Baの30倍モル相当の水10.8gとメタノール10.8gとの混合溶液を撹拌しながら添加し、加水分解・縮合物を得た。その後、生成した加水分解・縮合物を60℃で5時間静置して結晶化させた。
結晶化後、デカンテーションによって結晶粒子と上澄溶液を分離し、メチルセルソルブを120g添加し、再度60℃で静置して3時間放置した。この操作を2回繰り返し、精製された結晶粒子A−1を得た。
得られた結晶粒子A−1と上澄溶液を分離した後、BaTiO3換算した場合の固形分濃度が15重量%になるようにメチルセルソルブを加え、さらに分散剤としてエチレンジアミンのポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン縮合物を粒子重量100に対して0.1添加し、超音波分散機で結晶粒子A−1を分散させ、結晶粒子分散体a−1を作製した。
結晶粒子分散体a−1の粒子径分布を、動的光散乱式粒径分布測定装置「LB−500」(堀場製作所)により動的散乱法にて測定した結果、メジアン径は22nmであった。なお、結晶粒子分散体a−1は容易に孔径200nmのフィルターで濾過され、粗大粒子を除去することが可能であった。
この結晶粒子分散体a−1をガラス板へ滴下し、室温で乾燥させて形成された薄膜のX線回折チャートを図1に示す。図1によれば、結晶粒子A−1が室温でBaTiO3複合酸化物のABOx型の結晶構造になっていることが確認された。
5.2.実施例2〜5
原料溶液−1を用いて、表1に示す条件で結晶粒子A−2〜A−5を得た。得られた結晶粒子は実施例1と同様の処理を行い、結晶粒子分散体a−2〜a−5を得た。これらの結晶粒子分散体a−2〜a−5を用いて実施例1と同様にして薄膜を形成した。それらのX線回折チャート(XRD)および結晶粒子分散体a−2〜a−5のメジアン径の分析結果を表1に併せて記載した。
5.3.実施例6
メタノール100gに純度98%のBa(OH)・HO19.3g(100mmol)を加えて3時間撹拌して溶解させた。その後、孔径3μmのフィルターを用いて不溶分をろ別して水酸化バリウムのメタノール溶液を得た。別な容器でメチルセルソルブ15.2gに、Ti(OCH(CH324を28.4g(100mmol)加えて室温で1時間撹拌した。これに上記の水酸化バリウムのメタノール溶液、およびメチルセロソルブを加え、Ba濃度0.5mmol/g、Ti濃度0.5mmol/gの原料溶液−2を調製した。
上記原料溶液−2(40g)を5℃に冷却して、Baの30倍モル相当の水10.8gとメタノール10.8gとの混合溶液を撹拌しながら添加し、加水分解・縮合物を得た。その後、生成した加水分解・縮合物を60℃で5時間静置して結晶化させた。
結晶化後、デカンテーションによって結晶粒子と上澄溶液を分離し、メチルセルソルブを120g添加し、再度60℃で静置して3時間放置した。この操作を2回繰り返し、精製された結晶粒子A−6を得た。
得られた結晶粒子A−6と上澄溶液を分離した後、BaTiO3換算した場合の固形分濃度が15重量%になるようにメチルセルソルブを加え、さらに分散剤としてエチレンジアミンのポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン縮合物を粒子重量100に対して0.1添加し、超音波分散機で結晶粒子A−6を分散させ、結晶粒子分散体a−6を作製した。
Figure 0004257518
5.4.試験例
5.4.1.結晶粒子分散体a−1〜a−6を用いた誘電体膜の形成
熱酸化法により得られた膜厚1000nmの酸化シリコン層が表面に形成された直径6インチのシリコンウェーハ上に、スパッタリング法によって、膜厚100nmのPtからなる下部電極を形成した。
次に、前記下部電極上に、結晶粒子分散体a−1〜a−6を、それぞれスピンコータを用いて300rpmで5秒間、続いて1000rpmで20秒間回転塗布した後、250℃で1分間乾燥を行った。その後、塗布膜を400℃で1分加熱後、750℃で60分焼成することで膜厚が約250nmの6種類の誘電体膜を作製した。これらの誘電体膜を目視および顕微鏡を用いて観察したが、クラックは全く観察されなかった。
また、結晶粒子分散体a−1をスピンコータを用いて300rpmで5秒間、続いて1000rpmで20秒間回転塗布した後、250℃で1分間乾燥を行った。その後、塗布膜を400℃で60分焼成することで膜厚が約270nmの誘電体膜を作製した。
5.4.2.誘電体膜の誘電特性
次いで、上記7種の誘電体膜上に、それぞれメタルマスクを介して、スパッタリング法により直径0.2mmの200nm膜厚のPt上部電極を形成して、7種類のサンプルを得た。
これらのサンプルについて、1MHzで測定した時の、各誘電体膜の比誘電率、誘電損失および0.2MV/cmにおけるリーク電流を表2に示す。表2から、本実施例では、誘電体膜は、いずれも誘電率が高く、誘電損失およびリーク電流が小さく、キャパシタとして好適に使用できることが確認された。また、400℃という低温焼成でも高い誘電率を示すことが確認された。
Figure 0004257518
図1は、実施例1の結晶粒子のX線回折チャートである。

Claims (10)

  1. ペロブスカイト型の結晶構造を有する結晶粒子を製造する方法であって、以下の工程(a)および(b)を含む、ペロブスカイト型結晶粒子の製造方法。
    (a)Li、Na、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも一種の金属Aを含む金属水酸化物と、Ti、Zr、Hf、TaおよびNbから選ばれる少なくとも一種の金属Bを含む、金属アルコキシドおよび金属錯体の少なくとも一方と、を親水性溶媒に溶解させて溶液を調する工程、および
    (b)前記工程(a)で調製した溶液に水を添加し、該溶液中の前駆体を0〜50℃で加水分解・縮合して結晶粒子を得る工程。
  2. ペロブスカイト型の結晶構造を有する結晶粒子を製造する方法であって、以下の工程(a)および(b)を含む、ペロブスカイト型結晶粒子の製造方法。
    (a)Li、Na、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも一種の金属Aを含む金属水酸化物と、Ti、Zr、Hf、TaおよびNbから選ばれる少なくとも一種の金属Bを含む、金属アルコキシドおよび金属錯体の少なくとも一方と、を親水性溶媒に溶解させて溶液を調製する工程、および
    (b)前記工程(a)で調製した溶液に、前記金属Aの1モルに対して20〜200倍モルの水を添加し、該溶液中の前駆体を0〜50℃で加水分解・縮合して結晶粒子を得る工程。
  3. 請求項1または2において、
    前記結晶粒子は、平均粒径が100nm以下である、ペロブスカイト型結晶粒子の製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記金属Aは、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも一種であり、
    前記金属Bは、Ti、ZrおよびHfから選ばれる少なくとも一種である、ペロブスカイト型結晶粒子の製造方法。
  5. 請求項1ないしのいずれかにおいて、
    前記工程(b)の後に、前記結晶粒子を親水性溶媒で精製する工程を有する、ペロブスカイト型結晶粒子の製造方法。
  6. ペロブスカイト型の結晶構造を有する結晶粒子の分散体を製造する方法であって、以下の工程(a)ないし(c)を含む、ペロブスカイト型結晶粒子分散体の製造方法。
    (a)Li、Na、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも一種の金属Aを含む金属水酸化物と、Ti、Zr、Hf、TaおよびNbから選ばれる少なくとも一種の金属Bを含む、金属アルコキシドおよび金属錯体の少なくとも一方と、を親水性溶媒に溶解させて溶液を調する工程、
    (b)前記工程(a)で調製した溶液に水を添加し、該溶液中の前駆体を0〜50℃で加水分解・縮合して結晶粒子を得る工程、および
    (c)前記工程(b)で得られた結晶粒子を親水性溶媒に分散させる工程。
  7. ペロブスカイト型の結晶構造を有する結晶粒子の分散体を製造する方法であって、以下の工程(a)ないし(c)を含む、ペロブスカイト型結晶粒子分散体の製造方法。
    (a)Li、Na、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも一種の金属Aを含む金属水酸化物と、Ti、Zr、Hf、TaおよびNbから選ばれる少なくとも一種の金属Bを含む、金属アルコキシドおよび金属錯体の少なくとも一方と、を親水性溶媒に溶解させて溶液を調製する工程、
    (b)前記工程(a)で調製した溶液に、前記金属Aの1モルに対して20〜200倍モルの水を添加し、該溶液中の前駆体を0〜50℃で加水分解・縮合して結晶粒子を得る工程、および
    (c)前記工程(b)で得られた結晶粒子を親水性溶媒に分散させる工程。
  8. 請求項6または7において、
    前記結晶粒子は、平均粒径が100nm以下である、ペロブスカイト型結晶粒子分散体の製造方法。
  9. 請求項6ないし8のいずれかにおいて、
    前記金属Aは、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも一種であり、
    前記金属Bは、Ti、ZrおよびHfから選ばれる少なくとも一種である、ペロブスカイト型結晶粒子分散体の製造方法。
  10. 請求項ないしのいずれかにおいて、
    前記工程(b)の後に、前記結晶粒子を親水性溶媒で精製する工程を有する、ペロブスカイト型結晶粒子分散体の製造方法。
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