JP2005255464A - 膜形成用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ABOx型の結晶構造を有する誘電体膜の形成するための膜形成用組成物であって、誘電損失が小さく、絶縁性の良好な誘電膜を形成することができる膜形成用組成物を提供する。
【解決手段】 本発明の膜形成用組成物は、(A)Ba、Sr、Caから選ばれる少なくとも一種類の金属原子を含む金属水酸化物である第1金属化合物と、
(B)Ti、Zr、Hfから選ばれる少なくとも一種類の金属アルコキシドおよび/またはその部分加水分解縮合物である第2金属化合物との反応生成物と、
(C)有機溶媒と、を含み、
前記第1金属化合物の金属原子と、前記第2金属化合物金属原子のモル比は、0.9〜1.1である。
【選択図】 図なし

Description

本発明は、誘電体膜を形成するための膜形成用組成物であって、ABO型(ペロブスカイト型)の多結晶構造の結晶粒子を含む、膜形成用組成物に関する。
携帯電話を始めとする情報産業分野のデバイスには、今後ますます高速化、高容量化、小型化が要求され、それを実現するための高機能デバイスの研究開発が広範囲で精力的に進められている。その中でも、チタン酸バリウム、チタン酸バリウムストロンチウム、チタン酸ジルコン酸鉛に代表されるABOx型(ペロブスカイト型)結晶構造を有する誘電体材料はキャパシタやメモリー材料を始めとする電子デバイス分野で広く利用されている。しかしながら、それらの電子デバイスのさらなる小型化、高性能化のためには素子の薄膜化が不可欠の条件であり、そのためには高機能、高品質の誘電特性を有する薄膜の製造技術の確立が鍵となっている。
現在、誘電体膜の薄膜の製造方法としては、スパッタリング等のPVD法(物理気相堆積法)、有機金属化合物を用いたCVD法(化学気相堆積法)等の気相法、さらにはゾル−ゲル法に代表される液相法等の種々の方法が検討されている。
たとえば、チタン酸ジルコン酸鉛の場合には、気相法でも液相法でも良好な誘電特性を持つ結晶性薄膜が比較的容易に得られている。その一方、チタン酸バリウムやチタン酸バリウムストロンチウムの場合、誘電特性を示す薄膜の合成が気相法やゾル−ゲル法を用いて行なわれたことが数例報告されてはいるが、実用レベルの製造方法は確立されていないのが現状である。
このようなチタン酸バリウムやチタン酸バリウムストロンチウムの薄膜合成法としては、組成制御と形状付与の容易さ、さらに製造コストの観点から、気相法よりも液相法に期待が寄せられ、ゾル−ゲル法や塗布熱分解法による薄膜の合成研究が活発に行なわれている。ゾル−ゲル法とは、金属アルコキシドのゾル溶液(前駆体溶液)を出発原料として、加水分解と重縮合反応によってゾル状態からゲル状態を経由し、最終的には金属酸化物に至るまでの合成プロセスを指す。ゾル−ゲル法による薄膜形成は、PVD法やCVD法を用いた気相法等の他の薄膜形成方法と比較し、薄膜形成の対象となる基板の形状やサイズに制約を受けにくく、また薄膜形成に高価な装置を必要としない等の利点を有している。
しかしながら、従来のゾルーゲル法で得られる誘電体膜は焼成時にクラックが生じやすいという欠点を有しており、1回の塗布・焼成で膜厚が200nm以上の誘電体膜を形成するとクラックが生じる。膜厚が200nm以下では絶縁耐圧が低く、リーク電流も大きいという問題があり、キャパシターなどとしての実用性が低い。そのため、従来のゾルーゲル法では、絶縁耐圧が高く、リーク電流が小さい誘電体膜を得るためには塗布・焼成を複数回繰り返す必要があった。
また、ゾルーゲル法などの液相法で形成した誘電体膜は焼成温度を高くすると結晶化が進行し高誘電率化するが、高温焼成では誘電損失の増大、リーク電流の増大を生じ、キャパシターとしての特性に劣るという問題を有していた。
このため、液相法による薄膜形成方法において、耐クラック性の向上および高温焼成しても誘電損失およびリーク電流が増大しないような塗布材料が求められている。
たとえば、特許文献1には、BaおよびTiの金属石鹸を原料とし、600〜1300℃で結晶化させるBaTiO3膜の形成方法が述べられている。しかし、この方法ではクラックが発生しやすく、1回の塗布・焼成では膜厚が100nm程度であり、1.0μmの膜厚を得るために塗布。焼成を9回繰り返している。また、電気特性に関する記述がない。
特許文献2には、上記のクラック発生を抑制するために、カルボン酸バリウム、カルボン酸ストロンチウム、およびチタンアルコキシドを有機溶媒中に混合した組成物に関して述べられている。しかしながら、この方法ではクラックフリーとなる膜厚が記載されておらず、電気特性に関する記述もない。
特許文献3にはBa、Ti等のアルコキシドを加水分解して結晶性のゲルを作製し、これを用いた結晶性ゲル分散コーティング溶液に関して述べられている。しかしながら、このコーティング溶液は原料として用いているバリウムアルコキシドが非常に高価であるという問題を有している。
特許文献4には、水酸化バリウム水溶液とTiアルコキシドのアルコール溶液を混合した後、60〜100℃で反応させて微粒チタン酸バリウム粉末が得られると述べられている。しかしながら、この文献には、得られた粉末を950〜1100℃で熱処理して得られる微粒チタン酸バリウム粉末を主成分とする生のセラミック層と電極層との積層体を焼成してキャパシターを形成したと記載されているのみで、得られた微粒チタン酸バリウム粉末からの誘電体形成用組成物に関する記述がない。
非特許文献1にはバリウムエトキシド、チタニウムイソプロポキシドとメトキシエタノールから得られた前躯体溶液を部分加水分解したコーティング溶液に関して述べられている。しかしながら、この文献では電気特性を測定するためには塗布・焼成を複数回数行う必要がある。
特開平1−308801号公報 特許第3456305号公報 特開2002−275390号公報 特開2002−60219号公報 Mte.RES.Soc.Symp.Proc.,VOL.271,339(1992)
本発明は上述の実情に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、ABOx型の結晶構造を有する誘電体膜の形成において、Ba,Sr,Caのアルコキシドなどの高価な原料を使用することなく、耐クラック性に優れ、誘電損失が小さく、絶縁性の良好な誘電膜を形成することができる膜形成用組成物を提供することにある。
本発明の膜形成用組成物は、
(A)Ba、Sr、Caから選ばれる少なくとも一種の金属原子を含む金属水酸化物である第1金属化合物と、
(B)Ti、Zr、Hfから選ばれる少なくとも一種の金属アルコキシドおよび/またはその部分加水分解縮合物である第2金属化合物と、
(C)有機溶媒と、を含み、
前記第1金属化合物の金属原子と、前記第2金属化合物の金属原子のモル比は、0.9〜1.1である。
本発明の膜形成用組成物において、さらに、前記第1金属化合物と前記第2金属化合物との反応生成物を含むことができる。
本発明の膜形成用組成物において、前記反応生成物のうち少なくとも一部は、そのメジアン径が100nm以下の粒子であることができる。
本発明の膜形成用組成物において、前記反応生成物は、ABO型の結晶質成分を含有していることができる。
本発明の膜形成用組成物において、前記有機溶媒は、親水性の溶媒であることができる。
本発明の膜形成用組成物において、前記有機溶媒は、エチレングリコール誘導体またはプロピレングリコール誘導体であることができる。
本発明の膜形成用組成物によれば、たとえば400℃以下の穏やかな温度条件下でも良好な誘電特性を有する誘電体膜を形成できる膜形成用組成物を得ることができる。また、本発明の膜形成用組成物を用いて誘電体膜を形成する場合には、加熱炉での高温焼成による結晶化が必要な従来のプロセスと比較して誘電体膜の形成プロセスが簡便になり、生産性を大幅に向上させることができる。さらに、本発明の膜形成用組成物を用いれば、高温での結晶化工程が不要となり、高温での結晶化工程が必要な従来のゾル−ゲル法では適用不可能であった耐熱性の低い各種基板に対しても誘電特性の良好な誘電体膜を作製することが可能になる。また、耐熱性の高い基板上では、たとえば700℃〜950℃で焼成することができるため、高誘電率、低誘電損失、高絶縁性の誘電体膜を得ることができる。
以下、本発明の膜形成用組成物について説明する。
1.膜形成用組成物
本発明の膜形成用組成物は、(A)Ba、Sr、Caから選ばれる少なくとも一種の金属原子を含む金属水酸化物である第1金属化合物と、(B)Ti、Zr、Hfから選ばれる少なくとも一種の金属アルコキシドおよび/またはその部分加水分解縮合物である第2金属化合物と、(C)有機溶媒と、を含む。以下にそれぞれの成分について説明する。
1.1.(A)成分
本発明の膜形成用組成物において、第1金属化合物としては、Ba、Sr、Caから選ばれる少なくとも一種の金属を含む金属水酸化物を用いる。具体的には、水酸化バリウム、水酸化バリウム一水和物、水酸化バリウム八水和物、水酸化ストロンチウム、水酸化カルシウムなどを挙げることができ、中でも水酸化バリウム一水和物が好適に用いられる。これらの化合物は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
1.2.(B)成分
本発明の膜形成用組成物において、第2金属化合物としては、Ti、Zr、Hfから選ばれる少なくとも一種の金属アルコキシドおよび/またはその部分加水分解縮合物を用いる。シウムなどを挙げることができ、中でも水酸化バリウム一水和物が好適に用いられる。
具体的には、Ti、Zr、Hfの金属アルコキシドおよび/またはその部分加水分解縮合物であり、好ましくはTiのアルコキシドおよび/またはその部分加水分解縮合物であり、Zrおよび/またはHfのアルコキシドを併用することができる。かかる金属アルコキシドとしては、たとえば、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトライソブトキシチタンなどのチタンアルコキシド、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラプロポキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウムなどのジルコニウムアルコキシド、テトラメチルハフニウム、テトラエチルハフニウム、テトラプロポキシハウニウム、テトライソプロポキシハフニウム、テトラブトキシハフニウムなどのハフニウムアルコキシドなどを挙げることができる。これら金属アルコキシドとしてはテトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタンが好ましい。また、これらの金属アルコキシドは溶剤への溶解性向上、水分との反応性の制御などを目的としてアセト酢酸エチル、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどの配位子と反応させたキレート化合物として用いても良い。
1.3.(C)成分
本発明の膜形成用組成物において、(C)成分の有機溶媒としては、親水性の溶媒が用いられ、前記第1および第2金属化合物を溶解させるとともにスピンコート法などを用いて塗膜を形成する際のコーティング特性を付与するためのものである。
有機溶媒としては、たとえば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、iso-ブタノール、sec-ブタノール、t−ブタノールなどのアルコール類、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのエチレングリコール誘導体、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのプロピレングリコール誘導体、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、乳酸エチル、γ―ブチルラクトンなどのエステル類、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類などが挙げられる。これら親水性有機溶媒の中ではエチレングリコール誘導体、プロピレングリコール誘導体が好ましい。
1.4.膜形成用組成物の調整方法
本発明の膜形成用組成物を得る方法は特に限定されないが、たとえば、(C)成分の有機溶媒中に、(A)成分の第1金属化合物と、(B)成分の第2金属化合物とを溶解または分散させることにより得られる。
第1金属化合物と第2金属化合物との含有割合は、それぞれの化合物中の金属原子のモル比(第1金属化合物の金属原子/第2金属化合物の金属原子)は、0.9〜1.1、好ましくは0.95〜1.05、より好ましくは0.98〜1.02である。モル比が0.9より小さい場合、得られる膜の誘電率が低下し、モル比が1.1より大きい場合、得られる膜の絶縁性が低下する。
(A)および(B)成分の金属化合物を溶解または分散させた後に、20〜200℃の温度条件で撹拌処理を行なってもよい。このような攪拌処理を行なう場合には、120℃以上で反応を行うと、粒子状の反応生成物を得ることができる。また、攪拌処理を行なわない場合であっても、(A)成分の第1金属化合物と(B)成分の第2金属化合物とが互いに反応性がある場合には、同一溶媒中に溶解または分散させることにより反応生成物が生じることがある。この反応生成物の少なくとも一部がメジアン径100nm以下より、好ましくは、5nm〜60nmの粒子として溶媒中に分散していると、塗膜の耐クラック性が向上して好ましい。
また、かかる反応生成物がABO型のペロブスカイト型の結晶成分を含有していると、焼成塗膜の誘電率が高くなり好ましい。
本発明では、膜形成用組成物にランタノイド化合物を添加することも可能である。かかるランタノイドとしては、La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tmを挙げることができる。ランタノイド化合物は、これらランタノイドのアルコキシド、ハロゲン化物、カルボキシレート、水酸化物として用いることが好ましい。
また、本発明の膜形成用組成物にはチタン酸バリウム、PZT、PMNなどの高誘電率フィラーを添加することも可能で、かかるフィラーは粒径が1μm以下のものを用いることが好ましい。
2.誘電体膜の形成
次に、本発明の膜形成用組成物を用いた誘電体膜の形成方法について説明する。
誘電体膜の形成では、まず、本発明の膜形成用組成物を基板に塗布して塗布膜を形成し、これを必要に応じて乾燥すること、好ましくはさらに加熱焼成することにより、誘電体膜を形成することができる。
具体的には、まず、膜形成用組成物を基板上に塗布して塗布膜を形成する。ここで、基板上への塗布方法としては、たとえば、オープンスピン塗布法、密閉スピン塗布法、ミスト化塗布のLSM−CVD法(溶液気化化学気相堆積法)、ディッピング法、スプレー法、ロールコート法、印刷法、インクジェット法、電気泳動電着法等の公知の塗布法を用いることができる。
塗布膜の乾燥は、通常50〜300℃、好ましくは100〜250℃の温度で行う。
このように、基板上への結晶粒子分散体の塗布、ならびに必要に応じて乾燥までの一連の操作を数回繰り返して行うことにより、最終的に得られる誘電体膜を所望の膜厚に設定することができる。
その後、該塗布膜を、通常300℃を超えて1000℃以下の温度で加熱して焼成し、誘電体膜を得ることができる。
膜形成用組成物が塗布される基板としては、平面でも非平面(たとえば段差があるもの)でもよく、所望のカバレージを実現できるものであればその形態は特に限定されるものではない。また、基板の形状は特に制限されるものではなく、たとえばバルク、薄板、フィルム形状のものを用いることができる。このような基板の材質の具体例としては、半導体、ガラス、金属、プラスチック、セラミックスなどを挙げることができる。
半導体基板の例としては、シリコンウェーハなどが挙げられる。このシリコンウェーハ上にはシリコン酸化膜、Pt、Ir、Ru等の金属、およびその金属酸化物である導電性金属酸化物などからなる電極などが形成されていてもよい。また、基板としては、GaAsやInPなどの化合物半導体基板も使用可能である。
ガラス基板としては、たとえば石英ガラス、ホウ珪酸ガラス、ソーダガラス、鉛ガラス、ランタン系ガラス等からなる基板が使用できる。
金属基板としては、たとえば金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、鉄の他ステンレス鋼等からなる基板が使用できる。
セラミックス基板としては、たとえば、酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化チタン、窒化ケイ素、窒化アルミ、窒化チタン、炭化ケイ素、炭化チタン等からなる基板が使用できる。
このようにして得られる誘電体膜は、誘電特性およびリーク電流特性が良好であるため、キャパシタなどの電子部品として好適に用いることが可能である。
3.実施例
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
3.1.実施例
[実施例1]
エチレングリコールモノメチルエーテル152.7gに、Ti(OCH(CH324を28.4g(100mmol)加えて室温で1時間撹拌した。得られた溶液に純度98%のBa(OH)・HOを19.3g(100mmol)加えて60℃で3時間加熱して溶解させた。その後、エチレングリコールモノメチルエーテル49.6gを加え、80℃で3時間反応を行い赤褐色の透明溶液を得た。室温まで冷却後、孔径0.2μmのフィルターを用いて不溶分をろ別して、Ba/Ti=1/1(mol/mol)の膜形成用組成物(1)を調製した。
[実施例2]
エチレングリコールモノメチルエーテル152.7gに、Ti(OCH(CH324を28.4g(100mmol)加えて室温で1時間撹拌した。得られた溶液に純度98%のBa(OH)・HOを19.3g(100mmol)加えて60℃で3時間加熱して溶解させた。室温まで冷却後、孔径1μmのフィルターを用いて不溶分をろ別した。この溶液を撹拌機、還流冷却機をつけた反応容器に入れ130℃に加温したところ、約30分後に溶液が濁り始め粒子が析出し始めた。130℃でさらに4.5時間反応させた。室温まで冷却後、BaTiO3換算した場合の固形分濃度が12重量%になるようにメチルセルソルブを加え、さらに分散剤としてエチレンジアミンのポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン縮合物を固形分100に対して0.2添加し、超音波分散機を用いて分散させた後、0.2μmのフィルターを用いて粗大粒子をろ別して膜形成用組成物(2)を作製した。
[実施例3〜6]
実施例3〜6は、表1に示す割合で原料を用いて、調整方法は、実施例2と同様にして、反応温度および反応時間を表1に示す条件でおこなった。その後、実施例2と同様の超音波処理およびフィルターろ過を行い、膜形成用組成物(3)〜(6)を得た。
また、表1には、実施例1〜6によって得られた膜形成用組成物(1)〜(6)に含まれる反応生成物のメジアン径を示す。なお、メジアン径は、それぞれの膜形成用組成物に含まれる粒子の粒子径分布を動的光散乱式粒径分布測定装置 LB−500(堀場製作所)により動的散乱法にて測定することにより得られた。
Figure 2005255464
(A)成分;水酸化バリウム
(B)成分‐1;チタンイソプロポキシド
(B)成分‐2;ジルコニウムブトキシド
EGME;エチレングリコールモノメチルエーテル
EGBE;エテレングリコールモノブチルエーテル
*1;テフロン(登録商標)ライニングのオートクレーブを用いて加圧条件下で反応
3.2.比較例
[比較例1]
非特許文献1に記載の方法に従い、Ba金属とメチレングリコールモノメチルエーテルからBa(OCHCHOCHを、チタニウムイソプロポキシドとメチレングリコールモノメチルエーテルからTi(OCHCHOCHを合成した。Ba(OCHCHOCHにTi(OCHCHOCHのメチレングリコールモノメチルエーテル溶液を等モル加えた後、130℃で2時間の加熱・還流を行い濃度0.4Mの反応生成物を得た。これに1当量のHOを加えて部分加水分解を行い膜形成用組成物(7)を得た。
[比較例2、3]
比較例2、3は、表1に示す割合で原料を用いて、調整方法は、実施例2同様にして、反応温度および反応時間を表1に示す条件でおこなった。その後、実施例2と同様の超音波処理およびフィルターろ過を行い、膜形成用組成物(8)、(9)を得た。
3.3.評価
3.3.1.X線回折分析
上述の実施例1〜6および比較例1〜3により得られた膜形成用組成物(1)〜(9)をそれぞれガラス板に滴下し、室温で乾燥させることにより形成された薄膜のX線回折分析を行なった。測定結果より、膜形成用組成物(1)については、BaTiO結晶構造に起因したピークは微弱であり、非晶質の状態であることが確認された。膜形成用組成物(2)〜(6)および(9)については、X線回折チャートよりBaTiO結晶構造に起因したピークが明瞭に表れており、膜形成用組成物(2)〜(6)および(9)では、ペロブスカイト型の結晶構造を有する粒子が含有されていることが確認された。
3.3.2.クラック性の評価
熱酸化法により得られた膜厚1000nmの酸化シリコン層が表面に形成された直径6インチのシリコンウェーハ上に、スパッタリング法によって、膜厚100nmのTiO膜を、続いて膜厚100nmのPtからなる下部電極を形成した。
次に、前記下部電極上に、得られた膜形成用組成物(1)をスピンコータを用いて300rpmで5秒間、続いて2000rpmで20秒間回転塗布した後、250℃で1分間乾燥を行った。膜形成用組成物(1)をスピンコーターを用いて、再度300rpmで5秒間、続いて2000rpmで20秒間回転塗布した後、250℃で1分間乾燥を行った。その後、塗布膜を750℃で60分焼成することで膜厚が約300nmの誘電体膜(1)を作製した。この誘電体膜(1)を目視および顕微鏡を用いて観察した。
誘電体膜(1)を目視および顕微鏡を用いて観察した結果、クラックは全く観察されなかった。
膜形成用組成物(2)〜(6)、(8)、(9)についても、上述のクラック性の評価と同様に酸化シリコン層の上に下部電極を形成した。前記下部電極の上に、膜形成用組成物(2)〜(6)をスピンコーターを用いて300rpmで5秒間、続いて1000rpmで20秒間回転塗布した後、250℃で1分間乾燥を行った。その後、塗布膜を700℃で60分焼成することで膜厚が約270nmの誘電体膜(2)〜(6)を作製した。これらの誘電体膜(2)〜(6)を目視および顕微鏡を用いて観察した結果、クラックは全く観察されなかった。
比較例にかかる膜形成用組成物(7)についても、上述のクラック性の評価と同様にまず酸化シリコン層の上に下部電極を形成した。前記下部電極の上に、膜形成用組成物(7)をスピンコーターを用いて300rpmで5秒間、続いて1000rpmで20秒間回転塗布した後、250℃で1分間乾燥を行った。得られた誘電体膜は膜厚150nmであったが、目視でクラックが観察された。膜形成用組成物(7)にエチレングリコールモノメチルエーテルを加え、1回塗布・乾燥時の膜厚が70nmになるように希釈した。スピンコート、250℃1分間の乾燥を3回繰り返した後、700℃で1時間焼成を行い、膜形成用組成物(7)を作成した。誘電体膜(7)を目視および顕微鏡を用いて観察した結果、クラックが発生していることが確認された。
3.3.3.誘電特性の評価
上述のクラック性の評価の際に形成された誘電体膜(1)〜(6)、(8)、(9)の上に、それぞれメタルマスクを介して、スパッタリング法により直径0.2mmの200nm膜厚のPt上部電極を形成した。これらのサンプルについて、1MHzで測定した時の、各誘電体膜の比誘電率、誘電損失および0.2MV/cmにおけるリーク電流を表2に示す。
Figure 2005255464
表2から、本実施例の膜形成用組成物を用いて形成された誘電体膜は、誘電体膜は、いずれも誘電率が高く、誘電損失およびリーク電流が小さく、キャパシターとして好適に使用できることが確認された。

Claims (6)

  1. (A)Ba、Sr、Caから選ばれる少なくとも一種の金属原子を含む金属水酸化物である第1金属化合物と、
    (B)Ti、Zr、Hfから選ばれる少なくとも一種の金属アルコキシドおよび/またはその部分加水分解縮合物である第2金属化合物と、
    (C)有機溶媒と、を含み、
    前記第1金属化合物の金属原子と、前記第2金属化合物金属原子のモル比は、0.9〜1.1である、膜形成用組成物。
  2. 請求項1において、
    さらに、前記第1金属化合物と前記第2金属化合物との反応生成物を含む、膜形成用組成物。
  3. 請求項2において、
    前記反応生成物のうち少なくとも一部は、そのメジアン径が100nm以下の粒子である、膜形成用組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    前記反応生成物は、ABO型の結晶質成分を含有している、膜形成用組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、
    前記有機溶媒は、親水性の溶媒である、膜形成用組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかにおいて、
    前記有機溶媒は、エチレングリコール誘導体またはプロピレングリコール誘導体である、膜形成用組成物。
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