JPH0590099U - 簡易ガスこんろの安全装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造が簡単で且つ安全性の高い簡易ガスこ
んろの安全装置を提供する。 【構成】 ハウジング１のピストン収納孔３に、ピスト
ン本体７ａと前部ロッド７ｂと後部ロッド７ｃを備えた
ピストン７を軸線方向Ｄへ摺動自在に嵌合し、前部ロッ
ド７ｂに、該前部ロッド７ｂの周方向へ回動し得ると共
に前部ロッド７ｂの軸線方向Ｄへ移動し得る点火つまみ
９を嵌合し、点火つまみ９内の室１０に、中央が前部ロ
ッド７ｂに固定され両端が点火つまみ９の室１０の内側
に点火つまみ９が周方向へ回動しても回動しないよう支
持された板ばね１１を収納し、前部ロッド７ｂにインジ
ケータロッド８を取付ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、簡易ガスこんろの安全装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

簡易ガスこんろにおいては、長時間の使用に伴うバーナ部や調理器具からの熱 によりガスボンべが加熱され、ガスボンべの内圧が異常に上昇することがあり、 この場合、自動的にガスの供給を遮断し得るよう安全装置が必要である。

【０００３】 斯かる簡易ガスこんろの従来の安全装置としては、例えば、実公昭５８−１０ ０７９号公報に示すように、ボールが環状係止用溝に係合することにより受圧用 シリンダをロックするものや特公昭５７−５４６８０号公報に示すように、皿ば ねの反転により受圧用シリンダをロックするものがある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上述の安全装置においては、何れの場合も、 １）ガス燃焼点火、及び消火のために独立した器具栓が必要であり、コストアッ プとなる、 ２）ボールや皿ばねの他に圧力感応素子としてコイルばねが必要となるため、部 品点数が多く、構造が複雑となる、 ３）ガスボンべを接続する際、ガスボンベ出口に設けられているボンベバルブが コイルばね或はコイルばねと皿ばねの弾発力により、受圧用ピストンを介し押さ れて開くために、ガスボンべをすばやく接続する必要があり、且つ接続と同時に ガスボンベよりガスが流出するのでガス洩れが生じる虞がある、 ４）ガスボンべを接続した簡易ガスこんろをかたづける場合、上述のようにガス ボンベのバルブが開いているので、ボンベの接続部が何かのはずみでずれたりし た場合、ガス洩れが生じる虞がある、 ５）安全装置が作動した場合、ガスボンベはかなり高温となっており、触手する には危険であるにもかかわらず、従来のものでは単にバーナが消火するのみで、 作動の確認ができずガス欠による消火と判断を誤る可能性がある、 等の問題がある。

【０００５】 本考案は、上述の実情に鑑み、構造が簡単で且つ安全性の高い、安価な簡易ガ スこんろの安全装置を提供することを目的としてなしたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、ハウジングに形成されたピストン収納孔に、ピストン本体と該ピス トン本体の前面に突出し且つ先端がピストン収納孔の外方に突出する前部ロッド と、前記ピストン本体の後面に突出し且つ後端がハウジングにセットされたガス ボンベのボンベバルブと当接し得る後部ロッドを備えたピストンを、軸線方向へ 移動自在に嵌合し、前記前部ロッドの外周に、胴部と胴部の前面に接続され内部 に室が形成された本体を備えた点火つまみを、前記前部ロッドの周方向へ回動し 得るよう嵌合し、前記胴部外周或いは前記ピストン収納孔の内周に円周に沿い且 つ軸線方向へ延びるよう形成された案内溝に、前記ハウジングから胴部へ向って 突出させた案内ピン若しくは胴部からピストン収納孔の内周へ向って突出させた 案内ピンを係合させ、前記点火つまみの本体内部に形成された室に、中央が前記 前部ロッドに固着され且つ両端が前記室の内周に、点火つまみを回動させても回 動しないよう、支持された板ばねを、消火時或いは点火時にはピストンを前記ガ スボンべ側へ付勢しガス圧力の異常時にはピストンを前記ガスボンべから離す方 向へ付勢するよう、収納したものである。

【０００７】 又、本考案では、ピストンの前部ロッドに、異常時には点火つまみ外方へ突出 するインジケータを取付けると良い。

【０００８】

【作用】

本考案では、ガスボンべの内圧が異常に上昇すると、ピストン本体に高いガス 圧力が作用してピストンがガスボンベから離れる方向へ移動する。このため、ピ ストンをガスボンべへ向けて付勢し、ボンベバルブを開放していた板ばねは、ピ ストンをガスボンベから離す方向へ付勢するよう反転し、ボンベバルブを閉止し た状態でピストンをロックする。

【０００９】 又、インジケータを設けた場合は、インジケータを目視することにより安全装 置が作動しているか否かを確認できる。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の実施例を添付図面に基づいて説明する。

【００１１】 図１〜図３は本考案の一実施例である。

【００１２】 ハウジング１には、後面が外部に向って開口するよう、中空状のガスボンベ先 端挿入孔２が形成されると共に前面が外部に向って開口するよう中空状のピスト ン収納孔３が形成され、両孔２，３間には、両孔２，３よりも小径で且つ両孔２ ，３を直列状に連通させる中空状のボンベバルブ挿入孔４が形成されている。

【００１３】 ガスボンベ先端挿入孔２には、ガスボンベ５の先端小径部５ａが嵌入し得るよ うになっており、ボンベバルブ挿入孔４には、ガスボンベ５の先端小径部５ａか ら外方へ突出させた従来周知のボンベバルブ６が嵌入し得るようになっている。

【００１４】 ピストン収納孔３内には、ピストン本体７ａとピストン本体７ａの前面に同芯 状に取付けられて前方へ延びる前部ロッド７ｂと、ピストン本体７ａの後面に同 芯状に取付けられて後方へ延びる後部ロッド７ｃとを備えたピストン７が、軸線 方向Ｄへ往復移動し得るよう嵌合され、ピストン収納孔３はピストン本体７ａに より前部室３ａと後部室３ｂに仕切られている。又前部ロッド７ｂは前部室３ａ を貫通してハウジング１の前面に突出し、前部ロッド７ｂの先端部には、前部ロ ッド７ｂと同芯状にインジケータロッド８が取付けられ、後部ロッド７ｃは後部 室３ｂを貫通してボンベバルブ挿入孔４へ突出している。

【００１５】 前部ロッド７ｂには、点火つまみ９が取付けられている。すなわち、前部ロッ ド７ｂの外周には、点火つまみ９の点火つまみ胴部９ａが前部室３ａに内嵌され た状態で嵌合され、点火つまみ胴部９ａのハウジング１前方に突出した先端部に は、外径及び内径が点火つまみ胴部９ａの外径及び内径よりも大径の鍔部９ｂが 一体に接続され、鍔部９ｂの先端部には、鍔部９ｂに対する接合部の外径及び内 径が鍔部９ｂの外径及び内径と略同径で且つインジケータロッド８の先端側はイ ンジケータロッド８に外嵌する鍔状の点火つまみ本体９ｃが着脱可能に接合され 、鍔部９ｂと点火つまみ本体９ｃに包囲された室１０内には、中央が前部ロッド ７ｂの先端部に固定され且つ両端が鍔部９ｂと点火つまみ本体９ｃの接合部に、 点火つまみ９が前部ロッド７ｂの周方向へ回動しても周方向へは回動しないよう に支持された板ばね１１が収納されている。

【００１６】 板ばね１１は、簡易ガスこんろを使用していない場合及び正常状態での使用時 には、図１及び図２に示すように、前部ロッド７ｂに対する固定部が鍔部９ｂと 点火つまみ本体９ｃとの接合部における支持部よりもピストン本体７ａ側へ向い 突出してピストン７をガスボンベ５側へ付勢し得るようになっており、安全装置 として作動した場合には、反転して図３に示すように、前部ロッド７ｂに対する 固定部が鍔部９ｂと点火つまみ本体９ｃとの接合部における支持部よりもピスト ン本体７ａから離れる方向へ変形し、ピストン７を点火つまみ９側へ引張ってピ ストン本体７ａの前面を前部室３ａに設けたストッパ１２に当接させることによ りロックし得るようになっている。又、板ばね１１の点火時の押圧力は、点火時 にボンベバルブ６を押し開き得るよう、ボンベバルブ６のバルブ閉止の押圧力よ りも大きくなっている。

【００１７】 点火つまみ９の点火つまみ胴部９ａの外周には、螺旋状曲線の一部となる案内 溝１３が円周方向へ形成され、該案内溝１３には、ハウジング１に取付けた案内 ピン１４の先端が挿入され、点火つまみ９を回転させる際に、点火つまみ９の回 転角度と軸線方向Ｄに対する移動量を規制し得るようになっている。

【００１８】 ハウジング１には、各孔２，３，４と近接して中空室１５が形成され、該中空 室１５と前記ボンベバルブ挿入孔４はガス導通路１６により連通され、中空室１ ５内には、従来公知のガバナ機溝１７が収納されている。該ガバナ機溝１７は、 中空室１５をガス室１５ａと非ガス室１５ｂに仕切るダイヤフラム１８、ガス室 １５ａにピン１９を支点として回動し得るよう収納され且つガス導通路１６を開 閉する調圧レバー２０、ダイヤフラム１８と調圧レバー２０を連結するロッド２ １、非ガス室１５ｂ内に収納され且つロッド２１及びダイヤフラム１８をガス室 １５ａの容積が減少する方向へ付勢するコイルばね２２を備え、ガス室１５ａは 図示しないバーナと連通している。

【００１９】 なお、図中、２３，２４，２５はパッキンリング、２６は板ばね１１を前部ロ ッド７ｂの先端部に固定する止め輪である。

【００２０】 簡易ガスこんろを使用しない場合すなわち消火時には、図１に示すように点火 つまみ９はハウジング１から最も外方へ突出した位置にあり、ピストン７は板ば ね１１を介してガスボンベ５から離れた側に移動させられている。このため、ガ スボンベ５がセットされた場合にも、ボンベバルブ６は最外方へ突出し、ボンベ バルブ６のガス導通路は閉止されており、従って、ガスボンベ５内のガスはボン ベバルブ挿入孔４、後部室３ｂ、ガス導通路１６、ガス室１５ａに流入すること はない。なお、この場合、インジケータロッド８は点火つまみ本体９ｃ内に後退 している。

【００２１】 点火時に点火つまみ９の点火つまみ本体９ｃを回転させると、点火つまみ胴部 ９ａは案内溝１３を介して案内ピン１４に案内され、回転しつつガスボンベ５側 へ移動する。このためピストン７は板ばね１１により押され、ボンベバルブ６の コイルばねの抗力に打勝ってガスボンベ５側へ移動し、而してボンベバルブ６は 該ボンベバルブ６と当接している後部ロッド７ｃにより図２に示すようにガスボ ンベ５内に引込む方向に押され、ボンベバルブ６が開く。従って、ガスボンベ５ 内のガスは、ボンベバルブ６からボンベバルブ挿入孔４内へ噴出し、ボンベバル ブ挿入孔４、ガス導通路１６を通ってガス室１５ａへ導入され、ガス室１５ａに おいてガバナ機溝１７により調圧され、ガス室１５ａから図示してないガス導通 路を経てバーナへ送られ、バーナで点火されて燃焼する。

【００２２】 簡易ガスこんろの長時間の使用によりガスボンベ５が加熱されて内圧が異常に 上昇した場合には、ガスボンベ５からボンベバルブ挿入孔４へ噴出されるガスの 圧力も異常に上昇することになる。このため、ボンベバルブ挿入孔４から後部室 ３ｂへ導入されたガス圧力が、ピストン７のピストン本体７ａ受圧面に作用し、 ピストン７は押されてガスボンベ５から離れる方向、すなわちハウジング１から 外方へ突出する方向へ移動する。しかるに、点火つまみ９では、点火つまみ胴部 ９ａの案内溝１３にハウジング１に取付けた案内ピン１４が係合しており、点火 つまみ９はハウジング１の外方へ向けて移動することができない。このため、板 ばね１１はピストン７により押されて図３に示す如く反転し、ピストン７を引張 ってガスボンベ５から離れる方向へ付勢し、ストッパ１２でロックする。

【００２３】 而して、ピストン７がロックされると、ボンベバルブ６はボンベバルブ６のコ イルばねにより閉止し、以後はガスボンベ５内のガスがボンベバルブ６からボン ベバルブ挿入孔４へ噴出することはない。又板ばね１１は反転するため、ピスト ン７にはピストン７をガスボンベ５側へ押す力は作用せず、安全装置としての機 能は充分に果たされる。更に板ばね１１が反転した場合には、インジケータロッ ド８は点火つまみ９の外方へ突出するため、安全装置が作動したことを確認でき る。

【００２４】 ピストン７をリセットする場合には、図３の状態から点火つまみ９を回転させ ると共に点火つまみ９を案内ピン１４により案内させてハウジング１の外方へ移 動させる。そうすると、ピストン７はストッパ１２に当接していてハウジング１ の外方へは移動できないため板ばね１１は再び反転して図１の状態に戻る。

【００２５】 上述のように、本実施例では、安全装置の機能部分に器具栓の機能をも設けて いるため、独立した点火つまみが不要となり、又板ばね１１によってガスボンベ ５のボンベバルブ６の開閉及びピストン７のロックを行うようにしているため、 余分な部品が不要となり、構造が簡単になる。

【００２６】 更に、ガスボンベ５を簡易ガスこんろにセットする際には、ガスボンベ５のボ ンベバルブ６は接続と同時に開かないので、ガス洩れの危険性もなく、安全確実 に接続することができる。

【００２７】 更に又、ガスボンベ５を接続したまま簡易ガスこんろをしまう場合にもボンベ バルブ６は閉止の状態であるので、ガスボンベ５が多少接続部からずれても、ガ ス洩れの危険性もない。

【００２８】 又、簡易ガスこんろを使用していて、ガスボンベ５の内圧が異常に上昇して安 全装置が作動した場合、点火つまみ９よりインジケータロッド８が外方へ突出す るので、ガス欠による消火ではない事がわかり、誤って高温のガスボンベ５に触 手する危険性もなくなる。

【００２９】 なお、本考案の実施例においては、案内ピンをハウジングに取付け、案内溝を 点火つまみ胴部に設ける場合について説明したが、点火つまみ胴部に案内ピンを 設け、ハウジングのピストン収納孔の内周に案内溝を設けても実施し得ること、 その他、本考案の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ること、等は勿論 である。

【００３０】

【考案の効果】

本考案の簡易ガスこんろの安全装置のうち請求項１の簡易ガスこんろの安全装 置によれば、独立した器具栓が不要であり、しかも板ばね以外のばねが不要とな るため、構造が簡略化され、コストが安価となり、又請求項２の簡易ガスこんろ の安全装置によれば、請求項１の効果に加えてインジケータにより安全装置の作 動による消火であることが一目でわかり、ガス欠と誤まって高温のガスボンベに 触手する危険性もない、等種々の優れた効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の簡易ガスこんろの安全装置の一実施例
であり、消火時の断面図である。

【図２】本考案の簡易ガスこんろの安全装置の一実施例
であり、点火時の断面図である。

【図３】本考案の簡易ガスこんろの安全装置の一実施例
であり、点火時に安全装置が作動した場合の断面図であ
る。

【符号の説明】

１ ハウジング ３ ピストン収納孔 ４ ボンベバルブ挿入孔 ５ ガスボンベ ６ ボンベバルブ ７ ピストン ７ａ ピストン本体 ７ｂ 前部ロッド ７ｃ 後部ロッド ８ インジケータロッド（インジケータ） ９ 点火つまみ ９ａ 点火つまみ胴部（胴部） ９ｃ 点火つまみ本体（本体） １０ 室 １１ 板ばね １３ 案内溝 １４ 案内ピン Ｄ 軸線方向

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ハウジングに形成されたピストン収納孔
   に、ピストン本体と該ピストン本体の前面に突出し且つ
   先端がピストン収納孔の外方に突出する前部ロッドと、
   前記ピストン本体の後面に突出し且つ後端がハウジング
   にセットされたガスボンベのボンベバルブと当接し得る
   後部ロッドを備えたピストンを、軸線方向へ移動自在に
   嵌合し、前記前部ロッドの外周に、胴部と胴部の前面に
   接続され内部に室が形成された本体を備えた点火つまみ
   を、前記前部ロッドの周方向へ回動し得るよう嵌合し、
   前記胴部外周或いは前記ピストン収納孔の内周に円周に
   沿い且つ軸線方向へ延びるよう形成された案内溝に、前
   記ハウジングから胴部へ向って突出させた案内ピン若し
   くは胴部からピストン収納孔の内周へ向って突出させた
   案内ピンを係合させ、前記点火つまみの本体内部に形成
   された室に、中央が前記前部ロッドに固着され且つ両端
   が前記室の内周に、点火つまみを回動させても回動しな
   いよう、支持された板ばねを、消火時或いは点火時には
   ピストンを前記ガスボンべ側へ付勢しガス圧力の異常時
   にはピストンを前記ガスボンべから離す方向へ付勢する
   よう、収納したことを特徴とする簡易ガスこんろの安全
   装置。
2. 【請求項２】 ピストンの前部ロッドに、異常時には点
   火つまみ外方へ突出するインジケータを取付けた請求項
   １に記載の簡易ガスこんろの安全装置。