JPH05895A - 磁性ガーネツト結晶の育成方法 - Google Patents

磁性ガーネツト結晶の育成方法

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JPH05895A
JPH05895A JP14603791A JP14603791A JPH05895A JP H05895 A JPH05895 A JP H05895A JP 14603791 A JP14603791 A JP 14603791A JP 14603791 A JP14603791 A JP 14603791A JP H05895 A JPH05895 A JP H05895A
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JP
Japan
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oxygen
gas
growing
garnet crystal
magnetic garnet
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Application number
JP14603791A
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English (en)
Inventor
Hisao Kurosawa
久夫 黒沢
Masazumi Sato
正純 佐藤
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Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
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Publication date
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Publication of JPH05895A publication Critical patent/JPH05895A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Bi置換ガーネット厚膜を、液相エピタキシ
ャル(LPE)法で育成する際問題となった、Ptルツ
ボの溶融、ならびに酸素欠損の防止方法を検討した。 【構成】 育成炉内にアルゴンガスと酸素または/及び
オゾンガス、ヘリウムガスと酸素または/及びオゾンガ
ス、炭酸ガスと酸素または/及びオゾンガス、あるいは
窒素ガスと酸素または/及びオゾンガス、等の混合ガス
を導入することを特徴とする磁性ガーネット結晶の育成
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ファラデー効果を利用
した光アイソレータ、光サーキュレータ、光スイッチ等
の磁気光学素子用として適したビスマス(Bi)置換磁
性ガ−ネット結晶の育成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザ(LD)を光源とする光伝
送回路において、コネクタやスイッチなどの光学部品、
受光素子等からの反射戻り光がLDに入ると、レーザ発
振が不安定となり伝送品質が劣化することが知られてい
る。この対策として半導体レーザへの反射戻り光を遮断
する光アイソレータが提案され、現在実用化が進んでい
る。光アイソレータは、磁気光学効果のうちで透過光の
直線偏光面回転現象であるファラデー効果のもつ非相反
性をうまく利用したものである。ファラデー効果を示
し、波長1.3〜1.55μmの近赤外領域で用いられ
るファラデー回転子材料の一つとして、磁気光学ガ−ネ
ット結晶が知られている。その中で、イットリウム・鉄
・ガ−ネット(YIG)結晶は、光アイソレータのファ
ラデー回転子として最初に使用されたものであり、今日
でも広く使用されている。
【0003】近年、光アイソレータの小型化、ならびに
低価格化が急速に進展し、これに伴って素子の小型化、
及び製作コストの低減化が切望されているが、光アイソ
レータの小型化のためには、主要部品であるファラデー
回転子を小型化することが必須の条件となる。ところ
で、YIG等をファラデー回転子として用いる場合に
は、入射偏光面を所定量(例えば45度)回転させるだ
けの長さが必要であるが、この長さはファラデー回転子
を構成する材料のファラデー回転係数の大・小に比例す
る。したがって、ファラデー回転子をより小型化するた
めには、ファラデー回転係数の大きな材料を選択する必
要がある。ファラデー回転係数が大きな材料として、B
iを固溶した、いわゆるBi置換磁性ガ−ネットが一般
に知られている(例えば特開昭64−27212号公報
等参照)。また、この材料は、CVD法、スパッタ法、
フラックス法、および液相エピタキシャル(LPE)法
等によって製造可能であることも知られている。
【0004】しかし、これら製法のうちCVD法および
スパッタ法は、主に結晶性に問題があり、まだ実用化の
段階に至っていない。また、フラックス法は、ガ−ネッ
ト成分の酸化イットリウム及び酸化鉄と共に、フラック
ス成分の酸化鉛や酸化ほう素を融解し、融液を液相温度
以上に保持して均一にした後、融液を徐冷することによ
りガ−ネット結晶を自然核発生により成長させる方法で
あるが、従来知られている方法では、ガ−ネット成分の
偏析のため濃度バラツキが生じ易い、フラックスの固化
に伴い結晶にクラックが入り易い、等の欠点が見られ
た。このため、最近では、これらの欠点を改善した改良
フラックス法も提案されている。しかし、この改善され
た方法において、自然核を成長させるための結晶育成に
長時間を要する、素子化には精密加工を要する、等の問
題があるため量産性に乏しいという難点がある。このよ
うな状況から、最近は、本来磁気バブル素子用ガ−ネッ
ト薄膜の育成法として開発されたLPE法による製造が
特に注目され、この方法を用いてBi置換磁性ガ−ネッ
ト厚膜の開発が種々検討されている状況にある。
【0005】ところで、ガーネット膜育成用融液の出発
原料は、全て酸化物であること、またBi23およびP
bOを多量に充填すること、またこれらを混合した原料
を1100〜1300℃の高温に加熱すること、等の理
由からLPEガーネット結晶育成用ルツボ材質は、耐酸
化性ならびに耐腐食性に優れた純白金(Pt)、あるいは
Pt主体の合金が用いられている。しかしながら、上記
Pt材を用いても酸化、あるいは腐食等が徐々に進行
し、融液中にPtが溶け出すことが大きな問題点であ
り、これがLPE法の一つの弱点でもある。
【0006】融液中に溶け出したPtは、 Pt2+あ
るいはPt4+イオンとなり膜中に混入し易くなる。P
tが膜中に混入した場合、膜中の価数バランスを崩し、
光吸収が増大することが知られている(「日本応用磁気
学会」,VOL.10,No.2,(1986)P.1
61参照)。また、Ptは膜欠陥の一因となり(「J,
Magn,Soc,Jpn」VOL.11,SI(19
87)P.347)、欠陥部は、光学特性が劣化するこ
とが知られている(「日本応用磁気学会」,VOL.1
0,No.2,(1986)P.147参照)。したが
って、Ptルツボの溶融は、極めて重大な問題である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、このP
tルツボの溶融を防止するために育成炉内にアルゴン、
ヘリウム、炭酸ガスまたは窒素等を導入することを先に
提案した。しかし、上記雰囲気中では、Ptルツボの溶
融が大幅に低減する反面、育成したガ−ネット結晶中に
酸素欠損が生じ易く、その結果、光吸収が増大すること
が分かった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するために、Bi置換ガーネット膜を液相エピタキ
シャル(LPE)法で育成する際、育成炉内にアルゴン
ガスと酸素または/及びオゾンガス、ヘリウムガスと酸
素または/及びオゾンガス、炭酸ガスと酸素または/及
びオゾンガス、あるいは窒素ガスと酸素または/及びオ
ゾンガス、等の混合ガスを導入することを特徴とする磁
性ガーネット結晶の育成方法を提供するものである。即
ち、Ptルツボの溶融の防止ならびに酸素欠損の抑制を
同時に達成することを目的に検討し、本発明に至ったも
のである。Ptルツボの溶融メカニズムは、融液外の酸
素イオンと、PtルツボのPtイオンの、融液中におけ
るイオン結合と考えられるが、その詳細は先の提案で述
べた。したがって、Ptルツボの溶融を防止するために
は、融液外の酸素分圧を低減することにより達成される
が、酸素分圧の著しい低減は、上述のように結晶中に酸
素欠損が生じることから好ましくない。
【0009】そこで本発明者等は、酸素分圧とPtルツ
ボならびに酸素欠損との関係を詳細に検討した結果、融
液近傍の酸素分圧を制御することにより、Ptルツボの
溶融を極力抑制し、かつ酸素欠損を防止できることを見
いだした。以下に、実施例を用いて本発明を詳細に説明
する。
【0010】
【実施例】以下、本発明を実施例に従い説明する。 (実施例1)約4000gの融液を充填したPtルツボ
を炉内に設置し、約500cc/mの酸素とアルゴンの
混合ガスを炉内に流入させる場合において、酸素とアル
ゴンの比率を変えて酸素濃度を変化させ、各々約360
μmの厚膜を育成した。それらの厚膜の膜欠陥数と、光
透過率の変化を図1に示す。膜欠陥数は、膜表面にに見
られる欠陥を微分干渉顕微鏡を用いて観察し数値化し
た。また、膜の光透過率は、反射防止膜を形成しない状
態で、自記分光光度計を用いて、波長1.55μmにお
ける透過率を測定した。結果を図1に示すように、酸素
濃度の増加に伴い膜欠陥数は増加するが、約15%以上
の酸素濃度からその数は急激に増加することが分かる。
一方の透過率は、酸素濃度の増加に伴い向上するが、約
10%以上の酸素濃度で飽和する。したがって、約5〜
15%の酸素濃度、好ましくは約7.5〜12.5%の
酸素濃度に制御することにより、膜欠陥数を低減し、か
つ透過率の低下防止、即ち酸素欠損の防止が可能である
ことが分かった。
【0011】(実施例2)融液量と膜厚は上記と同じと
し、酸素と炭酸の混合ガスを、約400cc/m炉内に
流入し、上記同様に酸素濃度を変化させた場合の膜欠陥
数と光透過率を調べた。その結果、図1と同様な結果を
得た。 (実施例3)融液量と膜厚は上記と同じとし、酸素と窒
素の混合ガスを、約700cc/m炉内に流入し、上記
同様に酸素濃度を変化させた場合の膜欠陥数と光透過率
を調べた。その結果、光透過率は図1と同様な結果を得
たが、膜欠陥数は全体的に約20%程度多くなった。
【0012】(実施例4)融液量と膜厚は上記と同じと
し、酸素とヘリウムの混合ガスを、約10Kg/cm2
の圧力で炉内に密封する方法において、上記同様に酸素
濃度を変化させた場合の膜欠陥数と光透過率を調べた。
その結果、図1と同様な結果を得た。 (実施例5)融液量と膜厚は上記と同じとし、オゾンと
アルゴンの混合ガスを、約450cc/m炉内に流入
し、オゾンの濃度を約3、6、及び9%に変化させた場
合の膜欠陥数と光透過率を調べた。その結果、光透過率
は約3%においても劣化は見られず、膜欠陥数は約20
ケ(ケ/cm2)以下と良好であった。しかし、約6%
のオゾン濃度において約100(ケ/cm2)程度の欠
陥が見られた。
【0013】
【発明の効果】本発明により、Ptルツボの溶融が顕著
に抑制されると同時に、酸素欠損を防止できるため、P
tイオンならびに酸素欠損の影響による光吸収が低減す
る、融液中の浮遊Ptが減少し、結果Ptを核とした膜
欠陥が低減する、またルツボ寿命が伸張する、等磁気光
学特性の向上、素子歩留りの向上、更に原価低減に大き
く寄与することから実用的価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸素濃度を変化させた場合の膜欠陥数、及び光
透過率の変化を示した図。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビスマス置換ガーネット膜を液相エピタ
    キシャル(LPE)法で育成する際、育成炉内に混合ガ
    スを導入することを特徴とする磁性ガーネット結晶の育
    成方法。
  2. 【請求項2】 混合ガスが、アルゴンガスと酸素または
    /及びオゾンガスであることを特徴とする請求項1記載
    の磁性ガーネット結晶の育成方法。
  3. 【請求項3】 混合ガスが、ヘリウムガスと酸素または
    /及びオゾンガスであることを特徴とする請求項1記載
    の磁性ガーネット結晶の育成方法。
  4. 【請求項4】 混合ガスが、炭酸ガスと酸素または/及
    びオゾンガスであることを特徴とする請求項1記載の磁
    性ガーネット結晶の育成方法。
  5. 【請求項5】 混合ガスが、窒素ガスと酸素または/及
    びオゾンガスであることを特徴とする請求項1記載の磁
    性ガーネット結晶の育成方法。
JP14603791A 1991-06-18 1991-06-18 磁性ガーネツト結晶の育成方法 Pending JPH05895A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1327268C (zh) * 2003-04-08 2007-07-18 索尼株式会社 显示装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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