JPH0589101U - プロテクションモールの取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 取付け直後の初期強度を確保して、接着剤の
硬化前にプロテクションモールの両端付近がボデー等の
表面から浮き上がらないようにする。 【構成】 プロテクションモール１１の裏面にて、長手
方向に関して両側縁に沿って両面テープ１３を貼り付
け、該プロテクションモールの両端付近にて裏面に接着
剤１６を塗布し、ボデー表面１７に対して圧着すること
により両面テープにより仮止し、接着剤が硬化すること
により固定保持されるようにしたプロテクションモール
の取付構造において、プロテクションモールの両端付近
の裏面に溝１１ａを形成し、該溝内にデュアルロックフ
ァスナー１４を配設した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、自動車の側面にてボデー，ドア等の表面に備えられるプロテクシ ョンモールの取付構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、自動車の側面のボデー，ドア等の表面には塗装面の保護や装飾のため にプロテクションモールが取り付けられている。このようなプロテクションモー ルは、例えば図４に示すような構成のものが知られている。 図４において、プロテクションモール１は、水平方向に延びている長尺の形状 を有しており、塩化ビニル，ポリプロピレン等の樹脂から、押出成形，射出成形 等により形成されている。

【０００３】 このプロテクションモール１は、その表面が自動車の外板色，金属色等に塗装 処理されると共に、その裏面は、図５（Ａ）に示す状態からその上下の両側縁に 沿って両面テープ用のプライマ２が塗布され（図５（Ｂ）参照）、その上から、 フォーム層３ａの両面に粘着層３ｂを有し且つ下方の粘着層３ｂに離型紙３ｃを 備えた両面テープ３が貼り付けられる（図５（Ｃ）参照）と共に、長手方向の中 央に沿って接着剤用プライマ４（図７参照）が塗布される。かくして、プロテク ションモール１が完成する。

【０００４】 このように構成されたプロテクションモール１を、例えば自動車のボデーに取 り付ける場合には、先ずプロテクションモール１の両端付近にて、その裏面中央 にて接着剤用プライマ４の上に、例えばウレタン系接着剤等の接着剤５を塗布す る（図５（Ｄ）参照）。その後、両面テープ３の離型紙３ｃを剥して、プロテク ションモール１をボデー６の所定位置に持って来て、裏面をボデー６の表面に圧 着せしめる。こうして、プロテクションモール１は、図６及び図７に示すように その裏面に貼り付けられた両面テープ３の粘着力によって、ボデー６に対して仮 止めされると共に、裏面に塗布された接着剤５を硬化させることにより、ボデー ６の所定位置に固定保持される。このようにして、プロテクションモール１の取 付けが完了する。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このように構成されたプロテクションモール１の取付構造にお いては、プロテクションモール１自体が成形時の歪や塗装乾燥時の加熱収縮等に よって、長手方向の両端付近にて跳ね上がりが生ずる傾向があり、自動車のボデ ー６へ取り付ける際に、特に冬季等の低温時には、両面テープ３の粘着層３ｂの 粘着力が大幅に低下してしまう。また、接着剤５は、硬化するまでに時間がかか り、特に冬季等の低温時には、完全に硬化するまでに約１週間程度もかかってし まう。このため、接着剤５が硬化する前に、プロテクションモール１の両端付近 が、図８に示すように、ボデー６の表面から浮き上がってしまうことになりかね ないという問題があった。

【０００６】 この考案は、以上の点に鑑み、取付け直後の初期強度が確保され得るようにし て、接着剤が硬化する前にプロテクションモールの両端付近がボデー等の表面か ら浮き上がらないようにした、プロテクションモールの取付構造を提供すること を目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、この考案にあっては、長尺に形成されたプロテクシ ョンモールの裏面にて、長手方向に関して両側縁に沿って両面テープを貼り付け ると共に、このプロテクションモールの両端付近にて、裏面に接着剤を塗布して 自動車のボデー等の表面に対して圧着することにより、該プロテクションモール を該両面テープにより仮止めし且つ接着剤が硬化することにより固定保持せしめ るようにしたプロテクションモールの取付構造において、プロテクションモール の両端付近の裏面に溝が備えられており、この溝内にデュアルロックファスナー が配設されていることを特徴とする。

【０００８】

【作用】

上記構成によれば、プロテクションモールをボデー等の表面の所定位置に持っ て来て、裏面をボデー等の表面に圧着せしめることにより、従来と同様に取付け が行なわれ得ることになり、プロテクションモールは、その裏面に貼り付けられ た両面テープの粘着力によってボデー等に対して仮止めされると共に、裏面の両 端付近の溝内に配設されたデュアルロックファスナーにより固定保持されること になる。その後、裏面に塗布された接着剤が硬化することにより、ボデー等の所 定位置に確実に固定保持され得るので、取付け直後においても、プロテクション モールは、両面テープだけでなくその両端付近に設けられたデュアルロックファ スナーによっても固定されることから、低温時であっても十分な初期強度が得ら れることになり、接着剤が完全に硬化する前に、プロテクションモールの両端が 浮き上がってしまうようなことはない。

【０００９】

【実施例】

以下、図面に示した実施例に基づいて、この考案を詳細に説明する。 図１は、この考案によるプロテクションモールの取付構造の一実施例を示して おり、このプロテクションモールの取付構造１０においては、プロテクションモ ール１１は、その表面が自動車の外板色，金属色等に塗装処理され、またその裏 面は長手方向に関して両側縁に沿って両面テープ用プライマ１２が塗布される。 そしてその上から、フォーム層１３ａの両面に粘着層１３ｂを有し且つ下方の粘 着層１３ｂに離型紙１３ｃを備えた両面テープ１３が貼り付けられる。さらにこ のプロテクションモール１１は、その両端付近にて溝１１ａを備えている。

【００１０】 この溝１１ａ内には、所謂デュアルロックファスナー１４が配設されている。 このデュアルロックファスナー１４は、図１及び図２に示すように、プロテクシ ョンモール１１の溝内に固定される部分１４ａと、自動車のボデーの表面に固定 されるべき部分１４ｂとから構成されている。これら各部分１４ａ，１４ｂは、 それぞれ例えばポリオレフィン系樹脂により成形され、互いに対向する面に、例 えばステム数４００程度の突起を備えており、該突起の先端が膨出して形成され ていることにより、部分１４ａ，１４ｂの突起が、互いに対向する部分１４ｂ， １４ａの突起の間に進入することにより係止され得るようになっている。 さらに、プロテクションモール１１は、その裏面の長手方向中央に沿って接着 剤用プライマ１５が塗布されている。

【００１１】 このプロテクションモール１１は、以下に示すようにして作製される。即ち、 図３において、プロテクションモール１１は、図３（Ａ）に示すようにその両端 付近にて裏面中央に溝１１ａを設けた後、その上下の両側縁に沿って両面テープ 用のプライマ１２を塗布する（図３（Ｂ）参照）。そしてその上から、両面テー プ１３を貼り付ける（図３（Ｃ）参照）と共に、上記溝１１ａ内にデュアルロッ クファスナー１４の部分１４ａの上面を貼り付ける。この場合、該部分１４ａは その外側の面（図面にて、上面）に片面テープが備えられており、この片面テー プの粘着力によって該溝１１ａ内に保持される。その後、長手方向の中央に沿っ て、溝１１ａの領域を除いて接着剤用プライマ１５を塗布することにより、プロ テクションモール１１が完成する（図３（Ｄ）参照）。

【００１２】 この考案によるプロテクションモールの取付構造１０は、以上のように構成さ れており、例えば自動車のボデーに取り付ける場合には、先ずプロテクションモ ール１１の両端付近において、その裏面中央にて接着剤用プライマ１５の上に、 例えばウレタン系接着剤等の接着剤１６を塗布する（図３（Ｅ）参照）。その後 両面テープ１３の離型紙１３ｃを剥して、プロテクションモール１１を車両ボデ ー１７の所定位置に持ち来して、裏面をボデー１７の表面に圧着せしめる。

【００１３】 これによりプロテクションモール１１は、図１及び図２に示すようにその裏面 に貼り付けられた両面テープ１３の粘着力によってボデー１７に対して仮止めさ れると共に、裏面の両端付近の溝１１ａ内に配設されたデュアルロックファスナ ー１４の部分１４ｂの外側面がボデー１７の表面に貼り付けられ、該部分１４ｂ と部分１４ａとが互いに係合することによって、該プロテクションモール１１は ボデー１７に対して固定保持されることになる。その後、プロテクションモール １１の裏面に塗布された接着剤１６が硬化することにより、ボデー１７の所定位 置に確実に固定保持される。このようにして、プロテクションモール１１の取付 けが完了する。

【００１４】

【考案の効果】

以上述べたように、この考案によれば、プロテクションモールの裏面をボデー 等の表面に圧着せしめることにより、プロテクションモールは、その裏面に貼り 付けられた両面テープの粘着力によってボデー等に対して仮止めされると共に、 裏面の両端付近の溝内に配設されたデュアルロックファスナーにより固定保持さ れることになり、しかも裏面に塗布された接着剤が硬化することにより、所定位 置に確実に固定保持され得るので、低温時であっても、十分な初期強度が得られ ることになり、接着剤が完全に硬化する前にプロテクションモールの両端が浮き 上がってしまうようなことはない。 かくして、本考案によれば、取付け直後の初期強度を確保し得るようにして、 接着剤が硬化する前に、プロテクションモールの両端付近がボデー等の表面から 浮き上がらないようにした優れたプロテクションモールの取付構造が提供される ことになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案によるプロテクションモールの取付構
造の一実施例を示す長手方向断面図である。

【図２】図１の取付構造の縦断面図である。

【図３】図１のプロテクションモールの取付工程を順次
示す長手方向の断面図。

【図４】従来のプロテクションモールの一例を示す側面
図である。

【図５】図４のプロテクションモールの取付工程を順次
示す長手方向の断面図。

【図６】図４のプロテクションモールの取付け状態を示
す長手方向断面図である。

【図７】図４のプロテクションモールを取り付けた状態
を示す縦断面図である。

【図８】図６のプロテクションモールの浮上り状態を示
す長手方向断面図である。

【符号の説明】

１０ プロテクションモールの取付構造 １１ プロテクションモール １２ 両面テープ用プライマ １３ 両面テープ １４ デュアルロックファスナー １５ 接着剤用プライマ １６ 接着剤 １７ 自動車のボデー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 長尺に形成されたプロテクションモール
   の裏面にて、長手方向に関して両側縁に沿って両面テー
   プを貼付けると共に、該プロテクションモールの両端付
   近にて、裏面に接着剤を塗布して自動車のボデー等の表
   面に対して圧着することにより、該プロテクションモー
   ルが該両面テープにより仮止めされ且つ接着剤が硬化す
   ることにより固定保持され得るようにしたプロテクショ
   ンモールの取付構造において、 上記プロテクションモールの両端付近の裏面に溝が備え
   られており、該溝内にデュアルロックファスナーが配設
   されていることを特徴とする、プロテクションモールの
   取付構造。