JPH0588681A - 適応信号処理装置及び能動型騒音制御装置 - Google Patents

適応信号処理装置及び能動型騒音制御装置

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Publication number
JPH0588681A
JPH0588681A JP3246219A JP24621991A JPH0588681A JP H0588681 A JPH0588681 A JP H0588681A JP 3246219 A JP3246219 A JP 3246219A JP 24621991 A JP24621991 A JP 24621991A JP H0588681 A JPH0588681 A JP H0588681A
Authority
JP
Japan
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noise
filter coefficient
filter
signal
filter coefficients
Prior art date
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Pending
Application number
JP3246219A
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English (en)
Inventor
Mitsuhiro Doi
三浩 土井
Yoshiharu Nakaji
義晴 中路
Tsutomu Hamabe
勉 浜辺
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
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Publication of JPH0588681A publication Critical patent/JPH0588681A/ja
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  • Fittings On The Vehicle Exterior For Carrying Loads, And Devices For Holding Or Mounting Articles (AREA)
  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 演算負荷を軽減し、小型の装置で高速演算を
可能とする。 【構成】 騒音に干渉させる制御音を発生して評価点の
騒音低減を図る制御音源と、前記干渉後の所定位置の残
留騒音を検出する手段と、騒音源の騒音発生状態に関す
る信号を検出する手段と、前記騒音発生状態の検出信号
を複数のフィルタ係数(W0 ,W1 ,…,Wa ,…,W
i )によってフィルタ処理し前記制御音源を駆動する信
号を出力する適応ディジタルフィルタと、前記制御音源
と残留騒音検出手段との間の伝達関数を含む制御アルゴ
リズムを用いて前記残留騒音検出手段の出力信号を低減
するように前記適応ディジタルフィルタのフィルタ係数
(W0 ,W1 ,…,Wa ,…,Wi )を逐次更新する手
段とを備え、前記逐次更新されるフィルタ係数(W0
1 ,…,Wa ,…,Wi )の更新頻度を、所定のフィ
ルタ係数Wa より前のフィルタ係数(W0 ,W1 ,…,
a -1)と後のフィルタ係数(Wa ,Wa+1 ,…,
i )とで異ならせる手段を設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、適応信号処理装置及
び、自動車の車室や航空機の客室等の騒音を能動的に低
減する能動型騒音制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の能動型騒音制御装置とし
ては、例えば英国公開特許公報第2149614号記載
の図16に示すようなものがある。
【0003】この従来装置は適応信号処理装置によって
構成され、航空機の客室やこれに類する閉空間に適用さ
れるもので、閉空間101内にラウドスピーカ103
a,103b,103cおよびマイクロホン105a,
105b,105c,105dを備えており、ラウドス
ピーカ103a,103b,103cによって騒音に干
渉させる制御音を発生し、マイクロホン105a,10
5b,105c,105dによって残差信号(残留騒
音)を測定するようになっている。これらラウドスピー
カ103a,103b,103c、マイクロホン105
a,105b,105c,105dは信号処理機107
に接続されており、信号処理機107は基本周波数測定
手段によって測定した騒音源の基本周波数とマイクロホ
ン105a,105b,105c,105dからの入力
信号とを受けとり、閉空間101内の音圧レベルを最小
にするようラウドスピーカ103a,103b,103
cに駆動信号を出力するものである。
【0004】図17は上記能動型騒音制御装置を自動車
に適用した場合につき概念的に示したブロック図であ
る。
【0005】なお、説明を簡単にするためラウドスピー
カ103、及びマイクロホン105はそれぞれ1個ずつ
設けられているものとする。
【0006】今、騒音源からマイクロホン105までの
車両伝達系の伝達関数をGとし、ラウドスピーカ103
からマイクロホン105までの伝達関数をCとし、騒音
源が発生する音源情報信号をXp とすると、マイクロホ
ン105で観測される残留騒音としての信号Eは、 E=Xp ・G+Xp ・W・C となる。ここでWは消音するために必要な伝達関数であ
る。消音対象点(マイクロホン105の位置)におい
て、騒音が完全に打ち消された時E=0となる。この時
Wは、 W=−G・C-1 となる。即ち、車両において車室内に伝達される騒音
(1次音)をラウドスピーカ103から出力される制御
音(2次音)によって相殺するためには、車両伝達系の
伝達関数Gに対してW・Cが等価の伝達関数となる必要
がある。そして、マイク検出信号Eが最小となるWを求
め、このWに基づいて信号処理器107内の適応ディジ
タルフィルタのフィルタ係数Wを適応的に更新する。
【0007】マイク検出信号Eを最小にするようフィル
タ係数Wを求める手法として最急降下法の一種であるL
MSアルゴリズム(Least Mean Squar
e)等がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで車両の騒音と
しては、エンジン音、振動、サスペション振動に基づく
エンジン騒音、ロードノイズ等種々のものが存在する。
ここでエンジン騒音の場合はその信号が単純な正弦波で
あるため、信号処理器107内の適応ディジタルフィル
タのフィルタ係数Wは信号の位相と振幅を表現するのみ
でよい。このため、信号処理器107の演算負荷が小さ
く、エンジン回転数変化によって周波数が逐次変化する
場合であっても、フィルタ係数Wが迅速、かつ適格に更
新されるものとなる。
【0009】しかしながら、騒音がサスペンション振動
に伴うロードノイズである場合には、その信号が極めて
複雑なものとなり、信号処理に困難を伴なうものとな
る。
【0010】すなわち、ロードノイズの場合、Gの伝達
特性を表現するインパルス応答は図18に示すような残
響特性を持った信号となり、ディジタル信号処理におい
ては、このインパルス応答関数の畳み込み演算を行なう
ことになるため、フィルタ係数WはGと同様な残響特性
を持たせる必要がある。従って、Wを正確に表現するデ
ィジタルフィルタは図19に示すようにフィルタ係数
(W0 ,W1 ,W2 ,…,Wi )が非常に多くなり、フ
ィルタ処理に際してはこれらのフィルタ係数を時系列的
に逐次更新して行かなければならない。
【0011】ここで、車両伝達系の伝達関数Gが走行中
に変化しないものであれば、信号処理器107がひとた
び目標波形の信号を出力すればフィルタ係数Wの更新動
作は不要となる。しかし、現実にはサスペンションの撓
み、介在するブッシュ類の非線形性等により、様々な条
件でGは変化し、これに対応して構成されるべきフィル
タ係数Wも追従させる必要がある。
【0012】従って、フィルタ係数Wの更新数が膨大と
なり、信号処理器107の演算負荷が極めて大きなもの
となる。
【0013】この場合、信号処理器107が十分な容量
を有していれば、次から次へと入力される様々なサスペ
ンション振動に対して高速で演算することができ、フィ
ルタ係数Wの更新を振動入力、Gの変化に対し十分追従
させることができる。しかし、信号処理器107の容量
が十分なものでなければ、次から次へと入力されるサス
ペンション振動に対してフィルタ係数Wの更新を十分に
追従させることはできない。
【0014】このため、ロードノイズの騒音低減のよう
に、ランダムな信号が次から次へと入力される場合に、
全てのフィルタ係数の更新を十分に追従させて更新する
には、極めて大きな容量の信号処理器107が必要とな
り、装置が著しく大型になるという問題がある。
【0015】そこでこの発明は、装置の小型化を図りな
がら高速処理が可能な適応信号処理装置、及び能動型騒
音制御装置の提供を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、入力された信号を複数のフィル
タ係数(W0 ,W1 ,…,Wa ,…,Wi )を用いてフ
ィルタ処理し出力する適応ディジタルフィルタと、前記
出力信号が目標の信号波形となるように前記フィルタ係
数(W0 ,W1 ,…,Wa ,…,Wi )を逐次更新する
適応制御器とを備え、前記逐次更新されるフィルタ係数
(W0 ,W1 ,…,Wa ,…,Wi )の更新頻度を、所
定のフィルタ係数Wa より前のフィルタ係数(W0 ,W
1 ,…,Wa -1)と後のフィルタ係数(Wa ,Wa+1
…,Wi )とで異ならせる手段を設けたことを特徴とす
る。
【0017】請求項2の発明は、騒音に干渉させる制御
音を発生して評価点の騒音低減を図る制御音源と、前記
干渉後の所定位置の残留騒音を検出する手段と、騒音源
の騒音発生状態に関する信号を検出する手段と、前記騒
音発生状態の検出信号を複数のフィルタ係数(W0 ,W
1 ,…,Wa ,…,Wi )によってフィルタ処理し前記
制御音源を駆動する信号を出力する適応ディジタルフィ
ルタと、前記制御音源と残留騒音検出手段との間の伝達
関数を含む制御アルゴリズムを用いて前記残留騒音検出
手段の出力信号を低減するように前記適応ディジタルフ
ィルタのフィルタ係数(W0 ,W1 ,…,Wa ,…,W
i )を逐次更新する手段とを備え、前記逐次更新される
フィルタ係数(W0 ,W1 ,…,Wa ,…,Wi )の更
新頻度を、所定のフィルタ係数Wa より前のフィルタ係
数(W0 ,W1 ,…,Wa -1)と後のフィルタ係数(W
a ,Wa+1 ,…,Wi )とで異ならせる手段を設けたこ
とを特徴とする。
【0018】請求項3の発明は、騒音に干渉させる制御
音を発生して評価点の騒音低減を図るm個の制御音源
と、前記干渉後の所定位置の残留騒音を検出する手段
と、騒音源の騒音発生状態に関する信号を検出する手段
と、前記騒音発生状態の検出信号を複数のフィルタ係数
(W11,W12,…,W1a,…,W1i)、(Wb1,Wb2
…,Wba,…,Wbi)、(Wm1,Wm2,…,Wmb,…,
mi)によってフィルタ処理し前記各制御音源を駆動す
る複数の駆動信号を出力する適応ディジタルフィルタ
と、前記制御音源と残留騒音検出手段との間の伝達関数
を含む制御アルゴリズムを用いて前記残留騒音検出手段
の出力信号を低減するように前記適応ディジタルフィル
タのフィルタ係数(W11,W12,…,W1a,…,
1i)、(Wb1,Wb2,…,Wba,…,Wbi)、
(Wm1,Wm2,…,Wmb,…,Wmi)を各駆動信号毎に
逐次更新する手段とを備え、前記逐次更新されるフィル
タ係数の更新頻度を、各駆動信号毎に所定のフィルタ係
数Wbaより前のフィルタ係数(Wb1,Wb2,…,
ba-1)と後のフィルタ係数(Wba,Wba+1,…,
bi)とで異ならせると共に、前記所定のフィルタ係数
baを前記複数個の駆動信号毎に異ならせる手段を設け
たことを特徴とする。
【0019】請求項4の発明は、請求項2又は3記載の
能動型騒音制御装置であって、前記所定のフィルタ係数
baを、前記騒音源から評価点までの伝達関数の変化状
態に応じて可変とする手段を設けたことを特徴とする。
【0020】請求項5の発明は、請求項4記載の能動型
騒音制御装置であって、前記可変手段は、サスペンショ
ン振動加速度の変化を前記伝達関数の変化とすることを
特徴とする。
【0021】請求項6の発明は、請求項4記載の能動型
騒音制御装置であって、前記可変手段は、ステアリング
の舵角、車速、エンジン回転数、エンジン負荷の少なく
とも一つの変化を前記伝達関数の変化とすることを特徴
とする。
【0022】請求項7の発明は、請求項4記載の能動型
騒音制御装置であって、前記可変手段は、前記残留騒音
検出手段の出力信号の変化を前記伝達関数の変化とする
ことを特徴とする。
【0023】請求項8の発明は、請求項1、又は2、又
は3、又は4、又は5、又は6、又は7記載の能動型騒
音制御装置であって、前記フィルタ係数の更新頻度を変
える点となる所定のフィルタ係数Wbaが複数点存在する
ことを特徴とする。
【0024】
【作用】請求項1の発明では、適応ディジタルフィルタ
が、入力された信号を複数のフィルタ係数(W0
1 ,…,Wa ,…,Wi )を用いてフィルタ処理し出
力する。また、適応制御器は出力信号が目標の信号波形
となるように、前記フィルタ係数(W0 ,W1 ,…,W
a ,…,Wi )を逐次更新する。従って、入力信号に対
して目標の信号波形を出力することができる。しかも、
逐次更新されるフィルタ係数(W0 ,W1 ,…,Wa
…,Wi )の更新頻度を所定のフィルタ係数Wa より、
前のフィルタ係数((W0 ,W1 ,…,Wa-1 )と後の
フィルタ係数(Wa ,Wa+1 ,…,Wi)とで異ならせ
るようにしたため、全てを同時に更新する場合に比べて
演算処理速度が飛躍的に向上する。
【0025】請求項2の発明では、騒音源の騒音発生状
態に関する信号を騒音発生状態検出手段が検出し、適応
ディジタルフィルタは騒音発生状態の検出信号を複数の
フィルタ係数((W0 ,W1 ,…,Wa ,…,Wi )に
よってフィルタ処理し、制御音源を駆動する信号を出力
する。これによって制御音源は騒音に干渉させる制御音
を発生して評価点の騒音低減を図ることができる。この
時、フィルタ係数更新手段が制御音源と残留騒音検出手
段との間の伝達関数を含む制御アルゴリズムを用いて残
留騒音検出手段の出力信号を低減するように、適応ディ
ジタルフィルタのフィルタ係数(W0 ,W1 ,…,
a ,…,Wi )を逐次更新する。そして、逐次更新さ
れるフィルタ係数(W0 ,W1 ,…,Wa ,…,Wi
の更新頻度を所定のフィルタ係数Wa より前のフィルタ
係数(W0 ,W1 ,…,Wa-1 )と後のフィルタ係数
(Wa ,Wa+1,…,Wi )とで異ならせるため、全て
を同時に逐次更新する場合に比べて演算処理速度が飛躍
的に向上する。
【0026】請求項3の発明では、制御音源がm個存在
する場合に、所定のフィルタ係数Wbaをm個の制御音源
の複数個の駆動信号毎に異ならせることができ、制御音
源毎に、更新頻度を変える前後のフィルタ係数を適格に
区分けることができる。
【0027】請求項4の発明では、所定のフィルタ係数
baを騒音源から評価点までの伝達関数の変化状態に応
じて可変とすることができる。従って、逐次変化する騒
音源から評価点までの伝達関数の変化状態に適格に対応
させ、更新頻度を変える前後のフィルタ係数を区分ける
ことができる。
【0028】請求項5の発明では、サスペンション振動
加速度の変化を騒音源から評価点までの伝達関数の変化
とし、この変化状態に応じて所定のフィルタ係数Wba
可変とすることができる。
【0029】請求項6の発明では、ステアリングの舵
角、車速、エンジン回転数、エンジン負荷の少なくとも
一つの変化を騒音源から評価点までの伝達関数の変化と
し、この変化状態に応じて所定のフィルタ係数Wbaを変
化させることができる。
【0030】請求項7の発明では、残留騒音検出手段の
出力信号の変化を騒音源から評価点までの伝達関数の変
化とし、この変化状態に応じて所定のフィルタ係数Wba
を変化させることができる。
【0031】請求項8の発明では、フィルタ係数の更新
頻度を変える点となる所定のフィルタ係数Wbaが複数点
存在し、より細かな対応を行なわせることができる。
【0032】
【実施例】以下、この発明の実施例を説明する。
【0033】なお説明は車室内空間を例として行う。
【0034】第1実施例 図1はこの発明の第1実施例を示す概略図である。
【0035】図1のように車体1は前輪2a,2b、後
輪2c,2dによって支持され、前輪2a,2bは車体
1の前部に配置されたエンジン4によって回転駆動さ
れ、いわゆる前置きエンジン前輪駆動車を構成してい
る。
【0036】前記車室内の騒音は、例えばサスペンショ
ン振動が騒音源となっており、騒音発生状態検出手段と
しては、サスペンション振動を検出するためサスペンシ
ョンのスピンドル近傍に設けられた加速度検出器5a〜
5dが用いられている。そして、これら加速度検出器5
a〜5dからの出力信号(路面からサスペンションへ入
力される路面振動信号)が車室内騒音に相関のある信号
(加速度信号x)とされている。
【0037】また、車体1内の音響閉空間としての車室
6内には制御音源としてラウドスピーカ7a,7b,7
c及び7dがそれぞれ前席S1,S2、及び後席S3,
S4に対向するドア部に配置されている。
【0038】さらに各座席S1〜S4のヘッドレスト位
置にそれぞれ残留騒音検出手段としてのマイクロホン8
a〜8hが配設されている。
【0039】これらマイクロホン8a〜8hに入力され
る車室6内の残留騒音は、その音圧に応じた電気信号と
してノイズ信号e1 〜e8 が出力される構成となってい
る。
【0040】前記加速度検出器5a〜5d及びマイクロ
ホン8a〜8hの出力信号は適応信号処理装置としての
コントローラ10に個別に供給されるように構成されて
いる。このコントローラ10から出力される駆動信号y
1 〜y4 は個別にラウドスピーカ7a〜7dに供給さ
れ、これらスピーカ7a〜7dから車室6内に音響信号
(制御音)が出力される構成となっている。
【0041】前記コントローラ10は図2に示すよう
に、第一ディジタルフィルタ12、第二ディジタルフィ
ルタ(適応ディジタルフィルタ)13、マイクロプロセ
ッサ(適応制御器)16を備えている。そして、加速度
検出器5a〜5dから入力される加速度信号xはA/D
変換器11によってディジタル信号に変換され、基準信
号xとして第一ディジタルフィルタ12及び適応ディジ
タルフィルタ13に入力される構成となっている。
【0042】また、前記マイクロホン8a〜8hの出力
信号であるノイズ信号e1 〜e8 は、アンプ14a〜1
4hによって増幅され、A/D変換器15a〜15hに
よってA/D変換され、前記第一ディジタルフィルタ1
2の出力信号と共にマイクロプロセッサ16に入力され
る構成となっている。
【0043】ここで、前記第一ディジタルフィルタ12
は、加速度信号xを入力し、前記マイクロホン8a〜8
h及びスピーカ7a〜7d間の伝達関数の組合せ数に応
じてフィルタ処理された基準信号rlm(後述する第
(4),(5)式参照)を生成するものである。
【0044】前記適応ディジタルフィルタ13は機能的
にはスピーカ7a〜7dへの出力チャンネル数に応じた
フィルタを個々に有し、加速度信号xを入力し、その時
点で設定されているフィルタ係数(後述する(5)式参
照)に基づき適応信号処理(フィルタ処理)を行ってス
ピーカ駆動信号y1 〜y4を出力するものである。前記
適応ディジタルフィルタ13から出力される駆動信号y
1 〜y4 はD/A変換器17a〜17dによってD/A
変換され、アナログスイッチ28a〜28d及びアンプ
18a〜18dを介してラウドスピーカ7a〜7dに出
力される構成となっている。
【0045】前記マイクロプロセッサ16は前記ノイズ
信号e1 〜e8 並びにフィルタ処理された基準信号rlm
を入力し、適応ディジタルフィルタ13の出力信号が目
標の信号波形となるようにフィルタ係数を最急降下法の
一種であるLMSアルゴリズムを用いて逐次更新する構
成となっている。
【0046】前記基準信号rlmにはラウドスピーカ7a
〜7bとマイクロホン8a〜8hとの間の伝達関数をデ
ィジタルフィルタのフィルタ係数(インパルス応答関
数)として表したClmが含まれており、マイクロプロセ
ッサ16は制御音源と残留騒音検出手段との間の伝達関
数を含む制御アルゴリズムを用いて前記残留騒音検出手
段であるマイクロホン8a〜8hの出力信号を低減する
ように前記適応ディジタルフィルタ13のフィルタ係数
Wを逐次更新する手段を構成している。
【0047】また、マイクロプロセッサ16は、前記逐
次更新されるフィルタ係数の更新頻度を、所定のフィル
タ係数Wbaより前のフィルタ係数(Wb1,Wb2,…,W
ba-1)と後のフィルタ係数(Wba,Wba+1,…,Wbi
とで異ならせる手段を構成している。
【0048】ここで、コントローラ10の騒音低減制御
原理を一般式を用いて説明する。
【0049】今、l番目のマイクロホンが検出したノイ
ズ信号をel (n)、ラウドスピーカ7a〜7dからの
制御音(二次音)が無いときのl番目のマイクロホンが
検出した残留騒音検出信号をepl(n)、m番目のラウ
ドスピーカとl番目のマイクロホンとの間の伝達関数
(FIR(有限インパルス応答)関数)HlmのJ番目
(J=0,1,2,…,Ic −1)[Ic は定数]に対
応するフィルタ係数をClm j 、基準信号をX(n)、基
準信号を入力しm番目のラウドスピーカを駆動する適応
フィルタのi番目(i=0,1…Ik −1)[Ikは定
数]の係数をWmiとすると、
【0050】
【数1】
【0051】が成立する。ここで、(n)がつく項は、
何れもサンプリング時刻nのサンプル値であり、また、
Mはラウドスピーカの数(本実施例では4個)、Ic
FIRディジタルフィルタで表現されたフィルタ係数C
lmのタップ数(フィルタ次数)、Ik は適応フィルタの
フィルタ係数Wmiのタップ数(フィルタ次数)である。
【0052】上式(1)中、右辺の「ΣWmix(n−j
−i)」(=ym )の項は適応ディジタルフィルタ13
に基準信号xを入力したときの出力を表し、「ΣClmj
{ΣWmix(n−j−i)}」の項はm番目のスピーカ
に入力された信号エネルギがこれらスピーカから音響エ
ネルギとして出力され、車室6内の伝達関数Clmを経て
l番目のマイクロホンに到達したときの信号を表し、更
に、「Σ ΣClmj {ΣWmix(n−j−i)}」の右
辺全体は、l番目のマイクロホンへの到達信号を全スピ
ーカについて足し合わせているから、l番目のマイクロ
ホンに到達する制御音の総和を表す。
【0053】ついで評価関数(最小にすべき変数)Je
を、
【0054】
【数2】
【0055】とおく。ここで、Lはマイクロホンの数
(本実施例では8個)である。
【0056】そして、評価関数Jeを最小にするフィル
タ係数Wmiを求めるために、本実施例ではLMSアルゴ
リズムを採用する。つまり、評価関数Jeを各フィルタ
係数Wmiについて偏微分した値で当該フィルタ係数Wmi
を更新する。そこで、(2)式より、
【0057】
【数3】
【0058】となるが、(1)式より、
【0059】
【数4】
【0060】となるから、この(4)式右辺をrlm(n
−i)とおけば、フィルタ係数の書換え式は重み係数γ
l も含めた形で以下の(5)式により得られる。
【0061】
【数5】
【0062】ここで、αは収束係数であり、フィルタが
最適に収束する速度や、その際の安定性に関与する。な
お、収束係数αを本実施例では一つの定数のように扱っ
ているが、各フィルタ毎に異なる収束係数(αmi)とす
ることもできるし、また重み係数γl を一緒に取り込ん
だ係数(αl )として演算することもできる。
【0063】次に図3,図4のフローチャートを用いて
作用を説明する。
【0064】図3は、スピーカ駆動信号を出力するため
のフローチャートであり、図4は、適応ディジタルフィ
ルタ13のフィルタ係数更新のためのフローチャートで
ある。
【0065】まず、図3においてステップS31では、加
速度検出信号を入力する。すなわち、加速度検出器5a
〜5dから入力される加速度検出信号は、周波数−電圧
変換回路11によってディジタル信号に変換され、基準
信号xとして適応ディジタルフィルタ13に入力され
る。ついでステップS32において、基準信号xがフィル
タ処理される。すなわち、適応ディジタルフィルタ13
において、その時点で設定されているフィルタ係数(前
記(5)式参照)に基づきフィルタ処理を行なってスピ
ーカ駆動信号y1 〜y4を出力する。次にステップS33
において、スピーカ駆動を行なう。すなわち、スピーカ
駆動信号y1 〜y4 はD/A変換器17a〜17dによ
ってD/A変換され、アナログスイッチ28〜2
、およびアンプ18〜18を介してラウドスピ
ーカ7〜7に出力され、これによってラウドスピー
カ7〜7は前輪2a,2b、後輪2c,2dから車
室6内に伝達される騒音に対して逆位相の二次音を出力
し、車室6内の騒音低減を図る。
【0066】次に図4において、まずステップS41では
基準信号検出が行われる。すなわち、第一ディジタルフ
ィルタ12は基準信号xを入力し、マイクロホン8a〜
8hおよびスピーカ7a〜7d間の伝達関数の組合せ数
に応じてフィルタ処理された基準信号rlm(前記
(4),(5)式参照)を生成し、マイクロプロセッサ
16に出力する。同時にステッフS42では、車室内騒音
eの検出が行なわれる。すなわち、前記のようにしてラ
ウドスピーカ7a〜7dによって二次音が出力されると
車室6内の騒音は相殺され、その残差信号として残留騒
音がマイクロホン8a〜8hで検出される。そして、マ
イクロホン8a〜8hの出力信号であるノイズ信号e1
〜e8 はアンプ14a〜14hによって増幅され、A/
D変換器15a〜15hによってA/D変換され、マイ
クロプロセッサ16に入力される。
【0067】次に、ステップS43では、音圧の自乗e2
の総和演算が行なわれる(前記(2)式参照)。
【0068】次にステップS44において適応ディジタル
フィルタ13の更新頻度に関するマップが読み込まれ、
このマップに基づいてステップS45においてフィルタ係
数の更新が行われる。即ち、マイクロプロセッサ16に
おいて前記基準信号rlm、及び音圧e2 の総和演算に基
づき音圧の自乗和を最小とするように、前記(5)式を
演算し、これによって適応ディジタルフィルタ13のフ
ィルタ係数を逐次更新する。従って、適応的に更新され
るフィルタ係数によって基準信号xをフィルタ処理し、
ラウドスピーカ7a〜7dを駆動することができ、これ
によって車室6内の騒音低減を図ることができるのであ
る。
【0069】次にステップS44で読み込む更新頻度のマ
ップについて更に説明する。
【0070】サスペンション振動に基づくロードノイズ
等では車両伝達系の伝達関数を表現するインパルス応答
は残響特性があるため、適応ディジタルフィルタ13の
フィルタ係数は図5で示すように、同様な残響特性を持
たせる必要があり、多くのフィルタ係数を必要としてい
ることは上記した通りである。
【0071】ここで全てのフィルタ係数が更新前0にセ
ットされていることを考慮すると、図5で示すように所
定のフィルタ係数Wa より前のフィルタ係数(W0 〜W
a-1 )は後のフィルタ係数(Wa〜Wi )より更新量が
大きいことになる。このように更新量の相違がある状態
で全フィルタ係数が同じ頻度で更新された時、i+1個
あるフィルタ係数のうち、前半及び後半から更新される
要素としてそれぞれフィルタ係数(W0 ,W1 )(W
i-1 ,Wi )を抜き出して表現すると、図6,図7のよ
うになる。
【0072】この図6,図7は、前記(5)式の演算を
模式図的に表したもので横軸、及び縦軸をフィルタ係数
とし、紙面に直交する方向を音圧の自乗値としている。
楕円で表しているのは等音圧線であり、これら等音圧線
の集まりとして音圧の自乗値としての二次局面が図8の
ように存在しているのである。従って、図6,図7は図
8で示す二次局面を上方から見た状態を示している。
【0073】そして、更新量の大きなフィルタ係数(W
0 ,W1 )が最適値を示すP1 まで収束する前に、更新
量の小さなフィルタ係数(Wi-1 ,Wi )は最適値を示
すP2 に到達しており、(Wi-1 ,Wi )は(W0 ,W
1 )が収束するまで最適値近傍で更新され続けることに
なる。このことを考慮してフィルタ係数の更新頻度をあ
るフィルタ係数Wa の前半と後半で異ならせることによ
り、実際のフィルタ係数が最適値へ収束するまでの時間
を全フィルタ係数で均一化し、これによって全体の更新
演算量を低減するようにしている。
【0074】図9,図10は前記更新順序をマップとし
て表現したものである。このマップにおいて○印が更新
を行ない、×印は更新を行なわないことを表している。
【0075】例えば、更新回数1の場合1番目のスピー
カで見ると、フィルタ係数W1aより前半のフィルタ係数
(W11〜W1a-1)は更新しているが、後半のフィルタ係
数(W1a〜W1i)は更新を行なっていない。このような
マップを図4のステップS44で読み込むことにより、こ
の更新頻度に応じてフィルタ係数を更新するものであ
る。従って、車室内騒音がサスペンションの振動入力等
ランダム信号に基づきフィルタ係数が膨大になる場合で
も、その全てを同時に更新する場合に比べてコントロー
ラ10の演算負荷が著しく軽減され、小型のコントロー
ラで大幅な高速処理が可能となる。
【0076】図9の場合は、フィルタ係数の更新を全て
同じ係数番号から後のものの頻度を少なくしているが、
図10のように、各ラウドスピーカ7a〜7dの駆動信
号毎に、更新頻度を変える点となる所定のフィルタ係数
baを変化させることができる。
【0077】即ち、b番目のスピーカで見るとフィルタ
係数Wbaよりも後のものを点としてその前後の更新頻度
を変えている。
【0078】従って、ラウドスピーカ7a〜7dの設置
場所に係わらず各ラウドスピーカ7a〜7dに関し適切
な更新頻度を設定することができ、更に高速処理が可能
となるものである。
【0079】この場合マイクロプロセッサ16は、逐次
更新されるフィルタ係数の更新頻度を、各駆動信号毎に
所定のフィルタ係数Wbaより前のフィルタ係数(Wb1
b2,…,Wba-1)と後のフィルタ係数(Wba
ba+1,…,Wbi)とで異ならせると共に、所定のフィ
ルタ係数Wbaを前記複数個の駆動信号毎に異ならせる手
段を構成するものである。
【0080】次に図11,図12は第2実施例、図1
3,図14は第3実施例、図15は第4実施例をそれぞ
れ示すものであり、これら各実施例は更新頻度を変える
点となる所定のフィルタ係数Wbaを騒音源から評価点ま
での伝達関数の変化状態に応じて可変とする手段を設け
たものである。
【0081】即ち、自動車では車両の走行状態の変化等
により車室内の伝達関数は常に変化していると考えられ
る。従って、この変化状態に応じて所定のフィルタ係数
baを変えることにより、より適切なフィルタ係数の更
新を行なおうとするものである。
【0082】第2実施例 図11は第2実施例に係る制御ブロック図を示すもの
で、基本的には第1実施例に係る図2の制御ブロック図
と同一である。
【0083】一方、この実施例では加速度検出器5a〜
5dで検出したサスペンション加速度信号がA/D変換
器11を介してマイクロプロセッサ16にも入力される
ようになっている。
【0084】そして、マイクロプロセッサ16は入力さ
れたサスペンション加速度信号の変化を、騒音源から評
価点、即ち、騒音源からマイクロホン8a〜8hまでの
伝達関数Gの変化として認識し、この変化に応じて前記
所定のフィルタ係数Wbaを可変とする手段を構成するも
のである。
【0085】図12はこの実施例に係るフィルタ係数更
新のフローチャートを示すものである。
【0086】システムが起動すると、まずステップS
121 でマイクロプロセッサ16に入力されるサスペンシ
ョン加速度信号が読み込まれ、ステップS122 で伝達関
数Gの変化量大か否かが判断される。Gの変化量が大き
いと判断された場合には、ステップS123 〜ステップS
128 が実行され、Gの変化量が小さいと判断された時に
は、ステップS130 ,ステップS131 、及びステップS
125 〜ステップS127 が実行される。
【0087】ステップS123 からステップS128 は、更
新動作をより早くするために演算負荷を軽減すべくWba
を、より前半に設定し、ほぼ更新動作が終了してフィル
タ係数が図6,図7に示されたような最適値近傍に近づ
くに従いWbaを後半にシフトし、より正確な更新を行な
うようにしている。
【0088】即ち、ステップS123 ではb=b1とす
る。b1はGの変化量が大きい場合の更新頻度を変える
フィルタ係数番号である。次いで、ステップS125 でL
MSアルゴリズムにより設定された更新頻度によりフィ
ルタ係数Wmiを更新する。ステップS126 ではS=S+
1として更新回数を1だけインクリメントし、ステップ
127 でS=S0 か否かを判断する。S0 は規定した更
新回数を表している。規定した更新回数が終了していな
ければステップS127 へ移行し、b=b2か否かの判断
が行なわれる。この場合伝達関数Gの変化量が大きくb
=b1であれば、ステップS128 へ移行しb=b+b0
となる。このb0は更新頻度を変えるフィルタ係数をシ
フトさせる規定値である。
【0089】従って、このステップS128 によってフィ
ルタ係数が最適値近傍に近づくに従い、前記所定のフィ
ルタ係数Wbaを後半にシフトしより正確な更新を行なう
のである。そして、このような制御が、規定した更新回
数S0 の終了まで行なわれるのである。
【0090】また、ステップS122 において、Gの変化
量が小さいと判断されればステップS130 へ移行しb=
2 が設定される。b2 は変化量が小さい場合の更新頻
度を変えるフィルタ係数番号を表している。そして、ス
テップS131 へ移行しLMSアルゴリズムによりフィル
タ係数Wmiの更新が行なわれる。この場合、規定した更
新回数S0 まで制御が繰り変えされるのは前記と同様で
あるが(ステップS12 5 ,ステップS126 )、Gの変化
量が小さい場合にはステップS127 のb=b2 の判断に
よりステップS128 へは移行せず、そのままステップS
131 へ移行し制御が繰り返される。
【0091】従って、Gの変化量が小さい場合には、フ
ィルタ係数Wbaのシフトは行なわれない。これはGの変
化量が小さければ更新頻度を変えるフィルタ係数番号が
2 が始めから後半に存在するためシフトの必要がない
からである。
【0092】以上のような制御によりこの実施例におい
ても、上記第1実施例とほぼ同様な作用効果を奏する
他、伝達関数Gの大小によってフィルタ係数の更新頻度
を変える点となる所定のフィルタ係数Wbaを変え、サス
ペンション振動加速度による伝達関数Gの変化に関わら
ず、高速演算と正確な更新制御との双方を満足すること
ができるのである。
【0093】第3実施例 図13は第3実施例に係る制御ブロック図を示すもので
あり第1実施例の図2に示す制御ブロック図と基本的に
は同一である。
【0094】一方、この実施例ではセンサ30が設けら
れステアリング舵角、車速、エンジン回転数、吸入負圧
の各検出信号がマイクロプロセッサ16に入力されるよ
うになっいる。従って、マイクロプロセッサ16はステ
アリングの舵角、車速、エンジン回転数、エンジン負荷
の変化を伝達関数Gの変化としその変化状態に応じて、
前記所定のフィルタ係数Wbaを可変とする手段を構成し
ている。
【0095】図14はこの実施例に係るフィルタ係数更
新のフローチャートを示すものであり、前記第2実施例
の図2のフローチャートとほぼ同一となっている。但
し、ステップS141 がステップS121 と異なっており、
その他のステップS142 ,S12 2 ,S143 ,S123 、ス
テップS144 ,S124 、ステップS145 ,S125 、ステ
ップS146 ,S126 、ステップS147 ,S127 、ステッ
プS148 ,S128 、ステップS150 ,S130 、ステップ
151 ,S131 はそれぞれ同一ステップとなっている。
【0096】そして、前記のようにこの実施例のフロー
チャートでは、ステップS141 において、マイクロプロ
セッサ16に入力される舵角、車速、エンジン回転数、
吸入負圧の各検出信号を読み込み、これらに基づいてス
テップS142 で伝達関数Gの変化量が大きいか小さいか
を判断するものである。
【0097】従って、この実施例においても、上記第2
実施例とほぼ同様の作用効果を奏することができる。そ
の他、自動車の走行状態を前記各信号によって検出する
ことにより、走行状態に応じて変化する伝達関数Gに応
じて所定のフィルタ係数Wbaを変化させ、走行状態に合
わせた制御を行なうことができる。
【0098】なお、この実施例において舵角、車速、エ
ンジン回転数、吸入負圧の各信号はこれら全てを伝達関
数Gの変化量の判断に用いる必要はなく、少なくとも一
つの信号によって判断するようにすれば良いものであ
る。
【0099】第4実施例 この実施例は、図2の制御ブロックと同一の構成によっ
て実現することができる。
【0100】一方、マイクロホン8a〜8hが出力する
ノイズ信号eの変化を伝達関数Gの変化とし、この変化
状態に応じて所定のフィルタ係数Wbaを可変としてい
る。従って、マイクロプロセッサ16は残留騒音検出手
段の出力信号の変化を伝達関数の変化とし、この変化状
態に応じて更新頻度を変える点となる所定のフィルタ係
数Wbaを可変とする手段を構成している。
【0101】図15は第4実施例に係るフローチャート
を示すものであり、前記第2実施例の図12のフローチ
ャートとほぼ同一である。但し、ステップS161 及びS
162 がステップS121 及びS122 と異なっており、その
他のステップS163 ,S123 、ステップS164
124 、ステップS165 ,S125 、ステップS166 ,S
126 、ステップS167 ,S127 、ステップS168 ,S
128 、ステップS170 ,S130 、ステップS171 ,S
131 はそれぞれ同一ステップとなっている。
【0102】そして、この実施例ではステップS161
おいて、残留騒音検出手段であるマイクロホン8a〜8
hの出力信号の変化を読み込み、ステップS162 におい
て残留騒音が大きいか否かを判断し、大きい場合にはス
テップS163 でb=b1 とし、小さい場合にはステップ
170 でb=b2 として、それぞれ制御を行なうもので
ある。
【0103】このような制御により、上記第2実施例と
ほぼ同様な作用効果を奏する他、伝達関数の変化を残留
騒音レベルの変化で判断することができ、特別なセンサ
を付加する必要がなく、制御装置としては第1実施例の
ものと同様のものが使用できる等の効果がある。
【0104】前記各実施例では更新頻度を変える点とな
る所定のフィルタ係数Wbaを一つの信号に対して1点と
していたが、これを複数点としそれぞれ更新頻度を設定
することもできるものである。これによって信号波形に
応じたより適確な更新頻度を設定し高速演算と正確な更
新を行なうことができるのである。
【0105】また、マイクロホンとスピーカがとはそれ
ぞれ1個でもよく、スピーカが1個の場合、フィルタ係
数(W0 ,W1 ,…Wa ,…,Wi )に対し、所定のフ
ィルタ係数Wa より前のフィルタ係数(W0 ,W1
…,Wa-1 )と後のフィルタ係数(Wa ,Wa+1 ,…,
i)とで更新頻度を異ならせることになる。
【0106】なお、この発明は上記実施例に限定される
ものではない。
【0107】例えば、騒音低減を図る評価点とマイクロ
ホンとが空間的に離れたものであっても所定比に基づい
て評価点の残留騒音を推定し、制御を行なわせることが
できる。またこの発明は、振動制御に適用することも可
能である。
【0108】
【発明の効果】請求項1の発明では、逐次更新されるフ
ィルタ係数の更新頻度を所定のフィルタ係数より前の係
数と後の係数とで異ならせることができ、演算装置の演
算付加を軽減し、小型の装置により高速演算が可能とな
る。
【0109】請求項2の発明では、評価点での騒音低減
を図ることができると共に、逐次更新されるフィルタ係
数の更新頻度を変えることにより、演算装置の演算負荷
を軽減し、小型の装置により高速演算を可能とする。
【0110】請求項3の発明では、制御音源が複数有る
場合でも更新頻度の態様を複数個の駆動信号毎に異なら
せることができ、制御音源の設置場所に応じた適格な更
新頻度の態様を実現することができる。
【0111】請求項4の発明では、騒音源から評価点ま
での伝達関数の変化状態に応じて更新頻度の態様を変え
ることができ、伝達関数の変化に係わらず高速演算と適
格な更新とを実現することができる。
【0112】請求項5の発明では、サスペンション振動
加速度の変化を伝達関数の変化とすることができ、フィ
ルタ係数更新頻度の態様を路面状況に応じて変えること
ができ、高速演算と適格な更新を可能とする。
【0113】請求項6の発明では、ステアリングの舵
角、車速、エンジン回転数、エンジン負荷の少なくとも
一つの変化を伝達関数の変化とすることができ、自動車
の走行状態に合わせた更新頻度の態様を実現することが
でき、高速演算と適格な更新を可能とする。
【0114】請求項7の発明では、残留騒音検出手段の
出力信号の変化を伝達関数の変化とすることができ、特
別な検出手段を設けずに適格なフィルタ係数更新頻度の
態様を実現することができる。
【0115】請求項8の発明では、フィルタ係数の更新
頻度を変える点となる所定のフィルタ係数を複数点とす
ることができ、入力波形に応じたより適格な更新頻度と
することができ、より高速演算と適格な更新を可能とす
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る能動型騒音制御装置を車両に
適用した状態の概略ブロック図である。
【図2】第1実施例に係る制御ブロック図である。
【図3】スピーカ駆動のフローチャートである。
【図4】フィルタ係数更新のフローチャートである。
【図5】フィルタ係数の模式図である。
【図6】フィルタ係数の収束を示す模式図である。
【図7】フィルタ係数の収束を示す模式図である。
【図8】二次曲面の説明図である。
【図9】更新頻度のマップである。
【図10】更新頻度のマップである。
【図11】第2実施例に係る制御ブロック図である。
【図12】第2実施例に係るフローチャートである。
【図13】第3実施例に係る制御ブロック図である。
【図14】第3実施例に係るフローチャートである。
【図15】第4実施例に係るフローチャートである。
【図16】従来例に係る制御ブロック図である。
【図17】自動車に適用した場合の制御ブロック図であ
る。
【図18】伝達関数Gを表現するインパルス応答であ
る。
【図19】フィルタ係数の模式図である。
【符号の説明】
5a 加速度検出器 5b 加速度検出器 5c 加速度検出器 5d 加速度検出器 7a ラウドスピーカ(制御音源) 7b ラウドスピーカ(制御音源) 7c ラウドスピーカ(制御音源) 7d ラウドスピーカ(制御音源) 8a マイクロホン(残留騒音検出手段) 8b マイクロホン(残留騒音検出手段) 8c マイクロホン(残留騒音検出手段) 8d マイクロホン(残留騒音検出手段) 8e マイクロホン(残留騒音検出手段) 8f マイクロホン(残留騒音検出手段) 8g マイクロホン(残留騒音検出手段) 8h マイクロホン(残留騒音検出手段) 10 コントローラ(適応信号処理装置) 12 第一ディジタルフィルタ 13 適応ディジタルフィルタ 16 マイクロプロセッサ(適応制御器、フィルタ係数
を更新する手段、更新頻度を異ならせる手段、更新頻度
を異ならせると共に所定のフィルタ係数を複数個の駆動
信号毎に異ならせる手段、可変手段)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された信号を複数のフィルタ係数
    (W0 ,W1 ,…,Wa ,…,Wi )を用いてフィルタ
    処理し出力する適応ディジタルフィルタと、前記出力信
    号が目標の信号波形となるように前記フィルタ係数(W
    0 ,W1 ,…,Wa ,…,Wi )を逐次更新する適応制
    御器とを備え、前記逐次更新されるフィルタ係数
    (W0 ,W1 ,…,Wa ,…,Wi )の更新頻度を、所
    定のフィルタ係数Wa より前のフィルタ係数(W0 ,W
    1 ,…,Wa -1)と後のフィルタ係数(Wa ,Wa+1
    …,Wi )とで異ならせる手段を設けたことを特徴とす
    る適応信号処理装置。
  2. 【請求項2】 騒音に干渉させる制御音を発生して評価
    点の騒音低減を図る制御音源と、前記干渉後の所定位置
    の残留騒音を検出する手段と、騒音源の騒音発生状態に
    関する信号を検出する手段と、前記騒音発生状態の検出
    信号を複数のフィルタ係数(W0 ,W1 ,…,Wa
    …,Wi )によってフィルタ処理し前記制御音源を駆動
    する信号を出力する適応ディジタルフィルタと、前記制
    御音源と残留騒音検出手段との間の伝達関数を含む制御
    アルゴリズムを用いて前記残留騒音検出手段の出力信号
    を低減するように前記適応ディジタルフィルタのフィル
    タ係数(W0 ,W1 ,…,Wa ,…,Wi )を逐次更新
    する手段とを備え、前記逐次更新されるフィルタ係数
    (W0 ,W1 ,…,Wa ,…,Wi )の更新頻度を、所
    定のフィルタ係数Wa より前のフィルタ係数(W0 ,W
    1 ,…,Wa -1)と後のフィルタ係数(Wa ,Wa+1
    …,Wi )とで異ならせる手段を設けたことを特徴とす
    る能動型騒音制御装置。
  3. 【請求項3】 騒音に干渉させる制御音を発生して評価
    点の騒音低減を図るm個の制御音源と、前記干渉後の所
    定位置の残留騒音を検出する手段と、騒音源の騒音発生
    状態に関する信号を検出する手段と、前記騒音発生状態
    の検出信号を複数のフィルタ係数(W11,W12,…,W
    1a,…,W1i)、(Wb1,Wb2,…,Wba,…,
    bi)、(Wm1,Wm2,…,Wmb,…,Wmi)によって
    フィルタ処理し前記各制御音源を駆動する複数の駆動信
    号を出力する適応ディジタルフィルタと、前記制御音源
    と残留騒音検出手段との間の伝達関数を含む制御アルゴ
    リズムを用いて前記残留騒音検出手段の出力信号を低減
    するように前記適応ディジタルフィルタのフィルタ係数
    (W11,W12,…,W1a,…,W1i)、(Wb1,Wb2
    …,Wba,…,Wbi)、(Wm1,Wm2,…,Wmb,…,
    mi)を各駆動信号毎に逐次更新する手段とを備え、前
    記逐次更新されるフィルタ係数の更新頻度を、各駆動信
    号毎に所定のフィルタ係数Wbaより前のフィルタ係数
    (Wb1,Wb2,…,Wba-1)と後のフィルタ係数
    (Wba,Wba+1,…,Wbi)とで異ならせると共に、前
    記所定のフィルタ係数Wbaを前記複数個の駆動信号毎に
    異ならせる手段を設けたことを特徴とする能動型騒音制
    御装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載の能動型騒音制御装
    置であって、前記所定のフィルタ係数Wbaを、前記騒音
    源から評価点までの伝達関数の変化状態に応じて可変と
    する手段を設けたことを特徴とする能動型騒音制御装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の能動型騒音制御装置であ
    って、前記可変手段は、サスペンション振動加速度の変
    化を前記伝達関数の変化とすることを特徴とする能動型
    騒音制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の能動型騒音制御装置であ
    って、前記可変手段は、ステアリングの舵角、車速、エ
    ンジン回転数、エンジン負荷の少なくとも一つの変化を
    前記伝達関数の変化とすることを特徴とする能動型騒音
    制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項4記載の能動型騒音制御装置であ
    って、前記可変手段は、前記残留騒音検出手段の出力信
    号の変化を前記伝達関数の変化とすることを特徴とする
    能動型騒音制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項1、又は2、又は3、又は4、又
    は5、又は6、又は7記載の能動型騒音制御装置であっ
    て、前記フィルタ係数の更新頻度を変える点となる所定
    のフィルタ係数Wbaが複数点存在することを特徴とする
    能動型騒音制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009122596A (ja) * 2007-11-19 2009-06-04 Nec Corp 雑音消去装置、雑音消去方法および雑音消去プログラム
JP2010197728A (ja) * 2009-02-25 2010-09-09 Fujitsu Ltd 雑音抑制装置、雑音抑制方法及びコンピュータプログラム

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