JPH0588204B2

JPH0588204B2 -

Info

Publication number: JPH0588204B2
Application number: JP60108003A
Authority: JP
Inventors: Tetsuo Sakamoto; Takashi Ikeda; Keiichi Uehara; Junichi Koyama; Izumi Horii
Original assignee: Shiseido Co Ltd
Current assignee: Shiseido Co Ltd
Priority date: 1985-05-20
Filing date: 1985-05-20
Publication date: 1993-12-21
Also published as: JPS61263910A

Description

【発明の詳細な説明】

［産業上の利用分野］本発明は頭髪化粧料に関し更に詳しくはヘチマ
抽出物と、ジンクピリチオン、トリクロサン、ト
リクロロカルバニリド、サリチル酸、安息香酸ナ
トリウム、ヒノキチオール、感光素、ハロカルバ
ン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化ベンザル
コニウムからなる群より選ばれた１種又は２種以
上とを配合してなるふけ防止用頭髪化粧料に関す
る。［従来の技術］一般に、ふけは皮脂腺の分泌物・汗腺の分泌
物・表皮層の剥離物等からなり、通常は皮脂腺等
の分泌昂進により発生するが、皮膚に細菌や酵母
が感染すると、ふけの発生は病的に助長されると
いわれている。このため、従来から抗菌剤を添加
した頭髪化粧料がふけ防止のために使用されてき
た。たとえば、ふけ防止用薬剤として最も効果が
認められているものとして従来からジンクピリチ
オンが用いられているが、この物質も抗菌剤の範
疇に属するものであることは周知である。しかしながら、これら抗菌剤は安全性に問題が
あるものもあり、大量に使用することはできるだ
け避けることが好ましいと考えられている。［発明が解決しようとする問題点］本発明者らは、このような事情に鑑み、皮膚の
安全性の面からも満足でき、効果に関してもジン
クピリチオンに勝るとも劣らないふけ防止物質を
得るべく鋭意研究を重ねた結果、公知である殺菌
性及び抗菌性を有する物質とヘチマ抽出物とを組
合せると、ふけ防止に対して極めて有用であり、
安全性についても改善できることを見出し本発明
を完成するに至つた。［問題点を解決するための手段］すなわち、本発明は、ヘチマ抽出物と、ジンク
ピリチオン、トリクロサン、トリクロロカルバニ
リド、サリチル酸、安息香酸ナトリウム、ヒノキ
チオール、感光素、ハロカルバン、グルコン酸ク
ロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウムからなる
群から選ばれた１種又は２種以上とを配合してな
る頭髪化粧料である。次に、本発明の構成について詳述する。本発明に用いられるヘチマとしては、ウリ科の
植物で学名ルフア・シリンドリカ・ロエム（Luff
ａ cylindrica Roem）及びこれと植物学的に類
縁の植物が含まれる。本発明で使用するヘチマ抽出物は、ヘチマの全
草（望ましくはヘチマ果実）を細片化、またはそ
のままを原料とし、溶媒、例えば、水、メチルア
ルコールやエチルアルコールのような低級のアル
コール、及び含水低級アルコールと共に加熱・還
流して得られる抽出液を濃縮して得ることができ
る。さらにｎ−ブチルアルコールに溶解して水を
加えて振盪して分配し、得られたブチルアルコー
ル相を濃縮して得られる濃縮物もヘチマ抽出物と
して用いることができる。このヘチマ抽出物の抽
出法をより具体的に例示すると以下のように示さ
れる。ヘチマ果実の乾燥物５Kgをそのままメチルアル
コール２５１に加えて１時間加熱還流する。この
抽出液を濾過し、減圧下濃縮しメチルアルコール
エキス64gを得る。この乾燥エキスに水100mlを
加えて懸濁させ、これをアンバーライトXDAを
充填したカラムに注入し水を用いて流出液が無色
になるまで流下させた。つぎにメチルアルコール
２１を用いて溶出させた。溶出液をあわせ減圧下
メチルアルコールを留去し緑褐色の残留物11gを
得ることができる。かくして得られるヘチマ抽出物は、黄褐色でわ
ずかに刺激臭のある粉末で、メチルアルコール、
エチルアルコール、水に易溶でクロロホルム、ア
セトンには難溶であつた。本発明の頭髪化粧料においてはヘチマ抽出物を
化粧料全組成物中に0.005重量％以上の量で配合
する。好ましくは0.01重量％以上である。一方、ヘチマ抽出物と併用する物質は、ジンク
ピリチオン、トリクロサン、トリクロロカルバニ
リド、サリチル酸、安息香酸ナトリウム、ヒノキ
チオール、感光素、ハロカルバン、グルコン酸ク
ロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウムの１種又
は２種以上であつていずれも公知物質である。本発明の頭髪化粧料においては、上記の物質を
0.0001重量％〜５重量％配合するのが好適であ
る。単独の場合、たとえばジンクピリチオンは0.5
重量％以上、ヒノキチオールは0.3重量％以上、
トリクロサンは0.1重量％以上、トリクロロカル
バニリドは0.5重量％以上ではじめてふけ防止効
果が発揮されるが、しかしこれ等を大量に含有さ
せると、前述の通り安全性上の問題が発生し、さ
らに分散系あるいは溶解系での安全性の問題も派
生することからこの種の物質の大量使用は避ける
に越したことはない。本発明においては、それ自体でもふけ防止効果
を高濃度、すなわち0.1重量％以上で示すヘチマ
抽出物を0.005重量％以上という少量でもつて上
記物質と併用することにより、上記物質の濃度が
0.0001重量％の少量の範囲からふけ防止効果を発
揮するものである。本発明の頭髪化粧料には前記した必須成分の他
に配合される通常の成分、例えば油分、紫外線吸
収剤、界面活性剤、防腐剤、保湿剤、香料、水、
アルコール、増粘剤、色剤、香料等を必要に応じ
て適宜配合することができる。本発明の頭髪化粧料とは、頭皮ないし頭髪に使
用するものを広く指し、例えば、ヘアトニツク、
ヘアリキツド（液体洗髪料）、頭皮用乳液、ヘア
クリーム、ヘアシヤンプー、ヘアリンス、ヘアス
プレー等が含まれる。［効果］本発明の頭髪化粧料を使用すると、頭皮組織内
の代謝反応が適度に調整され、ふけの発生を有意
に防止でき、さらにジンクピリチオン、トリクロ
サン、トリクロロカルバニリド、サリチル酸、安
息香酸ナトリウム、ヒノキチオール、感光素、ハ
ロカルバン、グルコン酸クロルヒキシジン、塩化
ベンザルコニウムの濃度を大幅に減らすことが可
能となる。［実施例］次に実施例および実施例をあげて本発明をさら
に詳細に説明する。本発明はこれにより限定され
るものではない。配合量は重量％である。実験例（ふけ防止効果測定法）ヘチマ抽出物0.005重量％と上記物質0.05重量
％をシヤンプーに配合し、これ等物質単独配合シ
ヤンプーとのふけ防止効果の強弱を比較した。精製水79.85gにラウリル硫酸トリエタノールア
ミン15g、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアマイド
5g、上記物質0.05g、ヘチマ抽出物0.005g及び色
素、香料を適量、順次添加し加熱後冷却してヘア
シヤンプーを得た。対象者として22〜50才で、ふけの比較的多い男
性を63名選び、各試料につき、３名ずつ層別して
テストを行つた。試験開始前に薬剤の無添加のシヤンプーで洗髪
し、洗髪後、２日間に累積したふけを採取し、採
取したふけ中の蛋白質量を測定した（コントロー
ル期）。ついで薬剤を添加したシヤンプーを１ケ月間使
用させ、その間、コントロール期と同様にふけを
採取し蛋白質量を測定した（試料期）。コントロール期の平均ふけ蛋白質量と試料期の
平均ふけ蛋白質量とを比較し、ふけの減少率が 50％以上であつた場合……Ａ 40％以上、50％未満の場合……Ｂ 20％以上、40％未満の場合……Ｃ 20％未満であつた場合……Ｄふけが減少しなかつた場合……Ｅとランク付けした。その結果を表１に示した。この結果、いずれも単独ではふけ防止効果は弱
いか、または全く認められなかつた物質を組合せ
ることによつてふけを有意に防止できることが認
められた。

【表】

【表】以下に本発明の実施例を示す。実施例１次の配合組成よりなるシヤンプーを調整した。
製造法は実験例に準じる。ラウリルサルフエート−Na 5.0 ラウリルサルフエート−トリエタノールアミン
5.0 ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 6.0 エチレングリコール脂肪酸エステル 2.0 ポリエチレングリコール 5.0 ジンクピリチオン 0.08 ヘチマ抽出物 0.1 香料 0.3 水残余実施例２次の配合組成よりなるシヤンプーを調整した。
製造法は実施例１に準じる。ポリオキシエチレン（EO平均３モル）ラウリ
ルエーテルサルフエート−Na 10.0 ポリオキシエチレン（EO平均３モル）ラウリ
ルエーテルサルフエート−トリエタノールアミ
ン 7.0 ラウリン酸ジエタノールアミド 4.0 ジプロピレングリコール 5.0 トリクロサン 0.005 サリチル酸 0.05 ヘチマ抽出物 0.1 香料 0.3 水残余実施例３次の配合組成よりなるシヤンプーを調整した。
製造法は実施例１に準じる。ラウロイルメチルタウリン−Na 10.0 ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 8.0 ラウリン酸ジエタノールアミド 4.0 エチレングリコール脂肪酸エステル 1.5 ポリエチレングリコール 5.0 ヒノキチオール 0.1 塩化ベンザルコニウム 0.05 ヘチマ抽出物 0.1 香料 0.3 水残余実施例４次の配合組成よりなるシヤンプーを調整した。
製造法は実施例１に準じる。ココイルメチルタウリン−Na 10.0 アルキル（C₁₁）イミダゾリニウムベタイン型
両性イオン活性剤 6.0 ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド 4.0 ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロ
ツクポリマー 3.0 塩化ベンザルコニウム 0.3 ヘチマ抽出物 0.1 香料 0.3 水残余実施例５次の配合組成よりなるシヤンプーを調整した。
製造法は実施例１に準じる。ラウロイルサルコシン−Na 10.0 ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 8.0 ラウリン酸ジエタノールアミド 4.0 ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル
5.0 ハロカルバン 0.05 ヘチマ抽出物 0.1 香料 0.3 水残余

【表】実施例１〜５のシヤンプーはいずれも、ふけ抑
制効果に優れていた。実施例６〜９、比較例１〜３第２表に記載の配合組成よりなるヘアリンスを
調整し、そのふけ抑制効果を調べた。製造法は実
施例１に準ずる。対象者として、22〜36才の男性を無作為に選
び、各試料につき５名ずつ合計35名について試験
を行つた。試験はひけ防止用薬剤を含まないシヤンプーで
洗髪した後、上記ヘアリンスを用いて行い、試験
開始前の洗髪後３日間に累積したふけの重量と、
１ケ月間の試験終了時の最終洗髪後の３日間に累
積したふけの重量とを比較し、ふけの減少率が10
％以下であつた場合を効果なしと判定した。第２
表に記載のように、本発明例は優れたふけ抑制効
果を示した。実施例 10 次の配合組成よりなるヘアトニツクを調整し
た。製造法は水以外の成分を混合攪拌し、これを
水に加えた。 95％エチルアルコール（専売一級） 5.0 ポリオキシエチレン（40モル）硬化ヒマシ油
0.5 感光素201 0.003 ヘチマ抽出物 0.1 香料 0.5 水残余このヘアトニツクは、すぐれたふけ抑制効果を
示した。実施例 11 次の配合組成よりなるヘアリキツド（液体洗髪
料）を調整した。製造法は実施例10に準じる。 95％エチルアルコール（専売一級） 5.0 ポリオキシプロピレン（40モル）ブチルエーテ
ル 1.5 スクワラン 2.0 サリチル酸 0.3 ヘチマ抽出物 0.1 香料 0.5 水残余このヘアリキツドは、すぐれたふけ抑制効果を
示した。実施例 12 次の配合組成よりなるヘアクリームを調整し
た。(A)部を加熱攪拌し、同じく加熱した(B)部に添
加して乳化し、その後冷却して製造した。 (A) 部流動パラフイン 15.0 セチルアルコール 5.0 ワセリン 4.0 グリセリンステアリン酸エステル 3.0 ポリオキシエチレン（20モル）オレイルアルコ
ール 1.0 安息香酸ナトリウム 0.5 ヘチマ抽出物 0.1 香料 0.5 (B) 部ジプロピレングリコール 1.0 水残余このＯ／Ｗ型ヘアクリームは、すぐれたふけ抑
制効果を示した。実施例 13 次の配合組成よりなるヘアローシヨンを調整し
た。(A)部を混合攪拌して、(B)部に添加して製造し
た。 (A) 部 95％エチルアルコール（専売一級） 40.0 ジメチルポリシロキサン 0.5 流動パラフイン 0.5 ポリオキシエチレン（40モル）硬化ヒマシ油
0.5 アクリル樹脂アルカノールアミン液 0.5 トリクロロカルバニリド 0.1 ジンクピリチオン 1.0 ヘチマ抽出物 1.0 香料 0.2 (B) 部ジプロピレングリコール 3.0 水残余このヘアローシヨンは、すぐれたふけ抑制効果
を示した。実施例 14 次の配合組成よりなるヘアローシヨンを調整し
た。製造法は実施例13に準じる。 (A) 部 95％エチルアルコール（専売一級） 50.0 ジメチルポリシロキサン 2.0 流動パラフイン 2.0 ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド
0.3 ヒノキチオール 0.01 ヘチマ抽出物 0.1 香料 0.2 (B) 部１、３−ブチレングリコール 5.0 水残余このヘアローシヨンは、すぐれたふけ抑制効果
を示した。

Claims

【特許請求の範囲】

１ヘチマ（Luffa cylindrica）抽出物と、ジン
クピリチオン、トリクロサン、トリクロロカルバ
ニリド、サリチル酸、安息香酸ナトリウム、ヒノ
キチオール、感光素、ハロカルバン、グルコン酸
クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウムからな
る群から選ばれた１種又は２種以上とを配合して
なる頭髪化粧料。