JPH0587674B2

JPH0587674B2 -

Info

Publication number: JPH0587674B2
Application number: JP60001507A
Authority: JP
Inventors: Masakatsu Takahashi; Katsuhide Fujisawa; Hiroo Buseki
Original assignee: Nippon Reinz Co Ltd
Current assignee: Nippon Reinz Co Ltd
Priority date: 1985-01-10
Filing date: 1985-01-10
Publication date: 1993-12-17
Also published as: JPS61160549A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）この発明に係るメタルガスケツトは、内燃機関
のシリンダブロツク上面とシリンダヘツド下面と
の間の気密を保持する為のシリンダヘツドガスケ
ツトとして利用出来る。

（従来の技術）内燃機関のシリンダヘツド下面とシリンダブロ
ツク上面との間にはシリンダヘツドガスケツトを
挾持して、シリンダ内で発生する高圧の燃焼ガ
ス、或はシリンダブロツクとシリンダヘツドとの
間を流通する冷却水や潤滑油が外部に漏洩するの
を防止している。

第６図はこの様なシリンダヘツドガスケツト１
の１例を示している。このシリンダヘツドガスケ
ツト１には、シリンダ頂部の開口形状に合せた円
形のボア孔２，２、シリンダヘツドをシリンダブ
ロツクに固定する為のボルトを挿通する小円孔
３，３、冷却水や潤滑油を通す為の透孔４，４が
穿設されている。５は各ボア孔２，２の内周縁部
に装着した金属薄板製のグロメツトである。

この様なシリンダヘツドガスケツト１は、従来
はフツク付鉄板或は金網の様な芯材の表裏面に、
アスベスト或は炭素等を主成分とするコンパウン
ドを塗付したり、或はこれらのシートを貼着して
造つていた。ところが、近年ターボチヤージヤの
普及等により、エンジンの熱負荷が高くなる傾向
が強くなつて、耐熱性の良好なメタルシリンダヘ
ツドガスケツトを使用する場合が多くなつた。メ
タルシリンダヘツドガスケツトは、ボア孔等を打
ち抜き形成した亜鉛メツキ鋼板、ステンレス鋼板
等の金属薄板を、複数枚重ね合せる事により構成
されている。

上記複数の金属板の内、表面に露出しない中間
の金属薄板には、上記ボア孔２や透孔４の周囲を
囲む突条を形成し、メタルシリンダヘツドガスケ
ツトをシリンダブロツク上面とシリンダヘツド下
面との間で強く挾持した場合に、ボア孔２や透孔
４の周囲部分の当接圧力が高くなり、この部分の
気密或は液密が良好に保たれる様にしている。

第７図は、この様なボア孔２や透光４の周縁の
気密或は液密を保持する為の構造の内、実公昭59
−27571号公報に開示されたものを示している。
このメタルガスケツトは、中間部の基板６の内、
ボア孔２の周囲に位置する部分に高い突条７を、
透孔４の周囲に位置する部分に低い突条８を、そ
れぞれ形成し、ボア孔２の周縁部にはグロメツト
５を装着し、透孔４の周縁部の上下面に重ね合せ
た２枚の環状の副板９，１０の内周縁同士を、透
孔４の内周縁部に於いて互いにかしめ結合してい
る。中間の基板６は弾性金属板製の為、第７図に
示した様なメタルシリンダヘツドガスケツトを、
シリンダブロツクの上面とシリンダヘツドの下面
との間で挾持した場合、各突条７，８が弾性的に
押し潰される事により、ボア孔２と透孔４との周
囲部分での当接圧力が高くなり、この周囲部分の
気密、液密が保たれる。

（発明が解決しようとする課題）ところが、上述の様に構成される従来のメタル
ガスケツトに於いては、次に述べる様な不都合を
生じる。

即ち、例えばシリンダヘツドガスケツトの場
合、冷却水や潤滑油を流通させる透孔４の周囲部
分に比べて、シリンダ内で発生する高圧の燃焼ガ
スが外部に漏洩するのを防止する、ボア孔２の周
囲部分は、遥かに高度の気密性を要求される。こ
の為、第７図に示した実公昭59−27571号に係る
メタルガスケツトの場合も、ボア孔周囲の突条７
を透孔周囲の突条８に比べて高くしているが、シ
リンダヘツドガスケツトの様な厳しい条件で使用
した場合、強い力で押し潰された状態で高温に曝
される基板６の突条７，８が、或る程度塑性変形
を起す事は避けられず、突条７，８の高さを変え
ただけでは、長時間に亘つてボア孔２の周囲の気
密を完全に保持する事は難しい。

本発明は、この様な不都合のないメタルガスケ
ツトを提供する事を目的としている。

（課題を解決する為の手段）本発明のメタルガスケツトは、３枚以上の金属
薄板を積層する事により構成し、ボア孔、透孔等
の周囲には、これらの孔の全周を囲む突条を形成
している。この内、ボア孔等、高度の気密性を要
求される孔の周囲の、第一の突条を形成する第一
の金属薄板と、透孔等、要求される液密性が比較
的低い孔の周囲の、第二の突条を形成する第二の
金属薄板とに、厚さの異なる金属薄板を使用して
いる。

即ち、本発明のメタルガスケツトは、第一の金
属薄板に形成した第一、第二の孔の内、第一の孔
の周囲に、上記第一の金属薄板よりも薄い第二の
金属薄板に形成した、第三の孔の内寸よりも小さ
な外寸を有する第一の突条を、上記第二の金属薄
板に形成した第三、第四の孔の内、第四の孔の周
囲に、上記第二の孔内寸よりも小さな外寸を有す
る第二の突条を、それぞれ形成している。

そして、互いに積層した第一，第二の金属薄板
の孔の内、互いに整合する第一、第三の孔、第
二、第四の孔に、それぞれ上記第一の金属薄板と
同等以上の厚さを有する、第三の金属薄板の孔の
周囲に形成した第一、第二の短筒部を挿入し、こ
の第一、第二の短筒部を外方に向けて断面Ｕ字形
に折り返す事により、上記第一〜第三の金属薄板
を接合している。これと共に、この断面Ｕ字形の
折り返し部の外寸を、それぞれ第二、第三の孔の
内寸よりも小さくしている。

（作用）上述の様に構成される本発明のメタルガスケツ
トに於いては、第一の金属薄板の厚さを第二の金
属薄板の厚さよりも厚くする事で、高度の気密性
を要求されるボア孔等の孔の周囲部分に形成した
第一の突条の当接圧力が、特に大きくなる様にす
る。

同時に、第一、第二の金属薄板同士を接合する
折り返し部を形成した第三の金属薄板の厚さを、
第一の金属薄板の厚さと同等以上としている為、
突条が押し潰された場合でも、ボア孔等、高度の
気密性を要求される孔の周囲の厚さが、他の部分
の厚さよりも小さくなる事がなくなり、上記孔の
周囲の気密が確実に保持される。

（実施例）次に、図示の実施例を説明しつつ本発明を更に
詳しく説明する。

第１図は本発明のメタルガスケツトの要部を示
す、第７図同様の断面図である。このメタルガス
ケツト１１は、第２図に示す様な３枚の金属薄板
１２〜１４を積層する事により、構成している。
第一の金属薄板１２には、ボア孔２を構成する為
の大径の第一の円孔１５を形成し、この円孔１５
の周囲部分に第一の突条１６を形成している。
又、この第一の金属薄板１２には、第一の円孔１
５とは別に比較的小径の第二の円孔１７を形成し
ているが、この第二の円孔１７の内径は、透孔４
の内径よりも十分に大きく形成している。

一方、第二の金属薄板１３には、上記第一の円
孔１５の周囲に形成した第一の突条１６の外径よ
りも大径の、第三の円孔１８と、透孔４を構成す
る為の第四の円孔１９とを形成している。この第
四の円孔１９の周囲部分には、第二の突条２０を
形成しているが、この第二の突条２０の外径は、
前記第二の円孔１７の内径よりも小さくしてい
る。更に、第三の金属薄板１４には、ボア孔２と
透孔４とを形成しており、各孔２，４の周縁部
に、第一、第二の短円筒部２１，２２を設けてい
る。

上述の様に形成された第一〜第三の３枚の金属
薄板１２〜１４は、第一の金属薄板１２の第一の
突条１６を第二の金属薄板１３の第三の円孔１８
の内側に、第二の金属薄板１３の第二の突条２０
を第一の金属薄板１２の第二の円孔１７の内側
に、それぞれ位置させる様に、両板１２，１３を
重ね合せ、両板１２，１３を第三の金属薄板１４
により束ねて、メタルガスケツト１１とする。即
ち、第一の短円筒部２１を第一、第三の円孔１
５，１８内に、第二の短円筒部２２を第二、第四
の円孔１７，１９内に、それぞれ挿入し、各短円
筒部２１，２２を外方に向け、断面がＵ字形にな
る様にり曲げて、第一〜第三の金属薄板１２〜１
４を束ねる。

この様にメタルガスケツト１１として組立てら
れる、３枚の金属薄板１２〜１４の内、第一の金
属薄板１２に形成した第一の突条１６の高さは、
第二の金属薄板１３の厚さより大きく、第二の金
属薄板１３に形成した第二の突条２０の高さは、
第一の金属薄板１２の厚さよりも大きく、それぞ
れ形成しているが、第１図に示す様に組立てられ
たメタルガスケツト１１を、シリンダヘツドの下
面とシリンダブロツクの上面との間の様に、気
密、液密を保持すべき面の間に挾持した場合、両
突条１６，２０が弾性的に押し潰されてボア孔２
の周囲の気密及び透孔４の周囲の液密を保持す
る。

更に、本発明のメタルガスケツト１１に於いて
は、ボア孔周囲の気密保持用の第一の突条１６
と、透孔周囲の液密保持用の第二の突条２０と
を、それぞれ厚さの異なる金属薄板１２，１３に
形成している為、ボア孔周囲の第一の突条１６の
当接圧力を、透孔周囲の第二の突条２０の当接圧
力に比べ大きくして、ボア孔周囲の気密保持を完
全に図れる。

即ち、第一の金属薄板１２の厚さT₁を第二の
金属薄板１３の厚さT₂よりも大きく（T₁＞T₂）
する事で、上記第一の突条１６の当接圧力を、上
記第二の突条２０の当接圧力よりも大きくしてい
る。更に、第一、第二の金属薄板１２，１３同士
を接合する、第三の金属薄板１４の厚さT₃は、
第一の金属薄板１２の厚さT₁と同じかこれより
も厚くしている（T₃≧T₁＞T₂）。この様に第三
の金属薄板１４の厚さを最も大きくするのは、上
記第一の突条１６が押し潰された場合でも、特に
高度の気密性が要求されるボア孔２の周囲部分の
厚さが、それ以外の部分の厚さに比べて小さくな
らない様にする為である。

第一〜第三の金属薄板の厚さT₁〜T₃の１例と
して、T₁＝0.25mm、T₂＝0.2mm、T₃＝0.3mmの場合
を考えると、最も気密性を要求されるボア孔２周
囲の厚さがT₁＋2T₃＝0.85mm、次に液密性を要求
される透孔４周囲の厚さがT₂＋2T₃＝0.8mm、そ
れ以外の気密、液密を要求されない部分の厚さが
T₁＋T₂＋T₃＝0.75mmとなる。尚、T₁＝T₃とした
場合、透孔４周囲の部分の厚さが最も小さくな
り、ボア孔２周囲の厚さと各孔２，４の周囲以外
の部分の厚さとが等しくなるが、各孔２，４の周
囲には、何れも金属薄板１２，１３の厚さよりも
高い突条１６，２０が形成されている為、各孔
２，４周囲の気密、液密は十分に保持される。

尚、各金属薄板１２〜１４の厚さは単独で上記
厚さ条件を満しても良いが、シム板を合わせる事
でこの厚さ条件を満す様にする事も出来る。

次に、第３〜５図に示した本発明の第二実施例
に就いて説明する。この実施例は、前述の第一実
施例が、第一〜第三の金属薄板１２〜１４の外周
形状を、それぞれ完成後のメタルガスケツトと同
大に形成したのに対し、第一、第三の金属薄板の
みを完成後のメタルガスケツトと同大にし、透孔
４周囲の第二の突条２０を形成した第二の金属薄
板１３を、各透孔４の周囲を囲むだけの大きさの
円輪状としたものである。この様に、第二の突条
２０を形成した金属薄板１３を、透孔４の周囲を
囲むだけの大きさの円輪状に形成した場合、各孔
２，４の周囲以外の部分は、第５図に示す様に第
一、第三の２枚の金属薄板１２，１４が存在する
だけとなる。その他の構成要件及び作用は、第１
〜２図に示した第一実施例の場合と同様である
為、同等部分には同一符号を付して重複する説明
を省略する。

尚、上述の説明では、第二の金属薄板１３を円
輪状とした例に就いて述べたが、この第二の金属
薄板１３は第三の金属薄板１４と同大に形成し、
第一の金属薄板１２を円輪状としても良い。

更に、第三の金属薄板１４のみを完成後のメタ
ルガスケツトと同大に形成し、第一、第二の金属
薄板１２，１３を何れも円輪状とする事も出来
る。但し、何れの場合に於いても、第一の金属薄
板１２の一部が第二の金属薄板１３に形成した第
二の突条２０と重ならず、第二の金属薄板の一部
が第一の金属薄板１２に形成した第一の突条１６
と重ならない様にする。

（発明の効果）本発明のメタルガスケツトは、以上に述べた通
り、ボア孔等、高度の気密性を要求される孔の周
囲部分に於いて突条を形成する金属薄板の厚さ
と、それ以外の孔の周囲部分に於いて突条を形成
する金属薄板の厚さとを異ならせる為、各突条の
強度やメタルガスケツトの各部分の厚さを、要求
される気密、液密度に合せて任意に、且つ最適の
値に設定する事が出来、メタルガスケツト使用部
分の気密及び液密を完全に図る事が出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のメタルガスケツトの第一実施
例を示す、第６図のＡ−Ａ断面に相当する断面
図、第２図は組立て前の状態を示す第１図同様の
図、第３図は本発明のメタルガスケツトの第二実
施例を示す平面図、第４図は第３図のＢ−Ｂ断面
図、第５図は同Ｃ−Ｃ断面図、第６図は従来のガ
スケツトの１例を示す平面図、第７図は従来のメ
タルガスケツトを示す第６図のＡ−Ａ断面に相当
する断面図である。１……シリンダヘツドガスケツト、２……ボア
孔、３……小円孔、４……透孔、５……グロメツ
ト、６……基板、７，８……突条、９，１０……
副板、１１……メタルガスケツト、１２……第一
の金属薄板、１３……第二の金属薄板、１４……
第三の金属薄板、１５……第一の円孔、１６……
第一の突条、１７……第二の円孔、１８……第三
の円孔、１９……第四の円孔、２０……第二の突
条、２１……第一の短円筒部、２２……第二の短
円筒部。

Claims

【特許請求の範囲】

１第一の金属薄板に形成した第一、第二の孔の
内、第一の孔の周囲に、上記第一の金属薄板より
も薄い第二の金属薄板に形成した第三の孔の内寸
よりも小さな外寸を有する第一の突条を、上記第
二の金属薄板に形成した第三、第四の孔の内、第
四の孔周囲に、上記第二の孔の内寸よりも小さな
外寸を有する第二の突条を、それぞれ形成し、互
いに積層した第一，第二の金属薄板の孔の内、互
いに整合する第一、第三の孔、第二、第四の孔
に、それぞれ上記第一の金属薄板と同等以上の厚
さを有する第三の金属薄板の孔の周囲に形成した
第一、第二の短筒部を挿入し、この第一、第二の
短筒部を外方に向けて断面Ｕ字形に折り返す事に
より、上記第一〜第三の金属薄板を接合すると共
に、この断面Ｕ字形の折り返し部の外寸を、それ
ぞれ第二、第三の孔の内寸よりも小さくして成る
メタルガスケツト。