JPH058746Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は配線付き床板を床上に配置することに
より、床下の配線が行われると共に、外部電源か
ら配線付き床板辺縁の電源取出し部への通電、更
には、床上への電源の取出しが極めて容易で且つ
電源の取出し位置が任意に選択できる配線付き床
板に関する。

（従来技術） 通常、床下配線は床上の適宜の位置に配線ボツ
クスを設け、各ボツクス間を電線管でつなぎ、電
線管内に必要な絶縁電線を挿通し、各ボツクス部
に差込用コンセントを設けて電源を取出せるよう
にした後、床面にコンクリート打ちするか、又は
床板を張つてＰタイル仕上げなどを行つていた。

（考案が解決しようとする問題点） このような配線工事では差込用コンセントの増
設や位置の変更が簡単にできず、固定した配線回
路となる。

従つて、事務所などで机の配置替え、OA機器
などが導入されると、適当な個所に差込用コンセ
ントがないため、床面に保護カバーをきせた電源
やコード類を無造作に這せた状態で使用される場
合が多い。かかる状態での使用は床面に凹部を生
じさせ美観や機能を損うと共に障害となつて危険
でもある。

本考案は、以上の点に鑑みてなされたもので、
床面に敷設される配線付き床板、この床板と壁面
との境界に敷設される無配線の床板、更に配線付
き床板の辺縁にセツトされる電源取入又取出用の
コンセント付差込用バヨネツト雄端子付コネクタ
を採用することにより、床下の配線、外部電源か
ら配線付き床板辺縁の電源取出し部の通電、更に
は床上への電源の取出しが極めて容易で、且つ、
電源の取出し位置が任意に選択できる上、配線付
き床板と無配線の床板との相互の位置ずれが生じ
にくゝ、併せて長年月にわたり端子同士の良好な
接続状態を維持できる配線付き床板を提供するこ
とを目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、上記の解決すべき問題のすべてを満
足させるものとして、完成させたものであつて以
下にその構成を説明する。

本考案は、内部に配した絶縁電線３の導体端末
を辺縁に形成した凹部５に設けたバヨネツト雌端
子６に接続して形成した配線付き床板１と、この
配線付き床板１の辺縁に平面状にあわせたとき前
記凹部５と対接して整つた円孔７が形成されるよ
うな凹部５Ａを備えた無配線の床板１Ａと、前記
整つた円孔７に合致する形状を備えて該円孔７に
嵌挿した時前記バヨネツト雌端子６に電気的に接
続するバヨネツト雄端子９Ａを備えたコンセント
付差込用コネクタ８Ａと、配線付き床板１の凹部
５に合致する形状を備えた該凹部に嵌挿した時そ
のバヨネツト雌端子６に電気的に接続するバヨネ
ツト雄端子９を備えたコンセント付差込用コネク
タ８とから成ることを特徴とするものである。

（作用） 次に上記の構成を説明する。

床面に配線付き床板を敷設するに先立つて、そ
の辺縁の凹部にこれに合致する形状のコンセント
付差込用バヨネツト雄端子付コネクタを嵌挿して
おき、この状態で配線付き床板をその辺縁を直か
に壁面に対接して敷設する、又壁面との境界に無
配線の床板を敷設し、これに配線付き床板を平面
状に合わせて敷設すると共に、これによつて得ら
れた整つた円孔に、該円孔に合致する形状を備え
たコンセント付差込用バヨネツト雄端子付コネク
タを嵌挿し、これを90度回転させてバヨネツト雌
端子に噛み合わせることにより、床板上に凹凸を
生じることなく床下配線が完了し、且つ、外部電
源から配線付き床板辺縁の電源取出し部への通電
が得られ、更に床面辺縁の任意又は適宜の箇所か
ら直ちに電源を受け入れ又取出し得る。

しかも、前記雄、雌の両端子の接合は、バヨネ
ツト端子同士の接合で、人為的な解除操作を加え
てはじめて離間できるものであるから、両端子の
接合は格段に強固で容易には離脱しない。更に両
端子はこの強固な結合を介して配線付き床板と無
配線の床板との結合を確実にする補助結合具の機
能も果たす。

（実施例） 次に本考案の実施例を図面に基いて説明する。

１は、床基板２の床裏に２心の絶縁電線３を
縦・横適宜の間隔で配線し、その配線の交点を互
いに接続４し、この絶縁電線３の端末導体を辺縁
に形成する1/2円形の凹部５に設けられたバヨネ
ツト雌端子６と接続して形成される配線付き床板
である。

１Ａは配線付き床板１と壁面Ｗとの境界部に敷
設された無配線の床板で、配線付き床板１の辺縁
に対接する辺１ａに、この配線付き床板１の凹部
５と対接合致して整つた形の孔、つまり円形の孔
７を形成する1/2円形の凹部５Ａを形成してある。

８は、配線付き床板１の凹部５に嵌挿されて該
凹部５のバヨネツト雌端子６に電気的に接続する
バヨネツト雄端子９を備え、且つ上方に電源取入
れ又取出し用のコンセント１０を備えた1/2円形
の差込用コネクタである（第５図）。

８Ａは配線・無配線両床板１，１Ａを平面状に
合わせたときに、1/2円形の２つの凹部５，５Ａ
によつて形成される円形の孔７に嵌挿されて配線
付き床板１のバヨネツト雌端子６に電気的に接続
されるバヨネツト雄端子９Ａを備え、且つ、上方
に電源取入れ又取出し用のコンセント１０Ａを備
えた円形の差込用コネクタである（第６図）。

前記1/2円形並びに円形の各差込用コネクタ８，
８Ａはモールド絶縁材１１で成形される。

次に上記実施例の作用を説明する。

配線付き床板１を壁面Ｗに直かに対接する場合
には、辺縁の1/2円形凹部５に予じめ1/2円形の差
込用コネクタ８を嵌挿しておいて敷設し、又壁面
との間に〓間が生じる場合等では、境界部に無配
線の床板１Ａを敷設し、その後、両床板１，１Ａ
の1/2円形の凹部５，５Ａの２つによつて形成さ
れる円形の孔７に円形の差込用コネクタ８Ａを嵌
挿して敷設を完了する。

100V外部電源を取入れるには、壁面コンセン
トＣに最も近い差込用コネクタのコンセント１
０，１０Ａとこの壁面コンセントＣとをコードコ
ネクタ（図外）等で接続する。辺縁の1/2円形あ
るいは円形の凹部５，７のすべてに差込用コネク
タ８，８Ａが装備されているため、外部電源の取
入れ並びに電源の取出しは任意の差込用コネクタ
を選択できる。

尚、配線付き床板辺縁内の適宜位置から電源を
取出すには床板１の絶縁電線挿通部位上に円形の
凹部７Ｂを形成し、こゝに一対のバヨネツト雌端
子６Ｂ，６Ｂを配し、これに夫々絶縁電線３の導
体端末を接続すると共に、第７図に示すように、
２極のバヨネツト雄端子９Ｂ，９Ｂを備え、且
つ、上方に一対のコンセント１０Ｂ，１０Ｂを備
えた円形の差込用コネクタ８Ｂを嵌挿して両雌バ
ヨネツト６Ｂ，６Ｂ間を雄バヨネツト端子９Ｂ，
９Ｂで電気的に接続する。又、辺縁内方の円形の
凹部の内、使用する位置以外の凹部は第８図に示
すように、２極のバヨネツト雄端子９Ｂ，９Ｂを
備えた表面平面状の円形の差込用コネクタ１２、
つまり盲蓋を嵌挿して両バヨネツト雌端子間を電
気的に接続する。この表面平面状の差込用コネク
タ１２は、これに設けたネジ挿入孔１３にネジを
差込み、床基板２に固着してあるネジ係合金具
（図外）と螺合させて固定し、床面表面を平面状
にする。１４はこの差込用コネクタ１２の表面に
設けられていて、コの字形治具を差入れて旋回
し、このコネクタ１２を抜きとるための治具差し
込み用の孔である。

第９図は別の実施例を示し、配線付き床板並び
に無配線の床板夫々を所定寸法で形成し、これを
平面状に合わせて床板にするユニツト形式とした
ものであつて、床基板２の床裏に２心の絶縁電線
３を十字形に配線し、その配線の交点を互いに接
続４し、絶縁電線３の端末導体を対辺に形成する
１／２円形の凹部５に設けられたバヨネツト雌端子
６と接続した配線付きモジユール床板１を形成す
る。

又、相対辺をこのモジユール床板１の一辺と同
寸法にし、他の相対辺を適宜の寸法に形成すると
共に前記相対辺の内の一辺１ａに、配線付きモジ
ユール床板１と平面状に合わせたときにその1/2
円形の凹部５に対接合致して円形の凹部７を形成
する1/2円形の凹部５Ａを備えた無配線のモジユ
ール床板１Ａを形成する。

床板辺縁の1/2円形並びに円形の凹部５，５Ａ
にコンセント付差込用バヨネツト雄端子付コネク
タ８，８Ａを嵌挿するには、先に実施例と同様
で、配線付きモジユール床板が直かに壁面に対接
するときにはこの配線付きモジユール床板１の辺
縁1/2円形凹部５に予じめ1/2円形の前記コネクタ
８を嵌挿しておいて順次モジユール床板１を敷設
し、又境界がある場合には両モジユール床板を敷
設してから円形の前記コネクタ８Ａを嵌挿する。
又各配線付きモジユール床板１を平面状に合わせ
たときに形成される辺縁内の円形の凹部７Ｂに
は、電源を取出したい任意の凹部以外は前記表面
平面状の差込用コネクタ１２を嵌挿して床面を平
面状にし、電源取出し位置にはコンセント付差込
用バヨネツト付コネクタ８Ｂを嵌挿する。

本実施例において、床板１，１Ａの大きさは、
通常用いられる建築モジユールとするのが好まし
く、又図示していないが第１、第２の各実施例に
おいて、床板の合わせは凹凸を設けた袋合わせと
して床下に塵埃が落ち込まないようにし、その接
合をよりよくすることが好ましい。

なお、上記各実施例において、凹部５にバヨネ
ツト雌端子６を設けるのは、第２図、第３図のよ
うに、凸状突起を２個有する絶縁板１５に一方の
バヨネツト雌端子６を挿入し、絶縁板１６を介し
て他方のバヨネツト雌端子６をあて、取付用ネジ
１７，１７によつて床基材２に取付ける。そし
て、バヨネツト雌端子６，６部を保護するために
床基材２の底部に保護カバーを設けることが好ま
しい。

又、上記各実施例では電力電源を主として用い
ることを説明したが、電話配線の他、各種情報伝
達のための配線構成とするこどかできる。この場
合、使用するコンセントなどは、それに応じた好
適なものを選択使用すればよいことはいうまでも
ない。

（効果） 以上説明した如く、本考案によれば床コンクリ
ート打ちの際の電線管やボツクスの埋込み作業お
よび電線管への電線の引込み作業などが不要とな
り、床板を平面状に敷設するだけで配線工事が完
了し、工期が早くすむ。

又、事務所などで机の配置替え、OA機器など
が導入されても任意の床上辺縁位置から電源を直
ちに取入れ又取出せるので、従来のように床面に
保護カバーをきせた電線やコード類を無造作に這
せるといつたこともなく、美観的にも機能的にも
有利である。更に、雄、雌端子はバヨネツト端子
であるから、その結合強度は格段に高く、長年月
にわたり良好且つ確実な接続状態を維持して機器
の円滑な作動に寄与すると共に、この強固な結合
力により、配線付き床板と無配線の床板との結合
をも、相互の位置ずれを生じさせることなく、よ
り確実にできる。従つて、又両床板の結合に別途
特別な結合手段を採用しなくても良く、敷設作業
の高能率化が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る床板の敷設例図で、一部
に各種コネクタを嵌挿した一部切欠き平面図、第
２図、第３図は夫々第１図中−線及び−
線で示す要部の拡大断面図、第４図は第１図の要
部の平面図、第５図は1/2円形のコネクタでＡは
正面図、Ｂは底面図、第６図は円形のコネクタで
Ａは正面図、Ｂは底面図、第７図は床板辺縁内の
円形の凹部に嵌挿される円形のコネクタでＡは正
面図、Ｂは底面図、第８図は盲蓋で、Ａは断面
図、Ｂは底面図、第９図は別の実施例を示し、第
１図に対応する平面図である。 符号の説明、１……配線付き床板、１Ａ……無
配線の床板、２……床基板、３……絶縁電線、４
……接続、５，５Ａ……1/2円形の凹部、６……
バヨネツト雌端子、７……孔、８，８Ａ……バヨ
ネツト雄端子を備えたコンセント付差込用コネク
タ、９，９Ａ……バヨネツト雄端子、１０，１０
Ａ……コンセント、Ｗ……壁面、Ｃ……壁面コン
セント。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部に配した絶縁電線３の導体端末を辺縁に形
   成した凹部５に設けたバヨネツト雌端子６に接続
   して形成した配線付き床板１と、この配線付き床
   板１の辺縁に平面状にあわせたとき前記凹部５と
   対接して整つた円孔７が形成されるような凹部５
   Ａと備えた無配線の床板１Ａと、前記整つた円孔
   ７に合致する形状を備えて該円孔７に嵌挿した時
   前記バヨネツト雌端子６に電気的に接続するバヨ
   ネツト雄端子Ａを備えたコンセント付差込用コネ
   クタ８Ａと、配線付き床板１の凹部５に合致する
   形状を備えた該凹部に嵌挿した時そのバヨネツト
   雌端子６に電気的に接続するバヨネツト雄端子９
   を備えたコンセント付差込用コネクタ８とから成
   る配線付き床板。