JPH0587430B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、自動二輪車と同様に、運転者が鞍型
の座席に跨つて乗車する種類の鞍乗り型車両であ
つて、前後車輪に低圧幅広タイヤを備え前車輪が
エンジンにより駆動される不整地走行用四輪車に
関するものである。

従来技術 近年、レジヤー用あるいは実用車として一般に
バギー車と称せられる不整地走行用四輪車が普及
しつつある。この車両では、自動二輪車と同様
に、パイプ材で形成した車体フレーム、棒状ハン
ドル、鞍型座席を有する外に、前後車輪にバルー
ン・タイヤと称せられる低圧幅広タイヤを装着し
ており、不整地を走行する際に、クツシヨンスト
ロークにタイヤのトー変化（トー干渉）を最少に
するため、アツパーア−ム、およびロアア−ムと
ほぼ平行にタイロツドを配置していた。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら、従来の前輪駆動式不整地走行用
四輪車では、第１図ないし第２図に図示されるよ
うに、エンジンからの動力を前車輪０１に伝達す
るドライブギヤケース０２は前車輪０１の回転中
心軸線の直上でかつ車体巾中央に配置されている
ため、ハンドルシヤフト０３の下方延長線上にこ
のドライブギヤケース０２が位置し、ハンドルシ
ヤフト０３の下端に取付けられているステアリン
グレバー０４はドライブギヤケース０２より上方
に留まり、タイロツド０５の地面に対する傾斜角
が大きくなつて、クツシヨンストロークによるタ
イヤのトー変化（トー干渉）が無視しえなくな
る。

問題点を解決するための手段および作用 本発明はこのような難点を克服した鞍乗り型不
整地走行用四輪車の改良に係り、前車輪がエンジ
ンにより駆動される鞍乗り型不整地走行用四輪車
において、ドライブギヤケースを前車軸よりも前
方に配置し、両端に自在継手を有する伝達軸を介
して該ドライブギヤケースの出力軸と前車軸とを
連結し、前記ドライブギヤケースの後方に前記ド
ライブギヤケースの入力軸と左右位置をずらして
ステアリングシヤフトを配置し、該ステアリング
シヤフト下部の後方にステアリングアームを固着
し、該ステアリングアームと前車輪側に設けられ
たナツクルアームをタイロツドにて連結し、該タ
イロツドを前記ドライブギヤケースの上端より低
い位置に配置することにより、ドライブギヤケー
スとハンドルシヤフトとの干渉を避けることがで
き、このためハンドルシヤフトを下方へ延長し
て、タイロツドの傾斜角を小さくし、クツシヨン
ストロークによるトー変化を少なくすることがで
きる。

実施例 以下第３図ないし第７図に図示された本発明の
一実施例について説明する。

鞍乗り型不整地走行用四輪車１の車体２はパイ
プ材よりなり、この車体２の中央には、エンジン
３が搭載されている。

また、前車輪４、後車輪５は、それぞれウイツ
シユボン式フロントサンペンシヨン６、ウイツシ
ユボン式リヤサスペンシヨン７を介して枢着され
るとともに、エンジン３より動力伝達系８を介し
て回転駆動されるようになつている。

しかしてウイツシユボン式フロントサンペンシ
ヨン６は、各端部が車体２のブラケツト９，１０
に上下へそれぞれ揺動自在に枢着された平面形Ｖ
型のロアア−ム１１およびアツパーア−ム１２
と、このロアア−ム１１およびアツパーア−ム１
２のＶ型頂部にキングピン１３，１４を介して枢
着されかつ前車輪４を回転自在に枢支するナツク
ル１５と、アツパーア−ム１２に張設されたプレ
ート１６と、略左右水平後方へ指向した状態で、
このプレート１６に付設されたブラケツト１７に
プログレスシブリンク１８を介してその先端が枢
着されるとともに車体２に付設されたブラケツト
１９にその基端が枢着された緩衝器２０とよりな
り、プログレスシブリンク１８の一部は車体２に
も枢着されており、ロアア−ム１１およびアツパ
ーア−ム１２が上方へ揺動するに伴なつてウイツ
シユボン式フロントサンペンシヨン６の懸架ばね
常数が増大しうるようになつている。

また車体２の前部に斜前下方に指向してステア
リングシヤフト２１が左右へ旋回自在に枢支さ
れ、この上端に棒状ステアリングハンドル２２が
一体に固着され、ステアリングシヤフト２１の下
端に後方へ指向したステアリングアーム２３が固
着され、このステアリングアーム２３の先端と、
ナツクル１５と一体のナツクルアーム２６の先端
とは、ボールジヨイント２４およびタイロツド２
５を介して連結されており、棒状ステアリングハ
ンドル２２を左右に旋回すると、前車輪４と左右
に操舵されるようになつている。

さらに前車輪４のホイールセンターより前方か
つ上方に位置してドライブギヤケース２７が配設
され、この入力軸２８の基端はエンジン３に連結
されるとともにこの入力軸２８の先端は入力ギヤ
２９を介してドライブギヤケース２７内の差動装
置３０に連結され、この差動装置３０の左右出力
軸３１は継手３２、伝達軸３３、継手３４を介し
て前車輪４の車軸３５に連結され、この継手３４
の中心はキングピン１３，１４の中心線上に位置
するように配置されている。

第３図ないし第７図に図示の実施例は前記した
ように構成されているため、エンジン３によつて
ドライブギヤケース２７の入力軸２８が回転駆動
されると、入力軸２８と一体の入力ギヤ２９のト
ルクが差動装置３０、出力軸３１、継手３２、継
手３４を介して車軸３５に伝達され、車軸３５と
一体の前車輪４が駆動され、鞍乗り型不整地走行
用四輪車１は走行しうる。

またドライブギヤケース２７は前車輪４のホイ
ール中心線より前方に位置しているため、ステア
リングシヤフト２１は下方へ延長でき、ステアリ
ングシヤフト２１の下端のステアリングアーム２
３とナツクルアーム２６とを連結するタイロツド
２５は水平に近い方向に指向するため、棒状ステ
アリングハンドル２２に加えられた操舵力がステ
アリングシヤフト２１、ステアリングアーム２
３、ボールジヨイント２４、タイロツド２５、ボ
ールジヨイント２４を介してナツクルアーム２６
に伝達される際に、ナツクルアーム２６には上下
方向に沿つた曲げモーメントが加わらず、タイロ
ツド２５の長手方向に沿つた力がナツクルアーム
２６に有効に伝達され、ナツクルアーム２６には
無理な力が作用せず、操舵系の軽量化が可能とな
る。

さらに緩衝器２０は水平方向へ指向しているた
め、鞍乗り型不整地走行用四輪車１の最低地上高
は高くても、鞍乗り型不整地走行用四輪車１の車
高は低くなつて車体２の重心は低下し、鞍乗り型
不整地走行用四輪車１は安定して不整地を走行で
きる。

発明の効果 このように本発明においては、ドライブギヤケ
ースとハンドルシヤフトとの干渉およびドライフ
ギヤケースの入力軸とハンドルシヤフトとの干渉
を避けることができるため、ハンドルシヤフトを
下方へ延長して、タイロツドの傾斜角を小さく
し、クツシヨンストロークによるタイヤのトー変
化を低下させることができ、車体の軽量化を図る
ことができるとともに、信頼性を向上させること
ができる。

また本発明では、ドライブギヤケースとハンド
ルシヤフトとの干渉を避けることができるため、
ステアリング系の構造を簡略化してコストダウン
を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の鞍乗り型不整地走行用四輪車の
側面図、第２図はその正面図、第３図は本発明に
係る鞍乗り型不整地走行用四輪車の側面図、第４
図はのその要部拡大側面図、第５図はその正面
図、第６図はその要部拡大縦断正面図、第７図は
その平面図である。 １……鞍乗り型不整地走行用四輪車、２……車
体、３……エンジン、４……前車輪、５……後車
輪、６……ウイツシユボン式フロントサンペンシ
ヨン、７……ウイツシユボン式リヤサスペンシヨ
ン、８……動力伝達系、９，１０……ブラケツ
ト、１１……ロアア−ム、１２……アツパーア−
ム、１３，１４……キングピン、１５……ナツク
ル、１６……プレート、１７……ブラケツト、１
８……プログレスシブリンク、１９……ブラケツ
ト、２０……緩衝器、２１……ステアリングシヤ
フト、２２……棒状ステアリングハンドル、２３
……ステアリングアーム、２４……ボールジヨイ
ント、２５……タイロツド、２６……ナツクルア
ーム、２７……ドライブギヤケース、２８……入
力軸、２９……入力ギヤ、３０……差動装置、３
１……出力軸、３２……継手、３３……伝達軸、
３４……継手、３５……車軸。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 前車輪がエンジンにより駆動される鞍乗り型
   不整地走行用四輪車において、ドライブギヤケー
   スを前車軸よりも前方に配置し、両端に自在継手
   を有する伝達軸を介して該ドライブギヤケースの
   出力軸と前車軸とを連結し、前記ドライブギヤケ
   ースの後方に前記ドライブギヤケースの入力軸と
   左右位置をずらしてステアリングシヤフトを配置
   し、該ステアリングシヤフト下部の後方にステア
   リングアームを固着し、該ステアリングアームと
   前車輪側に設けられたナツクルアームをタイロツ
   ドにて連結し、該タイロツドを前記ドライブギヤ
   ケースの上端より低い位置に配置したことを特徴
   とする鞍乗り型不整地走行用四輪車。