JPH0586977B2 - - Google Patents

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JPH0586977B2
JPH0586977B2 JP61114838A JP11483886A JPH0586977B2 JP H0586977 B2 JPH0586977 B2 JP H0586977B2 JP 61114838 A JP61114838 A JP 61114838A JP 11483886 A JP11483886 A JP 11483886A JP H0586977 B2 JPH0586977 B2 JP H0586977B2
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Katsumi Kuryama
Misao Ichihara
Iwao Misaizu
Masashi Kashiwamura
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Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
Original Assignee
Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
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Priority to EP87107004A priority patent/EP0248243B1/en
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  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、多孔性シート材料およびその製造方
法に関し、機械的性質、水蒸気透過性等の諸性能
に優れた多孔性シート材料を高い生産性で提供す
ることを目的とする。 (従来の技術) 従来、天然皮革代用品等としてポリウレタンか
らなる多孔性シート材料およびそれらを製造する
方法は多数知られており、大別すれば湿式法と乾
式法に分けられる。 (発明が解決しようとしている問題点) 両方法はそれぞれ一長一短があり、生産性とい
う面からは乾式法が優れている。このような乾式
法としては、特公昭48−4380号公報、特公昭48−
8742号公報、特開昭51−41063号公報、特開昭54
−66961号公報および特開昭54−68498号公報等に
記載の方法が知られている。これらの公知の方法
によれば、それぞれ優れた性能の多孔性シート材
料が提供されるが、これらの方法で優れた性能の
製品を得るためには使用したポリウレタン乳濁液
に使用した有機溶剤と水分とを選択的に蒸発させ
る必要があり、ゲル化および乾燥方法に非常に厳
格な温度管理が必要であり、且つ比較的長時間、
例えば30分〜1時間を要するため、他の工程は連
続化が可能であるにも関わらず、このゲル化およ
び乾燥工程のために非常に生産性が低いという問
題がある。 また、これらの公知の方法においては、ポリウ
レタン乳濁液の調製に使用するポリウレタン分散
体の安定性が劣り、ゲル化し易いため、ポリウレ
タン乳濁液の調製が不可能であつたり、困難であ
るという別の問題もある。 従つて、生産性を向上させるためには、上記の
如き方法において使用するポリウレタン分散体の
安定性を高め、且つポリウレタン乳濁液のゲル化
および乾燥工程の厳格な温度等の管理を不要にし
て、しかも10分間以下、好ましくは数分内にゲル
化および乾燥工程を完了できるような方法が業界
で強く要望されている。 本発明者は、上述の如き従来技術の要望に鑑み
て、従来方法において、使用するポリウレタン分
散体の安定性を高め、且つポリウレタン乳濁液の
ゲル化および乾燥工程における有機溶剤と水との
選択的な蒸発という煩雑性を解消し、しかもゲル
化および乾燥工程全体を10分間以下で完了させ、
しかも優れた品質の製品を提供し得る方法を得る
べく鋭意研究の結果、これらの方法で使用するポ
リウレタン乳濁液として特定のポリウレタン分散
体を使用したポリウレタン乳濁液を用いる時は、
上述の如き従来技術の欠点が解決され、上述の業
界の要望に十分に応えることが可能であることを
知見して本発明を完成した。 (問題点を解決する手段) すなわち、本発明は、油中水型のポリウレタン
乳濁液を基材に含浸および/または塗布し、100
℃以上の温度で加熱ゲル化および乾燥することか
らなる多孔性シート材料の製造方法において、上
記ポリウレタン乳濁液が、水との相互溶解度に限
界のある有機溶剤中に溶解された分子量2万〜25
万のポリウレタン系樹脂溶液中で、官能基1個あ
たり分子量が50以下のポリオールと有機ポリイシ
シアネートを反応させて微粒子を生成させ、該微
粒子と上記ポリウレタン系樹脂を含む分散液中に
水を乳化させてなり、上記ポリウレタン系樹脂と
上記微粒子の比率が前者100重量部あたり後者30
〜300重量部に調整してあることを特徴とするポ
リウレタン乳濁液であることを特徴とする多孔性
シート材料の製造方法である。 次に本発明を更に詳細に説明すると、本発明者
は、前述の如き従来技術の問題点、すなわち、使
用するポリウレタン分散体の安定性の問題点およ
びポリウレタン乳濁液の低温且つ長時間のゲル化
および乾燥という問題点を解決し、ゲル化および
乾燥を比較的高温すなわち、100℃以上、好まし
くは110℃〜200℃で短時間で行い、良好な性質の
多孔層を有する多孔性シート材料を提供すべく鋭
意研究の結果、ポリウレタン乳濁液の成分とし
て、一定の範囲の分子量を有するポリウレタン系
樹脂の有機溶剤溶液に、この有機溶剤には溶解し
ない特定の微粒子、すなわち、官能基1個あたり
の分子量が50以下である低分子量ポリオールと有
機ポリイソシアネートから得られる微粒子を分散
させたものを使用するときは、このようなポリウ
レタン分散体から調製したポリウレタン乳濁液を
基材に含浸および/または塗布後、従来技術に比
して著しく高温でゲル化および乾燥させても、こ
れらの高温にも拘らず、多孔層が高温によつて損
なわれたり、ヘタることがなく、十分な性能を有
する多孔性シート材料が短時間で得られることを
知見したものである。 このような驚くべき効果は、上記の特定の微粒
子が、多くのウレタン結合を有して高い軟化点を
有し、従つて、高いゲル化および乾燥温度におい
ても軟化せず、且つ、多くの極性基の存在によつ
て、共存するポリウレタン系樹脂を容易にゲル化
させることができるためと考えられる。 本発明で使用するポリウレタン系樹脂それ自体
は概念的には公知の材料であり、ポリオール、有
機ポリイソシアネートおよび鎖伸長剤を反応させ
て得られるものである。 ポリオールとしては、例えば、末端基が水酸基
であり、分子量が300〜4000の ポリエチレンアジペート、 ポリエチレンプロピレンアジペート、 ポリエチレンブチレンアジペート、 ポリジエチレンアジペート、 ポリブチレンアジペート、 ポリエチレンサクシネート、 ポリブチレンサクシネート、 ポリエチレンセバケート、 ポリブチレンセバケート、 ポリテトラメチレンエーテルグリコール、 ポリ−ε−カプロラクトンジオール、 ポリヘキサメチレンアジペート、 カーボネートポリオール、 ポリプロピレングリコール等、および上記ポリオ
ール中に適当な量のポリオキシエチレン鎖を含有
するものが挙げられる。 有機ポリイソシアネートとしては、 4,4′−ジフエニルメタンジイソシアネート
(MDI)、 水添加MDI、 イソホロンジイソシアネート、 1,3−キシリレンジイソシアネート、 1,4−キシリレンジイソシアネート、 2,4−トリレンジイソシアネート、 2,6−トリレンジイソシアネート、 1,5−ナフタリンジイソシアネート、 m−フエニレンジイソシアネート、 p−フエニレンジイソシアネート等があり、 あるいはこれらの有機ポリイソシアネートと低分
子量のポリオールやポリアミンとを末端イソシア
ネートとなるように反応させて得られるウレタン
プレポリマー等も当然使用することができる。 鎖伸長剤としては、 エチレングリコール、 プロピレングリコール、 ジエチレングリコール、 1,4−ブタンジオール、 1,6−ヘキサンジオール、 エチレンジアミン、 1,2−プロピレンジアミン、 トリメチレンジアミン、 テトラメチレンジアミン、 ヘキサメチレンジアミン、 デカメチレンジアミン、 イソホロンジアミン、 m−キシリレンジアミン、 ヒドラジン、 水等がある。 上述の如き材料から得られるポリウレタン系樹
脂は、いずれも本発明において使用できるが、好
ましいものは、分子量が2万〜50万のものであ
り、最も好ましいものは分子量が2万〜25万のも
のである。以上の如き分子量2万〜50万のポリウ
レタン系樹脂は、従来公知の製造方法および分子
量の調整方法によつて容易に得ることができる。
これらのポリウレタン系樹脂は、無溶剤で調製し
てもよいし、有機溶剤中で調製したものでもよい
が、工程的には、ポリウレタン乳濁液を調製すべ
き有機溶剤、すなわち、水とある程度の相互溶解
性のある有機溶剤中で調製することにより、その
ままポリウレタン乳濁液の調製に利用できるので
有利である。 このような有機溶剤として好ましいものは、メ
チルエチルケトン、メチル−n−プロピルケト
ン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、
ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メ
チル、酢酸エチル、酢酸ブチル等であり、また、
アセトン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソ
プロピルアルコール、ブタノール、トルエン、キ
シレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キシド、パークロルエチレン、トリクロルエチレ
ン、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロ
ソルブアセテート等の使用できる。これらの有機
溶剤中で水との相互溶解度に限界のないもの、あ
るいは全く溶解しないものは、他の有機溶剤との
混合物とし、水との相互溶解度に限界をもたせて
使用する。以上の有機溶剤は勿論混合有機溶剤と
しても使用することができる。 このような有機溶剤中でポリウレタン系樹脂を
調製することによりポリウレタン系樹脂溶液が得
られるが、その固形分は同一または他溶剤の添加
あるいは除去により約5〜60重量%の範囲とする
のが好都合である。 主として本発明を特徴づける点は、多孔性シー
トの製造にあたり、上記の如き特定の分子量のポ
リウレタン系樹脂に対し、特定の微粒子を併用
し、安定性に優れたポリウレタン分散体を使用す
る点である。 上記微粒子は官能基1個当たり分子量が50以下
の低分子量ポリオール、例えば、前記の鎖伸長剤
の如き低分子量ポリオールのうちから上記の条件
を満たす低分子量ポリオールを選択し、これと前
記の如き有機ポリイソシアネートとを反応させる
ことによつて得られる。前記の鎖伸長剤以外の低
分子量ポリオールとしては、例えば、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト
ール等の低分子量ポリオールが有用である。 官能基1個あたりの分子量が50を越える低分子
量ポリオールでは、生成する微粒子の有機溶剤に
対する溶解性が高くなつたり、微粒子の耐熱性が
低下したりして本発明の目的には好ましくなくな
る。 以上の如き微粒子は、有機溶剤中で前記の低分
子量ポリオールと有機ポリイソシアネートとを任
意の比率、好ましくは、両者が当量に近い割合で
反応させることによつて容易に得られる。このよ
うな微粒子は一般的な有機溶剤には不溶性である
ので生成と同時に反応液から析出し、微細な粒子
として得られる。このような微粒子の有機溶剤分
散体はそのままでも、あるいは溶剤から一旦分離
して使用してもよい。最も好ましい態様は、前記
の如き分子量2万〜25万のポリウレタン系樹脂の
溶液中において低分子量ポリオールと有機ポリイ
ソシアネートとを反応させて微粒子を生成させる
方法である。 このようにして得られるポリウレタン分散体
は、従来のものに比し、著しく優れた安定性を示
すものである。勿論、このようにポリウレタン系
樹脂溶液中で微粒子を生成させると、ポリウレタ
ン系樹脂もある程度は鎖伸張して、分子量が例え
ば3万〜50万程度に上昇するが特に問題はない。
勿論この場合にも生成する微粒子は有機溶剤に対
して不溶性であるので微細な分散体として生成す
る。 この際に重要なことは、溶液中のポリウレタン
系樹脂の分子量が2万〜50万、好ましくは分子量
が2万〜25万の範囲にあることである。すなわ
ち、分子量が2万未満であると、これらのポリウ
レタン系樹脂と前記の低分子量ポリオールおよ
び/または有機ポリイソシアネートとの反応率が
高くなりすぎ、微粒子の選択的生成が不十分とな
り、反応液がゲル化したり、生成する微粒子が析
出困難になつたり、生成物の耐熱性が低下したり
して好ましくない。一方、ポリウレタン系樹脂の
分子量が50万を越えるとポリウレタン系樹脂溶液
の粘度が高くなりすぎ、微粒子の均一な生成が阻
害される場合がある。 以上の問題は、微粒子を別に調製してポリウレ
タン系樹脂溶液と混合すれば生じることはない。
このような方法も本発明に包含されるが、この方
法では、工程的には必ずしも有利ではないの上記
の如くポリウレタン系樹脂溶液中で微粒子を生成
させポリウレタン分散体とするのが好ましい。 微粒子の粒子径は特に限定されないが、一般的
には、約0.01〜5μm程度が好ましい。 以上の分子量2万〜50万のポリウレタン系樹脂
と上記の微粒子の使用割合も重要であり、微粒子
の使用割合が少なすぎると、本発明の主たる効
果、すなわち、100℃以上の比較的高温でのポリ
ウレタン乳濁液の含浸および/または塗布層のゲ
ル化および乾燥が困難で、形成される多孔層がつ
ぶれてしまい、十分な多孔性の層を形成し得な
い。一方、微粒子の使用量が多すぎると、高温で
のゲル化および乾燥は問題ないが、形成される多
孔層の物理的強度に問題が生じるので好ましくな
い。 従つて、好ましい使用割合は、ポリウレタン系
樹脂100重量部あたり、微粒子が30〜300重量部の
割合であり、この範囲において高温で短時間で十
分な性能の多孔層が形成される。 以上のいわゆるポリウレタン分散体の濃度は、
固形分で約5〜60重量%程度が好ましい。 上記の如き、本発明に使用するポリウレタン分
散体は、従来技術によるものがゲル化し易く安定
性に劣り、ポリウレタン乳濁液を調製する際に使
用が不可能であつたり、困難であつたのに対し
て、安定性に優れポリウレタン乳濁液の調製が容
易なものである。 本発明で使用するポリウレタン乳濁液は、前述
のポリウレタン分散体に、必要に応じて適当な量
の油中水型乳化剤を添加し、これを、強力に撹拌
しつつ、この中に飽和量以下の水、例えば、溶液
中の固形分100重量部あたり約50〜500重量部の水
を添加することにより得られる。 乳化剤としては、従来公知の油中水型の乳化剤
はいずれも使用できるが、特に好適なものは、分
子中に適当な量のポリオキシエチレン鎖を有する
ポリウレタン系界面活性剤である。乳化剤は、ポ
リウレタン系樹脂溶液の固形分100重量部あたり、
約1〜10重量部の割合で使用するのが好ましい。 このようにして得られたポリウレタン乳濁液
は、乳白色のクリーム状の流動体であり、そのま
ま数ケ月間放置しても安定な状態を保持してい
る。このようなポリウレタン乳濁液は必要に応じ
て各種の添加剤、例えば着色剤、架橋剤、安定
剤、充填剤等の如く公知の添加剤を任意に添加す
ることができる。 本発明で使用する基材としては、例えば、各種
の織布、編布、不織布、離形紙、プラスチツクフ
イルム、金属板、ガラス板等いかなる基材でもよ
い。該基材に対する上記ポリウレタン乳濁液の適
用方法は、例えば、コーテイング法、浸漬法、こ
れらの組合せ方法等いずれの公知の方法でもよ
く、その含浸および/または塗布量は、約5〜
2000g(配合液)/m2の如く、その目的に応じて
広い範囲で変化させることができる。 本発明方法における乾燥工程は非常に短時間
で、且つ煩雑な処理を必要とせずに完了すること
ができ、本発明方法における如き乾式法ではこの
乾燥方法が生産性の律速段階である点からして、
このような短時間の乾燥は従来方法に比して極め
て有利な効果である。すなわち、含浸および/ま
たは塗布した基材は、特開昭51−41063号公報に
記載の如き凝固工程を何ら必要とせず、約100℃
以上、好ましくは110℃〜200℃の温度で約1〜10
分間乾燥処理するのみで目的とする本発明の多孔
性シート材料が得られる。このような短時間での
乾燥処理が実現されるのは、本発明で使用する前
記微粒子が、多くのウレタン結合を有して凝集性
が大であり、且つ高い軟化点を有するため、ポリ
ウレタン乳濁液の塗布後加熱によつて有機溶剤の
蒸発が始まると直ちに微粒子の周囲に溶解してい
たポリウレタン系樹脂が析出ゲル化し、且つ、引
続く高温の加熱乾燥においても、微粒子の高軟化
点によつて、形成された多孔構造が安定的に保持
されるためと考えられる。 (作用・効果) 以上の如き本発明により得られた多孔性シート
材料は非常に微細な孔構造を有し、各種物性に優
れるとともに優れた水蒸気透過性を有し、各種の
合成皮革等の素材として、衣料、靴、防水布、テ
ント、壁紙、床材、瀘過材、エアコン等のフイル
ター等に有用である。 また、本発明の方法によれば、従来技術に比較
して非常に高い温度で安定的にポリウレタン乳濁
液層のゲル化および乾燥が行われ、従つて非常に
短時間で多孔層が形成されるので、従来のゲル化
および乾燥温度では不可能であつた多孔性シート
材料の連続的製造が可能となつた。また、ポリウ
レタン乳濁液の調製に使用するポリウレタン分散
体は、従来の技術のものはゲル化し易く不安定で
あつたのに対し、本発明によればポリウレタン分
散体は非常に安定であり、従つてポリウレタン乳
濁液の調製における作業性等に優れるものであ
る。 次に実施例および比較例を挙げて本発明を具体
的に説明する。なお、文中部または%とあるのは
特に断りの無い限りいずれも重量基準である。 実施例 1〜5 (1) 1,4−ブタンエチレンアジペート(平均分
子量約1000、水酸基価112)1000部、1,4−
ブタンジオール31部、ジフエニルメタンジイソ
シアネート333部をメチルエチルケトン3183部
中に加え、70℃で8時間反応し、平均分子量が
6万5千である固形分30%のポリウレタン樹脂
溶液(A)を得た。 次いで、上記樹脂溶液に、エチレングリコー
ル130部およびジフエニルメタンジイソシアネ
ート524部を加え、60℃で10時間反応後、更に、
1526部のメチルエチルケトンを加えて均一化
し、かきまぜながら常温まで冷却し、ポリウレ
タンの平均分子量が12万6千であり、析出した
粒子の粒子径が1μm以下であり。固形分30%の
乳白色のポリウレタン分散体(1)を得た。この分
散体は−10℃で3か月以上安定であつた。 (2) ポリテトラメチレングリコール(平均分子量
約1000、水酸基価112)1000部、エチレングリ
コール24部およびジフエニルメタンジイソシア
ネート340部をメチルエチルケトン3183部中に
加え、70℃で9時間反応させ、平均分子量が5
万2千である固形分30%のポリウレタン樹脂溶
液(B)を得た。 次いで、上記樹脂溶液に、エチレングリコー
ル116部およびジフエニルメタンジイソシアネ
ート465部を加え、60℃で10時間反応後、更に、
1356部のメチルエチルケトンを加えて均一化
し、かきまぜながら常温まで冷却し、ポリウレ
タンの平均分子量が10万3千であり、析出した
粒子の粒子径が1μm以下であり、固形分30%の
乳白色のポリウレタン分散体(2)を得た。この分
散体は−10℃で3か月以上安定であつた。 (3) 1,6−ヘキサメチレンアジペート(平均分
子量約2000、水酸基価56)2000部、1,4−ブ
タンジオール20部およびジフエニルメタンジイ
ソシアネート301部をメチルエチルケトン5416
部中に加え、70℃で9時間反応させ、平均分子
量が7万3千である固形分30%のポリウレタン
樹脂溶液を得た。 次いで、上記樹脂溶液に、トリメチロールプ
ロパン390部およびジフエニルメタンジイソシ
アネート1091部を加え、60℃で10時間反応後、
更に、3456部のメチルエチルケトンを加えて均
一化し、かきまぜながら常温まで冷却し、ポリ
ウレタンの平均分子量が17万8千であり、析出
した粒子の粒子径が1μm以下であり、固形分30
%の乳白色のポリウレタン分散体(3)を得た。こ
の分散体は−10℃で3か月以上安定であつた。 (4) 実施例1のポリウレタン樹脂溶液(A)4547部
に、グリセリン160部およびジフエニルメタン
ジイソシアネート403部を加え、40℃で8時間
反応後、更に、1314部のメチルエチルケトンを
加えて均一化し、かきまぜながら常温まで冷却
し、ポリウレタンの平均分子量が14万6千であ
り、析出した粒子の粒子径が2μm以下であり、
固形分30%の乳白色のポリウレタン分散体(4)を
得た。この分散体は−10℃で3か月以上安定で
あつた。 (5) 実施例2のポリウレタン樹脂溶液(B)4547部
に、グリセリン150部およびジフエニルメタン
ジイソシアネート611部を加え、50℃で12時間
反応後、更に、1776部のメチルエチルケトンを
加えて均一化し、かきまぜながら常温まで冷却
し、ポリウレタンの平均分子量が16万7千であ
り、析出した粒子の粒子径が2μm以下であり、
固形分30%の乳白色のポリウレタン分散体(5)を
得た。この分散体は−10℃で3か月以上安定で
あつた。 実施例 6〜11 実施例1〜5の生成物、乳化剤、有機溶剤およ
び水をホモミキサーで撹拌し、下記のポリウレタ
ン乳濁液を調製した。 (6) ポリウレタン乳濁液(1) ポリウレタン分散体(1) 100部 ウレタン系乳化剤 2部 メチルエチルケトン 20部 キシレン 20部 水 85部 (7) ポリウレタン乳濁液(2) ポリウレタン分散体(2) 100部 ウレタン系乳化剤 2部 メチルエチルケトン 20部 トルエン 20部 水 80部 (8) ポリウレタン乳濁液(3) ポリウレタン分散体(1) 100部 ウレタン系乳化剤 2部 メチルエチルケトン 150部 トルエン 20部 水 80部 (9) ポリウレタン乳濁液(4) ポリウレタン分散体(3) 100部 PO/EOブロツクコポリマー型乳化剤 4部 ジオキサン 10部 トルエン 10部 キシレン 20部 水 70部 (10) ポリウレタン乳濁液(5) ポリウレタン分散体(4) 100部 ウレタン系乳化剤 1部 メチルイソブチルケトン 20部 トルエン 20部 水 75部 (11) ポリウレタン乳濁液(6) ポリウレタン分散体(5) 100部 PO/EOブロツクコポリマー型乳化剤 1部 テトラヒドロフラン 20部 トルエン 20部 水 60部 比較例 1〜2 実施例1〜2の樹脂溶液(A)および(B)、乳化剤、
有機溶剤および水をホモミキサーで撹拌し、下記
のポリウレタン乳濁液を調製した。 (1) ポリウレタン乳濁液(A) ポリウレタン溶液(A) 100部 ウレタン系乳化剤 2部 メチルエチルケトン 20部 トルエン 20部 水 80部 (2) ポリウレタン乳濁液(B) ポリウレタン溶液(B) 100部 ウレタン系乳化剤 2部 メチルエチルケトン20部 トルエン 20部 水 80部 上記ポリウレタン乳濁液(1)〜(6),(A)および(B)の性
質は下記第1表の通りである。
【表】 実施例 12〜18 前記第1表のポリウレタン乳濁液(1)〜(6)を各種
の基材に含浸および/または塗布し、乾燥して各
種の本発明の多孔性シート材料を得た。 比較例 3〜4 前記第1表のポリウレタン乳濁液(A)および(B)を
各種の基材に含浸および/または塗布し、乾燥し
て各種の多孔性シート材料を得た。
【表】
【表】
【表】
【表】 実施例 19 実施例14における乾燥温度を夫々140℃,160
℃,180℃および200℃として、4種の本発明の多
孔性シート材料を得、これらの顕微鏡写真を撮影
したところ、多孔層は、第1〜8図に示す如く十
分な多孔性を保持していた。 比較例 5 比較例4における乾燥温度を夫々140℃,160
℃,180℃および200℃として、4種の比較例の多
孔性シート材料を得、これらの顕微鏡写真を撮影
したところ、多孔層は、第9〜16図に示す如く
多孔性を殆ど失つていた。 比較例 6 ポリテトラメチレングリコール(平均分子量約
1000、水酸基価112)1000部、エチレングリコー
ル24部およびジフエニルメタンジイソシアネート
289部をメチルエチルケトン3064部中に加え、70
℃で9時間反応させ、平均分子量が6000である固
形分30%のポリウレタン樹脂溶液を得た。 次いで上記樹脂溶液に、エチレングリコール
116部およびジフエニルメタンジイソシアネート
516部を加え、60℃で10時間反応後、更に1475部
のメチルエチルケトンを加えて均一化、かきまぜ
ながら常温まで冷却し、ポリウレタンの平均分子
量が12万3千であり、析出した粒子の粒子径が
7μm以下である固形分30%の乳白色のポリウレタ
ン分散体(6)を得た。この分散体は−10℃で8日後
ゲル化した。 比較例 7 ポリテトラメチレングリコール(平均分子量約
1000、水酸基価112)1000部、エチレングリコー
ル24部、ジフエニルメタンジイソシアネート346
部をメチルエチルケトン3197部中に加え、70℃で
9時間反応させ、平均分子量が31万2千である固
形分30%のポリウレタン樹脂溶液を得た。 次いで上記樹脂溶液にエチレングリコール116
部およびジフエニルメタンジイソシアネート459
部を加え、60℃で10時間反応後、更に1342部のメ
チルエチルケトンを加えて均一化し、かきまぜな
がら常温まで冷却し、ポリウレタンの平均分子量
が59万7千であり、析出した粒子の粒子径が1μm
以下である固形分30%の乳白色のポリウレタン分
散体(7)を得たが、この物はプリン状のゲル状物質
に近い分散体であり、それ以後の乳化、塗布また
は含浸工程を行なうのは不可能であつた。 比較例 8(特開昭54−68498号公報の実施例) 585部のポリブチレンアジペート(分子量
1709)、311部のポリテトラメチレンエーテルグリ
コール(分子量1493)、126部の2,2−ビス[4
−(β−ヒドロキシエトキシ)フエニル]プロパ
ン、670部のジフエニルメタン−4,4′−ジイソ
シアネート、0.05部のトリエチレンジアミン(触
媒)および411部のメチルエチルケトン(溶媒)
の混合物を、撹拌機つき反応容器中で50℃で80分
間反応させ、平均分子量2000以下のポリウレタン
のプレポリマーを得た。 次いで、得られたプレポリマーに、156部の1,
4−ブタンジオールと3.2部のトリエテランジア
ミン(触媒)を加え、6789部のメチルエチルケト
ンを徐々に滴下しながら、80℃で4時間反応を行
なつた。 かくして得られたポリウレタンの分散体(8)は、
濃度が20%であり、直径が10μm以下のポリウレ
タン微粒子を含有していた。この分散体は−10℃
で1日後ゲル化した。 比較例 9〜12 比較例6および8の生成物、乳化剤、有機溶剤
および水をホモミキサーで撹拌し、下記のポリウ
レタン乳濁液を調製した。 (9) ポリウレタン乳濁液(C) ポリウレタン分散体(6) 100部 乳化剤(ウレタン系) 2部 メチルエチルケトン 20部 トルエン 20部 水 80部 (10) ポリウレタン乳濁液(D) ポリウレタン分散体(6) 100部 乳化剤(ウレタン系) 2部 メチルエチルケトン 50部 トルエン 20部 水 38部 (11) ポリウレタン乳濁液(E) ポリウレタン分散体(8) 100部 乳化剤(ウレタン系) 1.3部 トルエン 13部 水 53部 (12) ポリウレタン乳濁液(F) ポリウレタン分散体(8) 100部 乳化剤(ウレタン系) 1.3部 トルエン 13部 水 25部 実施例20および21 (20) ポリウレタン乳濁液(7) ポリウレタン分散体(1) 100部 乳化剤(ウレタン系) 2部 メチルエチルケトン 20部 トルエン 20部 水 80部 (21) ポリウレタン乳濁液(8) ポリウレタン分散体(1) 100部 乳化剤(ウレタン系) 2部 メチルエチルケトン 50部 トルエン 20部 水 38部 上記ポリウレタン乳濁液7および8,(C)〜(F)の
性質は下記第4表の通りである。
【表】 実施例 22〜25 前記第4表のポリウレタン乳濁液7および8を
各種の基材に含浸および/または塗布し、乾燥し
て各種の本発明の多孔性シート材料を得た。 比較例 13〜20 前記第4表のポリウレタン乳濁液C〜Fを各種
の基材に含浸および/または塗布し、乾燥して各
種の比較例の多孔性シート材料を得た。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 以上の通り、実施例22〜25は乾燥条件による差
が無く、また高温乾燥で短時間で良好な多孔性シ
ートが得られ極めて作業性も良好であり、内部孔
構造はいずれも前記実施例と同様に添付図面に示
す如き優れた孔構造を有していた。また本発明で
使用した分散体の安定性も比較例の物に比して著
しく良好であつた。 これに対して比較例13〜20では乾燥条件による
差が大きく、比較的高温且つ短時間では良好な多
孔性シートは得られず非常に作業能率が劣つた。
また、使用した分散体の安定性も悪く長期の保存
が不可能であつた。 以上の通り本発明によれば、優れた物性の多孔
性シート材料が、高いゲル化および乾燥温度で、
極めて短時間で得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1〜8図は本発明の多孔性シートの繊維の形
状および粒子構造の顕微鏡写真を示し、第9〜1
6図は比較例の多孔性シートの繊維の形状および
粒子構造の顕微鏡写真を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 油中水型のポリウレタン乳濁液を基材に含浸
    および/または塗布し、100℃以上の温度で加熱
    ゲル化および乾燥することからなる多孔性シート
    材料の製造方法において、上記ポリウレタン乳濁
    液が、水との相互溶解度に限界のある有機溶剤中
    に溶解された分子量2万〜25万のポリウレタン系
    樹脂溶液中で、官能基1個あたり分子量が50以下
    のポリオールと有機ポリイシシアネートを反応さ
    せて微粒子を生成させ、該微粒子と上記ポリウレ
    タン系樹脂を含む分散液中に水を乳化させてな
    り、上記ポリウレタン系樹脂と上記微粒子の比率
    が前者100重量部あたり後者30〜300重量部に調整
    してあることを特徴とするポリウレタン乳濁液で
    あることを特徴とする多孔性シート材料の製造方
    法。
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DE87107004T DE3784375T2 (de) 1986-05-21 1987-05-14 Polyurethandispersion und -emulsion, poröses Bahnenmaterial und Verfahren zu ihrer Produktion.
EP87107004A EP0248243B1 (en) 1986-05-21 1987-05-14 Polyurethane dispersion and emulsion, sheet-like porous material and production process thereof
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Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5239425A (en) * 1975-09-25 1977-03-26 Hitachi Ltd Studying system
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