JPH0586175B2 - - Google Patents

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JPH0586175B2
JPH0586175B2 JP86148155A JP14815586A JPH0586175B2 JP H0586175 B2 JPH0586175 B2 JP H0586175B2 JP 86148155 A JP86148155 A JP 86148155A JP 14815586 A JP14815586 A JP 14815586A JP H0586175 B2 JPH0586175 B2 JP H0586175B2
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whole eggs
eggs
egg
liquid
whole
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Masayuki Arazoe
Atsushi Sekyama
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、未加熱の液全卵と同等の機能を持
ち、かつ従来の液全卵より衛生的であり、保存性
のすぐれた加工全卵およびその製造法に関するも
のである。 (従来の技術) 全卵はサルモネラ、大腸菌等に汚染されやす
く、そのためFAO/WHOの勧告基準案では一般
生菌数50000/g以下、大腸菌群10/g以下、サ
ルモネラ菌25g当り陰性という数値が示されてお
り、加熱殺菌が必要である。高温での高い殺菌レ
ベルの加熱を行なうと、卵の蛋白質が熱変性、凝
固し、凝固能、乳化能、泡立能など全卵に必要と
される機能を失うと共に、流動性を失うと考えら
れている。 そのため、液全卵はサルモネラの殺菌を目的と
したパスツール殺菌と呼ばれる55℃から65℃の温
度での10〜1分間程度の低温短時間殺菌が行なわ
れている。これらの全卵は、殺菌が不充分であ
り、冷蔵で3〜6日しか保存できず、さらに、製
造後1日で上澄、沈澱が生じる。また、長期保存
のためには、冷凍下での保存が必要である。現
在、液全卵は一部が冷蔵日配商品として流通して
おり、大部分は冷凍品として流通している。冷凍
品は解凍の不便さが当然のことながらあり、作業
上の大きな問題となつている。また、解凍後、凍
結変性を受けるため、部分的なゲル化、離水が生
じると共に、全卵としての機能が低下するとの報
告もある。この凍結変性を防止するため、糖およ
び塩の添加が行なわれているが、解凍の不便さの
解決にはならず、また、高濃度の糖または塩のた
め、用途を限定してしまう弊害を持つている。 一方、加熱殺菌をより高温で行ない、殺菌レベ
ルを高める方法として、全卵の蛋白変性温度を上
昇させること、あるいは蛋白の熱安定性を高める
ことを目的に、PH調整、糖、塩類、金属塩等の添
加、全卵の希釈などが考案されている。これらは
いずれも全卵と比較して、味、色、凝固後の物性
の変化が見られると同時に、目的とする殺菌が前
述のパスツール殺菌の温度、時間の範囲であり、
長期間の保存には、その殺菌レベルでは不適であ
り、保存中の液の上澄、沈澱の分離も生じる。 ここで、従来の技術について以下詳述する。 パスツール殺菌と呼ばれる低温殺菌について
は、「卵と科学と技術」(学窓社、W.J.
Stadelman,O.J.Cotterill編、森田重広訳)、「食
卵の科学と利用」(地球社、佐藤泰編)、「鶏卵の
知識」(食品化学新聞社、今井忠平著)に現在実
用されている方法について詳述されているが、そ
れらは蛋白凝固が生じないことを前提としたサル
モネラ殺菌を目的とした55〜66℃(全卵において
は58〜66℃)の低温での2〜4分という短時間の
殺菌であり、蛋白変性を前提とした66℃以上の殺
菌あるいは液の安定性については言及していな
い。 また、米国、日本等の特許には次のものがあ
る。 卵白および全卵の殺菌法として、米国特許第
3561980(特公昭46−36183)には、卵白にアルカ
リポリホスフエートとCaまたはZnイオンを添加
し、51.7〜62.8℃で30秒から10分間加熱する低温
殺菌法があり、特公昭46−34180には、卵白にア
ルカリポリホスフエートを0.2〜2%添加し、さ
らに、PHを8〜10に調整し、低温殺菌する方法が
記載されている。特公昭46−34181には、卵白の
PHを0.5から1.5単位上昇させ、カタラーゼを不活
性化するための低温加熱後、応答量の過酸化物を
添加し、再度低温殺菌をする方法が記載されてい
る。特公昭47−23386には、リン酸、硫酸、炭酸
のアルカリ金属塩の過酸化水素化物の有効量を添
加し、低温殺菌を行なう方法が記載されている。
その他特公昭42−22181、特開昭50−111256、特
開昭58−63346、西ドイツ特許1816896、オランダ
特許71791等もあるが、これらの方法は、全て卵
の蛋白質が凝固、蛋白変性をすることなくサルモ
ネラの殺菌を行なうためのものであり、その一般
生菌の殺菌程度は低く、液の分離もあり、未凍結
状態での長期保存には不適である。また、PH調
整、塩類、金属塩等の添加物が必要であり、味、
色、凝固物の物性が変化する問題もある。 全卵の部分的な蛋白変性により増粘させる特許
は、米国特許第2458449、特開昭57−68762があ
る。これらはケーキ類の膨化性向上を目的とした
もので、前者は135〜150〓(57.2〜65.6℃)で3
〜30分間、後者は67〜75℃で3〜30分間加熱する
ことが記載されている。しかし、ホモゲナイズす
ることについては言及しておらず、前者では殺菌
レベルが低く、保存中、液の分離が発生する。ま
た、後者は、液卵が著しく増粘し、ゲル状物とな
るという問題がある。 卵白および全卵の加熱殺菌温度を従来のパスツ
ール殺菌より高温で行なう方法では、特公昭57−
61389、特公昭43−8690、特公昭59−53011、特公
昭60−974、特開昭49−30565がある。 特公昭57−61389は、リン酸ナトリウム塩と有
機酸塩を添加し加熱する方法であり、卵白は65℃
まで、全卵は75℃まで加熱殺菌でき、加熱殺菌時
間は温度により任意に設定できると記載されてい
る。この方法においては、リン酸塩、有機酸塩が
0.5〜5%と高濃度であり、製品の色、味が大き
く変質する問題を生じる。また、保存中の液分離
を生じる。また、この方法における加熱温度、時
間は卵白および全卵が変性凝固しない範囲と規定
しており、66℃以上では加熱時間が大巾に制約さ
れる。 特公昭43−8690は、含糖卵蛋白質溶液の製造方
法についてのものであり、糖とクエン酸ソーダを
鶏卵液に加え、80〜90℃で1〜2時間加熱する方
法で、全卵の蛋白は全て変性した溶液についての
ものである。 特公昭59−53011は、滅菌液卵の製造方法につ
いてのものであり、全卵を水による希釈とPH調整
することにより、115℃1秒間以上の殺菌を行な
う方法であるが、全卵が1.5倍以上の水で希釈さ
れるため、凝固能を利用する全卵の用途には全く
不向きであり、単なる栄養補強的添加物あるいは
卵飲料等の用途に限定される。 特公昭60−974は、10〜50%濃度に希釈した卵
白を加熱変性させ、それを均質化処理し、次いで
プロテアーゼ処理を行なう飲料原料としての完全
に熱変性した卵白液についてのものであり、生卵
とは全く異なるものである。 特開昭49−30565は、加熱無菌卵黄の製造に関
するものであり、純粋蔗糖を47.5〜52.5%添加
後、減圧下で70〜74℃で20〜30分間加熱殺菌する
方法であるが、高濃度の糖の添加により、その用
途が限定される問題点を持つ。また、全卵につい
ては何ら言及していない。 全卵をホモゲナイズする方法に関する特許は、
米国特許第2936240、同第3093487がある。前者は
冷凍全卵の改良を目的とし、蛋白凝固することの
ない140〓(60℃)で数分という低温殺菌後、
1000psi以上の圧力でホモゲナイズすることが記
載されているが、殺菌レベルを上げた蛋白変性、
凝固を生じる温度以上のものについては言及して
いない。ここで行なうホモゲナイズは、冷凍中の
安定性を高めるためのものである。後者は凝固の
ないサルモネラフリーのホモゲナイズ卵製品につ
いてのものであり、65.5〜76.7℃の殺菌を行なう
ことが記載されているが、熱凝固しないよう、全
卵に油脂、乳固形分を添加し、自然卵の固形物
量、水分量に調整した、いわゆる希釈全卵につい
てのものであり、液全卵の機能、味、物性上問題
を有している。 (発明が解決しようとする問題点) 以上のように、未加熱の全卵と同等の凝固能、
乳化能、泡立能を保有し、かつ衛生的であり、保
存中の分離を生じない未凍結の保存性の高い液全
卵は、未だ開発されておらず、その開発が望まれ
ている。 (問題点を解決するための手段) 本発明は、未凍結の冷蔵温度で長期間、衛生
的、安定に保存できる。生全卵と同等の機能を有
する加工全卵の提供を目的に鋭意検討を重ねた結
果、液状全卵を65〜72.5℃の温度で1〜300分間
の任意の時間加熱殺菌を行なつた後、加熱により
生じるゲルを機械的にホモゲナイズを行なうか、
あるいは液状全卵を泡立ちを起こさないようにホ
モゲナイズ後、65〜72.5℃の温度で1〜300分間
の任意の加熱殺菌を行なうことにより、蛋白を10
〜50%変性させ、生全卵の凝固能、乳化能、泡立
能とほぼ同等の機能を保有し、生全卵より極めて
衛生的かつ保存性の高い、安定な10〜4000cpの
粘度の液状の加工全卵を得る本発明に到達した。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明においては、原料として生全卵液を用い
る。生全卵液とは、鶏卵の殻を割つた後の生全卵
を混合、過して、卵殻の破片、カラザ等を除去
したものを言う。殺菌前の衛生状態が殺菌後の衛
生状態に大きく影響するため、望ましくは卵殻洗
浄をよく行ない、割卵、混合、過を衛生的に行
なう方がよい。 この生全卵液を65℃以上72.5℃以下に昇温し、
1〜300分間の任意の時間保持殺菌した後、ホモ
ゲナイズを行なう。あるいは生全卵液をホモゲナ
イズした後、65℃以上72.5℃以下に昇温し、1〜
300分間の任意の時間保持殺菌する。殺菌温度は、
より高い殺菌レベルを得るために69〜72.5℃が望
ましいが、72.5℃を超えないよう調整が必要であ
る。殺菌時間は加熱前の菌数にもよるが、通常、
69〜70℃30分間の加熱で殺菌前の一般生菌数の
1/104〜1/105のレベルまで殺菌される。ま
た、最も低下しやすい泡立性の機能を保持するた
め、69〜71.5℃で90分間以下が望ましい。加熱の
方法は、温度コントロールが行なえる撹拌機付タ
ンクもしくはプレート式熱交換機を使用すればよ
い。この時、液温が72.5℃を超えないよう調整す
る。また、加熱中の水分量が変化しないように水
分調整することが望ましい。 品温が65℃未満では、サルモネラは充分殺菌さ
れるが、一般生菌を殺菌する温度としては不充分
であり、かつ蛋白変性量が少なく、卵液の保存中
の安定性も不充分であり、生全卵同様に分離を生
ずる。また、72.5℃以上では全卵の蛋白変性が急
激に進行するため、全卵の凝固能、乳化能、泡立
能といつた機能が大巾に低下する。 ホモゲナイズは、殺菌全卵液に流動性を与え、
使用簡便性を得るため、および液の安定性を得る
ために行なう。ホモゲナイズは、ホモゲナイズに
よる泡立を防止するため、減圧下で5000rpm3分
間以上程度のカツテイング式ホモゲナイザーある
いは50Kg/cm2以上の圧力式ホモゲナイザーで行な
うのが望ましい。 加熱前にホモゲナイズを行なう場合は、ホモゲ
ナイズ後の生全卵液の粘度が10cp以下で曳糸性
がなくなる程度まで行なう。このホモゲナイズに
より、65〜72.5℃、1〜300分の蛋白変性をおこ
す加熱を行なつても、分散した状態で蛋白変性
し、ゲル化を生ぜず液状である。ホモゲナイズを
行なわない生全卵液は、60℃以上の温度で10分間
以上の加熱によりゲル化を始め、流動性を失な
う。 加熱後にホモゲナイズを行なう場合は、加熱に
より蛋白変性して生じたゲルを、ホモゲナイズに
より破壊分散し、均質な流動性を持つた卵液とす
る。 加熱・ホモゲナイズ処理した全卵は、蛋白が一
部変性しているため生全卵より粘度が増加する
が、そのため、かえつて保存中に分離のない安定
な全卵が得られる。生全卵をホモゲナイズした未
加熱のものは、保存中に液の分離を生じる。 加熱・ホモゲナイズ処理により、分離のない均
質な加工全卵が得られるが、望ましくは、加熱殺
菌後の操作(ホモゲナイズ、冷却、充填、包装)
を無菌的に行なうとよい。加熱後にホモゲナイズ
を行なう方法において、加熱後の操作を無菌的に
行なえない時は、ホモゲナイズ処理後、充填、包
装してから65℃以上72.5℃以下の温度で任意の時
間、殺菌を行なえばよい。 加熱による卵液の蛋白変性量については、
0.3M食塩溶液可溶蛋白量の変化から算出すると、
生全卵の蛋白質の10〜50%が熱変性しており、90
〜50%が未変性である。塩可溶性蛋白量の測定
は、卵液を0.3M食塩溶液で希釈溶解後、遠心分
離し、その上澄の蛋白濃度をフエノール試薬法で
測定した。この卵液の粘度は、BL型回転粘度計
(東京計器製)で測定した結果、測定温度25℃、
回転数30rpmで10〜4000cpであつた。また、流動
曲線(HAAKE製粘度計:測定温度25℃)測定
の結果より、ホモゲナイズによりゲル性が消失す
ることが示される。卵液の蛋白変性は、示差走査
熱量計による分析からも、蛋白変性の吸熱ピーク
中の78℃以下のピークが減少あるいは一部が消失
することにより示される。第1図に加熱時間に伴
う蛋白未変性率の変化、第2図に蛋白変性率と粘
度の関係、第3図にDSC(示差走差 量計)の蛋
白変性吸熱ピーク、第4図に流動曲線を示す。 なお、第1図の加熱時間に伴う蛋白未変性率の
変化において、加熱は50℃に予備加熱後、各々の
温度のWater Bath中で、フイルムに充填シール
した卵液を加熱した。加熱時間はWater Bath投
入後の時間である。第3図のDSCの蛋白変性吸
熱ピークにおいて、(A)は生全卵、(B)はパスツール
殺菌全卵(60℃、4分)、(C)は70℃、30分殺菌し
たホモゲナイズ全卵、(D)は70℃、90分殺菌したホ
モゲナイズ全卵、(E)は75℃、30分殺菌したホモゲ
ナイズ全卵、(F)は100℃、15分加熱した全卵を示
す。第4図の流動曲線において、1は生全卵液
〔サンプル(イ)〕、2はホモゲナイズ全卵液〔サンプ
ル(ニ)〕、3,3′は69℃加熱全卵液〔サンプル(ロ)〕

4はホモゲナイズ後、69℃加熱全卵液〔サンプル
(ホ)〕、5は69℃加熱液、ホモゲナイズ全卵液〔サ
ンプル(ハ)〕を示し、測定はHAAKE社粘度計で、
3′以外はNV型ローター、3′はMVDIN型ロー
ターを用い、測定温度25℃、回転数変化率
128rpm/minで行つた。 (発明の効果) 以上の操作により得られる加工全卵は、生全卵
とほぼ同等の凝固能、乳化能、泡立能を保有し、
かつ衛生的であり、保存中に分離、変質すること
なく長期保存が可能である。 また、本発明は、全卵を主原料とし、各種調味
香辛料、出し汁、牛乳類、油脂類などのいずれか
を添加混合した液状のオムレツミツクス、プリン
ミツクス、茶碗蒸し、卵豆腐などの全卵加工食品
にも応用できるものである。さらに、蛋白変性温
度を上昇させる物質を添加することにより、塩加
溶性蛋白量比による蛋白変性量を10〜50%とする
温度まで上げることも可能である。 (実施例) 実施例および試験例により、さらに詳細に説明
する。 実施例 1 殻付鶏卵を洗浄割卵し、ハンドミキサー(ナシ
ヨナルMK1003)で機械的にミキシング後、20メ
ツシユのステンレス製網で卵殻片、カラザを過
除去し、生全卵液5Kg作成した。これをナイロ
ン・ポリプロピレンラミネートフイルム袋(130
mm×180mm)中に100gずつ分割シールした。袋に
詰めた生全卵液を55℃温水中で10分間予備加熱
後、70〜71.5℃にコントロールした温水中に入
れ、全卵液温が65℃に達した後、30分間加熱し開
封し、真空ホモゲナイザー(特殊機化工業Type
M)で真空度700mmHgの減圧下で、10000rpm10
分間ホモゲナイズし、再びナイロン・ポリプロピ
レン袋(130mm×180mm)に100gずつ分割シール
した。これを69〜70℃にコントロールした温水中
で30分間加熱殺菌を行ないただちに流水で冷却し
た。 実施例 2 生全卵液10Kgを作成した。これを実施例1と同
様に、70〜71.5℃に調整した温水を循環させたジ
ヤケツトと、内部撹拌羽根を備えた密閉型殺菌タ
ンク(ステンレス製満水30)内に入れ、撹拌混
合しながら加熱殺菌を行なつた。殺菌時間は全卵
液温が65℃に達してから45分間であつた。この
時、全卵の最高温度は70℃であつた。 殺菌後、タンク底部から蒸気滅菌済みのサニタ
リーポンプ付貯槽(ステンレス製満水50)に無
菌的に移し、さらに、蒸気滅菌した圧力式ホモゲ
ナイザー(マントンゴーリン15M―8TA型)で
吐出圧200Kg/cm2で均質化した後、無菌的に蒸気
殺菌済みのサニタリーポンプ付貯槽(ジヤケツ
ト、撹拌機付ステンレス製満水50)に入れ、10
℃まで冷却し、無菌的に500mlサンプルビン(500
ml容滅菌済みガラスビン)に充填した。 実施例 3 実施例1と同様に生全卵液10Kgを作成した。こ
れを、70〜71.5℃に調整した温水を循環させたジ
ヤケツトと内部撹拌羽根を備えた密閉型殺菌タン
ク(ステンレス製満水30)内に入れ、撹拌混合
しながら加熱殺菌を行なつた。殺菌時間は全卵液
温が69℃に達してから20分間であつた。この時、
全卵液の最高温度は70.5℃であつた。殺菌後、タ
ンク低部から全卵液を取り出し、真空ホモゲナイ
ザー(特殊機化工業製Type―M)で真空度700mm
Hgの減圧下で、10000rpm10分間ホモゲナイズ
し、ナイロン、ポリプロピレンラミネート袋
(300mm×250mm)に800gずつ分割シールした。こ
れを68〜70℃にコントロールした温水中で、30分
間加熱殺菌を行ない、ただちに流水で冷却した。 実施例 4 生全卵5Kgを作成した。これを実施例1と同様
に、圧力式ホモゲナイザー(マントンゴーリン
15M―8TA型)で吐出圧200Kg/cm2で均質化した
後、ナイロン・ポリプロピレンラミネート袋
(130mm×180mm)に100gずつ分割シールした。こ
れを69〜70℃にコントロールした温水中で、30分
間(66℃以上になつた後)加熱殺菌を行ない、た
だちに流水で冷却した。 実施例 5 生全卵液10Kgを作成した。これを実施例1と同
様に、カツテイング式真空ホモゲナイザー(特殊
機化工業製Type―M)で真空度650mmHgの減圧
下で500gずつ、10000rpm10分間のホモゲナイズ
を行なつた。このホモゲナイズ全卵液を、70〜
71.5℃に調整した温水を循環させたジヤケツトと
内部撹拌羽根を備えた密閉型殺菌タンク(ステン
レス製満水30)内に入れ、撹拌混合しながら加
熱殺菌を行なつた。殺菌時間は全卵液温が66℃に
達してから30分間であつた。この時、全卵の最高
温度は70.5℃であつた。 殺菌後、タンク底部から蒸気殺菌済みのサニタ
リーポンプ付貯槽(ジヤケツト、撹拌機付ステン
レス製満水50)に入れ、10℃まで冷却し、無菌
的に500mlサンプルビン(500ml容滅菌済みガラス
ビン)に充填した。 実施例1〜5の蛋白変性量および粘度は、表1の
とおりであつた。
【表】 0.3M食塩溶液可溶性蛋白量の測定 (サンプル2.5gを0.3MNaCl溶液に希釈溶解し1
とし、15000rpm60mmの遠心後、上澄をサン
プルとし、フエノール試薬法(Lowryらの方
法)で測定した。蛋白率は生全卵2.5g/1を
100とし、生全卵濃度を0まで変化させた検量
線より求めた。) また、実施例1,4で得たサンプルの殺菌程
度、保存性、機能性、安定性、用途についての比
較試験結果を以下詳述する。 比較試験例 1 保存性試験 実施例1と同様に割卵、混合、過した生全卵
液を100gずつ袋に分割シールし、生全卵液サン
プルとした。また、生全卵液を実施例4の方法で
ホモゲナイズした未加熱全卵液をサンプル(a)とし
た。サンプル(a)に腐敗全卵液1%を混合したもの
をサンプル(b)とし、サンプル(b)を実施例4の方法
で加熱殺菌したものをサンプル(c)、サンプル(b)を
60℃10分間温水殺菌したものをサンプル(d)とし
た。実施例1,4および生全卵、サンプル(a)、
(b)、(c)、(d)を10℃で保存し、一般生菌数と液性を
比較評価し、表2の結果のとおり、本発明品は保
存性にすぐれていた。
【表】 比較試験例 2 機能および安定性評価 比較試験例1の生全卵液、サンプル(a)、(b)と実
施例1,4の加工全卵について、凝固能、乳化
能、泡立能、安定性について比較した。 凝固能は、サンプル40gを50mlビーカーに入
れ、庫内温度80℃で蒸し、できた凝固物の硬さを
レオメーター(サン科学R―UDJ―DM)で測定
した。 乳化能は、サンプル5gに水47.5g、サラダ油
47.5gを加えホモゲナイズ(日本精機2A―
18000rpm)した後、100mlシリンダーに入れ、16
時間後の下層部に分離した水層部の量を測定し
た。 泡立能は、サンプル60gを160φmmのボールに入
れ、ハンドミキサー(ナシヨナルMK1003)でホ
イツピングし、泡立の高さを測定した。 安定性は、サンプル10gを試験管に入れ、
3000rpmで遠心(佐久間製作所、冷却式高速遠心
分離機50―B―5、ローター9B―3)を行ない、
沈澱、液の分離を観察した。 凝固能、乳化能、泡立能、安定性の結果を表
3,4,5,6に示す。
【表】
【表】
【表】
【表】 + あり ± わずかにあり − なし
本発明品は、液の安定性および衛生的に特にす
ぐれており、また、卵の機能面からも何ら遜色な
かつた。 比較試験例 3 卵加工原料としての評価 実施例1,4の加工全卵と割卵前の新鮮卵を使
用して、オムレツ、薄焼き卵、茶碗蒸し、カスタ
ードプリン、スポンジケーキを作成し、官能評価
および調理性評価を行なつた。それぞれ卵料理の
配合を表7に示す。表8に示すように、本発明品
は、鶏卵より調理時間が大巾に短縮され、使いや
すく簡便であつた。また、プレーンオムレツ、カ
スタードプリン、茶碗蒸しでは、本発明品が硬く
なる傾向にあり、加熱時間が短縮できる。官能的
には、同一加熱時間では本発明品の方が前述のよ
うに硬くなる傾向にあるが、時間を短縮すること
により、ほぼ同一の食感が得られる。スポンジケ
ーキでは、本発明品の方がキメが細かく食感がよ
く、ナイフでのカツト面がしつかりしていた。加
熱時間の短い薄焼き卵は、時間を調整できないた
め、若干硬めの食感であつたが、調理の失敗は全
くなく、調理性が著しく向上した。
【表】
【表】
【表】
【表】 〓−2 生卵より明らかに劣つている
比較試験例 4 流動曲線の比較 実施例1と同様に生全卵液〔サンプル(イ)〕を作
成し、これをナイロン・ポリプロピレンラミネー
ト袋(130mm×180mm)中に200gずつ分割シール
した。68.5〜69.5℃にコントロールした温水中に
入れ、全卵液温が65℃に達した後、25分間加熱し
た〔サンプル(ロ)〕。これをただちに流水で冷却し
た後、開封し、真空ホモゲナイザー(特殊機化工
業Type―M)で真空度650mmHgの減圧下で、
10000rpm3分間ホモゲナイズし、さらに圧力式ホ
モゲナイザー(マントンゴーリン15M―8TA型)
で吐出圧400Kg/cm2で均質化し、サンプル(ハ)を作
成した。また、サンプル(イ)を圧力式ホモゲナイザ
ー(マントンゴーリン15M―8TA型)で吐出圧
400Kg/cm2で均質化した生全卵液〔サンプル(ニ)〕
を、ナイロン・ポリプロピレンラミネート袋
(130mm×180mm)中に200gずつ分割シールし、
68.5〜69.5℃にコントロールした温水中に入れ、
全卵液温が65℃に達した後、25分間加熱した。こ
れをただちに流水で冷却し、サンプル(ホ)を作成し
た。 サンプル(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)の流動曲線は
第4
図のとおりで、本発明品は、加熱したにもかかわ
らず低粘度で、かつゲル性を示さない均質な液状
の加工全卵であつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は加熱時間に伴う蛋白未変性率の変化を
示すグラフ、第2図は蛋白変性率と粘度の関係を
示すグラフ、第3図は卵のDSCパターンを示す
グラフ、第4図は流動曲線を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 全卵の蛋白質の一部が加熱により変性してお
    り、その未変性部分が塩可溶性蛋白量比で生全卵
    の50〜90%、粘度が10〜4000cpの均質な液状で
    あり、かつ流動曲線においてゲル性を示さないこ
    とを特徴とする加工全卵。 2 全卵の蛋白質の一部が加熱により変性してお
    り、その未変性部分が塩可溶性蛋白量比で生全卵
    の50〜90%、粘度が10〜4000cpの範囲内の均質
    な液状であり、かつ流動曲線においてゲル性を示
    さない加工全卵を製造するに当り、液状に混合し
    た全卵を加熱殺菌した後、ホモゲナイズすること
    を特徴とする加工全卵の製造法。 3 ホモゲナイズを減圧下でのカツテイング式ホ
    モゲナイザーあるいは50Kg/cm2以上の圧力式ホモ
    ゲナイザーで行なう特許請求の範囲第2項記載の
    加工全卵の製造法。 4 加熱殺菌温度が65〜72.5℃であり、加熱殺菌
    時間が1〜300分間の範囲である特許請求の範囲
    第2項または第3項記載の加工全卵の製造法。 5 全卵の蛋白質の一部が加熱により変性してお
    り、その未変性部分が塩可溶性蛋白量比で生全卵
    の50〜90%、粘度が10〜4000cpの範囲内の均質
    な液状であり、かつ流動曲線においてゲル性を示
    さない加工全卵を製造するに当り、液状に混合し
    た全卵をホモゲナイズした後、加熱殺菌すること
    を特徴とする加工全卵の製造法。 6 ホモゲナイズを減圧下でのカツテイング式ホ
    モゲナイザーあるいは50Kg/cm2以上の圧力式ホモ
    ゲナイザーで行なう特許請求の範囲第5項記載の
    加工全卵の製造法。 7 加熱殺菌温度が65〜72.5℃であり、加熱殺菌
    時間が1〜300分間の範囲である特許請求の範囲
    第5項または第6項記載の加工全卵の製造法。
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