JPH0585968A - ヒドロゲンペルフルオロアルカンの合成 - Google Patents

ヒドロゲンペルフルオロアルカンの合成

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JPH0585968A
JPH0585968A JP4025522A JP2552292A JPH0585968A JP H0585968 A JPH0585968 A JP H0585968A JP 4025522 A JP4025522 A JP 4025522A JP 2552292 A JP2552292 A JP 2552292A JP H0585968 A JPH0585968 A JP H0585968A
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ピエール・デユリユアル
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C17/00Preparation of halogenated hydrocarbons
    • C07C17/23Preparation of halogenated hydrocarbons by dehalogenation

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】対応するヨウ化ペルフルオロアルキルRFIを
アルカリ金属水酸化物と反応させる際に、溶媒としての
メタノールを使用してヒドロゲンペルフルオロアルカン
FH[RFは炭素原子数2〜20のペルフルオロアルキ
ル基を表す]を合成する方法。 【効果】タールの生成が避けられ、出発RFIの変換が
ほぼ完全で且つ純度の高いRFHが得られ、また副産物
のアルカリ金属ヨウ化物が容易に回収される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明はフッ素化脂肪族炭化水素の分野に
関し、より特定的にはヒドロゲンペルフルオロアルカン
FH[式中、RFは炭素原子を2〜20個、好ましくは
2〜10個含み得る直鎖又は分枝鎖ペルフルオロアルキ
ル基を表す]の製造に関する。
【0002】ヒドロゲンペルフルオロアルカンは、例え
ば電子分野での不活性流体として、熱伝達流体として、
又は他のフッ素化化合物を合成するための中間生成物、
例えば一部(特にC817Br)が医学分野でX線不透
過物質(radiopaque、X線写真の造影剤)又
は血液代替物における酸素キャリヤーとして使用されて
いる臭化ペルフルオロアルキルRFBrを製造するため
の中間生成物として使用できる公知の化合物である。
【0003】多くの公知のヒドロゲンペルフルオロアル
カン製造方法のうち、工業製品であるヨウ化ペルフルオ
ロアルキルRFIから出発するという理由で最も好まし
い方法は、化合物RFIを100〜130°Cの温度で
アルコールカリと反応させる(J.Banusら、J.
Chem.Soc.1951,60、そして特にR.
N.Haszeldine,J.Chem.Soc.1
953,3761−8参照)か、又はRaneyニッケ
ルの存在下で圧力下の水素と反応させる(前出のR.
N.Haszeldineの論文及び仏国特許第2,1
16,524号参照)ことからなる。
【0004】後者の方法は最高の収率(>80%)をも
たらすと思われるが、操作を数十バールの水素圧下でオ
ートクレーブ内で実施しなければならないという欠点、
並びに製造されるヒドロゲンペルフルオロアルカンを汚
染する重複生成物(doubling product
s)RF−RFが生成されるため完全な選択性が得られな
いという欠点を有する。
【0005】前者の方法(アルコールカリでRFIを処
理する方法)にはこれらの欠点はないが、不都合なこと
に、化合物RFHの収率(27〜51%)がRF基の炭素
原子数の増加に共なって低下する(C37Hの場合には
51%、C817Hの場合には27%)という問題があ
る。更に、反応混合物の濾過を妨げヨウ化カリウム副産
物の回収を不可能にするタールの生成が見られる。これ
は、米国特許第4,618,731号で化合物RFCH2
CH2I及びRFIを不純物として含む2−ペルフルオロ
アルキルエタノールの精製に関連して使用されているイ
ソプロパノールをエタノールの代わりに使用しても同じ
ことである。
【0006】全く予想外のことに、本出願人は、メタノ
ールを使用するとタールが生成されず、出発RFIがほ
ぼ完全に変換されるだけでなく純度の極めて高いRF
が得られることを発見した。メタノールを使用すると、
副産物のアルカリ金属ヨウ化物を大部分回収することも
できる。
【0007】そこで本発明は、対応するヨウ化ペルフル
オロアルキルRFIをアルカリ金属水酸化物と反応させ
ることによりヒドロゲンペルフルオロアルカンを製造す
る方法であって、操作をメタノール中で行うことを特徴
とする方法を提供する。
【0008】アルカリ金属水酸化物としては水酸化カリ
ウムを使用するのが好ましい。なぜならその場合の副産
物であるヨウ化カリウムはメタノールの使用によって極
めて高い純度で容易に回収することができ、市場での需
要が高いからである。しかしながら、本発明では、別の
アルカリ金属の水酸化物、例えば水酸化ナトリウムを使
用することもできる。RFI1モル当たりのアルカリ金
属水酸化物の使用量は1〜5モルとし得、好ましくは
1.5〜3モルとする。
【0009】メタノールの使用量は広い範囲で変化させ
得る。但し、反応を生起させるに十分な接触を起こすた
めに試薬を部分的に溶解するのに十分な量でなければな
らない。通常は、RFI1kg当たり0.25〜3リッ
トル、好ましくは0.5〜1.5リットルのメタノール
を使用するのが適当である。
【0010】本発明の方法は、最初から総ての試薬(R
FI、アルカリ金属水酸化物、メタノール)を用いて実
施し得る。しかしながら、反応の発熱性に起因して発生
し得る過激な反応を防止するためには、RFIをアルカ
リ金属水酸化物のメタノール溶液に加える操作、又は該
溶液をRFIのメタノール溶液に加える操作を徐々に
(例えば1〜20時間、好ましくは2〜8時間かけて)
行うのが好ましい。
【0011】この反応は10〜66°Cの温度範囲で実
施し得、最適温度は当該RFHに依存する。
【0012】生成されたヒドロゲンペルフルオロアルカ
ンは反応混合物の蒸留によって回収できる。この蒸留で
は、RFH自体(C2〜C4化合物の場合)か、又はRF
/メタノール共沸混合物(C613H又はC817Hのよ
うな重質化合物の場合)が得られる。前記共沸混合物を
水で洗浄するとRFHが極めて純粋な形態で分離され
る。
【0013】また、特に、RFIをアルカリ金属水酸化
物のメタノール溶液に加えるか又はアルカリ金属水酸化
物のメタノール溶液をRFIのメタノール溶液に加えな
がら反応を徐々に生起させる場合には、RFH又はRF
/メタノール共沸混合物を連続的に蒸留しても有利であ
り得る。
【0014】以下に本発明の非限定的実施例を挙げる。
%は重量%である。
【0015】実施例I 撹拌機と温度計と滴下漏斗とを備えており且つ上方にガ
ラスパッキン付き分留塔と凝縮器とが取り付けられてい
る2リットル反応器内に、1リットルのメタノールと1
98gの85%カリ(3モルのKOH)とを導入し、次
いで1092g(2モル)のヨウ化ペルフルオロオクチ
ルを撹拌下で2時間かけて導入する。この反応は発熱性
である。
【0016】加熱によりC817H/メタノール共沸混
合物(59:41)を62〜63°Cで蒸留して500
gの水中に回収する操作を5時間行う。デカンテーショ
ンにより、純度99.4%のC817Hからなる下相
(825g)を分離する。収率は97.6%である。
【0017】反応器の底部の物質を濾過すると、純度9
7%のヨウ化カリウムからなる固体物質が279g得ら
れる(収率:84%)。
【0018】実施例2(比較用) 実施例1と同様に、但しメタノールの代わりに適量のエ
タノールを使用し且つ85%水酸化カリウムの使用量を
132g(2モルのKOH)にして、操作を行う。
【0019】塔頂(エタノール)で78°Cで3時間蒸
留すると、反応の停止が観察される。84.4%のC8
17Hと12.8%のエタノールと1.3%のC817
Iとの混合物が499g回収されてた。収率は50%で
ある。
【0020】反応器内に残っている反応混合物は真黒で
ある。これに85%カリを132g加え、蒸留を再開し
て2時間続ける。再び反応が停止し、81%のC817
Hと16.6%のエタノールと1.6%のC817Iと
を含む生成物が258g回収される。その結果、総収率
は75%となる。反応器内の中味は濾過不可能なタール
状黒色塊の形状を有する。
【0021】実施例3(比較用) 実施例1と同様に、但しメタノールの代わりにイソプロ
パノールを用いて操作を行う。74°Cまでの蒸留によ
って、20.6%のC817Hと21.8%のイソプロ
パノールと57.1%のアセトンとを含む均質相が10
2g回収される。
【0022】蒸留を74〜76°Cで続けると、2つの
相に分離される生成物が回収される。下相(250g)
は、67.4%のC817Hと24.1%のイソプロパ
ノールと8.2%のアセトンとを含んでいる。C817
Hの総収率は22.6%である。
【0023】蒸留の最後には反応器の中味が黒色塊状に
凝固し、そのため撹拌が阻止され、従って実験を中止し
なければならなくなる。
【0024】実施例4 実施例1と同じ手順で、400mlのメタノールと、1
07gの85%カリ(1.62モルのKOH)と446
g(1モル)のヨウ化ペルフルオロヘキシルとを用いて
操作を行う。
【0025】C613H/メタノール共沸混合物(8
9:11)を52.5〜53°Cで蒸留した後、蒸留を
塔頂で60°Cまで続け、次いで留出物(332g)を
200mlの水中に注ぐ。分離後、下相を水200ml
で洗浄する。その結果、純度99.7%のC613Hが
289g得られる。収率は90%である。
【0026】実施例5 撹拌器と温度計と−20°Cに冷却したガラスパッキン
付き分留塔とを備えた4リットル反応器内に、1.5リ
ットルのメタノールと296.5gの85%カリ(4.
5モルのKOH)とを導入する。この混合物の温度を3
5°Cまで上げ、1038g(3モル)のヨウ化ペルフ
ルオロブチルを4時間かけて導入する。その間、該反応
混合物の温度は40〜45°Cに維持する。
【0027】C49Iの導入中に、生成されたノナフル
オロブタンC49Hを塔頂(T=16°C)で蒸留す
る。メタノールとの共沸混合物を形成しないこの化合物
を、氷浴で冷却したフラスコ内に回収する。
【0028】C49Iの導入が終了したら、生成された
総てのC49Hを回収すべく、蒸留を塔頂で62°Cま
で続ける。その結果、純度99.3%(ペルフルオロオ
クタン0.1%、同伴C49I0.2%、メタノール
0.3%)のC49Hが647g得られる。収率は9
7.3%である。
【0029】実施例6 撹拌手段と加熱手段とを備えた2つの1リットル反応器
を直列に配置して使用する。0.5リットルのメタノー
ルに99gの85%カリ(1.5モルのKOH)を溶解
した溶液を第1の反応器内に導入し、0.5リットルの
メタノールに20gの85%カリ(0.3モルのKO
H)を溶解した溶液を第2の反応器内に導入する。
【0030】第1の反応器を30°Cに加熱し、次いで
246g(1モル)のヨウ化ペンタフルオロエチルを、
撹拌下で温度を30〜35°Cに維持しながら7時間か
けて導入する。
【0031】ガスは20〜25°Cに維持された撹拌下
の第2の反応器内に流入し、次いで水洗浄びん内に流入
し、その結果メタノールが除去される。これらのガスを
CaCl2で乾燥してから、ドライアイスで冷却したト
ラップ内に回収する。
【0032】C25Iの導入が終了したら、溶解C25
Hを総て回収すべく、第1の反応器の中味と第2の反応
器の中味とを順に還流で加熱する。
【0033】その結果、2%の残留C25Iを含むペン
タフルオロエタンが114g得られる。C25Hの収率
は93.1%である。
【0034】実施例7 撹拌機と温度計と滴下漏斗とを備えており且つ上方に水
冷ガラスパッキン付き第1分留塔部分と−25°Cに冷
却された第2分留塔部分とが取り付けられている2リッ
トル反応器内に、200mlのメタノールと1184g
(4モル)のヨウ化ペルフルオロイソプロピルとを導入
する。
【0035】反応器を40°Cに加熱し、次いで1.2
リットルのメタノールに420gの85%カリ(6.4
モルのKOH)を溶解した溶液を、温度を40〜45°
Cに維持しながら2時間半かけて導入する。この溶液の
導入中に蒸留するC37Hをドライアイスで冷却したト
ラップ内に回収する。
【0036】カリのメタノール溶液を全部導入した後、
生成されたC37Hを総て回収すべく、反応器の中味を
66°Cまで加熱する。その結果、純度99.5%のC
37Hが667.5g得られる。収率は97.7%であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アンドレ・ランテ フランス国、69390・ベルネゾン、ドメン ヌ・ドウ・ラ・エトレ(番地なし)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対応するヨウ化ペルフルオロアルキルRF
    Iをアルカリ金属水酸化物と反応させることにより、ヒ
    ドロゲンペルフルオロアルカンRFH[式中、RFは炭素
    原子数2〜20の直鎖又は分枝鎖ペルフルオロアルキル
    基を表す]を製造する方法であって、メタノール中で実
    施することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】アルカリ金属水酸化物が水酸化カリウムで
    ある請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】RFI1モル当たりのアルカリ金属水酸化
    物の使用量を1〜5モル、好ましくは1.5〜3モルと
    する請求項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】RFI1kg当たりのメタノール使用量を
    0.25〜3リットル、好ましくは0.5〜1.5リッ
    トルとする請求項1から3のいずれか一項に記載の方
    法。
  5. 【請求項5】RFIをアルカリ金属水酸化物のメタノー
    ル溶液中に、好ましくは2〜8時間かけて徐々に導入す
    る請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 【請求項6】アルカリ金属水酸化物のメタノール溶液を
    FIのメタノール溶液中に導入する請求項1から4の
    いずれか一項に記載の方法。
  7. 【請求項7】反応を10〜66°Cの温度範囲で生起さ
    せる請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 【請求項8】反応を、生成されたRFH又はこれとメタ
    ノールとの共沸混合物を蒸発させるのに十分な温度で生
    起させる請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 【請求項9】水酸化カリウムを使用し、副産物のヨウ化
    カリウムを残留反応混合物の濾過によって回収する請求
    項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】C2〜C10ヒドロゲンペルフルオロアル
    カン、特にC817Hの合成における請求項1から9の
    いずれか一項に記載の方法の使用。
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