JPH0585726A - 硫酸銀の回収方法 - Google Patents

硫酸銀の回収方法

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JPH0585726A
JPH0585726A JP27310491A JP27310491A JPH0585726A JP H0585726 A JPH0585726 A JP H0585726A JP 27310491 A JP27310491 A JP 27310491A JP 27310491 A JP27310491 A JP 27310491A JP H0585726 A JPH0585726 A JP H0585726A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】NaClを硫酸銀でマスキングしてCODを測
定した後の廃液から硫酸銀を高純度で回収する方法を提
供する。 【構成】NaClを硫酸銀でマスキングしてCODを測
定した後の廃液に、塩酸を添加して未反応硫酸銀を塩化
銀にする第1工程、塩化銀を微粉化する第2工程、微粉
化塩化銀を還元して粗銀にする第3工程、粗銀を洗浄す
る第4工程、粗銀に熱濃硫酸を添加して加熱し硫酸銀と
する第5工程よりなる。第3工程の還元を亜鉛又は鉛を
還元剤として行い、第4工程の洗浄を水,塩酸及びアン
モニア水を洗浄剤として行うこともできる。第2工程の
微粉化により、塩化銀の塊り中に存在している各種の不
純物が除去でき塩化銀の粗銀への還元が完全に行われ、
回収硫酸銀を高純度にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、NaClを硫酸銀によ
りマスキングしてCODを測定した後の廃液から硫酸銀
を回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】廃液中のCODを測定する際に、該廃液
中にNaClが存在する場合、ClイオンがCODの
測定値に影響を及ぼす。そこで、CODの測定に先立
ち、このNaClの除去(マスキング)が行われる。N
aClのマスキングには、各種の方法があり、Ag
を添加してAgClの沈澱とNaSOにする方
法もその1つである。ところで、このAgSOの添
加量は、理論的には、廃液中のNaClをAgClとN
SOにする量で充分であるが、CODの測定値を
正確にすべく、通常は、廃液中のNaClに対して大過
剰としている。例えば、0.2〜3wt%程度のNaC
lを含む廃液の場合は、廃液100mlに対し、1〜1
0gものAgSOを添加している。従って、COD
測定後の廃液は、未反応のAgSOと、NaClと
の反応生成物であるAgClとを多量に含んでいる。従
来は、この廃液中からAgを回収すべく、該廃液をHC
l酸性にして未反応のAgSOを全てAgClと
し、これを各種の方法、例えば還元法によりAgとした
り、硫酸等の薬剤で処理してAgSO等のAg化合
物とする等して回収している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な従来の回収方法では、AgあるいはAg化合物を高純
度で回収することができない。従って、例えば、上記の
ようなCOD測定の際のNaClのマスキング剤、ある
いはその他の試薬としてAg化合物を使用する場合、一
旦回収した後に、高純度にするための各種の処理を行う
必要があった。このため、高純度が要求される試薬とし
てのAg化合物のコストは極めて高く、延いてはこのよ
うな薬剤を使用する必要のある試験コスト自体も高額と
ならざるを得ない。
【0004】本発明は、このような実情下において、N
aClのマスキング剤としてAgSOを使用するC
OD測定操作の後の廃液から、該マスキング剤として問
題なく再使用することができる程度に純度の高いAg
SOを回収再生する方法を提案することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するため鋭意研究を行った結果、上記の廃液をH
Cl酸性にして得られるAgClの沈澱物を、該AgC
lの還元等の操作に先立って微粉化しておくことによ
り、回収再生Ag化合物(AgSO)を高純度とし
得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明の硫酸銀の回収方法は、
(1)NaClを硫酸銀によりマスキングしてCODを
測定した後の廃液に、塩酸を添加して未反応硫酸銀を塩
化銀にする第1工程、(2)第1工程後の塩化銀を微粉
化する第2工程、(3)第2工程で得られた微粉化塩化
銀を還元して粗銀にする第3工程、(4)第3工程で得
られた粗銀を洗浄する第4工程、(5)第4工程後の粗
銀に、濃硫酸を添加して加熱し硫酸銀とする第5工程、
よりなることを特徴とする。また、本発明の回収方法で
は、上記の第3工程の還元を、亜鉛又は鉛を還元剤とし
て行うことをも特徴とし、更に上記の第4工程の洗浄
を、水,塩酸及びアンモニア水を洗浄剤として行うこと
をも特徴とする。
【0007】以下、本発明の回収方法を、工程に沿っ
て、詳細に説明する。先ず、第1工程では、COD測定
後の廃液に塩酸を添加して、該廃液を塩酸酸性にし、A
gClの白色沈澱を生成させる。この塩酸の濃度は、低
過ぎると液量が多くなり反応も遅いため、1+1塩酸溶
液((濃塩酸1容と水1容の混合物)程度のものを使用
することが好ましい。また、上記濃度の塩酸の添加量
は、理論的には、該廃液中に存在している未反応のAg
SOの全てをAgClにする量でよいが、実際に
は、過剰量の塩酸を添加してAgClの生成を完全にす
る。工業的には、COD測定後の廃液を、塩酸酸性に保
持した貯槽に投入したり、貯槽に投入後に過剰量の塩酸
を加える等して、該貯槽にAgClの白色沈澱を生成さ
せ、貯溜する。貯槽に所定の量(例えば、貯槽容積の1
/3程度)のAgClが生成したなら、該AgClを貯
槽から取り出し、第2工程に移行させる。一方、上澄み
液は、塩酸添加により白色沈澱が生じなくなったなら、
中和した後、放流する。なお、貯槽に貯溜中の上澄み液
は、時々攪拌して、AgClを完全に沈澱させる。
【0008】次に、第2工程では、上記の第1工程後の
AgCl、すなわちCOD測定対象廃液中のNaClの
マスキングにより生成したAgClと、該マスキング剤
として使用したAgSOの未反応物を上記の第1工
程で処理して得られたAgClとの白色沈澱を微粉化
し、粉状又はスラリ状とする。微粉化程度は、特に限定
しないが、微細であればある程、回収製品の純度が高ま
り、好ましい。また、微粉化手段としては、ミキサによ
る粉砕法,2本のロール間を通過させる圧壊法,乳鉢に
よる粉砕法等の通常の粉砕手段の他に、家庭用のジュー
サ等も好ましく使用できる。工業的には、上記の貯槽か
ら取り出した所定量のAgClを、上記の適宜の粉砕手
段により、できるだけ微細に粉砕し、粉状あるいはスラ
リ状とする。微粉化AgClは、次の第3工程に移行す
る前に、吸引ロ過等により純水で洗浄し、ロ液のPHが
4〜5、好ましくは7近くになるまで、充分に洗浄す
る。
【0009】第3工程では、上記の第2工程で微粉化し
たAgClを還元して粗銀にする。この還元手法として
は、適宜の手法が採用できるが、本発明では、亜鉛又は
鉛を還元剤とする手法を採用する。この手法を採用する
理由は、後述するように還元設備(容器と攪拌手段の
み)及び操作(原則として攪拌操作のみ)が簡単である
上、後処理も容易であり、また還元剤が低コストで、か
つ入手し易いことにある。なお、還元剤としては、これ
らに限らず、Agよりもイオン化傾向が大きいものであ
れば適用可能である。但し、例えば、AgClを還元さ
せた後の生成物(すなわち、還元剤が酸化したもの)と
粗銀との分離、あるいは該生成物の処理等の後処理が容
易かつ簡単であり、かつ低コストで入手し易い等の要請
を満たす上では、上記の亜鉛又は鉛が好適である。
【0010】上記の亜鉛又は鉛により微粉化AgClを
還元するには、該AgClに適量(例えば、該AgCl
の体積の2倍程度)の水を加え、金属亜鉛又は金属鉛の
棒あるいは粉末を添加し、時々攪拌しながら常温で放置
するのみでよい。金属亜鉛又は金属鉛の棒あるいは粉末
の添加量は、理論的には、AgClの全てを還元して金
属銀にする量でよいが、実際には、1.2〜1.5倍程
度過剰に添加することが、還元速度を速める上で、また
還元反応を完結する上で好ましい。また、この還元手法
による場合、反応は弱酸性下で速く進み、かつ反応が進
むに伴って中性に近づくため、時々塩酸を加えて液をP
H3〜5程度の弱酸性に保持しておくことが好ましい。
【0011】なお、金属銀からAgClを除去すること
は極めて困難ないしは不可能であるため、第3工程にお
いて、AgClの還元が不充分で未反応AgClが残留
していると、回収AgSOの純度を低下させる。従
って、該工程では、AgClを完全に還元して金属銀と
しておくことが重要である。このAgClの還元が完了
しているか否かの判断は、種々の方法により行えるが、
簡単な判断方法としては、沈澱物の色の変化を観察する
方法がある。すなわち、沈澱物の色が紫色から金属銀の
色である灰色ないしは灰褐色になれば、還元反応がほぼ
完了しているとみてよい。沈澱物の色の変化により還元
反応の完了を判断する場合、還元剤として金属亜鉛又は
金属鉛の棒を使用することが好ましい。何故なら、粉末
状のものを使用すると、該粉末がAgClや金属銀の沈
澱物と混在してしまい、沈澱物の色の変化の判断が困難
になるからである。
【0012】第4工程では、上記のようにして得られた
金属銀(粗銀)を洗浄する。先ず、第3工程の還元反応
槽から粗銀を吸引ロ過等により取り出し、次いで、これ
を洗浄する。洗浄を完全にするために、本発明では、
水,塩酸及びアンモニア水を洗浄剤として使用する。す
なわち、第3工程により得られた粗銀を先ず水洗し、次
いで塩酸を加え、時々攪拌しながら放置する。この塩酸
による洗浄は、粗銀中に万一残留している亜鉛、鉛等の
金属を除去するために行うものである。このときの塩酸
の濃度は、1+1塩酸溶液程度のものを使用することが
好ましい。上記濃度の塩酸の添加量は、沈澱物が完全に
塩酸中に浸漬する程度とすることが、洗浄を完全にする
上で好ましい。また、60〜70℃程度に加熱すれば、
塩酸による洗浄(時々攪拌しつつ放置する)時間を短縮
することができる。
【0013】所定の時間(室温で放置する場合は24時
間程度、60〜70℃程度の加熱下で放置する場合は7
〜8時間程度)経過後、沈澱物を取り出し、純水で、洗
液が酸性を示さなくなるまで充分に洗浄する。次に、沈
澱物にアンモニア水を加え、時々攪拌しながら放置す
る。このアンモニア水による洗浄は、未反応のAgCl
を〔Ag(NHにして溶解させるために行う
ものである。このときのアンモニア水は、濃アンモニア
水(25%)を使用することが好ましい。上記の濃アン
モニア水の添加量は、沈澱物が完全にアンモニ水中に浸
漬する程度とすることが、洗浄を完全にする上で好まし
い。所定の時間(例えば、24時間程度)が経過した
後、沈澱物を取り出し、再び純水で、洗液がアルカリ性
を示さなくなるまで充分に洗浄する。
【0014】以上のようにして洗浄が完了した後、沈澱
物(粗銀)を乾燥する。このとき、粗銀中に水分が残っ
ていると、第5工程での濃硫酸の添加により発熱して危
険であるため、充分な乾燥を行う。一方、上記の洗浄工
程中、塩酸による洗浄時の洗液は、第1工程で添加する
塩酸として再使用することができ、アンモニア水による
洗浄時の洗液は、第2工程で使用した亜鉛又は鉛の後処
理用剤として使用することができる。
【0015】第5工程では、上記のようにして洗浄し、
乾燥した後の粗銀に濃硫酸を加え、加熱してAgSO
にする。このときの加熱温度は、余り低温であると上
記の反応が進まないため、300〜340℃程度とする
ことが好ましい。濃硫酸の添加量は、理論的には粗銀が
AgSOとなる量でよいが、反応を完全に行うため
に、実際には、理論量の3〜4倍程度の量とすることが
好ましい。添加は、静かに攪拌しつつ、徐々に行い、粗
銀の全体に濃硫酸が行き渡るようにする。所定量の濃硫
酸を添加した後、徐々に加熱し銀が溶け始めたなら、攪
拌して少し強く加熱して、銀を完全に溶かす。銀が完全
に溶けると、溶液は、褐色から無色透明になる。加熱を
続け、硫酸白煙が生じたなら、更に所定時間(例えば、
3時間程度)加熱して濃縮する。
【0016】以上のようにして、AgSOが再生さ
れるが、これを高純度で回収するには、次のような操作
を行う。上記の溶液を放冷し、自然ロ過して、溶液のみ
を取り出す。このロ過は、溶液が熱いうち(例えば、1
00〜120℃程度の時)に行い、その後、放冷するこ
とが、フィルタの目詰まりを生じず好ましい。ロ過の
後、硫酸白煙が生じなくなった時点で、冷却水を入れた
容器に少しづつ注入し、必要に応じて攪拌し、Ag
(白色沈澱)を完全に沈澱させる。この操作は、非
常に発熱するため、容器を冷却しつつ行うことが好まし
い。生じた沈澱はロ別し、冷水(純水)で洗液が酸性を
示さなくなるまで充分に洗浄する。その後、乾燥すれ
ば、純度99%のAgSO結晶が得られる。なお、
AgSO沈澱をロ別した後のロ液、及び該沈澱を洗
浄した後の洗液に、塩酸を加えてAgClの沈澱を生成
させる。この沈澱は、上記の第1工程後のAgClと合
わせて第2工程以降の回収工程に付し、ロ液は中和処理
後放流する。
【0017】
【作用】本発明の回収方法では、第1工程で未反応のA
SOがHClによりAgClになり、第2工程で
AgClが微粉化され、第3工程でAgClが還元され
て金属銀(粗銀)となり、第4工程で洗浄され、第5工
程で粗銀が熱濃硫酸によりAgSOとなる。上記の
第2工程の微粉化により、次のように推測される理由に
より、第5工程においてAgSOを高純度で回収す
ることができる。すなわち、微粉化前のAgClの塊り
中に、COD測定後の廃液中に存在していた各種の物質
が入り込んでしまっている場合、もし第2工程の微粉化
が無ければ、該物質を含んだまま第3工程の還元、第4
工程の洗浄、第5工程の熱濃硫酸による処理を経て、回
収製品であるAgSO中に持ち込まれ、該Ag
の純度を低下させる。これに対し、本発明の第2工
程で微粉化されれば、上記の塊り中に入り込んでいる各
種の物質が、遊離の状態となり、主として第4工程での
洗浄で除去され、また第3工程の還元液中に溶解した
り、第5工程の熱濃硫酸により処理されて分解する等し
て除去され、回収製品中に持ち込まれることは殆ど無い
か、あっても極く微量となり、また微粉化により粗銀へ
の還元が完全に行われ、洗浄工程を経て最終AgSO
中に不純物としてのAgClが入ってくることはな
く、製品の純度を飛躍的に高める。
【0018】また、本発明の回収方法において、第3工
程の還元を亜鉛又は鉛を還元剤として行う場合、AgC
lに水及び塩酸(弱酸性下)を入れ、これら還元剤を加
え、原則として時々攪拌しつつ放置するのみでよく、還
元設備及び操作が簡単である。しかも、後処理も容易で
ある上、還元剤が低コストで、入手もし易い。
【0019】更に、本発明の回収方法において、第4工
程の洗浄を水,塩酸及びアンモニア水を洗浄剤として行
う場合、塩酸が粗銀中に万一残留している亜鉛、鉛等の
金属を除去し、アンモニア水が未反応のAgClを〔A
g(NHにして溶解させ、水がこれを含む種
々の不純物を洗い流し、回収製品であるAgSO
純度の高いものとする。
【0020】
【実施例】本発明の回収方法の具体的な実施例を挙げ
る。 準備工程:CODが10ppm、NaClが3wt%、
油分が0.2ppm、残りが純水からなるサンプルを調
製した。 第1工程:このサンプル100mlに対しAgSO
(1級)10gの割合となるように、AgSOを添
加し、CODを測定した。この廃液に塩酸を加えてAg
Clの沈殿を生成させた。 第2工程:沈澱物(約300g)を取り出し、ミキサに
て約10分間微粉砕し、スラリ状にした。
【0021】第3工程:このスラリを、吸引ロ過によ
り、純水で、ロ液のPHが約5になるまで、充分洗浄し
た。洗浄後の沈澱物を約700g(水を加えた時の体積
約500ml)集め、4リットル程度の平らな透明容器
に入れ、純水約1リットルを加えた。この容器に、約5
0gの金属亜鉛棒5本を投入し、時々攪拌しながら約2
4時間放置した。このとき、沈澱物の色は、紫色と灰色
とが混合した色合いとなっていたため、更に時々攪拌し
ながら放置を続け、灰褐色になった時点で還元を終了し
た。この灰褐色の沈澱物を、ロ紙(5A)で吸引ロ過し
た(ここで得られたロ液を「ロ液1」と言う)。
【0022】第4工程:ロ過した沈澱物をビーカに移
し、ドラフト内で、1+1塩酸溶液約1リットルを加
え、24時間時々攪拌しながら室温で放置した。次い
で、沈澱物を吸引ロ過し、純水約1リットルで洗浄した
(ここで得られたロ液を「ロ液2」と言う)。この沈澱
物を約3リットルのビーカに移し、純水で攪拌洗浄した
後、吸引ロ過し、ロ液がPH約7になるまで純水で充分
洗浄した(ここで得られたロ液を「洗液1」と言う)。
洗浄後の泥状沈澱物を、ビーカに移し、アンモニア水
(1級)を加え、時々攪拌しながら約24時間放置し
た。次いで、吸引ロ過し、ロ液がPH約7になるまで純
水で充分洗浄した(ここで得られたロ液を「ロ液3」と
言う)。得られた泥状の沈澱物(灰色の粗銀)を約12
0℃で約8時間乾燥した。
【0023】第5工程:灰色の粗銀約250gを約1リ
ットルのビーカに入れ、濃硫酸約350mlを静かに加
え、ガラス棒で濃硫酸が全体に行き渡るように攪拌し、
時計皿で蓋をした。このビーカを、ドラフト内で、電熱
器上に移し、最初は徐々に、銀が溶解し始めたら一度攪
拌して少し強く加熱して300℃にした。銀が完全に溶
解した時、溶液の色は、褐色から無色透明に変わった。
硫酸白煙が生じてから更に3時間300℃で加熱濃縮を
続けた。
【0024】仕上げ工程:上記の溶液を電熱器からおろ
し、110℃まで冷却した後、予め加熱しておいたガラ
スフィルタ(24G−1)で自然ロ過し、やはり予め加
熱しておいたビーカでロ液を受け、放冷した。ビーカか
ら硫酸白煙が発生しなくなった時点で、約2リットルの
冷却純水を入れた水浴上のビーカに少しづつ静かに注入
し、白色沈澱を生じさせた。この時、上澄み液が濁って
いたため、上澄み液が澄むまで攪拌し、沈澱を完結させ
た。この白色沈澱をロ過し、冷却純水で、ロ液がPH約
7になるまで充分洗浄した(ここで得られたロ液を「ロ
液4」と言い、洗液を「洗液2」と言う)。洗浄後、1
20℃で1晩乾燥し、硫酸銀の白色結晶を得た。
【0025】後処理工程:上記のロ液4及び洗液2には
少量の硫酸銀が溶解しているため、これに1+1塩酸溶
液を加えてAgClの沈澱を生成させ、完全に沈降させ
た後、上澄み液はソーダ灰又は水酸化ナトリウムにより
中和して放流した。また、ロ液1とロ液3を合わせて水
酸化ナトリウム又は塩酸で中和し、水酸化亜鉛の白色沈
澱を生成し、完全に沈降させた後、ロ過し、ロ液は放流
した。更に、ロ液2と洗液1は、第1工程での未反応A
SOのAgClへの反応に再使用することができ
る。
【0026】以上の仕上げ工程にて回収された硫酸銀の
白色結晶0.1gを精秤し、硝酸5ml及び水50ml
を加えて溶解させた。この溶液に、鉄ミョウバンを指示
薬として0.1Nチオシアン酸アンモニウム液で滴定
し、上記の回収硫酸銀中の硫酸銀の含量を測定したとこ
ろ、0.099gのAgSOが含まれていた。一
方、市販の特級硫酸銀についても、上記と全く同様にし
て該特級硫酸銀中の硫酸銀の含量を測定したところ、や
はり0.099gのAgSOが含まれていた。これ
らの測定値により、本発明の回収方法で回収された硫酸
銀の純度は、市販の特級硫酸銀と何ら遜色ないことが確
認された。
【0027】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の回収方法
によれば、NaClのマスキング剤としてコストの高い
AgSOを使用してCODを測定した後の廃液か
ら、該AgSOを高純度で回収再生することができ
る。これにより、CODの測定値に影響を及ぼすNaC
lのマスキング剤としてのAgSOのコスト、延い
てはNaClを含むCODの測定コストを低減すること
ができる。また、本発明の回収方法は、特別な設備はも
とより、特別な薬剤をも必要とせず、従来から存在する
ミキサ等の微粉砕手段のみで、高純度のAgSO
回収することができ、従来のこの種のAgSOの回
収方法に比し、回収コストを大幅に低減することができ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)NaClを硫酸銀によりマスキン
    グしてCODを測定した後の廃液に、塩酸を添加して未
    反応硫酸銀を塩化銀にする第1工程、 (2)第1工程後の塩化銀を微粉化する第2工程、 (3)第2工程で得られた微粉化塩化銀を還元して粗銀
    にする第3工程、 (4)第3工程で得られた粗銀を洗浄する第4工程、 (5)第4工程後の粗銀に、濃硫酸を添加して加熱し硫
    酸銀とする第5工程、 よりなることを特徴とする硫酸銀の回収方法。
  2. 【請求項2】 第3工程の還元を、亜鉛又は鉛を還元剤
    として行うことを特徴とする請求項1に記載の硫酸銀の
    回収方法。
  3. 【請求項3】 第4工程の洗浄を、水,塩酸及びアンモ
    ニア水を洗浄剤として行うことを特徴とする請求項1又
    は2に記載の硫酸銀の回収方法。
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