JPH0585381U

JPH0585381U - ミシンの糸出発生防止装置

Info

Publication number: JPH0585381U
Application number: JP2617592U
Authority: JP
Inventors: 康広小原
Original assignee: 高島屋日発工業株式会社
Priority date: 1992-04-22
Filing date: 1992-04-22
Publication date: 1993-11-19

Abstract

(57)【要約】【目的】自動糸切り装置を備えたミシンにおける糸出
発生防止装置を提供すること。【構成】ミシンの外押さえ具６に、糸切り装置の作動
後に所定時間にわたり中押さえ具４の針落孔５に向かっ
て横方向から圧縮空気を噴出するノズル７を取り付けて
おき、縫製終了後に糸切り装置により切断された上糸１
の先端に空気を吹き付けてフリーな状態とする。このた
めに次の縫製のために押さえ具を下ろしても上糸１の先
端が押さえ具と布２との間に挟まれることがなく、布２
の下面に引き込まれる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動糸切り装置を備えたミシンの糸出発生防止装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

自動車用シートカバー等の縫製には、テーブルの下面に上糸の糸切り装置を備えた工業用ミシンが広く使用されている。しかしこのようなミシンでは、縫製終了と同時に糸切り装置にて上糸を切り、布の押さえ具を上昇させると、上糸が中押さえ具の針落孔から下方へ垂れ下がるため、図６に示すように次の布の縫製を開始するために押さえ具を下降させた際にこの上糸１が布２の上面と押さえ具の下面との間に挟まれてしまうこととなる。このために縫い初めの部分で上糸１が布２の表面に20〜30mm程飛び出した状態で残る糸出と呼ばれる欠点が発生し、この飛び出した糸を取り除く作業が必要となっていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記した従来の問題点を解決し、自動糸切り装置を備えたミシンにおける糸出を防止し、飛び出した糸を取り除く作業をなくすることができるミシンの糸出発生防止装置を提供するために完成されたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するための本考案は、テーブルの下面に上糸の糸切り装置を備えたミシンの外押さえ具に、糸切り装置の作動後に中押さえ具の針落孔に向かって圧縮空気を噴出するノズルを取り付けたことを特徴とするものである。

【０００５】

【実施例】

以下に本考案を図示の実施例によって更に詳細に説明する。図１において、３は縫い針、４は縫い針３が通る針落孔５を備えた中押さえ具、６は外押さえ具である。この外押さえ具６にはノズル７が取り付けられており、その先端付近に横向きに形成された空気噴出孔８から、中押さえ具４の針落孔５の方向に向かって圧縮空気を噴出するようになっている。換言すれば、空気噴出孔８の位置は縫い針３から垂れ下がった上糸１に対して圧縮空気が真横から吹き付けるようになっている。また図２に示すように、テーブル９の下面には上糸１の糸切り装置10が設けられており、縫製の終了後に自動的に上糸１を切断することができる。

【０００６】図３に示すように、ノズル７にはソレノイドバルブ11とフィルタレギュレータ 12とを介して圧縮空気が供給されるようになっている。そしてこのソレノイドバルブ11はミシンの操作部の返し縫いペダルに連動して動作するものである。図４はそのためのリレー回路の一例を示すものであり、Ｒ₁は返し縫いペダル 13が踏まれたときにミシン本体の駆動モータを動作させる第１のリレー、Ｒ₂は返し縫いペダル13から足を離した後に所定時間ソレノイドバルブ11を働かせるための第２のリレー、Ｔ₁はタイマーである。

【０００７】

【作用】

次に本考案の装置の作動を、リレー回路の動きとともに説明する。まず従来と同様に、縫い針３により布２を所定位置まで縫製し、その後に返し縫いペダル13を踏むことにより返し縫いを行う。このとき第１のリレーＲ₁のＡ接点（常開接点）14がオンとなり、タイマーＴ₁のＢ接点（常閉接点）15もオンであるため、第２のリレーＲ₂が動作し、そのＡ接点16により第２のリレーＲ₂ が自己保持される。

【０００８】そして返し縫いペダル13から足を離すと、縫い針３が下死点から上昇する途中の指定位置のタイミングで糸切り装置10が上糸１を切断し、縫い針３は上死点付近の指定位置で停止する。このように返し縫いペダル13から足が離れると、第１のリレーＲ₁はオフとなるため、第１のリレーＲ₁のＢ接点17がオンとなり、タイマーＴ₁とソレノイドバルブ11が作動を開始する。この結果、ノズル７の空気噴出孔８から圧縮空気が噴射され、上死点付近で停止した縫い針３から垂れ下がっている上糸１の下端を図１に示すように横方向に吹き飛ばす。

【０００９】その後タイマーＴ₁がカウントアップすると、そのＢ接点15がオフとなるために第２のリレーＲ₂が停止し、そのＡ接点18がオフとなるため、ソレノイドバルブ11が動作を停止する。このように、ソレノイドバルブ11は返し縫いペダル13から足が離れた後の所定時間だけ動作し、上糸１を横方向に吹き飛ばす。以上のリレー回路の動作は図５にまとめて示した通りである。

【００１０】上記したように、上糸１の先端を横方向に吹き飛ばしたフリーな状態としておくと、次の布２の縫製を開始するために押さえ具４、６を下ろしても、上糸１の先端が押さえ具４、６と布２との間に挟まれることがない。このため、図１に示すように縫製開始と同時に、上糸１の先端部は縫い針３によって布２の下側に引き込まれ、従来のような糸出と呼ばれる欠点が発生することがなく、飛び出した糸を取り除く必要がない。

【００１１】

【考案の効果】

以上に説明したように、本考案によれば自動糸切り装置を備えたミシンにおける糸出を簡便な機構により防止し、飛び出した糸を取り除く作業をなくすることができる。よって本考案は従来の問題点を解消したミシンの糸出発生防止装置として、その実用的価値は極めて大きいものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す斜視図である。

【図２】本考案の実施例を示す断面図である。

【図３】実施例における空気配管を示す配管系統図であ
る。

【図４】実施例におけるリレー回路を示す回路図であ
る。

【図５】実施例におけるリレー回路の動作を示すタイム
チャートである。

【図６】従来例を示す断面図である。

【符号の説明】

１上糸４中押さえ具５針落孔６外押さえ具７ノズル９テーブル 10 糸切り装置

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】テーブルの下面に上糸の糸切り装置を備
えたミシンの外押さえ具に、糸切り装置の作動後に中押
さえ具の針落孔に向かって圧縮空気を噴出するノズルを
取り付けたことを特徴とするミシンの糸出発生防止装
置。