JPH0666578U - ミシン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】自動的に布切りを行なうことができ、かつ、確
実に布切りを行なうことができるミシンを提供する。 【構成】上下動する針（２）を有するミシン頭部と、針
に対してＸＹ方向に相対移動可能とした布保持手段（１
１）と、針の上下動を駆動または停止状態にする針駆動
手段（１６）と、布保持手段をＸまたはＹ方向に移動す
る移動手段（１７）と、布切りメスと布切りメスを回転
する回転手段（８）と布切りメスを布保持手段が保持し
た布を切断可能とする下方位置および布から離隔する上
方位置の間に上下動する上下動手段（５）とを有し、針
に対して水平方向に離隔して配置した布切り手段と、駆
動手段の停止状態において、布切りメスを下方位置にし
て回転しながら移動手段を移動する制御手段（１９）
と、布切りメスにより切断される布の下方から布切りメ
ス付近に向けてエアを噴出するエア噴出手段（３０）と
を備える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はミシンに係り、特に回転する布切りメスを有するミシンに関する。

【０００２】

【従来の技術】

ポロシャツの前立て等を縫製する場合、図６（Ａ）に示すように、当布２３と 身頃地２２を重ね合わせ、図６（Ｂ）に示すように、地縫いを行なってＵ字形状 の縫目線２５を形成する。次いで図６（Ｃ）に示すように、Ｕ字形状の縫目線の 間を切断する布切り作業を行なうが、この布切り作業を、ハサミによって行なっ ている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このようにハサミを用いて手作業で布切りを行なうため、作業効率が低くなっ ている。

【０００４】 従って、本考案の目的は、自動的に布切りを行なうことができるミシンを提供 することにある。

【０００５】 また、本考案の他の目的は、確実に布切りを行なうことができるミシンを提供 することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案によるミシンは、上下動する針を有するミシン頭部と、上記針に対して ＸＹ方向に相対移動可能とした布保持手段と、上記針の上下動を駆動または停止 状態にする針駆動手段と、上記布保持手段をＸまたはＹ方向に移動する移動手段 と、布切りメスと上記布切りメスを回転する回転手段と上記布切りメスを布保持 手段が保持した布を切断可能とする下方位置および布から離隔する上方位置の間 に上下動する上下動手段とを有し、上記針に対して水平方向に離隔して配置した 布切り手段と、上記駆動手段の停止状態において、上記布切りメスを下方位置に して回転しながら移動手段を移動する制御手段と、上記布切りメスにより切断さ れる布の下方から上記布切りメス付近に向けてエアを噴出するエア噴出手段とを 備える。 さらに、上記エアにより布が上方へ逃げるのを防止する布浮き防止板を設ける ことが好ましい。

【０００７】

【作用】

縫いデータに基づいての公知の方法による縫製作業が終了し、針の上下動を駆 動または停止状態にする針駆動手段の停止状態において、布切りメスを上下動さ せる上下動手段を駆動して布切りメスを下降させる。

【０００８】 布切りメスが布を切断可能とする下方位置まで下降したら布切りメスを回転さ せる回転手段を駆動して布切りを行なう。

【０００９】 この布切りを行なっているとき、エア噴出手段により、布の下方から布切りメ ス付近に向けてエアが噴出され、布の逃げを防止する。 布切り終了後、上下動手段により布切りメスは上昇される。

【００１０】

【実施例】

以下、図面に基づいて本考案の一実施例を説明する。

【００１１】 図１は本考案の一実施例の主要部の斜示図である。

【００１２】 ミシンは、図示しないベッド上に固定されたミシン頭部１を有し、該ミシン頭 部１は上下動する針２を有する

【００１３】 ミシン頭部１の側方部にほぼＬ字型の布切り手段取付具３が固定され、該布切 り手段取付具３にシリンダ取付具４を介してシリンダ５が固定されている。

【００１４】 シリンダ５のロッド６には、上下動板７が固定され、該上下動板７に、メス回 転モータ８およびベルト９を介して該モータによって回転駆動される布切りメス １０が取付けられている。

【００１５】 これら布切り手段取付具３、シリンダ取付具４、シリンダ５、ロッド６、上下 動板７、メス回転モータ８、ベルト９および布切りメス１０は布切り手段を構成 する。 布切りメス１０の下方のミシンベッドにエア噴出ノズル３０が設けられている 。

【００１６】 ミシン頭部１の下方には、布を保持するクランプ１１が設けられている。この クランプ１１は、図示しないＸＹ駆動手段により、針２に対してＸまたはＹ方向 に相対移動可能とされている。 図２は図１の布切り手段を拡大して示した図である。

【００１７】 上下動板７の下方にメス軸１２が固定され、該メス軸１２に回転可能に装着さ れたプーリ１３に布切りメス１０が固定されている。この布切りメス１０は円形 のものである。

【００１８】 また、メス回転モータ８の回転軸１４にもプーリ１５が固定され、このプーリ １５と上記メス軸１２に装着されたプーリ１３との間にベルト９が掛け渡されて いる。

【００１９】 上下動板７の下端には、水平の布浮き防止板３２が固定されている。この布浮 き防止板３２は布切りメス１０の下端よりも少し上方に設けられ、布切りメス１ ０による布の切断を妨げないように切れ込み３２Ａを形成されている。

【００２０】 上下動板７は、クランプ１１により保持される布を布切りメス１０が切断可能 な位置（下方位置）までシリンダ５により下方に移動される。

【００２１】 布切り手段取付具３にはこの下方位置に達したときに作動する（オンになる） センサＳＷ２と、布切りメス１０が布から離隔する位置（上方位置）たとえばシ リンダ５が不作動状態における最高位に達したときに作動する（オンになる）セ ンサＳＷ１とが設けられている。なお、図示した状態は、シリンダ５が不作動状 態にあり、センサＳＷ１が作動している。

【００２２】 図３（Ａ）はエア噴出ノズル３０および布浮き防止板３２が設けられていない 場合、布切りメス１０が図中のＡ方向に回転して布２１を切断する状態を示す該 略図であり、図３（Ｂ）は図３（Ａ）のＢ部分のみを拡大して示す図である。こ の場合、図３（Ｂ）のＣ方向に布２１が逃げるため、切り込み量が不安定となり 、切り込み不良が発生するおそれがある。

【００２３】 図４（Ａ）および（Ｂ）は、本実施例の装置により、エア噴出ノズル３０によ り下方からエアを噴出している状態を示す該略図である。このようにエアにより 布２１を上方へ押し上げることにより、布２１が図３（Ｂ）のＣ方向へ逃げるこ とによる切り込み不良を防止することができる。

【００２４】 このとき、エアの噴出圧により、布２１が上方に逃げる傾向にあるが、布浮き 防止板３２によりこの逃げが防止される。

【００２５】 なお、エア噴出ノズル３０によるエアの噴出量を調整することにより、布２１ の上方への逃げを防止することができる場合は、布浮き防止板３２を設ける必要 がない。 図５は上記実施例のミシンの駆動制御関係の構成ブロック図である。

【００２６】 針２は針駆動手段１６により上下動を駆動または停止状態にされる。

【００２７】 クランプ１１はＸＹ移動手段１７により、針２に対してＸまたはＹ方向に相対 移動可能とされている。

【００２８】 また、布切りメス１０は上述のように、メス回転モータ８によって回転され、 シリンダ５によって上下動される。

【００２９】 これら針駆動手段１６、ＸＹ移動手段１７およびメス回転モータ８は制御手段 １９に接続され、該制御手段１９によって制御される。また、エア噴出ノズル３ ０も制御手段１９に接続され、制御される。

【００３０】 さらに、布切りメス１０が下方位置に下降したかどうか、および上方位置まで 上昇したかどうかを判定するため、２つのセンサＳＷ１，ＳＷ２が制御手段１９ に接続されている。

【００３１】 記憶手段１８は、縫いデータと布切りデータを記憶している。この縫いデータ は、クランプ１１に保持した布に対して所定の縫目形状の縫目を形成してから停 止するように、針駆動手段１６とＸＹ移動手段１７を制御するためのデータであ る。

【００３２】 また、布切りデータは、所定の縫目形状の縫目に対応する布の位置を切断する ようにメス回転モータ８とＸＹ移動手段１７および針駆動手段１６を制御するた めのデータである。

【００３３】 制御手段１９は、記憶手段１８内に記憶された縫いデータおよび布切りデータ に基づいて針駆動手段１６、ＸＹ移動手段１７および記憶手段１８を制御して所 望の縫製および布切りを行なう。

【００３４】 本実施例においては、上記布切りデータは、記憶手段１８内の縫いデータに基 づいて演算手段２０が所定の縫目形状の縫目に対応する布の切断位置を演算した ものを同じ記憶手段１８内に格納したものである。したがって、オペレータが布 切りデータを入力する必要がない。

【００３５】 このような演算手段２０を用いず、オペレータが操作パネル２６等から布切り データを入力することも可能である。

【００３６】 制御手段１９には操作パネル２６が接続されている。この操作パネル２６は、 オペレータがミシンの起動指令を行なうためのスイッチ等が設けられている。

【００３７】 なお、上記記憶手段１８にはその他のデータや制御手段１９の行なう制御プロ グラム等を記憶することができる。あるいは、これらのデータやプログラムは図 示しない他の記憶手段に記憶することができる。

【００３８】 以上説明した実施例の装置により、前立て等を縫製・布切りを行なう際の制御 手段１９が実行するプログラムの手順を説明すると、まず、縫いデータに基づい ての公知の方法による縫製作業を行なう。該縫製作業が終了すると、針駆動手段 １６を停止状態にしながら、シリンダ５を駆動して布切りメス１０を下降させる 。

【００３９】 布切りメス１０が布を切断可能とする下方位置まで下降したらメス回転モータ ８を駆動すると共にエア噴出ノズル３０を駆動して布の下方からエアを噴出させ ながら布切りを行なう。このエアにより布の逃げが防止される。

【００４０】 布切り終了後、メス回転モータ８およびエア噴出ノズル３０を停止し、シリン ダ５により布切りメスを上方位置まで上昇する。

【００４１】 以上、本考案を図面に示した一実施例に基づいて説明したが、本考案はこの実 施例には限定されず種々変形可能である。

【００４２】

【考案の効果】

本考案によれば、自動的に布切りを行なうことができ、かつ確実に布切りを行 なうことができるミシンが提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の全体図の斜示図である。

【図２】図１の布切り手段を拡大して示した図である。

【図３】本考案によるエア噴出手段のない装置を用いて
布を切断する際の布の逃げを説明するための図である。

【図４】図１の実施例の装置により布を切断している状
態を示す該略図である。

【図５】図１の実施例のミシンの駆動制御関係の構成ブ
ロック図である。

【図６】ポロシャツの前立て等を縫製する場合の従来方
法を説明するための図である。

【符号の説明】

１ ミシン頭部 ２ 針 ３ 布切り手段取付具 ４ シリンダ取付具 ５ シリンダ ６ ロッド ７ 上下動板 ８ メス回転モータ ９ ベルト １０ 布切りメス １１ クランプ １２ メス軸 １３ プーリ １４ 回転軸 １５ プーリ １６ 針駆動手段 １７ ＸＹ移動手段 １８ 記憶手段 １９ 制御手段 ２０ 演算手段 ２１ 布 ２２ 身頃地 ２３ 当布 ２５ 縫目線 ２６ 操作パネル ３０ エア噴出ノズル ３２ 布浮き防止板 ３２Ａ 切れ込み

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上下動する針を有するミシン頭部と、 上記針に対してＸＹ方向に相対移動可能とした布保持手
   段と、 上記針の上下動を駆動または停止状態にする針駆動手段
   と、 上記布保持手段をＸまたはＹ方向に移動する移動手段
   と、 布切りメスと上記布切りメスを回転する回転手段と、上
   記布切りメスを布保持手段が保持した布を切断可能とす
   る下方位置および布から離隔する上方位置の間に上下動
   する上下動手段とを有し、上記針に対して水平方向に離
   隔して配置した布切り手段と、 上記針駆動手段の停止状態において、上記布切りメスを
   下方位置にして回転しながら移動手段を移動する制御手
   段と、 上記布切りメスにより切断される布の下方から上記布切
   りメス付近に向けてエアを噴出するエア噴出手段、 とを備えたミシン。
2. 【請求項２】請求項１記載のミシンにおいて、上記エア
   により布が上方へ逃げるのを防止する布浮き防止板を設
   けたことを特徴とするミシン。