JPH0585150U - 電話通信用信号電源装置の試験用疑似負荷装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電話通信用信号電源装置の負荷試験を迅速、
確実に行うことのできる疑似負荷装置を提供する。 【構成】 呼出信号に対する疑似負荷は信号電源装置の
容量と信号種別によって異なるので、切替器１２，１
３，１４によって疑似負荷２１を形成する蓄電器と抵抗
器の接続を切替えて、所定の値が得られるように構成す
る。ダイヤルトーン及び呼出音に対する疑似負荷は抵抗
１７，１８で構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、交換機新設工事の際に行う電話通信用信号電源装置の試験に用いる 疑似負荷装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

電話通信用信号電源装置の試験は、該信号電源装置の出力である呼出信号１６ Ｈｚとダイヤルトーン４００Ｈｚと呼出音４００／１６Ｈｚについて、標準負荷 状態（信号電源装置容量の５０％負荷）における所定の電流を流したとき、前記 各周波数の信号が、それぞれ他の信号回路ケーブル区間に誘導される電圧を測定 し、該電圧が雑音電圧の規格範囲内に入っているかを確認するものである。

【０００３】 従来、この試験に際して、呼出信号１６Ｈｚについては、標準負荷電流を流す 疑似負荷は工事現場において、信号電源装置の容量に対応して、その都度、複数 の蓄電器と複数の抵抗器とを組合せて所定の値となるように作成していた。

【０００４】 前記、標準負荷状態の１例を表１に示す。

【０００５】

【表１】

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

前記のように、信号電源装置の試験に当っては、工事現場において、その都度 、信号出力ごとに試験回路を組み試験を行っていた。特に、呼出信号（１６Ｈｚ ）の場合は、信号電源装置の容量が５０Ｗと１００Ｗがあり、しかも、従来のア ナログ交換機用（７５Ｖ、ＣＲ−２という）とデジタル交換機用（７９Ｖ，ＣＲ −１という）とがあるので、容量と信号種別（ＣＲ−１，ＣＲ−２）の組合せに より負荷インピーダンスが異なる。

【０００７】 従って、疑似負荷を構成する蓄電器の容量と抵抗値を変更する必要があるので 、容量の異なる複数の蓄電器と抵抗値の異なる複数の抵抗器とを予め用意してお き、その都度接続替えを行っていたが、これら部品と大地間の絶縁に配慮しなけ ればならず、試験開始前の準備作業に多くの時間を要するという問題点があった 。また、部品点数が多いためそのまま移動するのが困難であった。

【０００８】 本考案は、交換機の新設工事の際に行う信号電源装置の試験に当って、各信号 出力に対する疑似負荷を、その都度組立てることなく、必要最小限の蓄電器と、 抵抗器とを切替器によって接続替えして所定のインピーダンスの疑似負荷が得ら れるようにし、大地に対する絶縁も良好で使用場所に関係なく、作業性がよく、 安全性の高い小形、軽量な可搬形疑似負荷装置を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

前記の目的を達成するために本考案は、電話通信用信号電源装置の試験に用い る疑似負荷装置において、前記信号電源装置から出力される呼出信号、ダイヤル トーン、呼出音の各信号に対応する３対の入力端子と、該入力端子の各対ごとの 一方の端子にそれぞれ接続した警報ヒューズと、該警報ヒューズのいづれかが溶 断したとき鳴動するブザーと、前記各入力端子に入力される信号の有無を視認す る状態と、負荷試験を行う状態とに切替える切替器と、前記視認に用いる表示灯 と、前記負荷試験に用いる所定の値の疑似負荷とからなり、前記、呼出信号の負 荷試験に用いる疑似負荷は、前記信号電源装置の定格容量並びに信号種別とに対 応する所定の値のインピーダンスとするため容量の異なる複数の蓄電器と、抵抗 値の異なる複数の抵抗器と、該蓄電器と抵抗器との接続替えする複数の切替器と により構成し、前記蓄電器に充電された電荷を放電するのに用いる複数の切替器 と放電抵抗器とを付加して疑似負荷装置を構成する。

【００１０】

【作用】

本考案は、上記のように疑似負荷装置を構成したので、持ち運びが容易となり 、交換機新設工事現場に、本装置を持参して交換機の信号電源装置架のＵジャッ クから各信号を引出して本考案の装置の入力端子へ接続し、各信号ごとに切替器 によって所定の値の疑似負荷を切替えて迅速に負荷試験を行うことができる。

【００１１】

【実施例】

図１は本考案の１実施例のブロック図、図２は図１の実施例の回路図、図３は 呼出信号ＣＲに対する疑似負荷の信号電源装置の容量並びに信号種別ごとの等価 回路図、 図４は本考案の１実施例の外観斜視図で、図４（ａ）は前面斜視図、図４（ｂ） は背面斜視図である。

【００１２】 図１および、図２において、１Ａ，１Ｂは呼出信号ＣＲ（１６Ｈｚ）の入力端 子、２Ａ，２ＢはダイヤルトーンＤＴ（４００Ｈｚ）の入力端子、３Ａ，３Ｂは 呼出音ＲＢＴ（４００Ｈｚ／１６Ｈｚ）の入力端子、４，５，６は警報ヒューズ 、７はブザー、８，９，１０は表示灯、１１，１５，１６はそれぞれ、ＣＲ，Ｄ Ｔ，ＲＢＴ信号の入力の有無の確認と試験の切替器、１２は信号電源装置の容量 の定格切替器、１３，１４は、切替器１２の切替えに対応する信号種別（ＣＲ− １，ＣＲ−２）切替器、１７はダイヤルトーンＤＴ信号用疑似負荷抵抗、１８は 呼出音ＲＢＴ信号用疑似負荷抵抗であって、以上が、図４に示す上の筐体に収容 されている。１９は蓄電器の電荷放電用切替器、２０は放電抵抗、２１はＣＲ信 号に対する疑似負荷で、蓄電器Ｃと抵抗Ｒの直列回路であって、以上が図４に示 す下の筐体に収容されている。

【００１３】 以下、本考案の実施例の操作手順を説明する。（以下の説明では切替器はＳＷ と記す） １．呼出信号ＣＲ（１６Ｈｚ）の負荷試験中に、ダイヤルトーンＤＴ（４００Ｈ ｚ）回路と呼出音ＲＢＴ（４００Ｈｚ／１６Ｈｚ）回路に誘導される１６Ｈｚの 電圧のレベルを測定する。

【００１４】 １．１ ５０Ｗ ＣＲ−１試験の場合 （１） 各ＳＷは全て「中立（ＯＦＦ）」の位置におく。

【００１５】 （２） ＣＲ入力端子１Ａ，１Ｂへバナナチップ端子付きリード線を用いて信 号電源装置のＣＲ出力を接続する。

【００１６】 （３） ＣＲ・ＳＷ１１を「確認側」に倒すとＣＲ信号の有無を確認すること ができる。（表示灯８が点灯） （４） ＣＲ・ＳＷ１１を「試験側」に倒す。（表示灯８が消灯） （５） ５０Ｗ／１００Ｗ切替ＳＷ１２を「５０Ｗ側」に倒す。

【００１７】 （６） ５０ＷＣＲ−１，ＣＲ−２切替ＳＷ１３を「ＣＲ−１側」へ倒す。（ 疑似負荷７０μＦ＋１９０Ωが接続される） （７） 雑音電圧測定器を、ＤＴ，ＢＴ，ＲＢＴ回路に接続し１６Ｈｚの誘導 電圧を測定する。

【００１８】 １．２ ５０Ｗ ＣＲ−２試験の場合 （１），（２），（３），（４），（５）は１．１項と同じ。

【００１９】 （６） ５０ＷＣＲ−１，ＣＲ−２切替ＳＷ１３を「ＣＲ−２側」へ倒す。（ 疑似負荷７４μＦ＋１８０Ωが接続される） （７）は１．１．項と同じ。

【００２０】 １．３ １００Ｗ ＣＲ−１試験の場合 （１），（２），（３），（４）は１．１項と同じ。

【００２１】 （５） ５０Ｗ／１００Ｗ切替ＳＷ１２を「１００Ｗ側」に倒す。

【００２２】 （６） １００ＷＣＲ−１，ＣＲ−２切替ＳＷ１４を「ＣＲ−１側」へ倒す。 （疑似負荷１４１μＦ＋９４Ωが接続される） （７） １．１項と同じ １．４ １００Ｗ ＣＲ−２試験の場合 （１），（２），（３），（４）は１．１項と同じ （５） ５０Ｗ／１００Ｗ切替ＳＷ１２を「１００Ｗ側」に倒す。

【００２３】 （６）１００ＷＣＲ−１，ＣＲ−２切替ＳＷを「ＣＲ−２側」へ倒す。（疑似 負荷１４８μＦ＋９０Ωが接続される） （７）は１．１項と同じ ２．ダイヤルトーンＤＴ（４００Ｈｚ）の負荷試験中に、呼出信号ＣＲ（１６Ｈ ｚ）回路と、呼出音ＲＢＴ（４００Ｈｚ／１６Ｈｚ）回路に誘導する４００Ｈｚ の電圧のレベルを測定する。

【００２４】 （１） 各ＳＷは全て「中立（ＯＦＦ）」の位置におく。

【００２５】 （２） ＤＴ入力端子２Ａ，２Ｂへバナナチップ端子付きリード線を用いて信 号電源装置のＤＴ出力を接続する。

【００２６】 （３） ＤＴ・ＳＷ１５を「確認側」に倒すとＤＴ信号の有無を確認すること ができる。（表示灯９が点灯、輝度を調節可能） （４） ＤＴ・ＳＷ１５を「試験側」に倒す。（表示灯９が消灯）（疑似負荷 ２４Ωが接続される） （５） 雑音電圧測定器をＣＲ−１，ＣＲ−２，ＩＲＡ，ＩＲＢ，ＩＲＣ，Ｒ ＢＴ回路に接続し、４００Ｈｚの誘導電圧を測定する。

【００２７】 ３．呼出音ＲＢＴ（４００Ｈｚ／１６Ｈｚ）の負荷試験中に、呼出信号（１６Ｈ ｚ）回路とダイヤルトーン（４００Ｈｚ）回路に誘導する４００Ｈｚ／１６Ｈｚ の電圧のレベルを測定する。

【００２８】 （１） 各ＳＷは全て「中立（ＯＦＦ）」の位置におく。

【００２９】 （２） ＲＢＴ入力端子３Ａ，３Ｂへバナナチップ端子付きリード線を用いて 信号電源装置のＲＢＴ出力を接続する。

【００３０】 （３） ＲＢＴ・ＳＷ１６を「確認側」に倒すとＲＢＴ信号の有無を確認する ことができる。（表示灯１０が点灯、輝度を調節可能） （４） ＲＢＴ・ＳＷ１６を「試験側」に倒す。（表示灯１０が消灯）（疑似 負荷６０Ωが接続される） （５） 雑音電圧測定器を（ＣＲ−１，ＣＲ−２，ＩＲＡ，ＩＲＢ，ＩＲＣ， ＤＴ，ＢＴ）回路に接続し４００Ｈ／１６Ｈｚの誘導電圧を測定する。

【００３１】 以上のように本考案の疑似負荷装置を用いれば、信号電源装置の容量、信号種 別に関係なく呼出信号ＣＲ、ダイヤルトーンＤＴ及び呼出音ＲＢＴについて、標 準負荷状態の疑似負荷に切替えて負荷試験を行うことができる。

【００３２】 図３は呼出信号ＣＲに対する疑似負荷の、信号電源装置の容量並びに、信号種 別ごとの等価回路図である。

【００３３】 本考案の装置は入力回路に警報ヒューズ４，５，６を設けてあるので、試験中 に誤操作等で過電流（ＣＲは１．３Ａ，ＤＴは０．３Ａ，ＲＢＴは０．３Ａ）が 流れた場合には、ヒューズが溶断し、ブザーが鳴動し異常を通報することにより 、試験を確実に行うことができる。

【００３４】 各試験項目ごとに、試験終了時に放電ＳＷ１９を「ＯＮ側」に倒すと、放電抵 抗２０が挿入され残留電荷を放電するので試験実施時の測定結果が正確な値とな る。また、ノンロックスイッチ採用により切り忘れ等の問題を解消できる。なお 、本考案の疑似負荷装置は、信号電源装置の温度上昇試験、負荷特性試験、雑音 電圧試験実施時の負荷抵抗器としても使用できる。

【００３５】

【考案の効果】

以上、詳細に説明したように、従来、信号電源装置の試験に当っては、疑似負 荷の抵抗値、容量の調整、負荷の変更、試験回路の作成・操作等に複数の作業員 が必要であったが、本考案の疑似負荷装置の使用により、一人作業が可能となる という効果が期待できる。さらに、本装置は小形軽量であるので、持ち運びが容 易であり、従来は工事現場で試験回路を作成していたので絶縁に注意を拂う必要 があったが、本装置を持参すれば絶縁については考慮する必要がなくなるので、 工事試験実施時の作業性、安全性が向上するという顕著な効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の１実施例のブロック図である。

【図２】図１の実施例の回路図である。

【図３】呼出信号ＣＲに対する疑似負荷の信号電源装置
の容量並びに信号種別ごとの等価回路図である。

【図４】本考案の１実施例の外観図斜視図で、図４
（ａ）は前面斜視図、図４（ｂ）は背面斜視図である。

【符号の説明】

１Ａ，１Ｂ 呼出信号ＣＲ（１６Ｈｚ）入力端子 ２Ａ，２Ｂ ダイヤルトーンＤＴ（４００Ｈｚ）入
力端子 ３Ａ，３Ｂ 呼出音ＲＢＴ（４００Ｈｚ／１６Ｈ
ｚ）入力端子 ４，５，６ 警報ヒューズ ８，９，１０ 表示灯 １１ 呼出信号ＣＲ確認／試験切替器 １５ ダイヤルトーンＤＴ確認／試験切替器 １６ 呼出音ＲＢＴ確認／試験切替器 １２ 信号電源装置の容量の定格切替器 １３，１４ 信号種別切替器 １７ ダイヤルトーンＤＴ信号用、疑似負荷
抵抗 １８ 呼出音ＲＢＴ信号用疑似負荷抵抗 １９ａ，ｂ，ｃ，ｄ 電荷放電用切替器 ２０ 放電抵抗 ２１ 呼出信号ＣＲ用疑似負荷

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電話通信用信号電源装置の試験に用いる
   疑似負荷装置において、前記信号電源装置から出力され
   る呼出信号、ダイヤルトーン、呼出音の各信号に対応す
   る３対の入力端子と、該入力端子の各対ごとの一方の端
   子にそれぞれ接続した警報ヒューズと、該警報ヒューズ
   のいづれかが溶断したとき鳴動するブザーと、前記各入
   力端子に入力される信号の有無を視認する状態と、負荷
   試験を行う状態とに切替える切替器と、前記各入力信号
   の有無を視認する表示灯と、前記負荷試験に用いる所定
   の値の疑似負荷とからなる電話通信用信号電源装置の試
   験用疑似負荷装置。
2. 【請求項２】 前記、呼出信号の負荷試験に用いる疑似
   負荷は、前記信号電源装置の定格容量並びに信号種別と
   に対応する所定の値のインピーダンスとなるよう所定の
   容量を有する複数の蓄電器と、所定の抵抗値を有する複
   数の抵抗器と、該蓄電器と抵抗器との接続替えを行う複
   数の切替器と、前記蓄電器に充電された電荷の放電に用
   いる複数の切替器と、放電抵抗器とからなる請求項１記
   載の電話通信用信号電源装置の試験用疑似負荷装置。