JPH0575681U - 絶縁抵抗測定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数回線の心線の絶縁抵抗測定が簡単・
確実に連続的にできるようにした絶縁抵抗測定装置を提
供することである。 【構成】 回線を接続する複数のモジュラージャッ
ク１１に接続される複数の固定接点１７ｂ、該固定接点
１７ｂの内の１個に接触する第１可動接点１７ｃ、上記
固定接点１７ｂの残りの全部に接する第２可動接点１７
ｄを有するロータリ式の回線切換スイッチ１７を設け
て、第１可動接点１７ｃと第２可動接点１７ｄを一体的
に回転可能とし、第１可動接点１７ｃに絶縁抵抗計１２
の一方の入力端子を接続し、その絶縁抵抗計１２の他方
の入力端子を第２切換スイッチ１３により第２可動接点
１７ｄ又は接地に接続するように構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、メタリック通信回線（以下、回線という）の絶縁抵抗測定を行うた めの装置に係り、特に複数回線の心線間の絶縁抵抗を一括して測定できるように した絶縁抵抗測定装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の絶縁抵抗試験装置１の基本的構成を図４に示す。２は絶縁抵抗計であり 、スイッチ３、４の可動接点に接続されている。スイッチ３の固定接点ａ、ｂは 回線５の心線５ａ、５ｂに、スイッチ４の固定接点ａ、ｂはスイッチ３と接地に 接続される。この試験装置１では、スイッチ３、４を各々ａ側に切り換えること により、回線５の心線５ａと５ｂ間の絶縁抵抗を、また各々ｂ側に切り換えるこ とより回線５の心線５ｂと接地間の絶縁抵抗を、スイッチ３をａ側に、スイッチ ４をｂ側に切り換えることにより回線５の心線５ａと接地間の絶縁抵抗を各々測 定することができる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、この試験装置１は測定端子がスイッチ３の固定接点側に限定されるた めに、２本の心線を接続できるのみであり、このため図５に示すような多重配線 架６に接続されたＮ本の回線７の絶縁抵抗を測定するには、個々の回線７毎に上 記操作を繰り返す作業の外に他の作業が必要となる。

【０００４】 すなわち例えば、Ｎ＝２０のときその回線の絶縁抵抗を測定するに際しては、 １回線のときの作業に加えて、特定の１個の回線の１本の心線と残る１９回線の 合計で３８本の心線との間の絶縁抵抗を測定し、該特定の回線の残る心線につい ても同様の測定を行う必要がある。そして、この作業を２０回線について順次繰 り返す必要がある。

【０００５】 このとき、測定すべき心線の接続作業は絶縁抵抗計２の針を見ながらの作業で あり、視線を煩雑に変化させる必要があるので心線を誤ったり、接触不良を引き 起こすこともあり、煩雑で非能率な作業とならざるを得なかった。

【０００６】 本考案の目的は、スイッチを連続して切り換えることにより、複数回線の心線 の絶縁抵抗測定が簡単・確実にできるようにした絶縁抵抗測定装置を提供するこ とである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

このために本考案は、複数の回線の心線を個々に接続する接続端子と、該各接 続端子に接続される固定接点、該固定接点の内の１個に接触する第１可動接点、 上記固定接点の残りの全部に接触する第２可動接点を有し、該第１可動接点と該 第２可動接点が一体的に回転するロータリ式の回線切換スイッチと、上記第１可 動接点に一方の端子が接続される絶縁抵抗計と、該絶縁抵抗計の他方の端子を上 記第２可動接点又は接地に切換接続する切換スイッチとを具備するように構成し た。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例について説明する。図１はその一実施例の絶縁抵抗測定 装置１０の外観図である。１１は測定すべき回線に例えばコードやクリップを介 して接続したモジュラープラグを接続するためのモジュラージャック（接続端子 ）であり、合計でＭ個だけ設けられている。１２は絶縁抵抗計、１３は絶縁抵抗 測定の回線間／対大地間を切り換える第１切換スイッチ、１４は抵抗測定／通線 のモードを切り換えるＭ個の第２切換スイッチ、１５はアース接続端子、１６は スピーカ、１７は摘み１７ａをもつ２Ｍ段のロータリ式の回線切換スイッチであ る。

【０００９】 図２は絶縁抵抗測定装置１０の回路図である。Ｍ個のモジュラージャック１１ の心線端子は各々、Ｍ個の第２切換スイッチ１４を介して、回線切換スイッチ１ ７の２Ｍ個の固定接点１７ｂに各々接続され、また音声発信器１８とスピーカ１ ６の直列回路に並列接続される。上記した回線切換スイッチ１７は相互に絶縁さ れた第１可動接点１７ｃと第２可動接点１７ｄを有し、絶縁抵抗計１２はこの第 １可動接点１７ｃと第１切換スイッチ１３の間に接続される。また、第２可動接 点１７ｄも第１切換スイッチ１３に接続される。接地端子１５も第１切換スイッ チ１３に接続される。

【００１０】 さて、この絶縁抵抗測定装置１０では、回線切換スイッチ１７の摘み１７ａを 回転させれば、第１可動接点１７ｃと第２可動接点１７ｄが一体的に回転して、 固定接点１７ｂとの接触関係を変化する。そして、図２に示す状態にあるときに は、固定接点１７ｂ１が第１可動接点１７ｃと接触し、他の固定接点１７ｂはす べて第２可動接点１７ｄに接触する。

【００１１】 よって、Ｍ個のモジュラージャック１１にＭ個のモジュラープラグを結合して 、第１切換スイッチ１３を実線側（図２の上側）に切り換え、更にＭ個の第２切 換スイッチ１４の全てを実線側（図２の上側）に切り換えておけば、固定接点１ ７ｂ１に接続された心線に対する同一回線の残りの心線、及び他の回線の各心線 との間の絶縁抵抗が一括して、絶縁抵抗計１２で測定できる。次に、回線切換ス イッチ１３を例えば１段右側に切り換えれば、今度は固定接点１７ｂ２に接続さ れた心線に対する同一回線の残りの心線、及び他の回線の各心線との間の絶縁抵 抗が一括して測定できる。以下、回線切換スイッチ１７を１段右側に切り換える 毎に、特定の回線の１本の心線と他の全部の心線との間の絶縁抵抗が測定できる ようになる。よって、Ｍ個の回線をＭ個のモジュラージャック１１に接続してお いた場合には、その状態において２Ｍ段だけ回線切換スイッチ１７を回転させる のみで、心線間の絶縁抵抗の全ての測定が完了する。このとき、視線は絶縁抵抗 計１２から離す必要がなく、その測定を迅速、確実に行うことができる。

【００１２】 図３は多重配線架６に接続されたＮ本の回線７の絶縁抵抗を測定するときの説 明図であり、Ｎ＜ＭのときはＮ本の回線７すべてを一括して測定でき、Ｎ＞Ｍの ときはＮ本の回線７の内のＭ回線を一括して測定できる。

【００１３】 また、第１切換スイッチ１３を破線側に切り換えれば、第１可動接点１７ｃに 接している固定端子１７ｂに接続された１本の心線と接地間の絶縁抵抗が測定で きる。よって、Ｍ個の回線をＭ個のモジュラージャック１１に接続しておいた場 合には、その状態において２Ｍ段だけ回線切換スイッチ１７を回転させるのみで 、各心線と接地間の絶縁抵抗の全ての測定が完了する。このときも、視線は絶縁 抵抗計１２から離す必要がない。

【００１４】 次に、モジュラージャック１１に接続された回線の他端を短絡しておけば、第 ２切換スイッチ１４を破線側に切り換えることによって、その回線が音声発信器 １８とスピーカ１６に接続されるので、その回線に断線がなければ、音声発信器 １８で発信される音声信号によりスピーカ１６が鳴動し、当該回線が正常である ことが確認できる。この通線確認は、Ｍ個の第２切換スイッチ１４を１個づつ破 線側に切り換えることによって、Ｍ個の回線について個別的に実行できる。なお このときは、破線側に切り換える第２切換スイッチ１４は測定の対象となってい る回線に係るものだけとし、他の回線に係る第２切換スイッチ１４は実線側に切 り換えておく必要がある。

【００１５】 従来ではこの通線確認を、回線の片端側を絶縁抵抗計に接続し、他端側を短絡 して、通線状態があれば絶縁抵抗計の針が振れることを利用して行っていたが、 通常回線の両端末は隔たっているので、それぞれの端点間に連絡線を設けて、２ 名の作業員が連絡をとりながら、その通線確認作業を行っていた。しかし、本実 施例の絶縁抵抗測定装置１０を使用すれば、連絡線は必要なく、また予め他端を 短絡しておけば１名で作業できる。

【００１６】 なお、上記実施例において、スピーカ１６はこれに限られるものではなく、他 の音声聴取器、例えばイヤホンであっても良い。

【００１７】

【考案の効果】

以上のように本考案の絶縁抵抗測定装置によれば、複数の回線の内の特定の回 線の心線と同回線の残りの心線や他の回線の心線との間の絶縁抵抗を一括して連 続的に、また、特定の心線と接地間の絶縁抵抗等を連続して、各々迅速・確実に 測定することができる。また、抵抗測定／通線のモードを切り換える第２切換ス イッチ、音声発信器、音声聴取器等を設ければ、そこに接続した複数の回線の各 々の通線確認も行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例の絶縁抵抗測定装置の外観
図である。

【図２】 同絶縁抵抗測定装置の内部回路図である。

【図３】 同絶縁抵抗測定装置を使用して多重配線架に
接続したＮ回線の絶縁抵抗を測定するときの説明図であ
る。

【図４】 従来の絶縁抵抗測定装置の内部回路図であ
る。

【図５】 従来の絶縁抵抗測定装置を使用して多重配線
架に接続したＮ回線の絶縁抵抗を測定するときの説明図
である。

【符号の説明】

１：従来の絶縁抵抗測定装置、２：絶縁抵抗計、３、
４：スイッチ、５：回線、６：多重配線架（ＭＤＦ）、
１０：一実施例の絶縁抵抗測定装置、１１：Ｍ個のモジ
ュラージャック（接続端子）、１２：絶縁抵抗計、１
３：回線間／対大地間を切り換える第１切換スイッチ、
１４：抵抗測定／通線のモードを切り換えるＭ個の第２
切換スイッチ、１５：アース接続端子、１６：スピー
カ、１７：２Ｍ段のロータリ式の回線切換スイッチ、１
８：音声発信器。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の回線の心線を個々に接続する接続
   端子と、該各接続端子に接続される固定接点、該固定接
   点の内の１個に接触する第１可動接点、上記固定接点の
   残りの全部に接触する第２可動接点を有し、該第１可動
   接点と該第２可動接点が一体的に回転するロータリ式の
   回線切換スイッチと、上記第１可動接点に一方の端子が
   接続される絶縁抵抗計と、該絶縁抵抗計の他方の端子を
   上記第２可動接点又は接地に切換接続する切換スイッチ
   とを具備することを特徴とする絶縁抵抗測定装置。
2. 【請求項２】 音声発信器と、該音声発信器の音声信号
   で鳴動する音声聴取器と、上記接続端子の内の同一回線
   の心線を接続する端子を上記固定端子側又は上記音声発
   信器側へ切り換える別の切換スイッチとを設けたことを
   特徴とする請求項１に記載の絶縁抵抗測定装置。