JPH058491U - センサを備えた小型電子機器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ 温度センサ，圧力センサなどのセンサユニッ
トを備えた小型電子機器の確実な電気的接続と、外部衝
撃による損傷を防止する。 ［構成］ 温度センサ，圧力センサなどのセンサユニッ
トからの接続基板１２の電極と電子機器の回路基板９の
電極とを接触させた状態でビス１９により保持部材１８
をハウジング６に取り付ける。接続基板１２に温度補償
などのセンサユニット用の電子部品２３を取り付け、電
子部品２３と保持部材１８との間に緩衝部材２４を配置
する。保持部材１８は押え部１８ａで接続基板１２およ
び回路基板９の電極形成部位を押圧して、これらの電気
的接続を確保する一方、保持部１８ｂで緩衝部材２４を
弾性変形して、電子部品２３を固定し、電子部品を外部
衝撃から保護する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は温度，圧力等を検出するセンサを備えた小型電子機器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

小型電子機器の一種である電子腕時計には時刻表示，時刻アラームなどの本来 の機能に加えて、外気温や水圧などを検出して表示する付加機能を備えたものが 知られている。このような付加機能を備える小型電子機器では、温度センサ，圧 力センサなどの所定のセンサを収納したセンサユニットを機器ケース内に取り付 ける必要があり、このため機器ケースに開口部を形成して、この開口部内にセン サユニットを収納し、パッキン等によって防水している。この機器ケース内に取 り付けられたセンサユニットは機能を制御する電子回路、例えばＬＳＩ等が取り 付けられた回路基板と配線パターンが形成された接続基板によって電気的に接続 されることにより、温度，圧力等の所定の検出を行う。これにより、検出内容が 機器の表示装置に可視表示等される。

【０００３】 ところでセンサユニットはその機能上、温度補償等を行う必要があり、このた めのチップ抵抗などの電子部品を別途、実装することが行われている。この電子 部品は機器ケース内の回路基板に実装されていたが、回路基板の小型化の観点か ら近年、センサユニットと回路基板との電気的接続を行う接続基板に実装される ことが行われている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら接続基板は、本来センサユニットと機器ケース側の回路基板との 電気的接続を行うものであり、電子部品を振動や衝撃から保護する機能を十分に 有していない。このため振動，衝撃等が作用すると、電子部品が破損したり、脱 落してセンサユニットによる検出が不可能となる問題があった。また、従来構造 では接続基板に対する保護も十分でなく、接続基板の配線パターンの断線等も生 じ易いものとなっていた。

【０００５】 本考案はこのような事情を考慮してなされたものであり、接続基板に実装され た電子部品を十分に保護することができると共に、接続基板の断線等を防止する ことができる構造を有したセンサを備えた小型電子機器を提供することを目的と する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案の小型電子機器は、電子回路が形成された回路基板を収納した機器ケー スと、この機器ケース内に取り付けられたセンサユニットと、このセンサユニッ ト用の電子部品が実装されると共に前記回路基板とセンサユニットとを電気的に 接続する接続基板と、前記電子部品の上部に配置された緩衝部材と、この緩衝部 材を前記電子部品に押え付けると共に、前記接続基板および前記回路基板の電極 相互の接触状態を維持するため前記接続基板を前記回路基板に押え付ける保持部 材と、この保持部材を前記機器ケースに固定する固定部材とを備えていることを 特徴とする。

【０００７】 この場合、前記保持部材は前記接続基板の電極形成部位を前記回路基板に押え 付ける押え部と、この押え部から前記電子部品の実装部位方向に延びて前記緩衝 部材を該電子部品に弾性的に押圧する保持部とを有して構成することができる。

【０００８】

【実施例】

図１ないし図５は本考案の小型電子機器を電子腕時計に適用した実施例を示す 。図１に示すように、時刻をデジタルやアナログによって表示する表示部２を上 面に有する共に、複数のスイッチ３，３・・・を側面部分に有して機器ケース１ が構成されている。この機器ケース１は図２に示す時計モジュール４を収納する と共に、時計モジュール４に接続されるセンサユニット５を収納するようになっ ている。図２は時計モジュール４の底面部分を示し、合成樹脂製のハウジング６ と、ハウジング６下面にねじ止めされた地板７と、ハウシング６内に挿入された ボタン型電池８とを備えている。また、時計モジュール４はハウジング６および 地板７に覆われた回路基板９（図４参照）を内部に有している。この回路基板９ には電子腕時計本来の機能を制御するためのＬＳＩ等の電子回路（図示省略）が 取り付けられている。このような時計モジュール４が収納される機器ケース１は 図１に示すように、３時側の側面部分１０が外側に幾分、長く延びている。そし て、この３時側の側面部分１０に開口部（図示省略）が形成され、この開口部内 にセンサユニット５が収納されるようになっている。図１において、１１はセン サユニット５収納後の開口部を封鎖するため、側面部分１０にねじ止めされる蓋 プレートである。センサユニット５は時刻表示などの電子腕時計の本来の機能に 対し、他の機能を電子腕時計に付与するものであり、金属ケース５ａ内に所定の センサを収納したユニット形態となっている。この場合、センサユニット５に収 納されるセンサとしては、外気温を検出する温度センサ（サーミスタ等），水圧 等を検出する半導体圧力センサ（ブリッジ抵抗体）等である。このセンサユニッ ト５は図２に示すように、フレキシブルな接続基板１２を介して時計モジュール ４の回路基板９と電気的に接続されて、検出データを回路基板９に出力する。

【０００９】 接続基板１２は図２示すように右端部がセンサユニット５に接続されるセンサ 側接続部１２ａ，左側部が回路基板９に接続される機器側接続部１２ｂとなって いる。この接続基板１２における機器側接続部１２ｂには図３に示すように回路 基板９の電極パッド１３に接触する電極パッド（図示省略）が形成されており、 この電極パッドが接続回路１４を介してセンサ側接続部１２ａの電極パッドと電 気的に接続されている（図５参照）。また接続基板１２の機器側接続部１２ｂに は、図５に示すように電子部品２３が半田付け等により実装されている。電子部 品２３はセンサユニット５用の電子部品であり、例えばセンサの温度補償用抵抗 あるいは定電流供給用コンデンサなどが選択される。このセンサユニット５用の 電子部品２３が接続基板１２に実装されることにより、電子部品２３を回路基板 ９に実装する必要がなくなり、これにより回路基板９を小さくすることができ、 機器全体の小型化が可能となる。図５において１５は接続基板１２の上下面にパ ターン形成された接続回路を導通するためのスルーホールである。

【００１０】 次に、この接続基板１２と回路基板９の接続構造を図３および図４により説明 する。接続基板１２の機器側接続部１２ｂと回路基板９との接続は保持部材１８ により行われる。保持部材１８はその電極パッドが回路基板９の各電極パッド１ ３に接触した状態の接続基板１２上に当接して、これらの電極パッドの接触状態 を保持するものである。この保持部材１８は図３に示すように接続基板１２の機 器側接続部１２ｂを覆う形状および大きさに成形されており、図３に示すように 、押え部１８ａと、押え部１８ａから電子部品実装部位方向に延びた保持部１８ ｂとを備えている。押え部１８ａは接続基板１２における電極パッド形成部位に 臨んでおり、この部位を上方から押え付ける。この押え付けにより接続基板１２ の電極パッドが回路基板９の電極パッドに良好に接触して電気的導通が確保され る。図４において、２５はこの押え部１８ａと接続基板１２との間に介挿された 両面接着テープであり、このテープ２５の介挿により、これらの相互のずれを防 止している。一方、保持部１８ｂはこの押え部１８ａから上方に隆起した後、電 子部品２３の上方に水平に延びている。そして、この保持部１８ｂと電子部品２ ３との間には、緩衝部材２４が介挿されている。緩衝部材２４はゴム，弾性プラ スチックなどの弾性体により板状に成形されており、保持部１８ｂの押圧により 弾性的に圧縮された状態で電子部品２３を上方から押圧する。このような緩衝部 材２４の押圧により電子部品２３が脱落することがなくなると共に、振動，衝撃 等が作用しても、これらを吸収あるいは減衰して緩和するため、これらにより電 子部品が破損することがなくなる。そして、このような保持部材１８に対し、ビ ス１９を挿通させて、時計モジュール４のハウジング６に螺合することにより、 保持部材１８の固定が行われる。ビス１９はハウジング６に嵌め込まれたクリッ プ２０に螺合することにより、保持部材１８をハウジング６（機器ケース）に固 定する固定部材として作用しており、ビス１９の取り付けにより、保持部材１８ はその押え部１８ａが接続基板１２の電極パッド形成部位を回路基板９上に常時 、押圧するため接続基板１２と回路基板９との位置ずれがなくなり、配線パター ンの断線防止と良好な電気的接続とがなされると共に、保持部１８ｂが緩衝部材 ２４を押圧して緩衝部材２４による電子部品２３の弾性押圧を行うため、電子部 品の保護がなされる。このような構成に加えて本実施例においては、押え部１８ ａと保持部１８ｂとの連設部位が部分的に切り欠かれて切欠部１８ｃが形成され ている（図３および図４参照）。この切欠部１８ｃの形成により、保持部１８ｂ に弾性が付与され、保持部１８ｂは緩衝部材２４を弾性的に押圧する。このため 保持部１８ｂによる過度の押圧が防止できるため、電子部品２３を損傷すること もないと共に、温度変化があっても緩衝部材２４を確実に押圧する。なお、かか る切欠部１８ｃは選択的事項であり、必要がない場合には形成する必要がない。

【００１１】 このような接続基板１２と回路基板９との接続構造では、保持部材１８の押え 部１８ａが接続基板１２の機器側接続部１２ｂを回路基板９に押え付けると共に 、保持部１８ｂが緩衝部材２４を押圧して電子部品２３を弾性的に固定するため 、接続基板１２と回路基板９との強固な電気的な接続ができると共に、外部衝撃 があっても、電子部品が破損したり、脱落することがない。このため、機器の作 動不良や誤作動を防止することができる。この場合、図示例においては、回路基 板９，接続基板１２および保持部材１８に、図２および図３に示すようにハウジ ング６からのピン２２，２２が挿通して、これらの横ずれが防止されており、こ れにより、さらに強固な電気的接続がなされている。

【００１２】 本考案は上記実施例に限定されることなく、種々変更が可能である。例えば、 センサユニット５を機器ケース１の３時側以外に収納しても良い。また、センサ ユニット５に収納されるセンサは磁気を検出する磁気センサ，脈拍を測定する脈 拍検出センサ，歩数をカウントする歩数検出センサ，煙や放射能等を検出するそ の他のセンサであっても良い。さらに本発明は電子腕時計以外の他の電子機器、 例えば小型電子計算機，ゲーム機，ラジオ装置，ページャ等の無線装置，玩具等 に対しても同様に適用することができる。

【００１３】

【考案の効果】

本考案は接続基板における電極形成部位を保持部材によって回路基板に押し付 けるため、これらの良好な電気的接続を行うことができると共に、保持部材と緩 衝部材とにより電子部品を接続基板に弾性的に押圧するため外部衝撃による電子 部品の破損，脱落を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の全体の平面図。

【図２】機器ケースに収納される時計モジュールおよび
センサユニットを示す底面図。

【図３】図２おける矢印Ａ部の拡大図。

【図４】図３におけるＢ−Ｂ線断面図。

【図５】接続基板の平面図。

【符号の説明】

１ 機器ケース ５ センサユニット ９ 回路基板 １２ 接続基板 １８ 保持部材 １９ ビス ２３ 電子部品

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電子回路が形成された回路基板を収納し
   た機器ケースと、この機器ケース内に取り付けられたセ
   ンサユニットと、このセンサユニット用の電子部品が実
   装されると共に前記回路基板とセンサユニットとを電気
   的に接続する接続基板と、前記電子部品の上部に配置さ
   れた緩衝部材と、この緩衝部材を前記電子部品に押え付
   けると共に前記接続基板および前記回路基板の電極相互
   の接触状態を維持するため前記接続基板を前記回路基板
   に押え付ける保持部材と、この保持部材を前記機器ケー
   スに固定する固定部材とを備えていることを特徴とする
   センサを備えた小型電子機器。
2. 【請求項２】 前記保持部材は前記接続基板の電極形成
   部位を前記回路基板に押え付ける押え部と、この押え部
   から前記電子部品の実装部位方向に延びて前記緩衝部材
   を該電子部品に弾性的に押圧する保持部とを有している
   ことを特徴とする請求項１記載のセンサを備えた小型電
   子機器。