JPS5832290Y2 - 被取付体の保持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は被取付体の保持装置に係り、特に小型の電子機
器等においてプリント基板、シャーシ板あるいは電気部
品等の部品を合成樹脂製基体に保持するようにした保持
装置に適用して好適なものである。

例えば小型のラジオ受信機において、プリント基板を合
成樹脂製基体に取付けて保持する場合には、例えばこの
基体の表面にこの基体と直角に弾性変形可能な保持片を
一体に連設し、この保持片の先端のフック部をプリント
基板の周縁部に係合させ、プリント基板を保持するよう
にしていた。

従つてラジオ受信機の内部には、少なくとも基体の厚み
と保持片の高さとの和以上の幅の空間を設けなくてはな
らず、小型化が阻害されていた。

このような問題点に鑑みて保持片の高さを低くすること
も考案されるが、この保持片はプリント基板の取付けに
際して弾性変形させる必要があり、あまり低いと変形が
弾性限界を超えるために破損してしまう。

本考案はこのような問題点を是正することを目的とする
ものであって、合成樹脂製の取付基体に対して略垂直に
延び且つその先端部に係合部が設けられた弾性変形可能
な保持片と、前記保持片の付根部と前記取付基体とを連
結し且つ前記保持片が延びる方向とは異なる方向に延び
且つ弾性変形可能な連結片とを具備し、前記保合部によ
り被取付体を係合することによって、前記被取付体を前
記取付基体に取付けるようにした被取付体の保持装置に
係るものである。

従って本考案によれば保持片を低くしても大きな変化が
可能となり、電子機器の小型化が可能となる。

以下本考案をラジオ受信機におけるプリント基板の保持
装置に適用した一実施例を図面につき説明する。

第１図に示すように、このラジオ受信機のキャビネット
１は偏平な直方体状に構成されており、その上面にはボ
リウムつまみ２とチューニングつまみ３とが配設されて
おり、また側面にはダイヤル表示部４が設けられている
。

キャビネット１の内部には第２図に示すように、合成樹
脂製の基体５が配設されている。

この基体５はスチロール樹脂、ＡＢＳ樹脂等の成形物で
あって、このラジオ受信機の内部においてその面方向の
ほぼ全面を覆うように構成されている。

そしてこの基体５によって電池６、プリント基板７等の
部品を保持するように構成されている。

この合成樹脂製の基体５によるプリント基板７の保持は
、第２図に示すようにこの基体５に一体に連設されてい
る保持片８，９等によって行なわれるようになっている
。

これらの保持片８，９にはその上端にフック１０が形成
されており、またこの保合部すなわちフック１０の上面
は傾斜面１１となっている。

従ってプリント基板７の周縁部をこの傾斜面１１に当接
させて保持片８，９を外方に弾性変形させ、プリント基
板７の周縁部の上面をフック１０に係合させることによ
ってプリント基板７を合成樹脂製の基体５に取付けるよ
うになっている。

なおこのときにプリント基板７の下面は基体５に一体に
連設されている突出部１２．１３の上面に当接して、プ
リント基板７の下面が基体５に直接接触しないようにな
っており、基体５とプリント基板７との間の空間に、プ
リント基板７にマウントされている各種の回路部品１４
が配されるように構成されている。

プリント基板７を基体５に対して保持するための保持片
８，９の内の保持片８は、第３図に示すように合成樹脂
製基体５に設けられた開口１５の上面に連設されている
。

すなわち、はぼ矩形の開口１５の長手方向に、この間口
１５の中央を横切るように弾性変形可能な連結片１６が
基体５と一体に連設されている。

そしてこの連結片１６のほぼ中央部に、基体５に対して
直角に保持片８が連設されている。

従ってこの保持片８はそれ自身が連結片１６との結合部
分を固定端として弾性変形するばかりでなく、この連結
片１６がその両端の基体５との連結部分を固定端として
たわみ、かつねじれを起し、これによっても保持片８は
変位することになる。

従って保持片８の上端の変位は、保持片８の弾性変形と
連結片１６の弾性変形とによって達成されることになる
。

このために保持片８の高さを高くしなくても、プリント
基板７を取付けるのに十分な変形が可能となり、保持片
８の高さを低くすることができる。

従って保持片８の高さと基体５の厚さの和が小さくなり
、ラジオ受信機のキャビネット１の内部空間の厚みを小
さくすることができる。

すなわちラジオ受信機をより偏平な薄形に構成すること
ができる。

またプリント基板７の面積にバラツキがあっても、保持
片８を十分に弾性変位させることによって、基準よりも
大きい面積を有するプリント基板７をも保持することが
できる。

一方もう一つの保持片９は、第４図に示すように、基体
５の周縁部に凸字状に突出して形成されている連結片１
７の中央部に一体に連設されている。

連結片１７は合成樹脂製基体５の面方向に延びている。

そしてこの保持片９の変位もまた、保持片９の弾性変形
と連結片１７の弾性変形とによって達成されるために、
保持片９の高さを低くすることができる。

なお連結片の形状は、第３図および第４図に示す形状の
ものに限定されることなく、他の形状のものであっても
よい。

例えば第５図に示すように、基体５の周縁部に短冊状の
連結片１８と基体５の面方向に突出させ、この連結片１
８の先端に、この連結片１８と直角に保持片８を設ける
ようにしてもよい。

この場合において連結片１８と基体５との結合部分の近
傍に開口１９を設けておけば、連結片１８の変形量がよ
り大きくなるので、保持片８の高さをより低くすること
ができる。

以上本考案を実施例につき述べたが、本考案は上記実施
例によって限定されるものではなく、本考案の技術的思
想に基いて各種変形が可能である。

例えば上記実施例は本考案をラジオ受信機におけるプリ
ント基板の支持装置に適用したものであるが、本考案は
その他各種の機器における、プリント基板以外の物品の
取付けにも適用可能である。

上述の如く本考案は、合成樹脂製の基体に弾性変形可能
な連結片を介して保持片を連設し、この保持片によって
被取付は体を支持するようにしたものであるから、保持
片の変位が保持片の弾性変形と連結片の弾性変形とによ
って達成されることになる。

このために、たとえこの保持片の高さが低くても十分な
弾性変位をもって被取付体を取付けたりあるいは取りは
ずしたりすることができるので、機器をより小型化する
ことができる。

また被取付体の面積にバラツキがあっても、保持片を十
分に弾性変位させることによって、基準よりも大きい面
積を有する被取付体をも保持することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案をラジオ受信機におけるプリント基板の保
持装置に適用した一実施例を示すものであって、第１図
はこのラジオ受信機の外観斜視図、第２図は第１図にお
けるＩＩ〜ＩＩ線断面図、第３図は保持片８の構造を示
す基体５の要部斜視図、第４図は保持片９の構造を示す
基体５の要部斜視図、第５図は保持片８の構造の変形例
を示す要部斜視図である。 なお図面に用いられている符号において、５は合成樹脂
製基体、７はプリント基板、８，９は保持片、１０はフ
ック、１６，１７は連結片である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂製の取付基体に対して略垂直に延び且つその先
   端部に係合部が設けられた弾性変形可能な保持片と、前
   記保持片の付根部と前記取付基体とを連結し且つ前記保
   持片が延びる方向とは異なる方向に延び且つ弾性変形可
   能な連結片とを具備し、前記係合部により被取付体を係
   合することによって、前記被取付体を前記取付基体に取
   付けるようにした被取付体の保持装置。